【発明の詳細な説明】
電子写真式の印刷機又は複写機の定着ローラの
表面に分離剤を塗布するための分離剤塗布装置
本発明は、転写原理に従って作業する印刷機又は複写機の定着ローラの表面に
、分離剤を塗布するための分離剤塗布装置に関する。
電子写真式の印刷機又は複写機においては、中間支持体例えば光導電性ドラム
若しくは感光ドラム(Fotoleitertrommel)で帯電画像(Ladungsbilder)を生ぜ
しめ、次いでこの帯電画像が静電的又は磁石的な力に基づいて現像ステーション
の現像液混合物で着色される。着色された帯電画像は、転写ステーションで枚葉
紙又は巻取紙の形状の記録担体に転写され、次いで熱的に定着される。熱的な定
着を行うためには、アメリカ合衆国特許第3324791号明細書によれば、2
つのローラ(これら2つのローラ間を通ってトナー画像の支持体が貫通移動せし
められる)を備えた定着ステーションが公知である。トナー画像に向けられた一
方の定着ローラは加熱され、他方の定着ローラは、トナー画像を備えた支持体を
定着ローラに押しつける。次いで熱と圧力とによってトナーが溶融される。
トナーが定着ローラの表面に付着したままになるのを避けるために、定着ロー
ラの表面に分離液体例えば
シリコーンオイルが塗られている。定着ローラに分離液体を塗布するために、ド
イツ連邦共和国特許第3942147号明細書によれば、フェルトより成るアプ
リケータが、定着ローラに沿って延びる圧着体によって定着ローラに向かって押
しつけられるようになっている分離剤塗布装置が公知である。アプリケータの、
定着ローラとは反対側には調量管が設けられており、この調量管は、長手方向で
吐出開口を有している。調量管内にポンプで汲み上げられた分離剤は、開口部か
ら吐出され、それによってアプリケータに達する。
アプリケータは、分離剤を受容して定着ローラの表面に引き渡す。分離剤の受
容能力は、材料、材料厚及び材料の汚れ程度によって規定される。アプリケータ
としては厚いフリースが使用される。フリースは、所定量の汚れを受容すること
ができる。しかしながら汚れがひどくなると、フリースは常に少ない量の分離剤
しか定着ローラに供給できなくなるので、極端な場合、定着ローラへの分離剤の
供給は妨げられてしまう。このような理由により、フリースは、連続的に又は時
間的な間隔をおいて新しくする必要がある。このために、DE3842147号
明細書によれば、フリースが巻き付けられている貯蔵ローラが設けられている。
テイクアップローラは、汚れたフリースを再び巻き上げる。
フリースの搬送速度は、テイクアップローラの一定
の回転速度によって規定されている。従って、フリースの搬送速度は、テイクア
ップローラの直径が大きくなるにつれて次第に高くなる。またフリースの洗浄速
度は、フリースの搬送速度が高くなるにつれて高くなる。従ってフリースの搬送
速度は、フリースの始端部における速度が低くても、十分な洗浄効果が得られる
ように、設定されている。フリースの長さは、フリースの厚さ及びそれに関連し
たスペース的な限定に基づいて、比較的短いにも拘わらず、フリース貯蔵ローラ
の端部に向かうフリースの搬送速度は、十分な洗浄効果を得るためには高くなり
すぎる。これによって、フリースを頻繁に補充することになり、ひいては保守間
隔が短くなる。
そこで本発明の課題は、電子写真式の印刷機又は複写機の定着ローラの表面に
、分離剤を塗布するための分離剤塗布装置を改良して、一定で確実な洗浄効果が
得られ、しかも保守間隔を延長することができるようにすることである。
この課題は請求項1に記載した手段によって解決された。本発明の別の構成及
び変化実施例は従属請求項に記載されている。
アプリケータは、貯蔵ローラに巻き上げられる。貯蔵ローラにはセンサが連結
されていて、このセンサは、回転速度を例えばパルスとして検出する。センサは
パルスを制御ユニットに送り、この制御ユニットは、
テイクアップローラを駆動するモータの速度を制御する。これによって制御ユニ
ットは2つのローラの回転速度を検知する。さらにまた、アプリケータの全長も
検知される。この値から、制御ユニットはアプリケータの実際の速度を算出して
、これを目標速度と比較する。この比較結果に応じて、制御ユニットはモータ回
転数を低くしたり高くしたりするので、その結果、目標速度に相当するアプリケ
ータの一定な搬送速度が得られる。
本発明の別の構成及び変化実施例によれば、制御ユニットは、アプリケータの
端部も検出する。従来の解決策においては、アプリケータの端部は、この端部が
貯蔵ローラから引き出されると直ちに遮断機を操作するように構成されていたの
で、アプリケータの端部は、定着ローラの表面と接触するようになっている。こ
れによって、端部が相応に構成されている場合つまり例えば端部に条片が取り付
けられている場合には、定着ローラが破壊される可能性があった。本発明の解決
策によれば、制御ユニットは、貯蔵ローラの回転数が低くなるか又は貯蔵ローラ
が停止することに基づいてアプリケータの端部を検知し、それによってモータを
遮断するようになっている。付加的に、電子写真式の印刷機又は複写機の中央制
御装置に相応の情報を提供することができる。
本発明の別の構成及び変化実施例によれば、アプリ
ケータとして, 0.2mm〜0.3mmの厚さを有するフリースが使用される
。このフリースは、従来のフリースようりも著しく薄い。フリース材料として有
利には、ポリアミド、ポリイミド及びテフロン又はこれらの組み合わせが使用さ
れる。薄いフリースによって、長いフリースを狭いスペース内で巻き上げること
ができる。保守間隔は変わらず、フリース長さが長くなったことによってより高
いフリース速度が実現可能である。これによって、定着ローラの高品質の清浄が
保証される。何故ならば、汚れによるフリースの詰まりは避けられるからである
。薄いフリースによって、迅速かつ直接的に定着ローラにオイルを供給すること
ができる。特別な利点は、改善された毛細管作用及び吸込み能力によって明らか
である。芯を利用して、分離剤をフリースに伝達することによって、熱的及び幾
何学的な公差とは無関係にフリースを最適に濡らすことが保証される。
以下に本発明の実施例を図面を用いて詳しく説明する。
第1図は、定着ローラを備えた分離剤塗布装置の概略的な断面図、
第2図は、貯蔵ローラ及び搬送手段を備えたアプリケータの概略図、
第3図は、貯蔵ローラの回転を検出するためのセンサユニットの原理図である
。
詳細が示されていない電子写真式の印刷機又は複写機において、熱定着ステー
ションには、第1図に示された分離剤Lを定着ローラFの表面に塗布するための
分離剤塗布装置が配属されている。基本的な図によれば、定着ローラFは時計回
り方向で回転する。定着ステーションの圧着ローラと、2つのローラ間でガイド
される記録担体(recording medium)とは図示されていない。分離剤を定着ロー
ラFの表面に塗布するための装置は図示されている。アプリケータVとしては、
0.2〜0.3mmの厚さを有するフリースが使用される。フリースは、ポリア
ミド、ポリイミド又はテフロンより成っている。アプリケータVは、シリコーン
オイル又はその他の適した、耐熱性の液状の分離剤を定着ローラの全表面で有し
ている。これを保証するために、アプリケータVはその幅全体が、定着ローラF
の軸方向の全長に亘って延びている。さらにまた、アプリケータVは、所定の外
周部範囲が定着ローラFに当てつけられている。
作動状態で、アプリケータVは、定着ローラFの表面に常時接触している。こ
の場合、アプリケータVは、汚れ粒子例えばトナー粒子、又は記録媒体によって
連行された埃等を連行する。申し分のない機能を保証するために、第2図に関連
して以下に詳しく説明されているように、有利には定着ローラFに当接する、ア
プリケータVの領域は、連続的にゆっくりと、場合に
よっては時間的な間隔を保って区分的に更新される。このために、アプリケータ
Vが引き出される貯蔵ローラVV並びに、使用済みのアプリケータVを収容する
テイクアップローラAVとが設けられている。テイクアップローラAVは、例え
ばモータMOによってによって駆動される。モータMOによって生ぜしめられる
、アプリケータVの搬送方向は、定着ローラFの運動とは逆方向であるので、使
用済みのアプリケータVは、定着ローラFの表面から取り去られた不純物をすべ
て連行して、常に十分な面が比較的新しいアプリケータVに提供される。
アプリケータVが定着ローラFの表面と接触する外周部領域は、定着ローラF
の軸方向で互いに平行に延びるガイド部材OB,UB間の間隔によって規定され
る。これらのガイド部材UB,OBは互いに鉛直方向で上下に配置されているの
で、上側のガイド部材OBと下側のガイド部材UBと呼ぶことができる。これら
2つのガイド部材OB,UBは、ガイド部材UB,OBの端面側の領域に配置さ
れたばねS1,S2によって、定着ローラFの表面に押しつけられる。
付加的に、ガイド部材UB,OBは、アプリケータVのためのガイド機能以外
の別の課題も満たす。これらのガイド部材UB,OBは芯Dを保持していて、こ
の芯Dに分離剤調量管Rから分離剤Lが供給される。芯DはアプリケータVと接
触していて、これによって
分離剤Lはアプリケータに受容される。アプリケータは、分離剤Lを定着ローラ
Fに引き渡すことができる。
第2図によれば、アプリケータVは、貯蔵ローラVVから時計回り方向で繰り
出され、定着ローラFに沿ってガイドされて、テイクアップローラAVによって
巻き上げられる。テイクアップローラAVは、モータMOによって反時計回り方
向で駆動される。モータMOの回転数は、制御装置CONによって規定される。
この制御装置CONは、センサHに連結されていて、センサから提供された情報
を評価する。
新たな貯蔵ローラVVを組み付ける際に、この新たな貯蔵ローラVVは大きい
外径を有している。それに応じてテイクアップローラAVの直径は小さい。何故
ならば例えばアプリケータVの1層だけがテイクアップローラAVの受容管AV
Rに位置しているからである。一定のモータ回転数によって、受容ローラAVR
の一定な回転速度が得られる。受容ローラAVの直径が大きくなると、アプリケ
ータの搬送速度が上昇する。テイクアップローラAVの直径が大きくなる程度だ
け、貯蔵ローラVVの直径が小さくなる。それに従って貯蔵ローラVVの回転速
度は、アプリケータVの速度が一定であると仮定すれば、アプリケータVを繰り
出す際に、大きくなる。
制御ユニットCONは、センサHに提供された情報
に基づいて、貯蔵ローラVVの回転速度を検知する。制御ユニットCON自体が
、テイクアップローラAVの回転速度を規定するので、この回転速度も検知され
ている。制御ユニットは、モータ回転数と貯蔵ローラVVの回転数とを比較して
、その結果からアプリケータVが既にどの程度繰り出されたかを検知する。それ
に基づいて制御ユニットは貯蔵ローラVVの直径を計算する。貯蔵ローラVVの
直径及び回転数から、アプリケータVの実際の速度を算出することができる。こ
の、アプリケータVの実際の速度は目標値と比較される。実際値が目標値からず
れると、制御ユニットCONは、モータMOの回転数を相応に合致させる。モー
タMOがステップモータであれば、このステップモータMOのスイッチオン/オ
フの継続時間は相応に変化する。
貯蔵ローラVVの回転速度を検出するために、ホールセンサHが設けられる。
ホールセンサHは、第3図に示されているように貯蔵ローラVVの端面側に配置
されている。ピンHSSに同軸的に連結された円形のディスクHSには、貯蔵ロ
ーラVVの端面側とは逆側の端面側で、同じ間隔を保って個別の磁石又は磁石リ
ングが配置されている。ピンHSSは、貯蔵ローラVVの軸VVA内に同軸的に
侵入していて、ピンHSが貯蔵ローラVVの軸の回転運動をディスクHSに伝達す
るように、この貯蔵ローラVVの軸VVAに連結さ
れている。ディスクHSに存在する磁石HMにはホールセンサHLが配属されて
いる。このホールセンサHLは、ピンHSSを中心にして回転する磁石HMのす
ぐそばに定置に配置されている。
ホールセンサHLの確実な機能は、磁石HMに対する間隔に関連した非常に狭
い例えば+/−0.2ミリメートルの公差が半径方向でも軸方向でも維持されて
いることによってのみ、保証される。この狭い公差は、ピンHSSが、ディスク
HSの表面から所定の長さだけ突き出していることによって、維持される。ピン
HSSのこの部分は、磁石HMと同じ側に存在している。ピンHSSはこの領域
で軸方向の孔HBを有しており、この孔HB内に、ホールセンサHLと接続され
たピンHLSが導入可能である。このピンHLSに受容プレートHPが固定され
ており、この受容プレートHPは、磁石HMを支持するディスクHSの表面に対
して平行に位置している。プレートHPの、磁石HMに向けられた側にはホール
センサHLが配置されている。プレートHPは、定置のアングル部材で支えられ
ているので、ディスクHSに連結されたピンHSSの回転運動は、プレートHP
に連結されたピンHLSに伝達されず、ひいてはホールセンサHLの半径方向の
定置の位置が得られる。
軸方向におけるホールセンサHLの定置の位置を確保するために、プレートH
Pは、ばねHFによって、
ディスクHSに連結されたピンHSSの端面側に軸方向で押しつけられる。この
場合、ばねHFは定置のアングル部材HWで支持される。相応に正確に仕上げられ
たセンサHの部材は、センサHを組み付ける際に付加的な調節作業を必要とする
ことなしに、必要な狭い公差を維持することができる。
センサHの組み付けは、逆の形式で行ってもよい。プレートHPに磁石HMを
配置することができる。それに応じて、ディスクHMには、磁石HMの代わりに
多数のホールセンサHLを配置することができる。別の変化実施例としては、デ
ィスクHSに1つの磁石を配置し、プレートHPを大きく構成し、これによって
プレートHP上に多数のホールセンサHLを定置に配置してもよい。回転する磁
石は、回転中に多数のホールセンサHLに影響を与える。
これによってセンサHは、貯蔵ローラVVのあらゆる運動を検出する。回転速
度に関連して、所定の時間間隔で、電気的なパルスが制御ユニットCONに伝達
される。モータMOがテイクアップローラAVを駆動しているにも拘わらず、制
御ユニットCONが、その検知した時間間隔内でセンサHからパルスを受信しな
い場合には、制御ユニットCONはアプリケータVの端部を検知する。制御ユニ
ットCONは、相応の情報を印刷機又は複写機に与えるので、アプリケータVを
有する新たなローラを装置内に挿入することができる
。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年12月11日(1997.12.11)
【補正内容】
請求の範囲
1. 転写原理に従って作業する印刷機又は複写機の定着ローラ(F)の表面
に、分離剤(L)を塗布するための分離剤塗布装置であって、
定着ローラ(F)と接触せしめられる、洗浄ベルトとして構成されたアプリケ
ータ(V)が設けられていて、該アプリケータ(V)が分離剤(L)を定着ロー
ラ(F)に塗布するようになっており、
貯蔵ローラ(VV)が設けられていて、該貯蔵ローラ(VV)から前記アプリ
ケータが繰り出されてテイクアップローラ(AV)に巻き上げられるようになっ
ており、
貯蔵ローラ(VV)の回転速度を検出するためのセンサ(H)が設けられてお
り、
制御ユニット(CON)が設けられていて、該制御ユニット(CON)が、セ
ンサ(H)で検出した回転速度とアプリケータ(V)の長さとから貯蔵ローラ(
VV)の直径を導き出して、アプリケータ(V)の一定な搬送速度が保証される
ように、テイクアップローラ(AV)を駆動するモータ(MO)を制御し、さら
に、センサ(H)によって提供されたデータから貯蔵ローラ(VV)の速度を介
して、貯蔵ローラ(VV)におけるアプリケータ(V)の端部を確認し、それに
基づいてモータ(MO)を遮断するようになっている
、ことを特徴とする、電子写真式の印刷機又は複写機の定着ローラの表面に分離
剤を塗布するための分離剤塗布装置。
2. 0.2mm〜0.3mmの厚さを有するフリースが、アプリケータ(V
)として使用されている、請求項1記載の分離剤塗布装置。
3. ポリアミド、ポリイミド又はテフロンより成るフリースが使用されてい
る、請求項2記載の分離剤塗布装置。
4. センサ(H)から提供されたデータを、これらのデータが存在すべき目
標範囲と比較することによってアプリケータ(V)の端部を検出する制御ユニッ
ト(CON)が設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の分離
剤塗布装置。
5. センサ(H)が設けられており、該センサ(H)が、貯蔵ローラ(VV
)の軸(VVA)に対して同軸的に連結されたディスク(HS)を有していて、
該ディスク(HS)上に磁石(HM)又はホールセンサ(HL)が配置されてい
て、このホールセンサが貯蔵ローラ(VV)の回転運動に追従するようになって
おり、
回転する磁石(HM)又はホールセンサ(HL)にに対して定置に、これらの
磁石(HM)又はホールセンサ(HL)の影響範囲内に配置されたホールセンサ
(HL)若しくは磁石(HM)が設けられており、該
ホールセンサ(HL)若しくは磁石(HM)が、軸方向でスペーサホルダ(HS
S)に向かって押しつけ可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の
分離剤塗布装置。
6. 転写原理に従って作業する印刷機又は複写機の定着ローラ(F)の表面
に分離剤(L)を塗布するアプリケータ(V)の速度を制御するための方法にお
いて、
定着ローラ(F)に接触せしめられる、貯蔵ローラ(VV)に巻き上げられた
、洗浄ベルトとして構成されたアプリケータ(V)を繰り出して、モータ駆動さ
れるテイクアップローラ(AV)に巻き上げ、
センサ(H)によって貯蔵ローラ(VV)の回転速度を検出し、
制御ユニット(CON)によって、センサ(H)で検出した回転速度と、アプ
リケータ(V)の長さとから貯蔵ローラ(VV)の直径を導き出して、テイクア
ップローラ(AV)を駆動するモータ(MO)を制御し、テイクアップローラ(
V)の一定の搬送速度が保証されるようにし、センサ(H)によって提供された
データから貯蔵ローラ(VV)の速度を介して、貯蔵ローラ(VV)におけるア
プリケータ(V)の端部を確認し、次いでモータ(MO)を遮断するようにする
ことを特徴とする、印刷機又は複写機の定着ローラ(F)の表面に分離剤(L)
を塗布するアプリケータ(
V)の速度を制御するための方法。