JP2000339618A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JP2000339618A
JP2000339618A JP11148903A JP14890399A JP2000339618A JP 2000339618 A JP2000339618 A JP 2000339618A JP 11148903 A JP11148903 A JP 11148903A JP 14890399 A JP14890399 A JP 14890399A JP 2000339618 A JP2000339618 A JP 2000339618A
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Junichi Honda
順一 本多
Norikatsu Fujisawa
憲克 藤澤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度化に伴ってトラック幅を狭く形成
する場合であっても、このトラック幅を高精度に規制す
る。 【解決手段】 一対の磁気コア半体ブロックを突き合わ
せて磁気ヘッドブロックを作製し、この磁気記録媒体摺
動面に砥石により磁気ギャップのトラック幅を規制する
溝加工を施す磁気ヘッドの製造方法において、磁気ヘッ
ドブロックを磁気記録媒体摺動方向に複数並べ、且つ各
磁気ヘッドブロックの磁気ギャップが当該磁気記録媒体
摺動方向と略直交する方向に対してアジマス角に応じて
斜めとなるように配置し、磁気記録媒体摺動方向に沿っ
て上記溝加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、高い記録
密度で記録及び/又は再生を行うビデオテープレコーダ
(VTR)やデータストレージ装置等に用いられ、蒸着
テープ等の高抗磁力磁気記録媒体に対して記録及び/又
は再生を行う磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の分野においては、記録
信号の高記録密度化が進行しており、高い抗磁力と高い
残留磁束密度を有する磁気記録媒体、例えば強磁性金属
材料を非磁性支持体上に直接被着せしめてなる蒸着テー
プ等が使用されるようになっている。これに伴って、磁
気ヘッドに対しては、コア材料が高飽和磁束密度、高透
磁率を有することが要求されている。
【0003】このような要求を満たすため、図16に示
すように、補助コア材にフェライトを用い、そのフェラ
イト上に高飽和磁束密度を有する金属磁性膜を主コア材
として形成し、この金属磁性膜により磁気ギャップ部を
形成するようにしたメタル・イン・ギャップ(Meta
l in Gap)型の磁気ヘッド(以下、MIGヘッ
ドと称する。)100が提案されている。
【0004】このMIGヘッド100は、磁気記録媒体
対接面の略中央に位置する磁気ギャップgを境として左
右別々に作製された一対の磁気コア半体101,102
が突合せ面である磁気ギャップ形成面を、トラック幅部
が略一致するような位置で非磁性体を介して突き合わせ
て接合一体化されてなるものである。
【0005】MIGヘッド100において、一対の磁気
コア半体101,102は、磁気コア基体103,10
4と、金属磁性膜105,106とから閉磁路を構成し
ている。このうち、磁気コア基体103,104は、例
えば、フェライト等の軟磁性酸化物材料により形成さ
れ、閉磁路を構成する補助コア部となっている。一方、
金属磁性膜105,106は、閉磁路を構成する主コア
部となるもので、高飽和磁束密度を有し、磁気ギャップ
形成面を含む全面に亘って成膜されている。
【0006】MIGヘッド100において、磁気コア基
体103,104の磁気ギャップ形成面と対向する面に
は、磁気ギャップgのトラック幅TWを規制するための
トラック幅規制溝107,108,109,110が磁
気ギャップgの両端縁近傍部よりそれぞれデプス方向に
亘って円弧状に形成されている。なお、トラック幅規制
溝107,108,109,110内には、それぞれ磁
気記録媒体との当たり特性を確保すると共に摺接による
偏摩耗を防止する目的で、ガラス等の非磁性材111が
充填されている。
【0007】また、MIGヘッド100において、磁気
コア基体103,104の磁気ギャップ形成面と対向す
る面には、磁気ギャップgのデプスDPを規制するとと
もに、図示しないコイルを巻装するための巻線溝11
2,113が、断面形状が略矩形状を呈して形成されて
いる。
【0008】このようなMIGヘッド100では、磁気
ギャップgを構成する金属磁性膜105,106が高飽
和磁束密度とされるために、磁気ギャップgから発生す
る磁界強度が大きくなる。したがって、MIGヘッド1
00は、高い記録密度で記録再生を行うビデオテープレ
コーダ(VTR)やデータストレージ装置等に用いら
れ、蒸着テープ等の高抗磁力磁気記録媒体に対して記録
再生を行うのに好適なものとなっている。
【0009】ところで、このような磁気ヘッドの中に
は、磁気ギャップgが磁気記録媒体摺動方向と略直交す
る方向に対して所定のアジマス角で斜めに形成されたも
のがある。そして、このような磁気ヘッドを備えるもの
として、ヘリカルスキャン方式の記録再生装置を挙げる
ことができる。
【0010】なお、以下に掲げる図19乃至図23に示
される磁気ヘッドおいて、図16に示した磁気ヘッド1
00と同等な部位については説明を省略するとともに、
図面において同じ符号を付すものとする。
【0011】この記録再生装置は、図17に示すよう
に、略円筒状のドラム114に対し対向する位置関係で
配置された、アジマス角が異なる一組の磁気ヘッドを有
し、このドラム114の周面に磁気ギャップが望むよう
にそれぞれ実装されている。そして、この記録再生装置
は、ドラム114に斜めに掛け合わされた磁気テープ1
15に対して、これら磁気ヘッドのうち、一方の磁気ヘ
ッド(以下、ヘッドAと称する。)116が磁気テープ
115上に記録信号を書き残し、もう一方の磁気ヘッド
(以下、ヘッドBと称する。)117が前の記録信号の
片側に隣接する位置関係で新たな磁気記録信号を記録す
る作用を順次繰り返し、磁気テープ115上に密に記録
信号を記録するものである。
【0012】すなわち、この記録再生装置は、ドラム1
14が回転することにより、磁気テープ115に対して
相対的に所定の方向に走行することとなる。そして、こ
の磁気テープ115には、図17中の囲みBで示した部
分を拡大した図18に示すように、ヘッドA116によ
り書き込まれた第1の記録トラック118と、ヘッドB
117により書き込まれた第2の記録トラック119と
が交互に形成されることになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した記
録再生装置においては、図18に示すように、各磁気ヘ
ッドで交互に記録トラックを書き込む際に、先に書き込
まれた記録トラックと若干重なるように次の記録トラッ
クを書き込むようにしている。これは、記録トラック間
の未記録領域(いわゆるガードバンド)を無くし、記録
密度を高めるためである。
【0014】このような記録を行う場合、各磁気ヘッド
のアジマス角を変え、隣接する記録トラック間の干渉を
極力抑えるようにしているが、記録時に隣接トラックの
一部を消去してしまう、いわゆるサイドイレーズが発生
することがある。このサイドイーレズは、磁気ヘッドの
磁気ギャップ近傍におけるトラック幅方向両端部に発生
する漏れ磁界によるもので、かかるサイドイレーズが発
生すると、各記録トラックから十分な信号を取り出すこ
とができず、信号劣化の大きな原因となる。
【0015】例えば、図19は、先の図16に示す磁気
ヘッドを磁気ギャップ近傍を拡大して示すものである。
この磁気ヘッドでは、トラック幅規制溝107,10
8,109,110を各磁気コア基体103,104の
突合せ面にデプス方向に形成しているが、この場合、突
き合わせ時の位置ずれや金属磁性膜105,106の角
部の形状等に起因して、磁気ギャップ端部に形状不確定
部分が存在する。これが原因となって上記サイドイレー
ズが発生しやすい。
【0016】そこで、このような形状不確定部分を無く
した磁気ヘッドとして、図20に示すように、磁気コア
基体103,104を突き合わせた後、磁気記録媒体摺
動面をトラック幅分残して溝加工し、これをアジマス角
度に応じて斜めに配置した磁気ヘッドが知られている。
この磁気ヘッドでは、突き合わせ後の溝加工によりトラ
ック幅が決まるため、突き合わせ時の位置ずれや金属磁
性膜105,106の角部形状に起因する形状不確定部
分が形成されることがない。
【0017】ただし、この場合には、金属磁性膜10
5,106のトラック幅からはみ出した部分が隣接トラ
ック上を摺動することとなり、この部分からの漏れ磁界
が上記サイドイレーズの原因となる。
【0018】なお、図19及び図20において、複数の
小さい矢印は、磁気ギャップgの周辺に発生する漏れ磁
界を模式的に示したものである。また、矢印Cは、磁気
テープ115に対する磁気ヘッドの摺動方向を示すもの
である。また、以下に掲げる図21においても、図19
及び図20と同様に、複数の小さい矢印により磁気ギャ
ップgの周辺に発生する漏れ磁界を模式的に示すものと
する。また、矢印Cにより磁気テープ115に対する磁
気ヘッドの摺動方向を示すものとする。
【0019】そこで、この対策として、磁気ギャップ部
を収束イオンビーム等で形状を工夫した磁気ヘッドや薄
膜ヘッド等の開発がなされているが、量産性や漏れ磁界
の制御の観点から、図21に示すように、磁気ギャップ
gを摺動方向Cと略直交する方向に対してアジマス角に
応じて斜めに形成すると共に、トラック幅規制溝を摺動
方向Cに沿って形成した磁気ヘッドを挙げることができ
る。
【0020】この磁気ヘッドでは、走行方向の連続した
界面から漏れ磁界が発生する位置構成となるため、隣接
した記録トラックへの磁気的な影響を限定された微小な
幅(サブミクロン領域)に留めることができ、この漏れ
磁界による影響を軽減することができる。
【0021】ところで、磁気ヘッドでは、高記録密度化
に対応してトラック幅を狭くすると、このトラック幅を
高い寸法精度で規制する必要がある。また、この磁気ヘ
ッドでは、挟トラック化による記録フォーマットでのク
ロストークノイズを低減するために、アジマス角をより
傾斜させて磁気ギャップを形成する必要がある。さら
に、この磁気ヘッドを製造する際には、ある規定長のヘ
ッドブロックから切り出してより多くの磁気ヘッドを得
るために、トラック幅を規制するための溝加工に用いら
れる砥石の幅をより薄くする必要がある。
【0022】しかしながら、上述した磁気ヘッドを製造
する際には、図22に示すように、上述したヘッドブロ
ック120の側面に対して、アジマス角βを考慮して砥
石121が斜めに進入することとなる。
【0023】このため、ヘッドブロック121の側面に
砥石が斜めに進入する際、この砥石121に発生する幅
方向の反力Dにより、砥石121に反りが生じてしま
い、砥石121の進入方向にずれが発生してしまうこと
があった。結果として、研削加工中に発生する砥石12
1のたわみ量の蓄積と解放によって、図23に示すよう
な砥石121の加工軌跡、すなわちトラック幅を規制す
る溝122に蛇行が生ずることとなり、トラック幅を高
精度に規制することができないことがあった。
【0024】例えば、砥石幅が250μm、アジマス角
が20゜、トラック幅を6μm残留させる溝加工を行っ
た場合には、蛇行量が1.5μm以上となり、また、ト
ラック幅方向において、3.5μmから7.5μmのず
れが発生する。そして、最も狭い記録幅となった際に、
規定のトラック幅に対し25%近い実質トラック幅の減
少を伴うため、信号再生に必要なS/Nが得られなくな
り、挟トラック幅フォーマットが成り立たなくなる問題
があった。さらに、トラック幅を、例えば6μm以下と
した場合には、砥石121の蛇行による誤差の絶対値が
有効トラック幅の20%以上を占めることとなり、挟ト
ラック化に対応することが困難となる。また、トラック
幅を、例えば0.3μmの誤差内で選別すると、30%
程度しか規定値を満たす磁気ヘッドしか得られず、生産
性に問題が生ずることとなる。
【0025】そこで、本発明はこのような従来の事情に
鑑みて提案されたものであり、高記録密度化に伴ってト
ラック幅を狭く形成する場合であっても、このトラック
幅を高精度に規制することを可能とした磁気ヘッドの製
造方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る磁気ヘッドの製造方法は、一対の磁気コア半体
ブロックを突き合わせて磁気ヘッドブロックを作製し、
この磁気記録媒体摺動面に砥石により磁気ギャップのト
ラック幅を規制する溝加工を施す磁気ヘッドの製造方法
において、磁気ヘッドブロックを磁気記録媒体摺動方向
に複数並べ、且つ各磁気ヘッドブロックの磁気ギャップ
が当該磁気記録媒体摺動方向と略直交する方向に対して
アジマス角に応じて斜めとなるように配置し、磁気記録
媒体摺動方向に沿って上記溝加工を施すことを特徴とす
る。
【0027】以上のように本発明に係る磁気ヘッドの製
造方法では、各磁気ヘッドブロックに砥石が斜めに進入
する際に発生する砥石の反力の影響を、これら磁気ヘッ
ドブロックを複数並べて配置することにより軽減するこ
とができ、トラック幅を規制するための溝を高精度に形
成することができる。
【0028】また、本手法では、各ヘッドブロックの砥
石進入側最端部にダミー加工部材を並べて配置してもよ
い。
【0029】これにより、各磁気ヘッドブロックに砥石
が進入する際に発生する砥石の反力の影響をダミー加工
部材が吸収し、各磁気ヘッドブロックにトラック幅を規
制するための溝を高精度に形成することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0031】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法に
より作製された磁気ヘッドは、例えば図1及び図2に示
すように、補助コア材にフェライトを用い、そのフェラ
イト上に高飽和磁束密度を有する金属磁性膜を主コア材
として形成し、この金属磁性膜により磁気ギャップ部を
形成するようにしたメタル・イン・ギャップ(Meta
l in Gap)型の磁気ヘッド(以下、MIGヘッ
ドと称する。)1である。なお、図1に、このMIGヘ
ッド1の構成を説明するための斜視図を示し、図2に、
このMIGヘッド1の磁気記録媒体摺動面の構成を説明
するための平面図を示す。
【0032】このMIGヘッド1は、テープ状の磁気記
録媒体(以下、磁気テープと称する。)と摺動するヘッ
ドの摺動面1aの略中央に位置する磁気ギャップgを境
として左右別々に作製された一対の磁気コア半体2,3
が突合せ面である磁気ギャップ形成面を、トラック幅部
が略一致するような位置で非磁性体を介して突き合わせ
て接合一体化されてなるものである。また、磁気ギャッ
プgは、磁気テープに対するヘッドの摺動方向Aに対し
て所定のアジマス角αで斜めに形成されている。
【0033】MIGヘッド1において、一対の磁気コア
半体2,3は、磁気コア基体4,5と、金属磁性膜6,
7とから閉磁路を構成している。このうち、磁気コア基
体4,5は、例えば、Mn−Znフェライト、Ni−Z
n系フェライト等の酸化物軟磁性材料により形成され、
閉磁路を構成する補助コア部となっている。一方、金属
磁性膜6,7は、閉磁路を構成する主コア部となるもの
で、高飽和磁束密度を有し、磁気ギャップ形成面を含む
全面に亘って成膜されている。
【0034】また、MIGヘッド1は、磁気テープとの
当たり状態を調節するために、摺動面1aが摺動方向A
に沿って略円弧状に形成されている。
【0035】また、MIGヘッド1の摺動面1aには、
磁気ギャップgのトラック幅TWを規制するためのトラ
ック幅規制溝8,9が形成されている。このトラック幅
規制溝8,9は、摺動方向Aに沿って互いに略平行に形
成されている。なお、トラック幅規制溝8,9内には、
それぞれ磁気テープとの当たり特性を確保すると共に摺
接による偏摩耗を防止する目的で、ガラス等の非磁性材
10が充填されている。
【0036】また、MIGヘッド1の摺動面1aには、
磁気テープとの当たり幅TCを調節するための当たり幅
規制溝11,12が形成されている。この当たり幅規制
溝11,12は、摺動方向Aが沿って互いに略平行に形
成されている。
【0037】また、MIGヘッド1において、磁気コア
基体4,5の磁気ギャップ形成面と対向する面には、磁
気ギャップgのデプスDPを規制するとともに、図示し
ないコイルを巻装するための巻線溝13,14が、断面
形状が略矩形状を呈して形成されている。
【0038】以上のように構成されたMIGヘッド1で
は、磁気ギャップgを構成する金属磁性膜6,7が高飽
和磁束密度とされるために、磁気ギャップgから発生す
る磁界強度が大きくなる。したがって、MIGヘッド1
は、高い記録密度で記録及び/又は再生を行うビデオテ
ープレコーダ(VTR)やデータストレージ装置等に用
いられ、蒸着テープ等の高抗磁力磁気記録媒体に対して
記録及び/又は再生を行うのに好適なものとなってい
る。
【0039】次に、本発明を適用した磁気ヘッドの製造
方法について詳細に説明する。
【0040】以下に説明する磁気ヘッドの製造方法は、
複数等間隔に磁気ギャップを形成させたヘッドブロック
を形成し、このヘッドブロックを個々のヘッドチップと
して分割し、これを個々の磁気ヘッドとする手法であ
る。
【0041】先ず、図3に示すように、Mn−Zn系フ
ェライト、Ni−Zn系フェライト等の酸化物軟磁性材
料よりなる、例えば長さ34.5mm、幅2.5mm、
厚み1mm程度の略板状の基体20を用意する。この基
体20は、上述した磁気ヘッド1おいて、磁気コア半体
4,5となるものである。
【0042】次に、図4に示すように、基体20の一主
面上に、ガラス溝21を形成する。このガラス溝21
は、ヘッドブロックのコア間接合強度を保つために、ガ
ラスを加熱溶融させて流し込むための溝である。これに
より、ガラス溝21では、コア間接合時における接着力
の改善や、後述する金属磁性膜の成膜時の応力緩和を図
ることができる。ここでは、例えば、幅30μm、深さ
100μm程度のガラス溝21とする。
【0043】なお、本手法では、ガラスを流さずにコア
ブロック間を金属接合等でコア間接合を行う場合には、
図4に示したガラス溝21を形成しなくともよい。
【0044】次に、図5に示すように、基体20の主面
上に、磁気ギャップのギャップデプスを規制し、巻線を
巻装するための巻線溝22を形成する。この巻線溝22
は、上述した磁気ヘッド1の摺動面1aとなる側の断面
22aの形状を、基体20の主面に対して30゜〜50
゜程度の傾き角をもって形成し、深さ300μm程度の
断面略台形状の溝として形成する。また、巻線溝22の
開口幅は、磁気ヘッドが用いられる磁気装置の電気回路
により決定される。すなわち、この巻線溝22の開口幅
は、磁気ヘッドの電気抵抗値、若しくはインダクタンス
を満たす巻線数を考慮して断面積から決定される。ここ
では、例えば、断面21aの傾き角45゜、深さ300
μm、開口幅500μm程度の巻線溝22とする。
【0045】そして、ギャップ精度を高めるとともに、
詳細を後述する基体20と金属磁性膜との間の化学反応
を抑制するために、基体20の主面を鏡面加工等によ
り、表面粗度が、例えば20〜100 程度になるよう
に研磨する。
【0046】次に、図6に示すように、基体20の主面
に対して、例えば厚さ4μm程度の金属磁性膜23を成
膜する。ここで、金属磁性膜23としては、例えば、F
e−Si、Fe−Si−Al、Fe−Ga−Si−Ru
等を基本とする結晶質軟磁性材料を用いることができ
る。また、例えば、FeTa合金をターゲットとして窒
素を含むアルゴン中でスパッタしたFeTaN、或い
は、このFeTaNのうち、Taの一部若しくは全てを
Nb、Hfに置換した組成、或いは、このFeTaNの
うち、Nの一部若しくは全てをO、C、Bなどに置換し
た組成、或いはこれらに類似した軟磁性材料を用いるこ
とができる。さらに、アモルファス軟磁性材等を用いる
ことができる。
【0047】また、この金属磁性膜23を成膜する前
に、基体20上に酸化珪素、白金等を成膜してもよい。
これにより、この酸化物軟磁性材料からなる基体20
と、金属磁性膜23との間の化学的反応を抑えることが
できる。
【0048】なお、本手法では、巻線溝22が形成され
た基体20に対して金属磁性膜23を成膜する工程とな
っているが、かかる工程に必ずしも限定されるものでは
ない。例えば、金属磁性膜23を基体20に成膜した
後、この金属磁性膜23が成膜された基体20に巻線溝
22を形成する工程としてもよい。
【0049】次に、図7に示すように、例えばAu、S
iO2等の非磁性材料からなるギャップ膜24を、基体
20上のガラス溝21及び巻線溝22が形成されていな
い上述した磁気ヘッド1の磁気コア半体4,5となる部
分にそれぞれ成膜する。このギャップ膜24の膜厚は、
例えば規定のギャップ長約半分の膜厚とし、ここでは約
0.1μm程度とする。
【0050】次に、図8に示すように、上述した基体2
0と同様に加工された基体25を、ギャップ膜24を介
して、ガラス溝21及び巻線溝22が略一致するよう
に、端面を突き合わせることにより、ヘッドブロック2
6を構成する。
【0051】次に、図9に示すように、図8に示す状態
で保持されたヘッドブロック26の巻線溝22内に、例
えば500℃程度で溶融可能な融着ガラス27を挟み込
み、ヘッド摺動面となる側が下面となるように載置し、
この融着ガラス27を加熱溶融させる。これにより、融
着ガラス27がガラス溝21及び巻線溝22の頂部に亘
って埋まり、ヘッドブロック26が接合一体化される。
なお、ヘッドブロック26を金属接合等により接合一体
化してもよい。
【0052】さらに、後述するトラック幅を所定の幅に
規制するための溝を形成する際、余分なフロントデプス
があると加工負荷を増加させたり、加工精度の低下を引
き起こすことから、摺動面となる側のフロントデプスが
100μm程度になるように加工を行う。
【0053】次に、図10に示すように、接合一体化さ
れたヘッドブロック26を磁気テープと摺動する方向に
複数並べ、且つ各ヘッドブロック26の磁気ギャップが
この摺動方向と略直交する方向に対してアジマス角に応
じて斜めとなるように配置する。そして、図11に示す
ように、複数並べて配置されたヘッドブロック26の上
述した磁気ヘッド1の摺動面1aとなる加工面に対し
て、磁気テープと摺動する方向に沿って砥石による研削
加工を行うことにより、上述した磁気ヘッド1のトラッ
ク幅規制溝8,9となる溝28を形成する。
【0054】このとき、溝28の深さは、研削加工後に
フロントデプスが消失する位置以下とし、ヘッド初期の
フロントデプスからデプス消失に至るまでヘッド摩耗が
生じた場合であっても、大きなトラック幅変動が生じな
い深さとする。
【0055】このため、砥石の切り込み深さは、研削加
工に用いられる砥石の側面の垂直性が十分得られるよう
に、砥石端部の丸まり部を避け、砥石の垂直面がヘッド
寿命に対応するとともに、摩耗するデプス領域に対応し
た、例えば100〜130μm程度の深さとすることが
好ましい。このうち、デプスの零点以下への切り込み量
が、0〜30μm程度となることが好ましく、さらに好
ましくは、余り砥石の切り込み深さが深いと、磁気ギャ
ップ部への磁束の集中効果が低くなり、ヘッド効率の低
下が起こることから、30μmを超えない深さとするこ
とが好ましい。
【0056】また、並べるヘッドブロック26の個数に
ついては、多いほど砥石による研削加工を安定して行う
ことができるが、一ブロック当たり、量産性を確保する
上で50個程度のヘッドチップを得るのが通常である。
さらに、ヘッドチップ一個につき、2本のトラック幅規
制溝を形成する必要がある。このため、砥石による研削
加工は、100回以上の繰り返し工程となる。
【0057】このとき、この一工程当たりの加工距離が
余り長いと、砥石の摩耗が制御しきれなくなる。このた
め、複数並べて配置されたヘッドブロック26における
砥石の進入方向の寸法は、少なくとも砥石の加工安定性
を得る上で5mm以上とすることが好ましい。
【0058】ここでは、ヘッドブロック26は、厚み1
mmの基体20,25を接合しているため、約2mm程
度の厚みとなっている。そして、複数並べて配置された
ヘッドブロック26における砥石の進入方向の寸法は、
ヘッドブロック26を10本並べた合計20mmとして
いる。
【0059】また、複数並べて配置されたヘッドブロッ
ク26の砥石進入側最端部に、加工誤差吸収用のダミー
加工部材29を並べて配置することが好ましい。
【0060】このダミー加工部材29は、ヘッドブロッ
ク26と同材料からなることが好ましく、砥石の進入方
向の寸法が500μm以上であることが好ましい。これ
は、砥石の進入側の500μm程度の位置では、砥石の
研削加工が定常状態に達せず、砥石の進入によるぶれが
残るためである。
【0061】これにより、ヘッドブロック26に砥石が
斜めに進入する際に発生する砥石の反力の影響を、この
ダミー加工部材29に吸収させることができ、ヘッドブ
ロック26にトラック幅を規制するための溝28をより
高精度に形成することができる。
【0062】また、砥石の進入方向側の最端部に配され
たヘッドブロック26に対して、砥石の進入方向側の側
面に、予め研削加工により砥石の進入方向に対して略垂
直となるような溝加工を施してもよい。
【0063】また、ヘッドブロック26を並べる際に
は、砥石の定常状態を安定にするため、複数並べて配置
されたヘッドブロック26の間隔を300μm以下とす
ることが好ましい。このヘッドブロックの間隔を300
μm以上とした場合には、各ヘッドブロック26の隙間
が大きくなりすぎて、磁気ギャップが所定のアジマス角
で傾斜しているために、砥石がヘッドブロックに進入す
る際に発生するぶれが増加してしまうからである。
【0064】また、複数並べて配置されたヘッドブロッ
ク26の加工面に対しては、この加工面の高さを略等し
くするための加工を施すことが好ましい。これにより、
砥石の加工抵抗を一様にすることができ、砥石の蛇行の
発生を防止することができる。
【0065】さらに、この研削加工においては、ヘッド
ブロック26の加工面上に、前工程における加工残留応
力や加工歪み等が残っていると、図12に示すように、
研削加工によって加工エッジの欠損28aが発生するこ
とがある。このため、この複数並べて配置されたヘッド
ブロック26の加工面に対しては、さらに鏡面加工等に
よる加工変質層を除去するための歪み取り加工を施すこ
とが好ましい。
【0066】以上のようにして、ヘッドブロック26に
砥石が斜め進入する際に発生する砥石の反力の影響を、
これらヘッドブロック26を複数並べて配置することに
より軽減することができ、トラック幅を規制するための
溝28を高精度に形成することができる。
【0067】次に、図13に示すように、形成された溝
28内にガラス30を充填させて被覆し、滑らかな表面
とする。
【0068】次に、図14に示すように、磁気テープと
の当たり幅TCを調節するための上述した磁気ヘッド1
の当たり幅規制溝11,12となる溝31を磁気テープ
と摺動する方向に沿って形成する。この溝31は、加工
により残留した磁気コア部分に、磁気テープと摺動する
摺動面の当たり幅を適当な接触圧が得られるように規制
するものであり、例えば、当たり幅が80〜130μm
程度となるように形成することが好ましい。
【0069】当たり幅がこれよりも広く規制された場合
には、磁気テープに摺動する際の面圧の低下により、磁
気テープと磁気ヘッドとの間に発生するエアーフィルム
の厚みが増加してしまい、スペーシングロスにより磁気
ヘッドの記録再生能力が劣化してしまう。一方、当たり
幅がこれよりも狭く規制された場合には、磁気テープと
摺動する際の面圧の上昇により、ヘッドの摩耗が加速さ
れ、磁気記録装置として保守を必要とする期間が短くな
ってしまう。
【0070】次に、図15に示すように、形成された溝
31内において、アジマスを考慮した図中一点鎖線で示
す切断方向に、個々のヘッドチップとするための切断加
工を行う。そして、分離されたヘッドチップに対して、
磁気テープと摺動する面に対して、略円筒形状を呈する
ような円筒切削加工を施すことにより、上述した図1に
示したようなMIGヘッド1が作製される。
【0071】以上のように本発明を適用した磁気ヘッド
の製造方法では、複数並べて配置されたヘッドブロック
26の上述した磁気ヘッド1の摺動面1aとなる加工面
に対して、砥石によりトラック幅を規制する溝加工を施
すことにより、これらヘッドブロック26に砥石が斜め
進入する際に発生する砥石の反力の影響を、これらヘッ
ドブロック26を複数並べて配置することにより軽減す
ることができ、トラック幅を規制するための溝28を高
精度に形成することができる。
【0072】具体的には、例えば複数並べて配置された
ヘッドブロック26の間隔を300μm以下とし、砥石
の定常加工領域を増やすことにより、トラック幅は加工
機の精度と砥石の摩耗により影響により発生するずれ
を、0.4μm程度にまで低減することができ、0.3
μm以上のずれによるヘッドチップの選別を行った場合
でも、80%以上の歩留りを得ることができる。
【0073】したがって、本手法によれば、高記録密度
化に伴ってトラック幅を狭く形成する場合、例えばアジ
マス角が15゜以上であり、且つトラック幅が6μm以
下である磁気ヘッドを製造する場合であっても、このト
ラック幅を高精度に規制することができる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る磁気ヘッドの製造方法によれば、各磁気ヘッドブロッ
クに砥石が斜めに進入する際に発生する砥石の反力の影
響を、これら磁気ヘッドブロックを複数並べて配置する
ことにより軽減することができ、トラック幅を規制する
ための溝を高精度に形成することができる。
【0075】したがって、本手法では、高記録密度化に
伴ってトラック幅を狭く形成する場合であっても、この
トラック幅を高精度に規制することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して作製された磁気ヘッドの構成
を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用して作製された磁気ヘッドの磁気
記録媒体摺動面の構成を示す平面図である。
【図3】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、磁気コア半体となる基体を示
す概略斜視図である。
【図4】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、基体の主面上に、ガラス溝を
形成した状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、ガラス溝が形成された基体上
に、巻線溝を形成した状態を示す概略斜視図である。
【図6】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、ガラス溝及び巻線溝が形成さ
れた基体上に、金属磁性膜を成膜した状態を示す概略斜
視図である。
【図7】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、金属磁性膜が成膜された基体
上に、ギャップ膜を成膜した状態を示す概略斜視図であ
る。
【図8】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、ヘッドブロックとなる基体同
士を突き合わせた状態を示す概略斜視図である。
【図9】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製造
工程を順次示す図であり、ヘッドブロックを接合一体化
した状態を示す概略斜視図である。
【図10】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製
造工程を順次示す図であり、接合一体化されたヘッドブ
ロックを複数並べて配置した状態を示す概略斜視図であ
る。
【図11】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製
造工程を順次示す図であり、複数並べて配置されたヘッ
ドブロックに対して、トラック幅を規制するための溝を
形成した状態を示す概略斜視図である。
【図12】研削加工によって加工エッジの欠損が発生し
た状態を模式的に示した図である。
【図13】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製
造工程を順次示す図であり、トラック幅を規制するため
の溝にガラスを充填した状態を示す概略斜視図である。
【図14】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製
造工程を順次示す図であり、ヘッドブロックに当たり幅
規制溝となる溝を形成した状態を示す概略斜視図であ
る。
【図15】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の製
造工程を順次示す図であり、ヘッドブロックを個々のヘ
ッドチップとして分割する状態を示す概略斜視図であ
る。
【図16】MIGヘッドの一構成例を示す斜視図であ
る。
【図17】ヘリカルスキャン方式の記録再生装置の一構
成例を示す概略斜視図である。
【図18】図17中、囲みBで示した部分を拡大した図
である。
【図19】磁気ギャップの周辺に発生する漏れ磁界がト
ラック幅を超えて発生した状態を示す図である。
【図20】トラック幅方向に対して略垂直となるように
トラック幅規制溝を形成した磁気ヘッドの構成を示す図
である。
【図21】磁気ギャップを摺動方向と略直交する方向に
対してアジマス角に応じて斜めに形成すると共に、トラ
ック幅規制溝を摺動方向に沿って形成した磁気ヘッドの
構成を示す図である。
【図22】ヘッドブロックの側面に対して、アジマス角
を考慮して砥石が斜めに進入した状態を模式的に示した
図である。
【図23】砥石の加工軌跡に蛇行が生じた状態を模式的
に示した図である。
【符号の説明】
1 MIGヘッド、2,3 磁気コア半体、8,9 ト
ラック幅規制溝、20基体、26 ヘッドブロック、2
8 トラック幅を規制するための溝、29ダミー加工部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア半体ブロックを突き合わ
    せて磁気ヘッドブロックを作製し、この磁気記録媒体摺
    動面に砥石により磁気ギャップのトラック幅を規制する
    溝加工を施す磁気ヘッドの製造方法において、 上記磁気ヘッドブロックを磁気記録媒体摺動方向に複数
    並べ、且つ各磁気ヘッドブロックの磁気ギャップが当該
    磁気記録媒体摺動方向と略直交する方向に対してアジマ
    ス角に応じて斜めとなるように配置し、 上記磁気記録媒体摺動方向に沿って上記溝加工を施すこ
    とを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 アジマス角が15゜以上であり、且つト
    ラック幅が6μm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記各磁気ヘッドブロックの間隔が30
    0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記各磁気ヘッドブロックにおける上記
    磁気記録媒体摺動方向の寸法が5mm以上であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記各磁気ヘッドブロックの砥石進入側
    最端部にダミー加工部材を並べて配置することを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ダミー加工部材の上記砥石の進入方
    向の寸法が500μm以上であることを特徴とする請求
    項5記載の磁気ヘッドの製造方法。
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