JP2000321412A - 浴室用防曇性鏡 - Google Patents

浴室用防曇性鏡

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JP2000321412A
JP2000321412A JP11143435A JP14343599A JP2000321412A JP 2000321412 A JP2000321412 A JP 2000321412A JP 11143435 A JP11143435 A JP 11143435A JP 14343599 A JP14343599 A JP 14343599A JP 2000321412 A JP2000321412 A JP 2000321412A
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bathroom
water
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antifogging
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JP11143435A
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Masayoshi Ketayama
正吉 桁山
Hidefumi Fujimoto
英史 藤本
Shinji Toyofuku
信次 豊福
Kaori Morihara
かおり 森原
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、高度な親水性を有し、水のあ
る環境下にて好適に使用できる防曇性、防露性、防汚
性、自己浄化性の優れた浴室用親水性防曇鏡を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 本発明は、裏面に反射コートを施した鏡
表面にけい酸アルカリ金属塩を含む層が形成されてお
り、その表面の任意の位置における凹凸の平均高さおよ
び平均幅が、0.4nm以上200nm以下、中心線平
均表面粗さRaが0.1nm以上50nm以下である凹
凸構造を形成したことを特徴とする浴室用親水性防曇鏡
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚れの汚染付加量
が大きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主
として、浴室・シャワールーム等において好適に使用で
きる防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた浴室
用親水性防曇鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室鏡の曇りや汚れを防止する方法とし
て、鏡表面に親水性を付与することが従来行われてい
る。親水性を付与する方法として、鏡表面に界面活性剤
を塗布する方法、親水性モノマー・ポリマー等の親水性
物質を塗布する方法などが知られている。界面活性剤を
塗布する方法によれば、界面活性剤によって表面に付着
した水滴を水膜化することによって、親水性モノマー・
ポリマー等を塗布する方法によれば鏡表面に付着した水
分を吸水することによって、水滴の付着・形成を防ぎ、
部材表面の曇りや汚れを防止することが可能になる。ま
た、特開平7−236553には、横方向に無数のキズ
を入れて表面に平行な凹凸を形成したスリガラスを利用
して作製した鏡表面に、一度水をかけると凹部に入り込
んだ水で表面が平面になることにより透明となり、また
その水膜により曇り防止することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】界面活性剤は水分によ
って流れ落ちやすく、特に浴室のように水が頻繁にかか
る環境においては、効力の持続性に問題がある。また、
親水性モノマー・ポリマーは、吸水すると表面が柔らか
く傷つきやすくなる。特に浴室のように、使用環境下に
おける蒸気圧の高い環境で利用する場合には、吸水量が
増加し、その傾向は非常に顕著になる。さらに、界面活
性剤、親水性モノマー・ポリマーのいずれも空気中の汚
れなどを吸着しやすいという欠点があった。とりわけ、
浴室は、水道水中の金属イオンに起因する汚れ、石鹸か
すや皮脂などの他、洗髪・洗体時に使用する洗浄剤、特
にリンス中の保湿成分でもあるシリコーン油、さらさら
感を得るためのカチオン系界面活性剤等、鏡表面に付着
することによって、鏡表面を水をはじきやすくする性質
に変化させる汚染物が非常に多い。さらに、それらは洗
髪・洗体時に直接飛散したり、シャワーによって間接的
に飛散したり、付着しやすい状況にある。また、浴室内
では水分や有機物が豊富なことから、特に凹凸のある部
位では微生物が繁殖しやすく、凹凸や親水性有機物で鏡
表面に親水性を付与した場合に微生物が繁殖し親水性を
阻害することがある。このように多種多様な汚れが存在
し、かつ付着しやすい、汚染負荷量が大きい環境下にお
いて、上記の鏡が防曇性・防汚性を発揮できるのは、初
期の鏡が清浄な状態を保持できている間だけであり、長
期間防曇性・防汚性を保持することはほとんど不可能で
あった。付着した汚れを都度払拭する方法もあるが、手
間がかかるうえ、せっかく手間をかけても手の油がつけ
ばそれだけでも親水性を阻害することになり、確実に親
水性を回復させることは難しかった。
【0004】本発明では、以上の本質的な理由により充
分な防曇機能を長期に亘り発揮するのが困難であった浴
室用親水性防曇鏡を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく、裏面に反射コートを施した鏡表面にけい酸ア
ルカリ金属塩を含む層が形成されていることを特徴とす
る自己浄化機能を有する浴室用防曇性鏡を提供する。鏡
表面にけい酸アルカリ金属塩を含んだ層を形成すること
により、以下に示す作用効果が同時に発揮される。 (1)けい酸アルカリ金属塩を含んだ層は、界面活性剤
や親水ポリマーとは異なり、ガラス質の平滑な層であ
る。従って、凹凸が少ないので、汚れ負荷の大きい浴室
空間においても汚れの付着量が少なく、固着力も弱い。
さらに、付着した汚れもけい酸アルカリ金属塩中のアル
カリイオン成分が徐放されるので、上記層を有する鏡表
面は、長期に亘り、シャワーによる水洗程度で自己浄化
される。 (2)けい酸アルカリ金属塩を含んだ層は、界面活性剤
や親水ポリマーとは異なり、硬質な無機物質からなる層
である。従って、表面が傷つきにくく、それにより鏡の
視認性が低下することはない。 (3)けい酸アルカリ金属塩を含んだ層は、界面活性剤
や親水ポリマーとは異なり、ガラス質の平滑な層であ
る。従って、凹凸が少ないので、水分の多い浴室におい
ても微生物が繁殖しにくく、また空気中の汚れなども吸
着しにくい。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記層
には、さらに無機酸化物粒子が含有されているものとす
る。無機酸化物粒子を含むことによって、鏡の表面層の
機械的強度、耐摩耗性が向上するだけでなく、けい酸ア
ルカリ金属塩が徐々に溶け出す性質を制御することが可
能となる。これによって、長期にわたって鏡表面を自己
浄化し、手間をかけずに汚れの固着を防止し、簡便に清
浄でかつ高度な親水性表面を繰り返し再現し、長期にわ
たって良好な防曇・防汚性を維持可能とする。
【0007】本発明の好ましい態様においては、鏡表面
に原子間力顕微鏡で測定した鏡表面の任意の位置におけ
る凹凸の高さ及び幅が0.4nm以上200nm以下、
中心線平均表面粗さRaが、0.1nm以上50nm以
下である凹凸構造を形成する。より好ましくは凹凸平均
高さ0.8nm以上40nm以下、凹凸平均幅9nm以
上100nm以下、中心線平均表面粗さRa0.1nm
以上10nm以下とする。鏡表面にこのような凹凸構造
を形成することによって、透明で基材の質感をそこなう
ことなく、高度な親水性を呈し、十分な曇り防止、水滴
防止効果を発揮し、汚染物の付着、水洗いによる清浄性
の向上した物品の提供が可能になる。鏡表面の凹凸の高
さ、幅、表面粗さは原子間力顕微鏡を用いて求めること
ができる。複雑でかつ微細な凹凸表面を測定する際に
は、表面の吸着水、表面に入り込んだ気体がじゃまをし
て、接触式の表面粗さ計では正確な値を知ることができ
ないため、原子間力顕微鏡を用いて測定することが好ま
しい。凹凸の高さ及び幅は可視光の波長の1/2、すな
わち、200nm以下とすることが好ましい。光の干渉
による表面層の発色を防止することができ、基材の質感
をそこなうことがないからである。また、凹凸の高さ及
び幅は0.4nm以上であることが好ましい。これ以上
凹凸の高さ及び幅が小さいと、機械的な強度が確保でき
ない。表面粗さは、主に凹凸の高さによって決まり、図
1に示す模式的な表面の断面においては、表面粗さ(R
a)=高さ/4となる。ここでは、凹凸の高さは0.4
nm以上200nm以下であることが好ましいので、表
面粗さは0.1nm以上50nm以下が好ましい。
【0008】本発明では、さらに、上記課題を解決すべ
く、前記凹凸構造がフラクタル構造であることを特徴と
する浴室用防曇性鏡を提供する。フラクタル構造とは、
基材の表面に大きい周期の凹凸構造とその構造の中に小
さい周期の凹凸構造を含む多段の凹凸構造である。フラ
クタル構造、つまり凹凸の中に更に細かい凹凸がある複
雑な構造とすることで、基材表面の保水力を高め、さら
に高度な親水性を発現させることが可能となる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記層
の厚みは400nm以下となるようにする。前記厚みと
することにより、優れた防曇性を有する光干渉や白濁の
ない透明な膜を形成することができる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、前記層
はゾル塗布法により形成する。ゾル塗布法によれば、鏡
の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけることが
ないので、特別の設備を要せず、簡便に鏡表面に被膜形
成することができる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、金属酸
化物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸
化スズ、酸化亜鉛からなる群より選ぶようにする。これ
らの酸化物を使用することにより、耐水性、耐薬品性に
優れた高度な親水性表面がえられる。これらの金属酸化
物のうち、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛
の光触媒活性を有するものを使用することが好ましい。
特に、鏡の表面に凹凸をつけた場合では、凹部の奥に汚
れが付着してしまうと表面から汚れを除去しようとして
も除去困難であった。そうすることにより、室内の照明
や窓からの紫外線によって、より一層高度な親水性を得
ることができる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、凹凸構
造を有する表面上にさらにけい酸アルカリ金属塩を主成
分とする層を形成し、原子間力顕微鏡で測定した最表面
の任意の位置における凹凸の平均高さおよび平均幅が、
0.4nm以上200nm以下であり、中心線平均表面
粗さRaが0.1nm以上50nm以下である層とを備
えているようにする。より好ましくは凹凸平均高さ0.
8nm以上40nm以下、凹凸平均幅9nm以上100
nm以下、中心線平均表面粗さRa0.1nm以上10
nm以下とする。あらかじめ凹凸を形成した表面上にさ
らに凹凸を形成することでさらに良好な親水性表面が得
られる。また、前記表面が干渉縞、白濁が認められるも
のであっても、それらを解消し、透明にする効果もあ
る。
【0013】本発明の好ましい態様においては、前記鏡
表面のpH7付近の水中におけるゼータ電位を負にす
る。ゼータ電位を負にすることによって、鏡表面に水が
接触した場合に除菌及び/又は防汚効果を持たせること
ができるようになる。水周りの汚れ・菌類などは、一般
的にpH7付近の水中において負に帯電していることが
知られている。従って、複合材表面のゼータ電位を負に
することで、水を接触させた状態では複合材表面と汚れ
・菌類とが電気的に反発し、汚れ・菌類の付着を防止す
ることができる。
【0014】本発明の好ましい態様においては、前記鏡
が立面における水との後退角が20度以下の親水性を有
するようにする。立面で鏡表面に付着した水が流滴性を
示し、鏡全面にわたって防汚性、防曇性、水滴形成防止
性、水滴付着防止性を呈しやすくなるからである。流滴
性とは、水をかけたときに水滴とならず、浴室の壁など
立面での鏡面に水膜を形成した状態をいう。また、後退
角とはサンプルを一定速度で水槽内に浸し、引き上げた
時の水の接触角である。
【0015】本発明の好ましい態様においては、鏡の表
面には抗菌性を有する物質が担持されているようにす
る。抗菌性を有する物質を担持することにより、親水性
を阻害する一要因である菌や微生物を死滅させる、ある
いは繁殖を抑制することができるため、良好な親水性が
維持可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の防曇性鏡は、水周りの、
特に汚れの汚染付加量が大きく、絶えず多量な水蒸気や
水のかかる環境下、主として、浴室・シャワールーム等
において防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた
浴室用親水性防曇鏡として好適に使用できる。
【0017】本発明において、裏面に反射コートを施し
た鏡表面にけい酸アルカリ金属塩を含む層を形成する方
法としては、ゾル塗布法が好適である。ゾル塗布法によ
れば、鏡の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけ
ることがないので、特別の設備を要せず、簡便に鏡表面
に被膜形成することができる。透明な基材表面にけい酸
アルカリ金属塩を含む層を形成した後、裏面に反射コー
トを施して鏡化してもよい。ここで、けい酸アルカリ金
属塩としては、けい酸ナトリウム、けい酸カリウム、け
い酸リチウム、けい酸アンモウムが好適に利用できる。
【0018】本発明において、けい酸アルカリ金属塩を
含む層に無機酸化物粒子の1種以上を含有して被覆形成
することが好ましい。これによれば、高度な親水性を呈
する所望の凹凸を容易に形成することができる。ゾル塗
布法によれば、基材の大きさ、形状によって、設備上の
制約をうけることがないので、特別の設備を要せず、簡
便に実施することができる。これらの方法において処理
温度を高くすることにより、耐アルカリ性、耐温水性な
どの浴室環境で必要とされる耐久性をより向上させるこ
とが可能である。
【0019】本発明において、前記酸化物の被膜の厚み
は400nm以下となるようにする。特に1種類の酸化
物で400nmを超える被膜を形成した場合には、光の
干渉による干渉縞、白濁などが発生し、外観上の不具合
が生じやすい。また、膜厚が厚くなれば耐摩耗性が低下
し、傷がつきやすくなることも避けられない。
【0020】ここで、無機酸化物としては、シリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、ボロニア、
マグネシア、カルシア、フェライト、ハフニア、酸化チ
タン、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化第二鉄、酸
化第一銅、酸化第二銅、三酸化二ビスマス、酸化スズ、
酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化スト
ロンチウム、酸化バナジウム等の単一酸化物や、チタン
酸バリウム、ケイ酸カルシウム、水ガラス、アルミノケ
イ酸塩、リン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、
チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシ
ウム、アルミノシリケート等の複合酸化物が好適に利用
できる。中でも、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタ
ニア、酸化スズ、酸化亜鉛のいずれかを使用することが
好ましい。小さく細かい凹凸を形成するにはシリカ、ア
ルミナがよく、大きな凹凸を形成するにはジルコニア、
チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛が好ましい。ゾル塗布法
においては、粒子径、後述するゾルの性状に関して様々
なものが入手可能なシリカが好ましい。シリカは最も安
価であり、実用性が非常に高い。また、pH7付近の水
中においてゼータ電位が負であるシリカ、ジルコニア、
チタニア、酸化スズを使用することにより、高度な親水
性を得ることができる。好ましくは表面電位が最も低い
シリカを使用することであり、シリカの使用により、さ
らに高度な親水性を得ることができる。
【0021】本発明において、無機酸化物粒子は水また
は親水性溶媒にコロイド状に分散させたゾルの形態とさ
れるのが好ましい。親水性溶媒としては前記金属酸化物
を安定に分散させ、基材上に均一かつ平滑な被膜を形成
させうるものである限り、特に限定されないが、好まし
いものとしては、沸点が200℃以下の有機溶媒を挙げ
ることができる。好ましい有機溶媒の例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、t−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、n−ブタノ−
ル、2−メチルプロパノ−ル、ペンタノ−ル、エチレン
グリコ−ル、モノアセトンアルコ−ル、ジアセトンアル
コ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、4−
ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジプロピレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリプロピレン
グリコ−ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、1−ブ
トキシ−2−プロパノ−ル、1−プロポキシ−2−プロ
パノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、
ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピ
レングリコ−ルモノエチルエ−テル、トリプロピレング
リコ−ルモノメチルエ−テル、2−ブトキシエタノール
等のアルコール系溶剤や、n−ヘキサン、トルエン、キ
シレン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤を
挙げることができる。
【0022】本発明において、ゾル塗布法によって基材
表面に被膜形成する場合においては、金属酸化物0.0
5〜20重量部、溶媒99.95〜80重量部とするコ
ーティング組成物を使用することが好ましい。前記塗布
液を基材表面に塗布することにより、優れた防曇性を有
し、光干渉や白濁のない透明な膜を形成することができ
る。
【0023】また、ゾル塗布法による場合、平均粒子径
1〜100nmの粒状金属酸化物、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物、平
均径1〜50nm、平均長さ10〜500nmの羽毛状
または棒状金属酸化物のいずれかを使用することが好ま
しい。平均粒子径1〜100nmの粒状金属酸化物とし
ては、シリカ、ジルコニアなどが、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物とし
ては、シリカ、アルミナなどが、平均径1〜50nm、
平均長さ10〜500nmの羽毛状または棒状金属酸化
物としては、アルミナ、チタニアなどが挙げられる。鎖
状、羽毛状、棒状金属酸化物を使用すれば、基材表面に
形成した膜の耐久性を向上させることができる。また、
粒状無機酸化物を使用すれば、所望の凹凸を有した上で
より平滑性の高い膜を形成することができる。
【0024】本発明において、基材表面層には前記金属
酸化物を前記基材表面に固定するためのバインダーを含
有させることが好ましい。バインダーにより基材表面と
の密着性は向上し、さらに高度な耐久性、耐摩耗性がえ
られるからである。バインダーとしては、釉薬、水ガラ
ス、シリコーン等の無機質のバインダー、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機質のバインダ
ー等が利用できる。
【0025】本発明において、前記塗布液には、界面活
性剤を含むことができる。添加が可能な界面活性剤の例
としては、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエ−テルアンモニウム塩、スルホン酸ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエ−テルナトリウム塩、脂肪酸
カリセッケン、脂肪酸ナトリウムセッケン、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェ−ト、ア
ルキルエ−テルサルフェ−ト、アルキルサルフェ−トソ
−ダ塩、アルキルエ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエ−テルサルフェ−ト、ポリオ
キシエチレンアルキルエ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、
アルキルサルフェ−トTEA塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエ−テルサルフェ−トTEA塩、2−エチルヘキ
シルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、アシルメチル
タウリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ス
ルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリカルボン
酸、オレオイルザルコシン、アミドエ−テルサルフェ−
ト、ラウロイルザルコシネ−ト、スルホFAエステルナ
トリウム塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチ
レンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレントリデシル
エ−テル、ポリオキシエチレンアセチルエ−テル、ポリ
オキシエチレンステアリルエ−テル、ポリオキシエチレ
ンオレイルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルエ−
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノ−ルエ−テル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンラウラ−
ト、ポリオキシエチレンステアレ−ト、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンオ
レエ−ト、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエ
チレンソルビタンアルキルエステル、ポリエ−テル変性
シリコ−ン、ポリエステル変性シリコ−ン、ソルビタン
ラウラ−ト、ソルビタンステアレ−ト、ソルビタンパル
ミテ−ト、ソルビタンセスキオレエ−ト、ソルビタンオ
レエ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンラウラ−ト、
ポリオキシエチレンソルビタンステアレ−ト、ポリオキ
シエチレンソルビタンパルミテ−ト、ポリオキシエチレ
ンソルビタンオレエ−ト、グリセロ−ルステアレ−ト、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアルキロ−ル
アミド、ラウリン酸ジエタノ−ルアミド、オレイン酸ジ
エタノ−ルアミド、オキシエチレンドデシルアミン、ポ
リオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルプロピレンジアミン、
ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマ
−、ポリオキシエチレンステアレ−ト等のノニオン性界
面活性剤;ジメチルアルキルベタイン、アルキルグリシ
ン、アミドベタイン、イミダゾリン等の両性界面活性
剤;オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1
−ヒドロキシ−2−アルキルイミダゾリン4級塩、アル
キルイソキノリニウムブロマイド、高分子アミン、オク
タデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキル
トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、アルキルイミダゾリン4級塩、ジアルキ
ルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルアミ
ン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、アルキルプロピ
レンジアミン酢酸塩、ジデシルジメチルアンモニウムク
ロライド等のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0026】本発明において、前記塗布液を基材表面に
塗布する方法は、公知の方法から適宜選択すればよく、
エアーガン、エアレスガン、エアゾールスプレー等を用
いたスプレーコーティング法、スピンコーティング法、
ディップコーティング法、フローコーティング法、ロー
ルコーティング法、刷毛塗り法、スポンジ塗り等があげ
られるが、これらに限定されるものではない。また、前
記塗布液を基材表面に塗布する前の処理として、各種シ
ャンプーやプライマー類、洗浄剤、コンパウンド類、帯
電防止剤等を用いることもできる。
【0027】塗布液を基材表面に塗布した後の熱処理
は、塗布液、基材の種類・性質に応じて適宜行えばよ
く、自然乾燥、加熱、赤外線・紫外線照射等いずれの方
法でも良い。単に溶媒を揮散させ乾燥したのみでもよい
場合もある。 熱処理を行う場合の方法としては、物品
の表面に表面処理剤を塗布しついで熱処理するが、塗布
および熱処理の回数は2回以上であってもよい。塗布の
みを複数回繰り返した後一度で熱処理すること、塗布と
熱処理の一連の操作を複数回行うことなど、様々な方法
が挙げられる。
【0028】本発明において、図4のように、あらかじ
め凹凸を形成した基材表面上に、さらにけい酸アルカリ
金属塩を主成分とする層からなる凹凸層を形成すること
も可能である。あらかじめ形成する凹凸は、公知の方法
より選択すれば良いが、前記のようにゾル塗布法、真空
蒸着法、スパッタリング、CVDによって形成すること
が好ましく、その凹凸構造は前述の凹凸高さ・幅・表面
粗さの範囲に入っていることが好ましい。凹凸層を形成
する金属酸化物としては、前述の金属酸化物の中から選
べば良いが、特にシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタ
ニア、酸化スズ、酸化亜鉛を使用することが好ましい。
これらの金属酸化物のうち、ジルコニア、チタニア、酸
化スズ、酸化亜鉛等の光触媒活性を有しているものを使
用することが好ましい。光触媒の親水化機能により、室
内の照明や窓からの入射光などから得られる紫外線の存
在下で、より一層親水性を高めることが可能となる。さ
らに、光触媒の分解機能により、防汚・防臭などの効果
も期待できる。これらの酸化物のゾルを使用してゾル塗
布法により形成することが好ましい。ゾルは様々な粒子
径・性状のものが入手可能であり、表面に形成した凹部
に入り込ませるために最適なものを選ぶことができる。
酸化物ゾルは前述の各種金属酸化物が挙げられるが、中
でも粒子径が50nm以下のものが好ましい。あらかじ
め形成した凹凸に入り込むため、基材表面の表面積は大
きくなり、一層親水性が高まるからである。
【0029】また、基材の最表面には、金属粒子を光還
元法により、固定することも可能である。この場合、電
子捕捉効果を有する金属を添加することにより、親水機
能を高めることができる。電子捕捉効果を有する金属と
は、Pt、Pd、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、C
o、Zn等のイオン化傾向の小さく、自身が還元されや
すい金属をいう。これらの金属は、複数併用しても構わ
ない。これらの金属の平均粒子径は200nm以下であ
ることが好ましい。光の干渉、乱反射による発色、白濁
を防止するためである。
【0030】また、基材表面に形成した金属酸化物層粒
子の間隙にその間隙よりも小さな粒径の粒子を充填させ
ることも可能である。間隙に粒子を充填することで、基
材表面の表面積を大きくすることができ、親水性の向上
につながる。また、間隙に充填した粒子によって、金属
酸化物層粒子を結合させることができ、基材への密着性
が向上する。前記間隙より小さい粒径の粒子としては、
Sn、Ti、Ag、Cu、Zn、Fe、Pt、Co、P
d、Ni等が挙げられる。前記電子捕捉効果を有する金
属を充填すれば、さらなる親水性の向上が期待できる。
【0031】複合材の最表面には抗菌性を有する物質を
担持することも可能である。ここで抗菌性を有する物質
とは、有機系の物質でも無機系の物質でもよい。耐摩耗
性、耐温水、耐薬品性などの耐久性を考慮すると、P
t、Au、Ag,Cuなどの金属、あるいはそれらの化
合物の使用が好ましい。これらの抗菌性を有する物質を
担持することにより、親水性を阻害する一要因である菌
や微生物を死滅させる、あるいは繁殖を抑制することが
できるため、親水性を維持する上で非常に効果的であ
る。
【0032】
【実施例】実施例1:リチウムシリケート リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)を原液のまま、
布に含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させて
試料を得た。上記試料を用いて、下記5項目の評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0033】実施例2:リチウムシリケート+無機酸化
物ゾル リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)と球状コロイダ
ルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子径8〜11n
m)を固形分比1:1で固形分濃度1%になるように混
合調整して、150度30分焼成することによりコーテ
ィング処理した。コーティング層の厚みが400nmを越
えると透明性が低下したり、強度が低下するので厚みを
400nm以下とした。上記試料を用いて、下記5項目の
評価を行った。また、後退角は20度で初期流滴性があ
った。その結果を表1に示す。
【0034】実施例3:凹凸表面の無機酸化物ゾルによ
る処理 リチウムシリケートと球状コロイダルシリカ(固形分濃
度30〜31%、粒子径8〜11nm)の混合物でコー
ティング処理することにより、微細な凹凸を形成した鏡
表面にリチウムシリケート、前記球状コロイダルシリカ
と前記リチウムシリケートを固形分比1:10混合した
ものをそれぞれコーティングし、2種類の試料を得た。
この試料を用いて、下記評価を行った。また、後退角は
18度で初期流滴性があった。その評価結果を表1に示
す。
【0035】実施例4:凹凸表面の無機酸化物ゾルによ
る処理 ケイフッ化水素酸溶液で処理することにより、微細な凹
凸を形成した鏡表面に球状コロイダルシリカ、リチウム
シリケート、前記球状コロイダルシリカと前記リチウム
シリケートを混合したものを3種類のゾルをそれぞれコ
ーティングし、2種類の試料を得た。鏡表面に凹凸を形
成した時点では、わずかながら白濁が認められたが、前
記3種類のゾルをコーティングすることにより、表面は
光をあてても干渉縞、白濁は全く認められなかった。こ
の試料を用いて、下記評価を行った。その評価結果を表
1に示す。
【0036】比較例1:鏡 前記実施例との比較のため、何の処理も施していない1
0cm角の鏡を準備し、下記5項目の評価を行った。ま
た、後退角は22度で初期流滴性はなかった。その結果
を表1に示す。
【0037】評価項目 1.表面粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均
幅(L):走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツル
メンツ社製 D3000)のAFM(原子間力顕微
鏡)モードにて測定。 2.耐摩耗性:スポンジによる摺動を行い、外観の異常
有無を確認。 ◎:全く異常なし、○:光をあてるとわかる程度のわず
かな傷がある、△:浅い傷がある、×:基材にまで達す
る深い傷がある、の4段階で評価。 3. 流滴性:試料を垂直な面に設置して水をかけ、1
分後の水濡れ状況を初期と浴室へ1週間暴露後に目視に
て確認。 ◎:水濡れ面積100%、○:水濡れ面積80%以上1
00%未満、△:水濡れ面60%以上80%未満、×:
水濡れ面積60%未満、の4段階で評価。 4. 防汚性:1週間暴露後の汚れ付着状況を目視にて
確認。 ◎:汚れの付着は認められず、初期の清浄性を維持。
○:わずかに汚れが付着しているが、使用には影響な
い、△:汚れが付着しており鏡が見えにくい部分があ
る、×:汚れで表面が曇ったようになっている、の4段
階で評価。尚、試料の暴露は、シャワーブース内の鏡の
位置の下方に1週間設置し、1日当り4人の入浴を繰り
返しておこなった。 5.清掃性:試料に人工汚れを塗布した後、霧吹きで水
をかけ、汚れの落ちやすさを確認。 ◎:霧吹き1回の水で汚れが完全に落ちる、○:霧吹き
3〜4回の水で汚れが完全に落ちる、△:霧吹き3〜4
回の水でわずかだが汚れが残る、×:水をかけてもほと
んど落ちず汚れが残る、の4段階で評価。
【0038】
【表1】
【0039】表1からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから、けい酸アルカリ塩を含む層が形成さ
れることによって、あるいは、さらに、あらかじめ凹凸
を形成した基材表面にさらにけい酸アルカリ塩を主成分
とした層を被膜形成して凹凸をすることで、良好な防曇
性・防汚性がえられることが確認できた。
【0040】実施例5 アルミナゾル、シリカゾル、酸化スズゾル、チタニアゾ
ル、ジルコニアゾルの5種類の金属酸化物ゾルとけい酸
アルカリ塩を含んだ層をそれぞれ鏡表面にコーティング
し、試料を得た。各試料の表面粗さ(Ra)・凹凸平均
高さ(H)・凹凸平均幅(L)及び零電荷点を計測した
後、浴室内に設置し、2週間暴露した。暴露期間中は、
入浴は1日4人とし、鏡面への意図的な水かけ、洗浄等
は一切行わないこととした。比較のためノーマルな鏡も
同様に設置し、暴露を行った。尚、零電荷点とはゼータ
電位が0になる時の水溶液のpHであり、零電荷点の値
より高いpHの水溶液中に入れた時にはゼータ電位が負
に、それより低いpHの水溶液中に入れた時には正にな
る。鏡表面の零電荷点測定は、レーザーゼータ電位計
(大塚電子製、ELS−6000)を用い、ポリスチレ
ンラテックスを光散乱のモニター粒子として電気浸透流
を測定し、電気浸透流が0になった時の電解質水溶液の
pHを滴定法により求めた。表面粗さ(Ra)・凹凸平
均高さ(H)・凹凸平均幅(L)は、走査型プローブ顕
微鏡(デジタルインスツルメンツ社製D3000)のA
FM(原子間力顕微鏡)モードにて測定した。試料は2
週間暴露後に浴室から取り出し、流滴性評価方法に従っ
て、目視による4段階評価を実施した。その結果を下表
に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2からわかるように、ノーマル鏡は零電
荷点がシリカゾル鏡と同等であるが水濡れ面積は60%
に満たなかった。一方、各種ゾルを塗布した鏡では、ア
ルミナ鏡が60%以上、酸化スズ・ジルコニア鏡が80
%以上、シリカ鏡が100%の水濡れ面積を示した。以
上より、零電荷点の値が小さい(ゼータ電位が負であ
る)だけ、あるいは、微細な凹凸だけでは、親水性を維
持しにくいことが確認できた。つまり、微細な凹凸と零
電荷点が7未満(pH7付近の水中においてゼータ電位
が負)であることとが組合わさることによって、さらに
は零電荷点が低いほど、良好な親水性を維持することが
でき、水膜形成によって、防曇性・防汚性・水滴形成防
止性・水滴付着防止性が得られることが確認できた。
【0043】実施例6 200mm×300mmの鏡を用意した。けい酸リチウ
ムとコロイダルシリカ、アナターゼ型チタニアゾルを混
合し塗布して凹凸を形成した試料を得た。ゾルで凹凸形
成後、その上に硝酸銀水溶液を塗布し、BLBランプを
用いて銀を光還元固定した試料を得た。比較のため、鏡
表面に直接銀を固定した試料も準備した。これらの試料
の表面粗さ(Ra)、凹凸平均高さ(H)、凹凸平均幅
(L)を測定後、表面にカビの胞子を付着させ、浴室内
に設置して、2週間暴露を行った。暴露期間中の入浴は
1日4人とした。2週間後、その汚れ付着やカビの発生
状況を確認すると共に、実施例1〜9と同様の方法で流
滴性の評価を行った。結果を表6に示す。尚、表面粗さ
(Ra)、凹凸平均高さ(H)、凹凸平均幅(L)は、
走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製
D3000)のAFM(原子間力顕微鏡)モードに
て測定した。
【0044】
【表3】
【0045】表3からわかるように、比較試料は表面に
カビは発生しなかったものの、汚れが付着しており、水
濡れ面積60%未満と流滴による防曇効果は得られない
ような状況であった。ゾルで凹凸を形成した試料は、汚
れはほとんど付着しておらず、水濡れ面積60%以上と
かろうじて流滴性を保持した。しかし、表面にはまだら
にカビが発生し、その部分が親水性を失っており、使用
する上では好ましくない状態であった。一方、ゾルの凹
凸上に銀を固定したものは、表面粗さ、凹凸平均高さ・
幅はゾルで凹凸を形成した先の試料と大差ないにもかか
わらず、カビも付着しておらず、水濡れ面積は80%以
上と良好な流滴性を維持した。このことから、凹凸上に
銀を固定することにより、部材表面のカビの発生を防ぐ
ことができ、それによって親水性を良好に維持できるこ
とが確認できた。以上より、凹凸と抗菌金属を組み合わ
せることにより、親水性が長期間良好な状態で維持可能
なことが示唆された。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、汚れの汚染付加量が大
きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主とし
て、浴室・シャワールーム等において好適に使用できる
防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた浴室用親
水性防曇鏡を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 凹凸表面の模式的な断面図を示す。
【図2】 基材に金属酸化物層を被覆し凹凸を形成した
場合の模式的な断面図を示す。
【図3】 基材に直接凹凸を形成した場合の模式的な断
面図を示す。
【図4】 凹凸表面上にさらに凹凸を形成した場合の模
式的な断面図を示す。
【符号の説明】
H:凹凸高さ L:凹凸幅 1:基材 2:金属酸化物層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚れの汚染付加量
が大きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主
として、浴室・シャワールーム等において好適に使用で
きる防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた浴室
用親水性防曇鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室鏡の曇りや汚れを防止する方法とし
て、鏡表面に親水性を付与することが従来行われてい
る。親水性を付与する方法として、鏡表面に界面活性剤
を塗布する方法、親水性モノマー・ポリマー等の親水性
物質を塗布する方法などが知られている。
【0003】界面活性剤を塗布する方法によれば、界面
活性剤によって表面に付着した水滴を水膜化することに
よって、親水性モノマー・ポリマー等を塗布する方法に
よれば鏡表面に付着した水分を吸水することによって、
水滴の付着・形成を防ぎ、部材表面の曇りや汚れを防止
することが可能になる。
【0004】また、特開平7−236553には、横方
向に無数のキズを入れて表面に平行な凹凸を形成したス
リガラスを利用して作製した鏡表面に、一度水をかける
と凹部に入り込んだ水で表面が平面になることにより透
明となり、またその水膜により曇り防止することが開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】界面活性剤は水分によ
って流れ落ちやすく、特に浴室のように水が頻繁にかか
る環境においては、効力の持続性に問題がある。
【0006】また、親水性モノマー・ポリマーは、吸水
すると表面が柔らかく傷つきやすくなる。特に浴室のよ
うに、使用環境下における蒸気圧の高い環境で利用する
場合には、吸水量が増加し、その傾向は非常に顕著にな
る。
【0007】さらに、界面活性剤、親水性モノマー・ポ
リマーのいずれも空気中の汚れなどを吸着しやすいとい
う欠点があった。
【0008】とりわけ、浴室は、水道水中の金属イオン
に起因する汚れ、石鹸かすや皮脂などの他、洗髪・洗体
時に使用する洗浄剤、特にリンス中の保湿成分でもある
シリコーン油、さらさら感を得るためのカチオン系界面
活性剤等、鏡表面に付着することによって、鏡表面を水
をはじきやすくする性質に変化させる汚染物が非常に多
い。さらに、それらは洗髪・洗体時に直接飛散したり、
シャワーによって間接的に飛散したり、付着しやすい状
況にある。また、浴室内では水分や有機物が豊富なこと
から、特に凹凸のある部位では微生物が繁殖しやすく、
凹凸や親水性有機物で鏡表面に親水性を付与した場合に
微生物が繁殖し親水性を阻害することがある。
【0009】このように多種多様な汚れが存在し、かつ
付着しやすい、汚染負荷量が大きい環境下において、上
記の鏡が防曇性・防汚性を発揮できるのは、初期の鏡が
清浄な状態を保持できている間だけであり、長期間防曇
性・防汚性を保持することはほとんど不可能であった。
【0010】付着した汚れを都度払拭する方法もある
が、手間がかかるうえ、せっかく手間をかけても手の油
がつけばそれだけでも親水性を阻害することになり、確
実に親水性を回復させることは難しかった。
【0011】本発明では、以上の本質的な理由により充
分な防曇機能を長期に亘り発揮するのが困難であった浴
室用親水性防曇鏡を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく、裏面に反射コートを施した鏡表面にけい酸ア
ルカリ金属塩を含む層が形成されていることを特徴とす
る自己浄化機能を有する浴室用防曇性鏡を提供する。
【0013】鏡表面にけい酸アルカリ金属塩を含んだ層
を形成することにより、以下に示す作用効果が同時に発
揮される。 (1)けい酸アルカリ金属塩を含んだ層は、界面活性剤
や親水ポリマーとは異なり、ガラス質の平滑な層であ
る。従って、凹凸が少ないので、汚れ負荷の大きい浴室
空間においても汚れの付着量が少なく、固着力も弱い。
さらに、付着した汚れもけい酸アルカリ金属塩中のアル
カリイオン成分が徐放されるので、上記層を有する鏡表
面は、長期に亘り、シャワーによる水洗程度で自己浄化
される。 (2)けい酸アルカリ金属塩を含んだ層は、界面活性剤
や親水ポリマーとは異なり、硬質な無機物質からなる層
である。従って、表面が傷つきにくく、それにより鏡の
視認性が低下することはない。 (3)けい酸アルカリ金属塩を含んだ層は、界面活性剤
や親水ポリマーとは異なり、ガラス質の平滑な層であ
る。従って、凹凸が少ないので、水分の多い浴室におい
ても微生物が繁殖しにくく、また空気中の汚れなども吸
着しにくい。
【0014】本発明の好ましい態様においては、前記層
には、さらに無機酸化物粒子が含有されているものとす
る。
【0015】無機酸化物粒子を含むことによって、鏡の
表面層の機械的強度、耐摩耗性が向上するだけでなく、
けい酸アルカリ金属塩が徐々に溶け出す性質を制御する
ことが可能となる。これによって、長期にわたって鏡表
面を自己浄化し、手間をかけずに汚れの固着を防止し、
簡便に清浄でかつ高度な親水性表面を繰り返し再現し、
長期にわたって良好な防曇・防汚性を維持可能とする。
【0016】本発明の好ましい態様においては、鏡表面
に原子間力顕微鏡で測定した鏡表面の任意の位置におけ
る凹凸の高さ及び幅が0.4nm以上200nm以下、
中心線平均表面粗さRaが、0.1nm以上50nm以
下である凹凸構造を形成する。より好ましくは凹凸平均
高さ0.8nm以上40nm以下、凹凸平均幅9nm以
上100nm以下、中心線平均表面粗さRa0.1nm
以上10nm以下とする。鏡表面にこのような凹凸構造
を形成することによって、透明で基材の質感をそこなう
ことなく、高度な親水性を呈し、十分な曇り防止、水滴
防止効果を発揮し、汚染物の付着、水洗いによる清浄性
の向上した物品の提供が可能になる。
【0017】鏡表面の凹凸の高さ、幅、表面粗さは原子
間力顕微鏡を用いて求めることができる。複雑でかつ微
細な凹凸表面を測定する際には、表面の吸着水、表面に
入り込んだ気体がじゃまをして、接触式の表面粗さ計で
は正確な値を知ることができないため、原子間力顕微鏡
を用いて測定することが好ましい。
【0018】凹凸の高さ及び幅は可視光の波長の1/
2、すなわち、200nm以下とすることが好ましい。
光の干渉による表面層の発色を防止することができ、基
材の質感をそこなうことがないからである。また、凹凸
の高さ及び幅は0.4nm以上であることが好ましい。
これ以上凹凸の高さ及び幅が小さいと、機械的な強度が
確保できない。
【0019】表面粗さは、主に凹凸の高さによって決ま
り、図1に示す模式的な表面の断面においては、表面粗
さ(Ra)=高さ/4となる。ここでは、凹凸の高さは
0.4nm以上200nm以下であることが好ましいの
で、表面粗さは0.1nm以上50nm以下が好まし
い。
【0020】本発明では、さらに、上記課題を解決すべ
く、前記凹凸構造がフラクタル構造であることを特徴と
する浴室用防曇性鏡を提供する。フラクタル構造とは、
基材の表面に大きい周期の凹凸構造とその構造の中に小
さい周期の凹凸構造を含む多段の凹凸構造である。フラ
クタル構造、つまり凹凸の中に更に細かい凹凸がある複
雑な構造とすることで、基材表面の保水力を高め、さら
に高度な親水性を発現させることが可能となる。
【0021】本発明の好ましい態様においては、前記層
の厚みは400nm以下となるようにする。前記厚みと
することにより、優れた防曇性を有する光干渉や白濁の
ない透明な膜を形成することができる。
【0022】本発明の好ましい態様においては、前記層
はゾル塗布法により形成する。ゾル塗布法によれば、鏡
の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけることが
ないので、特別の設備を要せず、簡便に鏡表面に被膜形
成することができる。
【0023】本発明の好ましい態様においては、金属酸
化物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸
化スズ、酸化亜鉛からなる群より選ぶようにする。これ
らの酸化物を使用することにより、耐水性、耐薬品性に
優れた高度な親水性表面がえられる。これらの金属酸化
物のうち、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛
の光触媒活性を有するものを使用することが好ましい。
特に、鏡の表面に凹凸をつけた場合では、凹部の奥に汚
れが付着してしまうと表面から汚れを除去しようとして
も除去困難であった。そうすることにより、室内の照明
や窓からの紫外線によって、より一層高度な親水性を得
ることができる。
【0024】本発明の好ましい態様においては、凹凸構
造を有する表面上にさらにけい酸アルカリ金属塩を主成
分とする層を形成し、原子間力顕微鏡で測定した最表面
の任意の位置における凹凸の平均高さおよび平均幅が、
0.4nm以上200nm以下であり、中心線平均表面
粗さRaが0.1nm以上50nm以下である層とを備
えているようにする。より好ましくは凹凸平均高さ0.
8nm以上40nm以下、凹凸平均幅9nm以上100
nm以下、中心線平均表面粗さRa0.1nm以上10
nm以下とする。あらかじめ凹凸を形成した表面上にさ
らに凹凸を形成することでさらに良好な親水性表面が得
られる。また、前記表面が干渉縞、白濁が認められるも
のであっても、それらを解消し、透明にする効果もあ
る。
【0025】本発明の好ましい態様においては、前記鏡
表面のpH7付近の水中におけるゼータ電位を負にす
る。ゼータ電位を負にすることによって、鏡表面に水が
接触した場合に除菌及び/又は防汚効果を持たせること
ができるようになる。水周りの汚れ・菌類などは、一般
的にpH7付近の水中において負に帯電していることが
知られている。従って、複合材表面のゼータ電位を負に
することで、水を接触させた状態では複合材表面と汚れ
・菌類とが電気的に反発し、汚れ・菌類の付着を防止す
ることができる。
【0026】本発明の好ましい態様においては、前記鏡
が立面における水との後退角が20度以下の親水性を有
するようにする。立面で鏡表面に付着した水が流滴性を
示し、鏡全面にわたって防汚性、防曇性、水滴形成防止
性、水滴付着防止性を呈しやすくなるからである。流滴
性とは、水をかけたときに水滴とならず、浴室の壁など
立面での鏡面に水膜を形成した状態をいう。また、後退
角とはサンプルを一定速度で水槽内に浸し、引き上げた
時の水の接触角である。
【0027】本発明の好ましい態様においては、鏡の表
面には抗菌性を有する物質が担持されているようにす
る。抗菌性を有する物質を担持することにより、親水性
を阻害する一要因である菌や微生物を死滅させる、ある
いは繁殖を抑制することができるため、良好な親水性が
維持可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の防曇性鏡は、水周りの、
特に汚れの汚染付加量が大きく、絶えず多量な水蒸気や
水のかかる環境下、主として、浴室・シャワールーム等
において防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた
浴室用親水性防曇鏡として好適に使用できる。
【0029】本発明において、裏面に反射コートを施し
た鏡表面にけい酸アルカリ金属塩を含む層を形成する方
法としては、ゾル塗布法が好適である。ゾル塗布法によ
れば、鏡の大きさ、形状によって、設備上の制約をうけ
ることがないので、特別の設備を要せず、簡便に鏡表面
に被膜形成することができる。
【0030】透明な基材表面にけい酸アルカリ金属塩を
含む層を形成した後、裏面に反射コートを施して鏡化し
てもよい。
【0031】ここで、けい酸アルカリ金属塩としては、
けい酸ナトリウム、けい酸カリウム、けい酸リチウム、
けい酸アンモウムが好適に利用できる。
【0032】本発明において、けい酸アルカリ金属塩を
含む層に無機酸化物粒子の1種以上を含有して被覆形成
することが好ましい。これによれば、高度な親水性を呈
する所望の凹凸を容易に形成することができる。ゾル塗
布法によれば、基材の大きさ、形状によって、設備上の
制約をうけることがないので、特別の設備を要せず、簡
便に実施することができる。これらの方法において処理
温度を高くすることにより、耐アルカリ性、耐温水性な
どの浴室環境で必要とされる耐久性をより向上させるこ
とが可能である。
【0033】本発明において、前記酸化物の被膜の厚み
は400nm以下となるようにする。特に1種類の酸化
物で400nmを超える被膜を形成した場合には、光の
干渉による干渉縞、白濁などが発生し、外観上の不具合
が生じやすい。また、膜厚が厚くなれば耐摩耗性が低下
し、傷がつきやすくなることも避けられない。
【0034】ここで、無機酸化物としては、シリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、セリア、イットリア、ボロニア、
マグネシア、カルシア、フェライト、ハフニア、酸化チ
タン、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化第二鉄、酸
化第一銅、酸化第二銅、三酸化二ビスマス、酸化スズ、
酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化スト
ロンチウム、酸化バナジウム等の単一酸化物や、チタン
酸バリウム、ケイ酸カルシウム、水ガラス、アルミノケ
イ酸塩、リン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、
チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシ
ウム、アルミノシリケート等の複合酸化物が好適に利用
できる。
【0035】中でも、シリカ、アルミナ、ジルコニア、
チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛のいずれかを使用するこ
とが好ましい。小さく細かい凹凸を形成するにはシリ
カ、アルミナがよく、大きな凹凸を形成するにはジルコ
ニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛が好ましい。ゾル
塗布法においては、粒子径、後述するゾルの性状に関し
て様々なものが入手可能なシリカが好ましい。シリカは
最も安価であり、実用性が非常に高い。また、pH7付
近の水中においてゼータ電位が負であるシリカ、ジルコ
ニア、チタニア、酸化スズを使用することにより、高度
な親水性を得ることができる。好ましくは表面電位が最
も低いシリカを使用することであり、シリカの使用によ
り、さらに高度な親水性を得ることができる。
【0036】本発明において、無機酸化物粒子は水また
は親水性溶媒にコロイド状に分散させたゾルの形態とさ
れるのが好ましい。親水性溶媒としては前記金属酸化物
を安定に分散させ、基材上に均一かつ平滑な被膜を形成
させうるものである限り、特に限定されないが、好まし
いものとしては、沸点が200℃以下の有機溶媒を挙げ
ることができる。好ましい有機溶媒の例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、t−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、n−ブタノ−
ル、2−メチルプロパノ−ル、ペンタノ−ル、エチレン
グリコ−ル、モノアセトンアルコ−ル、ジアセトンアル
コ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、4−
ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジプロピレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリプロピレン
グリコ−ル、1−エトキシ−2−プロパノ−ル、1−ブ
トキシ−2−プロパノ−ル、1−プロポキシ−2−プロ
パノ−ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、
ジプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジプロピ
レングリコ−ルモノエチルエ−テル、トリプロピレング
リコ−ルモノメチルエ−テル、2−ブトキシエタノール
等のアルコール系溶剤や、n−ヘキサン、トルエン、キ
シレン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤を
挙げることができる。
【0037】本発明において、ゾル塗布法によって基材
表面に被膜形成する場合においては、金属酸化物0.0
5〜20重量部、溶媒99.95〜80重量部とするコ
ーティング組成物を使用することが好ましい。前記塗布
液を基材表面に塗布することにより、優れた防曇性を有
し、光干渉や白濁のない透明な膜を形成することができ
る。
【0038】また、ゾル塗布法による場合、平均粒子径
1〜100nmの粒状金属酸化物、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物、平
均径1〜50nm、平均長さ10〜500nmの羽毛状
または棒状金属酸化物のいずれかを使用することが好ま
しい。
【0039】平均粒子径1〜100nmの粒状金属酸化
物としては、シリカ、ジルコニアなどが、平均径1〜5
0nm、平均長さ10〜1000nmの鎖状金属酸化物
としては、シリカ、アルミナなどが、平均径1〜50n
m、平均長さ10〜500nmの羽毛状または棒状金属
酸化物としては、アルミナ、チタニアなどが挙げられ
る。
【0040】鎖状、羽毛状、棒状金属酸化物を使用すれ
ば、基材表面に形成した膜の耐久性を向上させることが
できる。また、粒状無機酸化物を使用すれば、所望の凹
凸を有した上でより平滑性の高い膜を形成することがで
きる。
【0041】本発明において、基材表面層には前記金属
酸化物を前記基材表面に固定するためのバインダーを含
有させることが好ましい。バインダーにより基材表面と
の密着性は向上し、さらに高度な耐久性、耐摩耗性がえ
られるからである。バインダーとしては、釉薬、水ガラ
ス、シリコーン等の無機質のバインダー、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の有機質のバインダ
ー等が利用できる。
【0042】本発明において、前記塗布液には、界面活
性剤を含むことができる。添加が可能な界面活性剤の例
としては、スルホン酸ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエ−テルアンモニウム塩、スルホン酸ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエ−テルナトリウム塩、脂肪酸
カリセッケン、脂肪酸ナトリウムセッケン、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフェ−ト、ア
ルキルエ−テルサルフェ−ト、アルキルサルフェ−トソ
−ダ塩、アルキルエ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエ−テルサルフェ−ト、ポリオ
キシエチレンアルキルエ−テルサルフェ−トソ−ダ塩、
アルキルサルフェ−トTEA塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエ−テルサルフェ−トTEA塩、2−エチルヘキ
シルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、アシルメチル
タウリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ス
ルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリカルボン
酸、オレオイルザルコシン、アミドエ−テルサルフェ−
ト、ラウロイルザルコシネ−ト、スルホFAエステルナ
トリウム塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチ
レンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレントリデシル
エ−テル、ポリオキシエチレンアセチルエ−テル、ポリ
オキシエチレンステアリルエ−テル、ポリオキシエチレ
ンオレイルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルエ−
テル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノ−ルエ−テル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンラウラ−
ト、ポリオキシエチレンステアレ−ト、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンオ
レエ−ト、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエ
チレンソルビタンアルキルエステル、ポリエ−テル変性
シリコ−ン、ポリエステル変性シリコ−ン、ソルビタン
ラウラ−ト、ソルビタンステアレ−ト、ソルビタンパル
ミテ−ト、ソルビタンセスキオレエ−ト、ソルビタンオ
レエ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンラウラ−ト、
ポリオキシエチレンソルビタンステアレ−ト、ポリオキ
シエチレンソルビタンパルミテ−ト、ポリオキシエチレ
ンソルビタンオレエ−ト、グリセロ−ルステアレ−ト、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルアルキロ−ル
アミド、ラウリン酸ジエタノ−ルアミド、オレイン酸ジ
エタノ−ルアミド、オキシエチレンドデシルアミン、ポ
リオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルプロピレンジアミン、
ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマ
−、ポリオキシエチレンステアレ−ト等のノニオン性界
面活性剤;ジメチルアルキルベタイン、アルキルグリシ
ン、アミドベタイン、イミダゾリン等の両性界面活性
剤;オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1
−ヒドロキシ−2−アルキルイミダゾリン4級塩、アル
キルイソキノリニウムブロマイド、高分子アミン、オク
タデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキル
トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、アルキルイミダゾリン4級塩、ジアルキ
ルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルアミ
ン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、アルキルプロピ
レンジアミン酢酸塩、ジデシルジメチルアンモニウムク
ロライド等のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0043】本発明において、前記塗布液を基材表面に
塗布する方法は、公知の方法から適宜選択すればよく、
エアーガン、エアレスガン、エアゾールスプレー等を用
いたスプレーコーティング法、スピンコーティング法、
ディップコーティング法、フローコーティング法、ロー
ルコーティング法、刷毛塗り法、スポンジ塗り等があげ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0044】また、前記塗布液を基材表面に塗布する前
の処理として、各種シャンプーやプライマー類、洗浄
剤、コンパウンド類、帯電防止剤等を用いることもでき
る。
【0045】塗布液を基材表面に塗布した後の熱処理
は、塗布液、基材の種類・性質に応じて適宜行えばよ
く、自然乾燥、加熱、赤外線・紫外線照射等いずれの方
法でも良い。単に溶媒を揮散させ乾燥したのみでもよい
場合もある。 熱処理を行う場合の方法としては、物品
の表面に表面処理剤を塗布しついで熱処理するが、塗布
および熱処理の回数は2回以上であってもよい。塗布の
みを複数回繰り返した後一度で熱処理すること、塗布と
熱処理の一連の操作を複数回行うことなど、様々な方法
が挙げられる。
【0046】本発明において、図4のように、あらかじ
め凹凸を形成した基材表面上に、さらにけい酸アルカリ
金属塩を主成分とする層からなる凹凸層を形成すること
も可能である。あらかじめ形成する凹凸は、公知の方法
より選択すれば良いが、前記のようにゾル塗布法、真空
蒸着法、スパッタリング、CVDによって形成すること
が好ましく、その凹凸構造は前述の凹凸高さ・幅・表面
粗さの範囲に入っていることが好ましい。
【0047】凹凸層を形成する金属酸化物としては、前
述の金属酸化物の中から選べば良いが、特にシリカ、ア
ルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛を
使用することが好ましい。これらの金属酸化物のうち、
ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛等の光触媒
活性を有しているものを使用することが好ましい。光触
媒の親水化機能により、室内の照明や窓からの入射光な
どから得られる紫外線の存在下で、より一層親水性を高
めることが可能となる。さらに、光触媒の分解機能によ
り、防汚・防臭などの効果も期待できる。
【0048】これらの酸化物のゾルを使用してゾル塗布
法により形成することが好ましい。ゾルは様々な粒子径
・性状のものが入手可能であり、表面に形成した凹部に
入り込ませるために最適なものを選ぶことができる。酸
化物ゾルは前述の各種金属酸化物が挙げられるが、中で
も粒子径が50nm以下のものが好ましい。あらかじめ
形成した凹凸に入り込むため、基材表面の表面積は大き
くなり、一層親水性が高まるからである。
【0049】また、基材の最表面には、金属粒子を光還
元法により、固定することも可能である。この場合、電
子捕捉効果を有する金属を添加することにより、親水機
能を高めることができる。電子捕捉効果を有する金属と
は、Pt、Pd、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、C
o、Zn等のイオン化傾向の小さく、自身が還元されや
すい金属をいう。これらの金属は、複数併用しても構わ
ない。
【0050】これらの金属の平均粒子径は200nm以
下であることが好ましい。光の干渉、乱反射による発
色、白濁を防止するためである。
【0051】また、基材表面に形成した金属酸化物層粒
子の間隙にその間隙よりも小さな粒径の粒子を充填させ
ることも可能である。間隙に粒子を充填することで、基
材表面の表面積を大きくすることができ、親水性の向上
につながる。また、間隙に充填した粒子によって、金属
酸化物層粒子を結合させることができ、基材への密着性
が向上する。前記間隙より小さい粒径の粒子としては、
Sn、Ti、Ag、Cu、Zn、Fe、Pt、Co、P
d、Ni等が挙げられる。前記電子捕捉効果を有する金
属を充填すれば、さらなる親水性の向上が期待できる。
【0052】複合材の最表面には抗菌性を有する物質を
担持することも可能である。ここで抗菌性を有する物質
とは、有機系の物質でも無機系の物質でもよい。耐摩耗
性、耐温水、耐薬品性などの耐久性を考慮すると、P
t、Au、Ag,Cuなどの金属、あるいはそれらの化
合物の使用が好ましい。これらの抗菌性を有する物質を
担持することにより、親水性を阻害する一要因である菌
や微生物を死滅させる、あるいは繁殖を抑制することが
できるため、親水性を維持する上で非常に効果的であ
る。
【0053】
【実施例】実施例1:リチウムシリケート リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)を原液のまま、
布に含ませて10cm角の鏡に塗布し、自然乾燥させて
試料を得た。上記試料を用いて、下記5項目の評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0054】実施例2:リチウムシリケート+無機酸化
物ゾル リチウムシリケート(SiO2固形分濃度20〜21
%、Li2O固形分濃度2〜3.5%)と球状コロイダ
ルシリカ(固形分濃度30〜31%、粒子径8〜11n
m)を固形分比1:1で固形分濃度1%になるように混
合調整して、150度30分焼成することによりコーテ
ィング処理した。コーティング層の厚みが400nmを越
えると透明性が低下したり、強度が低下するので厚みを
400nm以下とした。上記試料を用いて、下記5項目の
評価を行った。また、後退角は20度で初期流滴性があ
った。その結果を表1に示す。
【0055】実施例3:凹凸表面の無機酸化物ゾルによ
る処理 リチウムシリケートと球状コロイダルシリカ(固形分濃
度30〜31%、粒子径8〜11nm)の混合物でコー
ティング処理することにより、微細な凹凸を形成した鏡
表面にリチウムシリケート、前記球状コロイダルシリカ
と前記リチウムシリケートを固形分比1:10混合した
ものをそれぞれコーティングし、2種類の試料を得た。
この試料を用いて、下記評価を行った。また、後退角は
18度で初期流滴性があった。その評価結果を表1に示
す。
【0056】比較例1:鏡 前記実施例との比較のため、何の処理も施していない1
0cm角の鏡を準備し、下記5項目の評価を行った。ま
た、後退角は22度で初期流滴性はなかった。その結果
を表1に示す。
【0057】評価項目 1.表面粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平均
幅(L):走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツル
メンツ社製 D3000)のAFM(原子間力顕微
鏡)モードにて測定。 2.耐摩耗性:スポンジによる摺動を行い、外観の異常
有無を確認。 ◎:全く異常なし、○:光をあてるとわかる程度のわず
かな傷がある、△:浅い傷がある、×:基材にまで達す
る深い傷がある、の4段階で評価。 3. 流滴性:試料を垂直な面に設置して水をかけ、1
分後の水濡れ状況を初期と浴室へ1週間暴露後に目視に
て確認。 ◎:水濡れ面積100%、○:水濡れ面積80%以上1
00%未満、△:水濡れ面60%以上80%未満、×:
水濡れ面積60%未満、の4段階で評価。 4. 防汚性:1週間暴露後の汚れ付着状況を目視にて
確認。 ◎:汚れの付着は認められず、初期の清浄性を維持。
○:わずかに汚れが付着しているが、使用には影響な
い、△:汚れが付着しており鏡が見えにくい部分があ
る、×:汚れで表面が曇ったようになっている、の4段
階で評価。 尚、試料の暴露は、シャワーブース内の鏡の位置の下方
に1週間設置し、1日当り4人の入浴を繰り返しておこ
なった。 5.清掃性:試料に人工汚れを塗布した後、霧吹きで水
をかけ、汚れの落ちやすさを確認。 ◎:霧吹き1回の水で汚れが完全に落ちる、○:霧吹き
3〜4回の水で汚れが完全に落ちる、△:霧吹き3〜4
回の水でわずかだが汚れが残る、×:水をかけてもほと
んど落ちず汚れが残る、の4段階で評価。
【0058】
【表1】
【0059】表1からわかるように、初期・1週間暴露
後も共に反射像に影響のない良好な防曇性を示した。ま
た、汚れも付着しておらず、初期の清浄性を維持してい
た。このことから、けい酸アルカリ塩を含む層が形成さ
れることによって、あるいは、さらに、あらかじめ凹凸
を形成した基材表面にさらにけい酸アルカリ塩を主成分
とした層を被膜形成して凹凸をすることで、良好な防曇
性・防汚性がえられることが確認できた。
【0060】実施例4 アルミナゾル、シリカゾル、酸化スズゾル、チタニアゾ
ル、ジルコニアゾルの5種類の金属酸化物ゾルとけい酸
アルカリ塩を含んだ層をそれぞれ鏡表面にコーティング
し、試料を得た。各試料の表面粗さ(Ra)・凹凸平均
高さ(H)・凹凸平均幅(L)及び零電荷点を計測した
後、浴室内に設置し、2週間暴露した。暴露期間中は、
入浴は1日4人とし、鏡面への意図的な水かけ、洗浄等
は一切行わないこととした。比較のためノーマルな鏡も
同様に設置し、暴露を行った。
【0061】尚、零電荷点とはゼータ電位が0になる時
の水溶液のpHであり、零電荷点の値より高いpHの水溶
液中に入れた時にはゼータ電位が負に、それより低いp
Hの水溶液中に入れた時には正になる。鏡表面の零電荷
点測定は、レーザーゼータ電位計(大塚電子製、ELS
−6000)を用い、ポリスチレンラテックスを光散乱
のモニター粒子として電気浸透流を測定し、電気浸透流
が0になった時の電解質水溶液のpHを滴定法により求
めた。表面粗さ(Ra)・凹凸平均高さ(H)・凹凸平
均幅(L)は、走査型プローブ顕微鏡(デジタルインス
ツルメンツ社製D3000)のAFM(原子間力顕微
鏡)モードにて測定した。試料は2週間暴露後に浴室か
ら取り出し、流滴性評価方法に従って、目視による4段
階評価を実施した。その結果を下表に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2からわかるように、ノーマル鏡は零電
荷点がシリカゾル鏡と同等であるが水濡れ面積は60%
に満たなかった。一方、各種ゾルを塗布した鏡では、ア
ルミナ鏡が60%以上、酸化スズ・ジルコニア鏡が80
%以上、シリカ鏡が100%の水濡れ面積を示した。
【0064】以上より、零電荷点の値が小さい(ゼータ
電位が負である)だけ、あるいは、微細な凹凸だけで
は、親水性を維持しにくいことが確認できた。つまり、
微細な凹凸と零電荷点が7未満(pH7付近の水中にお
いてゼータ電位が負)であることとが組合わさることに
よって、さらには零電荷点が低いほど、良好な親水性を
維持することができ、水膜形成によって、防曇性・防汚
性・水滴形成防止性・水滴付着防止性が得られることが
確認できた。
【0065】実施例5 200mm×300mmの鏡を用意した。けい酸リチウ
ムとコロイダルシリカ、アナターゼ型チタニアゾルを混
合し塗布して凹凸を形成した試料を得た。ゾルで凹凸形
成後、その上に硝酸銀水溶液を塗布し、BLBランプを
用いて銀を光還元固定した試料を得た。比較のため、鏡
表面に直接銀を固定した試料も準備した。これらの試料
の表面粗さ(Ra)、凹凸平均高さ(H)、凹凸平均幅
(L)を測定後、表面にカビの胞子を付着させ、浴室内
に設置して、2週間暴露を行った。暴露期間中の入浴は
1日4人とした。2週間後、その汚れ付着やカビの発生
状況を確認すると共に、実施例1〜9と同様の方法で流
滴性の評価を行った。結果を表6に示す。尚、表面粗さ
(Ra)、凹凸平均高さ(H)、凹凸平均幅(L)は、
走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製
D3000)のAFM(原子間力顕微鏡)モードに
て測定した。
【0066】
【表3】
【0067】表3からわかるように、比較試料は表面に
カビは発生しなかったものの、汚れが付着しており、水
濡れ面積60%未満と流滴による防曇効果は得られない
ような状況であった。ゾルで凹凸を形成した試料は、汚
れはほとんど付着しておらず、水濡れ面積60%以上と
かろうじて流滴性を保持した。しかし、表面にはまだら
にカビが発生し、その部分が親水性を失っており、使用
する上では好ましくない状態であった。一方、ゾルの凹
凸上に銀を固定したものは、表面粗さ、凹凸平均高さ・
幅はゾルで凹凸を形成した先の試料と大差ないにもかか
わらず、カビも付着しておらず、水濡れ面積は80%以
上と良好な流滴性を維持した。このことから、凹凸上に
銀を固定することにより、部材表面のカビの発生を防ぐ
ことができ、それによって親水性を良好に維持できるこ
とが確認できた。以上より、凹凸と抗菌金属を組み合わ
せることにより、親水性が長期間良好な状態で維持可能
なことが示唆された。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、汚れの汚染付加量が大
きく、絶えず多量な水蒸気や水のかかる環境下、主とし
て、浴室・シャワールーム等において好適に使用できる
防曇性、防滴性、防汚性、自己浄化性の優れた浴室用親
水性防曇鏡を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−65024 (32)優先日 平成11年3月11日(1999.3.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 森原 かおり 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 早川 信 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2H042 DA12 DB11 DC04 DE08 3B111 AA01 AC01 AC03 BC01 BC03 BD01 CA03 CB01 CC01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面に反射コートを施した鏡表面にけい
    酸アルカリ金属塩を含む層が形成されていることを特徴
    とする自己浄化機能を有する浴室用防曇性鏡。
  2. 【請求項2】 前記層には、さらに無機酸化物粒子が含
    有されていることを特徴とする請求項1に記載の浴室用
    防曇性鏡。
  3. 【請求項3】 前記層の表面の任意の位置における原子
    間力顕微鏡で測定した凹凸構造の平均高さおよび平均幅
    が0.4nm以上200nm以下であり、中心線平均表
    面粗さRaが0.1nm以上50nm以下であることを
    特徴とする請求項1〜2に記載の浴室用防曇性鏡。
  4. 【請求項4】 前記層の表面の任意の位置における原子
    間力顕微鏡で測定した凹凸構造の平均高さが0.8nm
    以上40nm以下であり、平均幅が9nm以上100nm
    以下、中心線平均表面粗さRaが0.1nm以上10n
    m以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の浴
    室用防曇性鏡。
  5. 【請求項5】 前記凹凸構造はフラクタル構造であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4に記載の浴室用防曇性鏡。
  6. 【請求項6】 前記層の厚みが400nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5に記載の浴室用防曇性鏡。
  7. 【請求項7】 前記層はゾル塗布法により形成したこと
    を特徴とする請求項1〜6に記載の浴室用防曇性鏡。
  8. 【請求項8】 前記無機酸化物は、シリカ、アルミナ、
    ジルコニア、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛からなる群
    より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1
    〜7に記載の浴室用防曇性鏡。
  9. 【請求項9】 前記無機酸化物のうち、ジルコニア、チ
    タニア、酸化スズ、酸化亜鉛は光触媒であることを特徴
    とする請求項8に記載の浴室用防曇性鏡。
  10. 【請求項10】 親水性表面を備えた浴室用防曇鏡であ
    って、前記凹凸構造を有する層と、さらに前記層上にけ
    い酸アルカリ金属塩を主成分とする層とを備えており、
    原子間力顕微鏡で測定した前記層表面の任意の位置にお
    ける凹凸の平均高さおよび平均幅が、0.4nm以上2
    00nm以下であり、中心線平均表面粗さRaが0.1
    nm以上50nm以下であることを特徴とする浴室用防
    曇性鏡。
  11. 【請求項11】 前記層表面の凹凸の平均高さが0.8
    nm以上40nm以下、平均幅が9nm以上100nm
    以下、中心線平均表面粗さRaが0.1nm以上10n
    m以下であることを特徴とする請求項10に記載の浴室
    用防曇性鏡。
  12. 【請求項12】 鏡表面のゼータ電位がpH7付近の水
    中において負であることを特徴とする請求項1〜11に
    記載の浴室用防曇性鏡。
  13. 【請求項13】 前記鏡が立面における水との後退角が
    20度以下の親水性を有することを特徴とする請求項1
    〜12に記載の浴室用防曇性鏡。
  14. 【請求項14】 前記鏡が抗菌性を有する物質が含まれ
    ていることを特徴とする請求項1〜13に記載の浴室用
    防曇性鏡。
  15. 【請求項15】 前記浴室用鏡であり、鏡面にかかる水
    や接触する水蒸気によって、該鏡面に水膜を形成するこ
    とにより、全面にわたって防汚性及び/又は防曇性及び
    /又は水滴形成防止性及び/又は水滴付着防止性を呈す
    ることを特徴とする請求項1〜14に記載の浴室用防曇
    性鏡。
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