JP2000512643A - 光学的に活性な1―フェニルエチルアミン類の製造方法 - Google Patents
光学的に活性な1―フェニルエチルアミン類の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、式(I*)
Description
【発明の詳細な説明】
光学的に活性な1−フェニルエチルアミン類の製造方法
本発明は、公知の、光学的に活性な1−フェニルエチルアミン類を製造するた
めの新規な方法に関する。該1−フェニルエチルアミン類は殺菌・殺カビ特性又
は薬理学的特性を有する活性成分の合成用中間体として用いることができる。
(R)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンは、ラセミ性1−(4
−クロロ−フェニル)−エチルアミンをエタノールの存在下で(S)−(−)−
N−フェニルカルバメート乳酸と反応させ、生じる結晶のスラッジを吸引を用い
て濾別し、このスラッジを塩化メチレンの存在下で水酸化ナトリウム水溶液で処
理して製造できることが既に知られている(EP−A0 341 475参照)
。この方法の不利な点は、結晶のスラッジを吸引を用いて濾別した後に生じる母
液中にかなりの量のS−(−)−フェニルカルバメート乳酸が存在しており、こ
のS−(−)−フェニルカルバメート乳酸は複雑な方法でのみ母液から単離でき
ることである。
さらに、(S)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンは、蒸留によ
ってエタノールを取り除いて、上述の工程中に形成された母液を濃縮し、残って
いる残留物をtert−ブチルメチルエーテル又はトルエンと共に撹拌し、遊離
する結晶性塩を分離し、母液を蒸留して得られることが既に知られている(DE
−A4 039 447参照)。しかし乍ら、この方法は、余りにも費用がかか
り工業規模で行うことができない。
今回、式
[式中、Xはハロゲン又はメチルであり、そしてnは0、1又は2である
。]
の光学的に活性な1−フェニル−エチル−アミン類は、
a)式 [式中、X及びnは、上で定義したと同じである。]
のラセミ性1−フェニル−エチルアミン類を、脂肪族又は芳香族の炭化水素の存
在下、並びに低級脂肪族アルコールの存在下で、式
の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸と反応させ[反応成分の量は
、式(I)のラセミ性1−フェニル−エチルーアミン1モル当り、式(II)の(
S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸0.25乃至0.5モルが存在す
るような量である]、
次に、低級脂肪族アルコール、及び、適切であれば脂肪族又は芳香族炭化水素の
一部分を40℃までの水溜温度(sump temperature)で、場合
により減圧下で留去し、
生じる、式
[式中、X及びnは上で定義したと同じである。]
の結晶性生成物を分離し、脂肪族又は芳香族炭化水素の存在下で、アルカリ性の
稀薄水溶液と共に撹拌し、有機相を分離し、水性相を脂肪族又は芳香族炭化水素
と共に再度撹拌し、有機相を再度分離し、併合した有機相を蒸留して、それぞれ
の場合に生成した、式 [式中、X及びnは、上で定義したと同じである。]
の(R)−1−フェニル−エチルアミンを単離し、
そして、場合により
b) 式(III−a)の塩を分離した後に残る母液を、低級脂肪族アルコールの
存在下で、式
の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸と反応させ[この場合、反応
成分の量は、式(II)の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸のモル
量が、母液中になおも存在する式(I−R)の(R)−1−フェニル−エチルア
ミン量の2倍であるような量である]、次に低級脂肪族アルコール、及び、適切
であれば脂肪
族又は芳香族炭化水素の一部分を40℃までの水溜温度で、場合により減圧下で
蒸留し、
生じる、式
[式中、X及びnは上で定義したと同じである。]
の結晶性生成物を分離し、残留する母液を蒸留して、それぞれの場合に生成した
、式 [式中、X及びnは上で定義したと同じである。]
の(S)−1−フェニル−エチルアミンを単離した場合に、(S)−(−)
−N−フェニルカルバメート乳酸を用いてラセミ性1−フェニル−エチル−アミ
ン類とは別の形態で得られ得ることが見出された。
光学的に活性な化合物を表すために、上記式中並びに後出の式中のキラル中心
を、それぞれの場合(*)で明示する。不斉に置換された炭素原子の配置は記号
(R)又は(S)で示される。
式(1−R)の(R)−1−フェニル−エチルアミン類は、本発明方法によっ
て極めて高い収率且つ優れた光学純度で製造できるということは特に驚くべきこ
とであるということを指摘しなければならない。公知の先行技術を基礎にすると
、(R)−1−フェニル−エチルアミン類と(S)−(−)−N−フェニルカル
バメート乳酸との塩類、並びに(S)
−1−フェニル−エチルアミン類と(S)−(−)−N−フェニルカルバメート
乳酸との塩類が炭化水素中に同程度にほんの少し溶解するので、(R)−1−フ
ェニル−エチルアミンと(S)−(−)−フェニルカルバメート乳酸との塩のそ
れぞれが、低級脂肪族アルコールの蒸留後に存在する炭化水素から選択的に形成
されるということは予想し得なかった。(S)−(−)−フェニルカルバメート
乳酸を更に加えて式(III−a)の塩を分離した後に得られる母液からラセミ性
1−フェニル−エチルアミンの対応する塩を実質的に計量し得る量で沈殿させる
ことが可能であり、且つ、対応する(S)−1−フェニルエチルアミンを濾液か
ら高い光学純度で単離することが可能であるとは予想し得なかった。最も驚くべ
きことは、本発明に従って工程を2段階で行う場合における異性体塩(isom
eric salt)の晶出挙動(crystallization beha
viour)は、類似の単一段階の反応の間に観察される晶出挙動とは全く異な
ることである。塩を分離した後すぐにラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−
エチルアミンを(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の所望量と反応
させた場合、母液中に存在する(S)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチル
アミンを高い光学純度で単離することは、決して可能ではなかった。その上、反
応成分を特定のモル量で用いる場合にだけ、本発明方法が望ましい様式で進行す
ることも予測し得なかった。
本発明方法は、いくつかの利点があることで特徴づけられる。本発明方法は、
既に言及したように、極めて高い収率並びに優れた純度で式(I−R)の(R)
−1−フェニル−エチルアミン類の製造を可能にする。使用した(S)−(−)
−N−フェニルカルバメート乳酸を簡単な
方法で実質的に計量し得る量で回収することができると共に再使用できることが
、特に有利である。その上、本発明によるラセミ化合物の分割は、以前から知ら
れている対応方法に比べて、かなり複雑ではなくなっている。第2の反応段階で
塩を分離した後に生じる母液は、各(S)−1−フェニル−エチルアミンの全て
を事実上含有しており、これらの物質を難なく単離できることも有利である。結
局、第2段階で分離した塩中に存在するラセミ性1−フェニル−エチルアミンの
大部分を、問題なしに回収することができる。
第1段階においてラセミ性1−(4−クロロフェニル)−エチルアミン1モル
を、トルエン及びメタノールの存在下で(S)−(−)−N−フェニルカルバメ
ート乳酸0.45モルと反応させた場合、(R)−1−(4−クロロフェニル)
−エチルアミンを遊離させるために、水酸化ナトリウム水溶液を用い、第2段階
ではトルエン及びメタノールの存在下で(S)−(−)−N−フェニルカルバメ
ート乳酸0.2モルを用いて反応を行う。そこで、本発明方法の経過は下記の方
程式に従って説明することができる: 本発明方法を実行するために出発物質として必要なラセミ性1−フェニル−エ
チルアミンは、式(I)で定義される。この式において、Xは、好ましくは弗素
、塩素、臭素又はメチルである。添え字nは0、1又は2である。
式(I)のラセミ性1−フェニル−エチルアミン類の例としては下記化合物を
挙げ得る: 式(I)のラセミ性1−フェニル−エチルアミン類は知られている(EP−A
0 341 475参照)。
本発明方法を実行するための反応成分として必要な式(II)の(S)−(−)
−N−フェニルカルバメート乳酸は同様に知られている(EP−A0 341
475参照)。
本発明方法の第1段階のみならず第2段階をも実行するのに適切な炭化水素は
、好ましくはトルエン又はメチルシクロヘキサンである。前記第1段階での反応
のみならず第2段階での反応にも適切な低級脂肪族アルコールは、好ましくはメ
タノールである。
第1段階で生成した塩類から(R)−1−フェニル−エチルアミン類
を遊離させるのに適切なアルカリ性溶液は、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液
又は水酸化カリウム水溶液である。
本発明方法を実行する際に、反応温度はある範囲内で変えることができる。通
常、第1及び第2段階のどちらも−20℃〜+40℃、好ましくは10℃〜40
℃の温度で行われる。低級脂肪族アルコールを除去している間は、通常、反応混
合物を40℃、好ましくは30℃まで加熱する。0℃〜50℃、好ましくは0℃
〜30℃の温度で、通常、対応する塩からそれぞれの(R)−1−フェニル−エ
チルアミンを遊離させる。
本発明方法の第1段階のみならず第2段階も通常大気圧下で行われる。しかし
乍ら、低級脂肪族アルコールは、好ましくは減圧下で除去される。
本発明方法を実行するとき、反応成分の割合は一定の範囲内で変えることがで
きる。第1段階は、通常式(I)のラセミ性1−フェニル−エチルアミン1モル
当り式(II)の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸0.25〜0.
50モル、好ましくは0.40〜0.475モルを用いて行う。本発明方法の第
1段階を行うとき、炭化水素の量は、同様に一定の範囲内で変えることができる
。式(I)のラセミ性1−フェニル−エチルアミン1モル当り炭化水素0.5〜
2kg、好ましくは0.75〜1.5kgが通常用いられる。
本発明方法を実行する際に、反応成分は、任意の順序で連続して加えることが
できる。式(II)の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸は、固体の
形態で、さもなければ、低級脂肪族アルコール中に溶解して、場合により脂肪族
又は芳香族炭化水素と混合して加えることができる。
完全を期すために、それぞれの(R)−1−フェニル−エチルアミン
を遊離させた後に母液中に存在する式(II)の(S)−(−)−N−フェニルカ
ルバメート乳酸は、例えば希硫酸又は希塩酸等の希鉱酸を加えて沈殿させること
ができ、また、濾過して乾燥させた後に再利用できることが指摘されねばならな
い。対応する方法として、第2段階において生成したラセミ性1−フェニル−エ
チルアミンの塩から(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸を単離させ
ることができる。
本発明方法で製造し得る式(I−R)の(R)−1−フェニル−エチルアミン
類は、殺菌・殺カビ特性を備える活性成分を合成するための有用な中間体である
(EP−A0 341 475参照)。例えば、式及び
のN−(R)−[1−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−(IR)−2,2
−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミド
及びN−(R)−[1−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−(1S)−2,
2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミ
ドから成るジアステレオマー混合物は、式
の(1R)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロ
パンカルボニルクロリド及び(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−
メチル−1r−シクロプロパンカルボニルクロリドの1:1混合物を、希釈剤、
例えば塩化メチレンの存在下、並びに酸結合剤、例えばトリエチルアミンの存在
下で、式の(R)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンと反応させて製造する
ことができる。
本発明方法によっても製造され得る式(I−S)の(S)−1−フェニル−エ
チルアミン類は、同様に有用な中間体である。それらは、殺菌・殺カビ特性又は
薬理学的特性を有する物質の合成に用いることができる(EP−A0 257
448及びEP−A0 300 313参照)。式(I−S)の(S)−1−フ
ェニル−エチルアミン類をラセミ化し、ラセミ化合物の分割にそれらを再利用す
ることもできる。
下記実施例に従って、本発明方法の実施を説明する。
製造実施例 実施例1 反応(a)
(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸18.8kg(90モル)を、
メタノール120kgとトルエン80kgとの混合物に室温で加える。この混合物を
撹拌しながら30℃まで加熱し、これにラセミ性1−(4−クロロフェニル)−
エチルアミン31.1kg(200モル)を加える。ガスクロマトグラフィーによ
る検査で缶出生成物にメタノールがなくなっていることが認められるまで、一定
の水溜温度(30℃)で90乃至100ミリバールまで徐々に圧力を減少させな
がらメタノールとトルエンの混合物を留去する。蒸留中に、形成される懸濁液を
今まで通りに撹拌し得ると共に反応混合物の容積を実質的に一定に保つために、
トルエン200kgを一度に加える。次に、反応混合物を0℃まで冷却し、吸引し
ながら濾過する。生じる固体をトルエン2×45kgで洗浄し、次に乾燥させる。
このようにして生成物32.8kgが得られ、その95%が(S)−(−)−N−
フェニルカルバメート乳酸を伴った(R)−1−(4−クロロ−フェニル)−エ
チルアミンの塩である。
(R)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンの遊離
上述の塩を、トルエンの存在下室温で4%濃度の水酸化ナトリウム水溶液95
kgと共に撹拌する。この塩を完全に溶解させた後に、有機相を分離する。トルエ
ンを用いて水性相を2度抽出する。併合した有機相を減圧下で蒸留する。このよ
うにして(R)−1−(4−クロロ−フェニ−ル)−エチルアミン13.7kg(
R:S比=96:4)が得られる。(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の回収
塩酸水(30%濃度)12kgを、(R)−1−(4−クロロフェニル)−エチ
ルアミンを遊離させた後に残留する水性相に、室温で加える。形成される固体生
成物を吸引濾過し、乾燥すると、(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳
酸18.2kgを生じる。
母液の後処理
反応(a)の間に形成される母液を、塩を洗浄するのに使用したトルエンと一
緒にする。減圧下でこの混合物からトルエンを留去する。
実施例2 ラセミ性1−フェニル−エチルアミン24.2g(0.2モル)と(S)−(
−)−N−フェニルカルバメート乳酸17.8g(0.085モル)とを、トル
エン230gとメタノール120gとの混合物に室温で撹拌しながら加える。生じ
る混合物を30℃で1時間撹拌する。次に、最高水留温度30℃で徐々に圧力を
減少させながら溶媒230gを留去する。次に、反応混合物を室温まで冷却し、
吸引濾過する。形成される固体を少量のトルエンで洗浄し、乾燥する。このよう
にすると生成物31kgを生じる。ガスクロマトグラフィー分析によれば、当該生
成物の81%は(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の(R)−1−
フェニル−エチルアミン塩であり、当該生成物の19%は(S)−(−)−N−
フェニルカルバメート乳酸の(S)−1−フェニル−エチルアミン塩である。
固体を除去した後に形成されるトルエン含有母液は(S)−(−)−N−フェ
ニルカルバメート乳酸を含んでおらず、77.5:22.5の(S:R)異性体
比を示す1−フェニルエチルアミンの残留画分(residual fract
ions)を含んでいる。
実施例3 (S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸17.8g(0.085モル
)とラセミ性1−(4−メチル−フェニル)−エチルアミン27.0g(0.2
モル)とを、トルエン230gとメタノール120gとの混合物に30℃で撹拌し
ながら加える。この混合物を30℃でさらに1時間撹拌した後に、最高水溜温度
30℃で徐々に圧力を減少させながら、溶媒229.7gを留去する。次に、反
応混合物を室温まで冷却し、吸引濾過する。生じる固体をトルエンで洗浄し、乾
燥させる。このようにして、使用した(S)−(−)−N−フェニルカルバメー
ト乳酸を基準にして定量的収率で(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳
酸の(R)−1−(4−メチル−フェニル)−エチルアミン塩が得られる。ガス
クロマトグラフィー分析によれば、この塩は100%の光学純度を有している。
固体を除去した後に生じた母液は、塩として沈殿しなかった(S)−1−(4
−メチル−フェニル)−エチルアミンを含有しており、このエチルアミンは90
.1:9.9の(S:R)異性体比を示す。
実施例4 (S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸18.8g(0.09モル)
を、室温で撹拌しながら、メタノール120gとトルエン80gの混合物に加える
。ラセミ性1−(4−メチル−フェニル)−エチルァミン24.2g(0.2モ
ル)を、生じた混合物に30℃で撹拌しながら加える。次に、缶出生成物にメタ
ノールがなくなるまで一定の水溜温度(30℃)で圧力を徐々に減少させながら
メタノールとトルエンの混合物を留去する。蒸留の間に、形成される懸濁液が今
まで通りに容易に撹拌され得るようにトルエン200gを一度に加える。次に、
反応混合物を10℃まで冷却し、吸引濾過する。生じる固体をトルエンで洗浄し
、乾燥させる。このようにして、使用した(S)−(−)−N−フェニルカルバ
メート乳酸を基準にして定量的収率で塩を生じさせる。この塩の97.2%は(
S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の(R)−1−(4−メチル−フ
ェニル)−エチルアミン塩であり、当該塩の2.8%が(S)−(−)−N−フ
ェニルカルバメート乳酸の(S)−1−(4−メチル−フェニル)−エチルアミ
ン塩である。
固体を除去した後に形成される母液は、塩として沈殿しなかった(S)−1−
(4−メチル−フェニル)エチルアミンを含有しており、このエチルアミンは8
9.1:10.9の(S:R)異性体比を示す。
実施例5 実施例4に示した方法に従って、(S)−(−)−N−フェニルカルバメート
乳酸19.9g(0.095モル)をラセミ性1−(4−メチル−フェニル)−
エチルアミン24.2g(0.2モル)と反応させる。これにより、使用した(
S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸を基準にして定量的収率で塩が得
られる。この塩の94.2%は(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸
の(R)−1−(4−メチル−フェニル)−エチルアミン塩であり、当該塩の5
.8%は(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の(S)−1−(4−
メチル−フェニル)−エチルアミン塩である。
固体を除去した後に形成される母液は、塩として沈殿しなかった(S)−1−
(4−メチル−フェニル)−エチルアミンを含んでおり、このエチルアミンは9
0.7:9.3の(S:R)異性体比を示す。
実施例6 実施例1に示した方法に従って、ラセミ化合物1−(4−クロロ−フェニル)
−エチルアミン0.2モルを(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の
−0.065モル、
−0.07モル、
−0.075モル、
−0.08モル、
−0.085モル及び
−0.09モル
とそれぞれ反応させる。後処理を行うと、使用した(S)−(−)−N−フェニ
ルカルバメート乳酸を基準にして定量的収率で、96〜97%の光学純度の(R
)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンがそれぞれ得られる。
固体を除去した後に生成される母液は、塩として沈殿しなかった(S)−1−
(4−クロロ−フェニル)−エチルアミン(81〜90%の光学純度)を含有す
る。
実施例7 ラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミン20.7g(0.13
3モル)と、(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の1−(4−クロ
ロ−フェニル)−エチルアミン塩24.3g(0.067モル)(この1−(4
−クロロ−フェニル)−エチルアミン塩は、このアミンの(R)異性体0.02
8モルと当該アミンの(S)異性体0.039モルとを含有する)とを、室温で
撹拌しながらメチルシクロヘキサン413.9gに加える。メタノール130gを
加え、40℃まで加熱すると、1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミン0
.2モル((R)異性体0.095モルと(S)異性体0.105モル)及び(
S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸0.067モルを含む透明な2相
溶液が形成される。次に、缶出生成物にメタノールが含まれなくなるまで、40
℃の水溜温度で圧力を徐々に減少させながら、メタ
ノールとメチルシクロヘキサンの混合物を留去する。次に、反応混合物を室温ま
で冷却し、吸引濾過する。生じる固体をトルエンで洗浄し、乾燥させる。このよ
うにして、使用した(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸を基準にし
て、定量的収率で、(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸の(R)−
1−(4−クロロフェニル)−エチルアミン塩(98.1%の光学純度)が得ら
れる。
実施例8 実施例1に示した方法に従って、ラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−エ
チルアミン31.1g(0.2モル)を、トルエン413.9gとメタノール1
17.5gの存在下で、(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸18.
8g(0.09モル)と反応させる。次に、缶出生成物にメタノールがなくなる
まで、30℃の最高水溜温度で、圧力を徐々に減少させながら、メタノールとト
ルエンの混合物を留去する。蒸留する間に、形成された懸濁液を今まで通りに容
易に撹拌できるように、十分なトルエンを一度に添加する。反応混合物を0℃ま
で冷却し、生成する固体を吸引によって濾別する。
(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸4.2g(0.02モル)と
メタノール19gを、40℃で撹拌しながら母液に加える。次に、缶出生成物に
メタノールがなくなるまで、40℃の最高水溜温度で圧力を徐々に減少させなが
らメタノールとトルエンの混合物を留去する。吸引を用いて、生じる懸濁液から
固体を濾別し、乾燥させる。このよう
にして、ラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンと(S)−(−
)−N−フェニルカルバメート乳酸の塩7.3gが得られる。母液に対して蒸留
による後処理を行うと、96.1%の光学純度の(S)−1−(4−クロロ−フ
ェニル)−エチルアミン15.5g(0.1モル)が得られる。
実施例9 実施例8に示した方法に従って、ラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−エ
チルアミン31.1g(0.2モル)を(S)−(−)−N−フェニルカルバメ
ート乳酸の
―0.065モル、
―0.07モル、
―0.075モル、
―0.08モル及び
―0.085モル
とそれぞれ反応させる。0.1モルと、(S)−(−)−N−フェニルカルバメ
ート乳酸の最初のモル装入量との差の2倍に相当する量の(S)−(−)−N−
フェニルカルバメート乳酸を、結晶を除去した後に残る母液にそれぞれ加える。
これに関連して、(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸は、添加に先
だってメタノール中にそれぞれ溶解される。(S)−(−)−N−フェニルカル
バメート乳酸2.0g(0.01モル)当たりメタノール10gがそれぞれ用いら
れる。
缶出生成物にメタノールがなくなるまで、40℃の最高水溜温度で圧力を徐々
に減少させながら、メタノールとトルエンの混合物を各反応混合物から留去する
。次に、生じる固体を吸引濾過し、乾燥する。母液について蒸留による後処理を
施すと、光学純度
―95.0%、
―96.0%、
―96.2%、
―97.9%及び
―96.4%
の(S)−1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンがそれぞれ生成する。
比較実施例A 実施例1に示した方法に従って、ラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−エ
チルアミン31.1g(0.2モル)を(S)−(−)−N−フェニルカルバメ
ート乳酸の
―0.095モル、
―0.1モル、
―0.105モル及び
―0.11モル
とそれぞれ反応させる。上述の方法での後処理により、(S)−(−)−N−フ
ェニルカルバメート乳酸の(R)−1−(4−クロロ−フェニ
ル)−エチルアミン塩が、使用した(S)−(−)−N−フェニルカルバメート
乳酸を基準にして定量的収率でそれぞれ得られる。それらから遊離した(R)−
1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミンの光学純度は70〜80%である
。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CN,CZ,HU,IL,JP,KR,KZ,L
K,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SK,TR
,UA,US
(72)発明者 クラーツ,ウド
ドイツ連邦共和国デー―51375レーフエル
クーゼン・アンドレアスシユトラーセ22ア
ー
(72)発明者 マンハイムス,クリストフ
ドイツ連邦共和国デー―51373レーフエル
クーゼン・カール―レーフエルクス―シユ
トラーセ34
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸を用いて、ラセミ性1− フェニル−エチル−アミン類から、式 [式中、Xは水素、ハロゲン又はメチルであり、そしてnは、0、1又は 2である。] の光学的に活性な1−フェニル−エチルアミン類を製造する方法において、 a)式 [式中、X及びnは上で定義した通りである。] のラセミ性1−フェニル−エチルアミン類を、脂肪族又は芳香族炭化水素の存在 下、並びに、低級脂肪族アルコール存在下で、式 の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸と反応させ[反応成分の量は 式(I)のラセミ性1−フェニル−エチル−アミン1モル当り、式(II)の(S )−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸0.25〜0.5モルが存在するよ うな量である]、 次に、40℃までの水溜温度で、場合により減圧下で低級脂肪族アルコール、及 び、適当であれば脂肪族又は芳香族炭化水素を留去し、 式 [式中、X及びnは上で定義した通りである。] の生じる結晶性生成物を分離し、脂肪族又は芳香族炭化水素の存在下で稀薄アル カリ性水溶液と共に撹拌し、有機相を分離し、水性相を脂肪族又は芳香族炭化水 素と共に再度撹拌し、有機相を再度分離し、併合した有機相を蒸留して、それぞ れの場合に生成する式 [式中、X及びnは上で定義した通りである。] の(R)−1−フェニル−エチルアミンを単離し、 そして、場合により b)式(III−a)の塩を分離した後に残る母液を、低級脂肪族アルコールの存 在下で式 の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸と反応させ[その場合、反応 成分の量は、式(II)の(S)−(−)−N−フェニルカ ルバメート乳酸のモル量が母液中になお存在する式(I−R)の(R)−1−フ ェニル−エチルアミン量の2倍になるような量である]、次に、低級脂肪族アル コール、及び、適当であれば脂肪族又は芳香族炭化水素の一部分を、40℃まで の水溜温度で、場合により減圧下で蒸留し、 式 [式中、X及びnは上で定義したと同じである。] の生じる結晶性生成物を分離し、残留する母液を蒸留して、それぞれの場合に生 成する式 [式中、X及びnは上で定義したと同じである。] の(S)−1−フェニル−エチルアミンを単離することを特徴とする、前記光 学的に活性な1−フェニル−エチルアミン類を製造する方法。 2.用いる出発物質が式(I) [式中、Xは弗素、塩素、臭素又はメチルであり、そしてnはO)1又は 2である。] のラセミ性1−フェニル−エチルアミン類であることを特徴とする、請求の範囲 1に記載の方法。 3.用いる出発物質が、ラセミ性1−(4−クロロ−フェニル)−エ チルアミンであることを特徴とする、請求の範囲1に記載の方法。 4.用いる出発物質が、ラセミ性1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−エチ ルアミンであることを特徴とする、請求の範囲1に記載の方法。 5.用いる炭化水素がトルエン又はメチルシクロヘキサンであることを特徴と する、請求の範囲1に記載の方法。 6.用いる低級脂肪族アルコールがメタノールであることを特徴とする、請求 の範囲1に記載の方法。 7.用いるアルカリ性溶液が、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水 溶液であることを特徴とする、請求の範囲1に記載の方法。 8.第1段階のみならず第2段階も−20℃と+40℃との間の温度で行われ ることを特徴とする、請求の範囲1に記載の方法。 9.反応混合物を減圧下並びに最高30℃の蒸留器温度で蒸発させることを特 徴とする、請求の範囲1に記載の方法。 10.第1段階は、式(I)のラセミ性1−フェニル−エチルアミン1モル当 り、式(II)の(S)−(−)−N−フェニルカルバメート乳酸0.40〜0. 475モルが用いられるように、反応成分の量を用いて行われることを特徴とす る、請求の範囲1に記載の方法。
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