JP2000337333A - 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト - Google Patents
耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルトInfo
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Abstract
がら耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルトを提供する。 【解決手段】 C:0.5〜1.0%を含む鋼からな
り、初析フェライト、初析セメンタイト、ベイナイトお
よびマルテンサイトの1種または2種以上の組織生成を
抑制し、パーライトノジュールサイズが粒度番号でN
o.7以上のパーライト組織の面積率を80%以上とし
たものであり、且つ強伸線加工によって1200N/m
m2以上の強度と優れた耐遅れ破壊性を有する様にした
高強度線材を使用し、これを所定の長さに切断した後、
両端部をねじ転造または切削によりねじ加工したもので
ある。
Description
業機械用として使用される高強度ボルトに関するもので
あり、特に強度(引張強度)が1200N/mm2以上
でありながら耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルトに関す
るものである。
素合金鋼(SCM435、SCM440、SCr440
等)が使用されており、焼入れ・焼戻しによって必要な
強度を確保する様にしている。しかしながら、自動車用
や各種産業機械用として使用される一般の高強度ボルト
では、引張強さが約1200N/mm2を超える領域に
なると、遅れ破壊が発生する危険があり、使用上の制約
がある。
と腐食性環境下で起こるものがあるが、その発生原因は
種々の要因が複雑にからみあっていると言われており、
一概に上記原因を特定することは困難である。上記の様
な遅れ破壊性を左右する制御因子としては、焼戻し温
度、組織、材料硬さ、結晶粒度、各種合金元素等の関与
が一応認められているものの、遅れ破壊を防止する為の
有効な手段が確立されている訳ではなく、試行錯誤的に
種々の方法が提案されているに過ぎないのが実状であ
る。
昭60−114551号、特開平2−267243号お
よび特開平3−243745号等の技術が提案されてい
る。これらの技術は、各種の主要な合金元素を調整する
ことによって、引張強さが1400MPa以上でも耐遅
れ破壊性が優れた高強度ボルト用鋼の開発を目指してな
されたものである。しかしながらこれらの技術によっ
て、遅れ破壊発生の危険が完全に解消されたと言う訳で
はなく、それらの適用範囲はごく限られた範囲に止まっ
ている。
に着目してなされたものであって、その目的は、引張強
度が1200N/mm2以上でありながら耐遅れ破壊性
に優れた高強度ボルトを提供することにある。
強度ボルトとは、C:0.5〜1.0%(質量%の意
味、以下同じ)を含む鋼からなり、初析フェライト、初
析セメンタイト、ベイナイトおよびマルテンサイトの1
種または2種以上の組織の生成を抑制し、パーライトノ
ジュールサイズが粒度番号でNo.7以上のパーライト
組織の面積率を80%以上としたものであり、且つ強伸
線加工によって1200N/mm2以上の強度と優れた
耐遅れ破壊性を有する様にした高強度線材を使用し、こ
れを所定の長さに切断した後、両端部をねじ転造または
切削によりねじ加工したものである点に要旨を有するも
のである。ここでパーライトノジュールとは、パーライ
ト中のフェライトの結晶方位が揃った領域を意味する。
%を含む鋼からなり、初析フェライト、初析セメンタイ
ト、ベイナイトおよびマルテンサイトの1種または2種
以上の組織の生成を抑制し、パーライトノジュールサイ
ズが粒度番号でNo.7以上のパーライト組織の面積率
を80%以上としたものであり、且つ強伸線加工によっ
て1200N/mm2以上の強度と優れた耐遅れ破壊性
を有する様にした高強度線材を使用し、これを所定の長
さに切断後、温間鍛造によって一方端部にボルト頭部を
形成し、温間鍛造の前または後に他方端部をねじ転造ま
たは切削によりねじ加工したものである様な高強度ボル
トの構成を採用することによっても達成される。
じて(1)Si:2.0%以下(0%を含まない)およ
び/またはCo:0.5%以下(0%を含まない)、
(2)Cr,Mo,Ti,Nb,VおよびWよりなる群
から選択される1種以上を合計で0.01〜0.05
%、(3)Ai:0.01〜0.05%、等を含有する
高強度線材を使用することも有効である。
強度鋼の耐遅れ破壊性が劣る原因について様々な角度か
ら検討した。その結果、従来の改善方法では、組織を焼
戻しマルテンサイトとして、焼戻脆性域の回避、粒界偏
析元素の低減、結晶粒微細化を図ることによって耐遅れ
破壊性を補ってきたが、こうした手段では高強度鋼の耐
遅れ破壊性を向上させるのには限界があることが判明し
た。
向上させるために鋭意研究を重ねた結果、組織をある制
約をもったパーライト主体の組織とし、強伸線加工によ
り1200N/mm2以上の強度とした高強度線材を使
用してボルトに加工すれば、優れた耐遅れ破壊性を発揮
する高強度ボルトが得られることを見出し、本発明を完
成した。
上述の如く初析フェライト、初析セメンタイト、ベイナ
イトおよびマルテンサイトの1種または2種以上の組織
の生成を抑制して、パーライトノジュールサイズが粒度
番号でNo.7以上のパーライト組織の面積率を80%
以上とする必要がある。上記組織のうち、初析フェライ
トと初析セメンタイトが多く生成すると、伸線時に縦割
れを起こして伸線ができなくなり、強伸線加工によって
1200N/mm2以上の強度を得ることができなくな
る。また初析セメンタイトとマルテンサイトは、伸線時
に断線を引き起こすので少なくする必要がある。更に、
ベイナイトはパーライトに比べて加工硬化量が少なくな
るので、強伸線加工による強度上昇が望めないのででき
るだけ少なくする必要がある。
イトとフェライトの界面で水素をトラップし、粒界に集
積する水素を低減させる効果があり、できるだけ多くす
る必要がある。こうしたことから、初析フェライト、初
析セメンタイト、ベイナイトおよびマルテンサイトの1
種または2種以上の組織の生成をできるだけ抑制して
(即ち、20%未満にして)、パーライト組織の面積率
を80%以上とする必要がある。尚パーライト組織の面
積率は、好ましくは90%以上とするのが良く、より好
ましくは100%パーライト組織とするのが良い。
ジュールサイズが粒度番号でNo.7以上であることが
必要である。パーライトノジュールサイズが粒度番号で
No.7未満では、破断絞り値が低くなり、その後の冷
間伸線が困難となり、必要な強度が得られない。これに
対してパーライトノジュールサイズを微細にすると、粒
界に負荷する応力が低減されると共に、粒界強度が上昇
する。これによって遅れ破壊発生時に見られる粒界破壊
が抑制され、耐遅れ破壊性が改善される。またパーライ
トノジュールサイズを微細化することによって、延性お
よび靭性が向上し、こうした観点からも耐遅れ破壊性が
改善される。即ち、初析フェライト、初析セメンタイ
ト、ベイナイトおよびマルテンサイト等の組織の少なく
とも1種をできるだけ少なくして、その合計の面積率が
20%未満となる様にしてパーライトノジュールサイズ
が粒度番号でNo.7以上であるパーライト組織の面積
率を80%以上にすることにより、優れた耐遅れ破壊性
が達成されるのである。尚パーライトノジュールサイズ
は、粒度番号でNo.8以上とするのが好ましく、より
好ましくはNo.10以上とするのがよい。
は、圧延のままおよび鍛造ままでは必要な寸法精度が得
られず、また1200N/mm2以上の強度を得ること
が困難になるので、強伸線加工が必要となる。また強伸
線加工によって一部のパーライト中のセメンタイトが微
細に分散され、水素トラップ能力を向上させると共に、
伸線方向に沿って組織が並ぶことによって亀裂の進展の
抵抗になる(亀裂伝播方向は伸線方向に垂直である)。
1.0%含む中炭素鋼を想定したものであるが、C含有
量の範囲限定理由は、下記の通りである。
C含有量を増加させるにつれて強度が増加する。目標強
度を確保する為には、Cは0.5%以上含有させる必要
がある。しかしながら、C含有量が1.0%を超える
と、初析セメンタイトの析出量が増加し、靭延性の低下
が顕著に現れ、伸線加工性を劣化させる。C含有量の好
ましい下限は、0.65%であり、より好ましくは0.
7%である。またC含有量の好ましい上限は、0.95
%であり、より好ましくは0.9%とするのが良い。
る各種元素(Si,Co,Mn,Cu,Ni,Cr,M
o,Ti,Nb,V,W,Al,B等)を含有しても良
いことは勿論であるが、特に所定量のSiやCoを含有
させることは、初析セメンタイトの析出を抑制する上で
有効であり、またCr,Mo,Ti,Nb,V,W,A
lは結晶粒を微細化してパーライトノジュールサイズを
微細化するのに有効である。必要によって添加される各
元素の限定理由は下記の通りである。
析出を抑える効果を発揮する。また脱酸剤としての作用
が期待され、しかもフェライトに固溶して顕著な固溶強
化作用も発揮する。これらの効果は、その含有量が増加
するにつれて増大するが、Si含有量が過剰になると伸
線後の鋼線の延性を低下させるので、2.0%を上限と
する。尚Si含有量の好ましい上限は、1.0%であ
り、より好ましくは0.5%である。
効果があり、初析セメンタイトの低減を図る本発明の高
強度ボルトにおける添加成分としては特に有効である。
こうした効果は、含有量が増加すればするほど増大する
が、0.5%を超えて含有させてもその効果は飽和して
不経済となるので、その上限を0.5%とした。尚Co
含有量の好ましい範囲は0.05〜0.3%であり、更
に好ましくはその下限を0.1%、その上限を0.2%
とするのが良い。
なる群から選ばれる1種以上:合計で0.01〜0.5
% これらの元素は、微細な炭・窒化物を形成して耐遅れ破
壊性の向上に寄与する。またこれらの炭化物および窒化
物は、パーライトノジュールサイズを微細化する上でも
有効である。こうした効果を発揮させる為には合計で
0.01%以上含有させる必要があるが、過剰に含有さ
せると耐遅れ破壊性および靭性を阻害するので、合計で
0.5%以下にする必要がある。尚これらの元素含有量
の好ましい下限は合計で0.02%であり、より好まし
くは0.03%とするのが良い。また好ましい上限は合
計で0.3%であり、より好ましくは0.1%とするの
が良い。
ノジュールサイズを微細化することによって耐遅れ破壊
性の向上に寄与する。その為には、0.01%以上含有
させる必要があるが、0.05%を超えると窒化物系介
在物や酸化物系介在物が生成し、伸線性が低下するの
で、0.05%以下にする必要がある。尚Al含有量の
好ましい下限は0.025%であり、好ましい上限は
0.035%である。
て鋼線の組織の均一性を高める効果を発揮する。これら
の効果を発揮させる為には、0.2%以上含有させる必
要がある。しかしながらMn含有量が過剰になると、M
nの偏析部にマルテンサイトやベイナイトなどの過冷組
織が生成して伸線加工性を劣化させるので、1.0%を
上限とする。尚Mn含有量の好ましい下限は0.40%
であり、より好ましくは0.45%とするのが良い。ま
たMn含有量の好ましい上限は0.70%であり、より
好ましくは0.55%とするのが良い。
元素である。しかしながら過剰に添加すると、粒界脆化
を起こして耐遅れ破壊性を劣化させる原因となるので、
0.5%を上限とする。尚Cu含有量の好ましい下限は
0.05%であり、より好ましくは0.1%とするのが
良い。またCu含有量の好ましい上限は0.3%であ
り、より好ましくは0.2%とするのが良い。
の靭性を高める効果を有する。しかしながら、Ni含有
量が過剰になると、変態終了温度が長くなり過ぎて、設
備の大型過、生産性の劣化を来すため、1.0%を上限
とする。尚Ni含有量の好ましい下限は0.05%であ
り、より好ましくは0.1%とするのが良い。またNi
含有量の好ましい上限は0.5%であり、より好ましく
は0.3%とするのが良い。
発揮するためには、0.0005%以上含有させる必要
がある。しかしながら、0.003%を超えて過剰に含
有すると却って靭性を阻害する。尚B含有量の好ましい
下限は0.0010%であり、好ましい上限は0.00
25%である。
て、結晶粒の微細化ひいては耐遅れ破壊性の向上に好影
響を与える。しかしながら、過剰に含有すると窒化物が
増加し過ぎて伸線性に悪影響を及ぼすだけでなく、固溶
Nが伸線中の時効を促進することがあるので、0.01
5%以下にする必要がある。尚N含有量の好ましい上限
は0.007%であり、より好ましくは0.005%以
下にするのが良い。
分の他(残部)は基本的に鉄からなるものであるが、こ
れら以外にも微量成分を含み得るものでり、こうした成
分を含むものも本発明の技術的範囲に含まれるものであ
る。またその特性を更に良好にするという観点からし
て、P,SおよびOについては、下記の様に抑制するの
が良い。更に、本発明の高強度ボルトには、不可避的に
不純物が含まれることになるが、それらは本発明の効果
を損なわない限度で許容される。
素である。そこでP含有量を0.03%以下とすること
により、耐遅れ破壊性の向上が図れる。尚P含有量は、
0.015%以下に低減するのが好ましく、より好まし
くは0.005%以下にするのが良い。
nSが応力集中箇所となる。従って、耐遅れ破壊性の改
善にはS含有量をできるだけ減少させることが必要とな
り、0.03%以下にするのが良い。尚S含有量は、
0.01%以下に低減するのが好ましく、より好ましく
は0.005%以下にするのが良い。
在物として存在し、伸線時にカッピー断線を引き起こす
原因となる。従って、O含有量は極力少なくすべきであ
り、少なくとも0.005%以下に抑える必要がある。
尚O含有量は、0.003%以下に低減することが好ま
しく、より好ましくは0.002%以下に低減するのが
良い。
様々な方法によってその組織を調整することができる
が、その代表的な方法について説明する。その方法の一
つとして、まず上記の様な化学成分組成を有する鋼材を
用い、鋼材の圧延または鍛造終了温度が800〜100
0℃となる様にに熱間圧延または熱間鍛造を行なった
後、平均冷却速度V(℃/秒)が下記(1)式を満足す
る様にして400℃まで冷却し、引き続き放冷する方法
が挙げられる。 166×(線径)-1.4≦V≦288×(線径)-1.4 …(1)
質なパーライト組織が得られ、伸線前の強度上昇が図れ
る。圧延または鍛造終了温度が高過ぎると、オーステナ
イト粒径が粗大となり、パーライトノジュールサイズの
粗大化を招く。逆に、終了温度が低過ぎると、オーステ
ナイト化が不十分となり、均質なパーライト組織が得ら
れなくなる。こうした観点から、上記終了温度は800
〜1000℃とする必要がある。この加熱温度の好まし
い範囲は850〜950℃程度であり、更に好ましくは
850〜900℃程度である。
-1.4よりも小さくなると、均質なパーライト組織が得ら
れなくなるばかりか、初析フェライトや初析セメンタイ
トが生成し易くなる。また平均冷却速度Vが288×
(線径)-1.4よりも大きくなると、ベイナイトやマルテ
ンサイトが生成し易くなる。
様な化学成分組成を有する鋼材を用い、この鋼材を80
0〜1000℃に加熱後、520〜650℃の温度まで
急冷し、その温度で恒温保持(パテンティング処理)す
る方法によっても、通常の圧延材より均質なパーライト
組織が得られ、伸線前の強度上昇が図れる。
囲については、上記圧延または鍛造終了温度と同じ理由
で800〜1000℃とする必要がある。この加熱温度
の好ましい範囲は、上記と同じである。パテンティング
処理は、ソルトバス、鉛、流動層等を利用し、加熱した
線材をできるだけ速い冷却速度で急冷することが望まし
い。また均質なパーライト組織を得るには、520〜6
50℃で恒温変態させることが必要である。この恒温変
態温度の好ましい温度範囲は、550〜600℃であ
り、最も好ましい恒温保持温度はTTT線図のパーライ
トノーズ付近の温度である。
800〜1000℃となる様に熱間圧延または熱間鍛造
した後、5℃/秒以上の平均冷却速度で520〜750
℃の温度まで冷却し、その温度から1.0℃/秒以下の
平均冷却速度で200秒以上保持し、引き続き放冷する
ことによっても、通常の圧延材よりも均質なパーライト
組織が得られ、伸線前の強度上昇が図れる。こうした方
法を採用するときの各工程における作用は下記の通りで
ある。
については、上記鋼材加熱温度と同様の理由で800〜
1000℃とする必要がある。またこの温度の好ましい
範囲は、上記と同様である。熱間圧延後または熱間鍛造
後の冷却速度が遅過ぎると、冷却中にフェライト変態を
引き起こす可能性があり、できるだけ速い冷却速度で冷
却することが好ましい。そこでこのときの冷却速度は5
℃/秒以上と規定した。この冷却速度の好ましい範囲
は、10℃/秒以上であり、より好ましくは30℃/秒
以上である。この冷却によって520〜750℃まで冷
却する必要があるが、この冷却終了温度が520℃未満
または750℃を超えると、その後の徐冷によってパー
ライト以外の組織が生成し易くなる。
織を得るという観点から、その温度(520〜750℃
の温度:徐冷開始温度)から1.0℃/秒以下の平均冷
却速度でで冷却(徐冷)しつつ200秒以上保持する必
要がある。このときの平均冷却速度が1.0℃/秒より
も速くなったり、保持時間が200秒未満になると、パ
ーライト組織に変態する前に放冷されて、ベイナイトや
マルテンサイトが生成し易くなる。尚この冷却速度の好
ましい範囲は、0.5℃/秒以下であり、より好ましく
は0.2℃/秒以下とするのが良い。また上記保持時間
の好ましい範囲は、300秒以上であり、より好ましく
は600秒以上とするのが良い。尚TTT線図のパーラ
イトノーズ付近の温度に長く保持することが最も好まし
い。
し、所定の長さに切断した後、(1)両端部をねじ転造
または切削によりねじ加工するか(スタッドボルトにす
る)、或は(2)温間鍛造によりその一端部にボルト頭
部を形成し、温間鍛造前または後に他端部をねじ転造ま
たは切削によりねじ加工すること、等によって優れた耐
遅れ破壊特性および強度を発揮するボルトが得られる。
尚上記(2)の方法においてボルト頭部を形成する際に
温間鍛造法を採用するのは、線材の強度が高いため、通
常の冷間鍛造では所定のボルト形状に成形しにくいとい
う理由からである。
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
径:11mmφまたは14mmφまで圧延終了温度が約
930℃になる様に熱間圧延した後、平均冷却速度Vを
4.1〜12.3℃/秒(下記表2)の範囲として衝風
冷却した。その後、線径:7.06mmまで伸線した
(伸線率:59%.75%)。
×P1.25のスタッドボルトを作製し、遅れ破壊試験
を行なった。遅れ破壊試験は、ボルトを酸中に浸漬後
(15%HCl×30分)、水洗・乾燥して大気中で応
力負荷(負荷応力は引張り強さの90%)し、100時
間後の破断の有無で評価した。また初析フェライト、初
析セメンタイト、ベイナイト、マルテンサイトまたはパ
ーライト組織の分類を下記の方法で行ない、各組織の面
積率を求めた。更に、パーライトノジュールサイズを、
下記の方法で測定した。このとき比較の為に、一部のも
のについては、焼入れ・焼戻しを行って100%焼き戻
しマルテンサイト組織にしたものについても遅れ破壊試
験を行なった(後記表2のNo.19)。
込み、研磨後、5%のピクリン酸アルコール液に15〜
30秒間浸漬して腐食させた後、走査型電子物顕微鏡
(SEM)によってD/4(Dは直径)部を組織観察し
た。1000〜3000倍で5〜10視野撮影し、パー
ライト組織部分を確定した後、画像解析装置によって各
組織の面積率を求めた。尚パーライト組織と区別がつき
にくい、ベイナイト組織や初析フェライト組織について
は、図2(図面代用顕微鏡写真)に示す様な組織をベイ
ナイト組織とし、図3(図面代用顕微鏡写真)に示す様
な組織を初析フェライト組織と判断した。これらの組織
の傾向として、初析フェライトと初析セメンタイトは、
旧オーステナイト結晶粒界に沿って針状に析出し、マル
テンサイトは塊状に析出していた。
法)線材の横断面を埋め込み、研磨後、1〜2%のナイ
タール液に2〜10秒間浸漬した後、光学顕微鏡によっ
てD/4(Dは直径)部を組織観察した。パーライトノ
ジュールの粒度番号は、JIS G0551またはJI
S G0552のオーステナイト結晶粒度またはフェラ
イト結晶粒度と同じ単位(粒度番号)で規定した。
表2に、遅れ破壊試験結果を伸線条件および機械的特性
と共に下記表3に夫々示す。尚平均冷却速度Vの適正な
範囲[前記(1)式を満足する範囲]は、線径が14m
mのときに4.12≦V≦7.16(℃/秒)であり、
線径が11mmのときに5.78≦V≦10.03(℃
/秒)である。
で圧延終了温度が約930℃になる様に熱間圧延した後
急冷し、下記表4に示す条件にてパテンティング処理
(加熱温度:750〜935℃、恒温変態:495〜6
65℃×4分)した。その後、線径:7.06mmまで
伸線した(伸線率:59%)。
たM8×P1.25のスタッドボルトを作製し、遅れ破
壊試験を実施例1と同様にして行なった。各線材の組織
を前記表4に併記すると共に、遅れ破壊試験結果を伸線
条件および機械的特性と共に下記表5に夫々示す。
条件にて線径:11mmφまで熱間圧延した。その後、
線径:7.06mmまで伸線した(伸線率:59%)。
たM8×P1.25のスタッドボルトを作製し、遅れ破
壊試験を実施例1と同様にして行なった。各線材の組織
を下記表7に、遅れ破壊試験結果を伸線条件および機械
的特性と共に下記表8に夫々示す。
規定する要件を満足するボルトは、引張り強度が120
0N/mm2以上であっても、優れた耐遅れ破壊性を有
していることがわかる。
張強度が1200N/mm2以上でありながら耐遅れ破
壊性に優れた高強度ボルトが実現できた。
形状を示す概略説明図である。
る。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 C:0.5〜1.0%(質量%の意味、
以下同じ)を含む鋼からなり、初析フェライト、初析セ
メンタイト、ベイナイトおよびマルテンサイトの1種ま
たは2種以上の組織の生成を抑制し、パーライトノジュ
ールサイズが粒度番号でNo.7以上のパーライト組織
の面積率を80%以上としたものであり、且つ強伸線加
工によって1200N/mm2以上の強度と優れた耐遅
れ破壊性を有する様にした高強度線材を使用し、これを
所定の長さに切断した後、両端部をねじ転造または切削
によりねじ加工したものであることを特徴とする耐遅れ
破壊性に優れた高強度ボルト。 - 【請求項2】 Si:2.0%以下(0%を含まない)
および/またはCo:0.5%以下(0%を含まない)
を含有する高強度線材を使用したものである請求項1に
記載の高強度ボルト。 - 【請求項3】 Cr,Mo,Ti,Nb,VおよびWよ
りなる群から選択される1種以上を合計で0.01〜
0.5%含有する高強度線材を使用したものである請求
項1または2に記載の高強度ボルト。 - 【請求項4】 Al:0.01〜0.05%を含有する
高強度線材を使用したものである請求項1〜3のいずれ
かに記載の高強度ボルト。 - 【請求項5】 C:0.5〜1.0%を含む鋼からな
り、初析フェライト、初析セメンタイト、ベイナイトお
よびマルテンサイトの1種または2種以上の組織の生成
を抑制し、パーライトノジュールサイズが粒度番号でN
o.7以上のパーライト組織の面積率を80%以上とし
たものであり、且つ強伸線加工によって1200N/m
m2以上の強度と優れた耐遅れ破壊性を有する様にした
高強度線材を使用し、これを所定の長さに切断後、温間
鍛造によって一方端部にボルト頭部を形成し、温間鍛造
の前または後に他方端部をねじ転造または切削によりね
じ加工したものであることを特徴とする耐遅れ破壊性に
優れた高強度ボルト。 - 【請求項6】 Si:2.0%以下(0%を含まない)
および/またはCo:0.5%以下(0%を含まない)
を含有する高強度線材を使用したものである請求項5に
記載の高強度ボルト。 - 【請求項7】 Cr,Mo,Ti,Nb,VおよびWよ
りなる群から選択される1種以上を合計で0.01〜
0.5%含有する高強度線材を使用したものである請求
項5または6に記載の高強度ボルト。 - 【請求項8】 Al:0.01〜0.05%を含有する
高強度線材を使用したものである請求項5〜7のいずれ
かに記載の高強度ボルト。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
2000
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| KR101660616B1 (ko) | 2012-03-07 | 2016-09-27 | 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 | 스프링 가공성이 우수한 고강도 스프링용 강 선재 및 그의 제조 방법, 및 고강도 스프링 |
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