JP2000507598A - 置換芳香族アミンの製造 - Google Patents

置換芳香族アミンの製造

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Abstract

(57)【要約】 N−フェニル−p−フェニレンジアミンのような芳香族アミンを製造するための方法であって、アニリンのようなアミン置換芳香族化合物を酸素または過酸化水素によりいろいろな水溶性配位子、例えば、アンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミン、を含む好ましくはペンタシアノ鉄(II)酸三ナトリウム錯体の存在下で酸化する方法を開示する。前記の錯体は、その後一定の不均一金属触媒を使用して水素化により接触還元されて所望の芳香族アミンを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】 置換芳香族アミンの製造 発明の背景 1.発明の分野 本発明はフェニル−p−フェニレンジアミン(PPDA)および下記の構造式 (I)の高級アミンを下記の構造式(II)の出発原料より製造する方法に関する。さ らに詳細には、本発明はPPDAを製造する方法であって、アニリンが、いろい ろな水溶性配位子(例えば、アンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキルアミ ン、およびトリアルキルアミン)を含むペンタシアノ鉄(II)酸三ナトリウム錯体 の存在下で、酸化剤として酸素または過酸化水素を使用して酸化される方法に関 する。前記の錯体はその後適当な不均一金属触媒を使用して水素化により還元さ れる。 式中nは2〜5に等しく、R1とR2は下記に規定するとおりであり、 R1とR2は同一または異なってもよいが、上記アミノ基に対してオルトまたはメ タにあらねばならず、水素、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン 、シアノ、カルボン酸塩およびカルボン酸のアミドまたはそれらの混合物である ことができる。 本発明は上記遷移金属錯体を循環使用でき、高い選択性および収率でのPPD Aの製造に関する。アニリンのN−フェニル−p−フェニレンジアミンへの転化 率は40−85%の範囲内にある。PPDAの収率は91より97%までにわた る。本発明の方法はまた費用効率が良く、環境上望ましからぬ副生物を生産しな い。 2.関連技術の背景 p−フェニレンジアミンおよびその誘導体の製造は広く普及しており、その用 途は広く知られている。米国特許第5,117,063号明細書(Stern,et al. )はN−フェニル−p−フェニレンジアミンを製造するいろいろな方法を開示して いるが、その場合アニリンとニトロベンゼンが特定の条件で反応させられている 。 その他の刊行物において、N−フェニル−p−フェニレンジアミンを製造する ためのアニリンの酸化的二量体化が開示されている。英国特許第1,400,7 67号および欧州特許第0−261096号はフェリシアン化アルカリ金属を使 用するが、欧州特許第0−272−238号は次亜ハロゲン酸塩酸化剤を使用し ている。これらの方法のいずれも著しく選択的でないし、また良好な転化率を与 えない。 J.BaconとR.N.AdamsはJ.Am.Chem.Soc.,90 p 6596(1968)にN−フェニル −p−キノンジイミンへのアニリンの陽極酸化を報告しているが、転化率も収率 も記載されていない。E.HerringtonはJ.Chem.Soc.p4683(1958)にペンタシ アノアンミノ鉄(III)酸二ナトリウムによるアニリンの酸化的二量体化を行っ てN−フェニル−p−フェニレンジアミンを含む錯体を形成し、次に後者を還元 剤(例えば、ヒドラジンヒドラート、ジチオン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ ウムおよび硫化水素)により化学的に還元することを報告している。本発明は、 ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸三ナトリウム錯体および水素による接触還元を 用いる点で、この刊行物と相違しており、この相違点から著しく改良された方法 が結果としてもたらされるのである。本発明の化学量論的関係はHerrington以上 に大いに改良されているが、それは本願明細書記載の方法においては錯体に対す るアニリンの比率を高く設定することも可能だからである。 それ故本発明の目的は、N−フェニル−p−フェニレンジアミンおよびその関 連化合物を製造する方法を提供することである。さらに本発明の目的は、未反応 アニリンの除去が容易で、還元後に再構成された出発錯体を所望の最終製品〔式 (I)〕から継続的に分離することの容易な水性プロセスを経由してそのような化 合物を製造する方法であって、低コスト及び循環使用可能性を含む商業的に実行 可能な方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、高い収率および良好な選択性を伴って、p−フェニ レンジアミンが優先的に生成する方法を提供することである。本発明のさらなる 目的は廃棄物および廃液の発生の少ない方法を提供することである。本発明のさ らなる目的は、本発明の方法の高い純度の製品から造られる劣化防止剤として工 業的に使用することができるフェニレンジアミン誘導体の製造である。 発明の要約 本発明は式(I)の置換芳香族アミンの改良された製造方法を対象としており、 その方法は次の工程を含む:a)式(II)の芳香族アミンを金属ペンタシアノ鉄(II )酸塩錯体の存在下に酸化してアリ−レンジアミノペンタシアノ鉄酸塩錯体を形 成する工程であって、前記金属はカリウムとナトリウムから成る群より選択され る、およびb)前記のアリ−レンジアミノペンタシアノ鉄酸塩錯体を不均一金属 触媒を使用して水素により接触還元して、対応する式(I)の置換芳香族アミンを 生成する工程。 式中nは2〜5であり、R1とR2は以下に規定するとおりである、 R1とR2は同一または異なってもよいが、上記アミノ基に対してオルトまた はメタにあらねばならず、水素、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、 ハロゲン、シアノ、カルボン酸塩およびカルボン酸のアミドまたはそれらの混合 物であることができる。 最も好ましい実施態様は、いろいろな水溶性配位子(例えば、アンモニア、モ ノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミンなど)を含む ペンタシアノ鉄(II)酸三ナトリウム錯体の存在でアニリンを酸化する方法を対象 とする。酸化剤は酸素または過酸化水素であってもよい。そのN−フェニル−p −フェニレンジアミノペンタシアノ鉄酸塩錯体はその後不均一金属触媒(それは 担持されていてもよく、担持されていなくてもよい)を使用して水素により還元 される。好適な担体は、例えば、カーボンまたはアルミナのような当業界に既知 のものを含むことができる。その後、アニリンとN−フェニル−p−フェニレン ジアミンの混合物は不均一触媒を濾別した後に適当な溶媒により抽出される。好 ましい溶媒は環境に優しく、水不混和性で、かつ循環使用しやすいものである。 ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体を含む水層はその後循環使用される。 発明の詳細な説明 N−フェニル−p−フェニレンジアミン(PPDA)を製造するための本発明 の好ましい方法は、a)ペンタシアノ鉄(II)酸三ナトリウム錯体の存在下、必要に 応じて不均一金属触媒を用いてアニリンを酸化する工程、その後、b)不均一金属 触媒を用いて水素によりN−フェニル−p−フェニレンジアミノペンタシアノ鉄 酸塩錯体を還元する工程を含む。 大抵の場合に、(a)および(b)の両工程では同一の不均一触媒が用いられよう。 第一工程では、酸素または過酸化水素を含む適当なオキシダントを酸化剤として 使用することができる。酸素は好ましい酸化剤である。より好ましいのは、加圧 下および高温で酸素を使用することであり、酸化速度を増加させて工程a)の完結 を容易にするだろう。 本発明において有用な金属ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体はその錯体の一部とし て水溶性配位子を有する水溶性タイプのものでなければならない。好ましい金属 はナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属である。最も好ましい、いろ いろな水溶性配位子を含むペンタシアノ鉄(II)酸三ナトリウム錯体は有用な錯体 類の一例である。これらの配位子はアンモニア、モノアルキルアミン、ジアルキ ルアミン、およびトリアルキルアミンであることができる。この好ましい錯体に 対する好ましい構造はNa3〔Fe(CN)5NH3・xH2O〕、またはその二量 体である。 好ましい反応の第二工程において、N−フェニル−p−フェニレンジアミノペ ンタシアノ鉄酸塩錯体は不均一金属触媒を使用して水素により還元される。この 触媒はパラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、またはニッケルのような第VI II族の不均一系金属より選択される。該触媒は担持されていても担持されていな くてもよい。担持されている場合、その担体はカーボン、アルミナなどであるこ とができ、それらの多くは当業者に周知のものである。 反応生成物であるアニリンとPPDAの混合物は適当な溶媒により抽出される 。その後不均一触媒は濾別される。好適な溶媒の例としては水不混和性であって 循環使用しやすいものが挙げられる。ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体を含む水層は その後循環使用される。 本発明の化合物は次の一般的方法により有利に合成できる。PPDAの好まし い製造方法は下記の例に含まれている。 本発明の好ましい方法の第一工程はペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム を水に溶解することを含む。ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウムの合成法 は既知である。それはG.Brauer"Handbook of Preparative Inorganic Chem istry",2nd ed.Vol II,academic Press, New York,N.Y.1965 p 1511の 方法に従って合成された。新しいペンタシアノアンミノ鉄(II)酸三ナトリウムの製造方法 ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸三ナトリウムの別の製造方法は、次亜リン酸に より安定化された塩化第一鉄四水化物の水溶液とシアン化ナトリウムを1から5 の当量の比率で水酸化アンモニウム水溶液へ同時に添加することである。水酸化 アンモニウム水溶液は塩化第一鉄を基準として1当量から大過剰まで含むことが できる。好ましい範囲は2〜10当量であり、最も好ましくは3〜6当量の水酸 化アンモニウムである。 同時添加は1〜3時間をかけて行われ、その溶液はその後必要ならば濾過して 少量の水酸化鉄を除いてから、イソプロパノールまたは任意の便宜な水溶性有機 溶媒を加えることにより上記、錯体を沈殿させる。この錯体は乾燥させてもよく 、乾燥させずに水に再溶解し直接使用してもよい。過剰のアンモニアとイソプロ パノールは回収される。 アニリンの添加については、アニリンの可溶化を助けるために水混和性有機溶 媒を添加してもよい。本発明においては有機溶媒を用いずにこの反応を行っても よい。このような有機溶媒の例はエチレングリコール、プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコールである。2当量のアニリ ンを添加した後、その混合物を酸化する。酸素または過酸化水素は二種の使用可 能な酸化剤である。不均一金属触媒は酸化に先立って添加してもよい。 本発明の方法の第二工程において、N−フェニル−p−フェニレンジアミノ配 位子を含む酸化された錯体は不均一金属触媒の存在下で水素化を受ける。これは 溶媒を添加しないで行ってもよいし、適当な水不混和性溶媒の存在下で行っても よい。この範疇に入り得る溶媒としては酢酸ブチル、ヘキサノール、2−エチル −1−ブタノール、酢酸ヘキシル、エチルブチルアセテート、酢酸アミル、メチ ルイソブチルケトンまたはアニリンなどが挙げられる。水素化の後、不均一触媒 を濾過により除去し、有機層を分離する。溶媒、アニリン、およびN−フェニル −p−フェニレンジアミンは蒸留により回収する。ペンタシアノアンミノ鉄(II) 酸ナトリウムはその後循環使用する。 その反応は水に溶解した錯体を含む溶液のpHに相当するpHにおいて行われ るのが最良である。pHは、必要な場合には、錯体の循環使用の後に、その都度 、その工程の始めにおける溶液の初期pHに相当するpHを維持するために溶液 へアンモニアを添加することにより調整される。このpH調整は適当な塩基、例 えば、錯体に用いられている配位子である水酸化アンモニウムまたはアンモニア を添加することにより達成される。pHのより好ましい範囲は10より12まで である。溶解された錯体のpH(その溶液の濃度に依存する)に相当するpHが 好ましい。 酸素および水素の圧力は約1気圧より100気圧までの範囲内にあることがで きる。これらの圧力の好ましい範囲は、約2〜約75気圧であろう。これらの圧 力の好ましい範囲は約50より約75までの気圧、即ち約5.0×106〜約7 . 5×106Nm-2、であろう。同様な圧力が水素による還元反応に対しても使用さ れる。 温度は当該錯体が安定性を失う点まで変化してもよいが、このような温度は現 在閉鎖系内で約5℃より約65℃までであると信じられている。この反応はもっ と低い温度において行うことができるが、酸化工程の反応速度はかなり低下する 。酸化反応について好ましい実施温度は30℃と55℃の間であり、最も好まし い範囲は45℃と55℃の間である。使用される温度に工程の反応速度と収率を 最大化するために諸因子のバランスをとることが必要とされるであろう。上記し たよりも温度が高いと、錯体が徐々に分解するだろう。低温では錯体の溶解度が 低下し、反応速度が低下する。 多数の配位子がペンタシアノ鉄(II)酸ナトリウム錯体中のアンモニアの代わり に使用可能である。配位子はモノアルキルアミン(例えば、メチル、エチル、プ ロピル、またはブチルアミン),ジアルキルアミン(例えば、ジメチルまたはジ エチルアミン)およびトリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミンまたはト リエチルアミン)であってもよい。使用可能なその他のアミンはN,N−ジメチ ルアミノエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、お よび置換または無置換ピリジンである。溶解度、アニリンと置き換わる能力およ び安定性を有する限り、その他多種の配位子も使用することができる。 本発明において、アンモニア以外の配位子を含むペンタシアノ鉄(II)酸ナトリ ウムはアンモニア錯体を過剰の適当な配位子によって置換することにより調製さ れた。 使用してもよい不均一金属触媒のなかにはカーボン上パラジウム、カーボン上 白金、カーボン上ルテニウム、カーボン上ロジウム、およびラネーニッケルがあ る。カーボン以外の担体、例えば、アルミナ、けいそう土、シリカなどが同様に 使用可能である。使用してもよい触媒のなかで好ましいものは貴金属である。よ り好ましいものは担持した貴金属触媒である。なお一層好ましい触媒はカーボン 上に担持した白金またはパラジウムである。 ペンタシアノアンミノ鉄酸塩錯体の循環使用可能性を本発明のいろいろな例に おいて示す。その循環使用工程は25℃より60℃までの、最も好ましくは45 ℃と55℃の間の温度で行うことができる。循環使用可能性は例えば、ペンタシ アノトリメチルアミノ鉄(11)酸塩またはペンタシアノイソプロピルアミノ鉄(II) 酸塩錯体のようなペンタシアノアミノ鉄(II)酸塩錯体において配位子がアンモニ ア以外の場合でも有用である。転化率および収率のデータを含む循環使用可能性 の実験詳細は、下記の例に示す。 劣化防止剤を製造するためのPPDAの還元的アルキル化は当業者に既知のい ろいろな方法のいずれか一つによって行うことができる。例えば、米国特許第3 ,336,386号明細書を参照されたい。この特許は本願明細書の記載の一部 とする。好ましくは、水素と担持されていてもよい硫化白金のような触媒の存在 下でPPDAと適当なケトンまたはアルデヒドを反応させる。好適なケトンとし てはメチルイソブチルケトン、アセトン、メチルイソアミルケトン、および2− オクタノンが挙げられる。 以下の例は本発明を例により説明することを意図するものであって、決して本 発明の範囲を限定することを意図しているものではない。 例 例 1 : PPDAの製造における酸化剤として過酸化水素を使用するアニリン の酸化(工程 a)、および還元剤としての水素(および5%のパラジウム/カー ボン)(工程 b) 工程 aの反応を機械的攪拌機および添加漏斗を備えた三口フラスコの中で3. 0gのアニリン、6.0gのペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム、300 mlの蒸留水および1.0gの5%チャーコール上担持パラジウム(Pd/C)( 湿分50%)を使用して行った。8mlの30%過酸化水素(酸化剤)を0.5時 間後に添加した。 不均一触媒を濾過により除き、その反応混合物を1lマグネドライブオートク レーブに移した。次いで1.0gの調製したてのPd/C触媒(水分50%)を 添加した。容器を密封し、初めに窒素で次に水素でパージし、水素により約10 00psig[69気圧または6.9x106Nm-2]まで加圧した。容器を室温で2. 0時間攪拌した。ガス抜きと窒素によるパージの後に反応混合物に酢酸イソプロ ピルを添加した。触媒を濾過により除き、有機溶液はDB−I毛細管カラムを装 備したVarian 3400装置を使用してガスクロマトグラフィーにより分析した 。生成物であるN−フェニル−p−フェニレンジアミン(PPDA)への転化率 は74.3%であり、アニリンは18.4%であった。アニリンの転化率を基準 にした収率は91%であった。例 2−6 :PPDA の製造における酸化剤として酸素を使用するアニリンの 酸化(工程 a)、および還元剤としての水素と数種の金属触媒(工程 b)例1に 記載した基本的手順を用いて、反応を数回、1lマグネドライブオートクレーブ 中で38.0gのペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム、18.6gのアニリン 、2.0gの金属触媒、50.0gのエチレングリコールおよび150gの蒸留 水を使用して行った。例2−6において使用された金属触媒はそれぞれ担持した パラジウム、ルテニウム、白金、ロジウムおよびニッケルである。例2−5にお いて、不均一触媒はカーボン上に5重量%で存在し、4.0g及び水分50%で 使用した。例6において、ニッケルを50%Ni/けいそう±2.0g乾燥とし て使用した。 容器を密封し、まず酸素でパージし、400psig[28気圧または2.8x1 05Nm-2]まで加圧した。容器を室温にて2.5時間攪拌した。この撹拌後、容器 を窒素でパージした後、100mlの酢酸ブチルをそのオートクレーブ中にポンプ で送り込んだ。容器を水素でパージし、その後水素により400psig[28気圧 または2.8x106Nm-2]まで加圧した。次に容器を室温にて1.0時間攪拌し た。そのエステル溶液をHPLCで単離、分析した。けいそう土上に担持したニ ッケル触媒(例6)は不活性であることが判った。 これらの例の結果を表1に示す。表1の註: (a) パーキンエルマー(Perkin-Elmer)シリーズ410LCポンプによる水−ア セトニトリル勾配を利用する逆相HPLC、3.3cu.pecosphereTM3C18 カラムを使用するLC235ダイオードアレイ(Diode Array)検出器によ るN−フェニル−p−フェニレンジアミンの分析。 (b) 転化されたアニリンを基準としたN−フェニル−p−フェニレンジアミン の収率。例 7 :PPDAの製造における酸素を使用するが金属触媒を使用しないアニリ ンの酸化(工程 a)、およびヒドラジンによる還元(工程 b) 前記の例と同様な方法で、工程(a)の反応を1lマグネドライブオートクレー ブ中で24gのペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム、12.8gのアニリ ン、100mlのエチレングリコールおよび300mlの蒸留水を使用して行った。 容器を密封し、窒素で、次に酸素でパージし、酸素で400psig[28気圧また は2.8x106Nm-2]まで加圧した。容器を15−20℃にて冷却してその温 度を制御しながら6時間攪拌した。 酸化に続いて、1mlの試料をオートクレーブから取り出した。次いで酢酸イソ プロピルをその試料に添加し、PPDAの合成を工程(b)であるヒドラジンによ る還元により続行した。オートクレーブ内に残っている混合物を窒素、次いで水 素でパージし、水素により400psig[28気圧または2.8x106Nm-2] まで加圧した。その反応物を15−20℃にて1時間攪拌した。反応物をガス抜 き し、窒素でパージしてから酢酸イソプロピルを添加した。 これに続いて、その有機層を分離した。分析はDB−Iメガボアーカラムを装 備したVarian 3400 G.C.を使用するガスクロマトグラフィーにより行った。水 素化によるN−フェニル−p−フェニレンジアミン(PPDA)への転化率は6 %であった。ヒドラジン還元による転化率は66%であった。 この例の結果、水素化分解には金属触媒が必要であるが、酸化は金属触媒がな くてもできるということが結論された。しかし、酸化の前に不均一触媒を添加す ると都合のよい場合もあるという点に留意すべきである。検出された少量のN− フェニル−p−フェニレンジアミンは酸化の間の電子伝達反応によるものかも知 れない。例 8−10 :一定範囲の圧力下におけるPPDAを得るための酸化(工程 a) 、および還元(工程 b)反応の成績 これらの例の反応は前記の例と同様の方法で行われた。それぞれ76.0gの 3種の異なるバッチのペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム、37.2gの アニリン、4.0gの5% Pd/C触媒、100gのエチレングリコールおよ び300gの蒸留水を使用して1lマグネドライブオートクレーブ中で混合した 。容器を密封し、まず酸素でパージし、次いで酸素で所望の圧力まで加圧した。 容器を室温にて2.5時間攪拌した。 この酸化につづいて、容器をまず窒素でパージした。酢酸ブチル(200ml) をポンプでそのオートクレーブの中に送り込み、それを次に水素でパージし、そ れから水素により所望の圧力まで加圧した。容器を室温で1.0時間攪拌した。 通常の方法で有機層を処理した後、HPLCで分析したところ、表2に示すとお りの転化率であった。 表2の註: 第2欄に示すのは酸素及び水素の双方についての圧力である。 (a)使用したアニリンを基準とした収率。例 11および12 : ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム錯体を循環使 用できることの証明 前記の例に従って、1lマグネドライブオートクレーブ中で76.0gのペン タシアノアンミノ鉄(II)酸ナトリウム、37.2gのアニリン、8.0gの5% Pd/C触媒、100gのエチレングリコールおよび300gの蒸留水を使用し て反応を行った。容器を密封し、まず酸素でパージし、酸素で400psig[28 気圧または2.8x106Nm-2]まで加圧した。容器はそれから室温で2.5時 間攪拌した。 この酸化につづいて、容器をまず窒素でパージし、次に200mlの酢酸ブチル をオートクレーブの中にポンプで送り込んで添加した。次にオートクレーブを水 素により400psig[28気圧または2.8x106Nm-2]まで加圧した。その オートクレーブを室温で1.0時間攪拌した。クレーブを開き、溶液を濾過して 金属触媒を除き、各層を分離した。 エステル層はガスクロマトグラフィーにより分析し、水層はオートクレーブへ 戻した。この時点で、37.2gのアニリン、および8.0gの5%Pd/C触 媒を添加した。次に容器を密封し、まず酸素でパージし、酸素で400psig[2 8気圧または2.8x106Nm-2]まで加圧した。その混合物を室温で2.5時 間攪拌し、窒素でパージした。これに続いて200mlの酢酸ブチルをオートクレ ーブの中にポンプで送り込んだ。容器を水素でパージし、水素により400psig [28気圧または2.8x106Nm-2]まで加圧した。その混合物を室温で1. 0時間攪拌した。 そのエステル溶液はガスクロマトグラフィーにより分析した。新規原料(例1 )および循環使用原料(例12)の両者についての分析結果を転化率と収率両者 について表3に示す。(a)1メートルのSP2100カラムを備えたパーキンエルマーモデル8310 ガスクロマトグラフを使用したGC分析 (b)転化したアニリンに基づく例 13−15 :ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体に対するアンモニア以外の配位子 の使用および循環使用 前記の例に従って、1lマグネドライブオートクレーブ中で42.8gのペン タシアノトリメチルアミノ鉄(II)酸ナトリウム、または同量のペンタシアノイソ プロピルアミノ鉄(II)酸ナトリウム、18.6gのアニリン、4.0gの5%P d/C触媒、および200.0gの蒸留水を使用して反応を行った。容器を密封 し、まず酸素でパージし、酸素で250psig[18気圧または1.8x106Nm- 2 ]まで加圧した。容器はそれから室温で0.5時間攪拌した。 この酸化につづいて、容器をまず窒素でバージし、次に200mlの酢酸ブチル をオートクレーブの中にポンプで送り込んで添加した。次にオートクレーブを水 素により400psig[28気圧または2.8x106Nm-2]まで加圧した。そのオ ートクレーブは室温で1.0時間攪拌した。 攪拌の後、オートクレーブを開いてその内容物を取り出した。次いでその混合 物を濾過し、水層と有機層を分離した。その有機層に含まれた、エステル溶液は 1メートルのSP2100カラムを備えたパーキンエルマーモデル8310ガス クロマトグラフを使用するガスクロマトグラフィーにより分析し、水層はオート クレーブへ戻された。 この時点で、18.6gのアニリン、および4.0gの5%Pd/C触媒を添 加した。次いで容器を密封し、まず酸素でパージし、酸素で250psig[18気 圧または1.8x106Nm-2]まで加圧した。その容器を室温で3.0時間攪拌 し、次いで100mlの酢酸ブチルをオートクレーブの中にポンプで送り込んだ。 容器をまず窒素で次に水素でバージしてから、水素により250psig[18気圧 または1.8x106Nm-2]まで加圧された。容器はそれから室温で0.5時間攪 拌し、その後オートクレーブを開き内容物を取り出した。 そのエステル溶液は、前記の例に記載したのと同じ装置を使用して、ガスクロ マトグラフィーにより分析した。分析の結果を表4に示す。 表4の註:a)使用されたアニリンに基づく収率例 16−17 :PPDA製造の還元(工程 b)における非貴金属触媒の使用 前記の例に従って、1lマグネドライブオートクレーブ中で52gのペンタシ アノトリメチルアミノ鉄(II)酸ナトリウム、27.9gのアニリン、および25 0mlの蒸留水を使用して反応を行った。容器を密封し、まず酸素でパージし、酸 素で250psig[18気圧または1.8x106Nm-2]まで加圧した。次いで その容器を室温で3時間攪拌した。 この酸化につづいて、容器をまず窒素でパージし、次に開いて触媒を添加した 。それから酢酸ブチル(200ml)を添加した。容器を密封し、それから水素に より所望の圧力である400psig[28気圧または2.8x106Nm-2]まで加 圧した。還元(工程 b)のために使用した触媒は表5に示されているとおりであ った。容器は室温で1.0時間攪拌した。 そのエステル溶液を、前記の例に記載したものと同じ装置を使用して、ガスク ロマトグラフィーにより分析した。分析の結果を表5に示す。 (a)使用されたアニリンのモル数に基づく収率 本発明の根拠をなす原則を離脱することなく多くの変更と修正がなされ得るこ とを考慮すると、本発明に与えられる保護の範囲を理解するために添付の請求の 範囲が参照されなければならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 マルズ,ラッセル,イー.,ジュニア. アメリカ合衆国06770 コネチカット州ノ ーガタック,ウェッジウッド ドライブ 261 (72)発明者 サイモン,マーク,ダブリュ. アメリカ合衆国06704 コネチカツト州ウ ォーターベリー,ディアウッド レーン 64―3

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (a) 式(II)の芳香族アミンの溶液を酸化剤及び金属ペンタシアノ鉄 (II)酸塩錯体(当該金属はカリウム及びナトリウムからなる群より選択される )の存在下に酸化し、アリーレンジアミノペンタシアノ鉄酸塩錯体を生成する工 程、及び (b) 不均一金属触媒を用いて該アリーレンジアミノペンタシアノ鉄酸塩錯体 を水素により接触還元し、対応する式(I)の置換芳香族アミンを生成する工程 、を含む、式(I)の置換芳香族アミン類の製造方法。 [式中、nは2から5に等しく、R1及びR2は以下に規定するとおりである、 R1及びR2は同一であっても異なってもよいが、上記アミノ基に対してオルト又 はメタにあらねばならず、水素、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロ ゲン、シアノ、カルボン酸塩及びカルボン酸のアミド又はそれらの混合物である ことができる] 2. 前記酸化剤が酸素又は過酸化水素である、請求項1の方法。 3. 前記酸化剤が酸素であり、当該酸化工程の間、不均一金属触媒が存在する 、請求項2の方法。 4. 前記酸素が約1から100気圧の圧力下に使用される、請求項2の方法。 5. 前記酸化工程における酸素及び前記還元工程における水素が約2から約7 5気圧の範囲にあり独立に選択される圧力下に使用される、請求項2の方法。 6. 前記金属ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体が、アンモニア、モノアルキルア ミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、N,N−ジメチルアミノエタノ ール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン及びピリジンからな る群より選択される水溶性配位子を含むペンタシアノ鉄(II)酸塩三ナトリウム 錯体である、請求項1の方法。 7. 前記ペンタシアノ鉄(II)酸塩三ナトリウム錯体が、 Na3[Fe(CN)5NH3・xH2O]の構造を有するか又はその二量体である 、請求項6の方法。 8. 前記不均一金属触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム又はニ ッケルからなる群より選択される、担持又は非担持触媒である、請求項1の方法 。 9. 前記触媒が白金又はパラジウムである、請求項8の方法。 10.a) アニリンを酸化剤及びペンタシアノ鉄(II)酸塩三ナトリウム錯 体の存在下に酸化して、N−フェニル−p−フェニレンジアミノペンタシアノ鉄 酸塩錯体を生成する工程、及び b) 不均一金属触媒を用いて上記N−フェニル−p−フェニレンジアミノペン タシアノ鉄酸塩錯体を水素により接触還元し、N−フェニル−p−フェニレンジ アミンを生成する工程、 を含む、N−フェニル−p−フェニレンジアミンの製造方法。 11.水混和性有機溶媒が前記アニリンを可溶化するために添加され、それが エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ レングリコール及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項10の方 法。 12.前記N−フェニル−p−フェニレンジアミノペンタシアノ鉄酸塩錯体を 不均一金属触媒の存在下、酢酸ブチル、ヘキサノール、2−エチル-1−ブタノ ール、酢酸ヘキシル、エチルブチルアセテート、酢酸アミル及び置換又は無置換 アニリンからなる群より選択される水不混和性溶媒の存在下で水素化に供する、 請求項10の方法。 13.(c)還元工程の間に再生した前記金属ペンタシアノ鉄(II)塩錯体を 回収する工程、及び(d)回収された金属ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体を用 いて前記酸化工程(a)を繰り返すことにより当該錯体を循環使用する工程、を さらに含む、請求項1の方法。 14.上記酸化工程が水性媒体中で実施される、請求項1の方法。 15.前記酸化工程(a)が約40℃から約60℃の温度範囲で行われ、前記還元 工程(b)が水素との反応について約5℃から約60℃の反応温度範囲を有する、 請求項1の方法。 16.(a)次亜リン酸によって安定化された塩化第一鉄4水化物の水溶液及 び青酸ナトリウムを1から5当量の比率で水酸化アンモニウムの水溶液に同時に 添加し、反応混合物を生成する工程、及び (b)ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸塩三ナトリウムを上記反応混合物から分 離する工程、 を含む、ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸塩三ナトリウムの製法。 17.前記水酸化アンモニウムの水溶液が、塩化第一鉄4水化物を基準にして 1から10当量の水酸化アンモニウムを含むことができる、請求項16の方法。 18.前記分離工程が、水混和性有機溶媒を前記反応混合物に添加することに より、上記反応混合物からの前記ペンタシアノアンミノ鉄(II)酸塩三ナトリウ ムの析出を開始する、請求項16の方法。 19.反応のpHが10から12の範囲である、請求項1の方法。 20.前記反応のpHが、金属ペンタシアノ鉄(II)酸塩錯体を水に溶解した 溶液に等しいpHに実質的に維持される、請求項1の方法。
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