JP2000344714A - α−アリールカルボン酸アルキルエステルの製造方法 - Google Patents

α−アリールカルボン酸アルキルエステルの製造方法

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JP2000344714A
JP2000344714A JP15153399A JP15153399A JP2000344714A JP 2000344714 A JP2000344714 A JP 2000344714A JP 15153399 A JP15153399 A JP 15153399A JP 15153399 A JP15153399 A JP 15153399A JP 2000344714 A JP2000344714 A JP 2000344714A
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reaction
hydrogen atom
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JP15153399A
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Shuichi Tajima
秀一 田島
Tadasuke Watanabe
宰輔 渡辺
Kazuharu Suyama
和晴 須山
Yasuo Matsumura
泰男 松村
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬品の中間体として使用されるα−アリー
ルカルボン酸アルキルエステルを、転化率と選択性の高
い反応を用いて効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 一酸化炭素による加圧下において、アル
カリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン
化物から選ばれる塩、および遷移金属錯体触媒の存在下
に、ビニル基のα−位に水素原子を有し、かつそのビニ
ル基が芳香族環と共役系を形成しているビニル芳香族炭
化水素を、低級アルコールと反応させてヒドロエステル
化することにより、α−アリールカルボン酸アルキルエ
ステルを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和化合物をヒ
ドロエステル化して、α−アリールカルボン酸アルキル
エステルを効率的に製造する方法に関するものである。
得られたα−アリールカルボン酸アルキルエステルは、
主として医薬品の中間体として使用される。
【0002】
【従来の技術】スチレン、p−メチルスチレン等の共役
二重結合を有する芳香族炭化水素を、一酸化炭素による
加圧下に、触媒の存在下でヒドロエステル化して、α−
アリールカルボン酸アルキルエステルを得る反応は従来
知られており、例えば米国特許第4694100号公報
の他、Angew. Chem., 80, 352 (1968)、Chem. Lett., 7
27 (1976)、J. Chem. Soc. Chem. Comm., 1270 (198
3)、Synlett., 569 (1991)などに記載されている。しか
し、従来の方法は、いずれも多量の希釈剤を用いる反応
によるものであった。多量の希釈剤を使用することは、
反応の選択率を向上させる点では好ましい。しかしなが
ら、限られた大きさの反応容器において多量の希釈剤を
用いれば、1回の反応に仕込む原料の絶対量が少なくな
るため、反応の選択率をいかに向上させても一度に大量
の目的物を得ることは困難である。また、これらの反応
は触媒反応であるため、系を十分に混合するとき多量の
希釈により反応速度が増大することはなく、工業的な生
産において効率よく反応を行うことが困難であった。
【0003】また、プロペンなどの二重結合を有する炭
化水素を、一酸化炭素による加圧下に、塩化リチウムの
ようなアルカリ金属ハロゲン化物を加えた触媒系の存在
下でヒドロエステル化する反応は、分岐したα−メチル
カルボン酸アルキルエステルを得る反応として知られて
おり、例えば J. Mol. Catal., 10, 161 (1981) などに
記載されている。しかしながら、上記文献の方法におい
ては、塩化リチウムの添加により分岐エステルの選択性
は向上するが、一方、転化率は低下しており、また塩化
マグネシウムを添加する場合には選択性が低下する。分
岐したα−アリールカルボン酸アルキルエステルを生産
するには、原料の利用効率や反応生成物の精製の容易さ
などを向上させるために高い選択性を有するとともに、
製造設備を効率よく利用して大量生産を行うために高い
反応性を有することが同時に望まれるが、工業的生産に
おいて十分に高い選択性と反応性を示す製造方法は見出
されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の方法は、目的とするα−アリールカルボン酸アルキ
ルエステルを工業的に得るための十分に高い選択性およ
び反応性を同時に有しているとはいえず、効率良く製造
することができる方法の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、一酸化
炭素による加圧下において、アルカリ金属ハロゲン化物
またはアルカリ土類金属ハロゲン化物から選ばれる塩、
および遷移金属錯体触媒存在下に、ビニル基のα−位に
水素原子を有し、かつそのビニル基が芳香族環と共役系
を形成しているビニル芳香族炭化水素を、低級アルコー
ルと反応させてヒドロエステル化することにより、α−
アリールカルボン酸アルキルエステルを製造する方法に
関するものである。本発明の第2は、本発明の第1にお
いて、ビニル芳香族炭化水素が、スチレン、p−メチル
スチレン、p−イソプロピルスチレン、p−イソブチル
スチレン、m−フェノキシスチレン、6−メトキシ−2
−ビニルナフタレン、m−ビニルフェニルフェニルケト
ン、m−ビニルフェニルフェニルエテンおよびインデン
からなる群から選ばれるいずれかであるα−アリールカ
ルボン酸アルキルエステルを製造する方法に関する。本
発明の第3は、本発明の第1において、p−メチルスチ
レンをヒドロエステル化によりメチルアルコールと反応
させてα−(p−メチルフェニル)プロピオン酸メチルエ
ステルを製造することを特徴とするα−アリールカルボ
ン酸アルキルエステルを製造する方法に関する。本発明
の第4は、本発明の第1において、アルカリ金属ハロゲ
ン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物から選ばれ
る塩が、塩化ナトリウムであるα−アリールカルボン酸
アルキルエステルを製造する方法に関する。
【0006】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明における出発原料は、ビニル基のα−位に水素原
子を有し、かつそのビニル基が芳香族環と共役系を形成
しているビニル芳香族炭化水素である。芳香族炭化水素
としては、縮合または非縮合型のベンゼン環を有するも
の、例えばベンゼンまたはナフタレンが挙げられる。こ
の芳香族環にエテニル基(ビニル基)が置換して共役二
重結合を形成している。またエテニル基のα−位には水
素原子が結合しているが、エテニル基における他の置換
位置には、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル等の低級アルキル基が結合してい
る。さらに、α−位に水素原子を有するエテニル基は、
ベンゼン環と縮合環を形成することもできる。このよう
な縮合に係る化合物の例としては、インデンが挙げられ
る。上記芳香族環には、水素、炭素、酸素、硫黄および
窒素から選ばれるいずれかの元素で構成される基が置換
していてもよい。本発明において用いるビニル芳香族炭
化水素は、具体的には以下の式(1)で表される。
【0007】
【化3】 [式中、R、R、R、RおよびRは同一でも
異なってもよく、それぞれ水素原子または水素、炭素、
酸素、硫黄および窒素から選ばれるいずれかの元素で構
成される置換基であり、隣り合う置換基は相互に環を形
成することができる。RおよびRは水素原子または
アルキル基であり、RはRと環を形成してもよ
い。]
【0008】更に上記式(1)における具体的なR
、R、RおよびRは、それぞれ水素原子、低
級アルキル基、1−フェニルエテニル基、フェノキシ基
またはベンゾイル基であり、隣り合う置換基は相互に環
を形成することができる。R 〜 Rは、互いに同一
でもまた異なってもよい。本発明で用いるビニル芳香族
炭化水素として、具体的にはスチレン、p−メチルスチ
レン、p−イソプロピルスチレン、p−イソブチルスチ
レン、m−フェノキシスチレン、6−メトキシ−2−ビ
ニルナフタレン、m−ビニルフェニルフェニルケトン、
m−ビニルフェニルフェニルエテン、4−(2−オキソ
シクロペンタン−1−イルメチル)スチレン(下記式
(1a)に示す)、4−(1−アルコキシカルボニル−
2−オキソシクロペンタン−1−イルメチル)スチレン
(下記式(1b)に示す)、インデンなどが例として挙
げられる。
【0009】
【化4】 [式中、Rは低級アルキル基、主としてメチル基または
エチル基である。]
【0010】上記不飽和芳香族炭化水素に、一酸化炭素
の存在下で低級アルコールを反応させてヒドロエステル
化することにより、ビニル基の二重結合に水素原子を付
加して単結合に変換するとともに、ビニル基のα−位の
水素原子をアルコキシカルボニル基に置換する。したが
って、得られる化合物はα−アリールカルボン酸アルキ
ルエステルである。具体的には、次の式(2)で表され
るα−アリールカルボン酸アルキルエステルが得られ
る。
【0011】
【化5】 [式中、R、R、R、R、R、RおよびR
の定義は、前記式(1)と同じである。Rは低級アル
キル基である。]
【0012】具体的なα−アリールカルボン酸アルキル
エステルとしては、α−フェニルプロピオン酸のメチ
ル、エチル等のアルキルエステル、α−(p-メチルフェ
ニル)プロピオン酸のメチル、エチル等のアルキルエス
テル、α−(p−イソプロピルフェニル)プロピオン酸の
メチル、エチル等のアルキルエステル、α−(p−イソ
ブチルフェニル)プロピオン酸(イブプロフェン)のメ
チル、エチル等のアルキルエステル、α−(m−フェノ
キシフェニル)プロピオン酸(フェノプロフェン)のメ
チル、エチル等のアルキルエステル、α−(6−メトキ
シ−2−ナフチル)プロピオン酸(ナプロキセン)のメ
チル、エチル等のアルキルエステル、α−(m−ベンゾ
イルフェニル)プロピオン酸(ケトプロフェン)のメチ
ル、エチル等のアルキルエステル、α−(m−(1−フェ
ニルエテニル)フェニル)プロピオン酸のメチル、エチ
ル等のアルキルエステル、2−(4−(2−オキソシクロ
ペンタン−1−イルメチル)フェニル)プロピオン酸(ロ
キソプロフェン)のメチル、エチル等のアルキルエステ
ル、2−(4−(1−アルコキシカルボニル−2−オキソ
シクロペンタン−1−イルメチル)フェニル)プロピオン
酸のメチル、エチル等のアルキルエステル、1−インダ
ンカルボン酸のメチル、エチル等のアルキルエステルな
どである。
【0013】本発明において反応に用いる触媒は、遷移
金属錯体であって、具体的にはパラジウム、ロジウム、
イリジウムなどの遷移金属の錯体であり、好ましくはパ
ラジウム錯体である。これらの遷移金属は、ハロゲン原
子、三価のリン化合物、あるいはカルボニル錯化合物を
形成する一酸化炭素などを配位子として含有するものが
用いられる。遷移金属、例えばパラジウムは、0〜2価
のものが使用される。触媒の具体例としては、ビストリ
フェニルホスフィンジクロロパラジウム、ビストリ(2
−フリル)ホスフィンジクロロパラジウム、ビストリブ
チルホスフィンジクロロパラジウム、ビストリシクロヘ
キシルホスフィンジクロロパラジウム、π−アリルトリ
フェニルホスフィンジクロロパラジウム、トリフェニル
ホスフィンピペリジンジクロロパラジウム、ビスベンゾ
ニトリルジクロロパラジウム、ビスシクロヘキシルオキ
シムジクロロパラジウム、1,5,9−シクロドデカトリ
エン−ジクロロパラジウム、ビストリフェニルホスフィ
ンジカルボニルパラジウム、ビストリフェニルホスフィ
ンパラジウムアセテート、ビストリフェニルホスフィン
パラジウムナイトレート、ビストリフェニルホスフィン
パラジウムサルフェート、テトラキストリフェニルホス
フィンパラジウムなどが挙げられる。
【0014】触媒は錯体として反応系に供給して使用す
ることもでき、また、遷移金属化合物および配位子とな
る化合物を別個に反応系に供給し、反応系内において錯
体を形成させて使用することもできる。触媒の使用量
は、本発明で用いる前記ビニル芳香族炭化水素1モルに
対して、0.0001〜0.5モル、好ましくは0.00
1〜0.1モルである。また、配位子となる化合物の添
加量は、パラジウム、ロジウム、イリジウムなど錯体の
核となり得る遷移金属1モルに対して0.8〜10モ
ル、好ましくは1〜4モルである。
【0015】本発明における反応は、アルカリ金属ハロ
ゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物から選ば
れる塩の存在下で行うことが必要である。塩の構成元素
であるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウム、セシウムなどが挙げられ、好ま
しくは、リチウムおよびナトリウムである。同様に、ア
ルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げら
れ、好ましくは、マグネシウムおよびカルシウムであ
る。更に、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素が挙げられ、好ましくは、塩素および臭素である。
【0016】塩の具体例としては、塩化ナトリウム、塩
化リチウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム、臭化カリウ
ム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、フッ化ナトリ
ウム、ヨウ化ナトリウムなどが挙げられる。好ましく
は、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩
化カルシウムおよび塩化マグネシウムである。特に好ま
しいものとして、塩化ナトリウムが挙げられる。塩化ナ
トリウムは、反応性を向上させる効果が大きいばかりで
なく、潮解性が無いためにハンドリングが容易であり、
かつ安全であってしかも安価に容易に入手することがで
きる。
【0017】塩は触媒と同時に反応系に供給して使用す
ることができる。この場合、少なくとも塩、触媒および
アルコールの存在下で系内を10分間以上攪拌してから
反応を行うことが好ましい。また、遷移金属化合物およ
び配位子となる化合物を別個に反応系に供給し、反応系
内において活性種を形成して使用する際には、塩を予め
供給してもよく、または遷移金属化合物と同時にもしく
は配位子となる化合物と同時に、または最後に供給する
こともできる。好ましくは、あらかじめ塩と遷移金属化
合物とを、アルコールをはじめとする極性有機溶剤中で
溶解して均一溶液とした後、その中へ配位子となる化合
物を供給し、反応系内において活性種を形成させて使用
する。また、この場合、塩と遷移金属化合物が予め結合
している化合物、例えば、テトラクロロパラジウム酸ナ
トリウム、テトラクロロパラジウム酸カリウム、テトラ
クロロパラジウム酸リチウムなどをアルコールをはじめ
とする極性有機溶剤に溶解して用いてもよい。
【0018】塩は、通常1種類を選択して用いるが、2
種類以上の塩を任意の割合で混合して用いてもよい。塩
の添加量は、パラジウム、ロジウム、イリジウムなど錯
体の核となり得る遷移金属1モルに対して、アルカリ金
属ハロゲン化物の場合は1〜20モル、好ましくは1.
6〜8モルであり、アルカリ土類金属ハロゲン化物の場
合は0.5〜10モル、好ましくは0.8〜4モルであ
る。
【0019】ヒドロエステル化反応は、温度40〜20
0℃、好ましくは70〜140℃で行う。一酸化炭素の
分圧は2〜20MPa、好ましくは2.5〜10MPaの
範囲とすることができる。反応の全圧としては、反応相
を液相に保つのに十分な大きさであればよい。反応時間
は、0.1〜100時間の範囲から適宜に選択すること
ができる。
【0020】ビニル基のα−位に水素原子を有し、かつ
そのビニル基が芳香族環と共役系を形成しているビニル
芳香族炭化水素を、任意のアルキル基を有する低級アル
コールと反応させた場合、ヒドロエステル化反応によ
り、前記式(2)に示すα−アリールカルボン酸の低級
アルコールエステルが生成し、例えばメチルアルコール
を用いればα−アリールカルボン酸メチルエステルが得
られる。ヒドロエステル化反応に用いる低級アルコール
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコールおよびイソブチルアルコールなどの炭素数
1〜4の低級アルコールが挙げられる。好ましくはメチ
ルアルコールを用いる。なお、低級アルコールは、前記
ビニル芳香族炭化水素に対して等モル以上の割合で添加
する。
【0021】本発明の方法においては希釈溶媒を用いる
ことができる。希釈溶媒としては、芳香族炭化水素、脂
肪族炭化水素、エーテル類、ケトン類、エステル類など
が挙げられる。具体例としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、アセトニトリルなどを挙げることがで
きる。また目的物であるα−アリールカルボン酸アルキ
ルエステルおよび反応終了後の反応液等も希釈溶媒とし
て用いることができる。そのほか、反応基質自体を反応
溶媒とすることもできる。例えば、ヒドロエステル化に
おいてアルコールを過剰に用いることにより、特に希釈
溶媒を使用せずに反応を進行させることができる。
【0022】反応の終了後、反応液に溶存している一酸
化炭素を排気する目的で、反応液に不活性ガスを吹き込
むことができる。また触媒は反応物を濾過することによ
って回収することができ、回収された触媒は再度使用す
ることが可能である。上記のように適宜に触媒を分離・
除去した後、好ましくは減圧下で蒸留分離することによ
り、容易に目的化合物であるα−アリールカルボン酸ア
ルキルエステルを得ることができる。得られたα−アリ
ールカルボン酸アルキルエステルに対しては、適宜に公
知の精製手段を施すことができる。なお、α−アリール
カルボン酸アルキルエステルの異性体であるβ−アリー
ルカルボン酸アルキルエステルが副生することがあり、
これは異性体であるために簡便な手段である蒸留等によ
って分離することは困難な場合がある。このような場合
には、高純度の目的化合物を得るために、再結晶化等の
高度な精製手段を繰り返し行うことが必要なこともあ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳しく説明する。
【実施例】<実施例1>内容積200mlのオートクレ
ーブにビストリフェニルホスフィンジクロロパラジウム
0.594g、塩化ナトリウム 0.099g、メチルア
ルコール20.3gを入れ、2時間攪拌を行った。p−
メチルスチレン 50.0g、トルエン 50.0gを加
え、攪拌しながら90℃に昇温し、一酸化炭素で3.0
MPaに加圧した。圧力を維持することにより6時間反
応を行った。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフ
ィー(以下「GC」と略す)およびゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(以下「GPC」と略す)により
分析を行ったところ、表1に記載の結果を得た。表1に
おいて、「転化率」はp−メチルスチレンの転化した割
合(百分率)を、「選択率」は反応生成物中の目的化合
物(下式(2a)に示す)の割合(モル百分率)を示
す。なお、目的化合物の他に副生成物として、β−(p
−メチルフェニ)プロピオン酸メチルエステル(下式
(3)に示す)およびp−メチル−(1−メトキシエチ
ル)ベンゼン(下式(4)に示す)などの化合物、およ
びより高い分子量の化合物(構造未確認)が認められ
た。
【0024】
【化6】
【0025】<実施例2〜6>50mlナスフラスコに
塩化パラジウム 0.150g、パラジウム1モルに対し
2.0ないし2.1モルの塩(表1参照)、メチルアルコ
ール 6.8gを入れ、室温で4〜5時間攪拌し、茶色透
明のパラジウム溶液を得た。これを室温で攪拌しなが
ら、トリフェニルホスフィン 0.466gをトルエン
6.8gに溶解した液体を加えると、ただちに黄色の錯
体が析出した。内容積200mlのオートクレーブに錯
体の懸濁液を移し、p−メチルスチレン 50.0g、メ
チルアルコール 13.5gおよびトルエン 43.2gを
入れた後、攪拌しながら90℃に昇温し、一酸化炭素で
3.0MPaに昇圧した。圧力を維持することにより6時
間反応を行った。反応終了後、反応液をGCおよびGP
Cにより分析した。結果を表1に示す。
【0026】<実施例7>内容積200mlのオートク
レーブに塩化パラジウム 0.150g、トリフェニルホ
スフィン 0.466g、塩化ナトリウム 0.105g、
p−メチルスチレン 50.0g、メチルアルコール 2
0.3gおよびトルエン 50.0gを入れた後、攪拌し
ながら90℃に昇温し、一酸化炭素で3.0MPaに昇圧
した。圧力を維持することにより6時間反応を行った。
反応終了後、反応液をGCおよびGPCにより分析し
た。結果を表1に示す。
【0027】<比較例1>内容積200mlのオートク
レーブにp−メチルスチレン 50.0g、メチルアルコ
ール 20.5g、トルエン 50.0g、ビストリフェニ
ルホスフィンジクロロパラジウム 0.599gを入れ、
攪拌しながら90℃に昇温し、一酸化炭素で3.0MPa
に加圧した。圧力を維持することにより6時間反応を行
った。反応終了後、反応液をGCおよびGPCにより分
析した。結果を表1に示す。なお、各実施例および比較
例において反応速度の比較を行うために、反応はいずれ
も6時間で終了した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例3において反応を12時間継続した
ところ、転化率は99.1%、選択率は76.3モル%に
向上した。これに対し、比較例1の反応を12時間行っ
たところ、転化率は71.8%にとどまった。比較例と
比べて、本発明による各実施例では転化率が大きく、ま
た選択率も高い値を示す。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術に比べ比較的
低い圧力において、反応速度が大きく、かつ選択性の高
い反応を行うことにより、効率よく大量に目的物を得る
ことができる。設備投資や装置の利用効率、原材料費な
どの面からも十分に効率的な工業的製造方法を可能にし
たものであり、しかも、目的化合物の異性体の生成割合
が低く、精製が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AC48 BA22 BA24 BA25 BC11 BE40 BE61 BJ50 BS10 KA34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素による加圧下において、アル
    カリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン
    化物から選ばれる塩、および遷移金属錯体触媒の存在下
    に、ビニル基のα−位に水素原子を有し、かつ該ビニル
    基が芳香族環と共役系を形成しているビニル芳香族炭化
    水素を、低級アルコールと反応させてヒドロエステル化
    することにより、α−アリールカルボン酸アルキルエス
    テルを製造する方法。
  2. 【請求項2】 一酸化炭素による加圧下において、アル
    カリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン
    化物から選ばれる塩、および遷移金属錯体触媒の存在下
    に、下記式(1)で表される不飽和芳香族炭化水素を、
    低級アルコールと反応させてヒドロエステル化すること
    により、下記式(2)で表されるα−アリールカルボン
    酸アルキルエステルを製造する方法。 【化1】 [式中、R、R、R、RおよびRは同一でも
    異なってもよく、それぞれ水素原子または水素、炭素、
    酸素、硫黄および窒素から選ばれるいずれかの元素で構
    成される置換基であり、隣り合う置換基は相互に環を形
    成することができる。RおよびRは水素原子または
    アルキル基であり、RはRと環を形成してもよ
    い。] 【化2】 [式中、R、R、R、R、R、RおよびR
    の定義は、前記式(1)と同じである。Rは低級アル
    キル基である。]
  3. 【請求項3】 前記式(1)および(2)において、R
    、R、R、R およびRは同一でも異なっても
    よく、それぞれ水素原子、低級アルキル基、1−フェニ
    ルエテニル基、フェノキシ基またはベンゾイル基であ
    り、隣り合う置換基は相互に環を形成することができ
    る、請求項2に記載のα−アリールカルボン酸アルキル
    エステルを製造する方法。
  4. 【請求項4】 前記式(1)で表される不飽和芳香族炭
    化水素が、スチレン、p−メチルスチレン、p−イソプ
    ロピルスチレン、p−イソブチルスチレン、m−フェノ
    キシスチレン、6−メトキシ−2−ビニルナフタレン、
    m−ビニルフェニルフェニルケトン、m−ビニルフェニ
    ルフェニルエテンおよびインデンからなる群から選ばれ
    るいずれかである請求項1または2に記載のα−アリー
    ルカルボン酸アルキルエステルを製造する方法。
  5. 【請求項5】 p−メチルスチレンをヒドロエステル化
    によりメチルアルコールと反応させてα−(p−メチル
    フェニル)プロピオン酸メチルエステルを製造すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のα−アリールカ
    ルボン酸アルキルエステルを製造する方法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ金属ハロゲン化物またはア
    ルカリ土類金属ハロゲン化物から選ばれる塩が、塩化ナ
    トリウムである請求項1または2に記載のα−アリール
    カルボン酸アルキルエステルを製造する方法。
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