JP2000318057A - 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法Info
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- JP2000318057A JP2000318057A JP13246099A JP13246099A JP2000318057A JP 2000318057 A JP2000318057 A JP 2000318057A JP 13246099 A JP13246099 A JP 13246099A JP 13246099 A JP13246099 A JP 13246099A JP 2000318057 A JP2000318057 A JP 2000318057A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 老視用コンタクトレンズなどで要求される多
焦点タイプの屈折率分布型プラスチックレンズを製造す
るためのゲル法について、所望の屈折率分布形状を安定
的に形成することのできるようにする。 【解決手段】 本発明による製造方法は、マトリックス
用のポリマーを与える重合性単量体によるゲルを作製す
るゲル作製処理と、このゲル作製処理で得られたゲルに
屈折率分布形成用物質を拡散させる拡散処理とを含んで
なり、前記拡散処理を、前記ゲルにおける重合性単量体
に重合反応を進行させる条件下で行なうことを特徴とし
ている。このような条件とすることで、屈折率分布係数
αが3以上の屈折率分布でも安定的に形成することがで
きるようになる。
焦点タイプの屈折率分布型プラスチックレンズを製造す
るためのゲル法について、所望の屈折率分布形状を安定
的に形成することのできるようにする。 【解決手段】 本発明による製造方法は、マトリックス
用のポリマーを与える重合性単量体によるゲルを作製す
るゲル作製処理と、このゲル作製処理で得られたゲルに
屈折率分布形成用物質を拡散させる拡散処理とを含んで
なり、前記拡散処理を、前記ゲルにおける重合性単量体
に重合反応を進行させる条件下で行なうことを特徴とし
ている。このような条件とすることで、屈折率分布係数
αが3以上の屈折率分布でも安定的に形成することがで
きるようになる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンタクト
レンズや眼内レンズのような視力矯正用レンズとして用
いることのできる屈折率分布型プラスチックレンズの製
造方法に関し、特に多焦点タイプの屈折率分布型プラス
チックレンズの製造に好適な方法に関する。
レンズや眼内レンズのような視力矯正用レンズとして用
いることのできる屈折率分布型プラスチックレンズの製
造方法に関し、特に多焦点タイプの屈折率分布型プラス
チックレンズの製造に好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】屈折率分布によりレンズ効果をもたせた
屈折率分布型プラスチックレンズは、多焦点タイプのレ
ンズを得ることが比較的容易であることなどから、例え
ば老視用コンタクトレンズとして高い有用性が期待され
ている。このような屈折率分布型プラスチックレンズを
製造するための主要な方法としては二つの方法が知られ
ている(例えば特開平05−127132号公報)。一
つは、プラスチック材に設けた孔や凹部に重合性単量
体、およびこの重合性単量体が重合して得られるポリマ
ーの屈折率とは異なる屈折率を有する非重合性の屈折率
分布形成用物質を注入し、それから重合性単量体の重合
を行なわせると共に、この重合性単量体の重合過程を利
用して前記物質の拡散を行なわせることで屈折率分布を
形成する方法である。他の一つは、先ずマトリックス用
のポリマーを形成する重合性単量体のゲルを作製し、次
いでこのゲル中に屈折率分布形成用の物質を拡散させて
屈折率分布を形成する方法である。
屈折率分布型プラスチックレンズは、多焦点タイプのレ
ンズを得ることが比較的容易であることなどから、例え
ば老視用コンタクトレンズとして高い有用性が期待され
ている。このような屈折率分布型プラスチックレンズを
製造するための主要な方法としては二つの方法が知られ
ている(例えば特開平05−127132号公報)。一
つは、プラスチック材に設けた孔や凹部に重合性単量
体、およびこの重合性単量体が重合して得られるポリマ
ーの屈折率とは異なる屈折率を有する非重合性の屈折率
分布形成用物質を注入し、それから重合性単量体の重合
を行なわせると共に、この重合性単量体の重合過程を利
用して前記物質の拡散を行なわせることで屈折率分布を
形成する方法である。他の一つは、先ずマトリックス用
のポリマーを形成する重合性単量体のゲルを作製し、次
いでこのゲル中に屈折率分布形成用の物質を拡散させて
屈折率分布を形成する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は何れ
も、例えば老視用コンタクトレンズで要求される多焦点
タイプの屈折率分布型プラスチックレンズを製造する方
法として有力であり、特にゲルを利用するゲル法は優れ
た可能性をもっている。しかし、現状では屈折率分布形
成用物質の拡散やその安定性に問題があり、老視用コン
タクトレンズなどで求められる屈折率分布を再現性よく
形成することが困難である。
も、例えば老視用コンタクトレンズで要求される多焦点
タイプの屈折率分布型プラスチックレンズを製造する方
法として有力であり、特にゲルを利用するゲル法は優れ
た可能性をもっている。しかし、現状では屈折率分布形
成用物質の拡散やその安定性に問題があり、老視用コン
タクトレンズなどで求められる屈折率分布を再現性よく
形成することが困難である。
【0004】すなわち屈折率分布は下記の数式1で表さ
れ、例えば老視用コンタクトレンズであると屈折率分布
係数α=3〜4である3〜4次の分布が理想的と考えら
れる。しかるにこれまでの技術ではα=2程度までが限
度であり、しかもそれを安定的に得ることに困難があっ
た。
れ、例えば老視用コンタクトレンズであると屈折率分布
係数α=3〜4である3〜4次の分布が理想的と考えら
れる。しかるにこれまでの技術ではα=2程度までが限
度であり、しかもそれを安定的に得ることに困難があっ
た。
【数1】 但し、rはレンズの中心からの距離、n0 はレンズ中心
(r=0)における屈折率、Rcはレンズの半径であ
る。またΔは比屈折率差で、下記の数式2で表される。
(r=0)における屈折率、Rcはレンズの半径であ
る。またΔは比屈折率差で、下記の数式2で表される。
【数2】 但し、n1 はレンズ外周端の屈折率。
【0005】本願発明者はこのようなゲル法における問
題点について鋭意研究を進めてきた。その結果得られた
のが本発明であり、ゲル法について、所望の屈折率分布
形状を安定的に形成することのできる屈折率分布型プラ
スチックレンズの製造方法を提供するものである。
題点について鋭意研究を進めてきた。その結果得られた
のが本発明であり、ゲル法について、所望の屈折率分布
形状を安定的に形成することのできる屈折率分布型プラ
スチックレンズの製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゲル法に関し
て従来では常識とされていた屈折率分布形成用物質の拡
散条件についての考え方を洗いなおすことにより得られ
たものである。すなわち従来にあってはゲルを形成する
重合性単量体が重合反応を進行させる条件下では屈折率
分布形成用物質を所望の分布が得られるように制御して
ゲル中に拡散させることは不可能であると考えられてお
り、そのために従来のゲル法では重合性単量体に重合反
応を実質的に生じさせないような条件、例えば重合開始
剤として最も一般的である10時間半減期温度が70℃
前後のものを用いる場合であれば、その温度より低い4
0〜60℃程度の温度条件で屈折率分布形成用物質の拡
散を行なうことを当然の前提として研究がなされてい
た。これに対し、本願発明者はこのような従来の考えに
とらわれずに、様々な条件下で拡散を行なう実験を進め
てきた。その結果、重合性単量体が適度に重合反応を進
行させる温度条件下、例えば上記した最も一般的である
重合開始剤を用いるとすれば、その10時間半減期温度
より若干高い80±5℃程度の温度条件がそのような例
であり、このような条件下において高次な屈折率分布を
極めて再現性よく実現できることを見いだした。
て従来では常識とされていた屈折率分布形成用物質の拡
散条件についての考え方を洗いなおすことにより得られ
たものである。すなわち従来にあってはゲルを形成する
重合性単量体が重合反応を進行させる条件下では屈折率
分布形成用物質を所望の分布が得られるように制御して
ゲル中に拡散させることは不可能であると考えられてお
り、そのために従来のゲル法では重合性単量体に重合反
応を実質的に生じさせないような条件、例えば重合開始
剤として最も一般的である10時間半減期温度が70℃
前後のものを用いる場合であれば、その温度より低い4
0〜60℃程度の温度条件で屈折率分布形成用物質の拡
散を行なうことを当然の前提として研究がなされてい
た。これに対し、本願発明者はこのような従来の考えに
とらわれずに、様々な条件下で拡散を行なう実験を進め
てきた。その結果、重合性単量体が適度に重合反応を進
行させる温度条件下、例えば上記した最も一般的である
重合開始剤を用いるとすれば、その10時間半減期温度
より若干高い80±5℃程度の温度条件がそのような例
であり、このような条件下において高次な屈折率分布を
極めて再現性よく実現できることを見いだした。
【0007】したがって本発明による屈折率分布型プラ
スチックレンズの製造方法は、マトリックス用のポリマ
ーを与える重合性単量体によるゲルを作製するゲル作製
処理と、このゲル作製処理で得られたゲルに屈折率分布
形成用物質を拡散させる拡散処理とを含んでなり、そし
て前記拡散処理を、前記ゲルにおける重合性単量体に重
合反応を進行させる条件下で行なうようにしたことを特
徴としている。
スチックレンズの製造方法は、マトリックス用のポリマ
ーを与える重合性単量体によるゲルを作製するゲル作製
処理と、このゲル作製処理で得られたゲルに屈折率分布
形成用物質を拡散させる拡散処理とを含んでなり、そし
て前記拡散処理を、前記ゲルにおける重合性単量体に重
合反応を進行させる条件下で行なうようにしたことを特
徴としている。
【0008】また本発明による屈折率分布型プラスチッ
クレンズの製造方法は、10時間半減期温度が70℃前
後の重合開始剤を用いる場合に、拡散処理を80±5℃
の温度条件下で行なうことをより好ましいものとしてい
る。
クレンズの製造方法は、10時間半減期温度が70℃前
後の重合開始剤を用いる場合に、拡散処理を80±5℃
の温度条件下で行なうことをより好ましいものとしてい
る。
【0009】本発明が要求する条件が高次の屈折率分布
を安定的に実現できる理由は以下のように推察される。
すなわち重合性単量体の重合の進行は一般に屈折率分布
形成用物質の拡散を抑制するように働くが、その一方で
重合性単量体に重合を生じさせるような温度条件は一般
に高温であり、したがって屈折率分布形成用物質の拡散
を高めるようにも働く。そのため従来では考えられなか
った重合進行条件下でもその重合の進行と併存して拡散
が適度に進行する。そして上記した最も一般的である重
合開始剤を用いる場合であれば80±5℃というよう
に、温度条件を適当に選択することで、重合の進行と拡
散の進行に最善のバランスを与えることができる。つま
り初期には拡散が比較的容易に進行し、このために例え
ばゲルを円柱体に形成する場合であれば、その中心部ま
で屈折率分布形成用物質が拡散し得るが、重合が進行す
るにつれて拡散に対する抑制が強まると、拡散は円柱体
の周辺部に限定されるようになる、といったバランスが
得られ、これにより、高次分布曲線に対応する急峻な分
布を実現できるようになる。
を安定的に実現できる理由は以下のように推察される。
すなわち重合性単量体の重合の進行は一般に屈折率分布
形成用物質の拡散を抑制するように働くが、その一方で
重合性単量体に重合を生じさせるような温度条件は一般
に高温であり、したがって屈折率分布形成用物質の拡散
を高めるようにも働く。そのため従来では考えられなか
った重合進行条件下でもその重合の進行と併存して拡散
が適度に進行する。そして上記した最も一般的である重
合開始剤を用いる場合であれば80±5℃というよう
に、温度条件を適当に選択することで、重合の進行と拡
散の進行に最善のバランスを与えることができる。つま
り初期には拡散が比較的容易に進行し、このために例え
ばゲルを円柱体に形成する場合であれば、その中心部ま
で屈折率分布形成用物質が拡散し得るが、重合が進行す
るにつれて拡散に対する抑制が強まると、拡散は円柱体
の周辺部に限定されるようになる、といったバランスが
得られ、これにより、高次分布曲線に対応する急峻な分
布を実現できるようになる。
【0010】また重合性単量体に重合を生じさせるよう
な条件であることにより、重合と拡散が最善にバランス
しつつも、従来における条件下に比べ、屈折率分布形成
用物質の拡散力がより大きなものとなり、そしてこのこ
とが外乱要因の影響を相対的に小さなものとすることに
働き、その結果、高い安定性(再現性)が得られること
になる。
な条件であることにより、重合と拡散が最善にバランス
しつつも、従来における条件下に比べ、屈折率分布形成
用物質の拡散力がより大きなものとなり、そしてこのこ
とが外乱要因の影響を相対的に小さなものとすることに
働き、その結果、高い安定性(再現性)が得られること
になる。
【0011】上記のような製造方法については一般的
に、屈折率分布形成用物質の拡散に先立ってゲルに含ま
れる溶媒を除去する必要がある。本発明ではこの溶媒除
去処理を利用してマトリックスの屈折率を高めるように
している。すなわち、ゲルを形成する重合性単量体が重
合して得られるマトリックス用のポリマーよりも高い屈
折率を有するポリマーとなる重合性単量体を用いてゲル
に含まれる溶媒の置換を行うようにしている。したがっ
て、最終的なマトリックスは、それぞれ屈折率がna と
nb (na <nb )であるポリマーによる共重合体で形
成されることになり、屈折率na のポリマーだけで形成
される場合に比べ高い屈折率となる。このようにマトリ
ックスポリマーの屈折率を高くすることにより、マトリ
ックスポリマーと屈折率分布形成用物質との屈折率差を
大きくすることができる。このことはマトリックス用ポ
リマーや屈折率分布形成用物質の選択について自由度を
高めることになる。
に、屈折率分布形成用物質の拡散に先立ってゲルに含ま
れる溶媒を除去する必要がある。本発明ではこの溶媒除
去処理を利用してマトリックスの屈折率を高めるように
している。すなわち、ゲルを形成する重合性単量体が重
合して得られるマトリックス用のポリマーよりも高い屈
折率を有するポリマーとなる重合性単量体を用いてゲル
に含まれる溶媒の置換を行うようにしている。したがっ
て、最終的なマトリックスは、それぞれ屈折率がna と
nb (na <nb )であるポリマーによる共重合体で形
成されることになり、屈折率na のポリマーだけで形成
される場合に比べ高い屈折率となる。このようにマトリ
ックスポリマーの屈折率を高くすることにより、マトリ
ックスポリマーと屈折率分布形成用物質との屈折率差を
大きくすることができる。このことはマトリックス用ポ
リマーや屈折率分布形成用物質の選択について自由度を
高めることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を好ましい形態で実施する
のに用いるマトリックス用のポリマーを形成する重合性
単量体としては、例えばメチルメタクリレート(屈折率
1.492 )、ベンジルメチルメタクリレート(屈折率1.56
8 )、2,2,2−トリフルオロエチルメチルメタクリ
レート(屈折率1.437 )、4−メチルシクロヘキシルメ
タクリレート(屈折率1.4975)、シクロヘキシルメタク
リレート(屈折率1.5066)、フルフリルメタクリレート
(屈折率1.5381)、1−フェニルエチルメタクリレート
(屈折率1.5487)、1−フェニルシクロヘキシルメタク
リレート(屈折率1.5645)、フェニルメタクリレート
(屈折率1.5706)などを挙げることができる。なお括弧
中に記した屈折率はポリマー化した状態での屈折率であ
る。
のに用いるマトリックス用のポリマーを形成する重合性
単量体としては、例えばメチルメタクリレート(屈折率
1.492 )、ベンジルメチルメタクリレート(屈折率1.56
8 )、2,2,2−トリフルオロエチルメチルメタクリ
レート(屈折率1.437 )、4−メチルシクロヘキシルメ
タクリレート(屈折率1.4975)、シクロヘキシルメタク
リレート(屈折率1.5066)、フルフリルメタクリレート
(屈折率1.5381)、1−フェニルエチルメタクリレート
(屈折率1.5487)、1−フェニルシクロヘキシルメタク
リレート(屈折率1.5645)、フェニルメタクリレート
(屈折率1.5706)などを挙げることができる。なお括弧
中に記した屈折率はポリマー化した状態での屈折率であ
る。
【0013】一方、屈折率分布形成用物質としては、大
別してマトリックス用のポリマーと共重合体を形成する
重合性の物質と非重合性の物質に分けられる。これら重
合性の物質と非重合性の物質にはそれぞれに一長一短が
ある。例えば重合性の物質は、屈折率分布の経時的安定
性に優れるが、屈折率の異なるポリマーによる共重合体
に起因する光の散乱で透明性を低下させる。逆に非重合
性の物質は、高い透明性は得られるものの、屈折率分布
の経時的安定性に劣る。ただ、視力矯正用レンズなどの
場合にはその厚みが非常に薄くて済むことから、上記の
ような透明性の低下は実質的な影響をもたらさないとい
える。したがって、一般的には重合性の物質を屈折率分
布用に用いるのが好ましいといえる。
別してマトリックス用のポリマーと共重合体を形成する
重合性の物質と非重合性の物質に分けられる。これら重
合性の物質と非重合性の物質にはそれぞれに一長一短が
ある。例えば重合性の物質は、屈折率分布の経時的安定
性に優れるが、屈折率の異なるポリマーによる共重合体
に起因する光の散乱で透明性を低下させる。逆に非重合
性の物質は、高い透明性は得られるものの、屈折率分布
の経時的安定性に劣る。ただ、視力矯正用レンズなどの
場合にはその厚みが非常に薄くて済むことから、上記の
ような透明性の低下は実質的な影響をもたらさないとい
える。したがって、一般的には重合性の物質を屈折率分
布用に用いるのが好ましいといえる。
【0014】本発明を好ましい形態で実施するには、先
ず母材を製造し、それからこの母材をスライスするなど
して個々のレンズを作製する。母材の製造は、通常、以
下の処理工程を経てなされる。先ずゲル作製処理を行な
う。ゲル作製処理ではマトリックス用のポリマーを形成
する上記のような重合性単量体に例えば1%程度の架橋
性の単量体を添加したものを適当な溶媒に溶解させ、そ
れから例えば70℃程度の温度で24時間加熱する。こ
の場合に用いる架橋性の単量体としては、例えばエチレ
ングリコールジメタクリレートやジビニルベンゼンなど
が挙げられる。また溶媒としては例えばN,Nジメチル
ホルムアミド(DMF)を使用することができる。ゲル
は、例えば視力矯正用レンズの作製の場合であれば、円
柱体にして作製する。
ず母材を製造し、それからこの母材をスライスするなど
して個々のレンズを作製する。母材の製造は、通常、以
下の処理工程を経てなされる。先ずゲル作製処理を行な
う。ゲル作製処理ではマトリックス用のポリマーを形成
する上記のような重合性単量体に例えば1%程度の架橋
性の単量体を添加したものを適当な溶媒に溶解させ、そ
れから例えば70℃程度の温度で24時間加熱する。こ
の場合に用いる架橋性の単量体としては、例えばエチレ
ングリコールジメタクリレートやジビニルベンゼンなど
が挙げられる。また溶媒としては例えばN,Nジメチル
ホルムアミド(DMF)を使用することができる。ゲル
は、例えば視力矯正用レンズの作製の場合であれば、円
柱体にして作製する。
【0015】次いで例えばアセトンなどを用いてゲルの
洗浄処理を行ない、これ終えたら溶媒除去処理を行な
う。溶媒除去処理は、マトリックス用のベースポリマー
と共重合体を形成する重合性単量体で溶媒を置換するこ
とで行なう。この処理は例えば5時間ごとに置換用の重
合性単量体を更新して3回程度繰り返す。この場合の重
合性単量体には、それが重合して生成するポリマーの屈
折率がベースポリマーのそれよりも大きいものを用いる
のが好ましいことは上記の通りである。
洗浄処理を行ない、これ終えたら溶媒除去処理を行な
う。溶媒除去処理は、マトリックス用のベースポリマー
と共重合体を形成する重合性単量体で溶媒を置換するこ
とで行なう。この処理は例えば5時間ごとに置換用の重
合性単量体を更新して3回程度繰り返す。この場合の重
合性単量体には、それが重合して生成するポリマーの屈
折率がベースポリマーのそれよりも大きいものを用いる
のが好ましいことは上記の通りである。
【0016】次いで、ゲルの重合反応を進行させつつ屈
折率分布形成用物質を拡散させる重合拡散処理を行な
う。この重合拡散処理は重合性単量体に重合反応を生じ
させる温度条件で行なう。例えば重合性単量体にメタク
リレート系のものを用い、重合開始剤として10時間半
減期温度が70℃前後のパーオキシエステル系のものを
用いる場合であれば、80±5℃の温度条件となる。処
理時間は通常、30分程度である。なおここで必要にな
る重合開始剤は上記の洗浄処理の最終段階で添加するこ
ともできる。
折率分布形成用物質を拡散させる重合拡散処理を行な
う。この重合拡散処理は重合性単量体に重合反応を生じ
させる温度条件で行なう。例えば重合性単量体にメタク
リレート系のものを用い、重合開始剤として10時間半
減期温度が70℃前後のパーオキシエステル系のものを
用いる場合であれば、80±5℃の温度条件となる。処
理時間は通常、30分程度である。なおここで必要にな
る重合開始剤は上記の洗浄処理の最終段階で添加するこ
ともできる。
【0017】ここで、上記の例では重合開始剤に10時
間半減期温度が70℃前後のものを用いるとしている
が、これは下記のように残存重合性単量体の重合を水中
で行なう場合における一般的な例であり、重合開始剤の
選択は重合条件に応じて適宜になされることになる。参
考までに10時間半減期温度が70℃前後の重合開始剤
の代表的例を挙げると、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(65.
3)、サクシン酸パーオキサイド(65.9)、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパー
オキシ)ヘキサン(66.2)、1−シクロヘキシル1
−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
(67.5)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート(69.9)、t−ブチルパーオキシ2−エ
チルヘキサノエート(72.1)、m−トルオイル−ベ
ンゾイルパーオキサイド(73.1)、過酸化ベンゾイ
ル(73.6)、t−ブチルパーオキシイソブチレート
(77.3)などがある。なお括弧中の数字はそれぞれ
の10時間半減期温度である。
間半減期温度が70℃前後のものを用いるとしている
が、これは下記のように残存重合性単量体の重合を水中
で行なう場合における一般的な例であり、重合開始剤の
選択は重合条件に応じて適宜になされることになる。参
考までに10時間半減期温度が70℃前後の重合開始剤
の代表的例を挙げると、1,1,3,3−テトラメチル
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(65.
3)、サクシン酸パーオキサイド(65.9)、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパー
オキシ)ヘキサン(66.2)、1−シクロヘキシル1
−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
(67.5)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート(69.9)、t−ブチルパーオキシ2−エ
チルヘキサノエート(72.1)、m−トルオイル−ベ
ンゾイルパーオキサイド(73.1)、過酸化ベンゾイ
ル(73.6)、t−ブチルパーオキシイソブチレート
(77.3)などがある。なお括弧中の数字はそれぞれ
の10時間半減期温度である。
【0018】最後に残存重合性単量体の重合のための後
処理を行なう。この後処理に大別して2段階の処理が含
まれる。第1段階では、重合拡散処理で生成させた屈折
率分布を固定するために、水中で加熱する。この処理で
の加熱温度と時間は例えば70℃程度、24時間程度で
ある。第2段階の加熱は空気中での加熱であり、例えば
70℃、24時間程度の加熱と、110℃、40時間程
度の加熱、および減圧条件下での110℃、12時間程
度の加熱を連続的に行なう。
処理を行なう。この後処理に大別して2段階の処理が含
まれる。第1段階では、重合拡散処理で生成させた屈折
率分布を固定するために、水中で加熱する。この処理で
の加熱温度と時間は例えば70℃程度、24時間程度で
ある。第2段階の加熱は空気中での加熱であり、例えば
70℃、24時間程度の加熱と、110℃、40時間程
度の加熱、および減圧条件下での110℃、12時間程
度の加熱を連続的に行なう。
【0019】
【実施例】以下、一実施例として老視用コンタクトレン
ズの製造例を説明する。 ゲル作製処理;内径が11mmのガラス管内にメチルメ
タクリレート(ベースポリマー用の重合性単量体:屈折
率1.492 )とエチレングリコールジメタクリレート(架
橋性単量体:屈折率1.506 )、およびDMF(溶媒)を
充填し、70℃、24時間の加熱を行なう。メチルメタ
クリレートとエチレングリコールジメタクリレートの重
量比は99:1とし、これら単量体とDMFの重量比は
5:5とする。
ズの製造例を説明する。 ゲル作製処理;内径が11mmのガラス管内にメチルメ
タクリレート(ベースポリマー用の重合性単量体:屈折
率1.492 )とエチレングリコールジメタクリレート(架
橋性単量体:屈折率1.506 )、およびDMF(溶媒)を
充填し、70℃、24時間の加熱を行なう。メチルメタ
クリレートとエチレングリコールジメタクリレートの重
量比は99:1とし、これら単量体とDMFの重量比は
5:5とする。
【0020】ゲルの洗浄処理;上記で得られたゲル円柱
体をアセトンで洗浄する。
体をアセトンで洗浄する。
【0021】溶媒除去処理;ゲル円柱体を溶媒置換用の
単量体液に浸漬する。単量体液は、ベンジルメチルメタ
クリレート(屈折率1.568 )に9:1の比率でエチレン
グリコールジメタクリレートを加えたものを用いる。こ
の処理は、5時間ごとに置換用の単量体を更新して3回
繰り返す。そして最後の3回目の処理に際して重合開始
剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト(10時間半減期温度72.1℃)を単量体全体に対し1
wt%添加する。
単量体液に浸漬する。単量体液は、ベンジルメチルメタ
クリレート(屈折率1.568 )に9:1の比率でエチレン
グリコールジメタクリレートを加えたものを用いる。こ
の処理は、5時間ごとに置換用の単量体を更新して3回
繰り返す。そして最後の3回目の処理に際して重合開始
剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト(10時間半減期温度72.1℃)を単量体全体に対し1
wt%添加する。
【0022】拡散処理;溶媒の除去がなされたゲル円柱
体を屈折率分布形成用物質である2,2,2−トリフル
オロエチルメチルメタクリレート(屈折率1.437 )液に
浸漬し、80℃で30分加熱する。
体を屈折率分布形成用物質である2,2,2−トリフル
オロエチルメチルメタクリレート(屈折率1.437 )液に
浸漬し、80℃で30分加熱する。
【0023】後処理;重合拡散を経たポリマー円柱を先
ず水中に入れて70℃で24時間加熱する。次いで、水
中からゲル円柱を取り出し、これを空気中において70
℃で40時間加熱し、さらに110℃で24時間加熱す
る。そして最後に減圧下(1mmHg以下)において1
10℃で12時間加熱する。
ず水中に入れて70℃で24時間加熱する。次いで、水
中からゲル円柱を取り出し、これを空気中において70
℃で40時間加熱し、さらに110℃で24時間加熱す
る。そして最後に減圧下(1mmHg以下)において1
10℃で12時間加熱する。
【0024】レンズの作製;以上の処理で得られた円柱
状の母材から切削研磨法により直径11mm、厚さ0.2
の円板状レンズを得た。その屈折率分布を測定した結果
は、図1に示す通りである。図2には比較のために、上
記式から導かれるα=2〜4までの各屈折率分布曲線を
示す。なお各図においては縦軸が屈折率であり、横軸が
レンズの半径(mm)である。
状の母材から切削研磨法により直径11mm、厚さ0.2
の円板状レンズを得た。その屈折率分布を測定した結果
は、図1に示す通りである。図2には比較のために、上
記式から導かれるα=2〜4までの各屈折率分布曲線を
示す。なお各図においては縦軸が屈折率であり、横軸が
レンズの半径(mm)である。
【図1】実施例で得られた屈折率分布型プラスチックレ
ンズにおける屈折率分布図。
ンズにおける屈折率分布図。
【図2】理論的に導かれた屈折率分布図。
Claims (3)
- 【請求項1】 マトリックス用のポリマーを与える重合
性単量体によるゲルを作製するゲル作製処理と、このゲ
ル作製処理で得られたゲルに屈折率分布形成用物質を拡
散させる拡散処理とを含んでなる屈折率分布型プラスチ
ックレンズの製造方法において、前記拡散処理を、前記
ゲルにおける重合性単量体に重合反応を進行させる条件
下で行なうようにしたことを特徴とする屈折率分布型プ
ラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項2】 10時間半減期温度が70℃前後の重合
開始剤を用いる場合に、拡散処理を80±5℃の温度条
件下で行なうようにした請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 ゲルを形成する重合性単量体が重合して
得られるマトリックス用のポリマーとは異なる屈折率を
有するポリマーとなる重合性単量体を用いて前記ゲルに
含まれる溶媒の置換を行う溶媒除去処理をさらに含む請
求項1または請求項2に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13246099A JP2000318057A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13246099A JP2000318057A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000318057A true JP2000318057A (ja) | 2000-11-21 |
Family
ID=15081891
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13246099A Pending JP2000318057A (ja) | 1999-05-13 | 1999-05-13 | 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000318057A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004068202A1 (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-12 | Keio University | 蓄熱効果を利用する自発的フロンタルポリメリゼーションによる屈折率分布型光伝送体の作製方法 |
| RU2355006C2 (ru) * | 2003-12-19 | 2009-05-10 | Мишель ГИЙОН | Многофокусные контактные линзы, изготовленные из чувствительного полимерного геля |
| JP2011227466A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-10 | Canon Inc | レンズ及びレンズの製造方法 |
| JP2025114625A (ja) * | 2019-05-20 | 2025-08-05 | リアン,ジュンジョン | 人間の目の乱視、コマ収差、老視のウェーブフロント治療のための方法及び装置 |
| CN121276811A (zh) * | 2025-12-09 | 2026-01-06 | 爱睿思(厦门)科技有限公司 | 老花眼矫正用隐形眼镜及制造方法 |
-
1999
- 1999-05-13 JP JP13246099A patent/JP2000318057A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004068202A1 (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-12 | Keio University | 蓄熱効果を利用する自発的フロンタルポリメリゼーションによる屈折率分布型光伝送体の作製方法 |
| RU2355006C2 (ru) * | 2003-12-19 | 2009-05-10 | Мишель ГИЙОН | Многофокусные контактные линзы, изготовленные из чувствительного полимерного геля |
| JP2011227466A (ja) * | 2010-04-02 | 2011-11-10 | Canon Inc | レンズ及びレンズの製造方法 |
| JP2025114625A (ja) * | 2019-05-20 | 2025-08-05 | リアン,ジュンジョン | 人間の目の乱視、コマ収差、老視のウェーブフロント治療のための方法及び装置 |
| CN121276811A (zh) * | 2025-12-09 | 2026-01-06 | 爱睿思(厦门)科技有限公司 | 老花眼矫正用隐形眼镜及制造方法 |
| CN121276811B (zh) * | 2025-12-09 | 2026-03-27 | 爱睿思(厦门)科技有限公司 | 老花眼矫正用隐形眼镜及制造方法 |
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