JP2000309836A - 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法Info
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Landscapes
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 エッチング時に、未エッチング部が生じにく
く、点状光沢の生じにくい電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔を提供する。 【解決手段】 この電解コンデンサ陽極用アルミニウム
箔は、アルミニウム純度が99.98%以上の圧延アル
ミニウム箔である。そして、アルミニウム箔中における
(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均値が95%以
上で、占有率の値のバラツキが2.5%未満である。更
に、アルミニウム箔表面に形成されている酸化皮膜の耐
電圧の平均値が1.2〜1.8Vで、耐電圧の値のバラ
ツキが8%未満である。このような電解コンデンサ陽極
用アルミニウム箔は、アルミニウム純度が99.98%
以上の鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及び中
間焼鈍を施した後、圧下率15〜20%で最終冷間圧延
を施し、次いで、有機溶剤を用いて洗浄した後、特定の
条件で最終焼鈍を施すことによって得られる。
く、点状光沢の生じにくい電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔を提供する。 【解決手段】 この電解コンデンサ陽極用アルミニウム
箔は、アルミニウム純度が99.98%以上の圧延アル
ミニウム箔である。そして、アルミニウム箔中における
(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均値が95%以
上で、占有率の値のバラツキが2.5%未満である。更
に、アルミニウム箔表面に形成されている酸化皮膜の耐
電圧の平均値が1.2〜1.8Vで、耐電圧の値のバラ
ツキが8%未満である。このような電解コンデンサ陽極
用アルミニウム箔は、アルミニウム純度が99.98%
以上の鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及び中
間焼鈍を施した後、圧下率15〜20%で最終冷間圧延
を施し、次いで、有機溶剤を用いて洗浄した後、特定の
条件で最終焼鈍を施すことによって得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電容量が高く、
且つ、エッチング時に均一溶解しやすい電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔及びその製造方法に関するもので
ある。
且つ、エッチング時に均一溶解しやすい電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、電解コンデンサ用陽極箔は、
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔に直流エッチング
を施すことにより、作成されている。直流エッチングに
よって、アルミニウム箔表面に多数のエッチングピット
が形成され、アルミニウム箔の表面積が拡大し、静電容
量の高い陽極箔が得られるのである。なお、アルミニウ
ム箔としては、一般に、圧延アルミニウム箔が用いられ
ている。
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔に直流エッチング
を施すことにより、作成されている。直流エッチングに
よって、アルミニウム箔表面に多数のエッチングピット
が形成され、アルミニウム箔の表面積が拡大し、静電容
量の高い陽極箔が得られるのである。なお、アルミニウ
ム箔としては、一般に、圧延アルミニウム箔が用いられ
ている。
【0003】このエッチングピットを高密度に多数形成
させるためには、アルミニウム箔表面に対してなるべく
垂直にエッチングピットを形成させることが望ましい。
そして、エッチングピットを垂直に形成させるために
は、アルミニウム箔中における結晶粒が(100)面を
持つ方位となっていれば良いことが知られている。従っ
てまた、静電容量の高い陽極箔を得るには、(100)
面を持つ結晶粒が、高い割合で含まれているアルミニウ
ム箔を使用すれば良いことも知られている。更に、エッ
チングピット形成時において、その開始点の発生数は、
アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚さと相関しているこ
とも知られている。具体的には、表面酸化皮膜の厚さが
薄すぎると、エッチング時に全面溶解を生じ、エッチン
グピットの開始点が生成しにくくなり、一方、表面酸化
皮膜の厚さが厚すぎても、エッチングが施されにくくな
り、エッチングピットの開始点が生成しにくくなること
が知られている。従ってまた、静電容量の高い陽極箔を
得るには、アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚さを一定
の範囲内にすれば良いことも知られている。
させるためには、アルミニウム箔表面に対してなるべく
垂直にエッチングピットを形成させることが望ましい。
そして、エッチングピットを垂直に形成させるために
は、アルミニウム箔中における結晶粒が(100)面を
持つ方位となっていれば良いことが知られている。従っ
てまた、静電容量の高い陽極箔を得るには、(100)
面を持つ結晶粒が、高い割合で含まれているアルミニウ
ム箔を使用すれば良いことも知られている。更に、エッ
チングピット形成時において、その開始点の発生数は、
アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚さと相関しているこ
とも知られている。具体的には、表面酸化皮膜の厚さが
薄すぎると、エッチング時に全面溶解を生じ、エッチン
グピットの開始点が生成しにくくなり、一方、表面酸化
皮膜の厚さが厚すぎても、エッチングが施されにくくな
り、エッチングピットの開始点が生成しにくくなること
が知られている。従ってまた、静電容量の高い陽極箔を
得るには、アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚さを一定
の範囲内にすれば良いことも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような技術的背
景の下、(100)面を持つ結晶粒を高割合で含有し、
表面酸化皮膜の厚さが一定範囲内となっているアルミニ
ウム箔を用い、これに直流エッチング処理すると、確か
に、高静電容量の陽極箔が得られることを、本発明者等
は確認している。しかしながら、このような高静電容量
の陽極箔であっても、点状光沢が見られ、外観が悪いと
いう欠点があった。ここで、点状光沢とは、アルミニウ
ム箔に直流エッチング処理を施した際、局部的且つ散点
状に未エッチング部が生じ、この未エッチング部におけ
る光の反射率が、エッチング部における光の反射率より
も大きいために生じるものである。点状光沢が存在する
と、必ずしも静電容量が低下するとは限らず、十分満足
のゆく静電容量を示すものも多いが、陽極箔の使用者に
とっては、外観不良として製品化を躊躇する傾向が見ら
れるのである。
景の下、(100)面を持つ結晶粒を高割合で含有し、
表面酸化皮膜の厚さが一定範囲内となっているアルミニ
ウム箔を用い、これに直流エッチング処理すると、確か
に、高静電容量の陽極箔が得られることを、本発明者等
は確認している。しかしながら、このような高静電容量
の陽極箔であっても、点状光沢が見られ、外観が悪いと
いう欠点があった。ここで、点状光沢とは、アルミニウ
ム箔に直流エッチング処理を施した際、局部的且つ散点
状に未エッチング部が生じ、この未エッチング部におけ
る光の反射率が、エッチング部における光の反射率より
も大きいために生じるものである。点状光沢が存在する
と、必ずしも静電容量が低下するとは限らず、十分満足
のゆく静電容量を示すものも多いが、陽極箔の使用者に
とっては、外観不良として製品化を躊躇する傾向が見ら
れるのである。
【0005】そこで、本発明者等は、点状光沢の発生を
防止すべく研究を重ねた結果、(100)面を持つ結晶
粒の割合の変動が少ない方が、且つ、表面酸化皮膜の厚
さの変動が少ない方が、点状光沢が発生しにくいことを
見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされ
たものである。なお、本件出願人は、特願平11−15
424号及び特願平11−103494号として、点状
光沢を防止しうる技術を提案している。これらの提案発
明は、主として、アルミニウム箔中の元素組成に着目
し、エッチング時にアルミニウム箔表面で生じるアノー
ド反応(Al→Al3++3e)とカソード反応(2H+
+2e→H2)とのバランスを工夫することによって、
点状光沢を防止しようというものである。従って、本発
明は、これらの提案発明とは、着眼点が相違するもので
ある。
防止すべく研究を重ねた結果、(100)面を持つ結晶
粒の割合の変動が少ない方が、且つ、表面酸化皮膜の厚
さの変動が少ない方が、点状光沢が発生しにくいことを
見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされ
たものである。なお、本件出願人は、特願平11−15
424号及び特願平11−103494号として、点状
光沢を防止しうる技術を提案している。これらの提案発
明は、主として、アルミニウム箔中の元素組成に着目
し、エッチング時にアルミニウム箔表面で生じるアノー
ド反応(Al→Al3++3e)とカソード反応(2H+
+2e→H2)とのバランスを工夫することによって、
点状光沢を防止しようというものである。従って、本発
明は、これらの提案発明とは、着眼点が相違するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
純度が99.98重量%以上の圧延アルミニウム箔であ
って、該アルミニウム箔中における(100)面を持つ
結晶粒の占有率の平均値が95%以上で、該占有率の値
のバラツキが2.5%未満であり、且つ、該アルミニウ
ム箔表面に形成されている酸化皮膜の耐電圧の平均値が
1.2〜1.8Vで、該耐電圧の値のバラツキが8%未
満であることを特徴とする電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔及びその製造方法に関するものである。
純度が99.98重量%以上の圧延アルミニウム箔であ
って、該アルミニウム箔中における(100)面を持つ
結晶粒の占有率の平均値が95%以上で、該占有率の値
のバラツキが2.5%未満であり、且つ、該アルミニウ
ム箔表面に形成されている酸化皮膜の耐電圧の平均値が
1.2〜1.8Vで、該耐電圧の値のバラツキが8%未
満であることを特徴とする電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔及びその製造方法に関するものである。
【0007】本発明に係る電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔は、アルミニウム純度が99.98重量%以上
である。アルミニウム純度が99.98重量%未満であ
ると、不純物の量が多くなりすぎて、エッチング時に過
溶解を生じやすくなり、アルミニウム箔表面積の拡大が
図られないため、好ましくない。また、アルミニウム箔
の製造条件にもよるが、(100)面を持つ結晶粒の割
合を高めにくくなる傾向が生じる。なお、本発明に係る
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔は、冷間圧延工程
を経て得られた、圧延アルミニウム箔であることは言う
までもない。
ニウム箔は、アルミニウム純度が99.98重量%以上
である。アルミニウム純度が99.98重量%未満であ
ると、不純物の量が多くなりすぎて、エッチング時に過
溶解を生じやすくなり、アルミニウム箔表面積の拡大が
図られないため、好ましくない。また、アルミニウム箔
の製造条件にもよるが、(100)面を持つ結晶粒の割
合を高めにくくなる傾向が生じる。なお、本発明に係る
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔は、冷間圧延工程
を経て得られた、圧延アルミニウム箔であることは言う
までもない。
【0008】本発明に係る電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔は、その中に(100)面を持つ結晶粒を高い
割合で含有するものである。即ち、(100)面を持つ
結晶粒の占有率の平均値が95%以上となっているもの
であり、好ましくは98%以上となっているのが良い。
この平均値が95%未満であると、直流エッチング処理
によって、点状光沢が生じやすくなるので、好ましくな
い。ここで、(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均
値は、以下の方法で測定し算出されるものである。即
ち、図1に示す如きアルミニウム箔から、圧延方向の三
箇所で、幅方向に25mm×25mmの寸法の試料を各
々20点(合計60点)採取する。これは、図1中、α
1,α2,α3,・・・α18,α19,α20、β1,β2,
β3,・・・β 18,β19,β20、γ1,γ2,γ3・・・γ
18,γ19,γ20に相当する。そして、これらの各試料
を、50重量%HCl+47重量%HNO3+3重量%
HF溶液(液温30℃)に30秒間浸漬し、(100)
組織を顕出後、25mm×25mmの視野で画像解析装
置を用いて、(100)面を持つ結晶粒の占有率を測定
する。60点の各試料の占有率χi(但し、iは1〜6
0)として、その平均値(χav)を、χav=(Σχi)
/60なる式で算出するのである。なお、(100)面
を持つ結晶粒の占有率とは、一定視野内における、(1
00)面を持つ結晶粒の占める面積率であることは、言
うまでもない。
ニウム箔は、その中に(100)面を持つ結晶粒を高い
割合で含有するものである。即ち、(100)面を持つ
結晶粒の占有率の平均値が95%以上となっているもの
であり、好ましくは98%以上となっているのが良い。
この平均値が95%未満であると、直流エッチング処理
によって、点状光沢が生じやすくなるので、好ましくな
い。ここで、(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均
値は、以下の方法で測定し算出されるものである。即
ち、図1に示す如きアルミニウム箔から、圧延方向の三
箇所で、幅方向に25mm×25mmの寸法の試料を各
々20点(合計60点)採取する。これは、図1中、α
1,α2,α3,・・・α18,α19,α20、β1,β2,
β3,・・・β 18,β19,β20、γ1,γ2,γ3・・・γ
18,γ19,γ20に相当する。そして、これらの各試料
を、50重量%HCl+47重量%HNO3+3重量%
HF溶液(液温30℃)に30秒間浸漬し、(100)
組織を顕出後、25mm×25mmの視野で画像解析装
置を用いて、(100)面を持つ結晶粒の占有率を測定
する。60点の各試料の占有率χi(但し、iは1〜6
0)として、その平均値(χav)を、χav=(Σχi)
/60なる式で算出するのである。なお、(100)面
を持つ結晶粒の占有率とは、一定視野内における、(1
00)面を持つ結晶粒の占める面積率であることは、言
うまでもない。
【0009】また、本発明においては、占有率の値のバ
ラツキは、2.5%未満でなければならない。このバラ
ツキが2.5%以上であると、直流エッチング処理によ
って、点状光沢が生じやすくなるので、好ましくない。
ここで、占有率の値のバラツキは、以下の如く定義され
るものである。即ち、上記で測定した60点の各試料の
うち、占有率の最も高い値をχmaxとし、最も低い値を
χminとしたとき、占有率の値のバラツキ(σ1)は、σ
1=〔(χmax−χmin)/χmax〕×100で算出される
ものである。
ラツキは、2.5%未満でなければならない。このバラ
ツキが2.5%以上であると、直流エッチング処理によ
って、点状光沢が生じやすくなるので、好ましくない。
ここで、占有率の値のバラツキは、以下の如く定義され
るものである。即ち、上記で測定した60点の各試料の
うち、占有率の最も高い値をχmaxとし、最も低い値を
χminとしたとき、占有率の値のバラツキ(σ1)は、σ
1=〔(χmax−χmin)/χmax〕×100で算出される
ものである。
【0010】本発明に係る電解コンデンサ陽極用アルミ
ニウム箔は、その表面に形成されている酸化皮膜の耐電
圧の平均値が1.2〜1.8Vでなければならない。こ
の平均値が1.2V未満であると、直流エッチング処理
時に、全面溶解が生じやすくなり、多数のエッチングピ
ットが生成しにくくなって、高静電容量の陽極箔が得ら
れにくくなるので、好ましくない。また、この平均値が
1.8Vを超えると、直流エッチング処理時に、酸化皮
膜の欠陥部に電流が集中し、高静電容量の陽極箔が得ら
れにくくなるとと共に、点状光沢も発生しやすくなるの
で、好ましくない。ここで、酸化皮膜の耐電圧の平均値
は、以下の方法で測定し算出されるものである。即ち、
図2に示す如きアルミニウム箔から、圧延方向の三箇所
で、幅方向に10mm×130mmの寸法の試料を、1
5mmの間隔を開けて各々20点(合計60点)採取す
る。これは、図1中、δ1,δ2,δ3,・・・δ18,δ
19,δ20、ε1,ε2,ε3,・・・ε18,ε19,ε20、
ζ1,ζ2,ζ3・・・ζ18,ζ19,ζ20に相当する。そ
して、これらの各試料を、13重量%アジピン酸アンモ
ニウム水溶液(液温25℃)で、対極を同純度アルミニ
ウム箔としてDC0.4mAの定電流を流し、電圧−時
間曲線の屈曲点の電圧〔耐電圧である。(Vi)、但し
iは1〜60〕を測定する。酸化皮膜の耐電圧の平均値
(V)は、V=(ΣVi)/60なる式(式中、iは1
〜60)で算出されるものである。
ニウム箔は、その表面に形成されている酸化皮膜の耐電
圧の平均値が1.2〜1.8Vでなければならない。こ
の平均値が1.2V未満であると、直流エッチング処理
時に、全面溶解が生じやすくなり、多数のエッチングピ
ットが生成しにくくなって、高静電容量の陽極箔が得ら
れにくくなるので、好ましくない。また、この平均値が
1.8Vを超えると、直流エッチング処理時に、酸化皮
膜の欠陥部に電流が集中し、高静電容量の陽極箔が得ら
れにくくなるとと共に、点状光沢も発生しやすくなるの
で、好ましくない。ここで、酸化皮膜の耐電圧の平均値
は、以下の方法で測定し算出されるものである。即ち、
図2に示す如きアルミニウム箔から、圧延方向の三箇所
で、幅方向に10mm×130mmの寸法の試料を、1
5mmの間隔を開けて各々20点(合計60点)採取す
る。これは、図1中、δ1,δ2,δ3,・・・δ18,δ
19,δ20、ε1,ε2,ε3,・・・ε18,ε19,ε20、
ζ1,ζ2,ζ3・・・ζ18,ζ19,ζ20に相当する。そ
して、これらの各試料を、13重量%アジピン酸アンモ
ニウム水溶液(液温25℃)で、対極を同純度アルミニ
ウム箔としてDC0.4mAの定電流を流し、電圧−時
間曲線の屈曲点の電圧〔耐電圧である。(Vi)、但し
iは1〜60〕を測定する。酸化皮膜の耐電圧の平均値
(V)は、V=(ΣVi)/60なる式(式中、iは1
〜60)で算出されるものである。
【0011】また、本発明においては、耐電圧の値のバ
ラツキは、8%未満でなければならない。このバラツキ
が8%以上であると、直流エッチング処理によって、点
状光沢が生じやすくなるので、好ましくない。ここで、
耐電圧の値のバラツキは、以下の如く定義されるもので
ある。即ち、上記で測定した60点の各試料のうち、耐
電圧の最も高い値をVmaxとし、最も低い値をVminとし
たとき、耐電圧の値のバラツキ(σ2)は、σ2=〔(V
max−Vmin)/Vmax〕×100で算出されるものであ
る。
ラツキは、8%未満でなければならない。このバラツキ
が8%以上であると、直流エッチング処理によって、点
状光沢が生じやすくなるので、好ましくない。ここで、
耐電圧の値のバラツキは、以下の如く定義されるもので
ある。即ち、上記で測定した60点の各試料のうち、耐
電圧の最も高い値をVmaxとし、最も低い値をVminとし
たとき、耐電圧の値のバラツキ(σ2)は、σ2=〔(V
max−Vmin)/Vmax〕×100で算出されるものであ
る。
【0012】このような電解コンデンサ陽極用アルミニ
ウム箔は、以下の如き製造方法で好適に得ることができ
る。即ち、アルミニウム純度が99.98%以上の鋳塊
に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及び中間焼鈍を施
した後、圧下率15〜20%で最終冷間圧延を施し、次
いで、有機溶剤を用いて洗浄した後、特定の条件で最終
焼鈍を施すという方法である。この製造方法を詳細に説
明すると、次のとおりである。
ウム箔は、以下の如き製造方法で好適に得ることができ
る。即ち、アルミニウム純度が99.98%以上の鋳塊
に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及び中間焼鈍を施
した後、圧下率15〜20%で最終冷間圧延を施し、次
いで、有機溶剤を用いて洗浄した後、特定の条件で最終
焼鈍を施すという方法である。この製造方法を詳細に説
明すると、次のとおりである。
【0013】まず、アルミニウム純度が99.98%以
上の鋳塊を準備する。このアルミニウム純度が99.9
8%未満であると、不純物の量が多くなり、特定の最終
焼鈍を施しても、(100)面を持つ結晶粒の占有率を
95%以上に調整しにくくなるので、好ましくない。そ
して、この鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及
び中間焼鈍を施す。これらの各処理は、周知の方法で周
知の条件で行えば良い。中間焼鈍後に、圧下率15〜2
0%で最終冷間圧延を施す。この圧下率が、15%未満
であると、特定の最終焼鈍を施しても、再結晶駆動力が
低すぎて、結晶粒が(100)面を有する方位に回転し
にくくなるので、好ましくない。また、圧下率が20%
を超えると、(100)面を有する結晶粒が破壊される
恐れがあり、更に、他の方位の結晶粒に転換する恐れが
あるので、好ましくない。なお、この圧下率は、最終冷
間圧延前のアルミニウム箔の厚さをt0とし、最終冷間
圧延後のアルミニウム箔の厚さをt1としたとき、
〔(t0−t1)/t0〕×100で算出されるものであ
る。
上の鋳塊を準備する。このアルミニウム純度が99.9
8%未満であると、不純物の量が多くなり、特定の最終
焼鈍を施しても、(100)面を持つ結晶粒の占有率を
95%以上に調整しにくくなるので、好ましくない。そ
して、この鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及
び中間焼鈍を施す。これらの各処理は、周知の方法で周
知の条件で行えば良い。中間焼鈍後に、圧下率15〜2
0%で最終冷間圧延を施す。この圧下率が、15%未満
であると、特定の最終焼鈍を施しても、再結晶駆動力が
低すぎて、結晶粒が(100)面を有する方位に回転し
にくくなるので、好ましくない。また、圧下率が20%
を超えると、(100)面を有する結晶粒が破壊される
恐れがあり、更に、他の方位の結晶粒に転換する恐れが
あるので、好ましくない。なお、この圧下率は、最終冷
間圧延前のアルミニウム箔の厚さをt0とし、最終冷間
圧延後のアルミニウム箔の厚さをt1としたとき、
〔(t0−t1)/t0〕×100で算出されるものであ
る。
【0014】最終冷間圧延の後、得られたアルミニウム
箔を、有機溶剤で洗浄する。具体的には、有機溶剤が満
たされた槽中にアルミニウム箔を通したり、或いは、ア
ルミニウム箔表面に有機溶剤を注げば良い。また、この
際、ブラシ等でアルミニウム箔表面を擦っても良い。有
機溶剤としては、メタクレン,アセトン,酢酸エチル,
ジクロロメタン又はイソプロピルアルコールが単独で又
は混合して用いられる。特に、本発明では、アセトン,
ジクロロメタン及び酢酸エチルよりなる群から選ばれた
1種以上のものを、有機溶剤として用いるのが好まし
い。この有機溶剤を用いる洗浄に代えて、アルカリ系洗
剤水溶液又は酸系洗剤水溶液を用いて、アルミニウム箔
を洗浄すると、前工程までに生成した酸化皮膜の除去の
程度を調整することが困難になり、最終焼鈍で成長する
酸化皮膜厚さを制御することが困難になる。従って、得
られる電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔表面の酸化
皮膜の厚さのバラツキが大きくなり、好ましくないので
ある。即ち、本発明において、有機溶剤による洗浄を使
用した理由は、酸化皮膜の除去の程度を調整しやすく
し、もって、最終焼鈍で成長する酸化皮膜厚さのバラツ
キを少なくするためなのである。
箔を、有機溶剤で洗浄する。具体的には、有機溶剤が満
たされた槽中にアルミニウム箔を通したり、或いは、ア
ルミニウム箔表面に有機溶剤を注げば良い。また、この
際、ブラシ等でアルミニウム箔表面を擦っても良い。有
機溶剤としては、メタクレン,アセトン,酢酸エチル,
ジクロロメタン又はイソプロピルアルコールが単独で又
は混合して用いられる。特に、本発明では、アセトン,
ジクロロメタン及び酢酸エチルよりなる群から選ばれた
1種以上のものを、有機溶剤として用いるのが好まし
い。この有機溶剤を用いる洗浄に代えて、アルカリ系洗
剤水溶液又は酸系洗剤水溶液を用いて、アルミニウム箔
を洗浄すると、前工程までに生成した酸化皮膜の除去の
程度を調整することが困難になり、最終焼鈍で成長する
酸化皮膜厚さを制御することが困難になる。従って、得
られる電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔表面の酸化
皮膜の厚さのバラツキが大きくなり、好ましくないので
ある。即ち、本発明において、有機溶剤による洗浄を使
用した理由は、酸化皮膜の除去の程度を調整しやすく
し、もって、最終焼鈍で成長する酸化皮膜厚さのバラツ
キを少なくするためなのである。
【0015】洗浄後、特定の条件下で最終焼鈍を行う。
具体的には、以下の如き条件である。まず、最終焼鈍の
昇温速度を30〜100℃/h.、好ましくは50〜1
00℃/h.とする。昇温温度が30℃/h.未満であ
ると、(100)面の方位を持つ結晶粒が成長する前
に、この方位以外の結晶粒が成長しやすくなるので、好
ましくない。また、昇温速度を100℃/h.より速く
することは、実操業上、コイル形態のアルミニウム箔を
焼鈍することが多いため、現実的ではない。なお、h.
は時間の意味であることは言うまでもない。
具体的には、以下の如き条件である。まず、最終焼鈍の
昇温速度を30〜100℃/h.、好ましくは50〜1
00℃/h.とする。昇温温度が30℃/h.未満であ
ると、(100)面の方位を持つ結晶粒が成長する前
に、この方位以外の結晶粒が成長しやすくなるので、好
ましくない。また、昇温速度を100℃/h.より速く
することは、実操業上、コイル形態のアルミニウム箔を
焼鈍することが多いため、現実的ではない。なお、h.
は時間の意味であることは言うまでもない。
【0016】次に、最終焼鈍時の保持時間は、3〜8
h.である。保持時間が3h.未満であると、アルミニ
ウム箔表面の酸化皮膜中において、エッチング処理時に
エッチングピットの開始点となるγ−Al2O3の生成が
不充分となるので、好ましくない。一方、保持時間が8
h.を超えると、酸化皮膜が厚くなりすぎたり(酸化皮
膜の耐電圧の平均値が1.8Vを超えたり)、或いは酸
化皮膜の厚さのバラツキが大きく(耐電圧の値のバラツ
キが8%以上に)なったりする。また、最終焼鈍時の保
持温度は、520〜570℃である。保持温度が520
℃未満であると、(100)面を有する結晶粒の占有率
の平均値が95%未満になる傾向が生じる。更に、アル
ミニウム箔表面の酸化皮膜中において、エッチング処理
時にエッチングピットの開始点となるγ−Al2O3の生
成が不充分となるので、好ましくない。保持温度が57
0℃を超えると、酸化皮膜の厚さが厚くなりすぎるの
で、好ましくない。更に、コイル中で積層されているア
ルミニウム箔同士がくっつきやすくなったり、或いは結
晶粒の粗大化が生じてエッチング処理によって微細なエ
ッチングピットが形成されにくくなるので、好ましくな
い。
h.である。保持時間が3h.未満であると、アルミニ
ウム箔表面の酸化皮膜中において、エッチング処理時に
エッチングピットの開始点となるγ−Al2O3の生成が
不充分となるので、好ましくない。一方、保持時間が8
h.を超えると、酸化皮膜が厚くなりすぎたり(酸化皮
膜の耐電圧の平均値が1.8Vを超えたり)、或いは酸
化皮膜の厚さのバラツキが大きく(耐電圧の値のバラツ
キが8%以上に)なったりする。また、最終焼鈍時の保
持温度は、520〜570℃である。保持温度が520
℃未満であると、(100)面を有する結晶粒の占有率
の平均値が95%未満になる傾向が生じる。更に、アル
ミニウム箔表面の酸化皮膜中において、エッチング処理
時にエッチングピットの開始点となるγ−Al2O3の生
成が不充分となるので、好ましくない。保持温度が57
0℃を超えると、酸化皮膜の厚さが厚くなりすぎるの
で、好ましくない。更に、コイル中で積層されているア
ルミニウム箔同士がくっつきやすくなったり、或いは結
晶粒の粗大化が生じてエッチング処理によって微細なエ
ッチングピットが形成されにくくなるので、好ましくな
い。
【0017】また、最終焼鈍時の保持時間と保持温度
は、上記の範囲内であっても、次の三式を満足する必要
がある。即ち、保持時間をX(h.)とし、保持温度を
Y(℃)としたとき、−(20/6)X+545≦
Y、−20X+710≧Y、−5X+600≧Yの
三式を満足する必要がある。この三式は、保持温度の上
限近傍で且つ保持時間の上限近傍での最終焼鈍、及び保
持温度の下限近傍で且つ保持時間の下限近傍での最終焼
鈍の場合、所望の結果が得られなかったため、定立され
たものである。
は、上記の範囲内であっても、次の三式を満足する必要
がある。即ち、保持時間をX(h.)とし、保持温度を
Y(℃)としたとき、−(20/6)X+545≦
Y、−20X+710≧Y、−5X+600≧Yの
三式を満足する必要がある。この三式は、保持温度の上
限近傍で且つ保持時間の上限近傍での最終焼鈍、及び保
持温度の下限近傍で且つ保持時間の下限近傍での最終焼
鈍の場合、所望の結果が得られなかったため、定立され
たものである。
【0018】更に、最終焼鈍の開始から終了までの時間
は、36時間未満とする必要がある。この時間が36時
間以上になると、酸化皮膜が厚くなり、酸化皮膜の耐電
圧の平均値が1.8Vを超える恐れがあるので、好まし
くない。また、酸化皮膜表面に不純物が濃縮して、エッ
チング時の溶解性が不均一になるので、好ましくない。
最終焼鈍の開始から終了までの酸素濃度の平均値も、1
0ppm未満とする必要がある。この平均値が10pp
m以上になった場合も、酸化皮膜が厚くなりすぎたり、
酸化皮膜表面に不純物が濃縮するので、好ましくない。
これらに加えて、最終焼鈍の開始から終了までの時間と
酸素濃度の平均値との積が、100ppm・h.未満で
あることも必要である。この積が100ppm・h.以
上になっても、酸化皮膜が厚くなりすぎたり、酸化皮膜
表面に不純物が濃縮するので、好ましくない。
は、36時間未満とする必要がある。この時間が36時
間以上になると、酸化皮膜が厚くなり、酸化皮膜の耐電
圧の平均値が1.8Vを超える恐れがあるので、好まし
くない。また、酸化皮膜表面に不純物が濃縮して、エッ
チング時の溶解性が不均一になるので、好ましくない。
最終焼鈍の開始から終了までの酸素濃度の平均値も、1
0ppm未満とする必要がある。この平均値が10pp
m以上になった場合も、酸化皮膜が厚くなりすぎたり、
酸化皮膜表面に不純物が濃縮するので、好ましくない。
これらに加えて、最終焼鈍の開始から終了までの時間と
酸素濃度の平均値との積が、100ppm・h.未満で
あることも必要である。この積が100ppm・h.以
上になっても、酸化皮膜が厚くなりすぎたり、酸化皮膜
表面に不純物が濃縮するので、好ましくない。
【0019】なお、最終焼鈍工程は、図3に示す如く、
昇温過程,保持過程及び冷却過程よりなるものである。
従って、上記した最終焼鈍の昇温速度は、昇温過程にお
けるものである。また、上記した保持温度及び保持時間
は、保持過程におけるものである。更に、最終焼鈍の開
始から終了までの時間、及び最終焼鈍の開始から終了ま
での酸素濃度は、昇温過程の始めから冷却過程の終わり
までにおけるものである。また、本発明では、冷却過程
における冷却速度等に関しては、特に条件設定する必要
はないが、一般的に、冷却速度は昇温速度と同程度が好
ましい。
昇温過程,保持過程及び冷却過程よりなるものである。
従って、上記した最終焼鈍の昇温速度は、昇温過程にお
けるものである。また、上記した保持温度及び保持時間
は、保持過程におけるものである。更に、最終焼鈍の開
始から終了までの時間、及び最終焼鈍の開始から終了ま
での酸素濃度は、昇温過程の始めから冷却過程の終わり
までにおけるものである。また、本発明では、冷却過程
における冷却速度等に関しては、特に条件設定する必要
はないが、一般的に、冷却速度は昇温速度と同程度が好
ましい。
【0020】
【実施例】実施例1 厚さ540mmで、Si:8ppm,Fe:8ppm,
Cu:48ppm,Pb:0.5ppmを含むアルミニ
ウム純度99.99%のアルミニウム鋳塊を準備した。
この鋳塊に、600℃×7h.で均質化処理を施した
後、熱間圧延を直ちに行い、厚さ2.4mmのアルミニ
ウム板を得た。このアルミニウム板に、冷間圧延及び中
間焼鈍(210℃×15h.)を施した後、圧下率17
%で最終冷間圧延を施した。この後、アセトンを用いて
洗浄し、次いで、最終焼鈍をアルゴンガス雰囲気下にお
いて、以下の条件で行った。即ち、昇温速度80℃/
h.で、保持温度520℃,保持時間7.5h.,最終
焼鈍の開始から終了までの時間20h.,最終焼鈍の開
始から終了までの酸素濃度の平均値1.5ppmとし
た。以上の最終焼鈍を終えて、厚さ0.1mmの電解コ
ンデンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
Cu:48ppm,Pb:0.5ppmを含むアルミニ
ウム純度99.99%のアルミニウム鋳塊を準備した。
この鋳塊に、600℃×7h.で均質化処理を施した
後、熱間圧延を直ちに行い、厚さ2.4mmのアルミニ
ウム板を得た。このアルミニウム板に、冷間圧延及び中
間焼鈍(210℃×15h.)を施した後、圧下率17
%で最終冷間圧延を施した。この後、アセトンを用いて
洗浄し、次いで、最終焼鈍をアルゴンガス雰囲気下にお
いて、以下の条件で行った。即ち、昇温速度80℃/
h.で、保持温度520℃,保持時間7.5h.,最終
焼鈍の開始から終了までの時間20h.,最終焼鈍の開
始から終了までの酸素濃度の平均値1.5ppmとし
た。以上の最終焼鈍を終えて、厚さ0.1mmの電解コ
ンデンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0021】実施例2〜9、参考例、比較例1〜10 表1に記載の洗浄液を用い、表1に記載の最終焼鈍条件
を採用した他は、実施例1と同様にして、電解コンデン
サ陽極用アルミニウム箔を得た。なお、表1中、焼鈍時
間とは最終焼鈍の開始から終了までの時間を意味し、平
均酸素濃度とは、最終焼鈍の開始から終了までの酸素濃
度の平均値を意味し、合計酸素濃度とは、最終焼鈍の開
始から終了までの時間と酸素濃度の平均値との積を意味
するものである。
を採用した他は、実施例1と同様にして、電解コンデン
サ陽極用アルミニウム箔を得た。なお、表1中、焼鈍時
間とは最終焼鈍の開始から終了までの時間を意味し、平
均酸素濃度とは、最終焼鈍の開始から終了までの酸素濃
度の平均値を意味し、合計酸素濃度とは、最終焼鈍の開
始から終了までの時間と酸素濃度の平均値との積を意味
するものである。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1〜9、参考例及び比較例1〜10
で得られた各電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔につ
いて、前述した方法で、(100)面を持つ結晶粒の占
有率の平均値及び占有率の値のバラツキを測定及び算出
し、その結果を表2に示した。また、各電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔について、前述した方法で、その
表面酸化皮膜の耐電圧の平均値及び耐電圧の値のバラツ
キを測定及び算出し、その結果を表2に示した。
で得られた各電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔につ
いて、前述した方法で、(100)面を持つ結晶粒の占
有率の平均値及び占有率の値のバラツキを測定及び算出
し、その結果を表2に示した。また、各電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔について、前述した方法で、その
表面酸化皮膜の耐電圧の平均値及び耐電圧の値のバラツ
キを測定及び算出し、その結果を表2に示した。
【0024】更に、各電解コンデンサ陽極用アルミニウ
ム箔について、以下の条件でエッチング処理及び化成処
理を施した。 〔エッチング処理〕:40℃の0.1%NaOH水溶液
中に、各電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔を、30
秒間浸漬して前処理した。その後、85℃の1モル濃度
HCl+3モル濃度H2SO4水溶液中に、アルミニウム
箔を浸漬して、DC0.2A/cm2の電流密度で4分
間、電解エッチングを行った。次いで、前記1モル濃度
HCl+3モル濃度H2SO4水溶液中に、電解エッチン
グ後のアルミニウム箔を10分間浸漬して、エッチング
処理を終えた。なお、水溶液中におけるモル濃度は、m
ol/lのことを意味している。 〔化成処理〕:上記エッチング処理を施した後の各アル
ミニウム箔を、EIAJ法に則って、対向電極をSUS
304として、化成処理を375Vf.で行った。
ム箔について、以下の条件でエッチング処理及び化成処
理を施した。 〔エッチング処理〕:40℃の0.1%NaOH水溶液
中に、各電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔を、30
秒間浸漬して前処理した。その後、85℃の1モル濃度
HCl+3モル濃度H2SO4水溶液中に、アルミニウム
箔を浸漬して、DC0.2A/cm2の電流密度で4分
間、電解エッチングを行った。次いで、前記1モル濃度
HCl+3モル濃度H2SO4水溶液中に、電解エッチン
グ後のアルミニウム箔を10分間浸漬して、エッチング
処理を終えた。なお、水溶液中におけるモル濃度は、m
ol/lのことを意味している。 〔化成処理〕:上記エッチング処理を施した後の各アル
ミニウム箔を、EIAJ法に則って、対向電極をSUS
304として、化成処理を375Vf.で行った。
【0025】エッチング処理及び化成処理を終えた、各
電解コンデンサ陽極箔について、以下の条件で静電容量
(μF/cm2)を測定した。そして、参考例に係る方
法で得られた電解コンデンサ陽極箔の静電容量を基準
(100%)として、これとの相対比較で、各電解コン
デンサ陽極箔の静電容量を%表示し、これを表2に示し
た。 〔静電容量〕:上記エッチング処理及び化成処理を終え
た各箔から、巾10mm×長さ50mmの大きさの試料
箔を、各々10枚づづ採取した。そして、この10枚の
試料箔を1枚づつ、30℃の13%五硼酸アンモニウム
水溶液中に浸漬し、対向電極を静電容量が40000μ
F以上のエッチドアルミニウム箔として、120Hzの
直列等価回路でLCRメーターを用いて、静電容量(μ
F/cm2)を10点測定し、その平均値を参考例のも
のとの相対比較で%表示で、表2に示した。なお、表2
には、10点測定した静電容量の最大値と最小値とか
ら、{〔(静電容量の最大値)−(静電容量の最小
値)〕/(静電容量の最大値)}×100なる計算式
で、静電容量のバラツキも算出し、それを表2に示し
た。
電解コンデンサ陽極箔について、以下の条件で静電容量
(μF/cm2)を測定した。そして、参考例に係る方
法で得られた電解コンデンサ陽極箔の静電容量を基準
(100%)として、これとの相対比較で、各電解コン
デンサ陽極箔の静電容量を%表示し、これを表2に示し
た。 〔静電容量〕:上記エッチング処理及び化成処理を終え
た各箔から、巾10mm×長さ50mmの大きさの試料
箔を、各々10枚づづ採取した。そして、この10枚の
試料箔を1枚づつ、30℃の13%五硼酸アンモニウム
水溶液中に浸漬し、対向電極を静電容量が40000μ
F以上のエッチドアルミニウム箔として、120Hzの
直列等価回路でLCRメーターを用いて、静電容量(μ
F/cm2)を10点測定し、その平均値を参考例のも
のとの相対比較で%表示で、表2に示した。なお、表2
には、10点測定した静電容量の最大値と最小値とか
ら、{〔(静電容量の最大値)−(静電容量の最小
値)〕/(静電容量の最大値)}×100なる計算式
で、静電容量のバラツキも算出し、それを表2に示し
た。
【0026】また、エッチング処理した後の各電解コン
デンサ陽極箔について、以下の方法で未エッチング部の
面積率を測定し、表2に示した。未エッチング部の面積
率が小さい方が、表面が均一にエッチングされているこ
とを意味し、点状光沢が起きにくいものである。 〔未エッチング部の面積率〕:エッチング処理を終えた
箔を、光学顕微鏡にて37.5倍で、10視野撮影し
た。そして、各写真を画像解析装置を用いて、画像を二
値化し、各々の未エッチング部の面積率を求め、その平
均値を未エッチング部の面積率として表2に示した。
デンサ陽極箔について、以下の方法で未エッチング部の
面積率を測定し、表2に示した。未エッチング部の面積
率が小さい方が、表面が均一にエッチングされているこ
とを意味し、点状光沢が起きにくいものである。 〔未エッチング部の面積率〕:エッチング処理を終えた
箔を、光学顕微鏡にて37.5倍で、10視野撮影し
た。そして、各写真を画像解析装置を用いて、画像を二
値化し、各々の未エッチング部の面積率を求め、その平
均値を未エッチング部の面積率として表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示した結果から明らかなように、実
施例1〜9に係る方法で得られた電解コンデンサ陽極用
アルミニウム箔は、参考例や比較例1〜10に係る方法
で得られた電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔に比べ
て、(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均値が高
く、占有率の値のバラツキも少なく、且つ、表面酸化皮
膜の耐電圧の平均値が一定の範囲にあると共に、耐電圧
の値のバラツキも少ないものである。このような実施例
1〜9に係る方法で得られた電解コンデンサ陽極用アル
ミニウム箔をエッチング等して得られた陽極箔は、参考
例や比較例1〜10に係るものと比べて、静電容量も高
く、また未エッチング部が少ないので、点状光沢の生じ
にくいものであった。
施例1〜9に係る方法で得られた電解コンデンサ陽極用
アルミニウム箔は、参考例や比較例1〜10に係る方法
で得られた電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔に比べ
て、(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均値が高
く、占有率の値のバラツキも少なく、且つ、表面酸化皮
膜の耐電圧の平均値が一定の範囲にあると共に、耐電圧
の値のバラツキも少ないものである。このような実施例
1〜9に係る方法で得られた電解コンデンサ陽極用アル
ミニウム箔をエッチング等して得られた陽極箔は、参考
例や比較例1〜10に係るものと比べて、静電容量も高
く、また未エッチング部が少ないので、点状光沢の生じ
にくいものであった。
【0029】
【作用】本発明に係る電解コンデンサ陽極用アルミニウ
ム箔を、エッチング処理して陽極箔を作成した場合、未
エッチング部の面積率が少なくなる確定的な作用は、不
明である。しかしながら、本発明者等は、以下のとおり
推定している。即ち、本発明に係る電解コンデンサ陽極
用アルミニウム箔は、(100)面を持つ結晶粒の占有
率の値にバラツキが少なく、且つ、酸化皮膜の耐電圧の
値にバラツキの少ないものである。従って、エッチング
時に、電流が特定の箇所に集中せず、全体が均一に溶解
するため、未エッチング部が少なくなるのではないか
と、推定している。
ム箔を、エッチング処理して陽極箔を作成した場合、未
エッチング部の面積率が少なくなる確定的な作用は、不
明である。しかしながら、本発明者等は、以下のとおり
推定している。即ち、本発明に係る電解コンデンサ陽極
用アルミニウム箔は、(100)面を持つ結晶粒の占有
率の値にバラツキが少なく、且つ、酸化皮膜の耐電圧の
値にバラツキの少ないものである。従って、エッチング
時に、電流が特定の箇所に集中せず、全体が均一に溶解
するため、未エッチング部が少なくなるのではないか
と、推定している。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る電解コンデ
ンサ陽極用アルミニウム箔を用いれば、未エッチング部
の面積率が少なくなり、全体に均一にエッチングされる
ため、静電容量の低下を伴うことく、点状光沢の少ない
陽極箔が得られ、陽極箔の商品価値が高められるという
効果を奏する。
ンサ陽極用アルミニウム箔を用いれば、未エッチング部
の面積率が少なくなり、全体に均一にエッチングされる
ため、静電容量の低下を伴うことく、点状光沢の少ない
陽極箔が得られ、陽極箔の商品価値が高められるという
効果を奏する。
【図1】(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均値及
び占有率の値のバラツキを測定及び算出する際に、電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔から試料を採取する方
法を示す図である。
び占有率の値のバラツキを測定及び算出する際に、電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔から試料を採取する方
法を示す図である。
【図2】酸化皮膜の耐電圧の平均値及び耐電圧の値のバ
ラツキを測定及び算出する際に、電解コンデンサ陽極用
アルミニウム箔から試料を採取する方法を示す図であ
る。
ラツキを測定及び算出する際に、電解コンデンサ陽極用
アルミニウム箔から試料を採取する方法を示す図であ
る。
【図3】最終焼鈍における温度変化を示す図の一例であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/04 C22F 1/04 L C23G 5/028 C23G 5/028 5/032 5/032 H01G 9/055 C22F 1/00 606 9/00 622 // C22F 1/00 606 661Z 622 682 661 683 682 685Z 683 686B 685 691A 686 691C 691 691B 694A H01G 9/04 337 694 9/24 B Fターム(参考) 4E002 AA08 AD13 BC05 BD09 CB01 CB10 4K053 PA10 PA12 QA05 RA34 RA37 RA42 RA48
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミニウム純度が99.98重量%以
上の圧延アルミニウム箔であって、該アルミニウム箔中
における(100)面を持つ結晶粒の占有率の平均値が
95%以上で、該占有率の値のバラツキが2.5%未満
であり、且つ、該アルミニウム箔表面に形成されている
酸化皮膜の耐電圧の平均値が1.2〜1.8Vで、該耐
電圧の値のバラツキが8%未満であることを特徴とする
電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔。 - 【請求項2】 アルミニウム純度が99.98重量%以
上の鋳塊に、均質化処理,熱間圧延,冷間圧延及び中間
焼鈍を施した後、圧下率15〜20%で最終冷間圧延を
施し、次いで、有機溶剤を用いて洗浄した後、下記の条
件で最終焼鈍を施すことを特徴とする電解コンデンサ陽
極用アルミニウム箔の製造方法。 記 (1)最終焼鈍の昇温速度は30〜100℃/h.であ
ること。 (2)最終焼鈍の保持時間をX(単位はh.)とし、最
終焼鈍の保持温度をY(単位は℃)としたとき、次の
(i)〜(v)を満足すること。 (i) 3≦X≦8 (ii) 520≦Y≦570 (iii )−(20/6)X+545≦Y (iv) −20X+710≧Y (v) −5X+600≧Y (3)最終焼鈍の開始から終了までの時間をT(単位は
h.)とし、最終焼鈍の開始から終了までの酸素濃度の
平均値をC(単位はppm)としたとき、次の(vi)〜
(viii)を満足すること。 (vi) T<36 (vii )C<10 (viii)TC<100 - 【請求項3】 有機溶剤が、アセトン,ジクロロメタン
及び酢酸エチルよりなる群から選ばれた1種以上である
請求項2記載の電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11117448A JP2000309836A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11117448A JP2000309836A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000309836A true JP2000309836A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14711914
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11117448A Pending JP2000309836A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000309836A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007046093A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔およびその製造方法 |
| WO2017018028A1 (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-02 | 昭和電工株式会社 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法 |
| CN112296087A (zh) * | 2020-10-09 | 2021-02-02 | 烟台东海铝箔有限公司 | 一种提升电池箔表面达因值的方法 |
| CN114472523A (zh) * | 2022-01-26 | 2022-05-13 | 永杰新材料股份有限公司 | 高光亮度铝塑膜铝箔的制备方法及铝塑膜铝箔 |
| CN117954230A (zh) * | 2024-03-27 | 2024-04-30 | 南通江海电容器股份有限公司 | 一种中高压复合化成箔的制备方法及其应用 |
-
1999
- 1999-04-26 JP JP11117448A patent/JP2000309836A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007046093A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔およびその製造方法 |
| WO2017018028A1 (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-02 | 昭和電工株式会社 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法 |
| CN107847995A (zh) * | 2015-07-30 | 2018-03-27 | 昭和电工株式会社 | 电解电容器电极用铝材料的制造方法、铝电解电容器用电极材料的制造方法、和铝电解电容器的制造方法 |
| CN112296087A (zh) * | 2020-10-09 | 2021-02-02 | 烟台东海铝箔有限公司 | 一种提升电池箔表面达因值的方法 |
| CN114472523A (zh) * | 2022-01-26 | 2022-05-13 | 永杰新材料股份有限公司 | 高光亮度铝塑膜铝箔的制备方法及铝塑膜铝箔 |
| CN114472523B (zh) * | 2022-01-26 | 2024-03-19 | 永杰新材料股份有限公司 | 高光亮度铝塑膜铝箔的制备方法及铝塑膜铝箔 |
| CN117954230A (zh) * | 2024-03-27 | 2024-04-30 | 南通江海电容器股份有限公司 | 一种中高压复合化成箔的制备方法及其应用 |
| CN117954230B (zh) * | 2024-03-27 | 2024-06-11 | 南通江海电容器股份有限公司 | 一种中高压复合化成箔的制备方法及其应用 |
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