JP2000504937A - デンプン合成に関与する酵素をコードする植物に由来する核酸分子 - Google Patents

デンプン合成に関与する酵素をコードする植物に由来する核酸分子

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Abstract

(57)【要約】 植物におけるデンプン合成に関与する酵素をコードする核酸分子について記述する。これらの酵素はデンプンシンターゼの新規アイソタイプである。さらに、本発明は、該核酸分子で形質転換されたベクターおよび宿主細胞、特に、そこから再生され、かつ該蛋白質の活性の増加または低下を示す形質転換植物細胞および植物体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 デンプン合成に関与する酵素をコードする植物に由来する核酸分子 本発明は、植物のデンプン合成に関与する酵素をコードする核酸分子に関する 。この酵素は、デンプンシンターゼの新規なアイソタイプである。さらに、本発 明は、ベクター、細菌、ならびに上述の核酸分子により形質転換された植物細胞 および再生によりこれらの植物細胞から得られる植物体に関する。 また、デンプンシンターゼをコードするDNA分子の組み込みによって、その特 性が改変されたデンプンを合成するトランスジェニック植物体の製造方法も記載 される。 原料再生資源として、近年、益々植物材料に重要性が見いだされていることに 関係して、バイオテクノロジー研究の目的のひとつは、植物材料を加工工業の需 要に適応させることを試みることである。可能な限り多くの分野において、再生 可能原料の利用を可能にするためには、多様な物質を得ることが、さらに重要で ある。油、脂肪および蛋白質は別にして、多糖は植物由来の必須な再生原料を構 成する。セルロースは別にして、デンプンは、高等植物における最も重要な貯蔵 物質のひとつとして、多糖のなかで重要な位置を占めている。これらの内で、ト ウモロコシは、デンプンを製造するための最も重要な栽培植物であるため、最も 興味深い植物の一つである。 多糖であるデンプンは、化学的に均質な基本成分、すなわちグルコース分子か ら構成されるポリマーである。しかしそれは、重合の程度、グルコース鎖の分枝 の程度において、お互いに異なる様々な分子の、高度に複雑な混合物を構成する 。したがって、デンプンは均質な原料ではない。デンプンは、α-1,4-グルコシ ド結合したグルコース分子よりなり、基本的に分枝のないポリマーであるアミロ ースデンプンと、逆に様々に分枝したグルコース鎖の複雑な混合物であるアミロ ペクチンデンプンに区別される。分枝は、付加的なα-1,6-グルコシド結合で生 じる。トウモロコシやジャガイモのような、デンプン生産に利用される典型的な 植物においては、合成されるデンプンは、約25%のアミロースデンプンと約7 5%のアミロペクチンデンプンを含む。 可能な限り広範なデンプン利用を促すためには、広範な利用に特に適している 改変デンプンを生産できる植物が供給されることが望ましい。そのような植物の 供給は、育種は別にして、組換えDNA技術を用いたデンプン生産植物のデンプン 代謝の特異的な遺伝的改変によって可能である。しかし、そのための前提条件は 、デンプン合成および/またはデンプン改変に関与する酵素を同定し特性を調べ るとともに、それら酵素をコードする各々のDNA分子を単離することである。 デンプン合成の生化学的経路は基本的に知られている。植物細胞のデンプン合 成は、色素体の中で起きる。光合成活性組織においては、これらは葉緑体であり 、光合成をしないデンプン貯蔵組織では、アミロプラストである。 デンプン合成に関与する最も重要な酵素は、デンプンシンターゼおよび分枝酵 素である。デンプンシンターゼの場合、様々なアイソタイプが記載されている。 それらはすべて、ADPグルコースのグリコシル基をα-1,4-グルカンに転移するこ とによって重合反応を触媒する。分枝酵素は、α-1,6分枝を直鎖状のα-1,4-グ ルカンに導入することを触媒する。 デンプンシンターゼは、次の2つのグループに分類される:顆粒結合型デンプ ンシンターゼ(GBSS)、および可溶性デンプンシンターゼ(SSS)である。ある デンプンシンターゼは、顆粒結合型であると共に可溶性であるため、この区別は 必ずしも明確ではない(Denyerら、Plant J.4(1993),191-198; Muら、Plant J .6(1994),151-159)。各グループ内に、様々なアイソタイプが、様々な植物種 において記載されている。これらのアイソタイプは、プライマー分子に対する依 存性に関して、お互いに異なる(いわゆる「プライマー依存型」(タイプII)と 「プライマー非依存型」(タイプI)デンプンシンターゼ)。 これまでにアイソタイプGBSSIの場合のみにおいて、デンプン合成におけるそ の正確な機能が決定されている。この酵素活性が非常に低いかまたは完全に抑制 されている植物は、アミロースの欠失しているデンプンを合成する(いわゆる” 蝋状”(waxy)デンプン)(Shure et al.,Cell 35(1983),225-233; Visser et al.,Mol.Gen.Genet.225(1991),289-296;W0 92/11376)。したがって、 この酵素は、アミロースデンプンの合成において、決定的な役割を持つと考えら れている。この現象は、緑藻のクラミドモナス・レインハーディ(Chlamydomona s reinhardtii)の細胞でも観察されている(Delrue et al.,J.Bacteriol. 174(1992),3612-3620)。クラミドモナス(Chlamydomonas)の場合、さらに、G BSS Iはアミロース合成に関与するばかりでなく、アミロペクチン合成にも影響 を与えることが証明された。GBSSI活性を全く持たない突然変異体においては、 正常時に合成されるアミロペクチンのうち、長鎖グルカンを持つある分画が欠落 している。 顆粒結合性デンプンシンターゼの他のアイソタイプ、特にGBSS II,の機能や可 溶性デンプンシンターゼの機能は、今までのところ明らかでない。可溶性デンプ ンシンターゼは、分枝酵素とともに、アミロペクチン合成に関与していることが 考えられており(例えば、Ponstein et al.,Plant Physiol.92(1990),234-24 1を参照)、また、デンプン合成速度の調節においても重要な役割を担っている と考えられている。 トウモロコシの場合、可溶性デンプンシンターゼの2つまたはそれぞれ3つの アイソタイプと共に、デンプン顆粒結合デンプンシンターゼの2つのアイソタイ プが同定された(ホーカーら(Hawker)、Arch.Biochem.Biophys.160(1974)、5 30〜551;ポロック&プライス(Pollock and Preiss)、Arch.Biochem.Biophys. 204(1980)、578〜588;マクドナルド&プライス(MacDonald and Preiss)、Pla nt Physiol.78(1985)、849〜852;ミューら(Mu)、Plant J.6(1994)、151 〜159)。 トウモロコシのGBSS IをコードするcDNAおよびゲノムDNAはすでに記述されて いる(シュアら(Shure)、Cell 35(1983)、225〜233;クレースゲンら(Kloe sgen)、Mol.Gen.Genet.203(1986)、237〜244)。その上、いわゆる「発現さ れた配列タグ」(EST)が記述されている(シェーンら(Shen)、1994、ゲンバ ンク番号:T14684);それに由来するアミノ酸配列は、マメ(ドライら(Dry)、 Plant J.2(1992)、193〜202)およびジャガイモ(エドワーズら(Edwards)、 Plant J.8(1995)、283〜294)からのGBSS IIに由来するアミノ酸配列と強い類 似性を有する。トウモロコシからのさらなるデンプンシンターゼアイソタイプを コードする核酸配列はまだわかっていない。GBSS I以外のデンプンシンターゼを コードするcDNA配列はこれまで、マメ(ドライら(Dry)、Plant J.2(1992)、 193〜202)、コメ(ババら(Baba)、Plant Physiol.103(1993)、565〜573) およびジ ャガイモ(エドワーズら(Edwards)、Plant J.8(1995)、283〜294)について 記述されているにすぎない。 トウモロコシを除くいくつかの他の植物において、可溶性デンプンシンターゼ が同定された。可溶性デンプンシンターゼは、例えば、エンドウ(Denyer and S mith,Planta 186(1992),609-617)およびジャガイモ(Edwardsら、Plant J.8( 1995),283-294)から純粋な形で単離された。これらの場合、SSS IIとして同定 された可溶性デンプンシンターゼのアイソタイプが、顆粒結合性デンプンシンタ ーゼGBSS IIと同一であることが明らかにされた(Denyer et al.,Plant J.4(19 93),191-198)。他のある植物種の場合、クロマトグラフィーの手法で、い and Schulman,Physiologia Plantarum 89(1993)835-841;Kreis,Planta 148( 1980),412-416)、および小麦(Rijven,Plant Physiol.81(1986),448-453) がある。しかしながら、これらの蛋白質をコードするDNA配列は、今のところ記 載されていない。 改変されたデンプンを合成するよう、所望のデンプン貯蔵植物を改変するため のさらなる可能性を提供するために、デンプンシンターゼの他のアイソタイプを コードするそれぞれのDNA配列を同定する必要がある。 したがって、本発明の根底にある技術的問題は、デンプン生合成に関与する酵 素をコードする核酸分子を提供し、それにより、これらの酵素の活性が上昇また は減少するように遺伝的に改変された植物を生産し、それにより、これら植物に おいて合成されるデンプンの物理的および/または化学的性質の改変を促すこと にある。 この問題は、請求の範囲に記載される態様の具現化により解決された。 したがって、本発明は、好ましくは配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含 む蛋白質をコードする、デンプンシンターゼの生物活性を有する蛋白質をコード する核酸分子に関する。本発明は特に、配列番号:1に示すコード領域を含む配 列番号:1に記載したヌクレオチド配列の全部または一部を含む核酸分子、好ま しくは配列番号:1に示すコード領域を含む分子、または場合により対応するリ ボヌクレオチド配列に関する。デンプンシンターゼをコードする核酸分子および 遺伝子コードの縮重のために上記分子のヌクレオチド配列とは異なる配列もまた 、本発明の主題である。 本発明はさらに、デンプンシンターゼをコードし、上記分子の一つとハイブリ ダイズする核酸分子に関する。 本発明はまた、上記核酸分子の配列の全てまたは一部と相補的な配列を示す核 酸分子に関する。 本発明の核酸分子は、DNA分子であってもRNA分子であってもよい。対応するDN A分子は例えば、ゲノムまたはcDNA分子である。RNA分子は例えば、mRNAまたはア ンチセンスRNA分子であってもよい。 本発明の文脈中で、「ハイブリダイゼーション」という用語は、例えば、(Sa mbrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd Edition(1989)Col d Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY)に記載されてい るような通常条件下でのハイブリダイゼーション、好ましくは、厳しい条件下で のハイブリダイゼーションを意味する。本発明の核酸分子に対してハイブリダイ ズする核酸分子は、基本的には、該分子を有するいかなる所望の生物種からでも 得られる(すなわち、原核生物または真核生物、特には細菌、菌類、藻類、植物 または動物)。それらは、単子葉または双子葉植物、特に有用植物に由来するも のであることが好ましく、デンプン貯蔵性植物、特にトウモロコシ由来であるこ とが特に好ましい。 本発明の分子にハイブリダイズする核酸分子は、様々な生物由来の、ゲノムラ イブラリーまたはcDNAライブラリーから単離してもよい。 植物および他の生物由来の該核酸分子の同定および単離は、本発明の分子もし くはその一部、または場合によっては、それら分子の逆相補的鎖を用いて、例え ば、標準的方法(Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual ,2nd Edition(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Ha rbor,NY参照)に従ったハイブリダイゼーションにより行うことができる。 ハイブリダイゼーションのためのプローブとして、例えば、配列番号:1で示 されているヌクレオチド配列またはその部分配列を正確にまたは基本的に含んで いる核酸分子が使用されうる。また、ハイブリダイゼーションのためのプローブ と して使用される断片は、通常の合成方法によって作製され、その配列が基本的に 本発明の核酸分子と同一である合成断片であってもよい。本発明の核酸分子にハ イブリダイズする遺伝子を同定し単離した後、配列を決定し、その配列によりコ ードされている蛋白質の性質について分析を行う必要がある。 本発明の核酸分子にハイブリダイズする分子には、本発明に係る蛋白質をコー ドする、上述の核酸の断片、派生物および対立遺伝子変異体も含まれる。その場 合、断片は、上記記載の蛋白質のうちの一つをコードするのに十分な長さを有し ている核酸分子の一部と定義される。ここで、派生物という用語は、その分子の 配列が、上述の核酸分子の配列と、一箇所またはそれ以上の箇所で異なっており 、それらが、上記の配列と高度の相同性を示していることを意味する。ここで相 同性とは、少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらには80%、 さらに好ましくは90%以上の配列同一性を意味する。上述の核酸分子との差異 は、遺伝子の欠損、置換、挿入または組換えによって生じ得る。 さらに、相同性とは、機能的および/または構造的同等性が、それぞれの核酸 分子またはそれらがコードする蛋白質の間に存在することを意味する。上述の核 酸分子と相同であり、その派生物である核酸分子は、一般的に、同じ生物機能を 保持する改変を有する変異体である。これらの変異は、例えば、他の生物由来の 配列というように自然に生じる変異であり、または自然に生じる突然変異であり 、または特異的な突然変異の誘導により導入される。さらに、変異は、合成で生 産される配列でもよい。対立遺伝子変異体は、自然に生じる変異体でもよく、合 成で生産される変異体でもよい。または、組換えDNA技術によって生産される変 異体であってもよい。 本発明の核酸分子の様々な変異体によってコードされる蛋白質は、一定の共通 な性質を示す。酵素活性、分子量、免疫学的反応性、構造等は、ゲル電気泳動で の移動度、クロマトグラフィー上の挙動、沈降係数、溶解性、分光学的性質、安 定性、至適pH、至適温度などの物理特性とともに、これらの特性に属する。 デンプンシンターゼの重要な特性は、(i)植物細胞の色素体のストロマへの 局在;(ii)基質として、ADPグルコースを用いて直鎖状のα-1,4-結合ポリグル カンを合成する能力、である。この活性は、デニヤーとスミス(Denyer and Smi th )(Planta 186(1992),606-617)によって記載されている方法、または実施例で 記載されている方法で測定できる。 本発明の核酸分子は、原則として、記載された蛋白質を発現しているあらゆる 所望の生物、好ましくは植物、特にはデンプン合成・デンプン貯蔵植物から由来 することができる。これら植物は、単子葉植物であっても、双子葉植物であって もよい。特に好ましくは、例えば、穀類(大麦、ライ麦、オート麦、小麦など) 、トウモロコシ、イネ、エンドウ、キャッサバ、ジャガイモ等である。 本発明の核酸分子によってコードされる蛋白質は、これまで同定されていない 、および特徴付けがなされていないアイソタイプの植物デンプンシンターゼを表 す。これらの蛋白質は、これまでに知られている植物からのデンプンシンターゼ との特定の相同領域と共に、デンプンシンターゼの酵素活性を示す;しかし、そ れらは、これまでに知られているアイソタイプのいずれにも明白に分類されてい ない可能性がある。 特に、本発明の核酸分子によってコードされる蛋白質は、これを全てのglg遺 伝子を欠失し、および変異、脱制御ADPグルコース・ピロフォスフォリラーゼを 発現する大腸菌変異体に導入し、グルコース含有培地上でのこの変異体の培養お よびヨウ素蒸気による染色後、細菌コロニーを青色に染色する特性を有する。 本発明のもう一つの主題は、本発明の核酸分子と特異的にハイブリダイズする オリゴヌクレオチドである。そのようなオリゴヌクレオチドは、長さが少なくと も10個であることが好ましく、特に、少なくとも15個および少なくとも50個のヌ クレオチドであることが特に好ましい。これらのオリゴヌクレオチドは、それら が本発明の核酸分子と特異的にハイブリダイズする、すなわち、その他の蛋白質 、特にその他のデンプンシンターゼをコードする核酸配列とはハイブリダイズし ない、または非常に限られた程度しかハイブリダイズしない、という点を特徴と する。本発明のオリゴヌクレオチドは例えば、PCR反応のプライマーとして用い てもよい。それらはまた、アンチセンス構築物の、または適したリボザイムをコ ードするDNA分子の成分であってもよい。 さらに本発明は、本発明の上述の核酸分子を含むベクター、特には、遺伝子工 学でよく用いられるプラスミド、コスミド、ウイルス、バクテリオファージ、お よびその他のベクターに関する。 好ましい態様において、ベクターに含まれる核酸分子は、原核生物および真核 生物の細胞において、翻訳可能なRNAの転写と合成を確実にする調節要素に結合 される。 例えば、大腸菌のような原核細胞における、本発明の核酸分子の発現は、それ が該酵素の酵素活性のさらに正確な特性記述を可能にする限りにおいて、興味が 持たれる。特に、植物細胞のデンプン合成に関与する他の酵素の非存在下で、そ れぞれの酵素によって合成される産物を調査することが可能となる。これは、植 物細胞におけるデンプン合成過程で、それぞれの蛋白質が果たす機能について結 論を導くことを可能にする。 さらに、通常の分子生物学的技術(Sambrookら、分子クローニング、実験手引 き(Molecular Cloning,A Laboratory Manual)、第二版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY)を用いて、本発明の核酸 分子に、様々な突然変異を導入することができる。それによって、改変された生 物学的機能を有する蛋白質が合成できる。この手法により、一方では、核酸分子 が、そのコードDNA配列の5’または3’末端に連続的な欠失を有する、欠失変 異体を作製することが可能である。これらの核酸分子は、それに相当する短い蛋 白質の合成を導く。ヌクレオチド配列の5’末端における、そのような欠損は、 例えば、色素体への該酵素の局在に関わるアミノ酸配列の同定を可能にする(輸 送(transit)ペプチド)。これは各配列の欠損により、もはや色素体に局在せず 、細胞質に局在したり、または、他のシグナル配列の付加のために、他の部位に 局在するような酵素の特異的生産を可能にする。 もう一方では、アミノ酸配列の改変が、例えば、酵素活性や酵素制御に影響す るような部位に、点突然変異が導入され得る。この方法により、改変されたKm値 を持つ突然変異体や、通常細胞内で生じているアロステリック制御や共有結合の 改変による制御機構に、もはやさらされない突然変異体が生産できる。 さらに、基質として、ADPグルコースの代わりにADPグルコース-6-リン酸を使 用する突然変異体のような、改変された基質または産物特異性を示す突然変異体 が生産される。 さらには、改変された活性-温度プロフィールを有する突然変異体が作製され うる。 原核細胞の遺伝子操作のために、本発明の核酸分子またはそれら分子の一部は 、DNA配列の組換えによって突然変異や配列の改変を可能にするプラスミドに組 み込まれる。標準的手法によって(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A labo r atory manual,2nd Edition(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,N Y,USA参照)、塩基の交換が実施されたり、天然または人工合成配列が付加され る。DNA断片を結合させるために、アダプターやリンカーが該断片に付加される 。さらに、適当な制限部位を組み入れたり、余分なDNAや制限部位を除去する操 作が使用される。挿入、欠損、または置換のための操作としては、インビトロ突 然変異誘発、「プライマー修復」、制限、またはライゲーションが利用される。 分析のためには、配列分析、制限分析、または、さらに生化学的・分子生物学的 方法が利用される。 さらなる態様において、本発明は宿主細胞、特に、本発明の上述の核酸分子に よってまたは本発明のベクターによって形質転換され遺伝的に改変された原核生 物細胞または真核生物細胞、ならびにそのような形質転換細胞に由来し、本発明 の核酸分子またはベクターを含む細胞に関する。これは好ましくは、細菌細胞ま たは植物細胞である。 さらに、本発明の核酸分子によってコードされる蛋白質またはその生物学的に 活性な断片、ならびに、本発明の宿主細胞を該蛋白質が合成されるような条件下 で培養し、次に該蛋白質を培養細胞および/または培養培地から単離するといっ たそれらの作製方法が、本発明の主題である。 本発明の核酸分子の提供によって、組換えDNA技法を用いて、これまで育種で は不可能であった植物のデンプン代謝を特異的に妨害することが今日では可能で ある。それによって、デンプン代謝は、例えば、その物理化学的特性、特にアミ ロース/アミロペクチン比、分子の程度、平均鎖長、リン酸含量、ペースト化作 用、デンプン顆粒の大きさおよび/またはデンプン顆粒の形状に関して、野生型 植物において合成されるデンプンと比較して改変されている修飾デンプンを合成 するように修飾してもよい。本発明に記述の蛋白質の活性を増加させることによ っ て、例えば、個々の核酸分子を過剰発現させることによって、またはその活性に 関してもはや細胞特異的制御機構および/または異なる温度依存性を受けない変 異体を利用することによって、遺伝子修飾植物の収量が増加する可能性がある。 トウモロコシのみのデンプン合成を妨害する見込みが経済的に重要であることは 、世界で年間に産生されるデンプン全体の80%がデンプンから産生されるため、 明らかである。 したがって、それぞれのデンプンシンターゼの活性を増大させる目的で、本発 明の核酸分子を植物細胞に発現させることが可能である。さらに、それ以上細胞 特異的な制御機構を受けないような、または改変された温度依存性もしくは基質 ・生産物特異性を示すような本発明に係るデンプンシンターゼを作製するために 、本発明の核酸分子は、当業者に既知の方法によって改変してもよい。 植物において本発明の核酸分子を発現させるために、合成された蛋白質は、原 則的に植物細胞内のいかなる所望の区画に位置してもよい。蛋白質を特殊な区画 内に位置させるためには、プラスチド中に確実に局在している配列を欠失させ、 残りのコード領域を、選択的に各区画に確実に局在するようなDNA配列に結合さ せなければならない。そのような配列は既知である(例えば、ブラウンら(Brau n)、EMBO J.11(1992)、3219〜3227;ウォルターら(Wolter)、Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 85(1988)、846〜850;ゾネワルドら(Sonnewald)、Plant J.1(1 991)、95〜106)。 このように、本発明はまた、本発明の核酸分子によって形質転換および遺伝子 修飾されたトランスジェニック植物細胞に関すると共に、そのように形質転換さ れた細胞に由来するトランスジェニック植物細胞に関する。そのような細胞は、 これが特にプロモーターによって植物細胞における転写を確実にする制御DNAエレ メントにリンクしていることが好ましい、本発明の核酸分子を含む。本発明のト ランスジェニック植物細胞は、それらがそのような細胞では天然に全く起こらな い、または異なるゲノム環境、すなわち、ゲノムの異なる位置に限って起こる本 発明のDNA分子をゲノムの中に取り込んで含むという点において、天然の植物細 胞とは異なる。そのゲノムの中に本発明のDNA分子を含んでもよい植物細胞は、 本発明の植物細胞が、各々天然に起こる植物細胞に天然に起こる場合より多くの 本発 明の核酸分子の遺伝子コピーを示すという点において、およびこれらのさらなる コピーが遺伝子上の異なる位置に組み入れられるという点において、本発明の植 物細胞とは異なる。上記特徴は例えば、ゲノムDNAのサザンブロット分析によっ て決定してもよい。 当業者に公知の方法によって、該トランスジェニック植物細胞は、完全な植物 体に再生させることができる。したがって、本発明のトランスジェニック植物細 胞を再生することによって得られる植物体もまた、本発明の主題である。さらに 、上記記載のトランスジェニック植物細胞を含む植物体もまた、本発明の主題で ある。トランスジェニック植物は、原理的には、どんな植物種、例えば、単子葉 植物または双子葉植物、でもよい。これらは、好ましくは有用植物、特に、穀類 (ライ麦、大麦、オート麦、小麦等)、イネ、トウモロコシ、エンドウ、キャッ サバ、またはジャガイモなどの、デンプン合成性またはデンプン貯蔵性植物であ る。 本発明はまた、本発明の植物の繁殖体、例えば、果実、種、塊茎、根茎、実生 、切穂などに関する。 本発明の核酸分子の発現により、または場合によりさらなる発現のため、本発 明に記述のトランスジェニック植物細胞および植物は、野生型植物において合成 されるデンプンと比較して例えば、その物理化学的特性、特にアミロース/アミ ロペクチン比、分枝の程度、平均鎖長、リン酸含量、ペースト化性質、デンプン 顆粒の大きさおよび/またはデンプン顆粒の形状に関して、修飾されたデンプン を合成する。野生型デンプンと比較して、そのようなデンプンを特に、このデン プン糊の粘度および/またはゲル形成特性に関して修飾してもよい。 このように、本発明に係るトランスジェニック植物細胞および植物から得られ るデンプンもまた、本発明の主題である。 本発明の核酸分子によって、さらに、本発明の蛋白質の活性が低下している植 物細胞および植物を産生することが可能である。これによりまた、野生型植物細 胞由来のデンプンと比較して、化学的および/または物理的特性が修飾されたデ ンプンが合成される。 このように、非形質転換植物と比較して本発明に係る蛋白質の活性が低下して いるトランスジェニック植物細胞はさらに、本発明の主題である。 本発明の蛋白質の活性低下を示す植物細胞の産生は、本発明の核酸分子を用い て、例えば、対応するアンチセンス-RNA、共抑制効果を得るためにセンスRNAの 発現によって、または本発明の蛋白質の一つをコードする転写物を特異的に開裂 する、対応するように構築されたリボザイムの発現によって達成されうる。本発 明の蛋白質の活性を低下させるためには、アンチセンス-RNAは好ましくは、植物 細胞中で発現される。 アンチセンス-RNAを発現するために、一方で、DNA分子と共に、一部のコード 領域のみを含むおそらく存在する隣接配列を含む、本発明の蛋白質をコードする 完全な配列を含むDNA分子を用いることができる。細胞内でアンチセンス効果を 刺激するためには、これらの部分は十分長くなければならない。基本的に、最も 短くても長さ15bp、好ましくは長さ100〜500bp、および効果的なアンチセンス阻 害のためには、特に長さ500bp以上の配列を用いてもよい、一般的に、長さが500 0bpより短いDNA分子、好ましくは2500bpより短い配列を有するDNA分子を用いる 。 非常に相同であるが、本発明のDNA分子の配列と完全に同一ではないDNA配列を 利用してもよい。最小の相同性は約65%以上であるべきである。好ましくは、95 〜100%の相同性を有する配列を利用すべきである。 本発明の細胞は、それらがアンチセンスRNA、リボザイム、または共抑制RNAを コードする不均一な組換えDNA分子を含むという点において、天然に生じる細胞 とは異なる。この不均一な組換えDNA分子の発現のため、細胞における本発明の 蛋白質の合成は減少し、それによって同様に対応する活性が低下する。 本文脈において、「不均一な」DNAとは、細胞に導入されたDNAがこの形では細 胞で天然に生じるDNAではないことを意味する。一方で、これらの形質転換細胞 において天然では全く生じないDNAであってもよく、またはこれらの細胞におい て生じたとしても他の遺伝子位置で細胞外DNAとして組み込まれ、したがっても う一つの遺伝子環境内に位置するDNAであってもよい。 本発明のトランスジェニック植物細胞は、当業者に公知の方法によって、完全 な植物体に再生されうる。したがって、本発明のトランスジェニック植物細胞を 含む植物もまた、本発明の主題である。これらの植物は、原則として、いかなる 所望の植物種であってもよく、すなわち単子葉植物でも双子葉植物でもよい。好 ましくは、それらは有用植物、すなわち、ヒトもしくは動物の食餌のために、ま たは技術的目的のために人為的に栽培される植物である。これら植物は、穀類( 大麦、ライ麦、オート麦、小麦など)、イネ、トウモロコシ、エンドウ、キャッ サバ、またはジャガイモ等のデンプン合成植物またはデンプン貯蔵植物であるこ とが特に好ましい。本発明はまた、本発明の植物の繁殖体、例えば、果実、種、 塊茎、根茎、実生、切穂などに関する。 本発明の蛋白質の活性の低下のため、本発明のトランスジェニック植物細胞お よび植物は、野生型植物において合成されるデンプンと比較して例えば、その物 理化学的特性、特にアミロース/アミロペクチン比、分枝の程度、平均鎖長、リ ン酸含量、ペースト化行動、デンプン顆粒の大きさおよび/またはデンプン顆粒 の形状に関して、修飾されているデンプンを合成する。このデンプンは例えば、 野生型植物に由来するデンプンと比較して、その糊の粘度および/またはゲル形 成特性が修飾されていてもよい。このように、上記トランスジェニック植物細胞 および植物から得られるデンプンもまた、本発明の主題である。 本発明のデンプンは、当業者に公知の技術に従い改変してもよい:すなわち、 食品における用途および非食品における用途に適当な、改変されていない形なら びに改変された形でもよい。 基本的に、該デンプンの用途の可能性は、2つの主な分野に分類される。1つは 、酵素処理または化学的処理で得られる、本質的にグルコースおよびグルカン成 分を含む、デンプンの加水分解産物を利用する分野である。それらは、発酵のよ うな、さらなる化学改変および処理工程の出発材料として用いられる。この場合 、その加水分解工程が、単純で、安価に実施されることが重要である。現在、こ の工程は、実質的にアミログルコシダーゼを用いた酵素処理で実施されている。 その場合、デンプン構造の変換、例えば、粒子表面の増加、少分枝化による消化 され易さの向上、酵素の接近を妨害するような立体構造の改善によって、使用す る酵素量を減少させることにより、コストが削減される。 デンプンの他の利用分野は、いわゆる天然デンプンとして、そのポリマー構造 を利用する分野であり、それはさらに2つの分野に分類される。 1.食料品分野での利用 デンプンは、様々な食料品の典型的な添加物であり、デンプンは、本質的に水 溶性添加物の結合および/または粘性増加、ゲル形成増加等の目的で使用される 。重要な特性としては、流動性と収着性、膨潤とパスティフィケーション(Past ification)温度、粘性と濃化作用、デンプン溶解性、透明性とのり構造、熱・ ずれ・酸抵抗性、レトログラデーション(retrogradation)の傾向、フィルム形 成能、凍結/融解に対する抵抗性、消化性、無機または有機イオンとの複合物質 形成能が挙げられる。天然デンプンの用途の好ましい領域は、パンおよびパスタ の分野である。 2.食料品以外の分野での利用 デンプン使用の他の主な利用分野は、様々な生産工程におけるアジュバント( 補剤)として、または工業生産物の添加剤としての分野である。アジュバントと してのデンプン利用の主な応用分野は、とりわけ製紙および板紙工業である。こ の分野で、デンプンは主に、保持剤(背面固体の保持)、物質を凝固させるため のサイズ充填剤や細かい粒子、および脱水のために利用される。それに加えて、 堅さ、丈夫さ、無傷性、グリップ性、光沢、なめらかさ、引裂き強さ、外観など のデンプンの有する特性が利用される。 2.1 紙および厚紙工業 製紙生産工程においては、4種類の利用法が区別される。すなわち、サーフィ ス(surface)、コーティング(coating)、マス(mass)、およびスプレイイン グ(spraying)である。 サーフィス処理に関してデンプンに要求される特性は、本質上、高度な輝き、 適当な粘性、高い粘度安定性、良好なフィルム形成、ほこり低形成である。コー ティングの場合、固体含量、適当な粘性、高結合性、および高色素親和性が、重 要な役割を担う。マスへの添加剤として、速く、均一で、ロスのない拡散、高機 械強度、および紙パルプへの完全な保持が重要である。スプレイイングにおける デンプンの使用は、固体含量、高粘性、および高結合性が重要である。 2.2 接着剤工業 接着剤工業における主な応用分野は、4つの分野に分けられる。それらは、純 粋なデンプンにかわ、特定の化学薬品で調製されたデンプンにかわ、合成樹脂お よび分散高分子への添加剤、合成接着剤の添加剤分野である。すべてのデンプン に基づく接着剤のうちの90%は、波形ボード、紙包み、紙バッグ、紙とアルミニ ウムのための混合材料、箱、および封筒・切手などの湿りのりとして、使用され ている。 2.3 織物工業・織物保護工業 補助剤、添加剤としての他の利用は、織物および織物保護製品においてである 。織物工業においては、4つの応用分野がある。紡績中に働く張力に対しての糸 の保護のために、および紡績中のすり切れに対する抵抗力上昇のために有効であ り、糸のいが除去を円滑に、そして強力に促進するための添加剤として、脱色、 染色等の、品質低下を招く前処理の後の、織物改良の薬剤として、色素のり生産 時の、色素の拡散を抑制するための濃化剤として、縫い糸整経剤の添加物として 利用される。 2.4 建築工業 デンプン利用分野の4番目は、建築材料への添加剤である。一つの例は、石膏 プラスターボードの生産である。そこでは、薄いプラスターに混合されたデンプ ンは、水で糊状になり、石膏ボードの表面を拡散し、そしてボードに板紙を接着 させる。他の応用分野は、デンプンをプラスターやミネラルファイバーに混合す ることである。すでに混合されているコンクリートにおいて、デンプンは整形工 程の減速のために使用されうる。 2.5 土壌安定剤 さらに、デンプンは、水に対する土粒子の一時的な保護のため人為的な陸地移 動の際の土壌安定化に寄与する。最新の知識によると、デンプンとポリマーエマ ルジョンから構成される製品は、今までに使用されている製品と同程度に、浸食 および外皮形成を減少させる効果を持つと考えられている。しかし、それらは、 著しくコストを削減する。 2.6 植物保護剤および肥料におけるデンプン利用 デンプンの他の利用分野は、デンプンを植物保護剤に添加し、これら調製物の 特性を改変することである。例えば、デンプンは、植物保護剤や肥料の吸水性向 上のために、活性成分の徐放のために、水性、揮発性および/または臭い成分を 、微晶質で、安定な変形可能物質に変換するために、適合性のない成分を混合す るために、そして遅い分解速度による有効期間の延長のために利用される。 2.7 薬品、医薬および化粧品工業 デンプンはまた、薬品、医薬および化粧品工業の分野において利用される。製 薬工業において、デンプンは錠剤のバインダーとして、またはカプセル中のバイ ンダーの希釈のために使用される。さらにデンプンは、飲んだ時に溶液を吸収し て、短い時間内でよく膨潤し、活性成分が素早く放出されるので、錠剤の分解促 進剤として適している。さらに、質の面で、デンプンは、医用フローワンス(fl owance)およびダスティングパウダー(dusting powders)に応用される。化粧 品の分野においては、デンプンは、例えば、香水やサリチル酸のような粉末状添 加物のキャリアーとして利用される。さらにデンプンの応用としては、ねり歯磨 きがある。 2.8 石炭および練炭への添加剤としてのデンプン 石炭および練炭への添加物としてのデンプン利用が考えられる。デンプンを添 加することにより、石炭は定量的に塊になり、および/または高品質に練炭化さ れ、したがって、練炭の早期分解を防ぐ。バーベキュウ石炭は、4から6%のデ ンプンを含む。熱用石炭は、0.1から0.5%のデンプンを含む。さらに、デンプン は、石炭や練炭への添加により、毒性物質の放出を著しく減少させるので、結合 剤として適している。 2.9 鉱石および石炭スラリーの処理 さらにデンプンは、鉱石や石炭スラリーの処理において、凝結剤として使用さ れうる。 2.10 鋳造における添加剤としてのデンプン デンプン応用の他の分野は、鋳造における工程材料への添加剤としての利用で ある。様々な鋳造工程において、結合剤と混合された砂から作製される心型が必 要である。現在、最も普通に使用されている結合剤は、改変デンプン(ほとんど 膨潤デンプン)と混合されたベントナイトである。 デンプンを添加する目的は、流動抵抗を増加させ、結合力を上昇させることにあ る。さらに膨潤デンプンは、冷水中での分散能、再水和性、砂との良好な混合性 および水との高結合性といった、生産工程のための前提条件を満たす。 2.11 ゴム工業におけるデンプン利用 ゴム工業において、デンプンは、工業的および光学的な品質の向上に利用され る。使用の目的は、表面光沢、グリップ性、および外観の向上である。この目的 のために、デンプンは、冷和硫の前に、ゴム物質のねばねばした表面上に分散さ せられる。デンプンはまた、ゴムの印刷性改良のためにも使用される。 2.12 レザー代替品の生産 改変デンプンの他の利用分野は、レザー代替物の生産である。 2.13 合成ポリマーにおけるデンプン プラスチック市場において、下記のデンプン利用分野が出現している。それら は、デンプン由来産物の加工工程への利用(この場合、デンプンは単なる充填剤 で、合成ポリマーとデンプンとの間に直接結合はない)または、デンプン由来産 物のポリマー生産物への統合(この場合、デンプンとポリマーは、安定な結合を 形成する)である。 純粋な充填剤としてのデンプンの利用はタルクなどの他の物質には匹敵し得な い。こうした事情は、特定のデンプン特性が効果的となり、したがって最終産物 の特性プロフィールが明らかに変化する場合は異なる。一つの例は、ポリエチレ ンなどの熱塑性物質の処置におけるデンプン生産物の利用である。したがってデ ンプン及び合成ポリマーを、顆粒状のポリエチレンを用いる通常の技術によって 様々な生産物が作成される「マスターバッチ(master batch)」を形成するため に同時発現によって1:1の割合で結合させる。 ポリエチレンフィルムにデンプンを組み込むことにより、凹型における物質の 浸透性の増加、水蒸気の浸透性の増加、静電気防止作用の増加、抗妨害作用の増 加ならびに水性染料の有効な印刷がもたらされる。 他の可能性としてはポリウレタンフォームにおけるデンプンの利用がある。デ ンプン誘導体を適応させならびに操作技術を最適なものにすることによって、合 成ポリマーとデンプンの水酸基との間の反応を特異的に調節することが可能とな る。その結果、デンプンを使用することによる以下の特性プロフィールを有する ポリウレタンフィルムが得られる。すなわち熱膨張の共同作因の減少、収縮作用 の減少、圧力/張力作用の増加、水受容体の変化を伴わない水蒸気浸透度の増加 、引火性及び熱分解密度の減少、可燃性部分の欠落がないこと、非ハロゲン化合 物、ならびに時効の減少である。現在までのところまだ存在している不利な点は 圧力及び衝撃強度が減少することである。 フィルムの生産物開発は単なるオプションではない。ポット(pot)、プレー ト及びボウルなどの固状プラスチック産物もまた、デンプンの含有量が50%以上 であるため作成することができる。さらに、デンプン/ポリマー混合物により、 遥かに簡単に生物分解されるという利点が提供される。 さらに、それらの非常に高い水結合性によって、デンプングラフトポリマーは 、最大限の重要性を獲得している。それらは、デンプンのバックボーンと、ラジ カルチェイン機序(radical chain mechanism)の原理に従って、それにグラフ トされた合成モノマーのサイド格子を持つ製品である。現在利用できるデンプン グラフトポリマーは、高粘性下において、デンプンgあたり水1000gまでの優れ た結合性と保持能力によって特徴づけられる。これらの超吸収剤は、主に衛生分 野(例えばおむつやシートのような製品)および農業分野(例えば、種ペレット )で使用されている。 組換えDNA技術によって改変される新しいデンプンの利用のための決定因子は 、一方では、構造、含水量、蛋白質含量、脂質含量、繊維含量、灰/リン酸塩含 量、アミロース/アミロペクチン比、相対分子量の分布、分枝の程度、顆粒のサ イズと形、および結晶化であり、もう一方は、次に示す特徴をもたらす性質であ る。すなわち流動性と収着性、パスティフィケーション(Pastification)温度 、粘性、濃化作用、溶解性、のり構造、透明性、熱・ずれ・酸抵抗性、レトログ ラデーション(retrogradation)の傾向、ゲル形成能、凍結/融解に対する耐性 、複合体形成能、ヨウ素結合、フィルム形成能、接着力、酵素安定性、消化性、 および反応性である。 トランスジェニック植物を遺伝学的に操作することによる改変デンプンの生産 は、その植物から得られるデンプンの性質を、後の化学的または物理的方法によ る改変を不必要にするように改変するかもしれない。もう一方では、組換えDNA 技術によって改変されたデンプンは、上記記載の応用分野に適合する品質にする ために、さらに化学改変されてもよい。これらの化学改変は、原理的に当業者に は公知である。これらは、とりわけ、下記の方法による改変である。 −熱処理、 −熱処理、 −酸化、および −エステル化。 これらは、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、キサントゲン酸塩、酢酸塩、およびク エン酸塩の形成に導く。他の有機酸もまた、エステル化のために使用される。 −デンプンエーテルの形成 デンプンアルキルエーテル、O-アリルエーテル、水酸化アルキルエーテル、O −カルボキシメチルエーテル、N-含有デンプンエーテル、P-含有デンプンエーテ ル、および S-含有デンプンエーテル。 −分枝デンプンの形成 −デンプングラフトポリマーの形成。 植物細胞において、本発明の核酸分子をセンスまたはアンチセンス方向に発現 させるために、これらは、植物細胞内で転写を確実にする調節DNA因子に結合さ れる。そのような調節DNA因子は、特にプロモーターである。基本的に、植物細 胞中で活性ないかなるプロモーターも、用いることができる。 プロモーターは、発現が、構造的に生じたり、植物発生のある時期にある組織 だけで生じたり、または、外的因子によって決定される時期に生じたりするよう に、選定される。植物に関して、プロモーターは、相同でもヘテロでもよい。構 造的発現のために適切なプロモーターは、例えば、カリフラワーモザイクウイル スの35SRNAプロモーターおよびトウモロコシのユビキチンプロモーターである。 ジャガイモにおける塊茎特異的発現のためには、パタチン(patatin)遺伝子プ ロモーターB33(Rocha-Sosa et al.,EMBO J.8(1989),23-29)が使われる。光 合成活性組織のみでの発現を確実にするプロモーターとしては、例えばST-LS1プ ロモーター(Stockhaus et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84(1987),7943-7947;S to ckhaus et al.,EMBO J.8(1989)2445-2451)が使われる。胚乳特異的発現のため には、小麦由来のHMGプロモーター、USPプロモーター、phaseolinプロモーター 、またはトウモロコシ由来のzein遺伝子のプロモーターが適している。 さらに、該転写を確実に終結させ、該転写物を安定化させると思われるポリA テールを該転写物へ付加するのに有用な終止配列が存在する。そうした要素は文 献(Gielen et al.,EMBO J.8(1989)、23-29)に記載されており、必要に応じて 変更可能である。 本発明はトウモロコシにおいて同定されたデンプンシンターゼの新規アイソタ イプをコードする核酸分子を提供する。これにより、この酵素の活性が修飾され ている遺伝子修飾植物の作製と共に、デンプン生合成におけるこのアイソタイプ の機能の同定が可能となる。これにより、そのように操作された植物における、 構造が修飾され、したがって物理化学的特性が修飾されたデンプンの合成が可能 となる。 主に、本発明の核酸分子はまた、本発明のデンプンシンターゼの活性が上昇ま たは低下している、およびデンプン生合成に関与する他の酵素活性が同時に修飾 されている植物を作出するするために用いてもよい。それによって、全ての種類 の組み合わせおよび置換を考えることができる。植物におけるデンプンシンター ゼの一つ以上のアイソタイプの活性を修飾することによって、その構造が修飾さ れたデンプンの合成が得られる。トウモロコシもしくは小麦の内胚葉、またはジ ャガイモ塊茎のように、形質転換植物のデンプン貯蔵組織の細胞におけるデンプ ンシンターゼの一つ以上のアイソタイプの活性を増加させることによって、結果 的に収量の増加を得てもよい。例えば、本発明の蛋白質をコードする核酸分子、 または対応するアンチセンス構築物を、内因性GBSS I蛋白質、SSS蛋白質、また はGBSS II蛋白質の合成が既にアンチセンス効果もしくは変異のために阻害され ているか、または分枝酵素の合成が阻害されている植物細胞に導入してもよい( 例えば、国際公開公報第92/14827号に記述のように、またはae変異体に関連し て(シャノン&ガーウッド(Shannon and Garwood)、1984、ウィスラー、ベミ ラー&パスチャル(Whisler,BeMiller,and Paschall)、「デンプン:化学と 技術(Starch:Chemistry and Technology)」、Academic Press,London、第2 版:25〜8 6))。 形質転換植物におけるいくつかのデンプンシンターゼの合成阻害が得られれば 、適当なプロモーターによって調節されるアンチセンス方向のいくつかの領域を 同時に含み、対応するデンプンシンターゼをコードするDNA分子を形質転換に用 いることができる。そのような構築物では、各配列を自身のプロモーターによっ て調節してもよく、または共通のプロモーターからの融合物として他の配列を転 写してもよい。最後の代替法は、一般に各蛋白質の合成がほぼ同程度阻害される ような場合に好ましい。 さらに、デンプンシンターゼをコードするDNA配列とは別に、デンプン合成ま たは修飾に関与し、アンチセンス方向で適当なプロモーターと結合している他の 蛋白質をコードする別のDNA配列がその中に存在するようなDNA分子を構築するこ とが可能である。ここでも、配列を連続して結合してもよく、共通のプロモータ ーから転写してもよい。そのような構築物において用いられる個々のコード領域 の長さに関しても、アンチセンス構築物の産生に関する上記事実が当てはまる。 そのようなDNA分子においてプロモーターから転写されたアンチセンス断片の数 に上限はない。しかし、得られた転写物は10kbを超えてはならず、5kbが好まし い。 他のコード領域と組み合わせたそのようなDNA分子において、適したプロモー ター後方にアンチセンス方向で位置するコード領域は、以下の蛋白質をコードす るDNA配列に由来してもよい:顆粒結合デンプンシンターゼ(GBSS IおよびII) 、他の可溶性デンプンシンターゼ(SSS IおよびII)、分枝酵素、脱分枝酵素、 不均化酵素、およびデンプンフォスフォリラーゼ。この列挙は単なる実施例であ る。そのような組み合わせの枠組みに他のDNA配列を使用することも考えられる 。 そのような構築物を用いて、これらの分子で形質転換した植物細胞において同 時にいくつかの酵素の合成を阻害することが可能である。 さらに、デンプン生合成の1つ以上の遺伝子を欠損する典型的な変異体に構築 物を導入してもよい(シャノン&ガーウッド(Shannon and Garwood)、1984、 ウィスラー、ベミラー&パスチャル(Whisler,BeMiller,and Paschall)、「 デンプン:化学と技術(Starch:Chemistry and Technology)」、Academic Pre ss, London、第2版:25〜86))。これらの欠損は以下の蛋白質に関するものであっ てもよい:顆粒結合(GBSS IおよびII)および可溶性デンプンシンターゼ(SSS IおよびII)、分枝酵素(BE IおよびII)、脱分枝酵素(R-酵素)、不均化酵素 、ならびにデンプンフォスフォリラーゼ。この列挙は単なる実施例に過ぎない。 そうした方法により、さらに、これらの分子を用いて形質転換された植物細胞 においていくつかの酵素の合成を同時に阻害することが可能である。 高等植物への外来遺伝子の組み込みを調製するために、大腸菌の複製シグナル 及び形質転換した細菌細胞を選択するためのマーカー遺伝子を含む非常に多くの クローニングベクターが処理される。そうしたベクターの例としてpBR322、pUC 系列、M13mp系列、pACYC184などがあげられる。望ましい配列は適当な制限酵素 部位でベクターに組み込まれる。得られたプラスミドは大腸菌細胞の形質転換に 用いられる。形質転換した大腸菌細胞は適当な培地中で培養した後採集し溶解す る。プラスミドを回収する。得られたプラスミドDNAの特性を解析する方法とし て一般的に制限解析、ゲル電気泳動及び他の生化学的分子生物学的方法が用いら れる。各操作の後、プラスミドDNAは開裂し、その結果得られるDNA断片は他のDN A配列に結合する。各プラスミドDNAを同じプラスミドまたは他のプラスミド中に クローニングする。 DNAを植物宿主細胞に導入するために広範囲の技術が使用できる。こうした技 術には、形質転換培地としてアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobact erium tumefaciens)またはアグロバクテリウム・リゾゲンス(Agrobacterium r hizogenes)を使用することによるT-DNAを用いた植物細胞の形質転換、プロトプ ラストの融合、DNAの注入および電気穿孔法、バイオリスティック法によるDNAの 組み込み、ならびにさらなる可能性が含まれる。 植物細胞へのDNAの注入及び電気穿孔法の場合、使用するプラスミドに何ら特 別な要求はない。pUC派生物などの単純なプラスミドが使用される。しかし、完 全な植物体がそうした方法で形質転換した細胞から再生する場合、選択マーカー 遺伝子の存在が必要となる。 植物細胞へ望ましい遺伝子を組み込む方法に応じて、さらに他のDNA配列が必 要となる。しかし、たとえば植物細胞の形質転換に、TiプラスミドまたはRiプラ ス ミドを使用する場合、Tiプラスミド及びRiプラスミドT-DNAの少なくとも右側の ボーダー、より一般的には右側及び左側のボーダーが、フランキング領域として 組み込まれる外来遺伝子に結合していなければならない。 アグロバクテリアを形質転換に使用する場合、組み込まれるDNAを、特定のプ ラスミド、すなわち中間ベクターにクローニングするかまたはバイナリーベクタ ーにクローニングしなければならない。T-DNA中の配列に相同な配列のため、中 間ベクターを、アグロバクテリウムのTiプラスミドまたはRiプラスミドに相同的 組換えによって組み込むことができる。これもまた、T-DNAの転移に必要なvir領 域を含む。中間ベクターを、アグロバクテリア中で複製することはできない。ヘ ルパープラスミドによって中間ベクターをアグロバクテリウムツメファシエンス (接合)に転写することができる。バイナリーベクターは大腸菌ならびにアグロ バクテリア中で複製することができる。それらには選択マーカー遺伝子、ならび に右側及び左側のT-DNAボーダー領域によって画定されるリンカーまたはポリリ ンカーが含まれる。それらはアグロバクテリアへ直接に形質転換される(Holste rs et al.,Mol.Gen.Genet.163(1978)、181-187)。宿主細胞として機能する アグロバクテリウムにはvir領域へ到達させるプラスミドが含まれる。vir領域は 植物細胞へT-DNAを転移させるのに必要である。さらに他のT-DNAが存在しうる。 そうした方法で形質転換したアグロバクテリウムは植物細胞の形質転換に使用さ れる。 植物細胞の形質転換におけるT-DNAの使用は非常によく調べられており、「EP1 20 516;Hoekema、The Binary Plant Vector System Offsetdrukkerij Kanters B.V.、Alblasserdam(1985)、第5章」、「フレイリー(Fraley)ら、Crit.Rev. Plant.Sci.、4、1〜46」及び「アン(An)ら、EMBO J.4(1985)、277〜287」に 十分に記載されている。 植物細胞へDNAを転写するために、植物組織片をアグロバクテリウム・ツメフ ァシエンスまたはアグロバクテリウム・リゾゲンスと共に適切に共培養する。次 に、感染させた植物材料(たとえば何枚かの葉、茎切片、根ならびにプロトプラ ストまたは浮遊培養した植物細胞)から、形質転換した細胞を選択するために抗 生物質またはバイオザイド(biozide)を含む適当な培地中で完全な植物体を再 生することができる。次に、そうした方法で得られた植物体を、組み込みDNAが 存在 しているかどうかについて検査する。バイオリスティック法を用いてまたはプロ トプラストを形質転換させることによって外来DNAを組み込むための他の可能性 が当業者には知られている(たとえばWillmitzer L.、1993「トランスジェニッ ク植物(Transgenic plants)」Biotechnology、「複数巻からなる包括的論文( A Multi-Volume Comprehensive Treatise)」(H.J.Rehm、G.Reed、A.Puhler、P .Stadler編)、第2巻、627〜659、VCH Weinheim-New York-Basel-Cambridge)。 アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)によ るTi-プラスミドベクター系による双子葉植物の形質転換はよく確立されている が、より最近の試験では、単子葉植物もアグロバクテリウムに基づくベクターに よる形質転換に適している可能性があることが示されている(チャンら(Chan) 、Plant MO1.Biol.22(1993)、491〜506;ヒエイら(Hiei)、Plant J.6(1994 )、271〜282) 単子葉植物の形質転換のためのもう一つの系は、バイオリスティックアプロー チ、プロトプラスト形質転換、部分透過細胞の電気穿孔、グラスファイバーによ るDNAの導入による形質転換である。 トウモロコシの形質転換を特に扱う関連文献には様々な引用がある(例えば、 国際公開公報第95/06128号、欧州特許第0 513 849号;欧州特許第0 465 875号 参照)。欧州特許第292 435号では、それによって、粘液のない、壊れやすい顆 粒状のトウモロコシカルスから始めて受精能力のある植物を得る方法を記述して いる。この意味において、シリトら((Shillito)、Bio/Technology7(1989) 、581)により、再生可能な受精可能植物に関しては、植物体に再生可能な分裂 するプロトプラストの培養物を産生することができるカルス懸濁培養から始める ことが必要であることが、さらに観察された。7〜8ヶ月間のインビトロ培養後 、シリトら(shillito)は生存可能な後代を有する植物体を得ているが、それら は形態および受精能力に異常を示していた。589)は、カテト(Cateto)トウモロコシ同系交配株カタログ番号100-1のトウモ ロコシプロトプラストから受精可能な植物体を再生および得る方法について記述 している。著者は、プロトプラストから受精可能な植物体への再生は、遺伝子型 、ドナー細胞の生理状態、および栽培条件のような様々な多くの要因に依存する と想定している。 導入DNAが植物細胞のゲノムに一度組み込まれると、通常はそこに安定であり 続け、本来形質転換された細胞の後代にも保持される。通常は、バイオザイドに 対する耐性またはカナマイシン、G 418、ブレオマイシン、ハイグロマイシンも しくはホスフィノトリシンなどの抗生物質に対する耐性を形質転換された植物細 胞に付与する選択マーカーが含まれる。したがって個々の選択マーカーにより、 組み込まれたDNAを欠く細胞から形質転換細胞を選択することができる。 形質転換細胞は、植物体内で通常の方法で成長する(McCormick et al.,1986, Plant Cell Reports 5:81〜84も参照)。 その結果得られる植物体を通常の方法で栽培し、形質転換した同じ遺伝的性質 を有する植物または別の遺伝的性質を有する植物を用いて交雑する。その結果得 られる雑種個体は対応する表現型特性を有する。 表現型の特徴が安定的に保持されているかどうか、及び移行しているかどうか を確実にするため二世代またはそれ以上の世代にわたって栽培すべきである。さ らに、対応する表現型または他の特性が保持されているかどうかを確かめるため に、種子を採集する。 本実施例は、本発明を例示するものである。 使用される略語 bp 塩基対 GBSS 顆粒結合性デンプンシンターゼ IPTG イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド (isopropyl β-D-thiogalacto-pyranoside) SSS 可溶性デンプンシンターゼ 実施例で使用される試薬および溶液: 20 x SSC 塩化ナトリウム 175.3g クエン酸ナトリウム 88.2g ddH2Oで1000mlに調整する 10N水酸化ナトリウムでpH7.0に調整する YT 8gバクト酵母抽出物 5gバクト-トリプトン 5gNaCl ddH2Oで1000mlに調整する プロトプラスト単離培地(100ml) セルラーゼ・オノズカRS(明治製菓、日本) 800 mg ペクトリアーゼY23 40 mg KNO3 200 mg KH2PO4 136 mg K2HPO4 47 mg CaCl2 2H2O 147 mg MgSO4 7H2O 250 mg ウシ血清アルブミン(BSA) 20 mg グルコース 4000 mg 果糖 4000 mg 蔗糖 1000 mg pH 5.8 浸透圧 660 mosm プロトプラスト洗浄液1:プロトプラスト単離液に似ているが、セルラーゼ、ペ クトリアーゼおよびBSAを含まない。 形質転換緩衝液: a) グルコース 0.5M MES 0.1% MgCl2 6H2O 25 mM pH 5.8 600mosmに調整する b) PEG6000溶液 グルコース 0.5 M MgCl2 6H2O 100 mM Hepes 20 mM pH 6.5 PEG6000を、b)に記述の緩衝液に溶液の使用直前に加える(40%w/v PEG)。溶液 を0,45μmの滅菌フィルターで濾過する。 W5溶液 CaCl2 125 mM NaCl 150 mM KCl 5 mM グルコース 50 mM プロトプラスト培養培地(mg/Lで示す) KNO3 3000 (NH4)2S04 500 MgSO4 7H2O 350 KH2PO4 400 CaCl2 2H2O 300 ムラシゲースクーグ(Murashige-Skoog)培地(Physiol.Plant、15(1962)、47 3)のように、Fe-EDTAおよび微量元素 m-イノサイト 100 塩酸チアミン 1.0 ニコチン酸アミド 0.5 塩酸ピリドキシン 0.5 グリシン 2.0 グルクロン酸 750 ガラクツロン酸 750 ガラクトース 500 マルトース 500 グルコース 36.000 果糖 36.000 蔗糖 30.000 アスパラギン 500 グルタミン 100 プロリン 300 カゼイン加水分解産物 500 2,4ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D) 0.5 pH 5.8 浸透圧 600 mosm. 実施例では、以下の方法を用いた: 1.クローニング法 大腸菌によるクローニングで、ベクターpBluescript II SK(Stratagene)を使 用した。 2.細菌株 BluescriptベクターおよびpUSP構築物に関しては、大腸菌株DH5αを利用した (ベセスダリサーチ・ラボラトリーズ(Bethesda Research Laboratories)、ガ イサーズバーグ、USA)。インビボ切り出しのためには、大腸菌株XL1-Blueを用 いた。 3.トウモロコシの形質転換 (a)細胞株DSM 6009のプロトプラストの産生 プロトプラストの単離 プロトプラスト懸濁培養において最後に培地交換して2〜4日、好ましくは3 日後、液体培地を除去し、残った細胞をプロトプラスト洗浄溶液150mlで洗浄し 、もう一度吸引乾燥させる。回収した細胞塊2gにプロトプラスト単離液10mlを 加える。再懸濁した細胞および細胞凝集塊を暗所で27±2℃で、ゆるく揺り動か しながら(30〜40rpm)4〜6時間インキュベートする。 プロトプラストの精製 少なくともプロトプラスト100万個/mlの放出が起これば直ちに(顕微鏡で観 察)、懸濁液をメッシュサイズ200または45μmのステンレススチールまたはナイ ロンのふるいにかける。100μmおよび60μmのふるいの組み合わせにより、細胞 凝集塊についても同様に分離が可能となる。プロトプラストを含む濾液を顕微鏡 で 調べる。これには通常、98〜99%のプロトプラストが含まれる。残りは未消化の 単細胞である。そのような程度の純度を有するプロトプラスト調製物を、さらな る勾配遠心を行わずに形質転換実験に用いる。プロトプラストは遠心によって沈 殿させる(スイング-アウトローターで100UpM(100×g、3分))。上清を捨て 、プロトプラストを洗浄液1に再懸濁する。遠心を繰り返し、次にプロトプラス トを形質転換緩衝液に再懸濁する。 (b)プロトプラストの形質転換 形質転換緩衝液に再懸濁したプロトプラストの10mlを、ポリアロマーチューブ 50mlに0.5〜1×106個プロトプラスト/mlの力価で入れる。形質転換に用いるDN Aは、トリス-EDTA(TE)緩衝液に溶解する。プラスミドDNA20μgをプロトプラス ト懸濁液1mlに加える。フォスフィノトリシンに対する耐性を提供するプラスミ ドをベクターとして用いる(例えば、欧州特許第0 513 849号参照)。DNAを加え た後、溶液にDNAを均一に分配するために、プロトプラスト懸濁液を注意深く振 盪する。その直後にPEG溶液5mlを滴下して加える。 チューブを注意深く振盪することによって、PEG溶液を均一に分配させる。そ の後さらにPEG溶液5mlを加えて、均一な混合を繰り返す。プロトプラストは、 ±2℃で、20分間PEG溶液中に留まる。その後3分遠心(100g;1000Upm)するこ とによってプロトプラストを沈殿させる。上清を捨てる。プロトプラストを、注 意深く振盪しながらW5溶液20mlで洗浄し、再度遠心にかける。次に、それらをプ ロトプラスト培養培地20mlに再懸濁して、再度遠心し、培養培地に再度懸濁する 。6〜8×105個のプロトプラストになるよう力価を調整し、プロトプラスト3m lをペトリ皿で(Φ60mm、高さ15mm)培養する。ペトリ皿をパラフィルムで覆い 、暗所で25±2℃で保存する。 (c)プロトプラストの培養 プロトプラストの単離および形質転換後の最初の2〜3週間、新鮮な培地を加 えずにプロトプラストを培養する。プロトプラストから再生された細胞が20〜50 個以上の細胞凝集塊に生育すれば直ちに、浸透圧剤(90g/L)として蔗糖を含む 新鮮なプロトプラスト培養培地1mlを加える。 (d)形質転換トウモロコシ細胞の選択および植物体再生 新鮮な培地を加えた3〜10日後、プロトプラストから生育した細胞凝集塊を、 100mg/L L-フォスフィノスリシンを含む寒天培地上に播種してもよい。プロト プラスト培養培地のビタミン、90g/L蔗糖、および1.0mg/L 2,4Dを含むN6-培地 は、MS培地のマクロおよびミクロ栄養塩を有する培地のような類似培地と同じよ うに適している(ムラシゲ&スクーグ(Murashige and Skoog)(1962)、上記 参照)。 安定的に形質転換されたプロトブラストから発育したカルスは、選択培地上で さらに増殖させてもよい。3〜5週間後、好ましくは4週間後、100mg/L L-フ ォスフィノスリシンを含むがもはやオーキシン(auxine)を含まない新鮮な選択 培地にトランスジェニックカルスを移してもよい。3〜5週間以内に、L-フォス フィノスリシン-アセチル-トランスフェラーゼ遺伝子をそのゲノムの中に組み込 んだトランスジェニックトウモロコシカルスの約50%が、L-フォスフィノスリシ ンの存在下、この培地上で植物体に分化し始める。 (e)トランスジェニック再生植物の生育 胚形成形質転換トウモロコシ組織を、5×10-4MのL-フォスフィノスリシンの 存在下でホルモン・フリーN6-培地(チュら(Chu C.C.)、Sci.Sin.16(1975) 、659)で培養する。この培地上で、フォスフィノスリシン-アセチル-トランス フェラーゼ遺伝子(PAT遺伝子)を十分に強く発現しているトウモロコシ胚は植 物体へと生育する。非形質転換胚または非常に弱いPAT活性のみを有する胚は死 滅する。インビトロ植物体の葉が4〜6mmの長さに達したら、それらを土壌に移 してもよい。植物体の根から寒天の残査を洗い流した後、植物体を粘土、砂、バ ーミキュライト、および植え替え用土の3:1:1:1の比の混合物に植え、移 植後最初の3日間は大気中の相対湿度90〜100%で土壌栽培に順応させる。生育 は、植物体の高さでの約25000ルクスの14時間照明で、昼間/夜間温度が23±1/1 7±1℃の気候のチャンバーで行う。順応させた植物体は、大気湿度65±5%で栽 培する。 4.DNA断片の放射性標識 DNA断片の放射性標識は、ベーリンガー(Boehringer)(ドイツ)のDNA-ラン ダムプライマー標識キットによって、製造元の指示に従って実施した。 実施例1 実生トウモロコシからのデンプンシンターゼの新規アイソタイプをコードするcD NAの同定、単離、および特徴付け トウモロコシからの新規デンプンシンターゼをコードするcDNAを同定するため に、適当な大腸菌変異株における機能的発現の戦略を追求した。貯蔵炭水化物と して、大腸菌は特殊な栄養培地(1%グルコースを含む完全培地)上で、その構 造がアミロペクチンと類似している多糖類を合成する;しかし、それは程度のよ り高い分枝(4〜5%と比べて7〜10%の分枝点)を示し、通常、高分子量を示 す。程度の高い分枝はまた、異なるヨウ素染色を引き起こす。ヨウ素はグリコー ゲンに対しては茶色がかった染色、アミロペクチンに関しては紫色、およびアミ ロースに関しては青色の染色を引き起こす。 大腸菌において、グリコーゲン合成には3つの遺伝子、すなわちグリコーゲン シンターゼ、分枝酵素、およびADPグルコースピロフォスフォリラーゼをコード するglgA、glgBおよびglgCが本質的に関与している。この系は植物におけるデン プン生合成の系に類似している。植物のデンプンシンターゼが野生型の大腸菌細 胞で発現されれば、分枝酵素はグリコーゲンシンターゼによって生じたグルカン と同様に、デンプンシンターゼによって生じたグルカンに分枝点を導入するため 、ヨウ素染色の助けを借りても、酵素がグリコーゲンの特性に及ぼす影響を明ら かにすることは困難であるか、または不可能である。 したがって、ヨウ素染色によってデンプンシンターゼの機能的発現後に単純な スクリーニングを可能にする大腸菌株を作出した。この目的のため、全てのglg 遺伝子が欠失している変異体HfrG6MD2(シュワルツ(Schwartz)、J.Bacteriol. 92(1996)、1083〜1089)をプラスミドpACACによって形質転換した。このプラ スミドは、lac Zプロモーターの調節下での大腸菌からのADPグルコースピロフォ スフォリラーゼ(AGPアーゼ)をコードするDNA断片を含む。断片は、大きさ約1. 7kbのDraI/HaeII断片としてpEcA-15ベクターから単離され(例えば、ミューラ ー-レ を塞いだ後、HindIIIによって直線にしたpACAC184ベクターにクローニングした 。このプラスミドは、この酵素の変異によりかなりの量のグリコーゲンを蓄積す る大腸菌株LCB 618からの変異、脱制御ADPグルコースピロフォスフォリラーゼの 発 現を媒介する(プライス&ロメオ(Preiss and Romeo)、「微生物生理学の進歩 (Advances in Microbial Physiology)」、Academic Press,London,30巻、183 〜238)。これにより、十分量のADPグルコース、デンプンシンターゼの基質が確 実に提供され、デンプンシンターゼを同時に機能的に発現すると、ヨウ素によっ て青色に染色されうる大腸菌HfrG6MD2において直線α-1,4-グルカンが確実に合 成されると考えられる。さらに、ベクターpACYC184の誘導体としてのプラスミド pACACは、pBluescript SK(-)のようなプラスミドと両立しうる。 この株はpBluescript SK(-)ベクターに含まれるcDNAライブラリで形質転換し 、実生トウモロコシ、B73株の葉のRNAから生じた。これは、Uni-ZAPTMXRベクタ ー(ストラタジーンGmbH、ハイデルベルグ)に含まれる実生トウモロコシB37株 の葉のRNAからのcDNAライブラリの約106個のファージを、まずインビボ切り出し によってファージミドに変換することによって作製した。大腸菌XL1-Blue細胞を これらのファージミドで感染させ、3×105個の形質転換体を個体選択(アンピ シリン含有)栄養培地上に播種した。増殖後、細胞を洗浄して、そこからプラス ミドDNAを調製した。プラスミドDNAの細菌細胞への移入は、ハナハン(Hanahan )(J.Mol.Biol.166(1983)、557〜580)の方法に従って実施した。約4×105 個の形質転換大腸菌細胞が、以下の組成を有する寒天培養培地上で増殖した: 以下を含むYT培地: 1.5% バクトアガー 1% グルコース 10mg/l クロラムフェニコール 50mg/l アンピシリン 1mM IPTG 2mM ジアミノピメリン酸 37℃で一晩インキュベートした後、細胞をヨウ素蒸気で処理した。青色に染色 されたコロニーが得られた。このコロニーから、プラスミドDNAを単離して、繰 り返し形質転換に用いた。得られた形質転換体を複製プレート上で増殖させた。 複製プレートの一つを再度染色した。青色に染色されたクローンを、増加量のプ ラスミドDNAを調製するために増殖させた。 cDNA断片の大きさを調べた後、クローンpSSZmをさらに分析した。 実施例2 プラスミドpSSZmのcDNAインサートの配列分析 実施例1に従って得られた大腸菌クローンから、プラスミドpSSZmを単離し、 そのcDNAインサートをジデソキシヌクレオチド法(サンガーら(Sanger)、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 74(1977)、5463〜5467)を用いた標準的なルーチンによ って決定した。インサートの長さは2651bpで、部分的cDNAを構成する。ヌクレオ チド配列を配列番号:1に示す。対応するアミノ酸配列は配列番号:2に示す。 配列決定および既知配列との配列比較により、配列番号:1に示す配列は新規 で、様々な有機体からのデンプンシンターゼと特定の相同性を示す部分的コード 領域を含むことが示された。その上、コードされた蛋白質はこれまでに記述され たクラスでは明白に分類されえない新しいアイソタイプのデンプンシンターゼを 構成する。この出願の枠組みの中で、このcDNAインサートまたはハイブリダイズ 配列によってコードされる蛋白質をSSZmと命名する。この部分的cDNA配列によっ て、分子生物学の当業者は、労せずして、完全なコード領域を含む完全鎖長のク ローンを単離し、その配列を決定することが可能である。この目的のため、例え ば、実生トウモロコシ、B73株(ストラタジーンGmbH、ハイデルベルグ)からの 葉特異的cDNA発現ライブラリを、プラスミドpSSZM(200bp)のcDNAインサートの 5'断片とのハイブリダイゼーションによって、完全長のクローンについてスクリ ーニングする。失われた5'末端配列を得るもう一つの可能性は、5'-レース法( 例えば製造元としてストラタジーン(Stratagene))を利用することである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 9/12 C12R 1:91) (C12P 19/08 C12R 1:91)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号:2に示すアミノ酸配列を含む蛋白質をコードする核酸分子 ; (b)配列番号:1に示すヌクレオチド配列または対応するリボヌクレオチド配 列を含む核酸分子;および (c)(a)または(b)に示す核酸分子とハイブリダイズし、デンプンシンター ゼ活性を有する蛋白質をコードする核酸分子; からなる群より選択されるデンプンシンターゼの生物活性を有する蛋白質をコー ドする核酸分子、ならびに該核酸分子のそれぞれの相補鎖。 2.DNA分子である、請求項1記載の核酸分子。 3.cDNA分子である、請求項2記載のDNA分子。 4.RNA分子である、請求項1記載の核酸分子。 5.請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸分子と特異的にハイブリダイズす るオリゴヌクレオチド。 6.請求項1〜4のいずれか一項に記載のDNA分子を含むベクター。 7.DNA分子が、原核生物または真核生物の細胞中で翻訳可能なRNAの転写および 合成を確実に行う調節エレメントへセンス方向で結合されている、請求項6記載 のベクター。 8.請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項6もしくは7記 載のベクターで形質転換および遺伝的に改変された宿主細胞。 9.請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸分子によってコードされる蛋白質 。 10.請求項8記載の宿主細胞を、蛋白質の合成を可能にする条件下で培養し、 蛋白質が培養細胞および/または培養培地から単離される、請求項9記載の蛋白 質の作製方法。 11.デンプンシンターゼの生物活性を有する蛋白質をコードする核酸分子が、 植物細胞において転写可能なmRNAを転写させる調節エレメントの制御を受ける、 請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項6もしくは7記載の ベクターで形質転換された、または該細胞に由来するトランスジェニック植物細 胞。 12.請求項11記載の植物細胞を含む植物体。 13.有用植物である、請求項12記載の植物体。 14.デンプン貯蔵性植物である、請求項13記載の植物体。 15.トウモロコシ植物である、請求項14記載の植物体。 16.請求項11記載の植物細胞を含む、請求項12〜15のいずれか一項に記 載の植物の繁殖体。 17.請求項12〜15のいずれか一項に記載の植物体から得られるデンプン。 18.(a)本発明の蛋白質をコードし細胞内で内因性的に生じる遺伝子の転写 物に対するアンチセンスRNAをコードする;および/または (b)本発明の蛋白質をコードし細胞内で内因性的に生じる遺伝子の転写物を特 異的に開裂するリボザイムをコードする;および/または (c)細胞内の共抑制効果により本発明の蛋白質の合成を阻害するRNAをコードす る、不均一な組換えDNA分子の発現により、この植物細胞における請求項9記載 の蛋白質の活性が低下しているという特徴を有するトランスジェニック植物細胞 。 19.この細胞における活性の低下が、請求項1記載のDNA分子の転写物に対す るアンチセンスRNAの発現によって得られる、請求項18記載の植物細胞。 20.請求項18または19記載の植物細胞を含む植物体。 21.有用植物である、請求項20記載の植物体。 22.デンプン貯蔵性植物である、請求項21記載の植物体。 23.トウモロコシ植物である、請求項22記載の植物体。 24.請求項18または19記載の細胞を含む、請求項20〜23のいずれか一 項に記載の植物の繁殖体。 25.請求項20〜24のいずれか一項に記載の植物体から得られるデンプン。
JP9525679A 1996-01-16 1997-01-15 デンプン合成に関与する酵素をコードする植物に由来する核酸分子 Ceased JP2000504937A (ja)

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