JP2000310610A - ガスセンサ素子及びその製造方法 - Google Patents
ガスセンサ素子及びその製造方法Info
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Abstract
温度の高低にかかわらず応答性が低下することがなく,
かつ出力が低下することがなく使用可能なガスセンサ素
子及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 固体電解質体10とこれに設けられた基
準ガス側電極12及び被測定ガス側電極11と,被測定
ガス側電極11の表面を覆うように設けられた多孔質の
保護層13とからなる。上記保護層13は一層または複
数層よりなり,少なくとも一層の保護層132は被測定
ガス中の鉛と反応する化合物よりなる鉛ゲッターを含
む。
Description
て鉛を含む排気ガスに曝されて使用され,内燃機関の燃
焼制御に利用されるλセンサ,A/Fセンサ等の各種酸
素センサ,NOxセンサ,HCセンサ,COセンサ等を
構成するガスセンサ素子及びその製造方法に関する。
され,空燃比フィードバック制御に利用される酸素セン
サ等に利用される酸素センサ素子をλ(ラムダ)センサ
素子を例にとって説明する。図7に示すごとく,上記λ
センサ素子9は,酸素イオン伝導性の固体電解質体90
と,該固体電解質体90において基準ガスである大気に
接するように設けられた基準ガス側電極92と,上記固
体電解質体90において被測定ガスである排気ガスと接
するように設けられた被測定ガス側電極91と,該被測
定ガス側電極の表面を覆うように設けられたプラズマ溶
射で設けられた多孔性保護層93とよりなる。
に絞ることでセンサ出力を安定化し,さらに排気ガスに
よる物理的,化学的侵食作用から被測定ガス側電極を保
護するために設けてある。
より保護層に目詰まりが生じ,保護層からの排気ガスの
拡散が妨げられ,ガスセンサ素子の応答性の低下や出力
低下といった異常が生じることがある。このため,特開
平8−50114,特開平9−68515に示すごと
く,被測定ガスである排気ガス中の被毒物による目詰ま
り防止対策がいくつか提案されていた。
に広がる中で,有鉛ガソリンを使用している地域におい
ても排気ガス規制が導入されるようになった。このた
め,鉛を含む排気ガス中での使用に耐えうるガスセンサ
の需要が増えつつある。
オイルに添加された成分等の固相や液相にて拡散する被
毒物による保護層の目詰まりには有効である。しかしな
がら,鉛は気相にて拡散するため,上記従来技術では鉛
による被毒については殆ど効果が得られなかった。この
ため,鉛は保護層を通過して被測定ガス側電極に到達
し,該電極を被毒,ガスセンサ素子の出力低下等の異常
を引き起こすおそれがある。
9−113480のように,鉛トラップ層を挟んだ保護
層を設けることが提案されている。しかしながら,鉛ト
ラップ層には触媒金属としてPt等が含まれており,こ
れらの物質は排気ガスに対する触媒作用も有する。従っ
て,上記鉛トラップ層はO 2やHC,CO等の排気ガス
成分を長時間吸着し,排気ガスの保護層通過時間が長く
なり,被測定ガス側電極への到達が遅れ,ガスセンサ素
子の応答性低下の原因となる。
は,鉛を含む排気ガスに曝された場合には,上記触媒金
属は鉛を捕捉することで(鉛被毒を受けることで),上
記触媒金属のガス吸着性が変化し,O2を吸着し得なく
なり,HCやCO等の未燃ガス成分のみを吸着するよう
になる。これにより,HC,CO等がO2に比べて保護
層を通過する時間が長くなり,センサ出力がリッチガス
側のみが低下することで不安定になるという問題があ
る。
燃機関の空燃比フィードバック制御の重要な働きを担っ
ている。酸素センサの出力が不安定となり,空燃比フィ
ードバック制御がうまく作動しなくなった場合,排気ガ
スを浄化する3元触媒コンバーターの機能が低下し,排
気ガスの浄化効率が低下してしまう。また,この問題は
酸素センサだけでなく,鉛を含む排気ガス中に対しNO
xセンサ,COセンサ,HCセンサ等を設置した場合で
も同様に発生する。
されたもので,鉛を含む被測定ガス中において被測定ガ
スの温度の高低にかかわらず応答性が低下することがな
く,かつ出力が低下することがなく使用可能なガスセン
サ素子及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
質体と,該固体電解質体において基準ガスに接するよう
に設けられた基準ガス側電極と,上記固体電解質体にお
いて被測定ガスと接するように設けられた被測定ガス側
電極と,該被測定ガス側電極の表面を覆うように設けら
れた多孔質の保護層とからなるガスセンサ素子におい
て,上記保護層は一層または複数層よりなり,少なくと
も一層の保護層は被測定ガス中の鉛と反応する化合物よ
りなる鉛ゲッターを含むことを特徴とするガスセンサ素
子にある。
の一種であるλセンサ素子を例に挙げて説明する。本発
明にかかるλセンサ素子における保護層は,少なくとも
一層が被測定ガス中の鉛と反応する化合物よりなる鉛ゲ
ッターを含んでいる。上記鉛ゲッターが被測定ガス中の
鉛と反応することで,鉛を被測定ガス中から取り除くこ
とができる。このため,鉛被毒による被測定ガス側電極
の異常を防止できる。また,本発明にかかる鉛ゲッター
は触媒金属と異なり被測定ガスに対する吸着性を持た
ず,被測定ガスを遅延させることなく通過させることが
できる。このため,被測定ガスの到着遅延によるλセン
サ素子の出力低下等の異常が生じ難い。
の一部の拡大が後述する図3に示されているが,鉛ゲッ
ター136は粒子の状態で保護層132中に含まれてい
る。よって鉛ゲッター136が鉛と反応して化合物を形
成した場合であっても,鉛ゲッター136の径が若干増
大する程度である。従って,保護層132の形成の際
に,鉛ゲッター136の径拡大分を見越して,保護層1
32の気孔率,細孔径を設定しておけば,鉛ゲッター1
36の径の拡大により保護層132中に存在する細孔1
37が塞がれることは殆ど生じない。細孔137の閉塞
が生じなければ,被測定ガスは保護層132を遅延なく
通過することができる。
ターのみで構成された場合であるが,保護層が鉛ゲッタ
ーと通常の保護層を構成する成分とよりなる場合につい
ても,上記と同様の理由から被測定ガスが遅延なく保護
層を通過することができる。
ッターを含む保護層と,通常の保護層とよりなる場合で
あるが,この場合についても鉛ゲッターの粒径を適当に
調節することで,通常の保護層中の細孔に鉛ゲッターが
進入し,細孔を閉塞させることを防止することが容易に
実行できる。従って,保護層全体を通しての目詰まりを
殆ど防止することができ,被測定ガスの通過の遅延を防
止することができる。
3456が知られており,これは,図8に示すごとく,
多孔性保護層93に対し触媒金属の金属塩溶液等を含浸
させて熱処理等で還元し,上記多孔性保護層93に対し
触媒金属937を担持させたλセンサ素子9である。な
お,同図において,符号935は多孔性保護層93を構
成する粒子である。
成されることが一般的である。そして,プラズマ溶射層
は気孔率,細孔径が共に小さいために,含浸により触媒
金属937を担持することで,多孔性保護層93の表面
939に目詰まりが発生し,被測定ガスの通過が阻害さ
れることとなる。従来はこのような事情からλセンサ素
子の応答性の低下が発生していた。
く,保護層13全体を通して目詰まりの発生が殆ど生じ
ないため,応答性の低下も生じ難い。
ス中において被測定ガスの温度の高低にかかわらず応答
性が低下することがなく,かつ出力が低下することがな
く使用可能なガスセンサ素子を提供することができる。
ーだけからなる層を設け,その他に通常の保護層を設け
ることができる(実施形態例1参照)。また,通常の保
護層に鉛ゲッターとなる成分を含ませたものを設けるこ
ともできる。上述する層を複数層設けることもできる。
また,本発明にかかる保護層は従来のガスセンサ素子と
同様に各種の耐熱酸化物からなる多孔質のセラミック等
より構成することができる。
の固体電解質体よりなるもの,板状の固体電解質体より
なるもの等が挙げられる。いずれの形態であっても本発
明にかかる効果を得ることができる。
ては,例として挙げたλセンサ素子の他,A/Fセンサ
素子等の各種酸素センサ素子,NOxセンサ素子,CO
センサ素子,HCセンサ素子等を挙げることができる。
これらについても上述と同様の作用効果から,鉛を含む
被測定ガス中において被測定ガスの温度の高低にかかわ
らず応答性が低下することがなく,かつ出力が低下する
ことがなく使用可能である。
記鉛ゲッターは温度500℃以上において鉛と反応する
化合物よりなることが好ましい。これにより,気相で被
測定ガス側電極まで拡散する鉛と上記鉛ゲッターとが化
合物を形成して,被測定ガス中の鉛を確実に捕捉するこ
とができる。なお,被測定ガスの温度が500℃未満で
ある場合は,被測定ガス中に気相の鉛が殆ど生じないた
めに,被測定ガス側電極に鉛が到達してガスセンサ素子
の出力低下等の異常は生じない。従って,本発明では上
述の条件を満たす化合物を用いれば充分である。また,
被測定ガスの温度は最高1000℃程度まで上昇するた
め,この温度において鉛と反応する化合物を用いること
が好ましい。
記鉛ゲッターは平均粒子径が0.2〜2μmであること
が好ましい。鉛ゲッターの平均粒子径が0.2μm未満
である場合には,鉛ゲッターを含む保護層を形成する際
に,該保護層に亀裂が生じるおそれがある。更に,被測
定ガスに曝されることで剥離が発生し,本発明にかかる
効果が得られなくなるおそれがある。
ター全体での表面積が小さくなり,つまり鉛と接触する
面積が少なくなるため,鉛との反応性が低下し,被測定
ガス中に含まれる鉛を充分に補足することができず,鉛
が被測定ガス側電極まで到達し,ガスセンサ素子の出力
低下等の異常を引き起こすおそれがある。したがって,
鉛ゲッターの粒子径を上述の範囲とすることで,鉛ゲッ
ターを含む保護層に亀裂等が生じることが防止され,充
分な鉛の補足効果を得ることができる。
ッターはWO3,TiO2,MoO3,ZrO2,La
2O3,Fe2O3,Nb2O5より選ばれる1種以上からな
ることが好ましい。これらの化合物は被測定ガス中の鉛
と反応し易い化合物で,鉛を被測定ガスから取り除くこ
とができ,かつ被測定ガスに対する吸着性を殆ど持って
いないために,被測定ガスの被測定ガス側電極への到達
遅延を生じ難い。このため,ガスセンサ素子の出力低
下,応答性低下を生じ難い。
と,該固体電解質体において基準ガスに接するように設
けられた基準ガス側電極と,上記固体電解質体において
被測定ガスと接するように設けられた被測定ガス側電極
と,該被測定ガス側電極の表面を覆うように設けられた
多孔質の保護層とからなるガスセンサ素子を製造するに
当たり,上記保護層の少なくとも一層は,被測定ガス中
の鉛と反応する化合物よりなる鉛ゲッターが含有された
スラリーの吹き付け,もしくはディッピング,ペースト
印刷,または上記鉛ゲッターの粒子,もしくは該鉛ゲッ
ターの粒子を含む金属酸化物粒子の溶射の少なくとも一
方法において形成することを特徴とするガスセンサ素子
の製造方法にある。
−53456号が知られているが,この方法では図8に
示すごとく,多孔性保護層93の表面のみに触媒金属9
37が多く担持されるにすぎず,充分な量の触媒金属9
37を多孔性保護層93に担持させることが困難であっ
た。これに対して,請求項5にかかる製造方法を採用す
ることにより,保護層中に均一に鉛ゲッターを分散担持
させることができる。更に,従来よりも飛躍的に多くの
鉛ゲッターを担持させることができる。また,本請求項
にかかる製造方法によれば,少なくとも一層の保護層は
鉛ゲッターを含むため,鉛を含む被測定ガス中において
被測定ガスの温度の高低にかかわらず応答性の低下が防
止できる。また,出力低下も防止できる。その他詳細は
上述と同様である。
ッターはWO3,TiO2,MoO3,ZrO2,La
2O3,Fe2O3,Nb2O5より選ばれる1種以上からな
ることが好ましい。これらの化合物は被測定ガス中の鉛
と反応し易い化合物で,鉛を被測定ガスから取り除くこ
とができ,かつ被測定ガスに対する吸着性を殆ど持って
いないために,被測定ガスの被測定ガス側電極への到達
遅延を生じ難い。このため,出力低下,応答性低下が生
じ難いガスセンサ素子を製造することができる。
造方法につき,図1〜図5を用いて説明する。図1に示
すごとく,本例のガスセンサ素子は酸素センサ素子の一
種であるλセンサ素子である。このλセンサ素子1は,
固体電解質体10と,該固体電解質体10において基準
ガスに接するように設けられた基準ガス側電極12と,
上記固体電解質体10において被測定ガスと接するよう
に設けられた被測定ガス側電極11と,該被測定ガス側
電極11の表面を覆うように設けられた多孔質の保護層
13とからなる。上記保護層13は第1保護層131と
第2保護層132とよりなる2層構造であり,第2保護
層132は被測定ガス中の鉛と反応する化合物よりなる
鉛ゲッターを含む。
子1は自動車エンジンの排気系に設置し,自動車エンジ
ンの空燃比フィードバック制御システムに用いられるλ
センサ2において使用される。このλセンサ2は排気管
に対し設置される。図1に示すごとく,上記λセンサ素
子1はコップ型の酸素イオン導電性の固体電解質体10
と,内部に設けた基準ガスとなる大気が導入される大気
室100と,該大気室100に面するよう設けた基準ガ
ス側電極12と,保護層13を介して後述する被測定ガ
ス室240に面するよう設けた被測定ガス側電極11と
よりなる。また,上記大気室100には棒状のヒータ1
9が挿入配置されている。
側電極11と接する第1保護層131と,該第1保護層
131を覆うように設けた第2保護層132とよりな
り,上記第2保護層132は鉛ゲッターであるWO3を
含有している。
は耐熱性金属酸化物よりなる粒子135と該粒子間に形
成された細孔138とよりなり,上記第2保護層132
は鉛ゲッター136と該鉛ゲッター136間の細孔13
7とよりなる。符号139は第2保護層132の表面で
ある。被測定ガスは上記表面139から第2保護層13
2の細孔137,第1保護層131の細孔138を経
て,被測定ガス側電極11に到達する。この時,被測定
ガス中に含まれる鉛は,鉛ゲッター136と反応し,該
鉛ゲッター136に化合物として取り込まれる。
付けたλセンサ2について説明する。図2に示すごと
く,上記λセンサ2は,λセンサ素子1とこれを挿入固
定するハウジング20とよりなる。上記ハウジング20
は略中央部にフランジ231を設けた胴部23を有し,
該胴部23の下方には排気管に対し挿入される被測定ガ
ス側カバー24を有し,一方胴部23の上方には大気と
接する大気側カバー25を有している。
内部カバー241と外部カバー242とを有し,両者に
はそれぞれ被測定ガスを内部カバー241内に形成され
た被測定ガス室240に被測定ガスを導入するための導
入穴243,244を設けてある。
り付けられたメインカバー251と該メインカバー25
1の後端部を覆うサブカバー252とを備えており,メ
インカバー251及びサブカバー252には図示を略し
た大気導入口が設けてある。
介して,上記胴部23の内部に把持されている。また,
上記λセンサ素子1の基準ガス側電極12と被測定ガス
側電極11には,それらを包むように扶持する金属製の
板状端子261,262が接続されている。更に,該板
状端子261,262には,帯状の端子片263,26
4が,接触片285,286に対して突設されている。
そして,上記端子片263,264は,他端283,2
84を上記リード線271,272と接続したコネクタ
281,282の一端285,286に接続されてい
る。
金属板を筒状に変形し,上記基準ガス側電極12または
被測定ガス側電極11に接触する。そして,金属板のば
ね弾性力により,上記板状端子261,262と基準ガ
ス側電極12と被測定ガス側電極11との間には,適切
な接触圧力が付与されている。
上記λセンサ2の軸方向に向かう引張力が働くことか
ら,上記コネクタ281,282を介して上記板状端子
261,262が引張られ,軸方向にスライドすること
がある。これを防止するために,上記λセンサ2の端部
には,ゴムフッシュ291,292に挟まれたストッパ
293が設けられている。上記ストッパ293は,上記
コネクタ281,282の移動を抑止するものであり,
また上記リード線271,272の間の絶縁を保持する
ための樹脂材によって形成されている。なお,符号27
3は上記λセンサ素子1を加熱するヒータ19の通電用
リード線である。そして,λセンサ2を排気系に取りつ
けるに当たっては,上記排気カバー24を排気管内に挿
入し,上記フランジ231によって排気管内に固定され
る。
いて,以下に説明する。ZrO2に5モル%のY2O3を
混合,粉砕し,スプレードライヤーで造粒した後,成形
研削し1600℃で2時間焼成した。これにより,固体
電解質体10を作製した。次に,強酸によって上記固体
電解質体10の表面を凹凸化し,その後,化学メッキに
よって,被測定ガス側電極11,基準ガス側電極12を
形成した。次に,被測定ガス側電極11の外側に,Mg
O・Al2O3スピネル等の耐熱性金属酸化物をプラズマ
溶射して,多孔質な第1保護層131を設けた。
と水とを混合し,固形分に対して0.5〜10wt%の
無機バインダーを添加してスラリーを作成し,このスラ
リーを上記第1保護層131の表面にディッピングまた
はスプレーによって吹き付けた。その後,これを乾燥
し,500〜1000℃で焼き付けた。これにより,図
3に示すごとき,鉛ゲッター136よりなる第2保護層
132を設けた。以上により本例にかかるλセンサ素子
1を得た。
O3,α−Al2O3,MgO・Al2O3スピネル等の耐
熱性金属酸化物と水とを混合し,上述と同様にしてスラ
リーとなし,同様に第2保護層132を形成することも
できる。この場合,第2保護層132は鉛ゲッターと耐
熱性金属酸化物粒子とより構成される。
つき,以下の表1に示す試料1〜24を用いて評価し
た。試料1〜11は鉛ゲッターとしてWO3を用い,鉛
ゲッターのみで平均粒子径と付着重量を種々変えて第2
保護層が構成されている。また,試料12〜22は鉛ゲ
ッターとしてWO3を用い,該鉛ゲッターとγ−Al2O
3とからなる厚み200μmの第2保護層を有してい
る。
マ溶射により形成したMgO−Al 2O3スピネルからな
り,その厚みは100μmである。また,各試料におけ
る鉛ゲッターの粒径は表1に示すごとく様々であり,第
2保護層中に含まれるWO3の重量(付着重量)も表1
に示すごとく様々である。
層を持たずγ−Al2O3のみよりなる2層の保護層を持
ったλセンサ素子である。一方,試料24は,化学メッ
キを用いて,保護層を構成するγ−Al2O3粒子に対し
て,Ptを2モル%均一に被覆した粒子を膜厚200μ
mでその表面に形成したものである。
機能は次のようにして測定する。鉛が0.4g/リット
ル含まれる有鉛ガソリンを燃料に用いた自動車用エンジ
ンの排気系に各試料にかかるλセンサ素子を設置して,
エンジンを動かした。そして,排気ガス温度が650℃
である場合,また排気ガス温度が850℃である場合に
ついて,それぞれλセンサ素子の加速耐久試験を行っ
た。
耐久試験前の空気余剰率と出力電圧との関係を測定し,
図4に記載した。いずれのλセンサ素子についても,被
測定ガス側電極の触媒作用により,排気ガス中のHC,
CO成分等の,酸素による燃焼反応が速やかに進むた
め,λ=1近傍で急激に変化し,かつ,リッチとリーン
とで出力差の大きい波形が得られた。加速耐久試験によ
りλセンサ素子は徐々に劣化するが,これによってリッ
チとリーンとの間の出力差が低下する。
素子のλ=0.9とλ=1.1での出力差を測定し,
0.5V以下になった時間が100〜200時間である
ものを×,200〜400時間を△,400〜800時
間をO,800時間以上であるものを◎と判定し,表1
に耐鉛効果として記載した。ここにλは空気余剰率であ
る。
第2保護層を設けた試料1〜22にかかるλセンサ素子
は鉛ゲッターを含む保護層を持たない試料23,24に
比べて優れていることが分かった。
mで,付着重量が5mgより大きい試料2〜9,13〜
20は優れた耐鉛効果を有することが分かった。これ
は,WO3が鉛と反応して鉛化合物を形成して鉛を捕捉
するために,被測定ガス側電極が鉛による被毒を受けな
い。このため,被測定ガス側電極の触媒作用が損なわれ
ないために,被測定ガス側電極によって行われる排気ガ
ス中のHC,CO成分等の酸素による燃焼反応が速やか
に進み,従って,長期にわたって安定な波形が得られる
のである。
試料23のλセンサ素子には耐鉛効果が殆どないことが
分かった。つまり,鉛を捕捉する保護層がないために,
短時間で被測定ガス側電極が鉛による被毒を受け,O2
を吸着しなくなる(触媒作用が損なわれる)。そのた
め,被測定ガス側電極によって行われる排気ガス中のH
C,CO成分等の,酸素による燃焼反応が進まなくな
る。
と空気余剰率との関係を図5に記載した。同図より知れ
るごとく,加速耐久試験を経ることで出力差が非常に小
さくなることが分かった。
度が低い場合はよいが,温度が高くなると出力差が低下
し実用に耐えないことが分かった。これは鉛を含む80
0℃以上の高温の排気ガスに曝されることで,Ptが鉛
を補足し,ガスの吸着性が変化することで,PtがO2
を吸着し得なくなり,排気ガス中に含まれるHC,CO
等の未燃ガス成分のみを選択的に吸着するようになる。
これにより,上記未燃ガス成分が保護層を拡散通過する
時間がO2が保護層を拡散透過する時間よりも長くな
り,リッチ出力が低下するためである。
1,12は,他のものよりも若干耐鉛効果が小さいこと
が分かった。また,WO3の平均粒子径が10μm以上
の試料10,11,21,22は,鉛との反応性が小さ
いことで,耐鉛効果が若干小さいことが分かった。
0μmの粒子とを混合した第2保護層を第1保護層の表
面に設けた試料13〜20は充分な耐鉛効果を持つと共
に,充分な目詰まり防止効果を持つことが分かった。こ
れは第2保護層の表面の凹凸が大きくなるために,排気
ガス中に含まれるP,Zn,Ca,Si,K等のオイル
成分等がλセンサ素子の表面に堆積することで生じる通
気性のない付着被膜が分断され,連続被膜が形成せず,
保護層表面における被測定ガスが透過する細孔が確保さ
れるためである。
λセンサ素子は,第2保護層が鉛ゲッターであるWO3
よりなる。上記鉛ゲッターは被測定ガス中の鉛と反応す
ることで,鉛を被測定ガス中から取り除くことができ
る。このため,鉛被毒による被測定ガス側電極の異常を
防止できる。また,高温の鉛を含む被測定ガスに曝され
た場合でも,触媒金属とは異なり,鉛と化合物を形成し
ても,被測定ガスに対する吸着性を持たず,被測定ガス
をそのまま通過させることができる。このため,λセン
サ素子の出力低下や応答性の低下等の異常が生じ難い
(表1参照)。
6は粒子の状態で保護層132中に含まれている。よっ
て鉛ゲッター136が鉛と反応して化合物を形成した場
合であっても,鉛ゲッター136の径が若干増大する程
度である。従って,保護層132の形成の際に,鉛ゲッ
ター136の径拡大分を見越して,保護層132の気孔
率,細孔径を設定しておけば,鉛ゲッター136の径の
拡大により保護層132中に存在する細孔137が塞が
れることは殆ど生じない。細孔137の閉塞が生じなけ
れば,被測定ガスは保護層132を遅延なく通過するこ
とができる。
調整することで,通常の保護層131の細孔138に鉛
ゲッターが進入し,細孔138を閉塞させることの防止
が容易に実行できる。このため,被測定ガスの第2,第
1保護層の通過が阻害されることがなく,応答性の低下
が防止できる。
中において被測定ガスの温度の高低にかかわらず応答性
が低下することがなく,かつ出力が低下することがなく
使用可能なλセンサ素子を提供することができる。
ンの空燃比フィードバック制御システムに用いられるλ
センサ2において使用される。上述したごとく,本例の
λセンサ素子1は鉛を含んだ被測定ガス中で応答性低下
や出力低下が発生し難いことから,有鉛ガソリンを用い
た自動車エンジンに対して常に安定した空燃比フィード
バック制御を行うことがでる。このため,有鉛ガソリン
を利用する自動車エンジンの排気系に設置した3元触媒
コンバーターの機能を常に良い状態に維持することがで
き,排気ガスの高い浄化効率を得ることができる。
た積層型のλセンサ素子である。図6は示すごとく,大
気が導入される大気室100を設け,発熱体30が埋め
込まれているヒータ31と,被測定ガス側電極11と基
準ガス側電極12とが設けられた板状の固体電解質体1
0とが積層されて一体となっている。そして,被測定ガ
ス側電極11の表面には鉛ゲッターであるWO3を含む
保護層33が設けてある。その他は実施形態例1と同様
である。
ても,コップ型の実施形態例1にかかるλセンサ素子と
同様の作用効果を得ることができる。なお,実施形態例
1,実施形態例2はλセンサに用いるλセンサ素子につ
いて説明したが,これにかぎらず限界電流式の酸素セン
サであるリーンセンサ,A/Fセンサの素子としても使
用可能である。また,NOxセンサ,COセンサ,HC
センサの素子として使用することもできる。
面説明図。
図。
護層の模式説明図。
出力電圧と空気余剰率との関係を示す線図。
と後の出力電圧と空気余剰率との関係を示す線図。
の要部断面説明図。
図。
せた保護層の模式説明図。
Claims (6)
- 【請求項1】 固体電解質体と,該固体電解質体におい
て基準ガスに接するように設けられた基準ガス側電極
と,上記固体電解質体において被測定ガスと接するよう
に設けられた被測定ガス側電極と,該被測定ガス側電極
の表面を覆うように設けられた多孔質の保護層とからな
るガスセンサ素子において,上記保護層は一層または複
数層よりなり,少なくとも一層の保護層は被測定ガス中
の鉛と反応する化合物よりなる鉛ゲッターを含むことを
特徴とするガスセンサ素子。 - 【請求項2】 請求項1において,上記鉛ゲッターは温
度500℃以上において鉛と反応する化合物よりなるこ
とを特徴とするガスセンサ素子。 - 【請求項3】 請求項1または2において,上記鉛ゲッ
ターは平均粒子径が0.2〜2μmであることを特徴と
するガスセンサ素子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
上記鉛ゲッターはWO3,TiO2,MoO3,ZrO2,
La2O3,Fe2O3,Nb2O5より選ばれる1種以上か
らなることを特徴とするガスセンサ素子。 - 【請求項5】 固体電解質体と,該固体電解質体におい
て基準ガスに接するように設けられた基準ガス側電極
と,上記固体電解質体において被測定ガスと接するよう
に設けられた被測定ガス側電極と,該被測定ガス側電極
の表面を覆うように設けられた多孔質の保護層とからな
るガスセンサ素子を製造するに当たり,上記保護層の少
なくとも一層は,被測定ガス中の鉛と反応する化合物よ
りなる鉛ゲッターが含有されたスラリーの吹き付け,も
しくはディッピング,ペースト印刷,または上記鉛ゲッ
ターの粒子,もしくは該鉛ゲッターの粒子を含む金属酸
化物粒子の溶射の少なくとも一方法において形成するこ
とを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5において,上記鉛ゲッターはW
O3,TiO2,MoO3,ZrO2,La2O3,Fe
2O3,Nb2O5より選ばれる1種以上からなることを特
徴とするガスセンサ素子の製造方法。
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