JP2000309879A - 表面処理金属板 - Google Patents

表面処理金属板

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JP2000309879A
JP2000309879A JP11117419A JP11741999A JP2000309879A JP 2000309879 A JP2000309879 A JP 2000309879A JP 11117419 A JP11117419 A JP 11117419A JP 11741999 A JP11741999 A JP 11741999A JP 2000309879 A JP2000309879 A JP 2000309879A
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健一郎 田所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐食性に優れ且つ6価クロムを全
く使用しない防食性被覆層を有する表面処理金属板を提
供することを目的とする。 【解決手段】 IVA族元素(ジルコニウム等)の酸化
物、水酸化物、酸素酸化合物及び/又は酸素酸水素化合
物を主成分とする中間層を有し、希土類(ランタン、セ
リウム等)及び/又はIVA族元素の酸素酸化合物もし
くは酸素酸水素化合物又はこれらの混合物を主成分とす
る耐食性被覆層を有する(但し、中間層と耐食性被覆層
は同一組成ではない)表面処理金属材料板である。この
被膜には樹脂、希土類化合物、有機系腐食抑制剤を含む
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性に優れ、且
つ6価クロムを全く含まない被覆層を有する表面処理金
属板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車、家電製品、建材等の用途
に用いられる冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板及び亜鉛系合金
めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板等に防錆性を付与
するため等に、それらの表面にクロメート皮膜を被覆す
ることが一般に行なわれている。このクロメート処理と
しては、電解型クロメートや塗布型クロメートがある。
電解クロメートは、例えばクロム酸を主成分とし、他に
硫酸、りん酸、硼酸及びハロゲン等の各種陰イオンを添
加した浴を用いて、金属板を陰極電解処理することによ
り行なわれてきた。
【0003】また、塗布型クロメートは、クロメート処
理金属板からのクロムの溶出の問題があり、予め6価ク
ロムの一部を3価に還元した溶液や6価クロムと3価ク
ロム比を特定化した溶液に無機コロイドや無機アニオン
を添加して処理液とし、金属板をその中に浸漬したり、
処理液を金属板にスプレーしたりすることにより行なわ
れてきた。クロメート皮膜の内、電解によって形成され
たクロメート皮膜は6価クロムの溶出性は少ないものの
防食性は十分とは言えず、特に加工時などの皮膜損傷が
大きい場合、その耐食性は低下する。一方、塗布型クロ
メート皮膜により被覆された金属板の耐食性は高く、特
に加工部耐食性に優れているが、クロメート皮膜からの
6価クロムの溶出が大きく問題となる。有機重合体を被
覆すれば6価クロムの溶出はかなり抑制されるものの十
分ではない。
【0004】また、特開平5−230666号公報に開
示されているような一般に樹脂クロメートと呼ばれる方
法では6価クロムの溶出抑制に改善は見られるものの、
微量の溶出は避けられない。従来のクロメート皮膜と同
等の機能を有するクロムイオンを全く含まない皮膜を形
成する被覆処理としては、塩化セリウム水溶液中でAl
板を陰極処理して酸化セリウムを含有するコーティング
を形成する方法、特開平2−502655号公報に開示
されているセリウムイオンを含むpH1〜3程度の酸性
水溶液にAl板を浸漬して水素ガスを発生させながらセ
リウム含水酸化物の防食性被覆層を得る方法、特開平2
−25579号公報に開示されているセリウムイオン、
ジルコニウムイオン、りん酸イオン、弗素イオンによる
アルミニウム上への複塩皮膜、特開平5−331658
号公報に開示されている亜鉛イオン、りん酸イオン、ラ
ンタン化合物の処理浴で形成されるりん酸亜鉛皮膜が知
られているが、耐食性が十分ではない。このような状況
を鑑み、我々は6価クロムを含まない防食性被覆層を有
する表面処理金属板をw097/28291で提案して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した表面処理金属板の特性をさらに改善した耐食性に優
れ且つ6価クロムを全く使用しない防食性被覆層を有す
る表面処理金属板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】現行クロメート処理に代
わる汎用化成処理皮膜を6価クロムを全く含まない系で
設計すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、中間
層として酸化ジルコニウムやりん酸ジルコニウム等の被
膜によりバリア効果を持たせ、耐食性層ではセリウムを
カソーディック反応抑制剤として供給し損傷部や腐食部
の選択的修復機能を持たせ、またセリウム−りん酸化合
物とすることでりん酸塩皮膜型の不働態化及び酸化物皮
膜型の不働態化によりアノーディック反応を抑制し、各
成分が機能を相乗的に発揮し、中間層形成により飛躍的
に性能を向上させた新規無機系化成処理皮膜を得ること
が可能となったものである。
【0007】本発明の要旨とするところは、以下の通り
である。 (1)IVA族元素の酸化物、水酸化物、酸素酸化合物
及び/又は酸素酸水素化合物を主成分とする中間層を有
し、その上に希土類及び/又はIVA族元素の酸素酸化
合物もしくは酸素酸水素化合物又はこれらの混合物を主
成分とする耐食性被覆層を有する(但し、中間層と耐食
性被覆層は同一組成ではない)ことを特徴とする表面処
理金属板。
【0008】(2)前記中間層におけるIVA族元素が
ジルコニウムである(1)記載の表面処理金属板。 (3)前記中間層が酸化ジルコニウム、りん酸ジルコニ
ウム及び/又はりん酸水素ジルコニウムである(1)又
は(2)に記載の表面処理金属板。 (4)前記中間層において、さらに1種又は2種以上の
希土類元素化合物を添加成分として含む(1)〜(3)
に記載の表面処理金属板。
【0009】(5)前記中間層における希土類元素がセ
リウム及び/又はランタンである(4)記載の表面処理
金属板。 (6)前記耐食性被覆層における希土類元素及び/又は
IVA族元素がイットリウム、ランタン、セリウム及び
/又はジルコニウムである(1)〜(5)に記載の表面
処理金属板。 (7)前記耐食性被覆層における酸素酸化合物もしくは
酸素酸水素化合物のアニオン種が、りん酸イオンもしく
はりん酸水素イオンである(1)〜(6)に記載の表面
処理金属板。
【0010】(8)前記耐食性被覆層において、さらに
樹脂を添加成分として含む(1)〜(7)に記載の表面
処理金属板。 (9)前記耐食性被覆層において、さらに1種又は2種
以上の希土類元素化合物を添加成分として含む(1)〜
(8)に記載の表面処理金属板。 (10)前記耐食性被覆層において、さらに有機系腐食
抑制剤を添加成分として含む(1)〜(9)に記載の表
面処理金属板にある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の被膜は中間層として酸化ジルコニウムや
りん酸ジルコニウム等の被膜によりバリア効果を持た
せ、耐食性層ではセリウムをカソーディック反応抑制剤
として供給して損傷部や腐食部の選択的修復機能を持た
せ、またセリウムをりん酸化合物とすることでりん酸塩
皮膜型の不働態化及び酸化物皮膜型の不働態化によりア
ノーディック反応を抑制し、各成分が機能を相乗的に発
揮し、性能を飛躍的に向上した新規無機系化成処理皮膜
を得ることが可能となったものである。
【0012】相乗的に性能が向上する機構は明らかでは
ないが、以下のように推定している。例えば弗化ジルコ
ニウムカリウム水溶液に浸漬して中間層を形成させてか
ら、りん酸(水素)セリウムを主成分とする処理液を塗布
した場合、中間層であるジルコニア被膜が一部リン酸ジ
ルコニウムとなり、りん酸ジルコニウム/りん酸セリウ
ム複合被膜が形成される。この複合被膜はバイポーラ型
であるため金属イオンの拡散を強く抑制し、ジルコニア
やりん酸セリウムの同膜厚の単一被膜の場合に比べて金
属溶出反応が飛躍的に抑制されると考えている。さらに
樹脂、有機系腐食抑制剤やカソーディック反応抑制強化
を目的とした酸化セリウム等の他のセリウム化合物を添
加してもよい。
【0013】希土類元素、IVA族元素の酸素酸化合
物、酸素酸水素化合物とはりん酸イオン、タングステン
酸イオン、モリブデン酸イオン、バナジン酸イオン等の
酸素酸アニオンとの希土類元素化合物やIVA族元素化
合物を指称し、酸素酸水素化合物とはカチオンの一部に
水素を含む化合物を指称する。また、希土類元素にはS
c,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,
Gd,Tb,Dg,Ho,Er,Tm,Yb,Luの17
元素が含まれる。IVA族元素とはTi,Zr,Hfを
指称する。例えば、ランタンのりん酸化合物としてLa
PO4 等があり、これに対応するランタンのりん酸化合
物としてLa(H2 PO4 3 、La2 (HPO4 3
がある。
【0014】中間層中のIVA族元素と添加剤としての
希土類元素の総量としては0.01mg/m2 以上であ
れば良い。0.01mg/m2 未満では、耐食性が十分
ではない。また、10g/m2 を超えても耐食性はそれ
ほど向上せず、経済性を考慮すると10g/m2 で十分
である。一方、膜厚は1nm以上が好ましく、さらに好
ましくは0.01μm以上である。1nm未満では耐食
性が十分ではない。しかし、膜厚が5μmを超えても耐
食性はそれほど向上せず、経済性を考慮すると5μmで
十分である。
【0015】耐食性被覆層中の希土類元素及び/又はI
VA族元素の酸素酸化合物もしくは酸素酸水素化合物も
しくはそれらの混合物の希土類元素及び/又はIVA族
元素と添加剤としての希土類元素化合物の和とりん酸
(りん酸水素化合物の場合、もしくはそれを含む混合物
の場合についてはりん酸に換算した)のモル比は、10
0:1〜1:100、好ましくは50:1〜1:50、
さらに好ましくは15:1〜1:15である。100:
1未満及び1:100を超える場合、りん酸塩被膜の機
能が発現せず耐食性が充分ではない。
【0016】また、耐食性被覆層中の酸素酸化合物及び
/又は酸素酸水素化合物の希土類元素及び/又はIVA
族元素の供給源は特に限定しないが、酸化物、酢酸塩、
炭酸塩、塩化物、ふっ化物のような化合物が挙げられ、
酸化物、硝酸塩、塩化物が好ましい。また、ミッシュメ
タルやその前駆体のように、不純物として他の希土類元
素化合物が混在していても耐食性等に特に悪影響を及ぼ
さない。ここでいう前駆体とは、ランタン、セリウム等
の原料であるモナザイト(りん酸塩)等から、それらを
製錬、精製する過程で得られる化合物の総称である。耐
食性被覆層中に含まれる希土類元素及び/又はIVA族
元素量としては1mg/m2 以上であれば良い。1mg
/m2 未満では、耐食性が十分ではない。また、10g
/m2 を超えても耐食性はそれほど向上せず、経済性を
考慮すると10g/m2 で十分である。
【0017】一方、膜厚は0.01μm以上が好まし
く、さらに好ましくは0.1μm以上である。0.01
μm未満では耐食性が十分ではない。しかし、膜厚が5
μmを超えても耐食性はそれほど向上せず、経済性を考
慮すると5μmで十分である。特に好適な酸素酸化合物
は、りん酸化合物及び/又はりん酸水素化合物であり、
りん酸種としてはオルトりん酸、メタりん酸、ポリりん
酸がある。ポリりん酸化合物及び/又はポリりん酸水素
化合物が好適である。耐食性被覆層中の添加成分として
希土類元素、特にセリウムの酸化物、水酸化物、ハロゲ
ン化物、炭酸化合物、硫酸化合物、硝酸化合物、有機酸
化合物等を添加してもよい。
【0018】耐食性被覆層中の添加成分としての有機系
腐食抑制剤は金属表面への吸着性を有し、金属イオンの
溶出時に錯体形成し捕捉するためイオン化の更なる進行
を抑制する作用を有する。その有機系腐食抑制剤として
は、分子構造に金属錯体結合形成に必要可能な官能基
(=O,−NH2 ,=NH,=N−,=S,−OH
等)、及び金属表面との共有結合形成可能な官能基(−
OH,=NH,−SH,−CHO,−COOH等)を有
する化合物が使用できる。なお、被膜中に含有させる有
機系腐食抑制剤は難水溶性の化合物が好ましい。
【0019】この理由として、この腐食抑制剤は被膜を
透過する水により有機系腐食抑制剤が微量溶解すること
で発現するため、もし易溶性であると水の被膜透過時に
容易に溶出してしまい機能を発現しないため、あるいは
持続性が充分でないため好ましくない。上記官能基を兼
ね備えた難水溶性の有機系腐食抑制剤の具体例として
は、N−フェニル−ジメチルピロールのホルミル化誘導
体、HS−CH2 COOCn 2n+1(nは1〜25の整
数)で表されるチオグリコール酸エステル及び誘導体、
n 2n(SH)COOH (nは1〜25の整数)で表さ
れるα−メルカプトカルボン酸及びその誘導体、キノリ
ン及びその誘導体、トリアジンジチオール及びその誘導
体、没食子酸エステル及びその誘導体、ニコチン酸及び
その誘導体、カテコール及びその誘導体である。
【0020】なお、これら有機腐食抑制剤を1種又は2
種以上混合して使用するが、その添加量は、耐食性被覆
層中の希土類元素及び/又はIVA族元素の酸素酸化合
物もしくは酸素酸水素化合物もしくはそれらの混合物の
希土類元素及び/又はIVA族元素と添加剤としての希
土類元素化合物の和と有機系腐食抑制剤とのモル比は1
000:1〜1:2、好ましくは100:1〜1:1、
さらに好ましくは50:1〜2:1である。モル比が1
000:1未満では添加効果が充分ではなく、1:2を
越えても耐食性がそれほど向上せず経済的ではない。ま
た、被膜中でのこれらの有機系腐食抑制剤の形態は特に
限定されないが、例えば処理液にそのまま添加し混合す
る。または予めりん酸に溶解させて処理液に添加する、
あるいはエタノール、イソプロピルアルコール等のアル
コールに完全溶解後、脱イオン水を滴下し微細コロイド
化させて処理液に添加する等の方法により被膜中に含有
させることができる。
【0021】耐食性被覆層中の添加剤としてセリウム化
合物等の希土類元素及び/又はIVA族元素化合物以外
に、耐食性被覆層のバリア効果を強化し、また添加成分
の溶出を抑制する等の効果を得るため、また、カソード
防食能やアノード防食能を強化するために、酸化チタ
ン、シリカ、酸化クロム、水酸化クロム、アルミナ、水
酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、り
ん酸亜鉛、りん酸水素亜鉛、りん酸カリウム、りん酸水
素カリウム、りん酸カルシウム、りん酸水素カルシウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸ジルコニウム、りん酸アルミ
ニウム、りん酸水素アルミニウム、りん酸ジルコニウ
ム、りん酸水素ジルコニウム、硫酸、硫酸ナトリウム、
硫酸水素ナトリウム、りん酸ナトリウム、りん酸水素ナ
トリウム等をさらに添加してもよい。
【0022】耐食性被覆層に添加される樹脂成分として
は、処理液中での希土類元素及び/又はIVA族元素の
酸素酸化合物及び/又は酸素酸水素化合物の分散安定性
を著しく損なうものでなければ特に限定されないが、多
量に添加する場合には、希土類元素及び/又はIVA族
元素化合物の酸素酸化合物及び/又は酸素酸水素化合物
を物理的に保持し金属材料と密着性を有する材料であれ
ばよい。一般的には、アクリル系、エポキシ系、オレフ
ィン系などの有機樹脂が例として挙げられ、形態として
は、水溶性、水に分散したエマルジョン樹脂、ラテック
ス等を適宜選択できる。
【0023】耐食性被覆層中の希土類元素及び/又はI
VA族元素の酸素酸化合物もしくは酸素酸水素化合物も
しくはそれらの混合物の希土類元素及び/又はIVA族
元素と添加剤としての希土類元素化合物の和と樹脂との
重量比は、1:1000〜1000:1、好ましくは
1:100〜100:1、さらに好ましくは1:10〜
10:1が良い。1:1000未満では無機成分が充分
ではないため耐食性が充分ではなく、1000:1を越
えると樹脂成分が充分ではなく添加効果が発現しない。
【0024】また、この発明の対象となる金属板は特に
限定されないが、例えば溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛
−鉄合金めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネ
シウム合金めっき鋼板、溶融アルミニウム−シリコン合
金めっき鋼板、溶融鉛−スズ合金めっき鋼板等の溶融め
っき鋼板や、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−ニッケル
合金めっき鋼板、電気亜鉛−鉄合金めっき鋼板、電気亜
鉛−クロム合金めっき等の電気めっき鋼板等の表面処理
鋼板、冷延鋼板や亜鉛、アルミニウム等の金属板等に適
用できる。
【0025】本発明の表面処理金属板の製造方法として
は、中間層の酸化ジルコニウム被膜はスパッタリング法
や弗化ジルコニウムカリウム水溶液への浸漬等で得ら
れ、また耐食性被覆層形成処理液へのジルコニウム添加
によっても可能であり、特に限定されない。耐食性層は
セリウム化合物(又は水溶液)とりん酸を十分に混合し
(この後、熱処理する場合もある)、樹脂やセリウム化
合物等の添加剤及び適当量の水を必要に応じ添加する。
添加剤及び水の添加は、それぞれ耐食性、成膜性を高め
ることができる。この処理液を金属板に塗布し、乾燥及
び熱処理を行なうことにより目的の表面処理金属板を得
る。
【0026】塗布は現在使用されているクロメート処理
の塗布設備や塗料の塗装設備等をそのまま流用でき、特
別な設備を必要としない。また、乾燥条件は、一概には
限定することはできないが、少なくとも処理液に含まれ
る溶媒を乾燥し、かつ含有する樹脂マトリックス成分が
分解しない温度範囲で乾燥されればよい。例えば、金属
材料表面到達温度が40〜200℃の範囲が好ましい。
【0027】
【実施例】(実施例1〜47)表1に中間層を湿式処理
により形成した場合を示す。前処理として実施例1〜2
5は0.001〜0.01M弗化ジルコニウムカリウム
水溶液に25〜90℃で1秒間〜1時間浸漬後、水洗、
乾燥した。実施例19〜22は0.001Mの硫酸セリ
ウム含有の0.01M弗化ジルコニウムカリウム水溶液
に25℃で1秒間〜1時間浸漬後、水洗、乾燥した。耐
食性層処理液組成は1M硝酸セリウム水溶液10mlに
りん酸(85%)5.7gを十分に混合し、得られた生
成物を水で500mlにし処理液とした。実施例23は
アクリル系エマルジョン樹脂を固形分濃度で21.7g
添加、混合し処理液とした。実施例24は酢酸セリウム
16.8g、実施例25はチオグリコール酸オクチル
0.2gを添加、混合し処理液とした。
【0028】用いた金属板はGI(溶融亜鉛めっき鋼
板、めっき付着量:90g/m2 )、EG(電気亜鉛め
っき鋼板、めっき付着量:20g/m2 )、Al(溶融
アルミニウム−シリコン合金めっき鋼板、めっき付着
量:120g/m2 )、Al/Si=90/10)であ
る。なお、用いた化合物はすべて市販の試薬を使用し
た。処理液を金属板上にバーコーターを用いて乾燥後の
皮膜厚が1μmとなるように塗布し、板温100〜20
0℃で30秒間〜1時間熱処理した。
【0029】(実施例48〜58)表2に中間層を乾式
処理によりにより形成した場合を示す。前処理として実
施例48〜50はスパッタリング法によりジルコニウム
をターゲットとしアルゴン、酸素雰囲気で行なった。実
施例51〜53はスパッタリング法によりチタンをター
ゲットとしアルゴン、酸素雰囲気で行なった。実施例5
4〜58はテトラメトキシハフニウムを用いてCVD法
により行った。耐食性層処理液組成は1M硝酸セリウム
水溶液10mlにりん酸(85%)5.7gを十分に混
合し、得られた生成物を水で500mlにし処理液とし
た。
【0030】用いた金属板はGI(溶融亜鉛めっき鋼
板、めっき付着量:90g/m2 )、EG(電気亜鉛め
っき鋼板、めっき付着量:20g/m2 )、Al(溶融
アルミニウム−シリコン合金めっき鋼板、めっき付着
量:120g/m2 、Al/Si=90/10)であ
る。なお、用いた化合物はすべて市販の試薬を使用し
た。処理液を金属板上にバーコーターを用いて乾燥後の
皮膜厚が1μmとなるように塗布し、板温100〜20
0℃で30秒間〜1時間熱処理した。
【0031】(実施例59〜67)表3に耐食性層処理
液への添加剤により中間層を形成した場合を示す。耐食
性層処理液組成は1M硝酸セリウム水溶液10mlにり
ん酸(85%)5.7gを十分に混合し、得られた生成
物を水で500mlにし処理液とした。実施例59〜6
1は1M硫酸ジルコニウム水溶液0.01〜1mlを添
加、混合し処理液とした。例62〜64は0.01〜1
mM酸化チタンを添加、混合し処理液とした。例65〜
67は0.01〜1mM酸化ハフニウムを添加、混合し
処理液とした。
【0032】用いた金属板はGI(溶融亜鉛めっき鋼
板、めっき付着量:90g/m2 )、EG(電気亜鉛め
っき鋼板、めっき付着量:20g/m2 )、Al(溶融
アルミニウム−シリコン合金めっき鋼板、めっき付着
量:120g/m2 、Al/Si=90/10)であ
る。用いた化合物はすべて市販の試薬を使用した。処理
液を金属板上にバーコーターを用いて乾燥後の皮膜厚が
1μmとなるように塗布し、板温100〜200℃で3
0秒間〜1時間熱処理した。なお、GDSにより基材と
耐食性層の界面部分にジルコニウム、チタン、ハフニウ
ムが濃縮していることから、中間層形成を確認した。
【0033】(比較例1)中間層がない場合との比較を
行うべく、1M硝酸セリウム水溶液10mlにりん酸
(85%)5.7gを十分に混合し、得られた生成物を
水で500mlにした処理液をGI(溶融亜鉛めっき鋼
板)上にバーコーターを用いて乾燥後の皮膜厚が1μm
となるように塗布し、熱処理した。
【0034】(比較例2)クロメート処理鋼板との比較
を行なうべく、クロメート処理液として澱粉による部分
還元クロム酸をCrO3 換算で30g/l、SiO2
40g/l、りん酸を20g/l含有する処理液を調製
し、鋼板上に塗布、乾燥、硬化させ皮膜形成を行なった
(皮膜中Cr量は、金属Crに換算して100mg/m
2 である)。実施例1〜67、比較例1、2で作製した
供試材について、以下の性能評価試験を行った。
【0035】[被膜の性能評価法](a)サンプルに5
%、35℃の塩水を噴霧した後の錆発生面積で平板耐食
性評価を行なった。なお、噴霧期間はGI、EGが12
日間、Alが16日間で何れも白錆発生率で測定した。
【0036】(b)サンプルをエリクセン7mm加工
後、5%、35℃の塩水を噴霧した後の錆発生面積で加
工部耐食性評価を行なった。なお、噴霧期間はGI、E
Gが12日間、Alが16日間で何れも白錆発生率で測
定した。 評価結果を表1〜3に示す。各表の結果から明らかなよ
うに、本発明の表面処理金属板は、クロメート処理と同
等以上の平板及び加工部耐食性を示した。即ち、6価ク
ロムを全く含まない化成処理膜として環境適合性に優れ
ている上に、耐食性皮膜としてその効果を発揮するもの
である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、中間層によるバリア
効果、りん酸化合物、もしくはりん酸水素化合物、もし
くはそれらの混合物の皮膜、又はそれに他の希土類化合
物が添加された皮膜は、例えばセリウムがカソーディッ
ク反応抑制剤として機能し損傷部や腐食部の選択的修復
能を持ち、さらにりん酸化合物によるアノーディック反
応抑制を有しており、6価クロムを含有する皮膜と同等
以上の性能を示し、環境適合性とも併せて極めて優れた
効果を奏するものである。
フロントページの続き (72)発明者 坂下 雅雄 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 兼田 善弘 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4J038 AA001 CB001 CG001 DB001 HA216 HA416 KA02 NA03 PA07 PB05 PB07 PB09 PC02 4K022 AA02 BA16 BA26 BA28 BA33 DA07 DB02 4K026 AA02 AA07 AA09 AA11 AA22 CA23 CA39 DA03 4K044 AA02 AA06 AB02 BA02 BA17 BA21 BC02 BC03 CA27 CA53

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IVA族元素の酸化物、水酸化物、酸素
    酸化合物及び/又は酸素酸水素化合物を主成分とする中
    間層を有し、希土類及び/又はIVA族元素の酸素酸化
    合物もしくは酸素酸水素化合物又はこれらの混合物を主
    成分とする耐食性被覆層を有する(但し、中間層と耐食
    性被覆層は同一組成ではない)ことを特徴とする表面処
    理金属板。
  2. 【請求項2】 前記中間層におけるIVA族元素がジル
    コニウムである請求項1記載の表面処理金属板。
  3. 【請求項3】 前記中間層が酸化ジルコニウム、りん酸
    ジルコニウム及び/又はりん酸水素ジルコニウムである
    請求項1又は2に記載の表面処理金属板。
  4. 【請求項4】 前記中間層において、さらに1種又は2
    種以上の希土類化合物を添加成分として含む請求項1〜
    3に記載の表面処理金属板。
  5. 【請求項5】 前記添加成分が、セリウム及び/又はラ
    ンタンの化合物である請求項4記載の表面処理金属板。
  6. 【請求項6】 前記耐食性被覆層における希土類及び/
    又はIVA族元素が、イットリウム、ランタン、セリウ
    ム及び/又はジルコニウムである請求項1〜5に記載の
    表面処理金属板。
  7. 【請求項7】 前記耐食性被覆層における酸素酸化合物
    もしくは酸素酸水素化合物のアニオン種が、りん酸イオ
    ンもしくはりん酸水素イオンである請求項1〜6に記載
    の表面処理金属板。
  8. 【請求項8】 前記耐食性被覆層において、さらに樹脂
    を添加成分として含む請求項1〜7に記載の表面処理金
    属板。
  9. 【請求項9】 前記耐食性被覆層において、さらに1種
    又は2種以上の希土類化合物を添加成分として含む請求
    項1〜8に記載の表面処理金属板。
  10. 【請求項10】 前記耐食性被覆層において、さらに有
    機系腐食抑制剤を添加成分として含む請求項1〜9に記
    載の表面処理金属板。
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