JP2852023B2 - 2−フルオロシクロプロピルアミンスルホン酸塩及びその化学的化合物2−フルオロシクロプロピルイソシアネートの製造法 - Google Patents

2−フルオロシクロプロピルアミンスルホン酸塩及びその化学的化合物2−フルオロシクロプロピルイソシアネートの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、2−フルオロシクロプロピルカ
ルボン酸及び本方法の中間体として生ずる2−フルオロ
シクロプロピルイソシアネートを出発物質とする2−フ
ルオロシクロプロピルアミンスルホン酸塩の有利な製造
法に関する。
【0002】特公平3−291285A2号は、シス−
1−(tert−ブトキシカルボニルアミン)−2−フ
ルオロシクロプロパンが塩酸、硫酸又はトリフルオロ酢
酸で開裂でき、斯くして対応する対掌体的に純粋な2−
フルオロシクロプロピルアミン塩が得られることを開示
している。この収率は理論量の51〜57%である。必
要とされるシス−1−(tert−ブトキシカルボニル
アミン)−2−フルオロシクロプロパンはヨーロッパ特
許第341433A2号に従い、対応するカルボン酸か
ら製造できる。これに対する収率の詳細は不明である。
しかしながら、複雑なクロマトグラフでの分離を行わな
ければならない。
【0003】今回、最初に2−フルオロシクロプロピル
カルボン酸を対応する酸クロリド又はブロミドへ転化
し、これを溶媒の存在下にアジドと反応させて2−フル
オロシクロプロピルイソシアネートを製造し、最後に2
−フルオロシクロプロピルイソシアネートをスルホン酸
の存在下に水でけん化する、2−フルオロシクロプロピ
ルカルボン酸を出発物質とする2−フルオロシクロプロ
ピルアミンスルホン酸塩の製造法が発見された。
【0004】以下2−フルオロシクロプロピル残基を簡
略化のためにFCPとも記述する。本発明の方法におい
ては、対掌体的に純粋なFCP−カルボン酸、例えば
(1S,2S)−、(1R,2R)−、(1R,2S)−
又は(1S,2R)−FCPカルボン酸又はこれらの混
合物が使用できる。本発明の方法は顕著なラセミ化を起
こさせない。用いたFCP−カルボン酸と実質的に同一
の不斉のFCPスルホン酸塩が得られる。
【0005】FCP−カルボン酸は、公知の方法で、例
えばオキザリルクロリド、塩化チオニル又はホスゲンを
用いて対応する酸クロリド又は酸ブロミドに転化するこ
とができる[参照、例えばフーベン(Houben)−ワイル
(Weyl)、第E5巻、593〜615頁(198
5)]。
【0006】FCP−カルボニルクロリド又はカルボニ
ルブロミドのアジドとの反応は、例えばアルカリ金属ア
ジド又はトリアルキルシリルアジドを用いて行うことが
できる。FCP−カルボニルハライド1モル当り、例え
ば0.9〜5モルのアジドが使用できる。好ましくはこ
の量は0.95〜3モルである。この反応は不活性な溶
媒の存在下に行われる。適当な溶媒は、例えば随時ハロ
ゲン化された芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ク
ロロトルエン及びジクロロトルエン、並びに高沸点エー
テル例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキ
シエタン、グライム及びジグライムである。適当な反応
温度は例えば10〜130℃の範囲の温度である。好ま
しくは本方法は50〜100℃で行われる。一般にFC
P−カルボニルハライド及び溶媒を添加し、アジドを少
量ずつ加えることは有利である。反応はガスの発生が終
った時に完結する。
【0007】得られるFCP−イソシアネートを反応混
合物から単離することは必ずしも必要ではない。スルホ
ン酸の存在下に水でけん化するために、アジドとの反応
後に存在する反応混合物を直接使用することができ、或
いは例えばアジドの又は反応混合物の揮発性部分の蒸留
による過剰のアジドを除去した後の反応混合物を使用す
ることができる。
【0008】使用しうるスルホン酸は、例えば式(I) R−SO3H (I) [式中、Rは未置換又は置換のC1〜C12アルキル、未
置換又は置換のC2〜C12アルケニル、未置換又は置換
のC6〜C14アリール、未置換又は置換のC7〜C18アラ
ルキル、或いは未置換又は置換のC7〜C18アルカリー
ルを表わす]ものである。
【0009】使用しうる置換基は、例えばハロゲン、ニ
トロ、シアノ、SO3H及びCOOR1(但し、R1=C1
〜C12アルキル又はC6〜C10アリール)からなる群か
ら選択される1〜5つの同一の又は異なる置換基であ
る。
【0010】好ましくは式(I)において、RはC1〜C
6アルキル、C6〜C10アリール、C7〜C12アラルキル
又はC7〜C12アルカリールを表わし、その各々は塩
素、ニトロ又はSO3Hからなる群からの同一の又は異
なる置換基2つまでで随時置換されていてもよい。特に
好ましくはRはp−トリルである。
【0011】スルホン酸も不斉であってよい。その例は
(1R)−(−)−カンファ−10−スルホン酸及び
(1S)−(+)−カンファ−10−スルホン酸であ
る。次いで所望により、シクロプロピルアミン段階で対
掌体の分離を行う。
【0012】FCPイソシアネート1モルに基づいて、
例えば少くとも1モルの水及び少くとも0.8当量のス
ルホン酸が使用できる。好ましくはこれらの量は1〜5
0モルの水及び0.9〜3当量のスルホン酸である。そ
れより大過剰の水及び/又はスルホン酸は、一般に邪魔
にならないが、経済的でない。
【0013】けん化反応は、例えば0〜120℃、好ま
しくは30〜70℃の範囲の温度で行うことができる。
【0014】けん化に使用しうる溶媒は、アジドとの反
応で上述したものと同一である。
【0015】例えば、本方法は、スルホン酸及び水を導
入し、そしてFCPイソシアネート及び溶媒、好ましく
はアジドとの反応からの反応混合物をゆっくり添加する
というような方法で行うことができる。
【0016】けん化後に存在する混合物は、先ず有機相
を分離し、再使用のために溶媒を回収するというような
方法で処理できる。次いで例えば適当ならば減圧下に共
沸蒸留又は蒸発させることによって水性相から水を除去
することができる。反応混合物中に過剰のスルホン酸が
存在しないならば、製造されるFCPスルホン酸塩は、
しばしばすでに十分な純度で残留する。更なる精製は例
えば再結晶によって行いうる。そのような再結晶に対し
ては、例えば1つ又はそれ以上の芳香族炭化水素及び1
つ又はそれ以上の脂肪族アルコールの混合物が適当であ
る。
【0017】本発明の方法は多くの利点を有する。それ
はFCPスルホン酸塩を、高収率で、少量の副生物の生
成しかなく、例えばクロマトグラフィーによる如き困難
な分離法を必要としないで製造することを可能にする。
【0018】例えば塩基を用いる遊離によりFCPスル
ホン酸塩から得ることのできる2−フルオロシクロプロ
ピルアミンは、キノロン型の抗バクテリヤ活性化合物の
製造中間体である。FCPスルホン酸塩は、2−フルオ
ロシクロプロピルアミンの特に安定な、問題のない、貯
蔵可能で輸送しうる形態である。
【0019】FCPスルホン酸塩は、対応する塩酸塩よ
りも吸湿性が低い。その製造においては、スルホン酸が
塩の生成に対して従来使用されていた酸、例えば塩酸又
はトリフルオロ酢酸ほど腐食性がないから、生成物や排
水への重金属汚染が起こらない。
【0020】本発明の方法で中間体として生成する化学
化合物の2−フルオロシクロプロピルイソシアネート
は、新規であり、同様に本発明の一部をなす。それは2
−フルオロシクロプロピルカルボニルクロリド又は2−
フルオロシクロプロピルカルボニルプロミドのアジドと
の上述した反応後、例えば蒸留によって反応混合物から
単離することができる。元々用いる2−フルオロシクロ
プロピルカルボン酸に依存して、例えば(1R,2S)
−又は(1S,2R)−2−フルオロシクロプロピルイ
ソシアネート又はこれらの混合物を得ることができる。
【0021】
【実施例】実施例1 塩化メチレン300ml中(1S,2S)−2−フルオ
ロシクロプロパンカルボン酸165gを、室温で導入し
た。次いでオキザリルクロリド220gをゆっくりと滴
下した。気体の発生が終った後、塩化メチレンを大気圧
下に蒸留し、そして残渣を真空下に留出させた。この結
果、沸点38℃/13ミリバールの2−フルオロシクロ
プロパンカルボニルクロリド183.7g(理論量の9
6%)を得た。
【0022】2−フルオロシクロプロパンカルボニルク
ロリド183gをトルエン600mlと一緒に72℃で
導入し、次いでトリメチルシリルアジド205gを滴下
した。この添加中、混合物の温度を70〜75℃に保
ち、次いで気体の発生が終るまで混合物を80℃までで
更に撹拌した。次いで混合物を室温まで冷却した。
【0023】p−トルエンスルホン酸モノハイドレート
305g及び水500mlを50℃で導入し、アジドと
の反応からの(本質的に2−フルオロシクロプロパンイ
ソシアネート及びトルエンを含有する)反応混合物を撹
拌しながら滴下した。次いでトルエン相を分離し、水性
相を真空下に乾固するまで濃縮した。固体残渣をトルエ
ン/エタノール(2:1)から再結晶した。融点168
〜170℃(文献に相当)の(1R,2S)−2−フル
オロシクロプロパンアミントシレートを理論量の92%
の収量で得た。
【0024】実施例2 (1R,2R)−2−フルオロシクロプロパンカルボニ
ルクロリド118gをトルエン350mlと一緒に72
℃で導入した。次いでトリメチルシリルアジド137g
を70〜75℃で滴下し、混合物を、気体の発生が終る
まで80℃で撹拌した。次いで混合物を室温まで冷却し
た。
【0025】p−トルエンスルホン酸モノハイドレート
196g及び水350mlを50℃で導入し、アジドと
の反応からの(本質的に2−フルオロシクロプロパンイ
ソシアネート及びトルエンを含有する)反応混合物を撹
拌しながら滴下した。次いでトルエン相を分離し、水性
相を真空下に乾固するまで濃縮した。固体残渣をトルエ
ン/エタノール(2:1)から再結晶した。(1S,2
R)−2−フルオロシクロプロパンアミントシレートの
収率は理論量の88%であった。融点は実施例1に示し
た通りであった。
【0026】実施例3 実施例1及び2に記述した方法に従ったが、それぞれの
場合、反応混合物に含有される2−フルオロシクロプロ
ピルイソシアネートを、アジドとの反応において気体の
発生が終った後に蒸留によって単離した。(1R,2
S)−及び(1S,2R)−2−フルオロシクロプロピ
ルイソシタネートを得た。
【0027】実施例4 トルエン80ml中(1S,2R)−2−フルオロシク
ロプロパンカルボニルクロリド30gの溶液を、トルエ
ン250ml中ナトリウムアジド25gに90℃で滴下
した。気体の発生が終るまで反応混合物を85〜90℃
で撹拌し、次いで濾別し、水100ml中p−トルエン
スルホン酸モノハイドレート47gの溶液に50℃で滴
下した。これを、この温度で気体の発生が終るまで撹拌
した。次いでトルエン相を分離し、水性相を真空下に乾
固するまで濃縮した。残存固体をトルエン/エタノール
(1:2)から再結晶した。(1R,2S)−2−フル
オロシクロプロパンアミントシレートの収率は85%で
あった。
【0028】実施例5 トリメチルシリルアジド11gを、トルエン50ml中
2−フルオロシクロプロパンカルボニルクロライド10
gに80℃で滴下した。気体の発生が終るまで反応混合
物を85〜90℃で撹拌し、次いで濾別し、水80ml
中(1R)−(−)−カンファ−10−スルホン酸2
0.8gの溶液に50℃で滴下した。これを、この温度
で気体の発生が終るまで撹拌した。次いでトルエン相を
分離し、水性相を真空下に乾固するまで濃縮した。残存
固体をトルエンから再結晶した。2−フルオロシクロプ
ロパンアミントシレートの収率は88%であった。
【0029】1H−NMR(DMSO):δ0.8(s,
3H);1.08(s,3H);1.1−1.5(m,4
H);1.8−2.1(m,3H);2.3(m,1
H);(m,3H);3.1(d,1H);4.9(m,
1H、JHF=64Hz);8.6(s,3H)。
【0030】本発明の特徴と態様は以下の通りである。
【0031】1.最初に2−フルオロシクロプロピルカ
ルボン酸を対応する酸クロリド又はブロミドへ転化し、
これを溶媒の存在下にアジドと反応させて2−フルオロ
シクロプロピルイソシアネートを製造し、最後に2−フ
ルオロシクロプロピルイソシアネートをスルホン酸の存
在下に水でけん化する、2−フルオロシクロプロピルカ
ルボン酸を出発物質とする2−フルオロシクロプロピル
アミンスルホン酸塩の製造法。
【0032】2.(1S,2S)−、(1R,2R)−、
(1R,2S)−又は(1S,2R)−2−フルオロシク
ロプロパンカルボン酸又はそのいずれかの混合物を用い
る上記1の方法。
【0033】3.アルカリ金属アジド又はトリアルキル
シリルアジドを、2−フルオロシクロプロピルカルボニ
ルハライド1モル当り0.9〜5モルの量で用いる上記
1〜2の方法。
【0034】4.2−フルオロシクロプロピルイソシア
ネートを、アジドとの反応の反応混合物から単離しない
上記1〜3の方法。
【0035】5.式(I) R−SO3H (I) [式中、Rは未置換又は置換のC1〜C12アルキル、未
置換又は置換のC2〜C12アルケニル、未置換又は置換
のC6〜C14アリール、未置換又は置換のC7〜C18アラ
ルキル、或いは未置換又は置換のC7〜C18アルカリー
ルを表わす]のスルホン酸を用いる上記1〜4の方法。
【0036】6.スルホン酸がハロゲン、ニトロ、シア
ノ、SO3H及びCOOR1(但しR1=C1〜C12アルキ
ル又はC6〜C10アリール)からなる群からの同一の又
は異なる置換基を1〜5つ含有する上記1〜5の方法。
【0037】7.2−フルオロシクロプロピルイソシア
ネート1モル当り少くとも1モルの水及び少くとも0.
8当量のスルホン酸を使用し、そして工程を0〜120
℃で行う上記1〜6の方法。
【0038】8.けん化後に存在する反応混合物から最
初に有機相を分離し、次いで水性相から水を除去する上
記1〜7の方法。
【0039】9.不斉のスルホン酸を用いる上記1〜8
の方法。
【0040】10.2−フルオロシクロプロピルイソシ
アネート、(1S,2R)−2−フルオロプロピルイソ
シアネート、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロ
ピルイソシアネート並びに(1S,2R)及び(1R,2
S)−2−フルオロシクロプロピルイソシアネートの混
合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 309/30 C07C 265/08 C07C 303/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最初に2−フルオロシクロプロピルカル
    ボン酸を対応する酸クロリド又はブロミドへ転化し、こ
    れを溶媒の存在下にアジドと反応させて2−フルオロシ
    クロプロピルイソシアネートを製造し、最後に2−フル
    オロシクロプロピルイソシアネートをスルホン酸の存在
    下に水でけん化する、2−フルオロシクロプロピルカル
    ボン酸を出発物質とする2−フルオロシクロプロピルア
    ミンスルホン酸塩の製造法。
  2. 【請求項2】 2−フルオロシクロプロピルイソシアネ
    ート、(1S,2R)−2−フルオロプロピルイソシア
    ネート、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル
    イソシアネート並びに(1S,2R)及び(1R,2S)
    −2−フルオロシクロプロピルイソシアネートの混合
    物。
JP8139740A 1995-05-15 1996-05-10 2−フルオロシクロプロピルアミンスルホン酸塩及びその化学的化合物2−フルオロシクロプロピルイソシアネートの製造法 Expired - Lifetime JP2852023B2 (ja)

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CN (1) CN1147504A (ja)
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