JP2000345335A - スパッタ成膜装置およびスパッタ膜形成方法 - Google Patents

スパッタ成膜装置およびスパッタ膜形成方法

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JP2000345335A JP11153603A JP15360399A JP2000345335A JP 2000345335 A JP2000345335 A JP 2000345335A JP 11153603 A JP11153603 A JP 11153603A JP 15360399 A JP15360399 A JP 15360399A JP 2000345335 A JP2000345335 A JP 2000345335A
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sputter
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英和 鈴木
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲットの背面に揺動式マグネトロン磁気
回路を備えたスパッタ成膜装置等でターゲット表面にお
けるノジュールの形成を低減し、これによりターゲット
表面を初期状態に戻す必要性をなくし、装置の稼働率を
高め、生産性向上に寄与する。 【構成】 基板42に対向するターゲット20と、ター
ゲット背面に設けられるマグネトロン磁気回路24を備
え、マグネトロン磁気回路を1方向に揺動させ、基板表
面にスパッタ成膜を行う。マグネトロン磁気回路でター
ゲット表面上に作られるスパッタ能力を持つプラズマ領
域7によって、ターゲットの表面の各部位がスパッタエ
ッチングされる時間が連続して1秒以上であるように、
マグネトロン磁気回路の揺動速度を制御する制御回路2
72を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスパッタ成膜装置お
よびスパッタ膜形成方法に関し、特に、基板に対向させ
て配置したマグネトロン磁気回路を少なくとも1つ有
し、このマグネトロン磁気回路を遅い速度で揺動させる
ことにより基板の表面にスパッタ成膜を行うスパッタ成
膜装置およびスパッタ膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マグネトロンカソードを用いた例
えばインライン型スパッタ成膜装置が知られている(例
えば特開平7−18435号公報)。このスパッタ成膜
装置の基本構成を概説する。
【0003】このスパッタ成膜装置では、基板に成膜を
行うスパッタ成膜チャンバ内に複数のマグネトロンカソ
ードを備える。各マグネトロンカソードでは、一般的
に、搬送されてくる基板に対向できるように正面にター
ゲットを配置している。ターゲットは水冷されたバッキ
ングプレートにボンディングされ、カソードボディに取
り付けられている。カソードボディの裏面には凹所が形
成されている。この凹所には、マグネトロン磁気回路
が、所要の振幅で基板搬送方向と同じ方向に揺動可能に
設けられている。マグネトロン磁気回路は、ターゲット
の背面に位置し、ターゲットの表面側に磁場を作り、タ
ーゲット表面上において、磁場によりプラズマを閉じ込
めた状態で発生させる領域を形成する。マグネトロン磁
気回路を揺動させるのは、プラズマからの荷電粒子によ
るスパッタエッチングで形成されるターゲットの表面上
のエロージョン部をこの表面上で移動させ、ターゲット
の利用効率を高めるためである。マグネトロン磁気回路
を揺動させる機構としては、機構学上でよく知られる、
円運動を往復運動に変換する単振動揺動機構が一般的で
ある。単振動揺動機構における揺動速度は、マグネトロ
ン磁気回路が揺動方向を変更する端部で最も遅く、マグ
ネトロンカソードのほぼ中心で最も速くなるという特性
を有している。
【0004】マグネトロン磁気回路を特定方向(基板搬
送方向)に揺動(往復運動)させるスパッタ成膜装置に
おいて、一般的に、マグネトロン磁気回路の揺動方向に
おけるターゲットの長さは、マグネトロン磁気回路が静
止している場合にターゲットがスパッタエッチングされ
て形成されるエロージョン部の揺動方向長さに比べて長
くなるように決められている。このエロージョン部の面
積的な大きさは、マグネトロン磁気回路が作る磁力線に
よってターゲット表面上に閉じ込められて生成されるプ
ラズマの領域的大きさに対応している。ここでターゲッ
ト表面のエロージョン部を決めるスパッタ能力を有する
プラズマの領域をエロージョン実行領域と定義する。マ
グネトロン磁気回路を静止させていると、ターゲットの
表面の全般的に使用できないので、上記のごとく、マグ
ネトロン磁気回路を特定方向に揺動させる。マグネトロ
ン磁気回路が揺動するに伴って、ターゲットの表面の上
で揺動方向に上記エロージョン実行領域が揺動し、ター
ゲットの表面上の各部位は、エロージョン実行領域が通
過する間、スパッタエッチングされる。実際上、ターゲ
ットの表面上の各部位は、エロージョン実行領域が揺動
方向に往復運動するので、エロージョン実行領域が繰り
返し通過し、エロージョン実行領域が通過するたびに不
連続にスパッタエッチングされることになる。一方、タ
ーゲットの表面上の各部位を空間的に連続するエロージ
ョン実行領域が1回通過するとき、ターゲットの表面上
の各部位がスパッタエッチングされる時間は、エロージ
ョン実行領域が当該各部位を通過するのに要する時間と
等しい。つまり、ターゲットの各部位が、揺動方向にお
いて空間的に連続するエロージョン実行領域によってス
パッタエッチングされるとき、そのスパッタエッチング
に必要な時間Tは、マグネトロン磁気回路の揺動速度を
v、エロージョン実行領域の揺動方向の長さ(すなわち
エロージョン部の揺動方向の長さ)をwとすると、T=
w/vという式で与えられる。この時間Tを「連続的ス
パッタエッチング時間」と呼ぶことにする。従来のスパ
ッタ成膜装置において、時間Tは、膜厚の均一性を高め
るために、0.26秒程度という比較的に短い時間に設
定されていた。換言すれば、従来のスパッタ成膜装置よ
れば、マグネトロン磁気回路の揺動速度は、比較的に高
速に設定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のスパッタ成膜装
置では、ターゲットの表面の各部位の連続的スパッタエ
ッチング時間Tが短いため、次のような問題があった。
【0006】図9〜図14を参照して問題を説明する。
従来のスパッタ成膜装置では、マグネトロン磁気回路お
よびプラズマは、ターゲットの表面を少なくとも1つの
運動方向に揺動している。図9は、従来のスパッタ成膜
装置におけるマグネトロン磁気回路の揺動速度の位置依
存性の代表例を示す。図12は、時刻t1においてター
ゲット20の表面がスパッタエッチングされている状態
を示している。ターゲット20の背面に揺動可能なマグ
ネトロン磁気回路(永久磁石)24が配置され、これに
よりターゲット20の表面側に閉じた磁力線6に基づく
磁場が形成される。磁力線6によって形成された閉じら
れた空間内にプラズマ7が生成されている。プラズマ7
によって前述したエロージョン実行領域が作られる。プ
ラズマ7によるエロージョン実行領域は、図12で上か
ら見ると、全体として環状の形状を有しているが、図1
2において、ターゲット20の表面上に形成されるエロ
ージョン部20aとの関係で、揺動方向にて連続する長
さwの幅を有する部分が個々にエロージョン実行領域と
なる。エロージョン部20aでは、真上に存在するプラ
ズマ7すなわちエロージョン実行領域によってスパッタ
エッチングが進行する。マグネトロン磁気回路24の揺
動に伴って、プラズマ7もターゲット表面上を移動し、
これに伴ってスパッタエッチングされるエロージョン部
20aも移動する。
【0007】またターゲット20の表面において、エロ
ージョン部20aの周りの非エロージョン部には、図1
2に示すように、再付着粒子81が堆積している。
【0008】次に、図13に、時刻t2(t2>t1)
においてターゲット20の表面がスパッタエッチングさ
れる状態を示す。時刻t1の時に非エロージョン部であ
った部位92の直上にプラズマ7が移動してくることに
より、スパッタエッチングされるエロージョン部とな
る。部位91は時刻t1のときにエロージョン部に相当
する。部位92において堆積していた再付着粒子81の
一部はスパッタエッチングされる。しかし、すべての再
付着粒子81をスパッタエッチングするには時間が足り
ず、時刻t1の時に非エロージョン部であった部位92
には再付着粒子81が残る。この残った再付着粒子81
は或る一定時間が経過すると、プラズマ7により加熱さ
れ変質し、スパッタエッチングされにくい再付着粒子の
変質物82に変わる。ターゲット20の表面のスパッタ
エッチングが長時間進行すると、図14に示すごとくタ
ーゲット20の表面は掘り込まれるが、上記現象が繰り
返されることにより、スパッタエッチングされにくい物
質が付着した部位は掘り込まれず、残ることになる。こ
の掘れ残り83が「ノジュール」と呼ばれるものであ
る。ノジュールはターゲット20の利用効率を悪化させ
る。
【0009】従来のスパッタ成膜装置では、ターゲット
20の表面の各部位の連続的スパッタエッチング時間T
(=w/v)が0.26秒程度であったので、ノジュー
ルが形成されることにより、35%程度のターゲット利
用効率しか得ることができなかった。
【0010】またノジュールはスパッタエッチングされ
にくいので、ターゲットの表面にノジュールが形成され
ると、投入電力量の増加に従って成膜速度は低下するこ
とになる。図10の×で示された特性52は、従来のス
パッタ成膜装置における成膜速度の投入電力量依存性を
表している。投入電力量の増加に従って成膜速度が低下
するので、基板に同じ膜厚の膜を付着させるためには、
適時に投入電力の補正を行わなければならない。
【0011】さらに、基板にIn−Sn−O系透明導電
膜(以下ITO膜と記す)を、Arガスと酸素ガスを用
いてスパッタ成膜する場合のように、導入される反応ガ
スの流量に対して膜特性が最適値をとるように薄膜を形
成する場合には、投入電力が変化すると、反応性ガスの
最適導入量も変化する。故に、ターゲットの表面にノジ
ュールが形成されて成膜速度が低下し、基板に同じ膜厚
の膜を付着させるために投入電力の補正を行った場合
は、最適な膜特性を得るため、反応性ガスである酸素ガ
スの導入量も補正しなければならない。
【0012】さらに、ノジュールはターゲットに比べて
比抵抗が高いため、プラズマから照射される荷電粒子が
帯電しやすい。帯電量が或る一定以上になると、この荷
電粒子はアークとなってプラズマ中に放出され、ターゲ
ットの対向側にある基板に外観損傷を与えるという問題
点があった。図11の×で示された特性54は、従来の
スパッタ成膜装置におけるアーク回数の投入電力量依存
性を表している。
【0013】また上記アークはプラズマの化学状態を変
える。ITO膜をArガスと酸素ガスを用いて反応性ス
パッタ成膜する場合のように、ITO膜に取り込まれる
酸素ガスの量に対して膜特性が最適値を取るような薄膜
を形成する場合には、アークが発生しプラズマの化学状
態が変わることにより、ITO膜に取り込まれる酸素ガ
スの量が変わり、膜質が悪化するという問題点があっ
た。
【0014】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、ターゲット背面に揺動式マグネトロン磁気回
路を備えたスパッタ成膜装置およびスパッタ膜形成方法
において、ターゲット表面におけるノジュールの形成を
低減し、これによりターゲット表面を初期状態に戻す必
要性をなくし、装置の稼働率を高め、生産性向上に寄与
する構成および方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、上
記目的を達成するため、次のように構成される。
【0016】本発明に係るスパッタ成膜装置は、スパッ
タ成膜チャンバ内に存在する基板に対して対向するよう
に配置されるターゲットと、このターゲットの背面に設
けられるマグネトロン磁気回路とを備えており、かつマ
グネトロン磁気回路を少なくとも1つの方向に揺動さ
せ、基板の表面にスパッタ成膜を行うように構成され
る。スパッタ成膜装置は、さらに、マグネトロン磁気回
路に基づきターゲットの表面上に作られるスパッタ能力
を持つプラズマ領域、すなわちマグネトロン磁気回路に
よる磁場で閉じ込められたプラズマによりターゲット表
面にスパッタエッチングを行う領域が、ターゲットの表
面の各部位を通過するとき、各部位がプラズマ領域の中
に連続して滞在する時間が1秒以上であるように、マグ
ネトロン磁気回路の揺動速度を制御する制御手段を備え
ている。ターゲット表面の各部位がプラズマ領域中に連
続して滞在する時間が1秒以上であるとき、当該各部位
が連続してスパッタエッチングされる時間、すなわち前
述の連続的スパッタエッチング時間Tは1秒以上とな
る。
【0017】また本発明に係るスパッタ膜形成方法は、
上記本発明に係るスパッタ成膜装置で実施される方法で
あり、基板に対向するように配置されたターゲットの背
面に設けられるマグネトロン磁気回路を少なくとも1つ
の方向に揺動させ、基板の表面にスパッタ成膜を行う方
法において、マグネトロン磁気回路に基づきターゲット
の表面上に作られるスパッタ能力を持つプラズマ領域が
ターゲットの表面の各部位を通過するとき、各部位がプ
ラズマ領域の中に連続して滞在する時間が1秒以上とな
るように、マグネトロン磁気回路を揺動させる方法であ
る。
【0018】従来の揺動式マグネトロン磁気回路を備え
るスパッタ成膜装置では、ノジュールの問題よりも膜厚
ムラを低減させることを優先目的としてマグネトロン磁
気回路の揺動動作を制御するようにしていたため、マグ
ネトロン磁気回路の揺動速度は可能な限り高速(例えば
時間Tが0.26秒程度)で行うように設定されてい
た。これに対して、近年では、ノジュールの問題が重視
されてきたため、膜厚ムラとの整合を図りつつ、ノジュ
ール問題を解消することのできる最適な揺動速度の設定
が可能になった。また従来では、マグネトロン磁気回路
の揺動速度を低速にするとノジュールがより多く発生す
ると考えられていたので、マグネトロン磁気回路の揺動
をゆっくり行うという発想が存在しなかった。かかる状
況に対して本発明では、ノジュール問題を解消できる最
適な揺動速度を低速の領域で見出した。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明の実施形態であるインライ
ン型スパッタ成膜装置を示し、装置を上から見てその内
部構成を示している。まずスパッタ成膜装置の基本的な
構成を説明する。以下の説明で、図12〜図14で説明
した要素と同一の要素には同一の符号を付している。
【0021】図1で、スパッタ成膜装置を構成するロー
ドロックチャンバ100とスパッタ成膜チャンバ200
とアンロードロックチャンバ300は、各々ゲートバル
ブ402,403で区切られて直列に配置されている。
スパッタ成膜チャンバ200の両側側壁(図1中、上下
の壁部)には、本発明の特徴であるマグネトロンカソー
ド2a〜2dが設けられている。ロードロックチャンバ
100とアンロードロックチャンバ300は図示しない
ドライポンプで排気され、スパッタ成膜チャンバ200
はクライオポンプ5a〜5dで排気されている。スパッ
タ成膜チャンバ200において、例えば2組のトレイ4
1に装着された例えば計4枚の基板42が、図1中左側
から右側に向かって図示しないトレイ搬送機構によって
連続的に搬送される。基板42は、搬送中に対応するマ
グネトロンカソード2a〜2dによってスパッタ成膜さ
れる。なお、401は基板42を搬入する入口バルブ、
404は基板42を搬出する出口バルブである。矢印4
05は基板搬送方向を示している。
【0022】図2は、図1のスパッタ成膜装置における
マグネトロンカソード2a〜2dの平面概略図である。
マグネトロンカソードはIn2 3 に10重量%のSn
2を混入したITOターゲット20を有し、このター
ゲット20は水冷されたバッキングプレート21にボン
ディングされカソードボディ22に取り付けられてお
り、カソードボディ22は絶縁用のテフロン板23を介
してスパッタ成膜チャンバの壁201に取り付けられて
いる。バッキングプレート21の背面側にはマグネトロ
ン磁気回路24が設けられ、このマグネトロン磁気回路
24にはクランク棒25を介して円盤26が接続され
る。円盤26に接続されたモータ271が一方向に回転
運動することにより円盤26が回転し、マグネトロン磁
気回路24は基板搬送方向に矢印(振幅)241に示す
ごとく揺動する。モータ271には制御回路272が取
り付けられており、マグネトロン磁気回路24の揺動速
度を決めるモータ271の回転数を制御する機構となっ
ている。マグネトロン磁気回路24によりターゲット2
0の表面側に閉じた磁力線6に基づく磁場が形成され
る。磁力線6によって形成された閉じられた空間内にプ
ラズマ7が生成される。プラズマ7は、ターゲット20
の表面をスパッタエッチングする能力(スパッタ能力)
を有し、ターゲット表面の対応する部分にエロージョン
部を形成し、エロージョン実行領域として作用する。プ
ラズマ7によるエロージョン実行領域は、図中上から見
た全体形状としては、環状の形状を有している。図3に
おいて、エロージョン実行領域の平面形状の一例を示
す。この図で、24aは中心磁石、24bは外周磁石で
あり、これらの磁石は上記のマグネトロン磁気回路24
を形成している。プラズマ7は中心磁石24aと外周磁
石24bの間の空間に生成され、その結果、全体として
図に示す7Aのごとき環状のエロージョン実行領域が形
成される。このエロージョン実行領域7Aは、さらに分
けて見ると、図3にて、上側直線部71と下側直線部7
2と左右両側曲線部73からなっている。この実施形態
では、後述するごとく、揺動方向に対して直交しかつタ
ーゲット20の表面の各部位に対して前述の連続的スパ
ッタエッチング時間Tを定める直線部71,72の各々
が、揺動方向の長さwを有するエロージョン実行領域と
して個別に重視される。
【0023】また28はターゲット20へ直流電界を印
加する直流電源である。また29はガス導入機構であ
る。ガス導入機構29では、291はスパッタ成膜チャ
ンバ内へ開口したガス導入ノズルで、スパッタガス源を
なすArガスボンベ294および反応性ガス源をなす酸
素ガスボンベ295にそれぞれマスフローコントローラ
292,293を介して接続され、スパッタガスとして
のArガスおよび酸素ガスをスパッタ成膜チャンバ20
0内へ導入するようにされている。
【0024】スパッタ成膜チャンバ200には、クライ
オポンプが図示しないコンダクタンスバルブを介して取
り付けられており、ガスの導入流量およびコンダクタン
スバルブの開度を調整することにより、スパッタ成膜チ
ャンバ200内の圧力を調整できるようになっている。
【0025】上記の構成において、制御回路272がモ
ータ271の動作を制御することによりマグネトロン磁
気回路24を揺動させる。マグネトロン磁気回路24の
揺動に伴ってターゲット20の表面上に生成されたプラ
ズマ7がターゲット表面上を往復移動し、ターゲット表
面の各部位は繰り返し不連続にスパッタエッチングされ
る。この場合において、制御回路272は、マグネトロ
ン磁気回路24の揺動速度が比較的に低速になるよう
に、モータ271の回転数を制御する。すなわち、制御
回路272がマグネトロン磁気回路24を揺動させてタ
ーゲット20の表面でプラズマ7を移動させるとき、タ
ーゲット20の表面の各部位を、例えば直線部71によ
るエロージョン実行領域が連続して通過する。直線部7
1によるエロージョン実行領域が通過する間、ターゲッ
ト20の表面の各部位は、当該エロージョン実行領域
(プラズマ)の中に連続して滞在することになる。本実
施形態では、制御回路272に基づいて、この滞在の時
間が1秒以上になるように制御される。換言すれば、前
述の連続的スパッタエッチング時間Tが1秒以上となる
ように、マグネトロン磁気回路24の揺動速度が比較的
に低速に制御される。上記の連続的スパッタエッチング
時間Tに関する特徴は、直線部72によるエロージョン
実行領域に関しても当てはまる。なお時間の上限値は他
の条件によって制限を受けるが、少なくとも1秒は確保
される。
【0026】本実施形態による装置において、ターゲッ
ト20の表面にノジュールが形成されない理由を図4〜
図6を参照して説明する。
【0027】図4は時刻t1においてターゲット20の
表面がスパッタエッチングされている状態を示してい
る。直上にプラズマ7が存在するエロージョン部20a
は図6に示すようにスパッタエッチングが進行する。ま
た、エロージョン部20aの周りの非エロージョン部に
は図4に示すように再付着粒子81が堆積する。図4に
示された2つのプラズマ7は、前述のエロージョン実行
領域7Aの直線部71,72によるエロージョン実行領
域の断面を示している。2つのプラズマ7の各々は揺動
方向の長さwを有している。
【0028】次に図5に時刻t2においてターゲット2
0の表面がスパッタエッチングされる状態を示す。時刻
t1の時に非エロージョン部であった部位92は、直上
にプラズマ7が移動してくることにより、スパッタエッ
チングされるエロージョン部となる。部位91は時刻t
1におけるエロージョン部に対応する部位である。時刻
t1の時に非エロージョン部であった部位92は、マグ
ネトロン磁気回路24の揺動速度を前述のごとく低速に
したため、その直上において十分な時間をかけてプラズ
マ7(直線部72によるエロージョン実行領域)が連続
して移動し、その結果、部位92の各点はプラズマ7中
に前述のごとく連続して1秒以上滞在することになるの
で、時刻t1の時に堆積した再付着粒子81がすべてス
パッタエッチングされ、ターゲット20の表面は図5に
示すように掘り込まれる。これが繰り返され、ターゲッ
ト20の表面のスパッタエッチングが長時間進行する
と、ターゲット20の表面ではノジュールが形成される
ことなく、図6に示すように掘り込まれる。図6で82
は縁部に残るわずかな変質した再付着粒子である。
【0029】具体的な結果(実施例)について説明す
る。ただしノジュールの数については数えるのが困難で
あるため、ノジュールが形成されることにより変化する
ターゲット20の利用効率、アーク回数、および成膜速
度の経時変化の結果について述べる。
【0030】基板42としてガラス基板を用い、膜形成
中の基板42の搬送速度は150mm/分とした。またマ
グネトロン磁気回路24の動きは、単振動揺動とし、モ
ータ271の回転速度は0.10回/秒、円盤26の中
心からクランク棒25の取り付け基部までの距離は65
mm、クランク棒25の長さは270mmとした。図7は実
施形態におけるマグネトロン磁気回路24の揺動速度の
位置依存性である。マグネトロン磁気回路24の揺動速
度はマグネトロンカソード2の中心付近で最も高速とな
り、その揺動速度は40mm/秒であった。直流電源28
による投入電力は2.5W/cm2 とし、この投入電力に
おける静止エロージョンのマグネトロン磁気回路24の
揺動方向における長さは40mmであった。この状態にお
けるターゲット20の表面の各部位の連続的スパッタエ
ッチング時間は1秒以上であった。Arガスの流量は5
00sccmとし、スパッタガス圧力は0.5Paとした。
さらに必要に応じて少量の酸素ガスを導入した。
【0031】図8は、ターゲット20の利用効率の、タ
ーゲット20が連続的にスパッタエッチングされる時間
依存性を示している。ターゲット20が連続的にスパッ
タエッチングされる時間が従来の0.26秒であるスパ
ッタ成膜装置においてターゲット20の利用効率は35
%であったのに対し、ターゲット20が連続的にスパッ
タエッチングされる時間が1秒以上であるスパッタ成膜
装置は、ターゲット20の表面にノジュールが形成され
ないので、ターゲット20の利用効率45%を実現する
ことができた。
【0032】図10は成膜速度の投入電力量依存性を示
している。図10中○で示す特性51が上記実施形態の
動作における成膜速度の投入電力量依存性である。図1
0から明らかなように、上記実施形態の動作によれば、
成膜速度の低下の原因となるノジュールが形成されない
ので、投入電力量300W・hr/cm2 まで成膜速度は
まったく低下しない。
【0033】図11はアーク回数の投入電力量依存性を
示している。図11中○で示す特性53が上記実施形態
の動作におけるアーク回数の投入電力量依存性である。
図11から明らかなように、上記実施形態の動作によれ
ば、アークの原因となるノジュールが形成されないの
で、投入電力量300W・hr/cm2 までまったくアー
クが発生しない。
【0034】なお本発明の装置において、基板搬送速度
に対するマグネトロン磁気回路24の速度の絶対値があ
る一定の値以下になった場合、基板42には基板搬送方
向に膜厚と膜質のムラが発生する。しかし、このムラは
特願平10−66178号に開示された技術によりなく
すことが可能である。
【0035】なお上述した実施形態のスパッタ成膜装置
は、インライン型スパッタ成膜装置であったが、その他
のスパッタ成膜装置、例えば静止した基板にスパッタ膜
を成膜する枚葉型スパッタ成膜装置、バッチ式スパッタ
成膜装置等においても本発明は適用可能である。また、
スパッタ成膜する膜の例としては、上述したITO膜の
他、再付着粒子が原因でノジュールが発生する酸化イン
ジウム(In2 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、カーボ
ン、GeSbTe等においても本発明は適用可能であ
る。
【0036】前述の実施形態では、プラズマの生成に関
し連続放電を想定しているが、パルス放電あるいは間欠
放電を行う場合にも、ターゲット表面のエッチングされ
る各部位が前述の連続的スパッタエッチング時間Tに関
する条件を満たせば、前述の作用・効果を発揮させるこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、マグネトロン磁気回路の揺動速度を低速にしたた
め、ターゲットの表面にノジュールが形成されず、ター
ゲットの利用効率が良く、成膜速度が経時的に変化せ
ず、アークの発生に伴う基板の外観損傷と基板に付着す
るITO膜の膜質が悪化しないという効果が得られる。
さらにノジュールを削り落とす作業をしなくてすむた
め、装置の稼働率が高まり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるスパッタ成膜装置の平
面概略図である。
【図2】マグネトロンカソードの構成を説明する平面概
略図である。
【図3】プラズマに基づくエロージョン実行領域の全体
形状を示す平面図である。
【図4】マグネトロンカソードにおいてターゲットがス
パッタエッチングされる第1の状態を示す図である。
【図5】マグネトロンカソードにおいてターゲットがス
パッタエッチングされる第2の状態を示す図である。
【図6】長時間スパッタエッチングを行ったターゲット
の断面図である。
【図7】マグネトロン磁気回路の揺動速度の位置依存性
である。
【図8】連続的スパッタエッチング時間とターゲットの
利用効率の関係を示すグラフである。
【図9】従来のスパッタ成膜装置におけるマグネトロン
磁気回路の揺動速度の位置依存性を示す図である。
【図10】投入電力量と成膜速度の関係を示すグラフで
ある。
【図11】投入電力量とアーク回数の関係を示すグラフ
である。
【図12】従来のマグネトロンカソードにおいてターゲ
ットがスパッタエッチングされる第1の状態を示す図で
ある。
【図13】従来のマグネトロンカソードにおいてターゲ
ットがスパッタエッチングされる第2の状態を示す図で
ある。
【図14】従来のマグネトロンカソードにおいて形成さ
れるノジュールの断面図である。
【符号の説明】
2a〜2d マグネトロンカソード 5a〜5d クライオポンプ 6 磁力線 7 プラズマ 24 マグネトロン磁気回路 27 円盤 41 トレイ 42 基板 200 スパッタ成膜チャンバ 271 モータ 272 制御回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタ成膜チャンバ内に存在する基板
    に対して対向するように配置されるターゲットと、この
    ターゲットの背面に設けられるマグネトロン磁気回路と
    を備え、前記マグネトロン磁気回路を少なくとも1つの
    方向に揺動させ、前記基板の表面にスパッタ成膜を行う
    スパッタ成膜装置において、 前記マグネトロン磁気回路に基づき前記ターゲットの表
    面上に作られるスパッタ能力を持つプラズマ領域が前記
    ターゲットの表面の各部位を通過するとき、前記各部位
    が前記プラズマ領域の中に連続して滞在する時間が1秒
    以上であるように、前記マグネトロン磁気回路の揺動速
    度を制御する制御手段を備えることを特徴とするスパッ
    タ成膜装置。
  2. 【請求項2】 基板に対向するように配置されたターゲ
    ットの背面に設けられるマグネトロン磁気回路を少なく
    とも1つの方向に揺動させ、前記基板の表面にスパッタ
    成膜を行うスパッタ膜形成方法において、 前記マグネトロン磁気回路に基づき前記ターゲットの表
    面上に作られるスパッタ能力を持つプラズマ領域が前記
    ターゲットの表面の各部位を通過するとき、前記各部位
    が前記プラズマ領域の中に連続して滞在する時間が1秒
    以上であるように、前記マグネトロン磁気回路を揺動さ
    せることを特徴とするスパッタ膜形成方法。
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