JP2000317280A - 超高分子量ポリエチレン多孔膜を濾過媒体とするフィルター - Google Patents
超高分子量ポリエチレン多孔膜を濾過媒体とするフィルターInfo
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Abstract
能な、溶出成分が実質的に存在せず、廃棄の問題も発生
しない、安価なフィルターを提供することにある。 【解決手段】 本発明の課題は、分子量4×105以上
の超高分子量ポリエチレンをゲル成膜、溶媒除去後に少
なくとも1方向に延伸することにより多孔化し、厚みが
10〜300μm、空隙率が30〜90%、平均細孔径
が0.03〜5.0μm、引張り強度が少なくとも一方向に対し
て10MPa以上であるポリエチレン多孔質膜が延伸時
のフィブリル化のため、不織布状に積層されている超高
分子量ポリエチレン多孔質膜を濾過媒体とするフィルタ
ーにより達成される。
Description
チレン多孔質膜を濾過媒体として使用するフィルターに
関するものであり、特に物理加工であるプラズマ親水化
加工処理をほぼ大気圧に近い雰囲気下で行った親水化フ
ィルターに関している。
従来から使用されてきた。エレクトロニクス分野、特に
半導体分野においては、化学的な安定性からも、PTF
E(ポリ4フッ化エチレン)などのフッ素系の多孔質膜を
用いたフィルターが幅広く使用されてきた。しかし、フ
ッ素系膜に関しては、最近オゾン層破壊に関連しての廃
棄の問題が生じてきている。特にISO14000を取得した場
合には、廃棄の方法を明記することが求められ、焼却が
難しいフッ素系の膜は使用を避ける方向にある。ポリエ
チレン膜では、焼却による環境問題がフッ素系膜に比べ
るとはるかに少ない。焼却後の生成物が二酸化炭素と水
であるというクリーンさが、使用上の利点とみなされる
ようになった。また、価格においてもポリエチレン膜が
フッ素系の膜に比べ安価であり、この点でも使用拡大の
要求は大きい。
油性の膜であり、溶剤系の溶液における濾過の場合につ
いては親油性のために、なんら前処理無しに使用できる
が、水系の溶液に対して使用する場合は、例えば、親水
性の有機溶媒であるアルコール類やケトン類の水溶液で
事前に濡らしておいてから使用する等の前処理が必要で
あった。この、不便さを解消するための親水化の方法が
さまざま試みられてきた。
は、大きく3つの方法がある。1)親水化剤、界面活性剤
で膜を処理して、親水化する方法、2)膜表面、細孔内部
等に親水性材料を被覆、充填する方法、3)物理加工で表
面を親水化する方法の3つである。親水化剤、界面活性
剤としては、特にスルホン化剤やフッ素系の界面活性剤
などがある。親水性材料の被覆、充填では放射線や紫外
線の照射による表面での親水性官能基を持つモノマーの
グラフト重合や、親水性であるセルロース系、アミド系
樹脂の溶液に浸漬後乾燥する方法などがある。物理加工
では、オゾンガス、フッ素ガスの接触による表面加工、
水中で高圧をかけての親水化、コロナ放電やプラズマ加
工による表面処理があげられる。
をフィルター濾過媒体として使用する場合、フィルター
からの他成分の溶出は好ましくない。特に、フッ素系膜
のフィルターの代替を目的とする場合は、溶出物が少な
いことが求められる。エレクトロニクス分野など、精密
フィルターを使用する業界では、フィルターからの溶出
物量が多い場合は、製品歩留まりにも影響し、溶出金属
成分の濃度はppbのオーダーが求められるほどである。
このため、親水化剤が遊離しやすい方法は、エレクトロ
ニクス用の精密フィルターの分野では使用できない。
ニクス分野でも使用可能な、溶出成分が実質的に存在せ
ず、廃棄の問題も発生しない、安価なフィルターを提供
することにある。
討の結果、本発明者らは、成膜後の延伸時のフィブリル
化により不織布状の積層体を形成している超高分子量ポ
リエチレン多孔質膜を、物理加工であるプラズマ加工で
親水化加工することで効率的に処理しうることを見出
し、本発明に到達した。
ゲル成膜、溶媒除去後に少なくとも1方向に延伸するこ
とにより、積層された不織布状にフィブリル化されてな
る、厚みが10〜300μm、空隙率が30〜90%、
平均細孔径が0.03〜5.0μm、引張り強度が少なくとも一
方向に対して10MPa以上である超高分子量ポリエチ
レン多孔質膜を濾過媒体とするフィルターであり、好ま
しくは該超高分子量ポリエチレン多孔質膜の少なくとも
片面に、ポリオレフィン系の織布あるいは不織布からな
る補強材を積層したものであり、さらに好ましくは該超
高分子量ポリエチレン多孔質膜が、水との接触角が45
°以下、望ましくは40°以下、あるいは水面と接触さ
せた際に水が内部に浸透して変色するに要する時間が6
0秒以内、望ましくは30秒以内で表される親水性を有
する超高分子量ポリエチレン多孔質膜であるものであ
る。
孔質膜からなり、該膜は積層された不織布状にフィブリ
ル化されており、厚みが10〜300μm、空隙率が3
0〜90%、平均細孔径が0.03〜5.0μm、引張り強度が
少なくとも一方向に対して10MPa以上である、超高
分子量ポリエチレン多孔質膜を濾過媒体とするフィルタ
ーであり、好ましくは、該超高分子量ポリエチレン多孔
質膜が、水との接触角が45°以下、望ましくは40°
以下、あるいは水面と接触させた際に水が内部に浸透し
て変色するに要する時間が60秒以内、望ましくは30
秒以内で表される親水性を有する超高分子量ポリエチレ
ン多孔質膜であるものである。
ポリエチレンをポリエチレンを充分に溶解できる溶媒で
あるポロゲン(ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、デカリンおよびパラフィン油で代表される脂肪族又
は環式炭化水素あるいは類似の沸点を有する鉱油留分)
と混合して加熱し、ポロゲンとポリマーからなる溶液を
形成し、例えば非常に広いスリット形状のダイから押出
してフィルムに成形し、フィルムにゲル化が生じる程度
に冷却し、溶媒を蒸発により除去した後に少なくとも1
方向に延伸することでフィブリル化した、微多孔性の不
織布状フィルムを使用している。このフィルムは、押出
しスリットの形状、供給溶液量、溶剤の蒸発条件、延伸
条件等に従ってコントロールされる膜厚み、空隙率、孔
径の値により、望みの目的の濾過に使用できる。濾過媒
体として用いるために、厚みが10〜300μm、空隙
率が30〜90%、平均細孔径が0.03〜5.0μm、引張り
強度が少なくとも一方向に対して10MPa以上である
ことが望ましい。また、原料の超高分子量ポリエチレン
に可塑剤等の添加物を入れずに成形加工できるため、本
質的に非常にクリーンで、濾過時に溶出する不純物が少
ないフィルムである。
的には疎水性を有している。有機溶剤系の液の濾過にお
いては超高分子量ポリエチレンのフィルター膜は、その
ままで使用できる。この性質の液に対する濾過の例とし
て、例えば、半導体の配線加工に使用されるフォトレジ
スト液の濾過がある。この場合は、液が有機溶媒系のた
め、疎水性の超高分子量ポリエチレン膜は強い親和力を
有しており、液充填時の空気たまりの発生等の問題点は
通常の注意で十分に回避できる。しかるに、半導体分野
でもフォトレジストを感光した後のエッチング液、フォ
トレジストの剥離工程で使用される現像液や剥離液は水
溶液であることが多く、これらの液に対しては、そのま
までこの発明の超高分子量ポリエチレン多孔膜使用フィ
ルターを使用することはできず、何らかの親水化処理が
必要になる。疎水性の膜に対する従来の親水化の方法と
しては1)親水化剤を用いる、2)親水性の材料で被覆、充
填する、3)物理的に親水化する、の3つの方法がある。
このうち、親水化剤の使用としては、界面活性剤やスル
ホン酸系の親水化剤、アルコール類等の親水性の液で表
面を濡らしてから水を導入するという使用法等がある。
使用前のアルコール類液の処理は、使用する担当者の手
間が大きく、使用上問題が残る。親水性の材料による表
面被覆の例としては、放射線、紫外線の照射による表面
での親水基含有モノマーのグラフト重合、親水性の材料
の溶液に含浸、乾燥することによる親水化等がある。物
理的な親水化の方法としては、コロナ放電処理、プラズ
マ処理、オゾンガスやフッ素ガスを含むガスとの接触処
理等がある。先にも記したが、エレクトロニクス分野、
特に半導体分野に使用しようとした場合、不純物、特に
金属成分による汚染は、製品品質の確保、歩留まりの向
上の点からして避けなくてはならない、重要な管理項目
の1つである。親水化超高分子量ポリエチレンフィルム
を使用する場合においても、不純物による汚染が生じな
いような材質を保つ必要がある。この点から、界面活性
剤やスルホン酸系の化合物による表面親水化は親水化剤
そのものの溶出の可能性が強く使用は難しい。同様に表
面を親水性物質で被覆するならば、濾過中に溶出しない
様な強い結合が要求される。物理処理は、第3成分の溶
出の可能性は少なくなるが、経時的な親水性の低下があ
るので、製品の親水性をいかに保証するかが大きな課題
となる。
の方法が有るが、親水性の寿命、親水化のコストから有
効な方法は限られてくる。
水化したい材料に減圧下で高電圧によるプラズマを照射
するもので、処理がバッチ式で時間を要し大量処理に向
いていない。最近、大気圧に近い圧力でのプラズマ処理
が開発されてきた。大気圧に近いためロール状のフィル
ムの連続処理が可能となり、コスト面での競争力に結び
つく。
の効果を長引かせるため、炭化水素系のガス雰囲気とす
ることが多い。これは、プラズマ処理により表面に発生
した親水性をもたらす活性な部位が、内部からの電子移
動のために失活するのをふせぐための薄膜が炭化水素雰
囲気下で形成されるためと推定されている。
質フィルムを濾過材としてフィルターが作られる。多孔
質フィルムは単独では物理的な強度が十分でないため、
少なくとも片側には濾過前或いは濾過後の液の流路とも
なる補強材を積層する。補強材の種類としては、溶出物
が少なく、十分な強度を持ち、濾過面積・流量を維持し
うるようなタフタ等の織布やスパンボンド、メルトブロ
ーによる不織布または高分子樹脂製の網状物などがあ
り、使用目的、条件等にしたがって、従来の知見から最
適のものを選び使用する。フィルターへの加工時にも、
必要濾過面積により、濾過材にプリーツ加工等を加えて
もよい。フィルター加工の条件は、従来からの膜使用に
よる加工法、条件を材質の違いから微調整するだけでな
されることができる。
における試験方法はつぎの通りである。
おける純水との接触角で表す。接触角で45°以下、望
ましくは40°以下で親水性ありとみなす。
と接触させた際に、浸透による変色に要する時間で評価
する。例えば、容器に入れた水に2cmx2cmのフィ
ルムサンプルの小片を浮かべ、毛管吸引力で水がフィル
ム下面から上面に染み出る際の変色(多孔質の白色から
透明状になる)の様子で判断する。変化に要する時間が
60秒以内、望ましくは30秒以内で親水性ありと判断し
た。
6、JIS K3832に基づいているPerm-Porometer
(PMI社製)による、WETとDRYの通気量測定からの計算値
を採用した。
るして、表面張力既知の液中に沈める過程、引き上げる
過程から動的接触角を求める、Wilhelmy平板法を利用し
て測定した。接触角としては沈める過程の接触角(前進
接触角)、引き上げる過程の接触角(後退接触角)が通常
同じ値をとらず、ヒステリシスを生じるため、今回の測
定値は両者の平均値で表している。
高分子量ポリエチレン(三井化学製、ハイゼックスミリ
オン、340M)5部をデカリン95部に170℃に加熱
攪拌して溶解し、スリットから押出してフィルム成形
し、溶媒を加熱除去後、縦横各3倍に2軸延伸して多孔
質フィルムを得た。このフィルムに補強用のスパンボン
ド不織布(厚み:0.2mm、材質高密度ポリエチレン)を積
層し、フィルター用のメンブレンとした。このメンブレ
ンに使用しているPE膜の物性値を表1に示す。
ポリエチレン多孔膜積層メンブレンは疎水性であるの
で、常圧プラズマ処理を加えて親水化した。プラズマ処
理の条件は周波数5KHz、印加時間20秒、雰囲気は
アセトン含有アルゴン、圧力は常圧(約0.1Mpa)である。
このメンブレンのPE膜の物性も表1にあわせて示す。
質膜としてSoluporフィルム(オランダ DSMSolutec
h社製)を使用して比較例1と同様に補強用のスパンボ
ンド不織布と積層してフィルター用のメンブレンを得
た。PE膜の物性は表1にあわせて示す。
例1と同じ条件で常圧プラズマ処理による親水化を行っ
た。この親水化メンブレンに使用のPE膜の物性値も表
1に示す。
て長さ25cmのフィルターカートリッジを試作した。
このカートリジの粒子補足率を測定したところ、1μmの
ポリスチレンラテックス粒子の補足率99.9%以上、0.5
μmのラテックス粒子の補足率は92%であった。
実施例3と同様に試作した実施例4のカートリッジでの
0.1μmラテックス粒子の補足率は99.9%以上であり、充
分な粒子補足率を有していることがわかった。
ーは大気圧に近いプラズマ処理により親水化されてお
り、本来疎水性を示す超高分子量ポリエチレン多孔質膜
と高密度ポリオレフィン不織布を積層したメンブレンが
親水化処理により接触角が変化したことが明らかになっ
た。この結果、有機溶剤系の液のみならず、水系の現像
液、剥離液においても事前の親水処理無しに使用できる
フィルターが完成した。このフィルターは、可塑剤等の
添加物が少ないため、化学、製薬、食品等の分野での各
種用途に好適であり、不純物特に金属成分の溶出を嫌う
エレクトロニクス、とりわけ半導体等の分野に特に好適
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 分子量4×105以上の超高分子量ポリ
エチレンをゲル成膜、溶媒除去後に少なくとも1方向に
延伸することにより、積層された不織布状にフィブリル
化されてなる、厚みが10〜300μm、空隙率が30
〜90%、平均細孔径が0.03〜5.0μm、引張り強度が少
なくとも一方向に対して10MPa以上である超高分子
量ポリエチレン多孔質膜を濾過媒体とするフィルター。 - 【請求項2】 該超高分子量ポリエチレン多孔質膜の少
なくとも片面に、ポリオレフィン系の織布あるいは不織
布からなる補強材を積層した請求項1に記載のフィルタ
ー。 - 【請求項3】 該超高分子量ポリエチレン多孔質膜が、
水との接触角が45°以下、望ましくは40°以下、あ
るいは水面と接触させた際に水が内部に浸透して変色す
るに要する時間が60秒以内、望ましくは30秒以内で
表される親水性を有する超高分子量ポリエチレン多孔質
膜である、請求項1ないし2に記載のフィルター。 - 【請求項4】 該親水性が、物理加工による親水化によ
り賦与されたものである、請求項3記載のフィルター。 - 【請求項5】 該物理加工が、ほぼ大気圧(雰囲気圧
力:0.05〜0.2MPa)でのプラズマ加工である請求項4記
載のフィルター。 - 【請求項6】 分子量4×105以上の超高分子量ポリ
エチレン多孔質膜からなり、該膜は積層された不織布状
にフィブリル化されており、厚みが10〜300μm、
空隙率が30〜90%、平均細孔径が0.03〜5.0μm、引
張り強度が少なくとも一方向に対して10MPa以上で
ある、超高分子量ポリエチレン多孔質膜を濾過媒体とす
るフィルター。 - 【請求項7】 該超高分子量ポリエチレン多孔質膜が、
水との接触角が45°以下、望ましくは40°以下、あ
るいは水面と接触させた際に水が内部に浸透して変色す
るに要する時間が60秒以内、望ましくは30秒以内で
表される親水性を有する超高分子量ポリエチレン多孔質
膜である、請求項6記載のフィルター。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11125778A JP2000317280A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 超高分子量ポリエチレン多孔膜を濾過媒体とするフィルター |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11125778A JP2000317280A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 超高分子量ポリエチレン多孔膜を濾過媒体とするフィルター |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000317280A true JP2000317280A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=14918618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11125778A Pending JP2000317280A (ja) | 1999-05-06 | 1999-05-06 | 超高分子量ポリエチレン多孔膜を濾過媒体とするフィルター |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP2000317280A (ja) |
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