JP2000500183A - 非対称ベンゾキサンテン染料 - Google Patents

非対称ベンゾキサンテン染料

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Abstract

(57)【要約】 蛍光染料として有用な種類の非対称ベンゾキサンテン化合物が開示され、これは、構造(I)を有し、ここで、Y1およY2は、個々に、ヒドロキシル、アミノ、イミニウムまたは酸素であり、R1〜R8は、水素、フッ素、塩素、アルキル、アルケン、アルキン、スルホネート、アミノ、アミド、ニトリル、アルコキシ、連結基およびそれらの組合せであり、R9は、アセチレン、アルカン、アルケン、シアノ、置換フェニルおよびそれらの組合せである。本発明は、さらに、非対称ベンゾキサンテン化合物の合成に有用な新規な中間体化合物を包含し、これは、一般構造(II)を有し、ここで、置換基R3〜R7は、上記構造において、同様に参照した置換基に対応し、そしてY2は、ヒドロキシルまたはアミンである。他の局面では、本発明は、上記染料化合物および中間体を合成する方法を包含する。さらに他の局面では、本発明は、この非対称ベンゾキサンテン染料化合物で標識化した試薬を包含し、これには、デオキシヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、ホスホルアミダイトおよびポリヌクレオチドが含まれる。さらに他の局面では、本発明は、このような染料化合物および試薬を使用する方法を包含し、これには、ジデオキシポリヌクレオチド配列決定およびフラグメント解析法が含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 非対称ベンゾキサンテン染料 発明の分野 本発明は、一般に、分子プローブとして有用な蛍光染料化合物に関する。より 詳細には、本発明は、蛍光標識試薬として有用な非対称ベンゾキサンテン染料に 関する。 発明の背景 生物学的分析物の非放射性検出は、現在の分析バイオテクノロジーにおいて、 重要な技術である。放射性標識の必要性をなくすことにより、安全性が高まり、 試薬廃棄物の環境上の影響が著しく低下し、その結果、分析コストが低減される 。このような非放射性検出方法を使用する方法の例には、DNA配列決定、オリゴ ヌクレオチドプローブ法、ポリメラーゼ鎖反応生成物の検出、イムノアッセイな どが包含される。 多くの用途では、混合物中の複数の空間的に重複した分析物の独立した検出、 例えば、単一管の多重DNAプローブアッセイ、イムノアッセイ、多色DNA配列決定 法などが必要である。複数座のDNAプローブアッセイの場合には、多色検出を提 供することにより、反応管の数を減らすことができ、それにより、実験プロトコ ルが簡潔化され、そして適用特異的なキットの製造が促進される。自動化したDN A配列決定の場合には、多色標識化により、単一ラインの4個の塩基全ての分析 が可能となり、それにより、単色法よりも処理能力が増え、レーン間の電気泳動 の可動性の変化に付随した不確実性がなくなる。 多重検出では、特に、電気泳動分離および酵素処理が必要な分析(例えば、DNA 配列決定)に対して、染料標識の選択について、非常に多くの厳しい制約が課せ られている。第1に、有機蛍光染料の典型的な発光バンドの半値幅は、約40〜80 ナノメーター(nm)であり、利用できるスペクトルの幅は、励起光源により制限さ れるので、その発光スペクトルが分光的に分解される一連の染料を見つけるのは 困難である。1組の染料に関連して、本明細書中で使用する「スペクトル分解」 との用語は、これらの染料の蛍光発光バンドが充分に異なること、すなわち、充 分に重なりがないことを意味し、個々の染料が結合している試薬(例えば、ポリ ヌクレオチド)が、米国特許第4,230,558号、第4,811,218号またはWheelessら、2 1〜76ページ、Flow Cytometry:Instrumentation and Data Analysis(Academic Press、New York、1985)に記述の系によって例示されるように、例えば、バンド パスフィルターおよび光電子増倍管、帯電カップルド装置(charged-coupled de vice)、および分光器のシステムを使用する標準的な光検出システムを用いて、 個々の染料により発生する蛍光信号を基準にして、識別できることを意味する。 第2に、たとえ、非重複発光スペクトルを有する染料を見出しても、個々の蛍光 効率が低すぎるなら、そのセットは、依然として、適当ではない。例えば、DNA 配列決定の場合には、試料の充填を多くしても、低い蛍光効率を補填できない(P ringleら、DNA Core Facilities Newsletter、1:15〜21(1988))。第3に、数 個の蛍光染料を同時に使用するとき、これらの染料の吸収バンドが広範囲に分離 するために、同時励起が困難となる。第4に、これらの染料の電荷、分子サイズ および立体配座は、そのフラグメントの電気泳動可動性に悪影響を与えてはなら ない。最後に、これらの蛍光染料は、これらのフラグメントを製造するかまたは 操作するのに使用する化学物質(例えば、DNA合成溶媒および試薬、緩衝液、ポリ メラーゼ酵素、リガーゼ酵素など)と適合性でなければならない。 これらの厳しい制約のために、多色用途(特に、4色DNA配列決定の領域)で使 用できる蛍光染料のセットは、少数発見されているにすぎない(例えば、Smithら 、Nucleic Acids Research、113;2399〜2412(1985);Proberら、Science、238 :336〜341(1987);およびConnellら、Biotechniques、5:342〜348(1987))。図 1は、2種のローダミンベースの染料であるTAMRA(22)およびROX(26)および2種 のフルオレセインベースの染料であるHEX(23)およびNAN(24)を含めて、550 nmを 超えると発光する長波長標識として使用される蛍光キサンテン染料の例を示す。 発明の要旨 本発明は、蛍光染料として有用な種類の非対称ベンゾキサンテン染料を本発明 者が発見したことに関する。 本発明の目的は、複数の空間的に重複した分析物の同時検出に有用な種類の非 対称ベンゾキサンテン染料であって、上記制約を満たし、480 nmと550 nmの間の 波長を有する励起光を照射したとき、550 nmを超える蛍光発光最大を与えるもの を提供することにある。 本発明の他の目的は、複数の空間的に重複した分析物の同時検出に有用な種類 の非対称ベンゾキサンテン染料であって、上記制約を満たし、その蛍光特性が、 種々の位置における置換基の操作により調整できるものを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料の合成に有 用な方法および中間体化合物を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料で標識化し たヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料を含むホス ホロアミデート化合物を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料を使用して 、DNA配列決定法を含めたフラグメント解析法を提供することにある。 第1の局面では、本発明の上述の目的および他の目的は、次式を有する非対称 ベンゾキサンテン染料化合物により、達成される: ここで、Y1およびY2は、別個に、ヒドロキシル、酸素、イミニウム、またはアミ ンである。R1〜R8は、別個に、水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケ ン、低級アルキン、スルホネート、アミノ、アンモニウム、アミド、ニトリル、 アルコキシ、連結基またはそれらの組合せである。そしてR9は、アセチレン、ア ルカン、アルケン、シアノ、置換フェニル、またはそれらの組合せであり、この 置換フェニルは、以下の構造を有する:ここで、X1は、カルボン酸またはスルホン酸であり;X2およびX5は、別個に、水 素、塩素、フッ素、または低級アルキルであり;そしてX3およびX4は、別個に、 水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボン酸、スルホン酸、または連結基で ある。 第2の局面では、本発明は、次式を有するホスホロアミダイト化合物を包含す る: ここで、Xは、スペーサーアーム(spacer arm)であり;Yは、連結基であり;B1 は、亜リン酸エステル保護基であり;B2、およびB3は、別個に、低級アルキル、 低級アルケン、1個と8個の間の炭素原子を有する低級アリール、アリールアル キル、および10個までの炭素原子を含有するシグロアルキルであり;そしてDは 、上記非対称ベンゾキサンテン染料化合物である。YおよびDは、連結基およびそ の相補官能基(complementary functionality)の反応により形成した連結基を 介して結合されており、このような連結基は、R1〜R9位置のうちの1つで、染料 Dに結合している。 第3の局面では、本発明は、次式を有するホスホルアミダイト化合物を包含す る:ここで、B1は、亜リン酸エステル保護基であり、B2およびB3は、別個に、低級ア ルキル、低級アルケン、1個と8個の間の炭素原子を有する低級アリール、アリ ールアルキル、および10個までの炭素原子を含有するシクロアルキルであり;B5 は、酸切断可能なヒドロキシル保護基であり;Bは、ヌクレオチド塩基であり; そしてDは、上記染料化合物である。Bがプリンまたは7-デアザプリンのとき、そ の糖部分は、このプリンまたは7-デアザプリンのN9-位置にて結合しており、Bが ピリミジンのとき、その糖部分は、このピリミジンのN1-位置にて結合している 。BおよびDは、連結基およびその相補官能基の反応により形成した連結基を介し て結合されており、このような連結基は、R1〜R9位置の1個で、Dに結合してい る。Bがプリンである場合、その連結基は、このプリンの8-位置に結合しており 、Bが7-デアザプリンである場合、その連結基は、この7-デアザプリンの7-位置 に結合しており、そしてBがピリミジンである場合、その連結基は、このピリミ ジンの5-位置にて結合している。好ましくは、Bは、ウラシル、シトシン、7-デ アザアデニン、および7-デアザグアノシンからなる群から選択される。 第4の局面では、本発明は、上記非対称ベンゾキサンテン染料の合成で中間体 として有用な化合物を包含し、このような化合物は、次式を有する: ここで、R3〜R7は、上で記述のものと同じであり、そしてY2は、ヒドロキシルま たはアミンである。本局面の特に好ましい実施態様では、R3は、フッ素であり、 そしてY2は、ヒドロキシルである。 第5の局面では、本発明は、本発明の上記非対称ベンゾキサンテン染料で標識 化したヌクレオチドを包含し、このヌクレオチドは、次式を有する: ここで、Bは、7-デアザプリン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド塩基であ る;W1およびW2は、別個に、HまたはOHである;W3は、OH、 であり、そしてDは、本発明の染料化合物である。Bがプリンまたは7-デアザプリ ンのとき、その糖部分は、このプリンまたはデアザプリンのN9-位置にて結合し ており、Bがピリミジンのとき、その糖部分は、このピリミジンのN1-位置にて結 合している。BおよびDを連結している連結基は、R1〜R9位置のうちの1つで、D に結合している。Bがプリンである場合、その連結基は、このプリンの8-位置に 結合しており、Bが7-デアザプリンである場合、その連結基は、この7-デアザプ リンの7-位置に結合しており、そしてBがピリミジンである場合、その連結基は 、このピリミジンの5-位置にて結合している。好ましくは、Bは、ウラシル、シ トシン、デアザアデニンおよびデアザグアノシンからなる群から選択される。 第6の局面では、本発明は、次式を有するヌクレオチドを含有する標識化ポリ ヌクレオチドを包含する:ここで、Bは、7-デアザプリン、プリン、またはピリミジンヌクレオチド塩基で あり;Z1は、HまたはOHであり;Z2は、H、OH、HPO4、およびNucであり、ここで 、「Nuc」は、ヌクレオチドを意味する。このヌクレオシドおよびNucは、ホスホ ジエステル連結基により連結され、この連結基は、Nucの5'-位置に結合している ;Z3は、H、HPO3およびそれらのホスフェートアナログ、およびNucからなる群か ら選択され、ここで、Nucおよびこのヌクレオシドは、ホスホジエステル連結基 により連結されており、この連結基は、Nucの3'-位置に結合している;そしてD は、本発明の染料化合物である。HPO3のホスフェートアナログには、非架橋酸素 を非酸素部分(例えば、イオウ、アミノ、アニリデート、アニリンチオエートな ど)で置き換えたアナログが挙げられる。Bがプリンまたは7-デアザプリンのとき 、その糖部分は、このプリンまたはデアザプリンのN9-位置にて結合しており、B がピリミジンのとき、その糖部分は、このピリミジンのN1-位置にて結合してい る。BおよびDを連結している連結基は、R1〜R9位置の1個で、Dに結合している 。Bがプリンである場合、その連結基は、このプリンの8-位置に結合しており、B が7-デアザプリンである場合、その連結基は、この7-デアザプリンの7-位置に結 合しており、そしてBがピリミジンである場合、その連結基は、このピリミジン の5-位置にて結合している。好ましくは、Bは、ウラシル、シトシン、デアザア デニンおよびデアザグアノシンからなる群から選択される。 第7の局面では、本発明は、本発明の染料を用いたポリヌクレオチド配列決定 方法を包含する。この方法は、第1、第2、第3、および第4のクラスのポリヌ クレオチドの混合物を以下のように形成する工程を包含する:第1のクラスの各 ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシアデノシンを含有し、第1染料で標識 化されている;第2のクラスの各ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシシチ ジンを含有し、第2染料で標識化されている;第3のクラスの各ポリヌクレオチ ドは、3'-末端ジデオキシグアノシンを含有し、第3染料で標識化されている; そして第4のクラスの各ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシチミジンを含 有し、第4染料で標識化されている。この方法では、第1染料、第2染料、第3 染料、または第4染料の1種以上は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料であ る。これらの染料の他のものは、それらが、この非対称ベンゾキサンテン染料か らおよび互いから分光的に分解可能なように、選択される。上記混合物を形成し た後、このポリヌクレオチドは、電気泳動的に分離され、それにより、類似のサ イズのポリヌクレオチドのバンドが形成される。次に、これらのバンドは、これ らの染料に蛍光を起こすことができる照射ビームで照射される。最後に、これら のポリヌクレオチドのクラスは、各バンド中の標識化ポリヌクレオチドの蛍光ス ペクトルにより、同定される。 第8の局面では、本発明は、本発明の染料化合物を使用するフラグメント解析 方法を包含する。この局面の方法は、以下の工程を包含する:標識化ポリヌクレ オチドフラグメントを形成する工程であって、このフラグメントが、本発明の染 料化合物で標識化されている、工程;この標識化ポリヌクレオチドフラグメント を、サイズ依存性分離プロセスに供する工程;およびこの分離プロセスに引き続 いて、この標識化ポリヌクレオチドフラグメントを検出する工程。 本発明の染料は、特に、多色蛍光ベースのDNA配列決定の領域において、複数 の空間的に重複した分析物の同時検出に使用する現在利用可能な染料よりも、少 なくとも7個の重要な利点を提供する。第1に、本発明の染料は、所望のスペク トル特性を有する現在利用可能な染料よりも、DNA合成条件に対して、ずっと安 定である。このDNA合成条件に対する高い安定性により、自動化DNA合成技術(例 えば、標識化PCRプライマー、DNA配列決定プライマーおよびオリゴヌクレオチド ハイブリダイゼーションプローブ)を用いて、標識化オリゴヌクレオチド試薬を ずっと容易に調製することが可能となる。第2に、本発明の染料は、約550 nmを 超える波長範囲で以前に使用されているフルオレセインベースの染料よりも、著 しく光安定性である。第3に、本発明の染料は、青い「肩部」のある吸収スペク トルを有し、それにより、ジベンゾキサンテン染料またはローダミンベースの染 料よりも短い波長で、この染料のより効率的な励起が可能となる。第4に、本発 明の非対称ベンゾキサンテン染料は、分光的に類似のローダミンベースの染料よ りも著しく高い量子収量を有する。第5に、本発明の染料の高い量子収量と相ま って、典型的な光源による高い励起効率により、この染料は、所望のスペクトル 特性を有する現在利用可能な染料よりも、著しく明るくなる。DNA配列決定用途( この場合、分析物の量は、電気泳動負荷因子により制限され、その全蛍光は、数 百の空間的に分離された種に分配されている)の状況では、明度は、特に重要で ある。本明細書中で使用する「明度」とは、最終的な蛍光発光強度に対する、吸 光係数および蛍光量子収量を合わせた効果を意味する。この蛍光標識の明度を高 くすることにより、より大きく数の少ないフラグメントが容易に検出でき、この 電気泳動に充填する必要がある試料が少なくなり、それにより、優れた電気泳動 解像度が得られる。さらに、これらの分析物の高い明度は、高い信号:ノイズ比 に寄与し、空間的かつ分光的に近接した種の改良された解析を生じる。第6に、 本発明の染料の非対称性により、この染料の置換基R1〜R9、特に、そのレゾルシ ノール誘導部分の置換基R1〜R3を変えることにより、これらの染料の発光スペク トルの調整が可能となる。対称ベンゾキサンテン化合物では、1個の等価の置換 基位置だけが利用可能であり、それにより、この染料のスペクトル調整に利用で きる自由度が大きく制限される。第7に、本発明の染料は、安定なホスホロアミ ダイト誘導体に容易に転化され、これは、標識化オリゴヌクレオチドの自動化化 学合成に使用できる。 本発明のこれらの目的および他の目的、特徴および利点は、以下の記載、図面 、および添付の請求の範囲を参照すると、よく理解される。 図面の簡単な説明 図1は、長波長標識(すなわち、550 nmを超えると発光する標識)として以前に 使用されている種々の蛍光染料の構造を示す。 図2Aおよび2Bは、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料の好ましい合成を描写 する。 図3は、本発明の染料で標識化したオリゴヌクレオチドの好ましい合成を示す 。 図4は、TAMRA(22)およびCl-FLAN(2)で標識化したオリゴヌクレオチドの励起 スペクトルを示す。 図5は、TAMRA(22)およびCl-FLAN(2)で標識化したオリゴヌクレオチドの量子 収量の比較を示す。 図6は、TAMRA(22)およびCl-FLAN(2)で標識化したオリゴヌクレオチドの等モ ル発光強度の比較を示す。 図7は、4プレックス(plex)のセットの染料標識化DNA配列決定プライマー のメンバーの蛍光発光スペクトルを示す。 図8は、本発明の2-フルオロ-1,3-ジヒドロキシナフタレン中間体の合成を示 す。 図9は、本発明の染料化合物で標識化したオリゴヌクレオチド配列決定プライ マーを使用したDNA配列決定実験の結果を示す。 図10は、本発明の染料化合物で標識化したオリゴヌクレオチドPCRプライマー を使用したマイクロサテライト分析の結果を示す。 図11は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料の合成の4個の好ましい合成経 路を示す。 図12は、本発明の1-置換3-ヒドロキシナフタレン中間体の合成の3個の好まし い合成経路を示す。 好適な実施態様の詳細な説明 本発明のある好ましい実施態様を、ここで、詳細に言及する。本発明は、その 好ましい実施態様に関連して記述されているものの、それらは、本発明をこれら の実施態様に限定する意図はないことが分かる。逆に、本発明は、添付の請求の 範囲で規定した本発明の範囲内に含まれ得る代替、改良および等価物を含むこと を意図している。 一般に、本発明は、蛍光染料として有用な新規なクラスの非対称ベンゾキサン テン化合物、このような染料を合成するための方法および中間体、このような染 料を分子標識として使用する試薬、およびこのような染料および試薬を分析生物 工学の領域で使用する方法を包含する。本発明の化合物は、多色蛍光DNA配列決 定およびフラグメント解析の領域で、特に用途が見出されている。I.非対称ベンゾキサンテン染料化合物 第一の局面では、本発明は、すぐ下の式Iで示す一般構造を有する新規なクラ スの非対称ベンゾキサンテン染料化合物を包含する。(本明細書中で提供した全 ての分子構造は、提示した正確な電子構造だけでなく、それらの全ての共鳴構造 およびプロトン付加状態を含むことを意図している)。 式Iでは、Y1およびY2は、独立して、ヒドロキシル、酸素、アミンまたはイミ ニウムである。Y1がヒドロキシルであり、そしてY2が酸素のとき、この化合物は 、フルオレセインに類似しており、これに対して、Y1がアミンであり、そしてY2 がイミニウムのとき、この化合物は、ローダミンに類似している。好ましくは、 Y1は、ヒドロキシルであり、そしてY2は、酸素である。 R1〜R9部分は、この分子の基底状態および励起状態の電子構造を変えることに より、この染料の種々の特性を調節するのに使用される置換基である。特に、R1 〜R9部分を変えることは、この化合物のスペクトル特性、化学的安定性および光 安定性に影響を与える。置換基R1〜R3およびR9は、式Iの化合物の特性を規定す る際に、特に重要である。例えば、R1〜R3位の1つにフッ素原子を配置すると、 化学的安定性および光安定性が高まること、およびR9が置換フェニルなら、置換 基X2およびX5を塩素にすることにより、より狭い発光バンドが生じることが観察 されている。(置換基X2およびX5の定義については、以下を参照)。 好ましくは、置換基R1〜R8は、水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アル ケン、低級アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、イミニウム、アミド、 ニトリル、アリール、低級アルコキシ、連結基、またはそれらの組合せであり、 本明細書中で使用する「連結基」との用語は、試薬に結合した「相補官能性」と 反応できる官能性を意味し、このような反応は、この染料をこの試薬に連結する 「結合」を形成する。本開示の次の節では、特定の連結基、相補官能性および結 合について、さらに詳しく述べる。好ましくは、R1は、低級アルコキシ、塩素、 フッ素または水素である;R2は、低級アルキル、フッ素または塩素である;そし てR3は、低級アルキルまたはフッ素である。より好ましくは、R1、R2およびR3の 1個は、フッ素である。特に好ましい実施態様では、少なくともR3は、フッ素で ある。 本明細書中で使用する「低級アルキル」との用語は、1個〜8個の炭素原子を 含有する直鎖および分枝炭化水素部分(すなわち、メチル、エチル、プロピル、 イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ネオペンチル、tert-ペ ンチルなど)を表わす。「低級置換アルキル」とは、電子吸引性置換基(例えば、 ハロ、シアノ、ニトロ、スルホなど)を含む低級アルキルを表わす。「低級ハロ アルキル」とは、1個またはそれ以上のハロゲン原子置換基(通常、フルオロ、 クロロ、ブロモまたはヨード)を有する低級置換アルキルを表わす。「低級アル ケン」とは、1個〜8個の炭素原子を含有する炭化水素であって、ここで、その 炭素−炭素結合の1個またはそれ以上が二重結合であり、ここで、その非二重結 合炭素が、低級アルキルまたは低級置換アルキルを包含するものを表わす。「低 級アルキン」とは、1個〜8個の炭素原子を含有する炭化水素であって、ここで 、1個またはそれ以上の炭素が三重結合で結合しており、ここで、その非三重結 合炭素が、低級アルキルまたは低級置換アルキルを包含するものを表わす。「ス ルホネート」とは、3個の酸素原子に結合したイオウ原子を含有する部分を意味 し、これには、それらのモノ塩およびジ塩が含まれる(例えば、スルホン酸ナト リウム、スルホン酸カリウム、スルホン酸二ナトリウムなど)。「アミノ」とは 、2個の水素原子、低級アルキル部分またはそれらの任意の組合せに結合した窒 素原子を含有する部分を意味する。「アミド」とは、酸素原子に二重結合しアミ ノ部 分に単結合した炭素原子を含有する部分を意味する。「ニトリル」とは、窒素原 子に三重結合した炭素原子を含有する部分を意味する。「低級アルコキシ」とは 、酸素原子に単結合した低級アルキルを含有する部分を意味する。「アリール」 とは、単一または複数のフェニルまたは置換フェニル(例えば、ベンゼン、ナフ タレン、アントラセン、ビフェニルなど)を意味する。 好ましくは、R9は、アセチレン、低級アルキル、低級アルケン、シアノ、フェ ニルまたは置換フェニル、複素環式芳香族、またはそれらの組合せであり、この 置換フェニルは、以下の構造を有する: ここで、X1〜X5は、別個に、水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボン酸、 スルホン酸、−CH2OHまたは連結基である。本明細書中で使用する「複素環式芳 香族」との用語は、その環式構造の一部としてヘテロ原子を有する芳香族部分( 例えば、ピロール、フラン、インドールなど)を意味する。好ましくは、X1は、 カルボン酸、スルホン酸または−CH2OHである;X2およびX5は、別個に、水素、 塩素、フッ素または低級アルキルである;そしてX3およびX4は、別個に、水素、 塩素、フッ素、低級アルキル、カルボン酸、スルホン酸または連結基である。よ り好ましくは、X2およびX5は、塩素である。さらに別の好ましい実施態様では、 X3またはX4の1個は、連結基である。好ましくは、X1は、カルボン酸である。本 発明の染料化合物を含むホスホロアミダイト化合物を形成するのに特に適切なさ らに別の好ましい実施態様では、X1またはX5の1個は、環状エステルまたは環状 エーテルを形成できる部分(例えば、カルボン酸、スルホン酸または−CH2OH)、 またはスピロ環系(すなわち、両方の環に共通の1個の炭素原子を有する二環式 化合物、例えば、スピロ[4,5]デカン)を形成するいずれかの他の基である。 好ましくは、本発明の連結基は、その相補官能性がアミンであるときは、イソ チオシアネート、スルホニルクロライド、4,6-ジクロロトリアジニルアミン、ス クシンイミジルエステル、または他の活性カルボキシレートである。好ましくは 、この連結基は、その相補官能性がスルフヒドリルであるときは、マレイミド、 ハロアセチルまたはヨードアセトアミドである。R.Haugland、Molecular Probe s Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals、Molecular probe s,Inc.(1992)を参照せよ。特に好ましい実施態様では、この連結基は、アミン 相補官能性と反応する活性化N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステルであ り、ここで、この活性化NHSエステルを形成するには、カルボキシレート連結基 を含む本発明の染料は、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN-ヒドロキシス クシンイミドと反応させて、NHSエステルを形成する。図3を参照せよ。 本発明の非対称ベンゾキサンテン染料化合物を合成するには、いくつかの可能 な一般化した方法が使用でき、その4つは、図11を参照して、本明細書中で記述 する。図11で経路Aとして表わされる第一の好ましい方法では、化合物27は、酸 触媒および熱の存在下にて、1,3-ジヒドロキシまたは1,3-アミノヒドロキシベン ゼン誘導体28および1,3-ジヒドロキシまたは1,3-アミノヒドロキシナフタレン誘 導体29と、それぞれ同じ当量を使用して反応させ、非対称染料化合物30が得られ る。好ましくは、化合物27は、環状または直鎖無水物(例えば、LVGは、OCOR9で ある);エステル(例えば、LVGは、ORであり、ここで、Rは、低級アルキル、フェ ニルまたはスルホネートである);または酸塩化物(例えば、LVGは、塩素または 他のハロゲンである)である。 図11で経路Bとして表わされる別の好ましい合成方法では、化合物27は、2当 量の1,3-ジヒドロキシベンゼン誘導体(すなわち、Y1は、ヒドロキシである)また は1,3-アミノヒドロキシベンゼン誘導体(すなわち、Y1は、アミノである)28と反 応させて、対称キサンテン染料31が得られる。化合物31は、次いで、塩基加水分 解により分解されて、中間体ベンゾイル縮合生成物32が形成される。縮合生成物 32は、次いで、酸触媒および熱の存在下にて、化合物29と反応させて、非対称染 料30が得られ、ここで、29は、Y2がヒドロキシのとき、1,3-ジヒドロキシナフタ レンであり、またはY2がアミノのとき、1,3-アミノヒドロキシナフタレンである 。 さらに、図11の経路Cとして表わされる第三の一般化した合成方法では、化合 物27は、熱と共に、1当量の28と反応させ、中間体ベンゾイル縮合生成物32が得 られる。化合物32は、次いで、酸触媒および熱の存在下にて、29と反応させ、非 対称染料30が得られる。 図11で経路Dとして表わされる第四の一般化した方法では、酸触媒および熱の 存在下にて、同じ当量の化合物33、化合物28および化合物29を反応させ、非対称 キサントン中間体34が得られる。好ましくは、33は、カーボネート(例えば、LVG は、ORであり、ここで、Rは、好ましくは、低級アルキルまたはフェニルである) ;またはホルメート(例えば、LVGは、ハロゲンおよびORであり、ここで、Rは、 好ましくは、低級アルキルまたはフェニルである)である。化合物34は、次いで 、アニオン性有機金属R9誘導体(例えば、R9Li、R9MgXであり、ここで、Xは、ハ ライド(例えば、Br、Cl、I)などである)と反応させ、非対称染料30が得られる。 図2Aおよび2Bは、本発明の特に好ましい非対称染料化合物の一組の合成を 示す。この合成では、1,3-ジヒドロキシナフタレン誘導体(例えば、1,3-ジヒド ロキシナフタレン(9b)または2-フルオロ-1,3-ジヒドロキシナフタレン(9a))は、 1当量の無水フタル酸誘導体(例えば、無水3,6-ジクロロトリメリト酸(10a))お よび1当量のレゾルシノール誘導体(11a、11b、11cまたは11d)と反応させ、そし てアルゴン下にて、正味の有機酸(例えば、MeSO3H)中で16時間加熱される。この 粗染料は、次いで、氷/水混合物への添加により沈殿され、そして濾過により単 離される。この粗染料は、次いで、分取薄層クロマトグラフィーにより、異性体 1および2にさらに精製される。 この非対称ベンゾキサンテン染料の非置換誘導体(R2および/またはR3は、Hで ある)は、ハロゲン化試薬(例えば、市販の陽性フッ素(positive fluorine)源 、NaOCl、NaOH/Br2、NaOH/I2)とさらに反応させて、10% HCl/EtOAcでの抽出仕 上げ、Na2SO4での乾燥、濾過および真空中での濃縮後に、定量的にハロゲン化し た誘導体(例えば、R2=R3=Cl、Br、IまたはFである)を生成し得る。図2B中の挿 入図を参照のこと。II .置換ナフタレン中間体 第二の局面では、本発明は、主題発明の非対称ベンゾキサンテン化合物の合成 に有用な新規な中間体化合物を包含し、このような中間体は、すぐ下の式IIに示 す一般構造を有する。特に、本発明の中間体化合物は、2-置換非対称ベンゾキサ ンテン化合物の2位にて、置換基(例えば、ハロゲン原子)の位置選択的含入を伴 う非対称ベンゾキサンテン化合物の合成を可能にし、この場合、この2位は、式 Iおよび式IIの化合物では、R3位置に対応する。 式IIの構造において、置換基R3〜R7は、上記式Iの構造において、同じ番号を付 けた置換基に対応し、そしてY2は、ヒドロキシルまたはアミンである。好ましく は、R3は、フッ素であり、そしてY2は、ヒドロキシルである。 図12は、本発明の置換ナフタレン中間体の合成について、3つの別の一般化し た合成スキームを示す。図12で経路Aとして示す第一の方法では、置換エステル エノレート誘導体35は、例えば、CO2の自発損失により(R'がカルボキシレートの とき)、活性化ホモフタル酸エステル誘導体36と反応させて、β−ケトエステル 誘導体37が得られる。好ましくは、化合物35では、R'は、水素、カルボキシレー トまたはハロゲンであり、そしてRは、低級アルキルである。好ましくは、化合 物36では、LVGは、ハロゲン、N-ヒドロキシスクシンイミド、フェノキシド、ヒ ドロキシベンゾトリアゾールまたはカルボキシレートである。化合物37は、次い で、塩基触媒および熱の存在下にて環化されて、置換1,3-ナフタレンジオール38 (すなわち、Y2は、OHである)が得られる。 図12にて経路Bとして示す第二の好ましい合成方法では、化合物35は、例えば 、CO2の自発損失により(R'がカルボキシレートのとき)、活性化フェニルアセテ ート誘導体39(ここで、LVGは、経路Aにおいて、化合物36について上で記述のも のと同じである)と反応させて、β−ケトエステル誘導体40が得られる。化合物4 0は、次いで、酸触媒および熱の存在下にて環化されて、置換1,3-ナフタレンジ オ ール38(すなわち、Y2は、OHである)が得られる。 経路Cとして示す第三の好ましい合成方法では、化合物35は、例えば、CO2の 自発損失により(R'がカルボキシレートのとき)、シアノフェニルアセテート誘導 体41(ここで、LVGは、経路Aにおいて、化合物36について上で記述のものと同じ である)と反応させて、β−ケトエステル誘導体42が得られる。化合物42は、次 いで、塩基触媒および熱の存在下にて環化されて、置換1-アミノ-3-ヒドロキシ ナフタレン38(すなわち、Y2は、NH2である)が得られる。III .染料化合物を使用する試薬 他の局面では、本発明は、式Iの非対称ベンゾキサンテン染料化合物で標識し た試薬を包含する。本発明の試薬は、事実上、本発明の染料が結合できるいずれ のものでもよい。好ましくは、この染料は、この試薬に共有結合される。試薬に は、タンパク質、ポリペプチド、多糖類、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ポリヌ クレオチド、脂質、固体支持体、有機および無機重合体、およびそれらの組合せ および集合(例えば、染色体、核、生存細胞(例えば、細菌、他の微生物、哺乳類 細胞、組織)など)が挙げられる。 A.ヌクレオチド試薬 本発明の好ましい種類の試薬は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料を含有 するヌクレオチドおよびヌクレオシドを包含する。このようなヌクレオシド試薬 は、酵素合成により形成した標識ポリヌクレオチド(例えば、PCR増幅、サンガー 型ポリヌクレオチド配列決定およびニック翻訳反応の文脈で使用されるヌクレオ チド三リン酸)の文脈で、特に有用である。 本明細書中で使用する「ヌクレオシド」とは、例えば、KornbergおよびBaker 、DNA Replication、第2版(Freeman、San Francisco、1992)に記述のように、2 '-デオキシ形態および2'-ヒドロキシル形態を含めて、その1'位でペントースに 結合したプリン、デアザプリンまたはピリミジンヌクレオシド塩基(例えば、ア デニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、デアザアデニン、デアザグア ノシンなど)からなる化合物を意味する。本明細書中で使用する「ヌクレオチド 」 との用語は、ヌクレオシドのリン酸エステル(例えば、三リン酸エステル)を意味 し、ここで、最も一般的なエステル化部位は、ペントースのC-5位に結合した水 酸基である。ヌクレオシドに関する「アナログ」には、例えば、Scheit、Nucleo tide Analogs(John Wiley、New York、1980)により一般的に記述のように、変性 塩基部位および/または変性糖部位を有する合成ヌクレオシドが挙げられる。「 標識ヌクレオシド」との用語は、結合を介して式Iの染料化合物に共有結合した ヌクレオシドを意味する。 本発明の好ましいヌクレオチドは、式IIIで以下に示されており、ここで、Bは 、ヌクレオチド塩基(例えば、ウラシル、シトシン、デアザアデニンおよびデア ザグアノシン)である。 W1およびW2は、別個に、HまたはOHである。W3は、OH、 であり、これには、もし存在するなら、会合対イオン(例えば、H、Na、NH4など) が含まれる。Dは、式Iの染料化合物である。特に好ましい1実施態様では、本 発明のヌクレオチドは、以下の式III.1に示した構造を有するジデオキシヌクレ オチド三リン酸である(もし存在するなら、会合対イオンを含めて)。式III.1に示したもののような標識ジデオキシヌクレオチドは、サンガー型DNA配 列決定法において、鎖停止剤として、特定の用途が見出されている。第二の特に 好ましい実施態様では、本発明のヌクレオチドは、以下の式III.2に示した構造 を有するデオキシヌクレオチド三リン酸である(もし存在するなら、会合対イオ ンを含めて)。 式III.2に示したもののような標識デオキシヌクレオチドは、例えば、ポリメラ ーゼ鎖反応において、ポリメラーゼ伸長産物を標識する手段として、特定の用途 が見出されている。 Bがプリンまたは7-デアザプリンのとき、その糖部分は、プリンまたはデアザ プリンのN9-位にて結合しており、Bがピリミジンのとき、その糖部分は、ピリミ ジンのN1-位にて結合している。 BおよびDを連結している結合は、R1〜R9位の1つで、Dに結合している。好ま しくは、この結合は、R1〜R3では結合していない。本発明の染料が、無水トリメ リト酸から合成されるなら、R9は、好ましくは、置換フェニルであり、この結合 は、この置換フェニルのX3またはX4位の1つで、この染料に結合しており、他の 位置は、水素原子である。 Bがプリンのとき、BおよびDを結合している結合は、プリンの8-位に結合して おり、Bが7-デアザプリンのとき、結合は、7-デアザプリンの7-位に結合してお り、Bがピリミジンのとき、結合は、ピリミジンの5-位にて結合している。 ヌクレオシド標識化は、公知の結合、連結基および関連する相補官能性を用い て、非常に多くの公知のヌクレオシド標識化技術のいずれかを使用して、達成で きる。この染料およびヌクレオシドを結合する結合は、(i)オリゴヌクレオチド 合成条件に対して安定であり、(ii)オリゴヌクレオチド標的ハイブリダイゼーシ ョンを妨害せず、(iii)適切な酵素(例えば、ポリメラーゼ、リガーゼなど)と相 溶性であり、そして(iv)この染料の蛍光を消失させてはならない。 好ましくは、この染料は、ピリミジン塩基の5-炭素および7-デアザプリン塩基 の7-炭素に共有結合される。本発明で使用できる数個の適当な塩基標識化操作が 報告されている(例えば、 従って、これらの参考文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。 好ましくは、この結合は、アセチレン性アミド結合またはアルケン性アミド結 合であり、この染料とヌクレオチド塩基との間の結合は、この染料の活性化N-ヒ ドロキシスクシンイミド(NHS)エステルと、ヌクレオチドのアルキニルアミノま たはアルケニルアミノ誘導体化塩基とを反応させることにより、形成される。よ り好ましくは、得られた結合は、3-(カルボキシ)アミノ-1-プロピニルまたは3- アミノ-1-プロピン-1-イルである(式III.3)。本発明の染料をヌクレオシド塩基 に結合するための数個の好ましい結合は、式III.3、式III.4および式III.5にて 、以下に示す。 アルキニルアミノ誘導体化ヌクレオシドの合成は、Hobbsら、ヨーロッパ特許 出願第87305844.0号およびHobbsら、J.Org.Chem.、54:3420(1989)に教示され 、その内容は、本明細書中で参考として援用されている。要約すると、このアル キニルアミノ誘導体化ヌクレオチドは、適当なハロジデオキシヌクレオシド(通 常、Hobbsら(前出)により教示されるように、5-ヨードピリミジンおよび7-ヨー ド-7-デアザプリンジデオキシヌクレオシド)およびCu(I)をフラスコに入れ、ア ルゴンをフラッシュして空気を取り除き、無水DMFを添加し、続いて、アルキニ ルアミン、トリエチルアミンおよびPd(0)を添加することにより、形成される。 この反応混合物は、数時間、または薄層クロマトグラフィーがハロジデオキシヌ クレオシドの消費を示すまで、撹拌し得る。未保護のアルキニルアミンを使用す るとき、このアルキニルアミノヌクレオシドは、この反応混合物を濃縮し、そし て水酸化アンモニウムを含有する溶出溶媒を用いてシリカゲル上でクロマトグラ フィーにかけて、カップリング反応で生成したヒドロハライドを中和することに より、単離できる。保護アルキニルアミンを使用するとき、この反応混合物には 、メタノール/塩化メチレンを添加し得、続いて、重炭酸塩形態の強塩基性アニ オン交換樹脂を添加し得る。次いで、このスラリーは、約45分間撹拌し得、濾過 し得、樹脂は、追加のメタノール/塩化メチレンで洗浄し得る。合わせた濾液は 濃縮し得、そしてメタノール−塩化メチレン勾配を用いたシリカゲル上のフラッ シュクロマトグラフィーにより精製し得る。トリホスフェートは、標準的な方法 により 得られる。 B.ホスホロアミダイト試薬 他の好ましい種類の試薬には、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料を含有す るホスホロアミダイト化合物が包含される。このようなホスホロアミダイト試薬 は、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料で標識したポリヌクレオチドの自動化 化学合成に、特に有用である。このようなホスホロアミダイト化合物は、ヌクレ オチドまたはポリヌクレオチドの5'-水酸基と反応させたとき、亜リン酸エステ ルリンカーを形成し、これは、次に、酸化されて、リン酸エステルリンカーが得 られる(例えば、米国特許第4,458,066号および第4,415,732号;両特許は、本明 細書中で参考として援用されている)。 1.非ヌクレオチドホスホロアミダイト試薬:一般に、1局面では、本発明 のホスホロアミダイト試薬は、すぐ下の式IVの構造を有する: ここで、Xは、スペーサーアームである;Dは、式Iの非対称ベンゾキサンテン染 料またはそれらの保護誘導体である;Yは、この染料上の連結基を用いて形成し た結合である;B1は、亜リン酸エステル保護基であり、そしてB2およびB3は、別 個に、低級アルキル、低級アルケン、1個と8個の間の炭素原子を有する低級ア リール、アラルキル、または10個までの炭素原子を含有するシクロアルキルであ る。式IVで示した非ヌクレオチドホスホロアミダイトは、ヌクレオチドの糖部分 を介して、化学的に合成したポリヌクレオチドの5'-末端を標識するのに、特に よく適合する。 スペーサーXおよび結合Yは、種々の形態をとり得るが、しかしながら、構造X- Yは、(i)DNA合成条件に対して安定であり、(ii)オリゴヌクレオチド標的ハイブ リダイゼーションを妨害せず、そして(iii)それが結合する染料の蛍光を消失さ せてはならない(例えば、米国特許第5,231,191号、第5,258,538号、および第4,7 57,141号、第5,212,304号;全ての特許は、本明細書中で参考として援用されて いる)。 好ましくは、Xは、線状または環状の低級アルキル、線状または環状の置換低 級アルキル、ポリエチレンオキシド、1個と8個の間の炭素原子を有する低級ア リール、ペプチド、またはポリエーテルである。好ましくは、結合Yは、アミド 、スルホンアミド、尿素、ウレタンまたはチオ尿素である。特に好ましい実施態 様では、結合Yは、アミドであり、そしてスペーサーXは、式IV.1の以下の構造を 有する線状アルキルである: ここで、nは、2〜30、好ましくは、2〜10、より好ましくは、2〜6である。 第二の特に好ましい実施態様では、結合Yは、アミドであり、そしてスペーサーX は、式IV.2で以下に示す構造を有する線状ポリエチレンオキシドである: ここで、nは、2〜30、好ましくは、2〜10、より好ましくは、2〜6である。 好ましくは、B2およびB3は、一緒になって、その主鎖に5個までの炭素原子お よび全体で10個までの炭素原子を含有するアルキル鎖を形成し、この鎖の両方 の末端原子価結合は、窒素原子に結合されている。他方、B2およびB3は、窒素原 子と一緒になって、飽和窒素複素環を形成し、これは、窒素、酸素およびイオウ からなる群から選択した1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する。好ましく は、B2およびB3は、別個に、イソプロピル、t-ブチル、イソブチルまたはsec-ブ チルであり、そしてB2およびB3は、一緒になって、モルホリノである。 B1は、ホスホロアミダイトが結合したポリヌクレオチドの不要な伸長を防止す る亜リン酸エステル保護基である。B1は、ポリヌクレオチド合成条件に対して安 定であるが、このポリヌクレオチドまたは染料の完全性に悪影響を及ぼさない試 薬を用いて、このポリヌクレオチド生成物から除去できる。好ましくは、B1は、 メチル、β−シアノエチルまたは4-ニトロフェニルエチルである。B2およびB3は 、別個に、イソプロピル、t-ブチル、イソブチルまたはsec-ブチルであり、そし てB2およびB3は、一緒になって、モルホリノである。 YおよびDを結合する結合は、R1〜R9位の1つで、Dに結合している。好ましく は、この結合は、R1〜R3では結合していない。本発明の染料が、無水トリメリト 酸から合成されるとき、R9は、好ましくは、置換フェニルであり、そして結合は 、この置換フェニルのX3またはX4位の1つで、この染料に結合している。 このようなホスホロアミダイト化合物は、公知の方法により合成できる。一般 に、合成は、以下のように進行する。この染料のフェノール性ヒドロキシルは、 DNA合成脱保護剤(例えば、アンモニア、エタノールアミン、メチルアミン/水酸 化アンモニウム混合物、およびt-ブチルアミン/水/メタノール(1:2:1)混合 物)で除去できる染料保護基で保護される(例えば、米国特許第5,231,191号を参 照せよ;その内容は、本明細書中で参考として援用されている)。そのように保 護した染料は、この染料の「保護誘導体」と呼ばれる。好ましい保護基には、安 息香酸またはピバル酸のエステルが挙げられる。この保護染料の連結基(例えば 、カルボン酸)は、次いで、例えば、カルボジイミドで活性化され、そしてN,N- ジメチルホルムアミド(DMF)または他の非プロトン性溶媒中にて、アルコールリ ンカー誘導体(例えば、アミノアルコール(例えば、エタノールアミン、ヘキサノ ールアミンなど))と反応させて、遊離アルコール官能性(例えば、アルコール− アミド誘導体)を有する保護染料が生じる。この遊離アルコールは、次いで、触 媒 量のテトラゾールジイソプロピルアミンを含有するアセトニトリル中にて、標準 操作を用いて、ホスフィチル化剤(例えば、ジ-(N,N-ジイソプロピルアミノ)メト キシホスフィン)と反応させて、ホスホロアミダイトが生じる(例えば、米国特許 第5,231,191号)。 2.ヌクレオチドホスホルアミダイト試薬:一般に、第二の局面では、本発 明のホスホルアミダイト剤は、すぐ下の式Vの構造を有する: ここで、B1〜B3は、上で記述のものと同じである。B5は、水素またはヒドロキシ ル保護基であり、Bは、ヌクレオチド塩基であり、そしてDは、式Iの非対称ベン ゾキサンテン染料またはそれらの保護誘導体である。式Vのようなヌクレオチド ホスホルアミダイトは、化学的に合成したポリヌクレオチドの内部標識化に特に よく適合する。 Bがプリンまたは7-デアザプリンのとき、その糖部分は、このプリンまたはデ アザプリンのN9-位にて結合している。他方、Bがピリミジンのとき、その糖部分 は、このピリミジンのN1-位にて結合している。BおよびDは、連結基およびその 相補官能性の反応により形成した結合により結合されており、染料とヌクレオチ ド塩基との間のこのような結合は、上で詳細に記述されている。Bがプリンなら 、その結合は、このプリンの8-位に結合しており、Bが7-デアザプリンなら、そ の結合は、この7-デアザプリンの7-位に結合している。Bがピリミジンなら、そ の結合は、このピリミジンの5-位にて結合している。 B5は、一般に、水素または酸切断可能なヒドロキシル保護基を表わす。好ま しくは、B5は、トリフェニルメチルラジカルおよびその電子供与性置換した誘導 体であり、この場合、本明細書中で使用する「電子供与性」との用語は、それが 一部をなす分子内において、近接原子に原子価電子を放出するという置換基の傾 向を表わし、すなわち、それは、近接原子に関して、電子的に正である。好まし くは、電子供与性置換基には、アミノ、低級アルキル、1個と8個の間の炭素原 子を有する低級アリール、低級アルコキシなどが挙げられる。さらに好ましくは 、この電子供与性置換基は、メトキシである。代表的なトリチルには、4,4'-ジ メトキシトリチル、すなわち、ビス(p-アニシル)フェニルメチル、モノメトキシ トリチル、α−ナフチルジフェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチルな どが挙げられる。これらのトリチルおよび他のトリチルの結合条件および切断条 件は、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版(J ohn Wiley、New York、1991)に見出される。 一般に、本発明のヌクレオチドホスホルアミダイトは、以下のようにして合成 できる。その5'-ヒドロキシル上にヒドロキシル保護基およびその塩基上に保護 相補的官能性を有するヌクレオシドは、この相補的官能性だけを暴露するように 、選択的に脱保護される。次に、(上記のようにして)保護した染料は、連結基を その反応形状に転化することにより、活性化される。この染料の活性化連結基は 、次いで、このヌクレオシドの相補的官能性と反応されて、この染料の5'-ヒド ロキシル上(およびRNAの場合には、2'-ヒドロキシル上)およびフェノール基上に 保護基を有する染料標識ヌクレオシドが形成される。この染料標識ヌクレオシド は、次いで、上記のホスフィチル化剤と反応されて、このヌクレオチドホスホル アミダイトが生成される。 その相補的官能性がアミンでありかつ連結基がカルボキシルである好ましい方 法では、この合成は、以下のようにして進行する。その5'-ヒドロキシル上にヒ ドロキシル保護基(例えば、トリチル基)を有し、その塩基上に保護アミノ−窒素 相補的官能性を有する保護ヌクレオシドは、そのアミンを暴露するように選択的 に脱保護され、このような選択的脱保護は、その保護5'-ヒドロキシル部分を脱 保護することなく、そのアミノ官能性のみを脱保護するように供される。(上記 のように)保護した染料は、カルボキシ連結基を、ジシクロヘキシルカルボジイ ミドおよびN-ヒドロキシスクシンイミドを用いて、そのNHSエステルに転化する ことにより、活性化される。このNHSエステルは、このヌクレオシドのアミノ基 と反応されて、この染料の5'-ヒドロキシル上(およびRNAの場合には、2'-ヒドロ キシル上)およびフェノール基上に保護基を有する染料標識ヌクレオシドが形成 される。次いで、この染料標識ヌクレオシドは、上記のホスフィチル化剤と反応 される。 C.ポリヌクレオチド試薬 本発明のさらに他の好ましい種類の試薬には、本発明の非対称ベンゾキサンテ ン染料で標識したポリヌクレオチドが包含される。このような標識ポリヌクレオ チドは、DNA配列決定プライマー、PCRプライマー、オリゴヌクレオチドハイブリ ダイゼーションプローブなどを含めた非常に多くの状況で、有用である。 本明細書中で使用する用語「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド 」は、天然または変性ヌクレオシドモノマーの線状ポリマーを意味し、これには 、二本鎖および一本鎖のデオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシド、それら のα−アノマー形状などが含まれる。通常、このヌクレオシドモノマーは、ホス ホジエステル結合により連結されており、本明細書中で使用する用語「ホスホジ エステル結合」は、ホスホジエステル結合またはそれらのアナログを意味し、こ れには、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、 ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニリデート、 ホスホロアミデートなどが含まれ、これは、会合した対イオンが存在するなら、 このような対イオン(H、NH4、Naなど)を含む。このポリヌクレオチドの大きさは 、数個(例えば、8個〜40個)のモノマー単位から、数千個のモノマー単位までに 及ぶ。ポリヌクレオチドが「ATGCCTG」のような一連の文字で表わされるときは 、常に、このヌクレオチドは、他に指示がなければ、5'→3'の順序で左から右に 配列されており、「A」は、デオキシアデノシンを表わし、「C」は、デオキシシ チジンを表わし、「G」は、デオキシグアノシンを表わし、そして「T」は、チミ ジンを表わすことが分かる。 本発明の標識ポリヌクレオチドには、次式を有するヌクレオチドが挙げられる :ここで、Bは、7-デアザプリン、プリンまたはピリミジンヌクレオチド塩基であ る。Z1は、HまたはOHである。Z2は、H、OH、HPO4およびNucであり、ここで、Nuc は、ヌクレオシドまたはポリヌクレオチドを意味する。式VIのヌクレオシドおよ びNucは、ホスホジエステル結合により連結され、この結合は、Nucの5'-位に結 合している。Z3は、H、HPO3またはNucであり、ここで、Nucおよびこのヌクレオ シドは、ホスホジエステル結合により連結されており、この結合は、Nucの3'-位 に結合している。そしてDは、式Iの染料化合物である。塩基Bは、本発明のヌク レオチドホスホルアミダイト試薬について記述のようにして、この糖部分および 染料化合物に結合される。ここで定義されるように、式VIの標識ヌクレオチドは 、5'-末端ヌクレオチド、3'-末端ヌクレオチド、またはポリヌクレオチドのいず れかの内部ヌクレオチドであり得る。 好ましい1実施態様では、本発明の標識ポリヌクレオチドには、供与体染料と 受容体染料との間で、蛍光エネルギーの移動が起こるように配置した複数の染料 が挙げられる。このような複数染料ポリヌクレオチドは、分光調整可能な配列決 定プライマーとして(例えば、Juら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:4347〜43 51(1995))およびハイブリダイゼーションプローブとして(例えば、Leeら、Nucle ic Acids Research、21:3761〜3766(1993))、用途が見出されている。 標識ポリヌクレオチドは、例えば、DNAポリメラーゼまたはリガーゼを用いて 、酵素的に合成するか(例えば、Stryer、Biochemistry、Chapter 24、W.H.Free man and Company(1981))または例えば、ホスホルアミダイト法、亜リン酸トリエ ステル法などによる化学合成によるか(例えば、Gait、Oligonucleotide Synthes is、IRL Press(1990))いずれかにより、合成できる。標識は、上記の標識ヌクレ オチド三リン酸モノマーを使用して、酵素合成中に導入してもよく、または上 記の標識非ヌクレオチドまたはヌクレオチドホスホルアミダイトを用いて、化学 合成中に導入してもよく、または合成に引き続いて導入してもよい。 一般に、この標識ポリヌクレオチドが、酵素合成により製造されるなら、以下 の操作が使用できる。テンプレートDNAが変性され、このテンプレートDNAに、オ リゴヌクレオチドプライマーがアニールされる。この反応系に、デオキシヌクレ オチド三リン酸(dGTP、dATP、dCTPおよびdTTPを含めて)が添加され、この場合、 このデオキシヌクレオチドの1個の少なくとも断片は、上記の本発明の染料化合 物で標識される。次に、ポリメラーゼ酵素が活性である条件下にて、ポリメラー ゼ酵素は活性である。ポリメラーゼ鎖合成中に、この標識デオキシヌクレオチド の混入により、標識ポリヌクレオチドが形成される。別の酵素的合成法では、1 個のプライマーの代わりに2個のプライマーが使用され、1個のプライマーは、 この標的の+(プラス)鎖に相補的であり、他は、この標的の−(マイナス)鎖に相 補的であり、このポリメラーゼは、熱安定性ポリメラーゼであり、その反応温度 は、変性温度と延長温度の間で反復され、それにより、PCRによって、標識成分 が標的配列へと急激に合成される(例えば、PCR Protocols、Innisら編、Academi c Press(1990))。 標識ポリヌクレオチドは、ホスホルアミダイト法を用いて、化学的に合成でき る。このホスホルアミダイト法によりポリヌクレオチドを形成するのに使用され る化学の詳細な説明は、例えば、 に提供されている。従って、これらの参考文献の各内容は、本明細書中で参考と して援用されている。 ポリヌクレオチド合成のホスホルアミダイト法は、その効率および急速なカッ プリングおよび出発物質の安定性のために、好ましい方法である。この合成は、 固体支持体に結合した成長ポリヌクレオチド鎖を用いて行われ、その結果、過剰 の試薬は、液相にあるので、濾過により容易に除去でき、それにより、サイクル 間の精製工程の必要性がなくなる。 以下は、このホスホルアミダイト法を用いる、典型的なポリヌクレオチド合成 サイクルの工程を簡単に記述する。まず、保護ヌクレオチドモノマーを含めた固 体支持体は、酸(例えば、トリクロロ酢酸)で処理されて、5'-ヒドロキシル保護 基が除去され、このヒドロキシルは、引き続くカップリング反応のために、遊離 される。次いで、この反応系に、保護ホスホルアミダイトヌクレオシドモノマー および弱酸(例えば、テトラゾール)を同時に添加することにより、活性化中間体 が形成される。この弱酸は、このホスホルアミダイトの窒素にプロトンを付加し て、反応性中間体を形成する。ヌクレオシド付加は、30秒以内に完結する。次に 、ヌクレオシド付加を受けなかったいずれかのポリヌクレオチド鎖を停止するキ ャップ化工程が行なわれる。キャップ化は、好ましくは、無水酢酸および1-メチ ルイミダゾールを用いて行われる。このインターヌクレオチド結合は、次いで、 好ましい酸化剤としてのヨウ化物および酸素供与体としての水を用いる酸化によ り、この亜リン酸エステルから、より安定なホスホジエステルに転化される。酸 化後、このヒドロキシル保護基は、プロトン酸(例えば、トリクロロ酢酸または ジクロロ酢酸)で除去され、このサイクルは、鎖の延長が完結するまで、繰り返 される。合成後、このポリヌクレオチド鎖は、塩基(例えば、水酸化アンモニウ ムまたはt-ブチルアミン)を用いて、この支持体から切断される。この切断反応 はまた、いずれのリン酸エステル保護基(例えば、シアノエチル)も除去する。最 後に、この塩基の環外アミン上の保護基およびこの染料上のヒドロキシル保護基 は、塩基中にて、このポリヌクレオチド溶液を高温(例えば、55℃)で処理するこ とにより、除去される。 このホスホルアミダイトヌクレオシドモノマーのいずれかは、上記の染料標識 したホスホルアミダイトであり得る。このヌクレオチドの5'-末端位置が標識さ れているなら、この最終縮合工程中に、本発明の標識した非ヌクレオチドホスホ ルアミダイトを使用してもよい。このオリゴヌクレオチドの内部位置が標識され るなら、いずれかの縮合工程中に、本発明の標識ヌクレオチドホスホルアミダイ トが使用できる。 合成に引き続いて、このポリヌクレオチドは、非常に多くの位置で標識でき、 これらの位置には、5'-末端(例えば、Oligonucleotides and Analogs、Eckstein 編、Chapter 8、IRL Press(1991)およびOrgelら、Nucleic Acids Research 11(1 8):6513(1983);米国特許第5,118,800号;これらの内容は、本明細書中で参考 として援用されている);ホスホジエステル骨格(例えば、同書、Chapter 9);3' -末端(例えば、Nelson、Nucleic Acids Research 20(23):6253-6259、および米 国特許第5,401,837号および第5,141,813号;両方の特許の内容は、本明細書中で 参考として援用されている)が含まれる。オリゴヌクレオチド標識化操作の総説 については、R.Haugland in Excited States of Biopolymers、Steiner編、Ple mum Press、NY(1983)を参照のこと。 1つの好ましい合成後化学標識化法では、オリゴヌクレオチドは、以下のよう にして標識化される。カルボキシ連結基を含む染料は、無水酢酸エチル中にて、 室温で3時間にわたり、およそ1当量の1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドお よびおよそ3当量のn-ヒドロキシスクシンイミドと反応させることにより、その n-ヒドロキシスクシンイミドエステルに転化される。この反応混合物は、5% H Clで洗浄され、硫酸マグネシウムで乾燥され、濾過され、そして固形物になるま で濃縮され、この固形物は、DMSOに再懸濁される。このDMSO染料ストックは、次 いで、過剰で(10〜20倍)、pH 9.4にて、0.25 M重炭酸塩/炭酸塩緩衝液中のアミ ノヘキシル誘導体化オリゴヌクレオチドに添加され、そして6時間反応される( 例えば、米国特許第4,757,141号)。この染料標識したオリゴヌクレオチドは、緩 衝液(例えば、0.1Mトリエチルアミン酢酸塩(TEAA))で溶出するサイズ排除クロマ トグラフィーカラムに通すことにより、未反応染料から分離される。この粗標識 オリゴヌクレオチドを含有する画分は、勾配溶離液を使用する逆相HPLCにより、 さらに精製される。IV .本発明の化合物および試薬を使用する方法 本発明の染料および試薬は、蛍光検出を使用するいずれかの方法(特に、複数 の空間的に重複した分析物の同時検出を必要とする方法)によく適合される。本 発明の染料および試薬は、生化学分離操作(例えば、電気泳動)を受けるポリヌク レオチドの種類を同定するのに、特によく適合され、この場合、類似の物理化学 的特性(例えば、サイズ、コンホメーション、電荷、疎水性など)を有する標的物 質のバンドまたはスポットが、線状または平面状の配列において存在する。ここ で使用する「バンド」との用語は、類似のまたは同一の物理化学的な特性を基準 にして、いずれかの空間的な配置または集塊を含む。通常、バンドは、染料−ポ リヌクレオチド複合体の電気泳動による分離において、生じる。 ポリヌクレオチドの分類は、種々の状況において生じ得る。「フラグメント解 析」法または「遺伝解析」法と呼ぶ好ましいカテゴリーの方法では、標識プライ マーまたはヌクレオチドを用いたテンプレート定方向酵素的合成(例えば、結合 またはポリメラーゼ定方向プライマー伸長による)により、標識ポリヌクレオチ ド断片が生じる。これらの断片は、サイズ依存性分離プロセス(例えば、電気泳 動またはクロマトグラフィー)にかけられる。分離した断片は、この分離に引き 続いて、例えば、レーザー誘発した蛍光により、検出される。特に好ましい実施 態様では、複数の種類のポリヌクレオチドが同時に分離され、異なる種類のもの は、分光学的に分析可能な標識により、識別される。 このようなフラグメント解析の1方法は、増幅断片長多型検出(AmpFLP)として 知られているが、PCRにより増幅した増幅断片長の多型現象(すなわち、制限断片 長の多型現象)に基づいている。種々のサイズのこれらの増幅断片は、系統によ る次の突然変異遺伝子のための連結マーカーとして役立つ。増幅断片が、染色体 上の突然変異遺伝子に近づくほど、この結合の相関が高くなる。多く遺伝的疾患 に対する遺伝子は、同定されていないので、これらの結合マーカーは、疾患のリ スクまたは起源を評価するのに役立つ。このAmpFLP方法では、このポリヌクレオ チドは、標識ポリヌクレオチドPCRプライマーを用いることにより、またはPCR中 の標識ヌクレオチド三リン酸を使用することにより、標識できる。 ニック(nick)翻訳として知られているような他のフラグメント解析では、二本 鎖DNA分子内の未標識ヌクレオシド三リン酸を標識したものに置き換えるために 、反応が使用される。デオキシリボヌクレアーゼI(DNAaseI)処理により生じる 「ニック」によって、未標識DNA内に、遊離の3'-水酸基が作られる。DNAポリメ ラーゼIは、次いで、このニックの3'-ヒドロキシル末端への標識ヌクレオチド の付加を触媒する。同時に、この酵素の5'-〜3'-エクソヌクレアーゼ活性は、こ のニックの5'-ホスホリル末端からこのヌクレオチド単位を取り除く。最初に切 開したヌクレオチドの位置には、遊離の3'-OHを有する新しいヌクレオチドが取 り込まれ、このニックは、3'方向に沿って、1ヌクレオチド単位だけシフトする 。この3'シフトの結果、既存の未標識ヌクレオチドの除去を伴って、新しく標識 したヌクレオチドのDNAへの連続付加が生じる。このニック翻訳したポリヌクレ オチドは、次いで、分離プロセス(例えば、電気泳動)を用いて分析される。 他の代表的なフラグメント解析法は、可変数のタンデム繰り返し、すなわち、 VNTRを基準にしている。VNTRは、特定の配列の隣接した複数コピーを含有する二 本鎖DNAの領域であり、繰り返し単位の数は、可変である。VNTR遺伝子座の例に は、pYNZ22、pMCT118およびApo Bがある。VNTR法のサブセットには、微小サテラ イト繰り返しまたは短タンデム繰り返し(STR)、すなわち、短い(2個〜4個の塩 基)繰り返し配列により特徴付けられるDNAのタンデム繰り返しの検出を基準にし ている。ヒトにて最も豊富に点在した繰り返しDNAファミリーの1つには、(dC-d A)n-(dG-dT)nジヌクレオチド繰り返しファミリー(これはまた、(CA)nジヌクレオ チド繰り返しファミリーとも呼ばれる)である。ヒトのゲノムには、50,000個〜1 00,000個程度の(CA)n繰り返し領域があると考えられ、典型的には、1ブロック あたり、15個〜30個の繰り返しを有する。これらの繰り返し領域の多くは、長さ が多様であり、従って、有用な遺伝子マーカーとして供され得る。好ましくは、 VNTR法またはSTR法では、染料標識PCRプライマーを用いることにより、ポリヌク レオチド断片に標識が導入される。 特に好ましいフラグメント解析法では、本発明に従って確認した種類のものは 、4個の可能な末端塩基と分光学的に分析可能な染料のセットのメンバーとの間 で、対応が確立されるように、末端ヌクレオチドによって規定される。このよう なセットは、市販の分光光度計を用いて、発光および吸収バンド幅を測定するこ とにより、本発明の染料から容易に組み立てられる。さらに好ましくは、DNA配 列決定の化学的方法または鎖停止法の状況にて、種類が生じ、最も好ましくは、 この鎖停止法、すなわち、ジデオキシDNA配列決定またはサンガー配列決定の状 況において、種類が生じる。この方法は、配列が決定されるべき一本鎖または二 本鎖DNAテンプレートを用いた、インビボでのDNAポリメラーゼによるDNA合成を 包含 する。合成は、このテンプレートにオリゴヌクレオチドプライマーがアニールす る1個の部位だけで、開始される。この合成反応は、連続DNA伸長を支持しない ヌクレオチド類似物の含入により、停止される。この鎖停止ヌクレオチド類似物 には、2',3'-ジデオキシヌクレオシド5'-三リン酸(ddNTP)があり、これは、3'か ら5'へのDNA鎖の伸長に必要な3'-OH基がない。適切な割合のdNTP(2'-デオキシヌ クレオシド5'-三リン酸)および4個のddNTPの1個を使用すると、酵素触媒した 重合は、このddNTPが含入できる各部位で、鎖集団の断片において、停止される 。各反応に対して、標識プライマーまたは標識ddNTPを使用するなら、この配列 情報は、高分解能電気泳動による分離後、蛍光により検出できる。この鎖停止法 では、本発明の染料は、配列決定プライマーまたはジデオキシヌクレオチドのい ずれかに結合できる。染料は、例えば、Fungら、米国特許第4,757,141号(その内 容は、本明細書中で参考として援用されている)での教示に従って、このプライ マーの5'末端にて;プライマーの塩基にて;または例えば、Hobbsら、ヨーロッ パ特許出願第87305844.0号(その内容は上述され、本明細書中で参考として援用 されている)に開示のアルキニルアミノ連結基を介して、ジデオキシヌクレオチ ドの塩基にて、相補的官能基と連結できる。 上記フラグメント解析法のそれぞれでは、標識ポリヌクレオチドは、好ましく は、電気泳動操作により、分離される(例えば、 好ましくは、電気泳動マトリックスのタイプは、約2〜20重量%の間の濃度(重 量対容量)を有する架橋または非架橋ポリアクリルアミドである。さらに好まし くは、このポリアクリルアミド濃度は、約4〜8重量%の間である。好ましくは 、DNA配列決定の状況では、特に、この電気泳動マトリックスは、鎖分離または 変性剤(例えば、尿素、ホルムアミドなど)を含有する。このようなマトリックス を構築する詳細な操作は、 により示されている。従って、これらの参考文献の内容は、本明細書中で参考と して援用されている。特定の分離における最適なポリマー濃度、pH、温度、使用 する変性剤の濃度などは、多くの要因に依存し、これらには、分離されるべき核 酸のサイズ範囲、それらの塩基組成、それらが一本鎖か二本鎖か、およびその情 報が電気泳動により追究される分類の性質が含まれる。従って、本発明の適用に は、特定の分離のための条件を最適化する標準予備試験が必要な場合がある。例 によれば、約20個〜300個の間の塩基範囲のサイズのオリゴヌクレオチドは、以 下のマトリックスにおいて、本発明に従って分離され、そして検出される:19部 :1部のアクリルアミド:ビスアクリルアミドから製造した6%ポリアクリルア ミドであって、pH 8.3のトリス−ボレートEDTA緩衝液中で形成したもの。 電気泳動分離に引き続いて、染料−ポリヌクレオチド複合体は、この染料標識 ポリヌクレオチドからの蛍光発光を測定することにより、検出される。このよう な検出を行うために、この標識ポリヌクレオチドは、標準的な手段、例えば、高 強度水銀蒸気ランプ、レーザーなどにより照射される。好ましくは、この照射手 段は、488 nmと550 nmの間の波長の照射ビームを有するレーザーである。さらに 好ましくは、この染料−ポリヌクレオチドは、アルゴンイオンレーザー(特に、4 88 nmおよび514 nmの発光系列のアルゴンイオンレーザー)、または532 nmの発光 系列のネオジム固相YAGレーザーにより発生したレーザー光によって、照射され る。いくつかのアルゴンイオンレーザーが市販されており、これらは、これらの 系列で、同時にレーザーとして使える(例えば、Cyonics、Ltd.(Sunnyvale、Cali f.)のModel 2001など)。次いで、光感受性検出器(例えば、光電子増倍管、荷電 結合素子など)により、その蛍光が検出される。IV .実施例 本発明は、以下の実施例を考慮することにより、さらに明確となるが、これら の実施例は、単に、本発明の例示であることを意図し、いずれの点でも、本発明 の範囲を限定しない。 他に指示がなければ、全てのケミカルは、Aldrich Chemical Company(Milwauk ee、WI)から入手し、購入した状態で使用した。3-フルオロレゾルシノール(11a) は、文献の操作(Perkin、J.Chem.Soc.110:1658-1666(1980))に従って、2,4- ジメトキシアニリンから合成した。2-クロロ-4-メトキシレゾルシノール(11c)は 、米国特許第4,318,846号に従って、3-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド から合成した。3,6-ジクロロトリメリト酸は、米国特許第4,318,846号に従って 合成し、そして純粋な無水酢酸中で4時間還流してその冷却混合物をジエチルエ ーテルで沈殿させることにより、その無水物10aに転化した。フルオロマロン酸 水素エチルは、文献(Org.Syn.Coll.4:417-419(1963))に従って、フルオロマ ロン酸ジエチルから合成した。トリブチルホスホニウム−フルオロ酢酸エチル(1 9)は、文献(Tet.Lett.30:6113(1980))に従って、合成した。2-フルオロ-1,3- ジヒドロキシナフタレン(9a)は、本明細書開示に記述のようにして、合成した。 乾燥ジクロロメタン(CH2Cl2)は、使用前に、水素化カルシウム上で蒸留し、テト ラヒドロフラン(THF)は、水素化アルミニウムリチウム(LAH)上で蒸留した。無水 エタノールは、購入した状態で使用するか、またはナトリウム上の蒸留により乾 燥し、そして活性化モレキュラーシーブ上で保存した。乾燥酢酸エチル(EtOAc) は、MgSO4で予備乾燥した後、P2O5上で蒸留した。乾燥ジメチルホルムアミド(DM F)は、硫酸マグネシウムで予備乾燥した後、蒸留し、そして活性化モレキュラー シーブ上で保存した。全ての反応は、乾燥アルゴン下にて、無水条件で行った。 反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)(シリカゲル60、A254)によりモニターし た。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル60(200〜400メッシュ、Baxte r)上で行った。「1」および「2」で明示される純粋な異性体を得るため の非対称ベンゾキサンテン染料の最終精製は、シリカゲル60 PTLCプレート(EM S cience)上の予備TLCでCH2Cl2:MeOH:AcOH(7:3:0.1)で溶出して行った。純 粋な染料異性体は、CH2Cl2:MeOH:AcOH(7:3:0.1)を使用してTLC上に単一斑 点を作り、そして短波長および長波長UV照射で視覚化することにより、同定した 。異性体2は、通常媒体および逆層媒体の両方でより遅く処理した。中間体生成 物は、Varian 300 MHz NMRによる1HNMRスペクトルにより同定した。精製した染 料の吸収スペクトルは、Hewlett Packard 8451Aダイオードアレイ分光光度計で 記録し、蛍光発光スペクトルは、Perkin Elmer LS 50-B発光分光光度計で記録し た。染料標識オリゴヌクレオチドのHPLC精製は、2チャンネルのPE 1022積分計 に接続されたPELC 240蛍光検出器およびPELC 295 UV/VIS検出器に接続されたPer kin-Elmer 200シリーズのポンプで行った。染料標識オリゴヌクレオチドの精製 および同定に使用される緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/ホ ウ酸塩/EDTA(TBE)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/EDTA(TE)、トリエ チルアンモニウムアセテート(TEAA)が挙げられる。緩衝液は、10倍溶液として0 ℃で保存し、そして使用前に新しく希釈する。HPLC精製は、逆相RP-18カラムを 使用した。 実施例1 非対称ベンゾキサンテンの合成 1,3-ジヒドロキシナフタレン誘導体(例えば、1,3-ジヒドロキシナフタレン9b または2-フルオロ-1,3-ジヒドロキシナフタレン9a)(0.2モル)と、1.1当量の無水 フタル酸誘導体3,6-ジクロロトリメリト酸無水物10aおよび1当量のレゾルシノ ール誘導体11(0.2モル)、(所望の最終生成物によって11a、11b、11cまたは11d) とを反応させることにより、図2Aおよび2Bの化合物1〜7を合成し、そしてアル ゴン下、110℃で、純粋なMeSO3H(3ml)中16時間加熱した。この粗染料(10aを使 用する反応における位置(regio)異性体の混合物)を、氷/水混合物への添加によ り沈殿させ、そして濾過により単離した。この粗染料を、CH2Cl2:MeOH:酢酸(7 0:30:1)の混合物で溶出する調製薄層クロマトグラフィーにより、2種の異性 体1および2に精製した。 図2Bの差込図は、染料5の異性体2について示した非対称ベンゾキサンテン染 料のR2および/またはR3が非置換の(R2=R3=H)誘導体が、さらに、ハロゲン化試 薬(NaOCl、NaOH/Br2、NaOH/I2)と0℃で3時間、反応し、続いて10% HCl/EtOAc での抽出処理、Na2SO4での乾燥、濾過および真空中での濃縮で、そのハロゲン化 誘導体(例えば、8(R2=R3=Cl、Br、I、F))を定量的に生成することを示してい る。 実施例2 染料標識オリゴヌクレオチドの合成 本発明の染料標識オリゴヌクレオチドの合成を、図3を参照して記述する。Cl -FLAN、染料2を、乾燥酢酸エチル中にて、室温で3時間にわたって、1.2当量の 1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび3当量のn-ヒドロキシスクシンイミ ドと反応させることにより、そのn-ヒドロキシスクシンイミドエステル12に転化 した。この反応混合物を5% HClで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過 し、そして固形物になるまで濃縮し、これを、DMSO中に再懸濁した(10 mgの染料 /50μLのDMSO)。このDMSO染料ストック(5〜10μL)を、pH 9.4にて、0.25 M重炭 酸塩/炭酸塩緩衝液中、アミノヘキシル誘導化-21M13オリゴヌクレオチドプライ マー(1×10-3M)に、過剰に(10〜20倍)添加し、そして6時間反応させた。アミ ノヘキシル誘導化プライマーは、最終サイクルにAminolink-2を用いた自動固相D NA合成により、調製した(PE p/n 400808)。染料標識オリゴヌクレオチドは、0.1 モルのトリエチルアミンアセテート(TEAA)で溶出するSephadex G-25カラムに通 すことにより、未反応染料から分離した。粗標識オリゴヌクレオチドを含有する フラクションは、RP-18クロマトグラフィーカラムを用い、25分間かけて、0.1 M TEAA中8%〜25% AcCNの勾配溶出を使用した逆相HPLCにより、精製した。この 純粋な染料標識オリゴヌクレオチド13は、凍結乾燥で固形物にし、そして1×TE 緩衝液(pH 8.4)に再懸濁した。この染料標識オリゴヌクレオチドの濃度は、添加 物根絶係数(additive extinction coefficient)がTに対して6,650、Cに対して7, 350、Gに対して11,750およびAに対して14,900であると仮定して、260 nmでのUV 吸収により決定し、260 nmでの染料吸収の相対寄与を、同じ緩衝液中で測定した 遊離染料のスペクトルから決定した。 実施例3 実施例2のTAMPA(22)およびCl-FLAN(2)標識オリゴヌクレオチドの励起スペクト ルの比較 1×TBE緩衝液中 pH 8.4で各染料について、励起スペクトルを記録した。染料 は、等モル濃度(約1×10-6M)で存在していた。各染料について、その発光強度 を、λmaxEmで記録した。図4は、488 nmでの励起について、Cl-FLANの相対励起 効率は、TAMRA染料のそれのおよそ2.5倍であるのに対して、514 nmでの励起につ いては、Cl-FLANの相対励起効率は、TAMRA染料のそれのおよそ1.5倍であること を示している。 実施例4 実施例2のTAMRA(22)およびCl-FLAN(2)標識オリゴヌクレオチドの量子収率の比 較 図5は、各染料の吸収最大で励起したTAMRA(22)標識-21M13オリゴヌクレオチ ドおよびCl-FLAN(2)標識-21M13オリゴヌクレオチドの蛍光発光強度の発光スペ クトルを示す。オリゴヌクレオチドは実施例2中のように調製された。このデー タは、TAMRA(22)標識オリゴヌクレオチドと比較して、Cl-FLAN(2)標識オリゴヌ クレオチドでは60%より多い量子収率を示している。スペクトルは、各標識オリ ゴヌクレオチドについて、同じλmaxAbs(0.05)となる濃度で、1×TE緩衝液中pH 8.4で記録した。発光スペクトルは、各染料のλmaxAbsでの照射により、各染料 について記録した。 実施例5 Cl-FLAN(2)およびTAMRA(22)標識オリゴヌクレオチドのモル発光強度の比較 1×TE緩衝液(pH 8.4)に溶解した等モル濃度(約1×10-6M)のTAMRA(22)標識オ リゴヌクレオチドおよびCl-FLAN(2)標識オリゴヌクレオチドの発光スペクトル を、各オリゴヌクレオチドを488 nmおよび514 nmで照射し、そしてこのスペクト ルに付加することにより測定し、複数ラインのアルゴンレーザーの照射を概算し た。図6は、Cl-FLAN(2)標識オリゴヌクレオチドの蛍光強度が、TAMRA(22)標識 オリゴヌクレオチドの蛍光強度の2倍以上であることを明らかにしている。 実施例6 多重染料標識オリゴヌクレオチドセット Cl-FLAN(2)標識オリゴヌクレオチド-21M13配列プライマーの長波長蛍光発光 を、6-FAM、TETおよびHEX 23染料で標識した-21M13配列プライマーからの発光と 比較した。ここで、6-FAMは、6-カルボキシフルオレセインを示し、「TET」は、 6-カルボキシ-4,7,2',7'-テトラクロロフルオレセインを示し、そして「HEX」は 、6-カルボキシ-4,7,2',4',5',7'-ヘキサクロロフルオレセインを示す。上記の 実施例2のように、プライマーを標識した。その励起波長は490 nmであった。発 光スペクトルは、1×TE緩衝液中 pH 8.4で測定し、そして同じ強度(約1×10-6 M)に規格化した。図7は、このCl-FLAN(2)標識オリゴヌクレオチドの発光スペ クトルの573 nm発光最大ピークおよび狭い幅によって、このCl-FLAN(2)標識オ リゴヌクレオチドが、このセット内の他の3種の染料の発光スペクトルから、ス ペクトル的に分離されていることを示す。このスペクトルの分離は、FAM、TETお よびHEX標識オリゴヌクレオチドを含む染料セットのCl-FLAN(2)非対称ベンゾキ サンテン染料との適合を示している。 実施例7 2-フルオロ-1,3-ジヒドロキシナフタレン中間体の合成 図8参照。市販の無水ホモフタル酸(14)(100 gm)を、酸触媒下(TFA 0.5 mL)、 エタノール(300 mL)と反応させ、還流3時間、固形物への濃縮およびトルエンか ら再結晶し、中間体エチルエステル15(収率95%)を生成した。次いで、中間体15 (10 gm)を、1.1当量の塩化オキサリルとCH2Cl2(200 mL)中、室温で4時間、反応 させ、高真空下、室温で濃縮し、粗固形物として、酸塩化物16(収率80%)を生成 した。粗生成物16をTHF中に懸濁させ、そして以下の二つの方法のいずれかによ り、フルオロ酢酸エステル等価物と反応させて、化合物20を生成した。 方法A:フルオロ酢酸エチルのカリウム塩(17)(3当量)(THF中、0℃で、フル オロ酢酸エチルおよびカリウムt-ブトキシドの反応により生成)またはフルオロ マロン酸水素エチルのマグネシウム塩(18)(1.5当量)(−60℃で、臭化イソプロピ ルマグネシウム(2当量)およびフルオロマロン酸水素エチルの反応により生成) を16のTHF懸濁液に徐々に添加し、そして0℃で6時間反応させた。反応系を、 5% HClの添加によりクエンチし、EtOAcで抽出し(3回)、有機層を乾燥し、濃 縮し、そして得られた粗混合物を、ヘキサン/CH2Cl2 6:4〜CH2Cl2 100%の勾 配溶出液を使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物20(収 率35〜50%)を得た。 方法B:リンイリド19を、−70℃で、16のTHF懸濁液に徐々に添加し、次いで、 室温まで暖め、そして16時間反応させた。この反応系を、5% NaHCO3の添加に よりクエンチし、そして6時間撹拌した。この反応系をTHF/水で抽出し(3回)、 そして生成物を方法Aと同様に単離して、中間体20(収率>50%)を生成した。精製 した20を、塩基触媒下(NaOEt 2当量)、分子内環化して、環状中間体21を得、こ れを、インサイチュで脱カルボキシル化して、2-フルオロ-1,3-ジヒドロキシナ フタレン(9a)(収率50%)を得た。他方、この環状中間体21は、THF中、カリウムt -ブトキシドを使用すると、単離でき(収率>80%)、そして2-フルオロ-1,3-ジヒ ドロキシナフタレン(9a)に脱カルボキシル化できる。 実施例8 非対称ベンゾキサンテン化合物2を使用したDNA配列決定 Perkin-Elmer Catalyst 800 Molecular Biology Labstation(The Perkin-Elme r Corporation、Foster City、CA(PE))を用いて、自動サイクル配列決定を行っ た。以下に記載のように6-FAM(C末端停止剤)、TET(A末端停止剤)、HEX(G末端停 止剤)またはCl-FLAN 2(T末端停止剤)で標識した同一の-21 M13プライマーを使 用し、4個の別個のサンガー配列決定反応を行った。4個の反応物の混合物を充 填しPerkin-Elmer ABI PrismTM377 DNA配列決定器および付随のデータ分析ソフ トウェアにより、データを得た。 サイクル配列決定反応は、3.02プラットホームソフトウェアを用いたCatalyst 800 Molecular Biology Labstationで行った。このCatalystは、100 ng/μLの 濃度でpGEM 3Z+テンプレートDNA 0.6μL、および以下で規定したプレミックス1 .9μLを分配するように、プログラム化した。配列決定データは、5%のLong Ra ngerゲル(FMC corporation、Rockland、Maine)を用いて、ABI PrismTM377 DNA配 列決定器で作成した。4個の配列決定プレミックスのそれぞれは、表Iで、以下 に規定される。 サイクル配列決定は、上記のテンプレートおよびプレミックスの混合物で行っ た。このCatalystのサイクル条件は、以下のようであった:96℃で20秒間の1サ イクル;94℃で20秒間、55℃で40秒間および68℃で60秒間の15サイクル;および 94℃で20秒間および68℃で60秒間の15サイクル。 熱サイクルに続いて、4個の別個の反応物を濃厚緩衝液(83% DMSO/25mM EDTA /8mg/ml Blue Dextran)中で混合し、そして標準Express Load法(v 2.02 Catalys t Mannual、PE)を用いて濃縮した。濃縮試料 2 mLを、377配列決定器のウェル に充填し、操作し、そしてversion 1.1 Softwareを用いて分析した。塩基233と2 63との間の配列を、図9に示す。 実施例9 Cl-FLAN(2)、HEXおよびTET標識プライマーを用いて標識し、ROX標識内部サイズ 標準で同時に分離したマイクロサテライトフラグメント 染料標識プライマーを用いたヒトCEPH族DNAの4個の座のPCR反応を、以下に記 載するように行った。これらのPCR生成物をプールし、そしてPerkin-Elmer ABI Prism 377TMDNA配列決定器(PE)にて、電気泳動で分離した。各染料標識フラグメ ントピークの独特の蛍光シグナルを、GeneScanTMAnalysis Software v.2.0.2(P E)を用いて分析した。図10を参照すると、赤色のピーク(Rと表示)は、ROX(26)標 識した内部標準フラグメントに対応し、青色のピーク(Bと表示)は、TET標識フラ グメントに対応し、緑色のピーク(Gと表示)は、HEX標識フラグメントに対応し、 そして黒色のピーク(Kと表示)は、Cl-FLAN(2)標識フラグメントに対応する。 これらのPCR反応を、Perkin-Elmer 9600サーモサイクラー(PE)で行った。以下 のカクテルを使用して、各染料標識プライマーについて、別の反応を行った: これらの混合物を、以下のサイクル条件を用いて、増幅した:95℃で5分間の 1サイクル;94℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で30秒間の10サイクル;89 ℃で15秒間、55℃で15秒間および72℃で30秒間の20サイクル;および72℃で10分 間の1サイクル。 これらの増幅PCR生成物を、Cl-FLAN(2)およびTET標識PCR生成物(0.5μL)を各 HEX標識PCR生成物 1.0μLと混合することによりプールし全体の比がCl-FLAN:HE X:TEX(1:2:1)からなる混合染料標識フラグメントを得た。プールしたPCR フラグメントを、ホルムアミド 2.5μL、Blue Dextran(50 mM EDTA、50 mg/mL B lue Dextran)0.5μLのおよびSize Standard(GS-350 ROX、PE p/n 401735)0.5μL からなる充填カクテルと混合した。プールした混合物を95℃で5分間変性し、次 いで、PE ABI PrismTM377 DNA配列決定器の1ゲル列に充填した。これらのフラ グメントを電気泳動で分離し、そして以下の特性を有するアクリルアミドゲルを 用いて検出した:厚さ 0.20 mm、アクリルアミド 4.25%(wt)、アクリルアミド/ ビスアクリルアミド 19:1(wt/wt)、34ウェルの四角い目の細かい篩、10X TBE 緩衝液(Tris 89 mM、ホウ酸 89 mM、EDTA 2mM)(pH 8.3)。この器具は、Filter Wheel AおよびGS 36D-2400 Module(これは、以下の操作パラメーターを有する) を用いて操作した:EP電圧 3000 V、EP電流 60.0 mA、EP電力 200 W、ゲル温度 51℃およびレーザー出力 40mW。 実施例10 本発明のローダミン染料、キサンテン染料および非対称キサンテン染料のスペク トル特性、光安定性および化学安定性の比較 以下の表IIは、本発明の非対称ベンゾキサンテン染料および他のスペクトル的 に類似のキサンテン染料およびローダミンベース染料の種々のスペクトル特性お よび化学特性を要約し、そして比較する。 この表で示した染料の構造については、図1および2を参照せよ。全てのデー タは、純粋な染料異性体2について報告している。全ての発光スペクトルを、室 温で、λmaxAbs(約1×10-6M)で吸光度 0.05を有する染料溶液にて、1×TBE緩 衝液(pH 8.4)で記録した。λmaxAbsで初期1吸収単位にて、等容量のこれらの染 料に対して、光分解速度を決定し、そして1×TBE緩衝液(pH 8.4)中、35℃で、 等しい高強度の白色光照射下にて、等容量で、ペアで操作した。アリコートの吸 収スペクトルを1時間間隔で取り出し、λmaxEmでの強度を一次指数曲線に適合 させて、染料損失速度 t1/2を決定した。ほぼ等しい濃度で、染料の514 nm励起 を用いて、λmaxEmでの相対明度を決定した。(λmaxAbs=0.05)。NH4OH安定性測 定については、染料はほぼ同じ濃度の濃水酸化アンモニウムに希釈し(λmaxAbs =1)、そして密封バイアルにて、60℃で20時間インキュベートした。アリコー トの吸収スペクトルを1時間間隔で取り出し、λmaxEmでの強度を一次指数曲線 に適合させて、染料分解に対するt1/2を決定した。 全ての文献および特許出願の内容は、各個々の文献または特許出願の内容が具 体的かつ独立して参考として援用されているのと同じ程度まで、本明細書中で参 考として援用されている。 化学および生化学の当業者は、その好ましい実施態様において、それらの教示 から逸脱することなく、多くの改良が可能であることを、充分に理解している。 このような改良の全ては、以下の請求の範囲の範囲内に包含されることを意図し ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 19/06 C07H 19/06 19/16 19/16 21/00 21/00 C09B 11/28 C09B 11/28 K C12N 15/09 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/533 G01N 33/533 C12N 15/00 A (72)発明者 セイセン,ペーター ディー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94080 ―1618,サウスサンフランシスコ,クラレ モント アベニュー 114 (72)発明者 ヘネシー,ケビン エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94403, サンマテオ,29ティーエイチ アベニュー 687 (72)発明者 ファーニス,バージン シー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94402, サンマテオ,パーム アベニュー 1217 (72)発明者 ハウザー,ジョアン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94610, オークランド,ワーフィールド ナンバー 204 1001

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次式を有する非対称ベンゾキサンテン染料化合物: ここで、 Y1およびY2は、別個に、ヒドロキシル、酸素、イミニウムおよびアミンからな る群から選択され; R1〜R8は、別個に、水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、低級 アルキン、スルホネート、スルホン、アミノ、イミニウム、アミド、ニトリル、 低級アルコキシ、連結基およびそれらの組合せからなる群から選択され;そして R9は、アセチレン、低級アルキル、低級アルケン、シアノ、フェニル、置換フ ェニル、複素環芳香族およびそれらの組合せからなる群から選択され、該置換フ ェニルは、以下の構造を有し: ここで、 X1〜X5は、別個に、水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボン酸、スルホ ン酸、−CH2OH、または連結基である。 2.Y1およびY2の1個が、酸素であり、そして他が、ヒドロキシルである、請求 項1に記載の化合物。 3.請求項1に記載の化合物であって、ここで: X1は、カルボン酸、スルホン酸、および−CH2OHからなる群から選択され; X2およびX5は、別個に、水素、塩素、フッ素、および低級アルキルからなる群 から選択され;そして X3およびX4は、別個に、水素、塩素、フッ素、低級アルキル、カルボン酸、ス ルホン酸、および連結基からなる群から選択される。 4.X2およびX5が、塩素である、請求項1に記載の化合物。 5.X1が、カルボン酸である、請求項1に記載の化合物。 6.X3またはX4の一方が、連結基であり、そして他方が、水素である、請求項1 に記載の化合物。 7.X1またはX5の一方が、カルボン酸、スルホン酸、および−CH2OHからなる群 から選択される、請求項1に記載の化合物。 8.R1〜R3の1個が、フッ素である、請求項1に記載の化合物。 9.R3が、フッ素である、請求項8に記載の化合物。 10.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R1は、塩素であり; R3は、フッ素であり; R2、およびR4〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他 方は、水素である。 11.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R1およびR3は、フッ素であり; R2、およびR4〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他方 は、水素である。 12.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R1は、メトキシであり、R2は、塩素であり、R3は、フッ素であり; R4〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他方 は、水素である。 13.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R3は、フッ素であり;R1、R2、およびR4〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他方 は、水素である。 14.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R1〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX 5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他 方は、水素である。 15.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R1は、塩素であり;R2〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他方 は、水素である。 16.請求項1に記載の化合物であって、ここで: Y1およびY2の一方は、酸素であり、そして他方は、ヒドロキシルであり; R1は、メトキシであり;R2は、塩素であり; R3〜R8は、水素であり;そして R9は、置換フェニルであり、ここで、X1は、カルボキシルであり、X2およびX5 は、塩素であり、そしてX3およびX4の一方は、カルボキシルであり、そして他方 は、水素である。 17.次式を有するホスホルアミダイト化合物: ここで、 Xは、スペーサーアーム(spacer arm)であり; Yは、連結基であり; B1は、亜リン酸エステル保護基であり; B2およびB3は、別個に、低級アルキル、低級アルケン、アリール、および10個 までの炭素原子を含有するシクロアルキルからなる群から選択され;そして Dは、請求項1に記載の染料化合物である; ここで、YおよびDは、R1〜R9位置のうち1つで染料Dに結合した連結基を介し て、連結されている。 18.請求項17に記載の化合物であって、ここで、B2およびB3は、一緒になっ て、その主鎖に5個までの炭素原子を含み、かつ全体で10個までの炭素原子を含 有するアルケン鎖であり、該鎖の両末端の原子価結合は、該窒素原子に結合され ている;あるいはB2およびB3は、窒素原子と一緒になって、飽和窒素複素環を形 成し、これは、窒素、酸素、およびイオウからなる群から選択される1個以上の ヘテロ原子を含有する。 19.請求項18に記載の化合物であって、ここで: B1は、メチル、β−シアノエチル、または4-ニトロフェニルエチルからなる群 から選択され; B2およびB3は、別個に、イソプロピル、t-ブチル、イソブチル、およびsec-ブ チルからなる群から選択され;そして B2およびB3は、一緒になって、モルホリノである。 20.XおよびYが、一緒になって、以下の式であり、ここで、nが、2〜10の範 囲である、請求項17に記載の化合物: 21.XおよびYが、一緒になって、以下の式であり、ここで、nが、2〜10の範 囲である、請求項17に記載の化合物: 22.次式を有するホスホロアミダイト化合物: ここで: B1は、亜リン酸エステル保護基であり; B2、およびB3は、別個に、低級アルキル、低級アルケン、アリール、および10 個までの炭素原子を含有するシクロアルキルからなる群から選択され; B5は、酸切断可能なヒドロキシル保護基であり; Bは、ヌクレオチド塩基であり;そして Dは、請求項1に記載の染料化合物である; ここで、Bがプリンまたは7-デアザプリンである場合、その糖部分は、該プリ ンまたは7-デアザプリンのN9-位置にて結合しており、Bがピリミジンである場合 、その糖部分は、該ピリミジンのN1-位置にて結合している; ここで、BおよびDは、R1〜R9位置のうち1つでDに結合した連結基により、連 結されている;そして ここで、Bがプリンである場合、該連結基は、該プリンの8-位置に結合してお り、Bが7-デアザプリンである場合、該連結基は、該7-デアザプリンの7-位置に 結合しており、そしてBがピリミジンである場合、該連結基は、該ピリミジンの5 -位置にて結合している。 23.前記連結基が、以下の式である、請求項22に記載の化合物: 24.前記連結基が、以下である、請求項22に記載の化合物: 25.前記連結基が、以下である、請求項22に記載の化合物: 26.Bが、ウラシル、シトシン、デアザアデニン、およびデアザグアノシンか らなる群から選択される、請求項22に記載の化合物。 27.次式を有する化合物:ここで: R3は、フッ素、塩素、スルホネート、アミノ、アミド、ニトリル、低級アルコ キシ、および連結基からなる群から選択され; R4〜R7は、別個に、水素、フッ素、塩素、低級アルキル、低級アルケン、低級 アルキン、スルホネート、アミノ、アミド、ニトリル、低級アルコキシ、および 連結基からなる群から選択され;そして Y2は、ヒドロキシルおよびアミンからなる群から選択される。 28.R3が、フッ素である、請求項27に記載の化合物。 29.Y2が、ヒドロキシルである、請求項27に記載の化合物。 30.次式を有する標識化ヌクレオチド: ここで: Bは、7-デアザプリン、プリン、またはピリミジンヌクレオチド塩基であり; W1およびW2は、別個に、HおよびOHからなる群から選択され; W3は、OH、 からなる群から選択され; Dは、請求項1に記載の染料化合物であり; ここで、Bがプリンまたは7-デアザプリンである場合、その糖部分は、該プリ ンまたはデアザプリンのN9-位置にて結合しており、Bがピリミジンである場合、 その糖部分は、該ピリミジンのN1-位置にて結合している; ここで、BおよびDを連結している連結基は、R1〜R9位置のうちの1つで、Dに 結合している;そして ここで、Bがプリンである場合、該連結基は、該プリンの8-位置に結合してお り、Bが7-デアザプリンである場合、該連結基は、該7-デアザプリンの7-位置に 結合しており、そしてBがピリミジンである場合、該連結基は、該ピリミジンの5 -位置に結合している。 31.Bが、ウラシル、シトシン、デアザアデニン、およびデアザグアノシンか らなる群から選択される、請求項30に記載の標識化ヌクレオチド。 32.前記連結基が、以下の式である、請求項30に記載の標識化ヌクレオチド : 33.W1およびW2の両方が、Hであり、そしてW3が、以下の式である、請求項3 0に記載の標識化ヌクレオチド: 34.W1が、Hであり、W2が、OHであり、そしてW3が、以下の式である、請求項 30に記載の標識化ヌクレオチド:35.次式を有するヌクレオチドを含有する標識化ポリヌクレオチド: ここで: Bは、7-デアザプリン、プリン、またはピリミジンヌクレオチド塩基であり; Z1は、HまたはOHからなる群から選択され; Z2は、H、OH、HPO4、およびNucからなる群から選択され、ここで、Nucおよび 該ヌクレオシドは、ホスホジエステル連結基により連結され、該連結基は、Nuc の5'-位置に結合している; Z3は、H、HPO3、ホスフェートアナログおよびNucからなる群から選択され、こ こで、Nucおよび該ヌクレオシドは、ホスホジエステル連結基により連結され、 該連結基は、Nucの3'-位置に結合している;そして Dは、請求項1に記載の染料化合物である; ここで、Bがプリンまたは7-デアザプリンである場合、その糖部分は、該プリ ンまたはデアザプリンのN9-位置にて結合しており、Bがピリミジンである場合、 その糖部分は、該ピリミジンのN1-位置にて結合している; ここで、BおよびDを連結している連結基は、R1〜R9位置のうちの1つで、Dに 結合している; ここで、Bがプリンである場合、該連結基は、該プリンの8-位置に結合してお り、Bが7-デアザプリンである場合、該連結基は、該7-デアザプリンの7-位置に 結合しており、そしてBがピリミジンである場合、該連結基は、該ピリミジンの5 -位置に結合している。 36.Bが、ウラシル、シトシン、デアザアデニン、およびデアザグアノシンか らなる群から選択される、請求項35に記載の標識化ポリヌクレオチド。 37.前記連結基が、以下の式である、請求項35に記載の標識化ポリヌクレオ チド: 38.以下の工程を包含する、ポリヌクレオチド配列決定方法: 第1、第2、第3、および第4のクラスのポリヌクレオチドの混合物を以下の ように形成する工程: 第1のクラスの各ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシアデノシンを含有 し、第1染料で標識化されている; 第2のクラスの各ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシシチジンを含有し 、第2染料で標識化されている; 第3のクラスの各ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシグアノシンを含有 し、第3染料で標識化されている;そして 第4のクラスの各ポリヌクレオチドは、3'-末端ジデオキシチミジンを含有し 、第4染料で標識化されている; ここで、第1染料、第2染料、第3染料、または第4染料のうちの1種は、請 求項1に記載の非対称ベンゾキサンテン染料である; 該染料の他のものは、それらが、該非対称ベンゾキサンテン染料からおよび互 いから分光的に分解可能である; 該ポリヌクレオチドを電気泳動的に分離し、それにより、類似のサイズのポリ ヌクレオチドのバンドを形成する工程; 該バンドを、該染料に蛍光を起こすことができる照射ビームで照射する工程; ならびに 該バンド中の該ポリヌクレオチドのクラスを、該染料の蛍光スペクトルにより 同定する工程。 39.前記染料の他のものが、6-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシ-4,7 ,2',7-テトラクロロフルオレセイン、および6-カルボキシ-4,7,2',4',5',7'-ヘ キサクロロフルオレセインからなる群から選択される、請求項38に記載の方法 。 40.以下を包含する、フラグメント解析方法: 標識化ポリヌクレオチドフラグメントを形成する工程であって、該フラグメン トが、請求項1に記載の染料化合物で標識化されている、工程; 該標識化ポリヌクレオチドフラグメントを、サイズ依存性(size-dependent) 分離プロセスに供する工程;および 該分離プロセスに引き続いて、該標識化ポリヌクレオチドフラグメントを検出 する工程。 41.前記サイズ依存性分離プロセスが、電気泳動であり、そして前記検出する 工程が、蛍光によって検出する工程である、請求項40に記載の方法。 42.R3が、塩素である、請求項27に記載の化合物。 43.Y2が、アミンである、請求項27に記載の化合物。
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