【発明の詳細な説明】
MAdCAM−1媒介性相互作用の阻害剤およびその使用方法 関連出願
本願は、1996年1月4日に出願された米国特許出願第08/582,740号の一部継続
出願であり、該米国特許出願の内容は全体として参考により本明細書に合体され
る。政府の補助
本明細書に記述する研究は、その全部または一部が政府助成金番号43DK849830
1によって補助された。政府は、本発明に関して一定の権利を有する場合がある
。発明の背景
循環系からリンパ組織へのリンパ球ホーミングとリンパ球の炎症部位への遊走
は、二次リンパ組織(例えば腸間膜リンパ節、パイエル斑(PP))に認められる高内
皮細静脈(HEV )を含む後毛細管細静脈に発現したレセプターとの相互作用によ
って調節される(Bevilacqua,M.P.,Ann.Rev.Immunol.,11 :767-804(1993
);Butcher,E.C.,Cell,67:1033-1036(1991);Picker,L.J.ら,Annu.Rev.Immun
ol.,10:561-591(1992);およびSpringer,T.A.,Cell,76:301-314(1994))
。これらの相互作用は本質的に組織特異的である。
炎症(例えば慢性炎症)はリンパ球、リンパ芽球および単核食細胞などの白血
球による冒された組織の浸潤を特徴とする。ブッチャー(Butcher )や他の研究
者らが提唱しているように、正常な循環中と炎症中に白血球が種々の組織に優先
的に遊走する顕著な選択性は、複数のレセプター−リガンド相互作用が関与する
一連の接着および活性化事象から生ずる(Butcher,E.C.,Cell,67:1033-1036
(1991):vonAdrian,U.H.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88;7538(1991);May
adas,T.N.ら,Cell,74:541(1993);(Springer,T.A.,Cell,76:301(1994))。
初期段階としては、白血球と内皮の間に一時的なローリング相互作用がある。こ
れはセレクション(selections)(α4インテグリンによる場合もある)の、その
炭水化物リガンドとの相互作用から生ずる。流れの向きにローリングすることを
特徴とするこの相互作用は、既知の方法で評価することができる(Lawrence,M.
B.およびT.A.Springer,Cell,65:859(1991);国際公開第 92/21746号パン
フレット,Springerら(1992年12月10日))。次に、ケモカインのような化学遊
走物質とそのレセプターによって媒介される活性化事象が起こる。これはインテ
グリン接着性の活性化を引き起こし、血管壁を通過する白血球の遊走方向に影響
を与える。次には、かかる二次シグナルが、白血球インテグリンとその内皮リガ
ンド(Ig様レセプターとECM )を介する白血球の内皮への強固な接着、続いて循
環系から血管内皮を横切って経内皮移行を誘発する。
パイエル斑(PP)やリンパ節(例えば末梢リンパ節(PLN))のような二次リン
パ組織では、白血球の輸送とホーミングが、白血球表面のホーミングレセプター
の、後毛細管細静脈(特に高内皮細静脈(HEV))を裏打ちする内皮細胞との相互
作用によって調節されている(Gowans,J.L.およびE.J.Knight,Proc.R.Soc.
Lond.,159:257(1964))。血管アドレシング(addressing)と名づけられたレセ
プターは、内皮細胞表面上に存在し、リンパ球サブセットの遊走とそれに続く血
管外遊出を調節する。血管アドレシングは、限定された発現パターンを示し、こ
の組織特異的な発現が、白血球輸送の特異性に重要に寄与している(Picker,L.J
.およびE.C.Butcher,Annu.Rev.Immunol.,10:561-591 (1992); Berg,E.L.
ら,Cellular and molecular mechanisms of inflammation,2:111(1991);But
cher,E.C.,Cell,67: 1033-1036(1991))。
粘膜血管アドレシングMAdCAM-1(Mucosal Addressing Cell Adhesion Molecul
e-1)は、リンパ球に対する免疫グロブリンスーパーファミリー接着レセプター
であって、VCAM-1やICAM-1とは異なるものである。MAdCAM-1はマウスにおいて、
リンパ球血管外遊出の部位に選択的に発現する約60kdの糖タンパク質として同定
された。具体的に述べると、MAdCAM-1発現は、腸管関連組織またはリンパ、小腸
および大腸を含む粘膜組織の血管内皮細胞と泌乳乳腺では報告されているが、末
梢リンパ節では報告されていない。MAdCAM-1はパイエル斑へのリンパ球結合に関
与する。(Streeter,P.R.ら,Nature,331:41-46(1988);Nakache,M.ら,N
ature,337:179-181(1989);Picker,L.J.ら,Annu.Rev.Immunol.,10:561-591(
1992);Briskin,M.J.ら,Nature,363:461(1993);Berg,E.L.ら,Nature,366:695-
698(1993);Berlin,C.ら,Cell,74:185-195(1993))。MAdCAM-1は、炎症誘発
性の刺激によりイン・ビトロで誘導することができる(Sikorski,E.E.ら,J.Im
munol.,151:5239-5250(1993))。ネズミと霊長類(例えばヒト)のMAdCAM-1
をコードするcDNAクローンは既に単離され、配列決定されている(Briskin,M.J
.ら,Nature,363 :461-464(1993);Briskinら,国際公開第96/24673号パン
フレット、1996年8月15日公開;およびBriskin,M.J.ら,米国特許出願第08/5
23,004号明細書(1995年9月1日出願);これらの教示はそれぞれ、全体として
参考により本明細書に合体される)。
MAdCAM-1は、パイエル斑へのホーミングに関与するリンパ球ホーミングレセプ
ターであるリンパ球インテグリンα4 β7(LPAM-1(マウス)、α4 βp(マウス
)とも呼ばれる)に特異的に結合する(Berlin,C.ら,Cell,80:413-422(1994
);Berlin,C.ら,Cell,74:185-195(1993);およびErle,D.J.ら,J.Immun
ol.,153:517-528(1994))。α4 β1 ともα4 β7 とも相互作用するVCAM-1や
フィブロネクチン(Berlin,C.ら,Cell,74:185-195(1993);Strauch,U.S.
ら,Int.Immunol.,6:263(1994))とは対照的に、MAdCAM-1はα4 β7 レセプ
ターの選択的リガンドである。
例えば潰瘍性大腸炎やクローン病のような炎症性腸疾患(IBD)は、胃腸管の
炎症を伴う衰弱性かつ進行性の疾患でありうる。米国だけでも推計200 万人の人
々を冒し、症状には、腹痛、痙撃、下痢および直腸出血が含まれる。IBD の治療
には、抗炎症剤(副腎皮質ステロイドやスルファサラジンなど)、免疫抑制剤(
6-メルカプトプリン、シクロスポリン、アザチオプリンなど)および外科手術(
直腸切除など)が用いられている。ポドルスキー(Podolsky),NewEngl.J.Med.
,325 :928-937(1991)およびポドルスキー,NewEngl.J.Med.,325 :1008-1016
(1991)。胃腸管や他の粘膜組織の白血球浸潤を伴うIBD その他の疾患の治療に有
用な新しい治療法を提供するには、MAdCAM-1機能の阻害剤が必要である。発明の要旨
本明細書に示すように、ヒトα4 β7 などのMAdCAM-1リガンドに結合する粘膜
アドレシング細胞接着分子-1(Mucosal Addressing Cell Adhesion Molecule-1
;以下MAdCAM-1)には、保存されたアミノ酸モチーフLDTSL(配列番号1)が含
まれる。また、このペプチド配列またはその短縮型、例えばAsp-Thr およびLeu-
Asp-Thr を含有する化合物はα4 β7 に結合し、α4 β7 を細胞表面に発現する
白血球の、MAdCAM-1に対する接着を阻害することができる。さらに、このペプチ
ド配列のN末端とC末端にある基はα4 β7 に対するそれらの化合物の結合を増
強し、MAdCAM-1とそのリガンドの間の相互作用のより強力な阻害剤であることも
わかった。したがって、本発明は保存されたアミノ酸モチーフLDTSL を模倣した
ペプチド配列であって、そのN末端とC末端に結合した基を持つペプチド配列を
含む新規化合物を提供する。
また、α4 β7 インテグリンを含むMAdCAM-1のリガンド産生細胞の、MAdCAM-1
またはその一部(例えばその細胞外ドメイン)との相互作用を阻害する方法であ
って、該細胞を本発明の化合物と接触させる工程を含む方法をも提供する。一態
様として、本発明は、α4 β7 インテグリンを産生する第1細胞の、MAdCAM、例
えばMAdCAMを産生する第2細胞とのMAdCAM媒介性相互作用を阻害する方法であっ
て、該第1細胞を本発明の化合物と接触させる工程を含む方法に関する。もう1
つの態様として、本発明は、分子MAdCAM-1を発現する組織(例えば内皮)に対す
る白血球補充に関連する疾患にかかっている個体を治療する方法に関する。
本発明の一態様は、細胞表面にMAdCAM-1のリガンド(例えばα4 β7 )を発現
する白血球などの細胞の、MAdCAM-1に対する(例えば細胞表面にMAdCAM-1を発現
する内皮細胞に対する)結合を阻害する方法である。この方法は、白血球を構造
式(I)によって表される阻害剤の有効量と接触させる工程を含む:
R1-X-Y-Z-R2 (I)
Yはペンタペプチド[AA]1-[AA]2-[AA]3-[AA]4-[AA]5である。
[AA]1は、ロイシン、バリン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、
グリシン、N-メチルロイシン、セリン、スレオニン、オルニチン、システイン、
アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択される。
[AA]2は、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニンおよびチロシン
からなる群より選択される。
[AA]3は、スレオニン、セリン、バリン、プロリンおよび4-ヒドロキシプロリ
ンからなる群より選択される。
[AA]4は、セリン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、4
-ヒドロキシプロリン、スレオニン、バリン、イソロイシン、アラニン、グリシ
ン、オルニチンおよびリジンからなる群より選択される。
[AA]5は、ロイシン、バリン、イソロイシン、N-メチルロイシン、スレオニン
、オルニチン、セリン、アラニン、グリシン、フェニルアラニン、システイン、
アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択される。
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れる。XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択さ
れる。XとZは共有結合であることが好ましい。
R1はR3-CO-である。
R2は-NR4R5である。
R3は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基、
ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択される。
R4とR5は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換ア
リール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそれぞ
れ独立して選択される。R4とR5が両方とも−Hということはない。また、R4とR5
は全体として複素環を形成してもよい。
X、YおよびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸残基を含有するペプ
チドを形成する。
構造式(I)で表される化合物は、N末端の窒素原子に結合した基と、C末端
のカルボニルに結合した第2の基とを持つペプチドである。ある側面では、この
ペプチドは直鎖状である。YのN末端はアルギニンまたはアルギニン誘導体には
結合しない。
また、X、YおよびZによって形成されるペプチドは、環状化されて環を形成
してもよい。環状化する場合は、そのペプチド中の2つのアミノ酸の間のアミド
結合、エステル結合またはジスルフィド結合によって、その環を形成させること
ができる。環がペプチドのN末端とC末端の間のアミド結合によって形成される
場合、R1とR2は一体となって、そのペプチドのC末端のカルボニルとそのペプチ
ドのN-末端の窒素の間に共有結合を形成する。
細胞表面にMAdCAM-1のリガンド(例えばα4 β7 )を発現する白血球などの細
胞の、MAdCAM-1に対する(例えば分子MAdCAM-1を発現する内皮に対する)結合を
阻害する方法のもう1つの態様では、投与される阻害剤が、構造式(II)によっ
て表される:
R1-X-Y-Z-R2 (II)
R1、R2、XおよびZは構造式(I)に関して定義した通りである。Y’は、As
p-Thr という配列を持つジペプチド、Leu-Asp-Thr という配列を持つトリペプチ
ド、またはLeu-Asp-Thr-Ser-Leu(配列番号1)という配列を持つペンタペプチ
ド[AA]1-[AA]2-[AA]3-[AA]4-[AA]5(ただし[AA]1、[AA]2、[AA]3、[AA]4または[
AA]5のうちどれでも1つだけは改変することができ、それは天然に存在する任意
のアミノ酸であるものとする)を表わす。Y’のN末端の窒素は(アルギニンを
含めて)天然に存在するどのアミノ酸に結合していてもよい。ただし、後述のよ
うに、Y’がAsp-Thr であって、X-Y'-Zから形成されるペプチドが環状化されて
いる場合、Y’のN末端はグリシンまたはサルコシンには結合できないものとす
る。
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプチ
ドを形成する。ある側面では、X、Y’およびZによって形成されるペプチドは
直鎖状である。XとZはそれぞれ共有結合であることが好ましい。また、X、Y
’およびZによって形成されるペプチドは、環状化されて環を形成してもよい。
環状化する場合は、そのペプチド中の2つのアミノ酸の間のアミド結合、エステ
ル結合またはジスルフィド結合によって、その環を形成させることができる。環
がペプチドのN末端とC末端の間のアミド結合によって形成される場合、R1とR2
は一緒になって、そのペプチドのC末端のカルボニルとそのペプチドのN末端の
窒素の間に共有結合を形成する。
本発明のもう1つの態様は新規化合物である。この化合物は上記の構造式IIに
よって表される。
本発明のもう1つの態様は、分子MAdCAM-1を発現する組織の白血球浸潤に関連
する疾患にかかっている個体の治療法である。この方法は、構造式(I)によっ
て表される阻害剤または構造式(II)によって表される阻害剤の治療有効量を、
その個体に投与する工程を含む。
本発明の化合物は、レセプターα4 β7 に対するMAdCAM-1の結合の阻害剤で
あるので、炎症性腸疾患などの疾患の治療に有用であり、例えばα4 β1 インテ
グリンによって接着が媒介される他の組織での副作用が少ない可能性がある。
本発明の化合物は診断および研究への適用にも有用である。例えば、本化合物
は、MAdCAM-1またはその一部を選択的に結合する抗体の生成を誘導するための免
疫原として使用できる(例えば適当な担体と共役させた場合)。その場合、それ
らの抗体は、MAdCAM-1を細胞表面に発現する細胞を同定したり、試料中のMAdCAM
-1を検出するために使用することができる。また、本発明の化合物を標識して、
α4 β7 インテグリンを検出するためおよび/または細胞表面上のμ4 β7 イン
テグリンの発現量を定量するために使用することもできる。図面の簡単な説明
図1は、接着アッセイに使用したラット抗ネズミκ捕捉抗体の量を選択するた
めに用いた滴定実験を表わすグラフである。MAdCAM- mCκ融合タンパク質を、様
々な量の捕捉抗体によってウェルの表面に結合させ、抗MAdCAM-1抗体の存在量を
増やしながら、融合タンパク質に対する蛍光標識HUT 78細胞の接着をモニターし
た。示数(Y軸)は、恣意的な蛍光単位で示してある。精製ラット抗ネズミκ抗
体の10μg/ml(■)、5μg/ml (□)、2.5μg/ml (◆)または1.25μg/ml(
◇)溶液50μlを使用した。抗ネズミMAdCAM-1抗体MECA-367は、上清をそのまま
、または1:2、1:4、1:8もしくは1:16に希釈して使用した(X軸上に、それぞれ
、:1(そのまま)、:2、:4、:8および:16と記載)。「なし」は、MECA-367抗体
が存在しないこと(緩衝液対照)を示す。
図2は、捕捉抗体によって結合したMAdCAM- mCκ融合タンパク質に対するα4
β7 産生蛍光標識細胞(HUT 78ヒトT細胞リンパ腫細胞)の接着の、化合物793-
1aによる阻害を表わすグラフである。使用した化合物の種々の濃度(μM)を比
率(接着した蛍光細胞の測定から計算;実施例2を参照のこと)に対してプロッ
トした。
図3は、MAdCAM-1/ mCκ融合遺伝子と、コードされている融合タンパク質の概
略図である。MAdCAM-1配列とmCκ配列の接合部にあるBamHI 部位は、Gly-Ser の
コドンを導入する(配列番号63と配列番号64)。この融合遺伝子は、MAdCAM
-1の
シグナルペプチド(配列番号65と配列番号66、部分シグナルペプチド)と完全な
細胞外ドメインを位置365 のスレオニン残基までコードする。一文字アミノ酸コ
ードを使用している。
図4は、ヒトMAdCAM-1をコードするcDNAクローン4のサブクローンから決定し
たヌクレオチド配列(配列番号67)と、その読み取り枠によってコードされる予
想タンパク質(MAdCAM-1)の配列(配列番号68)を示している。予想されるシグ
ナルペプチドと膜貫通領域には、太い下線を引いてある。2つのIg様ドメインの
システイン残基と、潜在的N結合型グリコシル化部位は、四角く囲んである。71
アミノ酸からなるムチンドメインは、細太線で囲んである。LDTSL(配列番号1)
モチーフは、アミノ酸63から始まっている。
図5は、ヒトMAdCAM-1をコードするcDNAクローン20のサブクローンから決定し
たヌクレオチド配列(配列番号69)と、その読み取り枠によってコードされる予
想タンパク質(MAdCAM-1)の配列(配列番号70)を示している。予想されるシグ
ナルペプチドと膜貫通領域には、太い下線を引いてある。2つのIg様ドメインの
システイン残基と、潜在的N結合型グリコシル化部位は、四角く囲んである。47
アミノ酸からなるムチンドメインは、細太線で囲んである。LDTSL(配列番号1)
モチーフはアミノ酸63から始まっている。これらの2つのヒトcDNAクローンは、
おそらくゲノムDNA によってコードされ、例えば選択的スプライシングによって
、または2つの異なる対立遺伝子の転写によって生成するイソタイプだと思われ
る。発明の詳細な説明
本明細書において「低級アルキル」とは、1個から12個程度までの炭素原子を
含有する炭化水素を指す。一つの側面として、-CH3と-CH2-CH3を除く全ての低級
アルキルを含むには、「C3-C12アルキル」という用語を使用する。炭化水素は飽
和であってもよく、また1もしくはそれ以上の不飽和部を含んでもよい。また、
炭化水素は分枝状、直鎖状、または環状であってよい。
「環状炭化水素」とは、シクロアルキル基を指す。「シクロアルキル基」には
、炭素環(例えばシクロペンチルおよびシクロヘキシル)だけでなく、1個また
はそれ以上の炭素原子がヘテロ原子に置換されている炭素環(例えばモルホリノ
、ピペリジニル、ピロリジニル、チオモルホリノ、またはピペラジニル)も含ま
れる。また、他のシクロアルキル環に縮合したシクロアルキル環(例えばデカリ
ニル)、または芳香族基もしくは複素芳香族基に縮合したシクロアルキル環(例
えばインダニル、テトラリニル、および9-キサンテニル)も含まれる。「環状炭
化水素」には、アダマンチルおよびノルボルニルなどの橋かけ型の多環式構造も
含まれる。他の低級アルキル基の場合と同様に、環状炭化水素は置換されていて
もよい。
本明細書において「アリール」基は、フェニルなどの芳香族環系を包含するも
のと定義される。「ヘテロアリール」基は、2-フラニル、3-フラニル、2-チエニ
ル、3-チエニル、2-ピリジル、2-ピラニルおよび3-ピラニルなどの、ヘテロ原子
を含有する芳香族環系を包含するものと定義される。「アリール」基と「ヘテロ
アリール」基には、アリール環またはヘテロアリール環が1個またはそれ以上の
他のアリール環、ヘテロアリール環またはシクロアルキル環に縮合している縮合
多環式芳香族環系も含まれる。例としては、α-ナフチル、β-ナフチル、1-アン
トラセニル、2-アントラセニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、2-ベン
ゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-インドリル、2-キノリニル、3-キノリニル、
アクリジニルおよび9-チオキサンタニルが含まれる。また、アリール基同士、ヘ
テロアリール基同士、またはアリール基とヘテロアリール基とが、共有結合で結
ばれている多環式芳香族環系(例えば4-フェニルフェニル、3,5-ジフェニルフェ
ニル、4-(2-チエニル)フェニル、および4-(2-フラニル)フェニル)および-
(CH)n橋で結ばれている多環式芳香族環系(例えば4-(フェニル-CH2)フェニ
ル、4-(フェニルCH2CH2-)フェニル、4-(-CH2-2-チエニル)フェニル、および4-
(-CH2CH2-2-チエニル)フェニル)も含まれる(ここで、nは1から5程度まで
の整数である)。
低級アルキル基、アリール基またはヘテロアリール基上の好適な置換基として
は、C1-C2アルコキシ、ケトン、アルデヒド、(低級アルキル)エステル、アリ
ール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ベンジル、低級ア
ルキル、フルオロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロなどが挙げられる。低級ア
ルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、1個以上の置換基を有しても
よい(例えば2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル、3,5-ジフェニルフェニル、
および2,4-ジクロロフェニル、2-ブロモ-4-ニトロペンチル、および2-(3,5-ジ
ブロモベンゾフラニル)。また、置換低級アルキル基は、1つの炭素原子上に複
数の置換基を持ってもよい(例えばジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2
,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル、およびトリフルオロメチル)。
R1とR2は、構造式(I)および(II)によって表される化合物のペプチド配列
のそれぞれN末端とC末端に共有結合している基である。
好ましい一態様として、R3は、アダマンチル、アダマンチルメチル、C1-C4 ア
ルキル基、C3-C7 シクロアルキル基、C1-C4 アルキル基で置換されたC3-C7 シク
ロアルキル基、C3-C7 シクロアルキル基で置換されたアリール基、C1-C8 アルキ
ル基で置換されたフェニル基、アリール基、2-アントラセニル、ジフェニルメチ
ル、1-ナフチル、2-ナフチル、ベンジル、インダニル、テトラリニル、トリフェ
ニルメチル、トリフェニル(C1-C4 アルキル)、9-フルオレニル、スチリル、ヘ
テロアリール基、フラニル、チエニル、9-キサンタニル、9-チオキサンタニル、
アクリジニル、ピリジル、キノリニル、アリール基で置換されたC1-C4 アルキル
基(例えばベンジルおよびフェニルエチル)、およびヘテロアリールで置換され
たC1-C4 アルキル基(フラニルメチル、チエニルメチル、ピリジルメチル、キノ
リニルメチル)からなる群より選択される。より好ましくは、R3を、トリフェニ
ルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル、2-フラニル、3-フラニ
ル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、2-アントラセン、メチル
、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾ
フラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シクロヘキシル、5-フェニル
ペンチル、4-イソブチル-α-メチルフェニルメチル、4-ビフェニルメチル、α-
ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチル、トランス-2-フェニル
エテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルからなる群より選択される
。
もう1つの好ましい態様では、R3が置換または非置換アリール基もしくはヘテ
ロアリール基である。例としては、キノリニル基(例えば2-キノリニル、2-フェ
ニル-4-キノリニル、3-キノリニル、4-キノリニル、7-キノリニル)、イソキノ
リニル基(例えば3-イソキノリニル)、インドリル基(例えば2-イントリルおよ
び5-クロロ-2- インドリル)、キノキサリニル基(例えば2-キノキサリニル)、
シノリニル基、およびピラジニル基などの単環式および二環式窒素含有複素芳香
族基が含まれる。また、置換または非置換アリールもしくはヘテロアリール基で
置換されたビニル基(例えばシスおよびトランスのスチリルおよびスチルビル、
(3-ピリジル)-CH =CH-)、炭素多環式芳香族炭化水素(例えば2-ナフチルおよ
び2-アントラシル)および酸素含有多環式芳香族炭化水素(例えば9-キサンタニ
ル、2-ベンゾピラノン、3-ベンゾピラノンおよび2-ベンゾフラニル)も含まれる
。アリール基またはヘテロアリール基の置換基として好適なものは、上述のとお
りである。
R4とR5は、C1-C5 アルキル基、C1-C4 アルコキシで置換されたC1-C5 アルキル
基、C3-C7 シクロアルキル基、C1-C5 アルキル基で置換されたC3-C7 シクロアル
キル基、アリール基、置換C1-C5 アルキル基(例えば好適な置換基には、ヒドロ
キシル基、フェニル、置換フェニル(例えば好適な置換基にはC1-C5 アルキル基
、C1-C4 アルコキシ、ハロゲン、ニトロおよびトリフルオロメチルが含まれる)
が含まれる)、アリール基で置換されたC1-C4 アルキル基(例えばベンジル、フ
ェニルエチル、ジフェニルエチル、9-フルオレニル)、ヘテロアリール基(例え
ばベンゾフラニル、ベンゾチエニル、フラニル、ピリジニル、キノリニル、およ
びチエニル)、およびヘテロアリール基で置換されたC1-C5 アルキル基(例えば
フラニルメチル、チエニルメチル、ピリジルメチル、およびキノリニルメチル)
からなる群より独立して選択されることが好ましい。
また、R4とR5は全体としてピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、チオモ
ルホリノまたはピペラジニル(ピペラジン環のN4位は水素、アセチル、ベンゾイ
ル、アルキル、ベンジルまたはフェニルからなる基で置換されているものとする
)を含む複素環を形成してもよい。より好ましくは、R4とR5は、それぞれ独立し
て、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-
ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2-チエニル、-CH2-3-チエニル、-CH2
-2-フラニル、-CH2-3-フラニル、3,4-ジメトキシベンジルおよびイソペンチルか
らなる群より選択される。
本発明の化合物の例には、次に挙げる化合物が含まれる:
Cpc-NH-Asp-Thr-N(CH2CH20H)(ベンジル)
Cpc-NH-Asp-Thr-NH-ヘキシル
Cpc-NH-Asp-Thr-NH-(3,4-ジメトキシベンジル)
Cpc-NH-Asp-Thr-NH-CH(フェニル)2
Idc-NH-Asp-Thr-NH-ベンジル
Chc-NH-Asp-Thr-NH-CH2チエニル
Bpc-NH-Asp-Thr-NH-ベンジル
Indc-NH-Asp-Thr-NH-イソペンチル
Bpc-NH-Asp-Thr-NH-CH2チエニル
略号は表3で定義する。
好ましい態様として、R3はジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス
-2-フェニルエチレニル、2-フェニルエチニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフ
ラニル、2-ベンゾチエニルおよび3-ベンゾチエニルからなる群より選択され、R4
は2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベ
ンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2-チエニル、-CH2-3-チエニル、-CH2-2
-フラニル、-CH2-3-フラニルからなる群より選択され、R5は-Hである。
本明細書において「[AA]」はアミノ酸を表わし、「[AA]1・・・[AA]n」はペプチド
を表わす。ここで、[AA]1はN末端アミノ酸であり、[AA]nはC末端アミノ酸であ
る。特に明示しない限り、ペプチド中のアミノ酸は、その左端をN末端、右端を
C末端として、左から右に向かって表わす。ペプチド内のアミノ酸も同様に指定
することができる。例えば「[AA]2」と「[AA]n-1」は、それぞれN末端とC末端
から2番目のアミノ酸を指す。この命名法で、XとZの各アミノ酸を指定するこ
とができる。例えば「Zの[AA]1」とは、Zがペプチドである場合にZのN末端
にあるアミノ酸を指す。「Xの[AA]2」とは、Xがペプチドである場合にXのN
末端から2番目のアミノ酸を指す。「Xの[AA]n-1」とは、Xがペプチドである
場合にXのC末端から2番目のアミノ酸を指す。Y中のアミノ酸には、N末端か
ら始まってC末端で終わる1〜5の番号が順番に付けられる(Y’がペンタペプ
チド、トリペプチドまたはジペプチドの場合、Y’にはそれぞれ1〜5、1〜3
または1〜2の番号が順番に付される)と理解すべきである。したがって「Yの
[AA]2」とは、YのN末端から2番目のアミノ酸を指す。また、X(またはZ)
が単一のアミノ酸である場合は、X(またはZ)を表わすのに「Xの[AA]1」
(または「Zの[AA]1」)を用いることができると理解すべきである。
ある態様では、YはY’、例えばAsp-Thr、Leu-Asp-ThrまたはLeu-Asp-Thr-Se
r-Leu という配列(配列番号1)を持つペンタペプチド[AA]1-[AA]2-[AA]3-[AA]4
-[AA]5(ただし[AA]1、[AA]2、[AA]3、[AA]4または[AA]5のうち1つだけは改変
することができ、それは天然に存在する任意のアミノ酸であるものとする)であ
る。「天然に存在するアミノ酸」とは、自然に存在するアミノ酸をいう。「天然
に存在するアミノ酸」としては、セリン、スレオニン、システイン、グ
リシン、バリン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、グルタ
ミン酸、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、オルニチン、チロシ
ン、フェニルアラニン、ヒスチジン、プロリン、4-ヒドロキシプロリン、トリプ
トファン、およびメチオニンが挙げられるが、これらに限るわけではない。
構造式(I)については、Xがアミノ酸である場合、Xはアルギニンまたはア
ルギニンの誘導体ではあり得ない。また、構造式(I)については、Xがペプチ
ドである場合、XのC末端のアミノ酸はアルギニンまたはアルギニンの誘導体で
はあり得ない。アルギニン誘導体には、Nおよび/またはN' C1-C4アルキル化ア
ルギニン(例えばN-アルキルアルギニン、N,N-ジアルキルアルギニン、N,N-ジア
ルキルアルギニン、およびN,N,N-トリアルキルアルギニン)が含まれる。アルギ
ニン誘導体には、アルギニン模倣体(例えばp-アミノメチルアルギニン)、アル
ギニン異性体(例えばノルアルギニン)、側鎖に置換基(例えばニトロ、ハロま
たはC1-C4 アルキル)を持つアルギニン、および側鎖に1個またはそれ以上のさ
らなる炭素原子を含有するアルギニン(例えばホモアルギニン)も含まれる。
好ましい態様では、Y’がトリペプチドLeu-Asp-Thr またはジペプチドAsp-Th
r であり、R3として好ましい基の例には、置換および非置換のフェニル(例えば
-2,5- ジCF3、2-CF3、3-CF3、1,2-ジフルオロ、3,5-ジフルオロ、2,5,6-トリフ
ルオロ、3-(n-ヘキシルオキシ)、3-クロロ、4-t-ブチル、および4-フェニル置
換フェニル)、チエニル(例えば2-チエニルおよび3-ハロ-2-チエニル)、イ
ンドリル(例えば2-インドリル)、ピリミジル(例えば1-クロロ-3- トリフルオ
ロ-4- ピリミジル)、ピリジル(例えば2-メチル-6- クロロ-3- ピリジル)、
ベンゾフラニル(例えば2-ベンゾフラニル)、イソキノリニル(例えば3-イソキ
ノリニル)、3-イソキノリニル-CO-NH-(CH2)x-(式中、xは1〜4の整数)およ
びベンゾピラノン基(例えば2-および3-ベンゾピラノン)が含まれる。R3は3-イ
ソキノリニルまたは2-ベンゾフラニルであることがより好ましく、R4は-Hである
こ
とが好ましく、R5はベンジル、置換ベンジル(例えば3-CF3、3-メチル、4-CH3、
2-CH3、4-フルオロ、3,4-ジフルオロ、2,5-ジフルオロ、3,4-メチレンジオキシ
、4-N-モルホリノおよび4-OCH3置換ベンジル)、フェネチル、置換フェネチル(
例えば3,4-ジメトキシ置換および4-SO2NH2置換フェネチル)、フェンプロピル(
phenpropyl)、置換フェンプロピル,ヘテロアリール-CH2-(ここで、ヘテロア
リールは、例えば3-フラニル、3-チエニル、および4-ピリジニルである)、置換
ヘテロアリール-CH2-(例えば6-(2-メチル)-キノリニル)、低級アルキル、置換
低級アルキル(例えばイソプロピル、メトキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-
ヒドロキシプロピル、3-(2-メチル-N-ピペリジニル)プロピル、1-(エチル)-1-
プロピル、2-(1-シクロヘキセン)エチル、および1-(シクロヘキシル)エチル
)およびシクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、およびシクロオクチル)であることが好ましい。R5のその他の例は、次に
挙げる各構造式によって表される:
さらに、R4とR5は全体として、ピロリジニル、置換ピロリジニル(例えば3,3-ジ
メチル置換および3-ジメチルアミノ置換ピロリジニル)、インドリン、インドリ
ンの異性体、置換インドリン、置換インドリンの異性体、テトラヒドロイソキノ
リン、置換テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、置換テトラヒド
ロキノリン、ピペリドン類(例えば4−ピペリドン)、置換ピペリドン類、ピペ
リジン、置換ピペリジン類、テトラヒドロオキサジン類(例えば1,3-テトラヒド
ロオキサジンおよびモルホリン)および置換テトラヒドロオキサジン類(例えば
2,4-ジメチル-1,3-テトラヒドロオキサジンおよび3,5-ジメチルモルホリン)な
どの複素環を形成してもよい。
もう1つの態様では、Y’がトリペプチドLeu-Asp-Thr またはジペプチドAsp-
Thr である場合、R1は構造式(IV)によって表される:
Aは上述のようなアリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基または置換
ヘテロアリール基である。例としては、3-イソキノリニル、2-インドリル、5-ク
ロロ-2-インドリル、2-ベンゾフラニル、フェニルおよびトランス- スチリルが
含まれる。
nとmはそれぞれ独立して0または1である。n+m=1であることが好まし
い。
構造式(IV)中のフェニル環上の置換様式はオルト、メタまたはパラであって
よい。
もう1つの好ましい態様では、YまたはY’がペンタペプチド[AA]1-[AA]2-[A
A]3-[AA]4-[AA]5(ここで、
アミノ酸[AA]1はロイシン、イソロイシン、アラニン、バリン、グリシン、フ
ェニルアラニンおよびN-メチルロイシンからなる群より選択され、
アミノ酸[AA]2はアスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニンおよびチ
ロシンからなる群より選択され、
アミノ酸[AA]3はスレオニン、セリン、バリン、プロリンおよび4-ヒドロキシ
プロリンからなる群より選択され、
アミノ酸[AA]4はセリン、システインおよびスレオニンからなる群より選択さ
れ、並びに
アミノ酸[AA]5はロイシン、アラニン、バリン、イソロイシン、アラニン、グ
リシン、フェニルアラニンおよびN-メチルロイシンからなる群より選択される)
である。
もう1つの側面では、YまたはY’のペンタペプチド中の[AA]1、[AA]2、[AA]3
、[AA]4および[AA]5のいずれか1個またはそれ以上は、非天然アミノ酸であっ
てもよい。[AA]1および/または[AA]5は、側鎖がC2-C7 置換もしくは非置換アル
キル基または置換フェニル基である非天然アミノ酸であってもよい。側鎖アルキ
ル基は直鎖状、分枝鎖状または環状であってよい。アルキル側鎖にとって好適な
置換基には、C1-C2 アルキル、ハロ、シアノ、C1-C3 アルコキシ、フェニルまた
は置換フェニルなどの非極性基が含まれる。側鎖フェニル基にとって好適な置換
基には、C1-C2 アルキル、ハロ、シアノまたは-C1-C3アルコキシなどの非
極性基が含まれる。[AA]2は、カルボン酸で置換されたC3-C6 直鎖または分枝鎖
アルキル基を持つ非天然アミノ酸であってもよい。[AA]3および/または[AA]4
は、側鎖がアルコールまたはチオールで置換されたC2-C6 直鎖または分枝鎖アル
キル基である非天然アミノ酸であってもよい。
構造式(I)および(II)で表わされる化合物は、それぞれ、N末端とC末端
に結合した基を持つペプチドX-Y-ZまたはX-Y-Zである。好ましくは、XとZは
共有結合であり、すなわち構造式(I)と(II)で表される化合物は、それぞれ
YまたはY’のN末端に結合した基R1と、YまたはY’のC末端に結合した基R2
とを持つペプチドYまたはY’である。ある側面では、X-Y-ZまたはX-Y'-Zが直
鎖ペプチドである。もう一つの側面として、X-Y-ZまたはX-Y'-Zは環状化されて
いてもよい。
本明細書において「環状化」とは、ペプチド中の2つのアミノ酸の適当な側鎖
間の共有結合による環の形成を指す。例えば、2つのシステインの側鎖中の硫黄
原子間にジスルフィド結合を形成させることができる。またエステルは、例えば
、グルタミン酸またはアスパラギン酸の側鎖中のカルボニル炭素と、例えば、セ
リンまたはスレオニンの側鎖中の酸素原子の間に形成させることができる。アミ
ドは、例えば、グルタミン酸またはアスパラギン酸の側鎖中のカルボニル炭素と
、例えば、リジンまたはオルニチンの側鎖中のアミノ窒素の間に形成させること
ができる。
また「環状化」は、N末端の窒素原子とC末端のカルボニル炭素の間のペプチ
ド結合による環の形成をも指す。この場合、R1とR2は一緒になって共有結合を形
成する。
さらに「環状化」は、化合物のN末端の窒素と、ペプチド中の適当なアミノ酸
の側鎖の間に共有結合を形成することによる環の形成をも指す。例えば、アミド
は、N末端の窒素原子と、アスパラギン酸またはグルタミン酸の側鎖中のカルボ
ニル炭素の間に形成させることができる。また、構造式(I)および(II)によ
って表される化合物は、化合物のC末端のカルボニルと、ペプチド中の適当なア
ミノ酸の側鎖の間に、共有結合を形成することによって環状化させることもでき
る。例えば、アミドはC末端のカルボニル炭素とリジンまたはオルニチンの側鎖
中のアミノ窒素原子の間に形成させることができ、エステルはC末端のカルボニ
ル炭素とセリンまたはスレオニンの側鎖中のヒドロキシル酸素原子の間に形成さ
せることができる。
本発明の環状化化合物の環は、4〜9個のアミノ酸を含有することが好ましい
。ペプチドは、ヒトα4 β7 などのMAdCAM-1のリガンドに対するペプチドの結合
に関与するアミノ酸の数が環内で最大となるように環状化されることが好ましい
。したがってYまたはY’がペンタペプチドである場合、環は、YまたはY’に
おける5個のアミノ酸のうちの少なくとも4個を含有する。環は、YまたはY’
におけるすべてのアミノ酸を含有することが、より好ましい。
構造式(I)によって表される化合物については、Xの[AA]n-3、Xの[AA]n-2
、Xの[AAIn-1、Xの[AA]n(特定のアミノ酸がX中に存在する場合)およびYの
[AA]1からなる群より選択されるアミノ酸の側鎖と、Yの[AA]5、Zの[AA]1、Z
の[AA]2、Zの[AA]3およびZの[AA]4(特定のアミノ酸がXおよび/またはZ中
に存在する場合)からなる群より選択されるいずれか1つのアミノ酸の側鎖の間
の結合によって、環を形成させることができる。ただし、環は4〜9個のアミノ
酸を含有するものとする。また、環がYの5個のアミノ酸のうちの4個だけを含
有する場合は、[AA]4の側鎖と、Xの[AA]n-4、Xの[AA]n-3、Xの[AA]n-2、Xの
[AA]n-1、Xの[AA]n(特定のアミノ酸がX中に存在する場合)またはYの[AA]1
のいずれか1つの側鎖の間の結合によって環を形成させることもできる。あるい
は、環がYの5個のアミノ酸うちの4個だけを含有する場合は、[AA]2の側鎖と
、Yの[AA]5、Zの[AA]1、Zの[AA]2、Zの[AA]3、Zの[AA]4またはZの[AA]5(
特定のアミノ酸がZ中に存在する場合)のいずれかの側鎖の間の結合によって、
環を形成させることもできる。
構造式(II)で表される化合物については、Y’がペンタペプチドである場合
、環を前段落に記述したように形成させることができる。Y’がトリペプチドで
ある場合は、Xの[AA]n-5、Xの[AA]n-4、Xの[AA]n-3、Xの[AA]n-2、Xの[AA]n-1
、Xの[AA]nおよびY’の[AA]1からなる群より選択されるアミノ酸の側鎖官
能基と、Y’の[AA]3、Zの[AA]1、Zの[AA]2、Zの[AA]3、Zの[AA]4、Zの[AA
]5およびZの[AA]6(特定のアミノ酸がXおよび/またはZ中に存在する場合)
からなる群より選択されるいずれか1つのアミノ酸の側鎖官能基の間の結合によ
って、環を形成させることができる。ただし、環は4〜9個のアミノ酸を含有す
るものとする。Y’がジペプチドである場合は、Y1の[AA]2、Xの[AA]n-5、Xの
[AA]n-4、Xの[AA]n-3、Xの[AA]n-2、Xの[AA]n-1、Xの[AA]nおよびY’の[AA
]1からなる群より選択されるアミノ酸の側鎖と、Y’の[AA]2、Zの[AA]1、Zの
[AA]2、Zの[AA]3、Zの[AA]4、Zの[AA]5、Zの[AA]6およびZの[AA]7(特定の
アミノ酸がXおよび/またはZ中に存在する場合)からなる群より選択されるい
ずれか1つのアミノ酸の側鎖官能基の間の結合によって、環を形成させることが
できる。ただし、環は4〜9個のアミノ酸を含有するものとする。
環がYまたはY’のすべてのアミノ酸を含有する場合、構造式IまたIIの化合
物は、XのN末端の窒素とZのC末端のカルボニル炭素の間のペプチド結合によ
って、環状化させることができる。
1つの態様では、Xは−アミノ酸であるか、またはヒトMAdCAM-1のLDTSL(配
列番号1)モチーフのすぐN末端側にあるものと同じアミノ酸配列を持ち、Zは
−アミノ酸であるか、またはヒトMadCAM-1のLDTSL(配列番号1)モチーフのす
ぐC末端側にあるものと同じアミノ酸配列を持つ。さらなる側面として、Xおよ
びZ中のいずれか1個または2個のアミノ酸を、上述のように、天然に存在する
アミノ酸または非天然アミノ酸で置換してもよい。
本発明の化合物におけるペプチド配列は、固相ペプチド合成(例えばBOC また
はFM0C)法、液相合成法、またはそれら合成法の併用を含む他の適当な技術によ
り合成することができる。確立した方法であって広く使用されているB0C 法とFM
0C法は、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.88:2149(1963)、Meienhofer,Hormo
nal Proteins and Peptides,C.H.Li 編,Academic Press,1983,48〜267頁、
並びにBaranyおよびMerrifield,The Peptides,E.GrossおよびJ.Meienhofer
編,Academic Press,ニューヨーク,1980,3〜285 頁に記述されている。固相
ペプチド合成の方法は、Merrifield,R.B.,Science,232 :341 (1986)、Carpin
o,L.A.およびHan,G.Y.,J.0rg.Chem.,37:3404(1972)、およびGauspohl
,H.ら,Synthesis,5 :315(1992)に記述されている。これら6つの刊行物の
内容は全体として参考により本明細書に合体される。構造式(I)および(II)
によって表される構造を持つ化合物の合成例は、実施例1、一般操作A〜Cに開
示されている。
N末端およびC末端修飾ペプチドは、DeGrado およびKaiser,J.0rg.Chem.4
7:3258(1982)(その内容は参考により本明細書に合体される)に記述されてい
る製法の変法を用いて、オキシム樹脂上で調製することができる。オキシム樹脂
はNova Biochem社から入手できる。この樹脂を、例えば、ジメチルホルムアミド
(DMF)中、Fmoc-Thr(t-Bu)-OH(4〜6当量)、HBTU(4〜6当量)/NMM(8
〜12当量)で、室温で約20時間かけてアシル化する。次に、樹脂をDMF で洗浄
した後、塩化メチレンで洗浄し、使用に先立って減圧下で乾燥させる。次に、Fm
oc-Thr(t-Bu)-オキシム樹脂と実施例1の一般操作Cとを用いて、ペプチドを合
成することができる。得られたペプチドを所望のアミン(8〜12当量)と塩化メ
チレン中で12時間反応させる。次に、樹脂を塩化メチレンで洗浄する。ろ液を5
%クエン酸水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を除去し
、得られた残渣を減圧下で乾燥させることにより、所望のN末端およびC末端修
飾残基を得る。
ペプチド配列を持つ化合物を環状化する方法は、例えばLoblらの国際公開第92
/00995号パンフレット(その内容は全体として参考により本明細書に合体される
)に記述されている。環状化化合物は、他のすべての側鎖保護基を傷つけずに選
択的に除去することができる基で、閉環に使用される2つのアミノ酸の側鎖を保
護することによって製造できる。選択的脱保護は、アリル(OAI)保護基(例え
ばグルタミン酸またはアスパラギン酸の側鎖中のカルボキシル基の場合)、アリ
ルオキシカルボニル(Aloc)保護基(例えばリジンまたはオルニチンの側鎖中の
アミノ窒素の場合)またはアセトアミドメチル(Acm)保護基(システインのス
ルフヒドリルの場合)などの直交(orthogonal)側鎖保護を用いると、最もうま
くいく。0AI とAlocはPd゜で容易に除去され、Acm はヨウ素処理によって容易
に除去される。構造式(I)および(II)で表される化合物をジスルフィド結合
の形成によって環状化する例は、実施例1と一般操作Dに記述する。
もう1つの例として、リジンの側鎖とN末端アスパラギン酸との間で環状化し
たペプチドである、環状ペプチドK*LDTSLD*(配列番号2)(「*」は環状化して
いるアミノ酸を示す)は、D*とK*をそれぞれFmoc-Asp(0AI)-0HおよびFmoc-Lys(
Aloc)-0Hとして直鎖に組み込む点以外は、実施例1の一般操作AおよびBの記述
と同様にして、Nα-Fmoc-アミノ酸とt-ブチル側鎖保護とを用いてPAL-PEG-PS-樹
脂上で構築することができる。アリル官能基を室温で乾燥THF中、Pd(PPH3)4、モ
ルホリンおよびトリフェニルホスフィンで処理することによって除去し、PYB0P
で環状化を行なう。最後に、ペプチドを脱保護し、一般操作AおよびBに記述す
るように樹脂から除去する。
もう1つの例として、実施例1の一般操作AおよびBに記述するように、Fmoc
-アミノ酸とt-ブチル側鎖保護とを用いて、Fmoc-Asp(OPAC樹脂)-0AI 上でヘッ
ドートゥーテイル環状ペプチドTSLLD(配列番号62)を構築することができる。
アリル官能基を、室温で乾燥THF 中、Pd(PPh3)4、モルホリンおよびトリフェニ
ルホスフィンで処理することによって除去し、PYB0P で環状化を行なう。最後に
、ペプチドを脱保護し、一般操作AおよびBに記述するようにペプチドを樹脂か
ら除去して、環状LDTSL ペプチドを得る。Kates,S.A.ら著「Peptides: Design
,Synthesis and Biological Activity 」Basava C,Anantharamalah GM 編,39〜
58頁,ボストン:Birkhauser。方法
保存されたアミノ酸モチーフLDTSL(配列番号1)を模倣したペプチドであっ
て、そのN末端とC末端が修飾されているもの(本発明の化合物を含む)は、細
胞表面にMAdCAM-1のリガンドを産生する細胞の、MAdCAM-1またはその一部(例え
ばその細胞外ドメイン)に対する結合を阻害(例えば抑制または阻止)する方法
に有用である。本方法によれば、MAdCAM-1のリガンドを産生する細胞を、阻害剤
(すなわち1種類またはそれ以上の阻害剤)(構造式(I)または(II)で表さ
れるようなもの)の有効量と接触させる。本明細書において阻害剤とは、α4 β
7 インテグリンを含むリガンドに対するMAdCAM-1の結合を阻害(抑制または阻止
)し、および/または、そのリガンドによって媒介される細胞性応答の誘発を阻
害する化合物である。有効量は、阻害量(例えばMAdCAM-1リガンドを産生する細
胞のMAdCAM-1に対する接着の阻害を達成するに足る量)でありうる。MAdCAM-1の
リガンドには、ヒトα4 β7 インテグリンや、マウスのような他の種に由来する
その相同体(マウスではα4 βp またはLPAM-1とも呼ばれる)などのα4 β7 イ
ンテグリンが含まれる。
例えば、白血球(例えばBリンパ球、Tリンパ球)などのMAdCAM-1のリガンド
を天然に発現する細胞またはMAdCAM-1のリガンドを発現させるその他の細胞(例
えば組換え細胞)のMAdCAM-1に対する接着は、この方法により、イン・ビボまた
はイン・ビトロで阻害することができる。一つの態様において、MAdCAM-1のリガ
ンドを産生する第1細胞の、MAdCAM-1を産生する第2細胞とのMAdCAM媒介性相互
作用は、この方法に従ってその第1細胞を阻害剤と接触させることにより阻害さ
れる。
MAdCAM-1またはその適当な一部に対する細胞の接着を、阻害することができる
。例えば、MAdCAM-1またはその適当な一部は、可溶性タンパク質であってもよい
し、またはMAdCAM-1を天然に発現する細胞(例えば内皮細胞)、適当な細胞株も
しくはMAdCAM-1を発現するその他の細胞(例えば組換え細胞)などの適当な細胞
の表面に発現させることもできる。MAdCMA-1の一部として好適なものには、例え
ば、接着を媒介する能力をもつLDTSL(配列番号1)モチーフを含む部分(例え
ば全細胞外ドメインを含む部分、あるいはN末端免疫グロブリン様ドメインの両
方を含む部分)などが含まれる(例えばBriskin らの国際公開第 96/24673 号パ
ンフレット(1996年8月15日公開)を参照のこと)。MAdCAM-1またはその一部は
、融合タンパク質などのより大きな分子の一部であってもよい。例えば、哺乳類
(例えばヒトその他の霊長類、ネズミ)MAdCAM-1成分のC末端を、免疫グロブリ
ン成分(例えば1個またはそれ以上の免疫グロブリン定常領域)のN末端に融合
することにより、カポン(Capon)ら(米国特許第5,428,130 号)に従って製造さ
れるような免疫アドヘシン(adhesin)を得たものからなる可溶性ハイブリッドタ
ンパク質を使用することができる。例えば本明細書に示すように、α4 β7 を発
現するT細胞リンパ腫株の、ネズミκ軽鎖の定常領域に接合したネズミMAdCAM-1
の細胞外ドメインからなる融合タンパク質に対する接着は、この方法に従って阻
害された(例えば実施例2と表2を参照のこと)。ヒトδ1定常領域に融合した
ヒトMadCAM-1の細胞外ドメインからなる融合タンパク質の使用については実施例
3に記述する。これらの組換え可溶性レセプター分子またはその他の組換え可溶
性レセプター分子は本方法に有用である。
もう1つの側面として、本発明は、分子MAdCAM-1を発現する組織の白血球(例
えばリンパ球、単球)浸潤(組織における白血球の補充および/または蓄積を含
む)に関連する疾患にかかっている個体(例えばヒトその他の霊長類などといっ
た哺乳動物)を治療する方法に関する。この方法は、構造式(I)または構造式
(II)の阻害剤(すなわち1種またはそれ以上の阻害剤)の治療上有効量をその
個体に投与することを含む。例えば、胃腸管(腸管関連内皮を含む)、その他の
粘膜組織、または分子MAdCAM-1を発現する組織(例えば、小腸と大腸の固有層の
細静脈のような腸管随伴組織や、乳腺(例えば泌乳乳腺))の白血球浸潤に関連
する疾患を含む炎症性疾患は、本発明の方法に従って治療することができる。同
様に、分子MAdCAM-1を発現する細胞(例えば内皮細胞)に白血球が結合した結果
としての組織の白血球浸潤に関連する疾患にかかっている個体は、本発明に従っ
て治療することができる。
したがって、治療できる疾患には、潰瘍性大腸炎、クローン病、回腸炎、セリ
アック病、非熱帯性スプルー、血清陰性関節症に関連する腸疾患、微視的または
コラーゲン蓄積大腸炎、好酸球性胃腸炎、または直腸結腸切除後や回腸肛門吻合
後に生じる嚢炎等の炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。
膵炎とインスリン依存性真性糖尿病も、本発明の方法を用いて治療できる疾患
である。MAdCAM-1は、NOD(非肥満性糖尿病)マウスならびに、BALB/cマウスおよ
びSJL マウス由来の外分泌腺膵臓中のいくつかの血管によって発現されると報告
されている。MAdCAM-1の発現は、NOD マウスの膵臓の炎症を起した島中の内皮上
に誘導されると報告されており、MAdCAM-1は、膵島炎の初期段階におけるNOD 島
内皮によって発現される主なアドレシンだった(Hanninen,A.ら,J.Clin.Inv
est.,92: 2509-2515(1993))。さらに、島内にはα4 β7 を発現するリンパ球
の蓄積が観察され、MAdCAM-1は、炎症を起した島由来の血管に対するα4 β7 を
介したリンパ腫細胞の結合に関与した(Hanninen,A.ら,J.Clin.Invest.,92
:2509-2515(1993))。
粘膜組織に関連する炎症性疾患であって、本発明の方法に従って治療できるも
のの例には、乳腺炎(乳腺)、胆嚢炎、胆管炎または胆管周囲炎(胆管と肝臓の
周辺組織)、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、および移植片対宿主病(例え
ば胃腸管におけるもの)がある。クローン病に見られるように、炎症はしばしば
粘膜表面を超えて広がる。したがって、過敏性肺炎、膠原病、サルコイドーシス
、その他の特発性状態などといった、間質性線維症につながる肺の慢性炎症性疾
患を治療することができる。
細胞接着分子ICAM-1が白血球表面リガンド、すなわち、Mac-1、LFA-1 または
α4 β1 への接着によって炎症部位への白血球補充を媒介できることは、いくつ
かの研究によって示唆されている(Springer,Nature,346 :425-434(1990))。
また、α4 β1 インテグリン(VLA-4)を認識する血管細胞接着分子(VCAM-1)
も、イン・ビボで白血球補充においてある役割を果たすと報告されている(Silb
erら,J.Clin.Invest.93:1554-1563(1994))。IBD はJ.ICAM-1 のLFA-1も
しくはMac-1 との相互作用またはVCAM-1のα4 β1 との相互作用を遮断すること
によって治療できると提唱されている(例えば国際公開第 93/15764 号パンフレ
ット)。しかし、これらの治療標的は複数の器官における炎症プロセスに関与し
ていると思われ、機能的遮断は、全身性の免疫不全を引き起こしかねない。VCAM
-1やICAM-1とは対照的に、MAdCAM-1は胃腸管と粘膜組織に選択的に発現し、リン
パ球上に認められるα4 β7 インテグリンを結合し、腸壁のパイエル斑などの粘
膜部位に対するこれらの細胞のホーミングに関与する(Hamannら,J.Immunol.,
152:3282-3293(1994))。本発明の化合物は、α4 β7 インテグリンに対するMA
dCAM-1の結合の阻害剤として、α4 β1 インテグリンなどの他のレセプターによ
って接着が媒介される他の組織タイプへの影響などによる副作用が少ない可能性
がある。
本法によれば、阻害剤を単独で、または別の薬剤、例えば他の薬理活性剤(例
えばスルファサラジン、抗炎症性化合物またはステロイド系もしくは他の非ステ
ロイド系抗炎症性化合物)などと組み合わせて、個体(例えばヒト)に投与する
ことができる。化合物は、その補助剤の投与に先立って、あるいは補助剤の投与
と共に、あるいは補助剤の投与後に、MAdCAM-1のリガンド(例えばヒトα4 β7
)に対するMAdCAM媒介性結合を抑制または阻止するに足る量で投与することがで
きる。
阻害剤の有効量は、適当な経路で一回の用量で、もしくは複数回の用量で投与
することができる。有効量とは、所望の治療効果および/または予防効果を達成
するに足る治療上有効量(例えばMAdCAMリガンドに対するMAdCAM媒介性結合を抑
制または阻止することによって、白血球の接着および浸潤ならびに関連する細胞
応答を阻害するに足る量)である。治療、診断または予防に使用する場合の構造
式(I)または(II)の阻害剤の好適な投与量は、当該技術分野で知られている
方法によって決定することができ、例えば、その個体の年齢、感受性、耐性およ
び総合的な健康状態などに依存するだろう。例えば、一処置あたり約0.1mg/kgか
ら約50mg/kg 体重でああってもよい。
様々な投与経路が可能であり、処置すべき疾患または状態に応じて、非経口投
与(例えば静脈内、動脈内、筋肉内、皮下注射)、経口投与(例えば食餌投与)
、局所投与、吸入(例えば気管支内、鼻腔内または経口吸入、点鼻剤)または直
腸投与が挙げられるが、必ずしもこれらに限るわけではない。経口投与と非経口
投与が好ましい投与法である。
投与する阻害剤の製剤形態は、選択した投与経路によって変動するだろう(例
えば液剤、乳剤、カプセル剤)。投与すべき化合物を含む適当な組成物は、生理
学的に許容できる賦形剤または担体中に調製することができる。液剤または乳剤
の場合、好適な担体には、例えば水性またはアルコール/水性の溶液、エマルシ
ョンまたは懸濁液があり、これには生理食塩水や緩衝媒体が含まれる。非経口用
賦形剤としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルのデキストロース、デキストロ
ースと塩化ナトリウム、乳酸化リンゲル液または不揮発性油を挙げることができ
る。静脈内用賦形剤としては、種々の添加剤、保存剤、または液体、栄養または
電解質補給剤が挙げられる(一般には、Remington's Pharmaceutical Science,
16版,Mack編(1980)を参照のこと)。吸入の場合は、化合物を可溶化し、適当
な投与用ディスペンサー(例えばアトマイザー、ネブライザーまたは加圧型エア
ゾールディスペンサー)に充填すればよい。
本発明の方法は、本発明の化合物または本法で有用な他の潜在的拮抗薬が、イ
ン・ビトロまたはイン・ビボでMAdCAM-1のMAdCAM-1リガンドとの相互作用に対し
て持つ阻害効果を評価するために使用することができる。例えば本発明の化合物
を、ヒトα4 β7 インテグリンに対するMAdCAM-1の結合を阻害するそれらの能力
について、実施例2および実施例3に記載の接着アッセイを用いて測定した。他
の適当なアッセイを使用して、MAdCAM-1のリガンドに対するMAdCAM-1の結合を阻
害する化合物の能力を評価することもできる。例えば、他の融合タンパク質(例
えばキメラタンパク質または「免疫アドヘシン」)を構築し、実施例2に記述す
るアッセイや他の適当なアッセイ等のアッセイで使用することができる。免疫グ
ロブリン重鎖または軽鎖定常領域に接合したヒトMAdCAM-1またはその一部(例え
ばその全細胞外ドメインまたは2つのN-末端免疫グロブリンドメイン)からなる
融合タンパク質を製造し、実施例2に記述するアッセイと同様のアッセイで、選
択したその免疫グロブリン定常領域に適した捕捉抗体と共に使用することができ
る。これとは別のアッセイにおいて、MAdCAM-1リガンドを産生する非標識細胞を
、そのような融合タンパク質と、化合物の存在下または非存在下に、そのリガン
ドに対する結合に適した条件下で接触させ、結合したキメラタンパク質の量を決
定することもできる(例えば、細胞を取り出し、結合したキメラの量をフローサ
イトメトリーや他の適当な方法で決定することができる)。
治療での使用に適した化合物は、適当な動物モデルを用いて生体内でも評価で
きる。好適な炎症の動物モデルは、既に記述されている。例えばNOD マウスはイ
ンスリン依存性真性糖尿病の動物モデルになる。CD45 RBHHi/SCID モデルは、ク
ローン病と潰瘍性大腸炎の両方に類似するマウスのモデルとなる(Powrie,F.ら
,Immunity,1:553-562(1994))。捕獲したコットントップタマリン(新世界
非ヒト霊長類の一種)は、自然発生的に(しばしば慢性の)大腸炎を発症し、そ
れは臨床的組織学的にヒトの潰瘍性大腸炎に似ている(Madara,J.L.ら,Gastro
enterology,88 :13-19(1985))。このタマリンモデルと、BALB/cマウス((DSS
)誘発性炎症モデル:DSS はデキストラン硫酸ナトリウム)と普通のマーモセッ
トを用いる胃腸炎症の他の動物モデルは、Briskin らの米国特許出願第08/523,0
04号明細書(1995年9月1日出願;その教示はそのまま参考により本明細書に合
体される)(1996年8月15日に公開されたBriskin らの国際公開第 96/24673 号
パンフレットをも参照のこと)。ヒトの炎症性腸疾患の病変と似た腸の病変を生
じるノックアウトマウスも記述されている(Strober,W.とEhrhardt,R.O.,Ce
11,75:203-205(1993))。
MAdCAM-1の、そのリガンドとの相互作用の選択的な阻害を達成することが好ま
しい。選択的阻害は、例えば、1種またはそれ以上の他のレセプター−リガンド
対の間の接着に対する化合物の効果をさらに評価することによって見積もること
ができる。例えば、(a)VCAM-1とα4 β1、(b)ICAM-1とLFA-1、(c)フィ
ブロネクチンとα5 β1、および(d)フィブロネクチンとα4 β1 などといっ
た特定のレセプターとリガンドの対の相互作用を評価する接着アッセイを行なう
ことができる。そのような接着アッセイに適した細胞株の例には、それぞれ(a
)RAMOS 細胞、(b)JY細胞、(c)K562細胞、(d)RAMOS 細胞があるが、こ
れらに限るわけではない。これらのアッセイでは、例えば、単離および/または
組換えフィブロネクチン(Sigma Chemical社,ミズーリ州セントルイス)、VCAM
-1,ICAM-1、またはVCAM-1もしくはICAM-1のリガンド結合ドメインを含む融合タ
ンパク質などを使用することができる。
本発明の化合物は、MAdCAM-1に対する抗体(モノクローナル抗体とポリクロー
ナル抗体を含む)を、当技術分野で知られている方法または他の適当な方法を用
いて製造するための免疫原として使用することもできる(例えばKohlerら,Natu
re,256:495-497(1975)、Galfre,G.ら,Nature,299:550-552(1977)、Harlo
wら,1988,Antibodies:A Laboratory Manual(ニューヨーク州コールドスプリ
ングハーバー)、またはAusubel ら編,Current Protocols in Molecular Biolo
gy,第2巻(補遺27、1994年夏)(John Wiley & Sons:ニューヨーク州ニュ
ーヨーク),11章(1991)を参照のこと)。抗体は適当な哺乳動物(例えばマウ
ス、ラット、ウサギまたはヒツジ)中で、適当な免疫原に対して生じさせること
ができる。例えば、構造式(I)および(II)によって表される化合物またはそ
の変種を製造し、それを、適当な免疫化プロトコールで抗体を生じさせるための
免疫原として使用することができる。
抗体産生細胞(リンパ球等)は、例えば免疫化した動物のリンパ節や脾臓から
単離することができる。次にその細胞を適当な不死化細胞(骨髄腫細胞株等)に
融合することによって、ハイブリドーマを形成させることができる。融合した細
胞は、選択培養技術を用いて単離することができる。所望の特異性を持つ抗体を
産生する細胞は、適当なアッセイ(例えばELISA )によって選択することができ
る。
上述のようにして製造した抗体とモノクローナル抗体には、様々な用途がある
。例えば、MAdCAM-1に対するもの、またはMAdCAM-1と反応するもの、そして好ま
しくはMAdCAM-1に特異的に結合するものは、細胞表面にMAdCAM-1を提示する細胞
を(例えば蛍光活性化細胞選別法や組織学的分析において)同定および/または
選別するために使用することができる。MAdCAM-1に特異的なモノクローナル抗体
は、細胞の表面に発現したMAdCAM-1または試料中に存在するMAdCAM-1を(例えば
ELISA などで)検出および/または定量するためにも使用できる。この免疫原と
反応する抗体も有用である。それらは、例えば、試料中の免疫原を検出および/
または定量したり、免疫原を(例えば免疫アフィニティー精製法などによって)
精製するために使用できる。
さらに本発明は、適当な標識または指示成分を用いて白血球上に存在するα4
β7 インテグリンを検出および/または定量する際に、MAdCAMの拮抗薬の診断上
の使用または研究用使用にも関する。例えば、ピレン成分のような炭化水素蛍光
指示成分や、125Iのような放射性同位体標識を、本発明の阻害剤または拮抗薬ペ
プチドのN末端官能基のアリール環に付着することができる。ピレン環誘導体の
蛍光性は既に報告されている(I.A.Prokhorenkoら,Bioorg.Med.Chem.Lett.
,5:2081 (1995))。膜結合型タンパク質を持つ細胞の同定に標識されたペプチ
ドを使用することは、Riper ら,J.Exp.Med.177 :851 (1993)に記述されてい
る。
この診断手段は、炎症性腸疾患などが疑われる患者に由来するα4 β7 陽性白
血球の同定に役立つ。接着拮抗薬特性を持つ本発明の例として、この指示成分基
を持つ本発明の拮抗薬分子について説明する。実施例
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、本発明は、これらに限定され
るものではない。実施例1:合成
本発明の新規化合物は、本明細書に記載されている固相のペプチド合成方法論
を利用した一般的な合成方法、A−Dに従って合成することができ、これらは、
当該技術分野または他の同様の技術分野の技術者に公知である(例えば、Merrif
ield,R.B.、Science,232:341(1986);Carpino,L.A.、Han,G.Y.、J.Org.
Chem.,37:3404(1972);Gauspohl,H.ら、Synthesis,5:315(1992)を参照)。
多重ペプチド合成のために、Fmoc/t−Buプロトコルを用いた。アミノ
酸誘導体のin situ活性化を、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF
)中で、ベンゾトリアゾリル−N−オキシトリピロリジノフォスフォニウムヘキ
サフルオロフォスフェート(PYBOP)または2(1−ベンゾトリアゾリル−
1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)およびN−
メチルモルフォリン(NMM)により行った。カップリング効果および最終ペプ
チドの品質を向上させるために、それぞれのカップリング反応を2回行った。そ
の高荷重および優れた膨潤特性から、固相支持体としてRink AmideA
m Resin(4−[2’−4−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチ
ル]−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノエチル樹脂)を用いた。F
moc基を、DMF中で10%ピペリジンおよび2%DBUにより除去した。ペ
プチドを樹脂から切断し、同時に側鎖の保護基をトリフルオロ酢酸(TFA)の
反応混液により除去した。以下の表2に報告されているすべてのペプチドを、カ
ルボキサミドのようにカルボキシ末端ブロックした。さらに詳細なペプチド合成
プロトコルを以下に示す。HPLCおよび質量分光分析
すべての粗製ペプチドを、DELTAPAK C18、5μmカラムを用い、
1ml/分の流速で30分間かけて、CH3CN/水(100% CH3CN/0
% 水)の0.1%TFAからCH3CN/水(0% CH3CN/100% 水
)の0.1%TFAへと直線勾配で溶出した逆相HPLCにより分析した。試料
の純度を測定し、本質的に一成分を含んでいることがわかった。これは、ロイシ
ン−エンケファリンおよびシナピン酸を内部基準に、フライト(flight)質量分
光分析(MALDI−TOF、Kratos、Inc.)のマトリックス補助レ
ーザー脱離イオン化時間により確認された。大体、ペプチドの質量は、MH+ま
たはM+Na+の1%以内または計算値の実験誤差以内であった。一般操作A、ペプチド合成
これらのペプチドを、Fmoc−Am−PS(100mg、0.5mmol/
g)樹脂を出発とするGilson421自動多重ペプチド合成機で、Fmoc
/t−Butyl化学を経て合成した。20〜45分間のカップリング時間を用
い、Fmocアミノ酸(5当量)、HBTU(5当量)/NMM(10当量)で
アシル化を2回行った。Fmoc脱保護をDMF中、20%ピペリジンで24分
間行った。試薬R(TFA−EDT−チオアニソール−アニソール、90:5:
3:2)による2時間の処理により、脱ブロックし、樹脂からペプチドを除去し
た。次いで、ペプチドをエーテルから沈殿させて、酢酸から凍結乾燥させた。一般操作B、ペプチド合成
ペプチドを、Fmoc−Am−PS(50mg、0.5mmol/g)樹脂を
出発とするGilson421自動多重ペプチド合成機で、Fmoc/t−Bu
tyl化学を経て合成した。20〜45分間のカップリング時間を用い、Fmo
cアミノ酸(10当量)、HBTU(10当量)/NMM(20当量)またはP
YBOP(10当量)/NMM(20当量)でアシル化を2回行った。Fmoc
脱保護をDMF中、2%1,8−ジアゾビシクロ[5,4.0]ウンデク−7−
エン(DBU)および10%ピペリジンで24分間行った。試薬R(TFA−E
DT−チオアニソール−アニソール、90:5:3:2)による2時間の処理に
より、脱ブロックし、樹脂からペプチドを除去した。次いで、ペプチドをエーテ
ルから沈殿させて、酢酸から凍結乾燥させた。一般操作C、N−アシル化ペプチドの合成
ペプチドを、Fmoc−Am−PS(50mg、0.5mmol/g)樹脂を
出発とするGilson421自動多重ぺプチド合成機で、Fmoc/t−Bu
tyl化学を経て合成した。20〜45分間のカップリング時間を用い、Fmo
cアミノ酸(10当量)、HBTU(10当量)/NMMまたはPYBOP(1
0当量)/NMM(20当量)でアシル化を2回行った。最後のアシル化として
、Fmocアミノ酸を適当な有機酸で置換した。Fmoc脱保護をDMF中、2
%DBUおよび10%ピペリジンで24分間行った。試薬R(TFA−EDT−
チオアニソール−アニソール、90:5:3:2)による2時間の処理により、
脱ブロックし、樹脂からペプチドを除去した。次いで、ペプチドをエーテルから
沈殿させて、酢酸から凍結乾燥させた。一般操作D、ジスルフィド結合により環状化されたペプチド合成
鎖状の非環式ペプチドを一般操作Bにおいて上記したようにして合成した。同
時に、システイン側鎖からアセタミドメチル(Acm)保護基を除去し、ペプチ
ドをヨウ素処理により環状化した。ヨウ素25mgの80%酢酸水溶液5mLの
溶液を、ペプチド5mgに添加した。混合物を室温で2時間振動させ、水(25
ml)で希釈し、クロロホルム(3×25ml)で抽出し、最後に凍結乾燥させ
て、環状化ペプチドを得た。実施例2:生物学的活性
本発明の化合物を、それらの生物学的性質に関して評価した。表2は、本発明
のいくつかの化合物、それらの物理学的特性およびMAdCAM−1に対するα
4β7産生細胞(HUT78細胞)の接着を阻害する能力(示した濃度でのパー
セント阻害として記載されるように、または下記の接着アッセイを用いて決定さ
れた対応するIC50値(μm)により)を列挙する。IC50は、阻害剤の非存在
下で行なわれた対照における、MAdCAM−1に対して接着する全細胞数の5
0%を阻害する化合物の濃度に相当する。概観
ネズミMAdCAM−1からなる可溶性融合蛋白質を、バキュロウイルス発現
系で製造し、接着アッセイに使用した。シグナルペプチドおよびネズミMAdC
AM−1の細胞外ドメインをコードする配列をネズミカッパ軽鎖(mCK)の定
常領域をコードする配列と融合させた融合遺伝子を構築し、バキュロウイルスシ
ャトルベクターにクローニングした。得られた構築物から製造された融合蛋白質
は、アミノ末端にネズミMAdCAM−1のインテグリン結合配列およびカルボ
キシ末端にmCK配列を含有していた。該融合蛋自質をコードする組換えバキュ
ロウイルスを、感染Sf9昆虫細胞から回収した。融合蛋白質は、標準的なプロ
トコールに従って、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ポリクローナル抗mCK抗
体および発色性基質を用いるELISAアッセイにより感染Sf9細胞の上清に
検出された。また、組換え蛋白質は、抗ネズミMAdCAM−1モノクローナル
抗体(MAb MECA−367)での免疫沈降法によっても確認された。
接着アッセイに関して、ラット抗mCKMAbの増加した量を用いて得られた
用量応答曲線は、該アッセイにおいて捕捉抗体として用いられるラット抗mCK
MAbの量を示した。その後、Ac−LDTSL−NH2のIC50は、278
μMであると決定された。
Mn+2で活性化したヒトT細胞リンパ腫細胞(HUT78細胞)を、96ウエ
ルの形式の接着アッセイに使用した。HUT78細胞を、BCECF−AM染料
(Molecular Probes)とのプレインキュベーションにより標識した。200μl
の最終容量でアッセイを行なった。ラット抗mCK捕捉抗体を介してウエルに結
合したMAdCAM−1/mCK融合蛋白質に対するHUT78細胞の接着を、
各化合物の存在または非存在下で評価した。HUT78細胞の接着を、蛍光プレ
ートリーダーを用いて485/535nMで10のセッティングゲインでモニタ
一した。パーセント阻害とIC50値が決定された。MAdCAM−1/mCK融合蛋白質の産生 抗体、細胞およびウイルス
アフィニティー精製したポリクローナルヤギ抗マウスCカッパ(mCK)抗体
(#M33100)、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ抗mCK抗体(#M
33107)、およびアルカリホスファターゼ結合ブタ抗ヤギH&L鎖(#G5
0008)は、Caltagから購入した。セファロース結合ラット抗mCKアフィニ
ティーマトリックスは、Zymed から入手した。
アフィニティー精製したラット抗mCKモノクローナル抗体は、ラットハイプ
リドーマ細胞株187.1(アメリカンタイプカルチャーコレクション、12301P
arklawn Drive,Rockville,MD 20852,受託番号 ATCC HB 58)からハンス ペー
ター コッハー(Hans Peter Kocher)博士(BTC)により調製され、蛋白質のアフィ
ニティー精製用のシアノゲンブロミド活性化セファロース4Bに結合させた。
ACMNPV DNAおよびカチオン性リポソーム(Invitrogen トランスフェ
クションキット#B825-03)またはリポフェクチン(GIBCO/BRL #82925A)を用いて、
HyQ無血清培地(Hyclone,#B-5502-L-P)中でSf9昆虫細胞(アメリカンタイ
プカルチャーコレクション、受託番号 ATCC CRL 1711;マックス サマーズ(Max
Summers)博士から供与)をトランスフェクトした。また、BaculoGold(Pharming
en)もいくつかのトランスフェクションに使用した。10%ウシ胎児血清と0.
1%F−68プルロン酸(GIBCO/BRL,#670-404AG)を補足したTNM−FH培地(
GIBCO BRL)中で、細胞を維持した。
pVL941/mCKの構築
マウスカッパ定常領域(mCK ;Hieter,P.A.ら、Cell 22: 197-207(1980)
)の公表された配列に基づき、以下の配列を有する2つのオリゴヌクレオチド(
それぞれ、配列番号:5および配列番号:6)を設計し、合成した:
5’プライマー:
5’−GGATCC GCT GAT GCT GCA CCA ACT GT
A TTC−3’
3’プライマー:
5’−CCT TTG TCC TAA CAC TCA TTC CTG T
T−3’
mCKコーディング配列は、全長の91A3マウスカッパ軽鎖を含むプラスミ
ドpVL91A3からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した(Meek,K
.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,84:6244-6248(1987))。イン・フレーム
BamHI制限部位(前記配列で下線を付す)を、コーディング配列の5’末端
に組み込んで、MAdCAM−1配列との融合を容易にした。
ベクターpVL941(Invitrogen)を、ポリヘドリン遺伝子内の単一のBam
HI部位での消化により直鎖状にして、末端をDNAポリメラーゼのクレノウ断
片で平滑化した。次いで、91A3マウスカッパ軽鎖を含有する増幅したDNA
断片(312塩基対)をpVL941に連結させて、pVL941/mCKを得
た。ポリヘドリンプロモーターと同じ5’から3’の向きでmCK配列を含有す
るクローンを選択した。バキュロウイルスシャトルベクターの構築
ネズミMAdCAM−1の公表された配列(Briskin,M.J.ら、Nature,363
:461-464(1993))に基づき、以下の配列を有するオリゴヌクレオチドプライマ
ーを設計し、合成した:
5’プライマー:
5′-GAT CAG GGA TCC ATG GAA TCC ATC CTG GCC CTC CTG-3′
3’プライマー:
5′-TCG ATC GGA TCC GGT GGA GGA GGA ATT CGG GGT CA-3′
MAdCAM−1のATG開始コドンを太字で示す。5’および3’プライマ
ーにそれぞれ、発現ベクターへのクローニングのためのBamHI制限部位を組
み込んだ(前記下線部)。ネズミMAdCAM−1配列を、これらの5’および
3’プライマーを用いるPCRにより増幅した。該産物をBamHIで消化し、
予めBamHIで消化しておいたベクターpVL941/mCKに挿入した。そ
のBamHI部位にクローニングされたDNA断片を、mCK配列に関して正し
い配向についてスクリーニングした。得られた構築物から産生された融合蛋白質
は、N末端にマウスMAdCAM−1配列およびカルボキシ末端にmCK配列を
含有していた(図3)。BamHI制限部位に対応する6個のヌクレオチドによ
りコードされる2個のアミノ酸、グリシン−セリンスペーサーは、これらの配列
の間にジャンクションを形成する。
Sf9昆虫細胞のトランスフェクション
1μgのACMNPV DNA(Invitrogen)、3〜5μgのシャトルベクター
DNA(マジックミニプレップ、Promega 製により精製されたpVL941/M
AdCAM−1/mCK)およびカチオン性リポソーム(30μl)の混合物で
、Sf9昆虫細胞のコトランスフェクション(リポフェクション)を、わずかに
改変した製造業者の使用説明書に従って行なった。TNM−FH培地(10%F
BS)中の2x106μ細胞を60mmのディッシュに播種し、トランスフェク
ション前に2〜4時間かけて付着させた。該培地を除去し、付着細胞を無血清培
地(HyQ)で2回洗浄した。DNA/リポソーム混合物を含む3mlのHyQ
を細胞上から滴下して加えて;該細胞を一晩インキュベートした。次いで、該培
地を吸引により除去し、10%のFBSを含む5mlのTNF−FN培地を各デ
ィッシュに加えた。48時間後、組換えウイルスのプラーク精製のために、既報
のように1mlを移した(O’Reilly,D.R.ら、(編集)、Baculovirus Express
ion Vectors(W.H.Freeman and Co.:New York)、124-128 頁(1992))。
トランスフェクトしたSf9細胞のELISAアッセイ
各トランスフェクションに関して、三連のウエルをポリクローナルヤギ抗mCK
抗体(炭酸塩/炭酸水素塩緩衝液中、2μg/ml)で被覆し、一晩インキュ
ベートした。該プレートを、0.5%Triton−X100および0.5M
NaClをむリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で3回洗浄し、次いで、PBS2
回洗浄した。この洗浄工程は、すべての工程の間で使用した。次いで、該ウエル
をTBS中2%BSAで1時間ブロックした。感染後4〜5日の細胞から採取し
た上清(100μl)を各ウエルに加え、37℃で2時間インキュベートした。
mCK融合蛋白質の存在は、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ポリクローナル抗
mCK抗体および発色基質の添加により、標準プロトコールに従って検出した。
mCK融合蛋白質の免疫検出
MAdCAM−1/mCK融合遺伝子を含む組換えウイルスをプラーク精製に
より単離し、5mlのTNM−FH培地中でSf9昆虫細胞(2x106細胞/
60mmペトリディッシュ)を感染させることにより増幅させた。この5mlの
ストックから、アリコート(100μl)を取って、前記のように2x106の
Sf9細胞を感染させた。感染後24、48、72および96時間に採取した上
清(10μl)を、ウエスタンブロット分析により、mCK融合蛋白質の存在、
蓄積および安定性についてアッセイした。試料を10%SDS/PAGEゲルに
適用した。蛋白質を、標準技法により電気泳動によりニトロセルロースに転写し
た。融合蛋白質は、5mlのBLOTTO(5%)中のポリクローナルヤギ抗m
CK抗体(2μg)を添加した後、アルカリホスファターゼ結合ブタ抗ヤギH&
L鎖および発色基質(BIORAD、カタログ番号 170-6432)での処理により検出した
。アフィニティークロマトグラフィーによるmCK融合蛋白質の精製
融合蛋白質の産生は、撹拌マイクロキャリアーフラスコ中で行なった。Sf9
昆虫細胞(2xl06細胞/ml)を、MAdCAM−1/mCK融合遺伝子を含
むウイルス粒子で、0.001の感染多重度で感染させた。細胞の完全な溶解
時で(約8日後)、消費された培地を低速遠心分離により透明にした。該上清を
、TBS、pH7.0で平衡化させたラットモノクローナル抗mCK結合セファ
ロースカラム(Zymedから購入またはラットモノクローナル187.1 を用いて調製)
に適用した。該カラムをTBS、pH7.0で洗浄し、結合mCK融合蛋白質を
グリシン緩衝液pH2.2で溶出し、2M Tris pH8.0の添加により
中和した。細胞1リットル当たり2mgのmCK融合蛋白質の収量が得られた。結果
MAdCAM−1/mCK融合蛋白質を、ウイルスのポリヘドリンプロモータ
ーの転写制御下で発現させた。キメラ遺伝子をバキュロウイルスゲノムに伝達す
るために、pVL941/MAdCAM−1/mCKプラスミドを、A.カリフ
ォルニカ(californica)核多角体病ウイルスDNAとともにSf9昆虫細胞にコ
トランスフェクトした。いくつかの組換えプラークを単離し、より詳細な特徴付
けのために1つを選択した。トランスフェクトした細胞上清でのELISAアッセイ
ELISAアッセイを用いて、トランスフェクトした細胞上清での融合蛋白質
の出現を検出可能かどうかを決定するために、トランスフェクション後3、4お
よび5日のトランスフェクトした細胞の上清からアリコート(500μl)を採
取し、前記したようにELISAアッセイを行なった。結果は、ELISAアッ
セイの感度がmCK融合蛋白質の検出に十分であることを示した。該アッセイを
用いて、所望の遺伝子を昆虫細胞で発現させる指示に備えることができる。さら
に、ELISAアッセイでの陽性のシグナルは、その後のプラークアッセイで組
換えウイルス粒子の単離とよく相関した。細胞接着アッセイ
以下の緩衝液と試薬を捕捉抗体の初期滴定と接着阻害アッセイに用いた:
表1
炭酸塩緩衝液:
17.2 g NaHC3 Sigma #S-8875
8.6 g Na2CO3 Sigma #S-6139
H2Oで容量を
1Lにする
1% BSA/PBS
BSA 5 g sigma #A-6793
PB 500 ml GIBCO #14040-026
ろ過滅菌
ASSAY BUFFER (HESS
/ 2%FCS / 25mM
HEES / Pinstripe.,
pH 7.2):
HESS 500 ml Gibco #14025-02
FCS 10 ml Gibco #16000-044
HEES(1M) 12.5 ml Gibco #15630-015
Pen.Strep.(100X) 5 ml Gibco #15070-022
ろ過滅菌2X
アッセイ緩衝液
(2X HBSS / 4%FCS /
50mM HEPES /
Pen.Strep, pH
7.2):
10X HBSS 100 ml Gibco #14065-023
Fcs 20 ml Gibco #16000-044
HEPES(1M) 25 ml Gibco #15630-015
NaHCO3(7.5%) 4.7 ml Gibco #25080
Pen.strep. 10 ml Gibco #15070-022チェック
pH
H2Oで容量を
500mlにする
ろ過滅菌
BCECF-AM Molecular #B-1170
Probes
DMSO Sigma #D-8779
細胞の維持と標識
HUT78細胞(ヒトT細胞リンパ腫株;アメリカンタイプカルチャーコレク
ション、受託番号 ATCC TIB 16l)を、10%FCS、20mM HEPESおよ
びPen−Strep(1:100)を補足したRPMI1640中で1ヵ月ま
で培養状態で維持した。接着アッセイに使用する直前に、細胞を以下のようにB
CECF−AMで標識した:1x107細胞をl000rpmで10分間ペレッ
ト化し、25mLの冷却PBS(リン酸緩衝生理食塩水)に再懸濁した。該細胞
を再びペレット化し、冷却PBSに再懸濁し、再びペレット化した。細胞ペレッ
トを25mlのPBSに再懸濁し、50μlのBCECF−AM(DMSO中1
μg/μL)によって、37℃で30分間標識した。(BCECF−AM;2’
,7’−ビス−(2−カルボキシエチル)−5−(アンド−6)−カルボキシフ
ルオレセイン(carboxyflourescein),アセトキシメチルエステル)。標識した細
胞を700rpmで10分間ペレット化し、25mlの冷却アッセイ緩衝液に再
懸濁してペレット化した。最後に、標識細胞を計数し、2.5x106/mlの
濃度でアッセイ緩衝液(周囲の環境の温度)に再懸濁した。捕捉抗体の滴定
ラット抗mCK抗体(ラットハイブリドーマ細胞株187.1からアフィニテ
ィー精製したラット抗mCKモノクローナル抗体;ATCC受託番号HB58)
を、接着アッセイにおける捕捉抗体として使用するために選択した。最適の捕捉
抗体濃度を決定するために、滴定実験を行なった。滴定のためのアッセイ緩衝液
は、2Xアッセイ緩衝液であった。
10μg/ml、5μg/ml、2.5μg/mlまたは1.25μg/ml
の抗体を各ウエルに50μlの容量で添加して、4℃で一晩インキュベートする
ことにより、ELISAプレートを種々の濃度の捕捉抗体で被覆した。次の日、
プレートを100μlの1%BSA/PBSによって37℃で1時間ブロックし
た。1時間後、BSA/PBS溶液を除去し、50μlのMAdCAM−mCK
融合蛋白質(無希釈の上清)を各ウエルに添加し、37℃で1時間インキュベー
トした。
抗ネズミMAdCAM−1抗体MECA−367(アメリカンタイプカルチャ
ーコレクション、受託番号 ATCC HB 9478)を遮断抗体として使用した。滴定のた
めに、20μlのアッセイ緩衝液(即ち、2Xアッセイ緩衝液)、20μlの抗
MAdCAM−1 MECA−367抗体を含む無希釈の上清、またはアッセイ
緩衝液で1:2、1:4、1:8もしくは1:16に希釈したMECA−367
を含む20μlの無希釈の上清のいずれかを各ウエルに添加した。無希釈の上清
は、約3μg/mlの抗体を含有していた。
凍結したBCECF標識HUT78細胞を融解し、2.5X106細胞/ml
でアッセイ緩衝液に再懸濁した。次いで、50μlの細胞、50μlのアッセイ
緩衝液(Pen/Strepなし)、30μlの水、50μlの8mM MnC
l2,、および20μlのMECA−367抗体(無希釈もしくは希釈)または
20μlのアッセイ緩衝液単独のいずかを各ウエルに添加し、プレートを室温で
30分間ローテーター上でインキュベートした。
インキュベーション後、全蛍光の各ウエルに対するベースライン測定を、48
5/535nMでの蛍光濃度分析機(IDEXX)を用いて行なった。次いで、プレー
トを、EL404マイクロプレート自動洗浄機(BIO-TEK Instruments)を用いて
、50mM Tris/2mM MnCl2の溶液で2回洗浄し、蛍光(接着細
胞による)を、485/535nMでの蛍光濃度分析機(IDEXX)を用いて再度測
定した。各ウエルに対して、最終の示数値をベースラインの示数値で割った。二
連のウエルからの値を平均し、プロットした(図1)。よって、5μg/mLの
ラット抗mCK溶液を50μl用いて、次の接着アッセイのために各ウエルを被
覆した。阻害アッセイおよびIC50の決定
アッセイは、96ウエルの形式で行なった。プレートを、炭酸塩緩衝液中5μ
g/mLのラット抗mCK溶液を50μl/ウエルで、4℃で一晩被覆した。該
プレートをPBS中1% BSAの100μL/ウエルで37℃で1時間ブロッ
クした。BSA/PBS溶液を除去し、50μLのMAdCAM−mCK上清を
各ウエルに無希釈で添加した。該アッセイは、捕捉抗体が限定試薬である条件下
で行なった。
細胞接着を化合物の存在または非存在下で測定した。該化合物を100% D
MSOに再懸濁した後、水で1:10に希釈し、最後に、該アッセイで再び1:
10に希釈した:50μLの2Xアッセイ緩衝液、30μLの水、20μLの化
合物を各ウエルに添加した。BCECF−AMで標識したHUT78細胞を含有
する50μLの細胞懸濁液(2.5X106/mlの濃度でアッセイ緩衝液に再
懸濁;前記参照)を各ウエルに添加した後、アッセイ緩衝液中8mM MnCl2
溶液を50μL添加した。細胞接着は、周囲の環境の温度で30分で起こり、
その後、以下の洗浄パラメーターを用いて、EL404マイクロプレート自動洗
浄機(BIO-TEK Instruments)を使用して、プレートを50mM Tris/2m
M MnCl2、pH7.2で洗浄した:洗浄容量=500μL;2回の洗浄サ
イクル;洗浄の深さ=80;各洗浄後アスピレートする。蛍光濃度分析機(IDEXX
)を485/535nMで用いて、プレートを読み取った。IC50の決定
IC50(阻害剤の非存在下で行なった対照と比べて、MAdCAM−1に接着
する全細胞数の50%を阻害する化合物の濃度)を決定するために、約62.5
〜500μMの範囲の様々な濃度で、前記したようにHUT78細胞の接着の阻
害に関して、化合物を試験した。各IC50がIC50を含有する範囲を越えて決定
されるように、必要に応じて追加の決定を行なった。この範囲を越えて、4つの
異なる濃度を二連で試験した。例えば、化合物793−1aを4つの異なる濃度
(50μM、25μM、12.5μMおよび6.25μM)で二連のウエルで試
験した。
各化合物に関して、以下のように比を決定した:二連のウエルからの示数の平
均を8つの対照ウエル(いかなる化合物をも存在しない条件下での接着)の平均
で割った。接着の阻害パーセントを100X(1−比)として計算した。また、
使用した化合物の濃度(μM)を得られた比に対してプロットした。化合物79
3−1aに対する得られたプロットを図2に示す。
次いで、IC50をKaleidographソフトウエア(Abelbeck Software
)を用いて決定した。各点に関して二連のウエルに対して完全な手法を再び繰り
返した。2つのIC50の決定の平均が得られ、得られた値を、本発明の種々の化
合物に関する接着の阻害パーセントで表2に示す。例えば、化合物793−1a
に対するIC50は、14μMであると決定された。ジスルフィド結合により結合
する環状ペプチド中のシステインを「*」で示す。使用した略号を下記の表3で
定義する。
表2において、実験番号1を配列番号:7で表す;実験番号2を配列番号:8
で表す;実験番号3を配列番号:9で表す;実験番号4を配列番号:10で表す
;実験番号5を配列番号:11で表す;実験番号6を配列番号:12で表す;実
験番号7を配列番号:13で表す;実験番号8を配列番号:14で表す;実験番
号9を配列番号:15で表す;実験番号10を配列番号:7で表す;実験番号1
1を配列番号:16で表す;実験番号12を配列番号:17で表す;実験番号1
3を配列番号:18で表す;実験番号14を配列番号:9で表す;実験番号15
を配列番号:13で表す;実験番号16を配列番号:19で表す;実験番号17
を配列番号:20で表す;実験番号18を配列番号:21で表す;実験番号19
を配列番号:22で表す;実験番号20を配列番号:23で表す;実験番号21
を配列番号:24で表す;実験番号22を配列番号:25で表す;実験番号23
を配列番号:26で表す;実験番号24を配列番号:7で表す;実験番号25を
配列番号:27で表す;実験番号26を配列番号:28で表す:実験番号27を
配列番号:29で表す;実験番号28を配列番号:30で表す;実験番号29を
配列番号:31で表す;実験番号30を配列番号:32で表す;実験番号31を
配列番号:33で表す;実験番号32を配列番号:34で表す;実験番号33を
配列番号:35で表す;実験番号34を配列番号:36で表す;実験番号35を
配列番号:37で表す;実験番号36を配列番号:38で表す;実験番号37を
配列番号:39で表す;実験番号38を配列番号:40で表す;実験番号39is
ple 番号40を配列番号:42で表す;実験番号41を配列番号:43で表す;
実験番号42を配列番号:44で表す;実験番号43を配列番号:45で表す;
実験番号44を配列番号:46で表す;実験番号45を配列番号:47で表す;
実験番号46を配列番号:48で表す;実験番号47を配列番号:49で表す;
実験番号48を配列番号:50で表す;実験番号49を配列番号:51で表す;
実験番号50を配列番号:52で表す;実験番号51を配列番号:53で表す;
実験番号54を配列番号:54で表す;実験番号55を配列番号:55で表す;
実験番号56を配列番号:56で表す;実験番号57を配列番号:57で表す;
実験番号58を配列番号:7で表す;実験番号59を配列番号:58で表す;実
験番号60を配列番号:59で表す;実験番号61を配列番号:60で表す;実
験番号62を配列番号:61で表す。 表3
Ac=アセチル
Anc=2 アントラセンカルボニル
Bipa=4−ビフェニルアセチル
Bpc=ベンゾフランカルボニル
Chc=シクロヘキサンカルボニル
Cpa=1−シクロペンチルアセチル
Cpc=シクロペンタンカルボニル
DBU=ジアゾビシクロ[ 5,40 ]ウンデク−7−エン
DMF=N,N−ジメチルホルムアニド(formanide)
Dpa=ジフェニルアセチ(acety)
Dphb=3,5−ジフェニルベンゾイル
EDT=1,2−エタンジチオール
Fc=フランカルボニル
HBTU=2(1−ベンゾトリアゾリル−1−イル)−1,1,3,3−テトラ
メチルウロニウム
Hbz=4−ヘプチルベンゾイル
Hyp=4−ヒドロキシプロリン
Idc=インドールカルボニル
Impa=4−イソブチル−a−メチルフェニルアセチル
Indc=インダンカルボニル
NMM=N−メチルモルホリン
Npa=a−ナフチルアセチル
Paa=1−ピレンアセチル
Pba=1−ピレンブチリル
Pca=1−ピレンカルボニル
Pha=フェニルアセチル
Phx=6−フェニルヘキサノイル
PYBOP=ベンゾトリアゾリル−N−オキシトリピロリジノホスホニウム−ヘ
キサフルオロホスフェート
Rink Amide Am Resin =4−[2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−ア
ミノメチル]−フェノキシルアセトアミド−ノルレキュシル(norlecucyl)アミノ
メチル樹脂
Tcc=トランス−シンナモイル
TFA=トリフルオロ酢酸
Thc=チエニルカルボニル
Tpa=トリフェニルアセチル
Tpc=テトラメチルシクロプロピルカルボニル
Tphp=トリフェニルプロピオニル
Xnc=キサンテンカルボニル実施例3:ヒトMAdCAM接着アッセイ ヒトMAdCAM−1−IgG(huMAdCAM−1−Ig)キメラの設計お よび機能的分析 huMAdCAM−IgGキメラの構築
ベクターpCDNA3(Invitrogen製、サンディエゴ、カリフォル
ニア州)に存在するヒトMAdCAM−1クローン4 cDNA(図4、配列番
号:67)を、ヒトMAdCAM−1の細胞外領域のPCR増幅のための鋳型と
して用いて、ヒトIgG1の定常領域と融合させた。ヒトMAdCAM−1クロ
ーン4 cDNA/pCDNA3構築物は、pcD3huMAd4またはpCD
huMAd4とも称される(Briskinら、国際公開第96/24673号パンフレット、19
96年8 月15日発行、実施例1を参照のこと;Shyjan,A.M.ら、J.Inlmunol.,
156:2851-2857(1996)も参照のこと、これらの教示は、それぞれ、参照により本
明細書に合体される)。具体的には、ヒトMAdCAM−1コード配列(ATG
コドン、太字)の5’末端を含むプライマーHUMADIG4/2(配列番号:
83)を合成した:
HUMADIG4/2(配列番号:83)
この5’プライマーを、ヒトMAdCAM−1(クローン4)の全細胞外ドメイ
ンをコードする領域を増幅するために、3’プライマーとともに使用した。配列
番号:67のコード鎖ヌクレオチド992〜1010に相補的な部分を含有する
HUMADIG3(配列番号:84)と名付けた3’プライマーは、以下の配列
を有していた:
HUMADIG3(配列番号:84)
プライマーは、示されているように、5’HindIII部位または3’Spe
I部位を有するように設計された。Invitrogen(サンディエゴ、カリ
フォルニア州)製のPCR最適化キット(optimizer kit)を用い
、これらのプライマーを用いて、MAdCAM断片をPCR増幅した。PCR産
物を酵素HindIIIおよびSpeIで消化して、クローニング用末端を生じ
させ、Glassmax DNA単離システム(Gibco製、ベセスダ、メリ
ーランド州)を用いて、ゲル電気泳動により精製した。
CHl、H(ヒンジ)、CH2およびCH3定常領域を含む約1kbの断片を
、SpeIおよびEcoRIでの消化により、ライヒマン(Reichmann,L)ら、Na
ture,322:323-327(1988)およびタカハシ(Takahashi,N.)ら、Cell,29:671
-679(1982))に記載された定常領域を有し、さらにFc領域に2 つの変異を含有
するヒト免疫グロブリンγl重鎖をコードする構築物から切り出した。ヒトFc
γレセプターへの結合を低下させるように、このIg重鎖構築物のFc領域の変
異(Leu235→Ala235およびGly237→Ala237)を設計して、オリゴヌ
クレオチドに規定される突然変異導入により作製した。この構築物にコードされ
る抗体を、これより後、イソタイプ適合の無関係な対照として用いた。Fc変異
IgGl定常領域をコードする1kbのSpeI−EcoRI断片をGlass
max DNA単離システム(Gibco製、ベセスダ、メリーランド州)を用
いて、ゲル電気泳動により単離した。この定常領域断片および全細胞外ドメイン
を含むHindIII−SpeI断片を、3ウェイライゲーションにより、Hi
ndIIIおよびEcoRIで消化したベクターpEE12(ステファンス(S
tephens,P.L.)とコケット(M.L.Cockett),Nucl
.Acids Res.,17:7110(1989)、およびベビントン(B
ebbington,C.R.)とヘンシェル(C.C.G.Hentsche
l),1987,哺乳動物細胞におけるクローン化遺伝子の発現のための遺伝子
増幅に基づくベクターの使用,(Academic Press,ニューヨーク
州))にライゲーションした。細菌株DH10Bの形質転換体を得た。コロニー
を成長させ、ミニプラスミドプレップを制限地図を作製して分析した。Fc変異
IgG1定常領域に融合させた、MAdCAM−1の全細胞外ドメインからなる
融合蛋白質をコードするHuMAdIg21(クローン21由来)と称する構築
物を、全MAdCAM−1部分を通じて配列決定し、セグメントの正しい融合お
よびPCRにより誘導される変異の非存在を確認した。
最初の試験のために、標準条件(960μF、250V)下でBioradG
ene Pulserでのエレクトロポレーションを用い、1mlのRPMI
緩衝液(無血清)および25μgのプラスミド中の単層の5×107個のCOS
細胞に、該構築物を一過性にトランスフェクションした。トランスフェクション
の72〜96時間後、上清を集め、0.45μフィルターに通し、0.05%ア
ジ化ナトリウムの存在下4℃で保存した。キメラの製造は、抗ヒトIgG1抗体
を捕捉抗体として、およびアルカリフォスファターゼに結合した同じ抗体を検出
用2次抗体として用い、サンドイッチELISAにより確認した。無関係な対照
抗体(同一の定常領域を有する)を標準として用いた。また、キメラは抗ヒトM
AdCAM−1モノクローナル抗体を用いたウェスタンブロットによっても分析
し、約200kdに泳動することが分かり、ホモニ量体の大きさと一致していた
。
可溶性ヒトMAdCAM-Igキメラは特異的にα4β7陽性細胞に結合する
以前にMn++の存在下でのみMAdCAM−1を結合することが示されたT細
胞株HuT 78を染色する能力について、2つの異なるトランスフェクション
由来の上清をアッセイした。従って、このアッセイに用いた各溶液は2mM M
n++を含んでいた。HuT 78細胞(ヒトT細胞リンパ腫株;アメリカン タ
イプ カルチャー コレクション、受託番号ATCC TIB 161)は、α
4β7産生細胞である。キメラの結合特異性を試験するために、Hut 78細
胞を培地単独(2% FCSを含むRPMI 1640)、または培地および1
0μg/mlの抗β7抗体FIB 504のいずれかと共にプレインキュベート
した。約100,000個の細胞を氷上で15分間インキュベートし、次いで、
2% FCS/2mM Ca++/2mM Mn++を含むHBSSで洗浄した。次
いで、細胞を培地と共にもう一度、またはMAdCAM−1(HuMAdIg2
1)の全細胞外ドメインを含むキメラをコードする構築物での2つの独立したト
ランスフェクションの内の1つ由来の上清と共に氷上で20分間インキュベート
した。洗浄後、次いで、細胞をフィコエリトリン(phycoerythrin
)を結合した抗ヒトIgG抗体と共にインキュベートし、バックグラウンド以上
の染色をフローサイトメトリー(FACScan)により評価した。キメラ上清
と共にインキュベートした細胞しかバックグラウンド以上に染色されなかったが
、β7 MAbとのプレインキュベーションはこの染色をバックグラウンドレベ
ルまで減少し、キメラのα4β7インテグリンとの特異的相互作用を示した。
ヒトMAdCAM−Igキメラを分泌する永久NSO細胞株をエレクトロポレ
ーションによるトランスフェクション後、既述(コケット(Cockett,M
.L.)ら,Bio/Technology,8:662−667(1990)
)のようにグルタミン不含有培地中での生育により選択した。クローニングした
株を攪拌培養での生育に適応させた。これらのクローニングした株の3つ由来の
上清(試料B〜D)、および部分精製キメラ(クローン21、プロテインAへの
結合により精製、試料A)を、B細胞株RPMI 8866の接着を支持する能
力について試験した。簡単に言えば、NEN maxisorbプレートを炭酸
緩衝液、pH9.5中、20μg/mlのプロテインAの100μl/ウェルと
共に4℃で一晩インキュベートした。次いで、プレートをRPMI 1640培
地(無血清)で2回洗浄した。100μlのキメラ(またはRPMIでの連続希
釈物)をウェルに37℃で2時間結合させ、次いで1回洗浄した。それから、ウ
ェルをFCSを用いて37℃で1時間ブロックし、1回洗浄し、次いで、対照と
して抗ヒトVCAM−1 MAb(2G7)または抗ヒトMAdCAM-1 M
Ab 10G3(ブリスキン(Briskin)ら、国際公開第96/24673号パンフレット
、実施例2)のいずれかを含む組織培養上清と共にプレインキュベートした。2
G7および10G3 MAbを細胞の添加前に除いた。RPMI 8866細胞
をBCECF−AM染色(BCECF−AM;2’,7’−ビス−(2−カルボ
キシエチル)−5−(アンド−6)−カルボキシフルオレセイン(floure
scein),アセトキシメチルエステル;Molecular Probes
製)とのプレインキュベーションにより蛍光標識し、100μlの細胞を各ウェ
ルに加え(最終濃度105細胞/ウェル)、ロータリーシェーカーで30分間室
温でインキュベートした。RPMI 8866細胞の固定キメラへの結合を、蛍
光濃度分析機(IDEXX)を用いて蛍光値を読み取ることにより評価した。抗
ヒトMAdCAM−1 MAbのみが細胞のMAdCAM−Igキメラへの結合
をブロックできたので、特異的結合は立証された(表3A)。 huMAdCAM−1−Igキメラの調製と精製
HuMAdIG21由来のhuMAdCAM−1−Igを産生するNS−0ク
ローン21−9C10を、前記のように調製した。該クローンをグルタミン不含
有DMEM、10%超低量ウシIg FCS、1X GS補足物(Gibco社
)、(グルタミン不含有基礎培地に添加するための非必須アミノ酸とヌクレオシ
ドの混合物)、1mM ピルビン酸塩、50ユニット/ml ペニシリンGおよ
び50μg/mlの硫酸ストレプトマイシン中で生育させた。huMAdCAM
−1−Igを産生するクローンを、37℃、5%CO2、95%空気および60
〜70rpmの定常の攪拌速度で、1.0リットルのスピンナーフラスコで生育
するように適応させた。培養物を250mlの前記培地に、1〜2x105細胞
/mlの細胞密度で播種し、培養物の最終容量を550〜600mlまでにする
前に、48〜72時間生育させておいた。スピンナーフラスコを10〜11日目
に回収し、6,000rpmで4℃で25分間遠心分離した。次いで、得られた
培養上清を0.2μで濾過し、4℃で保存した。
huMAdCAM−1−Ig培養上清を、PBS、pH7.2で平衡化させた
20mlのベッド体積のプロテインAカラムに1.5ml/分の流速で通した。
次いで、該カラムを、1.5ml/分の流速でPBS、pH7.2を用いて5.
0ml/分で洗浄した。次いで、該カラムを、PBS、pH7.2を用いて5.
0ml/分で洗浄し、5.0ml/分の流速で0.1Mクエン酸塩、pH3.5
を用いて溶出させた。5.0mlの複数の画分を回収し、画分当たり250μl
の1.5M 炭酸ナトリウム、pH11.5で直ちに中和した。次いで、プロテ
インAカラムをPBS、pH7.2で平衡化させた。
プロテインA精製から得られた画分を、抗ヒトIg(Fc)(Jackson Resear
ch Labs.)ELISAにより分析した。huMAdCAM−1−Igを含むピー
ク画分を、セントリコン30濃縮機(30,000mwのカットオフ)を用いる
6,000rpm、4℃での遠心分離により濃縮した。
最終産物を、BioRad プロテインアッセイにより定量し、huMAdC
AM−1−Ig/RPMI 8866接着アッセイ(以下を参照)での生物学的
活性を分析し、純度に関しては、還元および非還元下の4〜20% SDS−P
AGEでコロイドのクーマシーブルー染色により分析した。接着アッセイのプロトコール
α4β7を発現するB細胞リンパ腫であるRPMI 8866細胞(アール氏
(D.Erle)から供与;アール(Erle D.J.)ら、J.Immunol.,153:517-528(19
94);シジャン(Shyjan)ら、Journal of Immunology,1996:2851 (1996)を、B
CECF(Molecular probes #B-1170)を用いて蛍光標識した(以下に標識プロト
コールを示す)。細胞を、2%の最終濃度の牛胎児血清(FCS)、25mMの
HEPES、pH7.3を補足したHanksバランス塩溶液(HBSS)から
なるアッセイ緩衝液に再懸濁した。この緩衝液中のすべての試薬は、Gibco
/BRLから供給された。
すべてのアッセイは、Costar製の96ウエルのストリップウエルプレー
トで行なった(E.I.A./R.I.A.Strip plate-8 カタログ番号#2581。プロテイン
Aで精製したヒトMAdCAM−1−Igキメラを、200ng/mlの濃度で
炭酸塩緩衝液(0.2M NaHCO3および0.8M Na2CO3、pH9.
5)に懸濁し、10ng/ウエルの播種濃度となるように50μlを各ウエルに
添加した。該プレートを37℃で1時間(または4℃で一晩)インキュベートし
、自動プレート洗浄機で1回洗浄した(50mM Tris HCl、0.14
M NaClおよび2.0mM MnCl2、pH7.2)(Bio-Tek EL 404
マイクロプレート 自動洗浄機)。次いで、ウエルをPBS(リン酸緩衝生理食
塩水)および10%FCS(100μl/ウエル)で37℃で1時間でブロック
した後、前記の同様の洗浄工程を行なった。
細胞を、PBS中4x106細胞/mlの細胞懸濁液に、2μl/mlの濃度
のBCECF−AM(Molecular probes、カタログ番号B-1170)で標識した。該
細胞を37℃の水浴中で30分間インキュベートした。標識した細胞を700R
PMで10分間遠心分離し、アッセイ緩衝液中に再懸濁し、遠心分離工程を繰り
返した。該細胞を2.5x106細胞/mlの最終濃度で再懸濁した。
アッセイのために、化合物を96ウエルのポリプロピレンプレート中で以下の
ように希釈した。最初に、各化合物の保存溶液を、試験対象の100xの最終濃
度で100%DMSOに化合物を溶解することにより調製した。10μlの保存
溶液を90μlの水に添加して、第1の試験希釈とした。該第1の試験希釈の5
0μlを50μlの10%DMSO水に添加して、第2の試験希釈とした。該第
2の試験希釈の50μlを50μlの10%DMSO水に添加して、第3の試験
希釈とした。該第3の試験希釈の50μlを50μlの10%DMSO水に添加
して、第4の試験希釈とする等、6つの試験希釈物まで調製した。
5mMの陽性対照ペプチド(L783−1A)の保存溶液を100%DMSO
で作製した後、水で1:10(10μlの5mM保存溶液+90μlの水)に希
釈して、0.5mMの濃度を生じた。次いで、この希釈物をさらに10%DMS
Oで1:2(50μlの化合物と50μlの10%DMSO)にさらに希釈して
、250μMの濃度とした。これらの1:2希釈を6つの希釈物を達成するまで
続けた。これらの希釈物は、以下に計画したアッセイで示すように、10x保存
溶液を表す:
以下のように、huMAdCAM−1−Ig被覆プレートに材料を添加するこ
とによりアッセイを計画した:
1)130μl/ウエルのアッセイ緩衝液
2)20μl/ウエルの希釈化合物または10%DMSO(対照)または希釈
した陽性対照ペプチド
3)50μlのBCECF−AM標識RPMI 8866細胞
この実施例において、最終濃度の細胞は、1.25x106細胞/ウエルであ
り、化合物の最終濃度は、50μm〜1.06μmまでの6点のアッセイに及ん
だ。
該プレートをホイルで覆い、45RPMでのロータリーシェーカー上で室温で
30分間インキュベートした。
プレートを、以下のようにセットしたマイクロプレート自動洗浄機プレート洗
浄機で2何(50mM Tris HCl、0.14mM NaClおよび2.
0mM MnCl2、pH7.2)洗浄した:
洗浄容量=500ml
洗浄サイクル=2X
浸漬時間=0
洗浄の深さ=80
最後の洗浄後に吸引
振動時問=0
プレートを485nmでの励起および535nmでの読み取りでセットしたI
DEX蛍光プレートリーダーで読み取った。
データを、自動IC50決定のフォーマットでマイクロソフトエクセルで集計
した。IC50は、最大結合の50%である蛍光レベルである。結果を表4〜7
に示す。
表4において、実験番号1478を配列番号:71で表す;実験番号783を
配列番号:72で表す;実験番号1492を配列番号:73で表す;実験番号1
487を配列番号:74で表す;実験番号1490を配列番号:75で表す;実
験番号1275を配列番号:76で表す;実験番号1276を配列番号:77で
表す;実験番号1282を配列番号:78で表す;実験番号1481を配列番号
:79で表す;実験番号1482を配列番号:80で表す;実験番号1486を
配列番号:81で表す;実験番号1491を配列番号:82で表す。 均等物
当業者であれば、単なる日常的実験手法により、本明細書に記載された発明の
具体的態様に対する多くの均等物を認識し、あるいは確認することができるであ
ろう。かかる均等物は、下記請求の範囲に記載されるような本発明の範疇に含ま
れるものである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年12月30日(1997.12.30)
【補正内容】
請求の範囲
1.下記構造式:
R1−X−Y’−Z−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu、Xaa−As
p−Thr−Ser−Leu、Leu−Xaa−Thr−Ser−Leu、Le
u−Asp−Xaa−Ser−Leu、Leu−Asp−Thr−Xaa−Le
uまたはLeu−Asp−Thr−Ser−Xaaを有するペンタペプチドであ
り:
Xaaは、天然に存在するアミノ酸であり:
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
R1はR3−CO−であり:
R2は−NR4R5であり:
R3は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;
R4とR5は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換
アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそれ
ぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4とR5は両方とも−Hではなく:および
2)R4とR5は全体として複素環を形成してもよく;
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプ
チドを形成し:ならびに
ここで、X、Y’およびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよ
い)で表される化合物。
2.R3がトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル、2
-フラニル、3-フラニル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、2-
アントラセン、メチル、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-ベン
ゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シクロ
ヘキシル、5-フェニルペンチル、4-イソブチル- α- メチルフェニルメチル、4-
ビフェニルメチル、α- ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチル
、トランス-2- フェニルエテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルか
らなる群より選択されるものである請求項1記載の化合物。
3.R4とR5が−H、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベ
ンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2
-3- チエニル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニル、3,4-ジメトキシベンジル
およびイソペンチルからなる群よりそれぞれ独立に選択されるものである請求項
2記載の化合物。
4.Y’がLeu−Asp−Thr−Ser−Leu(配列番号:1)である請
求項3記載の化合物。
5.R3がジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス-2- フェニル−エ
チレニル、2-フェニル−エチニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベ
ンゾチエニルおよび3-ベンゾチエニルからなる群より選択され;
R4が2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル
、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2-3- チエニル
、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニルからなる群より選択され;ならびに
R5が−Hである請求項1記載の化合物。
6.XとZがそれぞれ共有結合である請求項5記載の化合物。
7.X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である請求項1記載の化合
物。
8.下記構造式:
R1−Y’−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu、Xaa−As
p−Thr−Ser−Leu、Leu−Xaa−Thr−Ser−Leu、Le
u−Asp−Xaa−Ser−Leu、Leu−Asp−Thr−Xaa−Le
uまたはLeu−Asp−Thr−Ser−Xaaを有するペンタペプチドであ
り:
Xaaは、天然に存在するアミノ酸であり:
R1はR3−CO−であり:
R2は−NR4R5であり:
R3は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4とR5は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換
アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそれ
ぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4とR5は両方とも−Hではなく:および
2)R4とR5は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
ここで、Yは、任意に環状であってもよい)で表される化合物。
9.Y’が配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu(配列番号:1)を有
する請求項8記載の化合物。
10.R3が単環式および二環式窒素含有複素芳香族基、置換および非置換アリ
ールおよびヘテロアリール基で置換されたビニル基、炭素多環式芳香族炭化水素
ならびに酸素含有多環式芳香族炭化水素からなる群より選択されるものである請
求項9記載の化合物。
11.R3がキノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、キノキサリニル
基、シノリニル基、ピラジニル基、スチリル基、スチルビル基、(3- ピリジル)
-CH =CH- 、ナフチル基、アントラシル基、キサンタニル基、ベンゾピラノン基
およびベンゾフラニル基からなる群より選択されるものである請求項9記載の化
合物。
12.下記構造式:
R1−X−Y’−Z−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thrを有するトリペプチド[ AA ]1
−[ AA ]2−[ AA ]3であり;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
R1はR3−CO−であり;
R2は−NR4R5であり;
R3は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4とR5は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換
アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそれ
ぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4とR5は両方とも−Hではなく;および
2)R4とR5は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプ
チドを形成し;ならびに
ここで、X、Y’およびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよ
い)で表される化合物。
13.R3がトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル
、2-フラニル、3-フラニル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、
2-アントラセン、メチル、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-ベ
ンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シク
ロヘキシル、5-フェニルペンチル、4-イソブチル- α- メチルフェニルメチル、
4-ビフェニルメチル、α- ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチ
ル、トランス-2- フェニルエテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル
からなる群より選択されるものである請求項12記載の化合物。
14.R4とR5が−H、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-
ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-C
H2-3- チエニル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニル、3,4-ジメトキシベンジ
ルおよびイソペンチルからなる群よりそれぞれ独立に選択されるものである請求
項13記載の化合物。
15.R3がジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス-2- フェニル−
エチレニル、2-フェニル-エチニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-
ベンゾチエニルおよび3-ベンゾチエニルからなる群より選択され;
R4 が2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル
、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2-3- チエニル
、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニルからなる群より選択され;ならびに
R5 が−Hである請求項12記載の化合物。
16.X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である請求項12記載の
化合物。
17.下記構造式:
R1 −Y’−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thrを有するトリペプチド[ AA ]1
−[ AA ]2 −[ AA ]3 であり;
R1はR3−CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよい)で表される化合物。
18.R3 がフェニル、置換フェニル、チエニル、置換チエニル、インドリル、
置換インドリル、ピリミジル、置換ピリミジル、ベンゾフラニル、置換ベンゾフ
ラニル、キノリニル、置換キノリニル、イソキノリニル、置換イソキノリニル、
ベンゾピラノン基、置換ベンゾピラノン基および3-イソキノリニル-CO-NH-(CH2
)x -(ここでxは1〜4の整数である)からなる群より選択されるものである
請求項17記載の化合物。
19.R3 が3-イソキノリニルまたは2-ベンゾフラニルであり;
R4 が-Hであり;ならびに
R5 がベンジル、置換ベンジル、フェネチル、置換フェネチル、フェンプロピ
ル(phenpropyl)、置換フェンプロピル,ヘテロアリール-CH2- 、置換ヘテロアリ
ール-CH2- 、低級アルキル、置換低級アルキル、シクロアルキルおよび下記構造
式:
および
の1つにより表される基である請求項18記載の化合物。
20.R3 が3-イソキノリニルまたは2-ベンゾフラニルであり;ならびに
R4 とR5 が全体として、ピロリジニル、置換ピロリジニル、インドリン、イン
ドリンの異性体、置換インドリン、置換インドリンの異性体、テトラヒドロイソ
キノリン、置換テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、置換テトラ
ヒドロキノリン、ピペリドン、置換ピペリドン、ピペリジン、置換ピペリジン類
、テトラヒドロオキサジン類および置換テトラヒドロオキサジン類からなる群よ
り選択される複素環を形成する請求項18記載の化合物。
21.R1 が下記構造式:
(式中、Aは、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテ
ロアリール基からなる群より選択され;および
nとmは、それぞれ独立に0または1である)で表される請求項17記載の化
合物。
22.下記構造式:
R1 −X−Y’−Z−R2
(式中、Y’は、配列Asp−Thrを有するジペプチド[ AA ]1−[ AA ]2
であり;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群からそれぞれ独立して
選択され:
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4R5であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプ
チドを形成し;ならびに
ここで、X、Y’およびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよ
く、但し、X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である場合、Y’の
N末端の窒素は、グリシンまたはサルコシンに結合しない)で表される化合物。
23.R3 がトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル
、2-フラニル、3-フラニル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、
2-アントラセン、メチル、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-ベ
ンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シク
ロヘキシル、5-フェニルペンチル、4-イソブチル- α- メチルフェニルメチル、
4-ビフェニルメチル、α- ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチ
ル、トランス-2- フェニルエテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル
からなる群より選択されるものである請求項22記載の化合物。
24.R4 とR5 が−H、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、
3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、
-CH2-3- チエニル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニル、3,4-ジメトキシベン
ジルおよびイソペンチルからなる群よりそれぞれ独立に選択されるものである請
求項23記載の化合物。
25.R3がジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス-2- フェニル−
エチレニル、2-フェニル-エチニル、2- ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-
ベンゾチエニルおよび3-べンゾチエニルからなる群より選択され;
R4 が2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル
、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2-3- チエニル
、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニルからなる群より選択され;ならびに
R5 が−Hである請求項22記載の化合物。
26.XとZがそれぞれ共有結合である請求項25記載の化合物。
27.X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である請求項22記載の
化合物。
28.下記構造式:
R1−X−Y−Z−R2
(式中、Yは、ペンタペプチド[ AA ]1 −[ AA ]2 −[ AA ]3 −[ AA
]4 -[ AA ]5であり、ここで:
[ AA ]1 は、ロイシン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、イソ
ロイシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、グリシン、N-メチルロイシン
、セリン、スレオニン、オルニチンおよびリジンからなる群より選択され;
[ AA ]2 は、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニンおよびチ
ロシンからなる群より選択され;
[ AA ]3 は、スレオニン、セリン、バリン、プロリンおよび4-ヒドロキシ
プロリンからなる群より選択され;
[ AA ]4 は、セリン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロ
リン、4-ヒドロキシプロリン、スレオニン、バリン、イソロイシン、アラニン、
グリシン、オルニチンおよびリジンからなる群より選択され;ならびに
[ AA ]5 は、ロイシン、イソロイシン、N-メチルロイシン、スレオニン、
オルニチン、セリン、バリン、アラニン、グリシン、フェニルアラニン、システ
イン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
;
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、YおよびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプチ
ドを形成し;および
ここで、X、YおよびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよく
;ならびに
アルギニンまたはアルギニン誘導体は、YのN末端の窒素に結合していない)で
表される阻害剤の治療上有効量を投与する工程を含む、MAdCAM−1分子を
発現する組織の白血球の浸潤に関連する疾患を有する個体の治療方法。
29.Yが配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu、Xaa−Asp−T
hr−Ser−Leu、Leu−Xaa−Thr−Ser−Leu、Leu−A
sp−Xaa−Ser−Leu、Leu-Asp−Thr−Xaa−Leuまた
はLeu−Asp−Thr−Ser−Xaaを有するペンタペプチドであり、X
aaが天然に存在するアミノ酸である、請求項28記載の治療方法。
30.R3 がトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル
、2-フラニル、3-フラニル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、
2-アントラセン、メチル、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-ベ
ンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シク
ロヘキシル、5-フェニルペンチル、4-イソブチル- α- メチルフェニルメチル、
4-ビフェニルメチル、α- ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチ
ル、トランス-2- フェニルエテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル
からなる群より選択されるものである請求項29記載の治療方法。
31.R4 とR5 が−H、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、
3-べンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、
-CH2-3- チエニル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニル、3,4-ジメトキシベン
ジルおよびイソペンチルからなる群よりそれぞれ独立に選択されるものである請
求項30記載の治療方法。
32.[ AA ]1 がロイシン、バリン、イソロイシン、アラニン、グリシン、フ
ェニルアラニンおよびN-メチルロイシンからなる群より選択され;
[ AA ]2 がアスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニンおよびチロシ
ンからなる群より選択され;
[ AA ]3 がスレオニン、セリン、バリン、プロリンおよび4-ヒドロキシプロ
リンからなる群より選択され;
[ AA ]4 がセリン、システインおよびスレオニンからなる群より選択され;
ならびに
[ AA ]5 がアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、グリシ
ン、フェニルアラニンおよびN-メチルロイシンからなる群より選択されるもので
ある請求項28記載の治療方法。
33.YがLeu−Asp−Thr−Ser−Leu(配列番号:1)である請
求項32記載の治療方法。
34.R3 がジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス-2- フェニル−
エチレニル、2-フェニル−エチニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2
−ベンゾチエニルおよび3-ベンゾチエニルからなる群より選択され;
R4 が2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル
、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2-3- チエニル
、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニルからなる群より選択され;ならびに
R5 が−Hである請求項28記載の治療方法。
35.X、YおよびZから形成されたペプチドが環状である請求項28記載の治
療方法。
36.下記構造式:
R1 −Y’−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu、Xaa−As
p−Thr−Ser−Leu、Leu−Xaa−Thr−Ser−Leu、Le
u−Asp−Xaa−Ser−Leu、Leu−Asp−Thr−Xaa−Le
uまたはLeu−Asp−Thr−Ser−Xaaを有するペンタペプチドであ
り;
Xaaは、天然に存在するアミノ酸であり;
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;および
ここでYは、任意に環状であってもよい)で表される阻害剤の治療上有効量を投
与する工程を含む、MAdCAM−1分子を発現する組織の白血球の浸潤に関連
する疾患を有する個体の治療方法。
37.Y’が配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu(配列番号:1)を
有する請求項36記載の治療方法。
38.R3 が単環式および二環式窒素含有複素芳香族基、置換および非置換アリ
ールおよびヘテロアリール基で置換されたビニル基、炭素多環式芳香族炭化水素
ならびに酸素含有多環式芳香族炭化水素からなる群より選択されるものである請
求項37記載の治療方法。
39.R3 がキノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、キノキサリニル
基、シノリニル基、ピラジニル基、スチリル基、スチルビル基、(3-ピリジル)
-CH =CH- 、ナフチル基、アントラシル基、キサンタニル基、ベンゾピラノン基
およびベンゾフラニル基からなる群より選択されるものである請求項38記載の
治療方法。
40.該疾患が炎症性腸疾患およびインシュリン依存性真性糖尿病からなる群よ
り選ばれるものである、請求項28記載の治療方法。
41.下記構造式:
R1 −X−Y’−Z−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thrを有するトリペプチド[ AA ]1
−[ AA ]2 −[ AA ]3 であり;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプ
チドを形成し;ならびに
ここで、X、Y’およびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよ
い)で表される阻害剤の治療上有効量を投与する工程を含む、MAdCAM−1
分子を発現する組織の白血球の浸潤に関連する疾患を有する個体の治療方法。
42.R3 がトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル
、2-フラニル、3-フラニル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、
2-アントラセン、メチル、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-べ
ンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シク
ロヘキシル、5-フェニルペンチル、4-イソブチル- α- メチルフェニルメチル、
4-ビフェニルメチル、α- ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチ
ル、トランス-2- フェニルエテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル
からなる群より選択されるものである請求項41記載の治療方法。
43.R4 とR5 が−H、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、
3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、
-CH2-3- チエニル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニル、3,4-ジメトキシベン
ジルおよびイソペンチルからなる群よりそれぞれ独立に選択されるものである請
求項42記載の治療方法。
44.R3がジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス-2- フェニル−
エチレニル、2-フェニル−エチニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-
ベンゾチエニルおよび3-ベンゾチエニルからなる群より選択され;
R4 が2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-べンゾフラニル、3-ベンゾフラニル
、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2-3- チエニル
、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニルからなる群より選択され;ならびに
R5 が−Hである請求項41記載の治療方法。
45.X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である請求項42記載の
治療方法。
46.該疾患が炎症性腸疾患およびインシュリン依存性真性糖尿病からなる群よ
り選ばれるものである、請求項41記載の治療方法。
47.下記構造式:
R1−Y’−R2
(式中、Y’は、配列Leu−Asp−Thrを有するトリペプチド[ AA ]1
−[ AA ]2 −[ AA ]3 であり;
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよい)で表される阻害剤の治療
上有効量を投与する工程を含む、MAdCAM−1分子を発現する組織の白血球
の浸潤に関連する疾患を有する個体の治療方法。
48.R3 がフェニル、置換フェニル、チエニル、置換チエニル、インドリル、
置換インドリル、ピリミジル、置換ピリミジル、ベンゾフラニル、置換ベンゾフ
ラニル、キノリニル、置換キノリニル、イソキノリニル、置換イソキノリニル、
ベンゾピラノン基、置換ベンゾピラノン基および3-イソキノリニル-CO-NH-(CH2
)x -(ここでxは1〜4の整数である)からなる群より選択されるものである請
求項47記載の治療方法。
49.R3 が3-イソキノリニルまたは2-ベンゾフラニルであり;
R4 が-Hであり;ならびに
R5 がベンジル、置換ベンジル、フェネチル、置換フェネチル、フェンプロピ
ル(phenpropyl)、置換フェンプロピル,ヘテロアリール-CH2- 、置換ヘテロア
リール-CH2- 、低級アルキル、置換低級アルキル、シクロアルキル、置換シク
ロアルキルおよび下記構造式: および
の1つにより表される基である請求項48記載の治療方法。
50.R3 が3-イソキノリニルまたは2-ベンゾフラニルであり;ならびに
R4 とR5 が全体として、ピロリジン、置換ピロリジニル、インドリン、インド
リンの異性体、置換インドリン、置換インドリンの異性体、テトラヒドロイソキ
ノリン、置換テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、置換テトラヒ
ドロキノリン、ピペリドン、置換ピペリドン、ピペリジン、置換ピペリジン類、
テトラヒドロオキサジン類および置換テトラヒドロオキサジン類からなる群より
選択される複素環を形成する請求項48記載の治療方法。
51.R1 が下記構造式:(式中、Aは、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテ
ロアリール基からなる群より選択され;および
nとmは、それぞれ0または1である)で表される請求項47記載の治療方法
。
52.下記構造式:
R1 −X−Y’−Z−R2
(式中、Y’は、配列Asp−Thrを有するジペプチド[ AA ]1 −[ AA
]2 であり;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
;
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプ
チドを形成し;ならびに
ここで、X、Y’およびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよ
く、但し、X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である場合、Y’の
N末端の窒素は、グリシンまたはサルコシンに結合しない)で表される阻害剤の
治療上有効量を投与する工程を含む、MAdCAM−1分子を発現する組織の白
血球の浸潤に関連する疾患を有する個体の治療方法。
53.R3 がトリフェニルメチル、ジフェニルメチル、3,5-ジフェニルフェニル
、2-フラニル、3-フラニル、9-キサンテンメチル、2,2,2-トリフェニルエチル、
2-アントラセン、メチル、シクロペンチル、2-インドリル、2-インダニル、2-ベ
ンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、シク
ロヘキシル、5-フェニルペンチル、4-イソブチル- α- メチルフェニルメチル、
4-ビフェニルメチル、α- ナフチルメチル、4-ヘプチルフェニル、フェニルメチ
ル、トランス-2- フェニルエテニルおよび2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピル
からなる群より選択されるものである請求項52記載の治療方法。
54.R4 とR5 が−H、2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、
3-ベンゾフラニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、
-CH2-3- チエニル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニル、3,4-ジメトキシベン
ジルおよびイソペンチルからなる群よりそれぞれ独立に選択されるものである請
求項53記載の治療方法。
55.R3 がジフェニルメチル、トリフェニルメチル、トランス-2- フェニル−
エチレニル、2-フェニル−エチニル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、2
−ベンゾチエニルおよび3-ベンゾチエニルからなる群より選択され;
R4 が2-ヒドロキシエチル、ベンジル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニ
ル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、-CH2-2- チエニル、-CH2-3- チエニ
ル、-CH2-2- フラニル、-CH2-3- フラニルからなる群より選択され;ならびに
R5 が−Hである請求項52記載の治療方法。
56.XおよびZがそれぞれ共有結合である請求項55記載の治療方法。
57.X、YおよびZから形成されたペプチドが環状である請求項52記載の治
療方法。
58.該疾患が炎症性腸疾患およびインシュリン依存性真性糖尿病からなる群よ
り選ばれるものである、請求項52記載の治療方法。
59.下記構造式:
R1 −X−Y−Z−R2
(式中、Yは、ペンタペプチド[ AA ]1 −[ AA ]2 −[ AA ]3 −[ AA
]4 −[ AA ]5 であり、ここで
[ AA ]1 は、ロイシン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、イソ
ロイシン、アラニン、バリン、グリシン、N-メチルロイシン、セリン、スレオニ
ン、オルニチンおよびリジンからなる群より選択され;
[ AA ]2 は、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニンおよびチロ
シンからなる群より選択され;
[ AA ]3 は、スレオニン、セリン、バリン、プロリンおよび4-ヒドロキシプ
ロリンからなる群より選択され;
[ AA ]4 は、セリン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリ
ン、4-ヒドロキシプロリン、スレオニン、バリン、イソロイシン、アラニン、グ
リシン、オルニチンおよびリジンからなる群より選択され;ならびに
[ AA ]5 は、ロイシン、イソロイシン、N-メチルロイシン、スレオニン、オ
ルニチン、セリン、バリン、アラニン、グリシン、フェニルアラニン、システイ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびリジンからなる群より選択され;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、YおよびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプチ
ドを形成し;および
ここで、X、YおよびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよい
)で表される阻害剤の有効量と細胞を接触させる工程を含む、細胞表面上でMA
dCAM−1に対するリガンドを発現する細胞のMAdCAM−1またはその一
部への結合を阻害する方法。
60.Yが配列Leu−Asp−Thr−Ser−Leu、Xaa−Asp−T
hr−Ser−Leu、Leu−Xaa−Thr−Ser−Leu)Leu−A
sp−Xaa−Ser−Leu、Leu−Asp−Thr−Xaa−Leuまた
はLeu−Asp−Thr−Ser−Xaaを有するペンタペプチドであり、X
aaが天然に存在するアミノ酸である、請求項59記載の阻害方法。
61.該リガンドがヒトα4β7インテグリンである請求項60記載の阻害方法
。
62.該細胞が白血球である請求項61記載の阻害方法。
63.MAdCAM−1が内皮細胞の表面で発現する請求項62記載の阻害方法
。
64.X、YおよびZから形成されたペプチドが環状である請求項59記載の阻
害方法。
65.下記構造式:
R1−X−Y’−Z−R2
(式中、Y’は、配列Asp−Thrを有するジペプチド[ AA ]1 −[ AA
]2 または配列Leu−Asp−Thrを有するトリペプチド[ AA ]1 −[ A
A ]2 −[ AA ]3 であり;
XとZは、共有結合、アミノ酸またはペプチドからなる群より独立して選択さ
れ、XとZ中の各アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸群から独立して選択され
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよく;ならびに
X、Y’およびZは全体として、約15個を超えないアミノ酸を含有するペプ
チドを形成し;および
ここで、X、Y’およびZから形成されたペプチドは、任意に環状であってもよ
く、但し、X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状であり、かつ、Y’
がAsp−Thrである場合、Y’のN末端の窒素は、グリシンまたはサルコシ
ンに結合しない)で表される化合物の阻害量と細胞を接触させる工程を含む、M
AdCAM−1のリガンドを発現する細胞のMAdCAM−1またはその一部へ
の結合を阻害する方法。
66.該リガンドがヒトα4β7インテグリンである請求項65記載の阻害方法
。
67.該細胞が白血球である請求項66記載の阻害方法。
68.MAdCAM−1が内皮細胞の表面で発現する請求項67記載の阻害方法
。
69.X、Y’およびZから形成されたペプチドが環状である請求項65記載の
阻害方法。
70.下記構造式:
R1 −Y’−R2
(式中、Y’は、配列Asp−Thrを有するジペプチド[ AA ]1 −[ AA
]2 であり;
R1 はR3 −CO−であり;
R2 は−NR4 R5 であり;
R3 は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基
、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群より選択され;なら
びに
R4 とR5 は、水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基および置換ヘテロアリール基からなる群よりそ
れぞれ独立して選択され、ここで:
1)R4 とR5 は両方とも−Hではなく;および
2)R4 とR5 は全体として複素環を形成してもよい)で表される化合物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 43/00 A61K 31/00 643D
A61K 38/00 C07K 9/00
C07K 9/00 14/705
14/705 19/00
19/00 C12P 21/02 C
// C12N 5/10 A61K 37/02
C12P 21/02 C12N 5/00 B
(C12P 21/02
C12R 1:91)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN