【発明の詳細な説明】
器官保護活性を有する新規のBPCペプチド塩、その製造プロセス、
および治療におけるその使用説明
本発明は、900〜1,600ダルトンの分子量を有する8〜15個のアミノ酸残基を含
んでなる、器官保護活性を有する新しい適用形態の合成BPC(Body Protection Co
mpound)ペプチド、その製造プロセス、ならびに診断および治療におけるその使
用に関する。
ヒトおよび動物における種々の疾患の治療に有用なタンパク質およびペプチド
は周知である。これらの薬剤の多くはin vivoで産生されるため、動物またはヒ
トから薬剤を抽出することにより医薬組成物を製造することが可能である。製薬
上有用なタンパク質またはペプチドとしては、例えば、インスリン、エリスロポ
エチン、BMP、インターフェロンなどが挙げられる。もう1つの例としては、粘膜
保護活性を有する胃液タンパク質が挙げられる。このタンパク質は、最近、単離
されたものであり、BPCと命名された。
WO 92/04368は、生体保護活性を呈する分子量約40,000ダルトンのBPC、その製
造、およびその使用に関するものである。WO 93/24521およびWO 94/11394には、
親タンパク質BPCで周知のものと同じタイプの器官保護活性を有するBPCペプチド
が開示されている。Sikiric et al.,Digestive Diseases and Sciences,41(19
96)7,1518-1526には、水および生理食塩水に溶解した場合にラットの急性膵炎
および随伴性胃十二指腸炎に対して保全的および予防的作用を呈するペンタデカ
ペプチドBPCが記載されている。
従って、BPCペプチドは、多種多様な製薬用途で周知となっている。しかしな
がら、これらのペプチドの物理化学的安定性は、例えば、標準生理食塩水中にお
いて、満足すべきものではない。更に、BPCペプチドを適用すると、特に、水溶
液または標準生理食塩水として注射した場合、疼痛および/または壊死を引き起
こす。
タンパク質およびペプチドの塩は、当技術分野で周知である。例えば、Bertra
nd,M.et al.,Journal of Peptide Research,49(1997)3,269-272から、特定
の塩の作用が、ペプチドの安定性および構造に対して非常に選択的であることが
分かる。例えば、NH4 +のような一価カチオンを最終濃度0.1Mのペプチド(ポリ(Gl
u-Leu))溶液に添加すると、水溶性のβ構造への転移が起こる。これとは対照的
に、Li+、Na+、またはCs+イオンを使用した場合には、転移は観測されなかった
。
タンパク質の安定性に対する、表面に接近可能なイオン対の役割について、de
novoデザインされた2本鎖α螺旋コイルドコイルの安定性に及ぼす中性および酸
性pHにおける添加塩(KCl、MgCl2、およびLaCl3)の影響を測定することによっ
て調べられた。その結果から、添加塩は、タンパク質の安定性に対して、安定化
および不安定化の寄与を含む複雑な作用を呈する可能性があるため、正味の作用
は、タンパク質中に存在する荷電残基やイオン相互作用の性質に依存することが
分かる(Kohn et al.,Journal of Molecular Biology,267(1997)4,1039-1052
)。
また、モデルペプチドの以前の研究から、ペプチド鎖に沿ってiとi+4との間の
塩架橋は、iとi+3との間の塩架橋よりも安定性が高く、更に、N末端からC末端の
方向に酸-塩基の順序で存在する方が塩基-酸の順序で存在するよりも安定である
ことが実証された。しかしながら、現在のところ、表面塩架橋がタンパク質の天
然の構造に対して強力な安定化作用を有するか否かは分かっていない(Berger e
t al.in:Journal of Biomolecular Structure and Dynamics,14(1996)3,285
-291)。
従って、安定性、構造、および機能に関するペプチド塩の性質は、特定の塩の
形成に関与する特定のイオンおよび他の内因性または外因性因子にかなり大きく
依存する。現在のところ、特定のペプチドの特定の塩がどのような特有の性質を
有するかを予測することはできない。
本発明の対象とする技術的課題は、より安定な形態でBPCペプチドを提供する
こと、ならびに改良された安定性および少なくともBPCペプチドそのものと同じ
医薬活性を呈する、BPCペプチドを含んでなる診断用および/または医薬用組成
物を提供することである。本発明の対象とするこのほかの技術的課題は、上述の
欠点を克服し、特に、BPCペプチドの無痛注射を可能にする医薬組成物を提供す
ることである。
本発明は、BPCペプチド塩と、医薬上または診断上有効な量のBPCペプチド塩を
含んでなる医薬用または診断用組成物とを提供することによって、これらの問題
を解決する。この場合の塩のアニオンは、8〜15個のアミノ酸を含有する負に帯
電したペプチドであり、分子量900〜1,600ダルトンを有し、一般式(I)
[Zaa Pro Pro Pro Xaa Yaa Pro Ala](-) または(2-)(I)
〔式中、
Xaaは、中性脂肪族アミノ酸残基、特に、Ala、bAla、Leu、Ile、Gly、Val、Nl
e、またはNvaであり、
Yaaは、塩基性アミノ酸残基、特に、Lys、Arg、Orn、またはHisであり、
Zaaは、酸性アミノ酸残基、特に、Glu、Asp、Aad、またはApmである〕
で表され、また、塩のカチオンは、無機または有機の無毒で製薬上許容される塩
基のカチオンである。特に、塩のカチオンは、Na+、K+、Li+、Cs+、Ca2+などの
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、またはZn2+のような他の金属、あるい
はNH4 +、トリエタノールアミン+、シクロヘキシルアミン+、2-AMP+(2-アミノ-1
-プロパノール)、もしくはTRIS+(トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン)
のような第1級、第2級、もしくは第3級アミンまたは有機化合物である。ただし
、これらのカチオンは生理学的に許容されるものでなければならない。
驚くべきことに、本発明のBPCペプチド塩は、少なくともBPCペプチドと同じ医
薬活性を呈するとともに、更に、遊離のBPCペプチドまたはBPCペプチドの酢酸塩
と比較して著しく向上した物理化学的安定性を呈する。本発明で使用されるカチ
オンは、BPCペプチドの活性に影響を及ぼすことなく、その安定性を増大させる
。本発明のBPCペプチド塩は、例えば、標準生理食塩水中または水中において、B
PCペプチドまたはBPCペプチド酢酸塩よりも安定である。更に、本発明の塩は、
経口投与に好適であり、特に、注射による適用中または適用後において疼痛また
は壊死のような望ましからぬ副作用はまったく起こさない。従って、本発明のBP
Cペプチド塩を用いることにより、腸管内および腸管外適用の改良が可能となる
。更に、本発明の塩は、50mg/kg b.w.(body weight)の用量まで毒性がまった
く
現れないため、非常に好ましい。
本発明の塩は、次のようにして得ることができる。すなわち、遊離のBPCペプ
チドを適切な塩基と共に水性もしくは水性/アルコール性溶媒中または他の好適
な溶媒中に溶解し、次に、溶媒をエバポレートするか、フリージングもしくは凍
結乾燥するか、またはBPCペプチド塩の水性および/またはアルコール性溶液に
ジエチルエーテルなどの他の溶媒を添加して不溶性の粗製塩を分離させることに
より、得られた本発明の塩を単離する。塩生成のために、通常、1モルまたは最
大2モルの塩基すなわちカチオンと、1モルの遊離BPCペプチドとを使用する。ア
ルカリBPCペプチド塩を形成するために、好ましくはアルカリ金属の炭酸塩また
は炭酸水素塩を使用する。製造されたペプチド塩は、水に自由に溶解する。従っ
て、本発明はまた、BPCペプチド塩を製造するためのプロセスに関する。
本発明に関しては、溶液中、特に、水性および水性/アルコール性の溶液中に
おいてカチオンを生成することのできる物質を塩基とみなす。
本発明に関しては、予防および治療活性が医薬活性に含まれる。従って、医薬
組成物とは、予防および/または治療活性を呈する組成物を意味する。
このほか、本発明は、本発明のBPCペプチド塩を含有し、場合により1種以上の
製薬上許容される担体が併用された医薬用または診断用組成物、並びにこうした
組成物を製造するためのプロセスに関する。これらの組成物は、例えば、注射可
能な液剤、錠剤、クリーム剤、カプセル剤、軟膏剤、ローション剤、舌下錠など
の形態で、局所および全身適用するのに好適である。用量は、10-5〜10-2mg/kg
体重の範囲であり、0.1%〜0.5%の間のより高い濃度で全身的または局所的に適用
することが好ましい。特定の治療のための最適用量は、当業者により決定可能で
ある。
本発明はまた、1種以上の本発明のBPCペプチド塩のほかに、特に経口投与のた
めのトレハロース、ならびに/あるいは製薬上もしくは診断上許容される担体、
希釈剤、および/または添加剤を含有する、上述した医薬用もしくは診断用組成
物に関する。
本発明の組成物、好ましくは水溶性組成物には、BPCペプチド塩のほかに、本
発明の1回分の投薬剤中で使用される濃度において実質的な薬理活性をまったく
示すことなく体液中に注射可能な水溶性タンパク質(これ以降では「水溶性タン
パク質」と記す)が更に含まれていてもよい。このような水溶性タンパク質とし
ては、血清アルブミン、グロブリン、コラーゲン、および/またはゼラチンが好
ましい。このタンパク質は、注射可能な医薬組成物中で一般に使用される量で添
加することができる。従って、例えば、水溶性タンパク質とBPCペプチド塩との
重量比は、約0.0001:1〜100:1、好ましくは約0.001:1〜約10:1、より好ましくは
約0.01:1〜約1:1である。
更に、本発明はまた、特に、乾燥したおよび/または純粋な形態あるいは水溶
性または水溶性/アルコール性溶液の形態の、上記のBPCペプチド塩そのものお
よびそれを含有する組成物に関する。本発明の水溶性組成物またはペプチド塩か
ら製造される溶液のpHは、薬理学的に活性なペプチドの活性になんら悪影響を及
ぼさず、しかも通常の注射剤として許容される範囲内にあるpHでなければならな
い。更に、溶液の粘度の大きな変化、沈殿の生成などを引き起こさないpHでなけ
ればならない。従って、好ましくは、溶液のpHは、約6〜9、好ましくは6.5〜7.5
でなければならない。
本発明の水溶性組成物を水溶液にして投与する場合、該溶液中の薬理活性ペプ
チド塩の濃度は、好ましくは約0.0000001〜10%(w/v)、より好ましくは約0.00000
1〜5%(w/v)、最も好ましくは約0.00001〜1%(w/v)でなければならない。
本発明の組成物は、好ましくは、本発明の薬理活性BPCペプチド塩と、必要な
場合には、上記の水溶性タンパク質のような更なる添加剤とを含有する単位投薬
剤形をもつものでなければならない。従って、例えば、上述した2種または3種の
成分は、滅菌水または滅菌生理食塩水に溶解または懸濁させることにより、アン
プル中またはバイアル中に封入される。この場合の製造方法には、薬理活性BPC
ペプチド塩の溶液および必要な場合には更に添加剤の溶液を混合するステップ、
または薬理活性BPCペプチド塩の溶液に粉末形態の添加剤を添加するステップ、
あるいは適切な手順の任意の他の組合せが含まれていてもよい。また、投薬剤は
、薬理活性BPCペプチド塩および必要な場合には添加剤が共存する凍結乾燥粉末
または真空乾燥粉末に滅菌水または滅菌生理食塩水を添加することにより、製造
してもよい。この単位投薬剤には、pH調節剤(例えば、グリシン、塩酸、水酸化
ナ
トリウム)、局所麻酔薬(例えば、キシロカイン塩酸塩、クロロブタノール)、
等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール)、乳化剤、
吸着抑制剤(例えば、Tween(登録商標)60または80)、タルク、澱粉、ラトー
スおよびトラガカント、ステアリン酸マグネシウム、グリセロール、プロピレン
グリコール、保存剤、ベンジルアルコール、メチルヒドロキシベンゾエート、お
よび/または落花生油(oleum arachid hydrogen)のような1種以上の慣用の添加
剤が含まれていてもよい。この単位投薬剤には、ポリエチレングリコール400ま
たはデキストランのような製薬上許容される賦形剤が更に含まれていてもよい。
本発明の水溶性組成物は、好ましくは非経口製剤の形態をとる。該非経口製剤
としては、注射可能な溶液、経粘膜投与のための溶液、経鼻用溶液、経耳用溶液
が好ましい。
該注射可能な溶液としては、静脈内投与、皮下投与、動脈内投与、筋肉内投与
、および眼内投与のための溶液が挙げられる。これらの長時間作用形製剤は、ア
ンプルまたはバイアルからシリンジに容易に取り出すことができる。取り出しの
際に泡を生じた場合には、短時間放置するだけで容易にその泡を除去することが
できる。
本発明の組成物は、水に溶解された形態またはマンニトールのような結晶性溶
質と共に凍結乾燥させた形態であってもよい。凍結乾燥物に滅菌水または滅菌生
理食塩水を添加すれば水溶液が得られる。
本発明の水溶性組成物の水溶液の張度は、投与時、許容できる範囲内になけれ
ばならず、例えば、塩化ナトリウムおよびマンニトールのような等張化剤によっ
て調節される。張度は、好ましくは生理食塩水の張度の半分〜2倍、より好まし
くは生理食塩水の張度の3/4倍〜3/2倍である。
本発明の水溶性組成物の水溶液の粘度は、注射するのに十分な程度に低くなけ
ればならない。粘度は、好ましくは500cP未満、より好ましくは400cP未満である
。粘度の値は、25℃においてE型粘度計(TOKIMEC、日本)でCone LDを利用して
測定した値に相当する。
組成物が凍結乾燥物の形態である場合、該組成物から作製される水溶液の粘度
、張度、および成分濃度は、上述したそれぞれの範囲内にあることが好ましい。
本発明の組成物は、従来の方法に従ってこれらの成分を混合することにより作
製される。本発明の組成物の成分を混合した結果、最終的に、薬理活性BPC塩の
活性が保持され、プロセス時の泡の生成が最小限に抑えられなければならない。
各成分は、同時にまたは任意の順序で容器(例えば、瓶またはドラム)に導入さ
れる。容器中の雰囲気は、例えば、滅菌清浄空気または滅菌清浄窒素ガスであっ
てよい。得られた溶液は、小さなバイアルまたはアンプルに移すことができると
ともに、更に、凍結乾燥にかけることができる。
液体形態または凍結乾燥粉末形態の本発明の組成物を、ポリ(乳酸‐グリコー
ル酸)コポリマー、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸‐グリコール酸
)コポリマー、またはそれらの混合物のような生分解性ポリマーの溶液中に溶解
または懸濁させてもよく、また、次に、例えば、フィルム、マイクロカプセル(
マイクロスフェア)、またはナノカプセル(ナノスフェア)の形態、特に、軟質
もしくは硬質カプセルの形態の製剤にしてもよい。
このほか、リン脂質、コレステロール、またはこれらの誘導体を含有するリポ
ソーム中に本発明の組成物を被包して、これを更に、生理食塩水中に、または生
理食塩水に溶解されたヒアルロン酸の溶液中に分散させることができる。
軟質カプセルに、液体形態の本発明の組成物を充填してもよい。硬質カプセル
に、本発明の組成物の凍結乾燥粉末を充填してもよく、あるいは本発明の組成物
の凍結乾燥粉末を圧縮して、それぞれ経直腸投与または経口投与のための錠剤に
してもよい。
もちろん、自己投与のために、本発明の組成物を既充填シリンジ中に入れてお
くことができる。
本発明の組成物は、常温、例えば、+10℃〜+30℃で、または通常の冷蔵温度、
好ましくは約+2℃〜+8℃で保持してもよい。
本発明はまた、酸化窒素(NO)の生成またはNO系機能の欠陥に伴う障害、特に
、高血圧症、アンギナ、インポテンス、循環性および敗血症性ショック、卒中、
炎症、呼吸窮迫症候群、血小板および白血球の粘着および凝集、内皮機能不全、
胃腸障害、蠕動異常、糖尿病、膵炎、低血圧症、ならびにパーキンソン病;体性
感覚神経の機能不全または機能亢進、特に、感覚神経障害、ヘルペス後神経痛、
ア
トピー性皮膚炎、損傷組織の治癒障害、後天性の寒冷および温熱蕁麻疹、乾癬、
水疱性類天疱瘡、湿疹、光線過敏症、慢性関節炎、胃腸障害、ならびに上気道お
よび下気道の特異的および非特異的反応亢進(喘息、鼻炎);内皮障害;創傷、
潰瘍;急性および/または慢性炎症に関連した症状、特に、慢性関節炎、および
遅延型過敏症に関連した疾患、ならびに胃腸障害;肝臓疾患、特に放射線照射に
より発生する遊離基によって誘発される器官障害;カテコールアミン作動系障害
に伴う疾患、特に、神経分裂症、アンフェタミン攻撃作用、薬物乱用;ストレス
関連症状;随伴性胃十二指腸炎の一層の悪化を伴う急性膵炎;心臓障害、特に、
抗不整脈、抗狭心症、および心臓保護の治療障害;抑鬱症;パーキンソン病およ
びパーキンソン病様症状;体温障害;骨機能障害;高血圧により誘発される種々
の器官損傷;凝固障害;疼痛障害;痙攣障害;脊髄損傷;アルコール乱用または
アルコール摂取量の増大により誘発されるアルコール性障害;脳虚血性疾患;末
梢神経障害;カタレプシー疾患および神経弛緩障害;異常および突然変異リンパ
球に関連した疾患;胎児障害;卵巣摘出状態から生じる膣萎縮および骨粗鬆症の
進行;腫瘍;ウイルス性疾患、特に、AIDSまたはARC;胃腸障害;認知障害;退
薬症状;腎臓障害および細胞性免疫応答の障害、の治療に関連した、上記の塩お
よび/または組成物の新規な使用およびそれを用いた治療方法に関する。
本発明は更に、先に記載のペプチドが、一般式(II):
Xaa Zaa Pro Pro Pro Xaa Yaa Pro Ala Asp Zaa
Ala Xaa Xaa Xaa (II)
で表されるBPCペプチド塩または医薬用もしくは診断用組成物に関する。
本発明は、特に、先に記載の一般式(I)で表されるペプチドが、
(BPC157とも呼ばれる);
からなる群より選ばれるBPCペプチド塩またはBPCペプチド塩を含有する医薬用も
しくは診断用組成物に関する。
これらのペプチドは、WO 94/11394およびWO 93/24521から周知であり、これら
の特許の内容は、BPCペプチドの製造および使用に関して、本特許の開示内容に
組み入れる。
更に、ペプチドは、他の官能性部分および/または構造部分、例えば、炭水化
物、脂肪、タンパク質またはペプチド、抗体、受容体、ホルモン、細胞傷害性物
質、マーカー物質、染料、放射性標識、免疫調節剤、薬物、担体、ターゲッティ
ング物質またはシグナル伝達物質などに連結されていてもよい。
このほか、本発明は、ペプチドが線状または環状の形態、特に、最初と最後の
アミノ酸残基間のアミド結合により環化された形態である、先に記載のBPCペプ
チド塩および組成物に関する。
次に、実施例および添付の図面により本発明を更に詳細に説明する。添付の図
面は以下の通りである。
図1は、NaBPC157のIRスペクトルを表している。
図2は、Na2BPC157のIRスペクトルを表している。
図3は、BPC157のジセシウム塩(Cs2BPC157)のIRスペクトルを表している。
図4は、BPC157のTRIS塩(TRIS-BPC157)のIRスペクトルを表している。
図5は、BPC157のジ-TRIS塩((TRIS)2BPCl57)のIRスペクトルを表している。
図6は、BPC157の2-アミノプロパノール塩(2-AMP-BPC157)のIRスペクトルを
表している。
図7は、BPC157のトリエタノールアミン塩(TEAM-BPC157)のIRスペクトルを表
している。
実施例1: BPC157のモノナトリウム塩(NaBPC157)の製造
炭酸水素ナトリウム29.6mg(0.35mmol)を含有する水10mlに、配列Gly Glu Pro
Pro Pro Gly Lys Pro Ala Asp Asp Ala Gly Leu Val(BPC157)を有するペンタデ
カペプチド0.5g(0.35mmol)を溶解し、0.2μフィルターに通して無菌濾過し、更
に、凍結乾燥により乾燥させて、灰白色(off-white)固体0.48gを得た。
得られた塩の純度:99.4%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419,より大きい質量のイオンが1441(M+Na+)に存在し
た。
得られたペプチド塩を、110℃の封管中で72時間にわたり6N-HClを用いて加水
分解した後、アミノ酸分析にかけたところ、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp,Gl
u,Leu,Val,Lysに相当する値が得られた。
IRスペクトル(KBr):図1
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm、これ以外の吸収極大は存在しない。
融点:288〜290℃(分解)
実施例2: BPC157のジナトリウム塩(Na2BPC157)の製造
エタノール10ml中にBPC157 0.5g(0.35mmol)を溶解した。適度に攪拌を行いな
がら、0.5mol/Lのメタノール性水酸化ナトリウム1.4mlを添加した。この溶液を0
.2μフィルターに通して無菌濾過し、更に、攪拌しながらジエチルエーテル(50
ml)に徐々に添加した。分離した白色固体を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し
て、ジナトリウム塩0.52gを得た。
得られた塩の純度:99.4%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419,より大きい質量のイオンが1441(M+Na+),1464(M+
Na2 +)に存在した。
得られたペプチド塩のアミノ酸分析の結果は、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp
,Glu,Leu,Val,Lysに相当する。
IRスペクトル(KBr):図2
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm、これ以外の吸収極大は存在しない。
融点:275〜277℃
実施例3: BPC157のジセシウム塩(Cs2BPC157)の製造
炭酸セシウム114mg(0.70mmol)を含有する水8mlにBPC157 0.5g(0.35mmol)を溶
解し、0.2μフィルターに通して無菌濾過し、更に、凍結乾燥を行って、灰白色
固体0.55gを得た。
得られた塩の純度:99.3%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419,より大きい質量のイオンが1551(M+Cs+),1684(M+
Cs2+)に存在した。
得られたペプチド塩のアミノ酸分析の結果は、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp
,Glu,Leu,Val,Lysに相当する。
IRスペクトル(KBr):図3
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm
融点:268℃
実施例4: BPC157のTRIS塩(TRIS-BPC157)の製造
トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン(TRIS)42.6mg(0.35mmol)を含有
するメタノール10mlにBPC157 0.5g(0.35mmol)を溶解し、0.2μフィルターに通し
て無菌濾過し、更に、40℃、減圧下でメタノールを蒸発させて乾燥させ、白色固
体0.56gを得た。
得られた塩の純度:99.5%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419(MH+)
得られたペプチド塩のアミノ酸分析の結果は、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp
,Glu,Leu,Val,Lysに相当する。
IRスペクトル(KBr):図4
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm
融点:250℃(分解)
実施例5: BPC157のジ-TRIS塩((TRIS)2BPC157)の製造
TRIS 85.2mg(0.70mmol)を使用した以外は、実施例1に記載の手順に従ってこの
化合物を製造した。
得られた塩の純度:99.5%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419(MH+)
得られたペプチド塩のアミノ酸分析の結果は、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp
,Glu,Leu,Val,Lysに相当する。
IRスペクトル(KBr):図5
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm
融点:188〜193℃
実施例6: BPC157の2-アミノプロパノール塩(2-AMP-BPC157)の製造
この化合物は、実施例1に記載の手順に従って製造した。塩基として2-アミノ
プロパノール(2-AMP)を使用した。
得られた塩の純度:96.6%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419(MH+)
得られたペプチド塩のアミノ酸分析の結果は、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp
,Glu,Leu,Val,Lysに相当する。
IRスペクトル(KBr):図6
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm
融点:158℃(分解)
実施例7: BPC157のトリエタノールアミン塩(TEAM-BPC157)の製造
この化合物は、実施例1に記載の手順に従って製造した。塩基としてトリエタ
ノールアミン(TEAM)を使用した。
得られた塩の純度:99.2%(HPLC)
質量スペクトル(FAB):1419(MH+)
得られたペプチド塩のアミノ酸分析の結果は、組成:3Gly,4Pro,2Ala,2Asp
,Glu,Leu,Val,Lysに相当する。
IRスペクトル(KBr):図7
UVスペクトル(H2O):λmax=190nm
融点:202〜205℃
実施例8: TRIS-BPC157を含有する錠剤の製造
組成 mg /錠剤
TRIS-BPC157 0.5
トレハロース 20.0
ラクトース 17.0
澱粉 6.5
タルク 3.0
トラガント 2.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5
50.0mg
水1mlにTRIS-BPC157(0.5mg)およびトレハロース(20mg)を溶解し、蒸発させて
乾燥させた。乾燥後、粗製の残渣を他の成分と混合することにより錠剤を製造し
た。
実施例9: NaBPC157を含有するカプセル剤の製造
組成 mg /カプセル剤
NaBPC157 0.5
トレハロース 60.0
ラクトース 39.0
ステアリン酸マグネシウム 0.5
100.0mg
水1mlにNaBPC157(0.5mg)およびトレハロース(60mg)を溶解し、溶剤を蒸発させ
て乾燥させた。粗製の残渣を他の成分と混合することによりカプセル剤を製造し
た。
実施例10: NaBPC157を含有する溶液の製造
組成 g /25ml
NaBPC157 0.05
グリセロール 15.00 ベンジルアルコール 0.01
pH7.0の緩衝液を加えた最終体積 25ml
実施例11: TRIS-BPCl57を含有するクリーム剤の製造
組成 g /25g
TRIS-BPC157 0.05
乳化剤 2.80
落花生油(oleum arachid hydrogen) 7.08
Tween(登録商標)60 12.08
プロピレングリコール 3.00
メチルヒドロキシベンゾエート 0.07
25.00g
実施例12: 安定性試験
40℃において76日間および120日間にわたり塩をインキュベートすることによ
り、BPCペプチド塩の安定性を試験した。水溶液中のBPCペプチド塩の濃度は、0.
2%(w/v)であった。安定性の測定は、HPLC法を用いて、カラム:Kromasil 100,5μ
,150×4.6mm、移動相:トリフルオロ酢酸0.1%を含有する水/アセトニトリル(0
〜50vol.%)、25分間でグラジエント溶出、流速1ml/min、検出:214nmのUVの条件
で行った。
比較のために、遊離のBPCペプチドおよびそのモノアセテートを使用した。表1
0、76、および120日目における40℃でのBPCペプチド塩の安定性;面積%単
位のアッセイ(HPLC)。 この表に記載のデータは、本発明のBPCペプチド塩の安定性が、遊離のBPCペプ
チドまたはそのモノアセテートと比べて大きいことをはっきりと示している。更
に、恐らくBPCペプチド塩溶液のpHが高いために、これらの溶液を注射した場合
、疼痛や壊死がまったく起こらない。
もう1つの別の実験において、トレハロースの添加後、粗製物および溶液の状
態での本発明のBPCペプチド塩の安定性の更なる改良がみられた。従って、特に
、
錠剤またはカプセル剤の形態の医薬組成物を製造するために、製薬上許容される
添加剤としてトレハロースを添加することは、本発明のもう1つの重要な態様で
ある。
以下の実施例では、本発明のBPCペプチド塩の医薬活性を実証する実験につい
て説明する。これらの実験は、異なる通常のモデルを用いて「invitro」および
「in vivo」で行った。実験では、特に記載のない限り、BPCペプチド157のモノ
ナトリウム塩(略号:NaBPC157)を使用した。特に記載のない限り、いずれの実
験においても、体重250〜280gの雄ウィスターラットを使用した。
実施例13: NO-系
序:
酸化窒素(NO)は、内皮細胞および神経細胞中におけるシグナル伝達分子とし
ての機能ならびに免疫細胞により活性化されるキラー分子としての機能の両方を
有する。最近の研究から、酸化窒素は吸入により医薬として使用できることが実
証されている。一般的には、NOの過剰または機能欠陥のいずれかにより、様々な
障害、特に、高血圧症、アンギナ、インポテンス、循環性ショック、敗血症性シ
ョック、卒中、炎症、呼吸窮迫症候群、肺高血圧症、血小板および白血球の粘着
および凝集、糖尿病、低血圧症、ならびにパーキンソン病を誘発したりまたはこ
れらの原因となっていると考えられる。
材料および方法:
NaBPC157(10μgまたは10ng/kg)の作用のいくつか、具体的には、胃炎に対
する保全的活性および血圧保持に対するNaBPC157活性について、ラットで調べた
。エタノール処理(96%、i.g.(胃内))を1時間行うことにより、病変を起こし
た。NaBPC157を同時に適用した(i.p.(腹腔内))。血圧保持実験では、NaBPC15
7を静脈内(i.v.)投与した。
NG-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル(L-NAME)(5mg/kg i.v.)、内皮酸
化窒素(NO)-発生の競合抑制剤、およびNO-前駆体L-アルギニン(200mg/kgi.v.)
(D-アルギニンは有効でない)の併用についても調べた。胃炎アッセイでは、エ
タノールによる病変誘発およびNaBPC157による治療を行う5分前にNO-剤を与えた
。
結果:
エタノールモデルでは、NaBPC157を単独で与えた場合、L-アルギニンの場合と
同様に抗潰瘍作用を呈する。NaBPC157は、エタノール処理された対照ラットで観
測された他の重度の胃炎を防止した。L-NAMEは効果がなかった。L-NAMEにより、
L-アルギニンの活性は完全に消失したが、NaBPC157の活性は低減したにすぎなか
った。L-NAME+L-アルギニンの併用後、NaBPC157の活性は更に阻害された。
血圧試験では、L-アルギニンと比較して、NaBPC157(基準となる正常値に影響
を及ぼさない)は、ミミック(mimicking)効果(予防的に適用した場合、L-NAME
による血圧増加を抑制し、L-NAMEによる最大血圧増加時(すなわち、L-NAME投与
の10分後)に与えた場合、既に増大したL-NAME血圧値を減少させた)と、防止活
性(L-アルギニンによる中程度の血圧低下は、NaBPC157の前処理によって防止さ
れた)と、の両方を呈する。L-NAME+L-アルギニンの組合せを適用(このときに
も血圧が増大した)した10分後にNaBPC157を与えた場合、その明瞭な効果(L-NA
ME処理ラットで見られた効果)は消失した。in vitroでは、ラット胃組織ホモジ
ネートから得られた胃粘膜中において、L-アルギニンと同じ用量(100μM)のN
aBPC157を与えた場合、同等のNO生成が誘発された。しかし、L-アルギニンの作
用を抑制するのに必要な用量の10倍量(100μMに対して1000μM)を用いた場
合でさえも、NaBPC157の作用はL-NAMEにより抑制されなかった。一方、NaBPC157
とL-アルギニンとを併用した場合、NO-合成は低減した。以上をまとめると、NaB
PC157は、胃粘膜の保全および血圧の保持の両方において、NO-作用に関与するこ
とができた。特に、L-アルギニンと併用した場合、NOに対してより卓越したおよ
び/または特有な作用を呈した。
NaBPC157は、L-アルギニンよりもNOに対してより卓越した作用を有するため、
過剰なNOの生成に伴う副作用(L-アルギニンによる障害(例えば、低血圧症))
を防止することができた。in vivoでは、これらの副作用は抑えられて正常値に
向かい、in vitroでは、過剰のNO生成が防止された。このほか、NO-系の抑制に
伴うネガティブな結果は除かれた(例えば、L-NAMEにより誘発される血圧増加は
防止され、既にL-NAMEにより生じた高血圧は低減された)。
他の組織(例えば、肺臓、肝臓、血管など)におけるNO-アッセイの類似性お
よび適用モデルの多様性(胃炎および血圧保持)に基づいて、過剰のNO生成およ
びNO-系の機能の欠陥に対してNaBPC157が特筆すべき有益な作用を呈することは
自明である。特に、本発明のBPCペプチド塩は、高血圧症、アンギナ、インポテ
ンス、循環性ショック、敗血症性ショック、卒中、炎症、呼吸窮迫症候群、肺高
血圧症、膵炎、血小板および白血球の粘着および凝集、内皮機能不全、ならびに
パーキンソン病の治療に有用である。
実施例14: 体性感覚神経
序:
体性感覚神経は、一般に、ホメオスタシスの制御、特に、ホメオスタシスのチ
ャレンジに対する反応に関与する。これらの神経は、生命を脅かす可能性のある
状態を検知することができる。該神経は、それ自体で、危険を軽減するための適
切な対策を直ちにとることができる。この場合、血管作用性輸入ニューロンは、
外傷に対する第1系統の防御系を構成する。一般的には、それらの保護活性は、
皮膚および胃腸粘膜の実験的損傷によって実証された。種々の疾患、特に、先天
性感覚神経疾患、糖尿病によって引き起こされる感覚神経疾患、帯状疱疹、ヘル
ペス後神経痛、アトピー性皮膚炎、損傷組織の治癒障害(例えば、持続性皮膚損
傷、酸による皮膚炎の悪化、および角膜における角膜炎様病変の発生)、後天性
の寒冷および温熱蕁麻疹、乾癬、水疱性類天疱瘡、湿疹、光線過敏症、上気道お
よび下気道の疾患、特異的および非特異的反応亢進、血管運動神経性鼻炎、喘息
、慢性関節炎、ならびに胃腸障害において、機能不全または機能亢進のいずれか
が現れる。
材料および方法:
胃炎(96%エタノール処理、拘束ストレス、およびインドメタシン処理により
ラットで発生させた)に対するNaBPC157の胃保護作用について調べた。カプサイ
シンを用いて、NaBPC157(10μg/kg,10ng/kg i.p.)の保全的作用における感
覚ニューロンの関与の可能性について調べた。カプサイシンは、感覚ニューロン
に対してかなり独特な作用を有し、具体的には、成体動物への高用量投与(125m
g/kg s.c.(皮下)、月齢3ヶ月)または新生子動物(日齢7日)への投与(50mg
/kg s.c.)を行うと、感覚繊維が破壊され、一方、低用量(500μg
/kg i.p.)では、粘膜上で神経伝達物質放出および保護作用が活性化される。
結果:
(i)カプサイシンの不在下において、NaBPC157は、エタノール、拘束ストレ
ス、およびインドメタシンの適用に対して、胃粘膜を保護した。
(ii)神経障害を起こす用量のカプサイシンの存在下において、拘束ストレス
、エタノール、またはインドメタシンによる病変に対するカプサイシンのネガテ
ィブな影響により、NaBPC157の保全的活性が一貫して劣化した。NaBPC157の保護
作用は、これらのアッセイのいずれにおいても、カプサイシン処理モデル(成体
、新生子のいずれも)で依然として明確に現れた。新生子をカプサイシン処理し
た後、1回ng投与方式でNaBPC157を適用した場合には、NaBPC157によって得られ
る胃保護作用は、完全に消失した。同じ用量を毎日使用した場合には、粘膜保護
作用は完全に回復した。
(iii)興奮を引き起こす用量のカプサイシンを併用した場合、NaBPC157の有
益な活性は更に増大する。
以上をまとめると、これらのデータから、NaBPC157の有益な活性とペプチド作
用性感覚輸入ニューロン活性との複雑な相乗的相互作用が実証される。動物とヒ
トにおけるカプサイシン作用の類似性が大きいことおよび上述の実験を考慮する
と、NaBPC157は、上記の障害の治療に使用することができる。
実施例15: 内皮保護
序:
血管内皮損傷は、器官全体の損傷が起こる前に先行して起こり、器官全体の損
傷に対する不可欠な前提条件であることが知られている。内皮保護を行うと、損
傷による虚血が低減し、粘膜の保全を行うことが可能である。有用なモデルとし
て、大きな病変を起こすことが周知の壊死化剤(例えば、胃内適用されるエタノ
ール)を適用する少し前にラットにモナストラルブルー(Monastral Blue)を適
用することが広く行われている。
材料および方法:
エタノール処理の3分前に、Monastral Blue(MB)(Sigma Company,USA)(1.0
ml/kg b.w.)をすべてのラットに静脈内投与した。エタノール処理の1分後
にラットを屠殺した。エタノール処理の1時間前に、NaBPC157(10.0μg/kg i.p
.)または生理食塩水(5.0ml/kg i.p.)を与えた。屠殺直後、胃を取り出し、先
入観のない観測者による病変評価を行った。胃および十二指腸の代表的セクショ
ンを、更なる組織学的分析を行うために処理した。
血管損傷は、Monastral Blue(MB)法を用いて、初期(エタノール処理の1分後
)に評価した。染色した粘膜の面積密度をTEMにより調べた。
結果:
NaBPC157で処理したグループでは、MB-染色の大きな減少が一貫して観測され
た。使用したモデルの症状とヒトの症状との類似性が大きいことから、ヒト治療
において、内皮障害に関連した症状の治療にNaBPC157を使用できることが実証さ
れた。
実施例16: 血管形成
序:
血管形成は、肉芽組織の発生ならびに創傷および/または潰瘍の治癒にきわめ
て重要である。周知の方法を用いて、血管形成性を調べた。
材料および方法:
同量のNaBPC157(溶液50μg、10μg、10ng/ml)または参照薬剤、シメチジ
ン(10mg、100mg、500mg/ml)、ラニチジン(2.5mg、25mg、250mg/ml)、ファモ
チジン(10mg、50mg、100mg/ml)、およびスクラルフェート(1mg、5mg、10mg/m
l)を含有する2つの滅菌スボンジ(1cm×1cm×0.25cm(V=0.25ml))を、各ラッ
トの腰の領域の皮下に移植した。3日後および7日後にスポンジを取り出した。次
に、スポンジをホルマリン中で固定し、組織学的および組織化学的評価および形
態計測を行うための処理を施した。使用した顕微鏡は、Leitz,DIAPLANであった
。形態計測分析のために、VAMS,Zagreb,Croatia製のプログラム「SFORM」を使
用した。
結果:
移植スポンジの周辺に新たに形成された肉腫組織を、異物に対する宿主反応の
価値ある定量手段として定期的に使用する。移植3日後に屠殺したラットを用い
た実験により次のような結果が得られた。NaBPC157で処理した動物のグループで
は、対照のラットの場合と比較して、より多くの肉腫組織が形成された。使用し
たすべての用量において、同様の結果がスクラルフェートで処理したラットでも
観測された。これとは対照的に、3つの全てのH2-ブロッカーで処理したグループ
において、対照の値と分析薬剤の値との差異は観測されなかった。移植7日後に
屠殺した動物では、3種の用量のスクラルフェートで処理したすべての場合およ
び最大用量(50μg)のNaBPC157で処理した場合は、対照のグループと比較して
著しく異なっていた。対照の値は、2つの屠殺時期の間で顕著な差異はなかった
。
新たに形成された肉腫組織中の内皮スペース数をカウントした。対照の値と比
較して(移植3日後、対照グループで新たに形成された内皮スペースの数は、7.9
4±1.23であり、移植7日後では14.8±3.12であった)、使用した物質はいずれも
、両方の時期(3日目および7日目)において、著しく増大した値を呈した。
種々の抗腫瘍薬が共通の性質として血管形成性を有するということが実証され
たが、そのほかに、NaBPC157はまた、スクラルフェートの場合と同じように肉腫
形成を刺激する。従って、治癒プロセス、特に、創傷および/または潰瘍の治癒
プロセスの開始および支持を行うために、NaBPC157を使用することができる。
実施例17: 炎症
序:
現在使用されている抗炎症剤は、通常、ヒトにおける急性および/または慢性
の炎症障害とよく類似した多くの好適なモデルで評価される。しかしながら、こ
れらの薬剤の主要な副作用として、重度の胃腸炎が現れる。
NaBPC157の場合、解熱作用(酵母により生じる熱の減少(4000mg/kg s.c.))
と共に、急性抗炎症活性および鎮痛活性が観測された(例えば、ツルペンチン、
カラゲニン、酢酸、またはMgSO4苦悶(writhing)(プロスタグランジン依存性、
プロスタグランジン非依存性)テールピンチ試験)。従って、胃胴炎に対するNa
BPC157の既知の保全的作用、アジュバント関節炎のような慢性炎症に対するその
作用、およびNSAIAにより生じる胃腸炎における非ステロイド抗炎症剤としての
その作用を、ラットで同時に調べた。
材料および方法:
胃腸炎(インドメタシン(30mg/kg s.c.)、アスピリン(400mg/kg i.
g.)、およびジクロフェナク(125mg/kg i.p.))の試験では、薬物適用(イン
ドメタシン)と同時におよび/またはその1時間前に、規則的にNaBPC157(10μ
g/kg i.p.)を与えた。アジュバント関節炎(フロイントアジュバント0.2mlを
尾に適用した)の場合には、NaBPC157(10μg又は10ng/kg i.p.)を1回の適用
(フロイントアジュバントの適用1時間前もしくは1時間後)でまたは日1回の方
式(0〜14日目、14〜30日目、および14日目〜1年目)で与えた。
結果:
試験したNSAIAを一緒に与えた場合、NaBPC157は、対照のラットの胃の他の顕
著な病変を一貫して低減させ、更に、インドメタシングループでは小腸の病変を
低減させた。アジュバント関節炎試験では、病変の悪化は、1回のNaBPC157の適
用の後、かなり減少し、NaBPC157で毎日処理したラットでは更に減衰した。既に
起こっているアジュバント関節炎の治療では、投薬のわずか2週間後に、NaBPC15
7の保全的作用が一貫して現れ、適用1年後には確定的になった。これらのデータ
は、粘膜の保全に対するNaBPC157の抗炎症作用および保護作用を実証するもので
ある。
2つの異なる機構、すなわち、炎症および遅延型過敏症が、アジュバント関節
炎に関与していることが知られている。NaBPC157は、これらの両方にポジティブ
に作用する。参照標準(すなわち、アスピリン、インドメタシン)と比べて、Na
BPC157は、かなり低用量(mg/kgに対してμgおよびng/kg)で効果を発揮した。
アジュバント関節炎防止に関するこの初期の効力は、毎日の適用により更に増強
される。より高用量(10μg/kg)では、1回または毎日の方式で行った後のいず
れにおいても効力を発揮し、一方、より低用量(10ng/kg)では、1回の適用では
効力が得られなかったものが、毎日の適用を行うことにより効果が現れるように
なる。この知見は、完全に起こってしまった関節炎に対するNaBPC157の治療効果
と併せて、アジュバント関節炎の全過程での適用が有用であることを実証するも
のである。アジュバント関節炎におけるNaBPC157の特筆すべき効力(未だに起こ
っていない/既に起こってしまったアジュバント関節炎における予防的/治療的
効力)は、現在使用されている治療薬では観測することができなかった。グルコ
コルチコイドは、毎日適用する場合にはアジュバント関節炎の防止に有効
であるが、短期間の適用では効力がない。免疫抑制剤(高用量)および非ステロ
イド鎮痛剤は、それぞれ前処理または後処理の場合にのみ有効である。
従って、使用したモデルの障害と対応するヒトの障害との類似性が高いことか
ら、粘膜保護特性を有するNaBPC157を、急性炎症および慢性関節炎に関連した症
状の治療に使用することができるのは明らかである。このほか、遅延型の過敏症
障害および胃腸管の種々の部分で発生する胃腸炎に関連した疾患、特に、NSAIA
のような薬剤により誘発される疾患を治療するために、NaBPC157を使用すること
ができる。
実施例18:フリーラジカルスカベンジャー効果
材料及び方法:
NaBPC157の肝保護効果を、ラットにおける肝損傷の様々な実験モデルにおいて
、ブロモクリプチン、アマンタジン及びソマトスタチンのような参照標準と比較
することで評価した:24時間胆管及び肝動脈結紮、48時間拘束ストレス並びにCC
l4(フリーラジカル誘発剤)投与。NaBPC157は胃内又は腹腔内のいずれかに投与
した。
結果:
NaBPC157は、24時間胆管及び肝動脈結紮、48時間拘束ストレス、及びCCl4処置
(1ml/kg i.p.、その48時間後に屠殺)に処したラットにおいて肝壊死又は脂肪
変化の発生を有意に妨げた。他の参照薬物は、これらのモデルにおける保護効果
は僅かであるか、あるいは全くなかった。ビリルビンに関する臨床試験では、SG
OT及びSGPTがこれらの巨視的/微視的所見と十分に相関することが示された。し
たがって、NaBPC157は肝疾患の治療に用いることができる。加えて、照射によっ
て生じる骨髄抑制は造血性要素が回復する変動過程を研究するための再現可能な
モデルである。NaBPC157は致死量以下の照射によって誘発される骨髄損傷に対し
て有益な効果を示す。したがって、NaBPC157は照射によって誘発される骨髄損傷
の治療に用いることができる。フリーラジカル形成をともなうCCl4及び傷害発生
との間の一般に認識されている関係を考慮すると、NaBPC157のこの有益な効果は
他のフリーラジカル誘発臓器傷害、特には照射、にも適合するように思われる。
実施例19:カテコールアミン作動系
序:
アンフェタミンのような間接的に作用する交感神経模倣薬は、カテコールアミ
ン放出の増加及び中枢神経系(CNS)の神経末端でのカテコールアミン再取り込
み(主としてドーパミン)の阻害の両者を引き起こすような共通の特性を有する
。線条体におけるドーパミン作動系の活性化の結果としてステレオタイプ化され
た行動(stereotyped behavior)が現れる。一般に、アンフェタミンのクライミ
ング行動の増加は、ドーパミンアンタゴニストであるハロペリドールの適用に
続く線条体ドーパミン受容体の上方調節の結果であると信じられている。これは
、続いて、アンフェタミン過敏を発生させる。NaBPC157の適用は全体的な行動に
影響を与えず、又はステレオタイプを誘発しない。
材料及び方法:
ドーパミンアゴニストであるアンフェタミン(10mg/kg i.p.)のステレオタ
イプ及び興奮性に対するNaBPC157の効果を研究した。NaBPC157は予防的な同時処
置又は治療上有用な療法として適用した(10μg又は10ng/kg i.p.)。ラット
においてステレオタイプ化された行動及び興奮を誘発した。
結果:
ステレオタイプ化された行動及び興奮の増加(すなわち、強力かつ激烈な単収
縮、パニックジャンピング(panic jumping)及び逃避)の両者の著しい減弱及
び逆転が通常に認められた。
マウスにおけるクライミング行動の増加に対するNaBPC157の効果にさらに焦点を
当てた。マウスをドーパミンアンタゴニストであるハロペリドールで予備処置し
(5.0mg/kg i.p.)、続いてアンフェタミンで処置した(ハロペリドール予備処
置の1、2、4及び10日後に20mg/kg i.p.で攻撃誘発)。これは、アンフェタミン
刺激効果に対する挙動上の過敏性の研究に通常用いられるものである。これによ
り、試験したNaBPC157のドーパミンアンタゴニスト活性(直接又は間接的)の結
果として、アンフェタミンのステレオタイプの拮抗が現れる場合、ハロペリドー
ルが増強され、アンフェタミンのクライミング行動に対する効果が増加すること
が期待される。これとは異なり、NaBPC157をハロペリドールと同時に投与した場
合にはほぼ完全な反作用が認められた。これらを合わせて考えると、これらのデ
ータはNaBPC157とドーパミン系との相互作用の証拠を提示している。さらに、Na
BPC157と中枢ドーパミン系との相互作用は他の実験モデルにおいても示された(
すなわち、ストレス性潰瘍に対する防御)。ドーパミン系との相互作用は多くの
既知ペプチドで既に認められている(ニューロテンシン、CCK等)。加えて、NaB
PC157の適用はLSD(例えば、0.3mg/kg i.p.)によって誘発される行動上の障害
をも逆転させる。NaBPC157はドーパミン系に対する調節効果を有する。アンフェ
タミンによってドーパミンの放出及び合成の増
加が誘発されている状態において、NaBPC157はその結果生じる障害(すなわち、
ステレオタイプ化された行動)を妨げ、かつ逆転させることが可能であった。同
様に、NaBPC157は、ハロペリドールによるドーパミン受容体遮断の結果を大幅に
減弱させることが可能であった。これは、NaBPC157の調節効果が、他の点で目立
って不十分なドーパミン系の代替にも関与することを示唆する。これにより、引
き続くドーパミン受容体過敏及びアンフェタミン障害の発生が回避される。
したがって、NaBPC157は精神分裂病、アンフェタミン攻撃誘発効果(分裂病型
精神病)及び薬物乱用の治療に有用な薬剤である。
実施例20:ストレス
序:
ストレスは様々な臓器の傷害につながる非特異的な現象と定義される。ストレ
ス応答は様々な傷害性の現象に対する応答と定義される。最も頻繁に用いられる
動物ストレスモデルの1つは、ラットにおける重度のストレス性胃傷害につなが
る拘束ストレスモデルである。他の臓器が冒されることもある。
材料、方法及び結果
ストレス誘発の1時間前に10μg又は10ng/kg b.w.、i.p.又はi.g.の用量で適
用することで、NaBPC157は他の方法では逃れることができない重度の胃の傷害の
発生を強力に妨げた。ストレス低減剤の適用とストレス誘発との間の時間(以下
、“期間”と呼ぶ)が長期化された場合には標準的な抗潰瘍剤は事実上無効とな
るが、これは試験したNaBPC157の明瞭な効力とは対照的である。NaBPC157は、そ
の有益な活性を48時間という極度に長期化された後であっても維持した。NaBPC1
57が付与する防御には、これとは別に他の臓器(例えば、肝臓、副腎、腎臓、精
巣、心臓、膵臓、脾臓)に通常現れる病変の減弱が含まれる。したがって、他の
一般に知られるストレスパラメータに対する妨害が明らかに少ないため(すなわ
ち、胸腺リンパ腺の萎縮(thymolymphatic involution)及び副腎の皮質肥大)
、NaBPC157を様々なストレス状態に適用可能であることが立証される。NaBPC157
は、通常非特異的なストレス病理に関連する、種々の臓器における様々な病変に
肯定的で有用な衝撃を与える。用いたモデルと同じ現象の連鎖
をヒトにおいて考慮すると、NaBPC157はストレス病理が既に進行しているとき(
例えば、ストレス誘発の24時間後)に適用された場合でさえ有用な効果を有する
ため、これはさらに強調される。
実施例21:細胞保護効果の実証
序:
細胞保護は、元来、種々の侵害性薬剤に対して細胞を防御する特性、胃粘膜に
おいて胃酸に無関係の効果として指摘される効果と定義されていた。後に、この
定義は、種々の臓器の病変を含む胃腸管外の本質的に同様の保護効果を含むよう
に拡張された(細胞保護−臓器保護)。NaBPC157の適用で起こり得る細胞保護効
果を、エタノール誘発胃病変の細胞保護剤をスクリーニングするための初期ロバ
ートモデル(Robert's model)に対するそれらの効果に基づいて研究した。
材料、方法及び結果:
NaBPC157(10μg又は10ng/kg i.p.)は、予防効果(96%エタノール(1ml/
ラット、i.g.)の1時間前、又はそれと同時に適用)及び有益な効果(エタノー
ルの1時間後に病変発生の最大部位に適用)を有する。
細胞保護研究のための酸のない環境を創出するため、潰瘍誘発手順の24時間前
に全胃切除を行った。胃及び胃酸がない状態で、これまで酸関連十二指腸潰瘍原
と考えられているシステアミンの損傷効果(400mg/kg s.c.、その24時間後に屠
殺)及びNaBPC157(10μg又は10ng/kg i.p.)の細胞保護効果を、同様に細胞
保護性であることが知られる参照薬剤(シメチジン(50)、ラニチジン(10)、
オメプラゾール(10)、ブロモクリプチン(10)及びアトロピン(10)(mg/kg
i.p.での値、システアミンの1時間前)との比較でさらに厳密に調べた。無処置
の胃を有する本来のラットにおいては、適用した物質は全て強力で有益な効果を
有していた。胃を切除した動物においては、研究した薬剤(すなわち、システア
ミン前のNaBPC157又は参照薬剤)を適用することで、対照胃切除システアミンラ
ットにおいて認められた別の重度の十二指腸病変の発生が有意に妨げられた。シ
ステアミンで処置しなかった群においては、システアミン処置腹壁切開動物にお
いて観察される病変(僅か24時間又は48時間の術後期間の腹壁切開及び胃切除)
も潜在的病変も認められなかった。これらの所見(無傷の胃
を有する、及び胃をもたない胃切除ラットにおけるシステアミンの相当損傷効果
、NaBPC157及び参照薬剤の相当保護、これらの損傷又は保護効果ば胃酸分泌には
関係しない)は細胞保護効果を示すものである。胃の傷害(例えば、エタノール
)とシステアミンの十二指腸傷害との類似性(胃酸に関係しない病変)が明瞭に
示唆される。明らかに酸とは無関係であり、試験した薬剤全てに共通ではあるが
NaBPC157について明確に顕著である高い“細胞保護能力”が明らかである。
NaBPC157は他の薬剤よりも非常に少ない用量で有効であるため(すなわち、μ
g又はng/kg対mg/kg)、その有効性(及び治療上の適用)は種々の臓器の病変
にまで及び得る。これは、他の臓器における他の薬剤の有効性もそれらの“細胞
保護”効果(例えば、ソマトスタチン:副腎、膵臓、肝臓、肺及び胃腸管の病変
)によって示唆されるという事実によるものである。
実施例22:臓器保護効果の実証
序:
“細胞保護”効果を“臓器保護”効果に有益に拡張するのに関し、内皮保護の
研究が一般に受け入れられる。明瞭な指標として、エタノール損傷した胃のラッ
ト粘膜におけるモナストラル・ブルー(Monastral Blue)研究が、モナストラル
・ブルーは損傷した内皮に結合する能力があるため、広く知られている。
材料及び方法:
エタノールの3分前に全てのラットにモナストラル・ブルー(MB)(Sigma Co
mpany、USA)(1.0ml/kg b.w.、i.v.)を投与し、それらの動物をエタノール処
置の1分後に屠殺した。NaBPC157(10.0μg/kg i.p.)又は生理食塩水(5.0mg
/kg i.p.)をエタノールの1時間前に投与した。屠殺した直後に胃を取り出し、
前述のような公平な観察により病変を評価した。胃及び十二指腸の代表的な切片
をさらなる組織学的分析のために処理した。早期(エタノール処置の1分後)で
の血管傷害をモナストラル・ブルー技法を用いて評価した。染色された粘膜の領
域密度をTEMによって調べた。
結果:
MB染色の大きな減少がNaBPC157で処置した群において一貫して認められた。さ
らに、NaBPC157の適用に関して否定的な効果は認められなかった。高投与
量(例えば、g/kg b.w.i.p.)にもかかわらず、種々の基本パラメータに対する
影響はなく、毒性は観察されなかった。
体内での内皮脈管構造組織の広範な存在及び臓器保護効果に対する内皮保護の
重大な役割を考慮すると、NaBPC157は種々の臓器病変における臓器保護剤として
用いることができる。
実施例23:急性膵炎
材料及び方法:
NaBPC157を、ラットにおいて、急性膵炎(胆管結紮により誘発)の防御もしく
は治療剤として試験した。同時に、付随して発生する胃及び十二指腸の病変に対
するNaBPC157の影響を調べた。
NaBPC157(10μg又は10ng/kg b.w.、i.p.、i.g.)を結紮の1時間前に予防的
に投与し、これに対して治療は結紮の1日後に毎日適用することにより行った(
最終適用は屠殺する24時間前)。結紮後第5日の最後まで1日間隔で効果を調べ
た。
結果:
予備処置適用において、強い膵臓保護が得られた。既に確立された重度の急性
膵炎の状態で適用した場合、明らかで有益な効果が一貫して認められた。壊死、
浮腫、好中球及び単核球の出現を評価したところ、NaBPC157処置ラットにおいて
見出される壊死、浮腫及び好中球は一貫して少なかったが、単核球は多かった。
血清アミラーゼ値の対照データとの比較研究において、増加が顕著に少ない(NaB
PC157予備処置適用)ことに加えて既に増加している値の低下(NaBPC157治療適
用)が認められた。膵炎に対するその有益な効果と共に、胆管結紮ラットにおけ
る胃及び十二指腸病変経過に対するNaBPC157の肯定的な影響が予備処置及び後処
置適用の両者において認められた。これらを考え合わせると、併発する胃十二指
腸の病理に対する付加的な肯定的効果を伴うNaBPC157は急性膵炎の治療に用いる
ことができる。
実施例24:心毒性に対する効果
材料及び方法:
これらの実験は、アルビノ・ウィスター(Albino Wistar)ラット及びハート
レー(Hartley)モルモットに対して行った。心毒性は、塩化バリウム溶液(10m
g/kg b.w.)、デシプラミン(10mg/kg)、ジギタリス(総服用量6.5mg/kg)
及びイソプレナリン(15mg/kg)を頸静脈カニューレを通して投与することによ
り誘発した。加えて、ドキソルビシンを複数回投与(3mg/kg s.c.、13週にわた
って週1回)及び一回投与(7mg/kg、i.v.)で適用して心筋症を誘発した。また
、心毒性は、非薬理学的心筋損傷として固定ストレス(immobilizationstress)
によっても誘発した。NaBPC157は以下に示されるように投与した:
1. 塩化バリウム
a)予備処置(1時間前):NaBPC157 50μg/kg、10μg/kg及び10ng/kg、
腹腔内;
b)後処置(60秒後):NaBPC157 10μg/kg及び10ng/kg、静脈内;
2. デシプラミン:NaBPC157 50μg/kg及び50ng/kg、1時間前に腹腔内;
3. ジギタリス:NaBPC157 50μg/kg及び50ng/kg、15分間隔で静脈内;
4. イソプレナリン:NaBPC157 50μg/kg及び50ng/kg、15分前に静脈内;
5. 固定ストレス:NaBPC157 10μg/kg及び10ng/kg、1時間前及び縛った直
後、並びに固定して24及び48時間に腹腔内;
6. (a)慢性ドキソルビシン毒性:NaBPC157 10μg/kg及び10ng/kg、ドキ
ソルビシンと同時に腹腔内;
(b)急性ドキソルビシン毒性:NaBPC157 10μg/kg及び10ng/kg、ド
キソルビシンの1時間前に腹腔内。
不整脈モデルにおいて、麻酔した動物の心電図を連続的に記録した。15秒毎に
、又は拍動の乱れが生じた場合には、50mm/s又は100mm/sで記録の拡張を行っ
た。他のモデルにおいては、簡単に麻酔した動物を用いて、50mm/sの紙送り速
度で記録を拡張して、心電図を1回又は繰り返して記録した。ドキソルビシンの
毒性は、生化学的分析による心臓及び他の臓器の巨視的及び微視的検査によって
評価した。同様の手順を固定ストレス試験において適用した。
結果:
塩化バリウム誘発不整脈のモデルにおいてNaBPC157の抗不整脈効果が認められ
た。予備処置研究において、NaBPC157は不整脈の出現を遅延及び予防し、虚血を
減少及び/又は予防した。後処置研究においては、NaBPC157は洞律動への迅速な
変換を生じ、不整脈の再発を予防した。
NaBPC157はデシプラミンによって誘発される心拍の突然の低下及び伝導の乱れ
を完全に予防した(PQの長期化及びQRSの拡大)。また、NaBPC157は、デシプラ
ミンの副調律(proarrhythmic)効果に関連する心室頻拍及び重度の房室ブロッ
クも予防した。この効果は用量依存性であった。
さらに、NaBPC157はジギタリス誘発心毒性に対する選択効果を有する。NaBPC1
57は、心拍の突然の低下及び拍動の乱れ(心室期外収縮、心室頻拍及び房室ブロ
ック)を妨げ、又は減弱させることにより、それらに対する肯定的な効果を示す
。毒性用量のジギタリスによって誘発される伝導の緩徐化に対する、ngの用量で
のNaBPC157の効果は大きくなかった。この効果は、マイクログラムの用量でのNa
BPC157でより顕著であつた。
NaBPC157は虚血及び心筋梗塞を明らかに予防した。この効果はマイクログラム
の投与量でより顕著であった。予備処置の形態でNaBPC157を一回腹腔内投与する
ことで、固定ストレス試験中の心電図で示される虚血及び組織学的心筋損傷の予
防がなされた。既に心電図上で明確に変化している状態においてNaBPC157を後処
置投与することでも虚血が軽減された。マイクログラムの投与量でのNaBPC157で
は、特に予備処置適用において、QRS群の電圧が増加した。
NaBPC157の適用は、一回の、より大きな程度には複数回のドキソルビシン投与
後の、アントラサイクリン心筋症(筋細胞及び血管壁の重度の損傷、並びに空胞
化)の病態生理学的発見の大幅な低下につながる。絶対値が大幅に上昇するにも
関わらず、LDH活性が大きく低下する。
まとめると、NaBPC157は抗不整脈剤、抗狭心症剤及び心臓保護剤として有用で
あることが分かる。
実施例25:抗鬱活性
材料及び方法:
様々な抗鬱剤は抗潰瘍活性を有しており、潰瘍及び鬱病の研究に現在用いられ
ているモデルはかなりの程度の類似性を共有する。したがって、抑鬱障害がNaBP
C157のような細胞/臓器保護活性を有する主要抗潰瘍剤によって効果的に影響を
受けることがあるという可能性を、2つのラット抑鬱検定において調べた:強制
水泳試験(ポルソルト法(Porsolt's procedure))及び常習性予測不可ストレ
ス法(chronic unpredictable stress method)(5日の予測不可ストレスプロ
トコルの後、このストレス手順の間の1日1回の薬物適用並びに投薬の第4日及び
第6日の開放領域−不動試験評価)。
結果:
強制水泳試験において、NaBPC157(10μg、10ng、10pg/kg、i.p.)処置ラッ
トの不動時間の減少は、従来の抗鬱剤、イミプラミン又はニアラミドのそれぞれ
15mg又は40mg(i.p.)で処置した動物の活動性に相当した。常習性予測不可スト
レス法において実験条件をさらに悪化させると、イミプラミンの活性(30mg)は
生じないが、NaBPC157(10μg、10ng)は常習的にストレスに晒されたラットの
運動を用量依存的に改善する。
実施例26:パーキンソン病モデル
材料及び方法:
パーキンソン病発生剤(Parkinsongenic agents)、1−メチル−4−フェニル
−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP)(フリーラジカルを形成すること
によりドーパミン黒色線条体系を破壊することが知られている)(30.0mg/kg b
.w.、i.p.を1日1回6日間、及び4日後に50.0mg/kg b.w.、i.p.を1回)又はレセ
ルピン(カテコールアミン小胞枯渇剤)(5.0mg/kg b.w.、i.p.)を適用した。
NaBPC157(1.50μg又は15.0ng/kg b.w.、i.p.)を各々のMPTP投与の15分前、
又はその代わりに15分後に適用した。レセルピン研究においては、NaBPC157(10
.0μg又は10.0ng/kg b.w.、i.p.)をレセルピンの15分前、又は既に確立され
た完全なカテレプシーの状態でその24時間後に投与した。
結果:
NaBPC157はMPTP障害性体性感党見当識を大きく改善し、MPTP誘発機能亢進を低
下させた。さらに、NaBPC157はMPTP運動異常(振戦、無動症、カタレプシー、生
理食塩水対照において非常に顕著な他のもの)を減少させ、これは対
照におけるMPTP処置の通常の致死的経過のほぼ完全な消滅につながる。レセルピ
ン実験において、NaBPC157は他の非常に顕著なカタレプシーの発生を強く妨げた
。24時間後に適用した場合、NaBPC157は確立されたカタレプシーを逆転させた。
これを支持するものとして、レセルピン低体温の減少(NaBPC157予備処置)及び
さらに顕著な温度低下の逆転(NaBPC157後処置)が一貫して観察されている。
上で用いられる通常の動物モデルの両者はヒトの障害及びそれらの治療を示す
ものとして知られている。μg及びngで処方する予備処置及び後処置研究におい
て高い有効性が示されたという事実から、NaBPC157はパーキンソン病及びパーキ
ンソン病様病理の治療における使用について十分に適したものと考えられる。
さらに、レセルピン低体温において観察された効果から、NaBPC157は温度障害
の治療について十分に適していると結論付けることが可能である。
実施例27:骨の欠損の治癒に対する効果
材料及び方法:
分節状の骨の欠損の治癒に対する骨髄及びTRIS−BPC157の造骨効果を42羽のウ
サギにおいて術後6週間研究した。傷害誘発(0.8センチメートルの骨膜欠損を両
撓骨の中央に創出した)の後、骨髄及びTRIS−BPC157を用いる実験(1群当たり6
羽のウサギ)を以下のように行った:生理食塩水(2mlを筋肉内に、かつ2mlを骨
の欠損の各々に局所的に)処置傷害動物を対照として用いた(群1)。
第2及び第3群においては、骨の欠損の各々を2mlの自己骨髄(術後第7日)又はTR
IS−BPC157(10μg/kg b.w.、術後第7日及び第14日)のいずれかで局所的に処
置した。群4、5、6においては、TRIS−BPC157を術後第7日、第9日、第14日及び
第16日(10μg/kg b.w.)に、又は術後第7日−第21日の期間1日1回(10μg又
は10ng/kg b.w.)、筋肉内(i.m.)に適用した。標準処置として、その形成の
直後に、第7群の骨の欠損を自己皮質移植片で充填した。
全ての動物を術後第6週で屠殺した。分節状の欠損の治癒を隔週のX線像及び
組織学的検査で評価した。
結果:
4つの時間間隔で撮影されたX線像(仮骨表面、骨の欠損の顕微鏡写真濃度測
定)及び定量的組織形態測定を平行して比較することで、骨の欠損に局所的に注
入された骨髄及び筋肉内に適用されたTRIS−BPC157(特に、10μg/kg b.w.の1
日用量を14日間で)が骨の治癒を有意に改善した(p<0.001)ことが明らかとな
った。この効果は自己皮質移植片の効果に匹敵した。
この研究の臨床的な関連性を考慮すると、骨髄及びTRIS−BPC157(特に、10μ
g/kg b.w.の1日用量を14日間で)は骨の欠損の治癒を誘発した。その簡潔な投
与及び合併症の危険性の低さのため、局所的に適用される骨髄及び、特に、TRIS
−BPC157のような筋肉内に投与される造骨性物質は他のより複雑な外科的方法(
すなわち、骨移植片、血管新生化骨移植片、イリザロフ(Ilizarov)の方法)よ
りもヒトにおける治癒障害の治療にとって有利である。
実施例28:創傷の治癒に対する効果
材料及び方法:
NaBPC157を、治癒プロセスに関連する種々の要素に対するその影響を証明する
ために用いた。治癒のプロセスにおいて重要なものであると考えられる要素は肉
芽組織の形成、血管形成及びコラーゲンの産生である。肉芽組織の形成、コラー
ゲンの形成、及び血管形成に加えて、引張り強さの生成に対するNaBPC157の影響
を3種類の実験ラットモデルを用いて試験した:1)皮膚切開創傷、2)結腸−結
腸吻合及び3)食道−十二指腸吻合。検体を、評点及び形態測定法を用いて、コ
ラーゲン、レチクリン及び血管について組織学的に評価した。
結果:
全ての実験において、NaBPC157処置ラットと対照との間に大きな相違が見出さ
れた。これらの実験は、治癒プロセスにおけるNaBPC157の強力な増進性の関与を
示す。これらの効果は胃内及び局所適用を含む種々の適用経路で達成された。さ
らに、引張り強さの評価では、NaBPC157処置ラットにおける値の増加が一貫して
明らかとなった。
この動物モデルと対応するヒトの障害との密接な類似性並びにラット及びヒト
における治癒プロセスの類似性の程度の高さに基づくと、NaBPC157はヒトにおけ
る創傷治癒のための治療において用いることができる。
実施例29:呼吸器障害に対する効果
材料及び方法:
全身脈波検査、ウレタン麻酔(1.5g/kg i.p.)、一定圧力(0.98kPa)の下
での人工呼吸、及びスキサメトニウム(0.2mg/kg i.v.)による骨格筋の弛緩を
施したモルモット(ハートレー、両方の性、500−700g b.w.)をこれらの実験に
おいて用いた。膨張容積(mm、平均±SD)を、収縮因子(ヒスタミン、セロトニ
ン、アセチルコリン、ブラジキニン、i.v.)又はNaBPC157(反復収縮因子適用の
10分前、i.v.)の適用の前後に評価した。
結果:
セロトニン、ヒスタミン、アセチルコリン及びブラジキニンによって誘発され
る膨張容積の減少がNaBPC157(10μg/kg b.w.、i.v.及び/又は10ng/kg b.w.
、i.v.)によって阻害された。
様々な収縮因子によって誘発される気管支収縮に対するNaBPC157の観察された
有益な効果及び用いたモデルとヒトの状態との知られている密接な類似性に基づ
いて、気管支収縮及び/又は気道の障害に関連する様々な疾患の治療においてNa
BPC157の適用が好結果をもたらすことが明らかである。
実施例30:肺高血圧症候群に対する効果
材料及び方法:
この実験では、雛鳥における肺高血圧症候群(PHS)及び組織病変の発生に対
する一酸化窒素(NO)アゴニスト及びアンタゴニストの効果及びNaBPC157の影響
を記載する。急性毒性を調べる実験を行った。これらには、生理食塩水(1ml i
.p.)、NaBPC157(10μg/kg b.w.)、L−NAME(NOアンタゴニスト/用量50、1
00、150mg/kg b.w.)、L−アルギニン(NOアゴニスト/100mg/kg b.w./それ
らの組み合わせ(L−NAME+NaBPC157、L−NAME+L−アルギニン)を含む))の
1回用量の適用が含まれる。脾臓、心臓、肝臓及び肺の病理組織学的(pathohist
ological)検査並びに血液学的分析を行った。さらに慢性毒性試験を行なった。
動物を、5週間毎日、L−NAME(10mg/kg b.w.)、L−アルギニン(100mg/kg b.
w.)、NaBPC157(10μg/kg b.w.)及びそれらの組み合わせ(L−NAME+NaBPC1
57、L−NAME+L−アルギニ
ン)で腹腔内投与により処置した。各々の群からの対照(生理食塩水 1ml i.p.
)を含む7匹の動物を毎週屠殺した。
結果:
L−NAMEの適用により処置雛鳥にPHSが生じた。この効果はL−アルギニン及びN
aBPC157の同時適用によって妨げられた。急性及び慢性毒性の両者の病理組織学
的検査により、L−NAMEが重度の組織損傷(心筋及び肝細胞の壊死、並びに脾臓
におけるリンパ球の壊死)を生じ、これに対してL−アルギニンが全ての臓器に
おいて主として鬱血、浮腫及び出血を引き起こすことが明らかになった。血液学
的分析では、L−NAME処置群の雛鳥において有意のヘモグロビン及び白血球数の
減少が示された。このL−NAMEの効果はL−アルギニン及びNaBPC157を適用するこ
とによりうまく阻害された。NaBPC157はいかなる組織又は臓器の損傷をも引き起
こさなかった。
上で用いられた動物モデルと対応するヒトの障害との類似性を考慮すると、N
aBPC157は肺高血圧症候群の治療に用いることができる。さらに、商業的な飼育
におけるその有用な用途が明らかである。
実施例31:実験的高血圧
材料、方法及び結果:
腎臓を2つ(2K1C)又は腎臓を1つ(1K1C)有する高血圧動物(ゴールドブラッ
ト(Goldblatt)高血圧)において、NaBPC157は血圧を迅速に低下させる(例え
ば、注射後5又は10分)。この効果は1K1Cラットにおいて20分、2K1C動物におい
ては少なくとも12時間持続した。この効果は、その24−48時間後の第2又は第3の
適用の後に繰り返し得られた。同様に、高果糖(80%)又は高塩分(15%)餌の
いずれかを長期間給餌したラットにおいて、NaBPC157は他の機構で継続的に上昇
した血圧値を正常値に向けて顕著に低下させた。この治療効果は長期間持続し、
6ヶ月の期間の後でさえ耐性は生じなかった。基礎血圧値に対するNaBPC157の影
響は認められなかった。
他の機構で上昇する血圧値の低下に加えて、NaBPC157は、様々な臓器に通常現
れる病変及び障害の顕著な減弱、又は消滅さえも引き起こした。これらの病変及
び障害は(対照における塩を増加した餌の3週間後の):顕著な実質の出血
を伴う非常に重度のヒアリン変性、動脈壁の変性、心臓における細胞の空胞化、
副腎における(特には、髄質の)重度の鬱血、腎臓における重度の鬱血、血尿を
伴う実質性出血並びに脾臓におけるヘモシデローシス及び赤血球吸収(erythroc
ytophagia)であった。血管は、NaBPC157処置ラットにおいては、壁の空胞化が
少なく、かつ出血がないことに加えて、損傷が非常に少なかつた。さらに、NaBP
C157処置ラットにおいては、基底損傷に対する明瞭な保護が一貫して明らかであ
った。
動物の高血圧の種々のモデルを用いて、10μg又は10ng/kg b.w.、i.v.、i.p
.又はi.g.で投与されたNaBPC157は一貫した結果を種々の投薬プログラムの範囲
内で達成した。これらの動物と対応するヒトの状態との明らかな類似性を考慮す
ると、NaBPC157は高血圧症及び高血圧によって引き起こされる様々な臓器の損傷
の治療に用いることができる。
実施例32:出血時間に対する効果
材料及び方法:
マウス及びラット(ヘパリン予備処置を施し、又は施していない)の出血時間
に対する2−AMP−BPC157の効果を、ヒトの血液における凝固パラメータに対する
in vitro活性と共に調べた。
結果:
基礎状態(2−AMP−BPC157、10μg、10ng、10pg、1pg、10fg/kg b.w.、尾の
切断と同時のi.p.)において、強力な用量依存性の出血時間の減少がマウス及び
ラットの両者において一貫して示された。ヘパリン(1000 IU/kg i.p.)予備処
置研究(出血開始の2時間前)では、10μg又は10ng/kg b.w.、i.p.のいずれか
で2−AMP−BPC157処置した動物において、他の機構で大幅に増加した出血時間の
顕著な減少が正式に認められた。ヒト血液中の凝固パラメータに対する影響(10
μg/mlの濃度での2−AMP−BPC157、インキュベーション1時間)はin vitroで
は示されなかった。したがって、内皮層に対する効果が示唆される。
ヒト及び動物における出血機構の密接な類似性並びに薬剤スクリーニングに用
いられるこれらのモデルの広く認められている重要性を考慮すると、2−AMP−BP
C157は凝固障害(例えば、ヘパリン処置)の治療に用いることができる。
実施例33:実験的糖尿病に対する効果
材料、方法及び結果:
腹腔内に投与(すなわち、10μg/kg b.w.)した場合、NaBPC157は、ラットに
おけるアロキサン誘発糖尿病に加えてストレプトゾトシン誘発糖尿病の発症を妨
げることが示された。14日間に糖尿の減少及びより少ない島病変が見出された。
我々の予備実験においては、NaBPC157は、既に確立された14日のアロキサン病変
の存在下で適用した場合でも有効であった。さらなる実験において、NaBPC157の
抗糖尿病効果を、胃内に適用した場合のそれらの可能性のある活性に特に焦点を
当ててさらに研究した。NaBPC157(10μg及び10ng/kg b.w.)を、予備(アロ
キサンの適用の24時間又は1時間前)、同時及び後(アロキサンの適用の48時間
後)処置において、300mg/kg s.c.又は200mg/kg b.w.、s.c.のアロキサンの適
用と組み合わせた。一般には、NaBPC157は上昇したグルコース血清濃度を低下さ
せ、アロキサン処置動物の生存を有意に高めた(この効果は高投与量のアロキサ
ンで処置した群において特に明らかであった)。興味深いことに、アロキサン処
置動物におけるグルコース血清濃度の上昇に加えて、胃の病変の外見の悪化が対
照糖尿病ラットにおいて認められた。NaBPC157投薬プログラムの各々は、処置条
件に関わりなく、潰瘍の重篤性を有意に軽減した。本質的に、同じ結果がマウス
において得られた。
ヒトの病理と用いられたモデルとの類似性を考慮し、それらが薬剤活性のスク
リーニングに広く用いられているという観点から、NaBPC157は糖尿病の治療に用
いることができる。
実施例34:抗侵害効果
材料及び方法:
NaBPC157の抗侵害効果を、間接/直接侵害受容及び神経毒性の様々な実験モデ
ルにおいて、アスピリン及びモルヒネ参照標準と比較することで評価した:苦悶
(酢酸/硫酸マグネシウム)、テール・ピンチング(tail pinching)、ホット
プレート及びカプサイシン適用。
結果:
NaBPC157(ng又はμg/kgの範囲のいずれかで投与、i.p.)は苦悶(炎症性
及び非炎症性、プロスタグランジン依存性及び非依存性)及びテール・ピンチン
グ試験における反応を有意に減少させた。ホットプレート試験においては、NaBP
C157は、モルヒネとは異なり、正常動物に対する効果はなかった。さらに、NaBP
C157を予備処置の形態で、又はカプサイシン注射の後14日間に1日1回投与した。
これらの試験において、NaBPC157はカプサイシン異痛症を大幅に減少させた。こ
のカプサイシンの効果における減少は、確立されたカプサイシン体性感覚ニュー
ロンの変性が存在する状態でNaBPC157を適用した場合(カプサイシンの後第14日
にのみ適用)には得ることができなかった。したがって、他の方法では逃れるこ
とができない、カプサイシンを適用した後の体性ニューロン(somatoneuron)の
欠乏が毎日のNaBPC157の適用で完全に回避できたことから、NaBPC157の効果はカ
プサイシン感受性体性ニューロンの統合性及びそれらの保護(すなわち、小径細
胞体及び無髄(C−)もしくは僅かに有髄化した(A−8)繊維を有する一次求心
路ニューロン)に特異的に関連し得る可能性がある。
カプサイシンがヒト及び動物の両者において本質的に同じ障害を誘発すること
を考慮すると、NaBPC157は、様々な痛みの障害の治療はもちろん、体性感覚ニュ
ーロンの機能障害につながる状態においても用いることができる。
実施例35:痙攣に対する効果
材料及び方法
ビククリン、ピクロトキシン、ストリキニーネ及びイソニアジドによって誘発
される痙攣に対するKBPC157の効果を調べた。KBPC157(100μg、10μg又は10n
g/kg b.w.)は、痙攣剤(mg/kg b.w.、i.p.)ピクロトキシン(3)、ストリキ
ニーネ(6、3又は1.5)、ビククリン(2.5)及びイソニアジド(800mg)の投与
と同時に、又はその15分前に適用した(i.p.)。
結果:
KBPC157は、適用した痙攣剤の全てに対して一貫して肯定的な(用量及び時間
依存性の)抗痙攣効果を生じた。用いたモデルとヒトの状態との類似性を考慮す
ると、KBPC157は痙攣障害の治療に用いることができる。
実施例36:脊髄損傷
材料及び方法:
雄アルビノ・ウィスター・ラットにおいて、(Th12のレベルで)露出した脊髄
に制御された圧力(血管クリップ・エスラップ(Aesulap)0.10−0.15N)を30秒
間加えることにより脊髄損傷を誘発した。これらの動物を、損傷直後及び損傷後
第10日まで1日1回、NaBPC157(10μg、10ng/kg b.w.、i.p.)又は生理食塩水
で処置した。これらの動物を最後の適用の24時間後に屠殺した。
結果:
臨床的(毎日評価、評点1−5)及び微視的の両者で注意深く調べた。NaBPC157
で処置したラットにおいて、(対照ラットにおける)他の方法では持続する麻痺
の大幅な減弱が明らかになった。用いたモデルとヒトの状態との類似性を考慮す
ると、NaBPC157は脊髄損傷の治療において用いることができる。
実施例37:慢性アルコール中毒
材料及び方法:
慢性アルコール中毒に対するNaBPC157の効果を調べた。雄アルビノ・ウィスタ
ー・ラットをこれらの実験に用いた。これらのラットに市販ウィスキー又はエタ
ノール(10−20%水溶液)のいずれかを3ヶ月間飲ませた。NaBPC157(10μg、1
0ng/kg b.w.)、プロプラノロール(10mg/kg b.w.)、及びラニチジン(10mg
/kg b.w.)(対照ラットには等容積の生理食塩水5.0ml/kgを投与した)を、胃
内又は腹腔内のいずれかで、予防的に(アルコール開始の10日前)、又はアルコ
ールとの同時処置として、又は治療的に(2ヶ月間の終わりに開始、すなわち、
この実験の最終月間)適用した。
結果:
門脈における血圧の直接評価により、プロプラノロール(全ての投薬プログラ
ムで投与)に加えてNaBPC157が、対照において他の方法では増加する門脈血圧値
を顕著に予防及び/又は減少させることが明らかに示された。これとは対照的に
、ラニジン(ranidine)治療は、対照動物に存在するものよりもさらに高い門脈
圧値につながった。さらに、プロプラノロールよりも、NaBPC157はアルコール処
置ラット胃内の他の方法では進行する病変も顕著に減弱することが可能であった
。同様の有益な効果は他の臓器病変(すなわち、腎臓、心臓)について
も認められた。
これらの一貫した肯定的な効果と、アルコール摂取の増加がヒトにおいて同様
の変化を生じるという一般に公知の証拠とを考慮すると、NaBPC157がアルコール
傷害の治療において有用であることが明らかである。
実施例38:脳虚血性障害に対する効果
材料及び方法:
NaBPC157(10μg、10ng/kg b.w.、i.p.)又は生理食塩水(5.0ml/kg b.w.
、i.p.)を、ラットにおいて頸動脈を3又は6時間結紮する1時間前、又はその1時
間後のいずれかに適用した。
結果:
NaBPC157の強力で肯定的な効果が、予備処置(結紮の1時間前)に加えて後処
置(結紮の1時間後)適用の両者において明らかである。これは、μg及びng範
囲の両者において、並びに3又は6時間の研究の両者において当てはまるものであ
った。評点の値とは別に、脳の鬱血を伴う重度の血管周囲及び脳組織浮腫が最も
はっきりとした、かつ特徴的な所見であった。また、特に小脳において、脱髄領
域も認められた。これらの特徴の全ては、処置条件に関わらず、NaBPC157処置群
の動物においてはほとんど目立たなかった。
対照において認められる重度の虚血性病変及びラットとヒトとの虚血性障害の
明白な類似性を考慮すると、NaBPC157がヒトにおける脳虚血性障害の治療に好ま
しく適用されることが明らかである。
実施例39:神経損傷に対する効果
材料及び方法:
末梢神経の再生に対するNaBPC157の効果を調べた。麻酔した成体雄ウィスター
・ラット(225−250g)において、右座骨神経を露出させ、結合組織を取り除き
、座骨ノッチに対して遠位側に5cm切除した。3本の神経周囲縫合糸(10.0エチロ
ン(Ehilon)、エチコン(Ethicon))をその吻合に用い、正しい神経束の配置
を確実なものとした。吻合が形成された直後に、1mlのNaBPC157(2μg/ml又は
2ng/ml)の浴で吻合部位に局所的に、胃内に、又は腹腔内に投与して動物を処
置した。対照群は等量の生理食塩水で処した。指定された術後日数
(第3、6、9、12、及び30日)に、機能試験を行った。これらの試験には、熱水
試験(60℃)、冷水試験(2℃)、歩行路分析、EMG遠位潜伏期間(EMG-dist al
latency)、及びCMAPの広がりが含まれていた。組織学的及び形態測定分析のた
めの検体も採取した。同じ手術手順及び同じ神経部位を用いる他の実験において
、顕微手術用ピンセットで粉砕傷害を60秒間誘発し、NaBPC157を局所的に適用し
た。2、7、10、50、及び100日後に評価を行った。
結果:
臨床的に、又は微視的に評価したところ、特に早期において、傷害を受けたラ
ットの治癒がNaBPC157の適用により顕著に改善された。
この動物の傷害とヒトの状態との密接な類似性を考慮すると、NaBPC157は末梢
神経損傷の治療に用いることができる。
実施例40:神経遮断性障害に対する効果
様々な神経遮断薬誘発障害に対するNaBPC157の効果を調べた。
材料、方法及び結果:
NaBPC157(10μg又は10ng/kg b.w.、i.p.)を適用することで、ハロペリド
ール及びフルフェナジン(ハロペリドール 0.625、1.25、2.5、5.0及び10.0mg
/kg b.w.、i.p.、フルフェナジン 0.3125、0.625、1.25、2.5及び5.0mg/kg b
.w.、i.p.(4.0ml/kg))の両方の神経遮断薬の低投与量でのカタレプシーが、
その後の時間間隔において一貫して減弱された。低用量の神経遮断薬に対する有
益な効果に加えて、NaBPC157のさらに強力で有益な抗カタレプシー効果が、観察
した高投与量の両神経遮断薬に関して、μg及びngの両者の用量のNaBPC157で現
れる。また、この効果は、対照スルピリドマウスにおいてカタレプシーを観察す
ることはできなかったが、スルピリド(20、40、80、及び160mg/kg b.w.、i.p.
)処置動物の体性感覚見当識においても認められた。
ドーパミン系、カタレプシー障害及び神経遮断性障害に関連する障害の治療に
おいてNaBPC157が好ましく適用されることが明らかである。
実施例41:ショックの治療における適用
材料及び方法:
実験的な出血性ショックを麻酔したラット(総頸動脈及び頸静脈内のカニュー
レ)において調べた。死ぬまで、又は低血圧(30−35mmHg)で安定するまで、容
積を制御して血液を除去した。これらの実験において、CaBPC157(10μg又は10
ng/kg b.w.)又は生理食塩水を、出血の15分前に腹腔内に(5.0ml/kg)、又は
低血圧が5分間安定した後に静脈内に(3.0ml/kg)投与した。
結果:
対照の値に対して、死亡の前に持続する有意に多量の血液容積の損失(これは
用量依存性)がCaBPC157処置ラットにおいて認められた。CaBPC157で処置した血
液量が少ない低血圧動物において、死を伴わない迅速で長期間持続する有意の血
圧増加が示された。これは、対照群における45分の実験期間が終了する前の短く
て弱い血圧上昇及び75%の死亡率とは対照的である。イグザンギュエート(exan
guated)していないことを除いて麻酔後に手術のみを施したラットにおいて、65
分の安定化期間の後に投与したCaBPC157(i.p.又はi.v.)は同じ適用後の期間内
に動脈血圧に有意の影響を及ぼさなかった。これらのデータは、CaBPC157が急性
の血液容積損失の結果を緩和する上で有効であり得ることを示唆する。用いた動
物モデルとヒトの障害との明らかな類似性を考慮すると、CaBPC157はショックの
治療に用いることができる。
実施例42:異常リンパ球に対する効果
材料、方法、及び結果:
臨床的に希なもの−上皮内水痕皮膚炎に関連する遺伝性好酸球増加症及び亜急
性硬化性全脳炎−を患う2名の女性患者における免疫学的所見を調べた。リンパ
球染色体異常及びT細胞増殖に対するNaBPC157の効果(in vitro)を調べた。
NaBPC157は重症型染色体異常の有意の減少を誘発し(すなわち、リンパ球所見の
正常化)、有糸分裂サイクルに対する刺激効果を示した。
実施例43:形成異常に対する効果
材料及び方法:
マウスにおけるビタミンA誘発形成異常に対するNaBPC157の効果を調べた。
NaBPC157(10ng/kg b.w.又は10μg/kg b.w.、i.p.)又は生理食塩水(5ml/k
g b.w.、i.p.)を妊娠の第10日にビタミンA(15,700 IU/kg b.w.、i.m.)と同
時に投与した。ビタミンAで処置せず、同時に同じ投与量で生理食塩水を投与
したマウスを対照として用いた。
結果:
ビタミンAを適用することにより幾らかの形成異常が誘発された。形成異常の
数の有意の減少がNaBPC157で処置した群において観察された。胎児障害の治療に
おいてNaBPC157が好ましく適用されることが明らかである。
実施例44:卵巣切除
材料及び方法:
通常の卵巣除去を行った。NaBPC157を、卵巣除去の後第15日から開始して1日
に1回28日間、又は1日に1回14日間適用した(10μg又は10ng/kg b.w.、i.p.)
。正規には、長期化した投薬プログラムにおいて、最後の適用の24時間後に屠殺
した。他の群には、卵巣切除の後第15日にμg量の適用を1回行った。5つの群を
対照として用いた:2群を卵巣切除し、生理食塩水で処置して卵巣切除の後第15
日及び第28日に屠殺し、1群を卵巣切除せずに生理食塩水で処置し、かつ2つの非
卵巣切除群をNaBPC157(10μg又は10ng/kg b.w.、i.p.)で1日1回28日間処置
した。膣塗沫を各々の動物から手術の5分前、この実験の第9、14、及び28日に採
取し、細胞学的評価のためにPapを染色した。膣上皮の成熟度を成熟値で表した
。屠殺した後、以下に簡単に記載される生化学的試験のために肢の骨を各動物か
ら集めた。
生化学的試験:
全ての骨を、種々の方向、前方−、後方−及び側方−側方への種々の曲げモー
メント(一点曲げ)(曲げモーメント=Nm)に基づいて試験した。大腿骨及び
腓骨をこの実験において用いた。これらの骨の遠位部分を骨セメント(パラコス
(Palacos))で1cm長の金属管に固定した。金属管は装填システムに固定した。
これらの骨を継続的に湿潤に保った。骨の自由な部分の長さを、固定部分から装
填部分までの長さと同様に測定した。一点に固定された棒状体の曲げの原理に従
い、弾性の限度内で実験を行つた。負荷は0.1、0.2、0.5、0.7、1.0Nであった
。変形、すなわち曲げの角度を、その骨の末端に固定された小さい鏡から反射さ
れるレーザービームの偏向の角度として測定した。この鏡の重量を加えた曲げ力
に追加した。レーザービームを向ける方眼紙(millimeter-paper)は小さな鏡を
載
せた骨から約1.5−1.8m離した。変形の角度は三角法を用いて測定した。毎回、1
回の負荷の問に変形(及び引き続く回復)の持続を測定した。負荷を除いた後、
骨はその開始位置に戻ったが、これは構造的な変化がその骨に存在せず、かつフ
ックの図(Hook's diagram)の弾性限度内の負荷が加えられたことを立証する。
この観察から、その構造を変化させることなく、同じ骨に2回、種々の方向に負
荷を加えることが可能であることが示された。引き続く2分間にさらなる変形が
観察されない場合、又はさらなる回復が達成された場合、これらの点を最終点と
見積もった(一般には、測定時間は約30秒(卵巣切除対照)又は16分(健常)で
あった)。骨の角度変形(負荷及び負荷後の回復)はmm/秒で表した。
結果:
両方の用量のNaBPC157で毎日処置することにより、非処置対照ラットにおける
萎縮性の成熟値の減少と比較して、顕著な成熟値の増加が生じた。したがって、
NaBPC157は去勢によって生じるラットの膣萎縮を予防できることが示唆される。
卵巣切除対照群において、最も短い時間での最も小さい幅の曲げに加えて、最
も小さい幅の戻りが観察された。同じ低い値が15又は28日後のいずれかに屠殺し
た両対照群において得られた。これは、(第15日又は第28日のいずれかに屠殺し
た)両方の卵巣切除した生理食塩水処置群で認められた。卵巣切除の後第15日に
1回、NaBPC157のμg量の適用を受けた群においては、肯定的な傾向が観察され
た。NaBPC157で、ng又はμg量のいずれかで処置された他の群の全てにおいて、
有意に良好な結果が得られた。最良の結果は、NaBPC157−μg量の処置を28日間
毎日受けた群において得られた。卵巣切除動物におけるパラメータの全ては顕著
に改善され、改善のレベルは健常群において認められる値を達成する傾向にあっ
た。健常ラットの間では、それらが生理食塩水で処置されたのかNaBPC157(μg
又はng投与量)で処置されたのかに関わりなく、相違は認められなかった。
膣萎縮及び骨粗鬆症の発症の両者に関するヒト卵巣切除状態に関してこれらの
動物モデルの一般に受け入れられる重要性を考慮すると、NaBPC157を卵巣切除治
療において用いることができることが明らかである。
実施例45:腫瘍
材料、方法及び結果:
実験的腫瘍の一般に用いられるモデルの1つは、マウスにおける癌腫及び黒色
腫B−16の転移数の評価に関与する。様々な実験的腫瘍のモデルと同様に、これ
らの実験的腫瘍はヒトの患者において観察される障害とかなりの類似性を共有す
る。種々のプロトコルで適用することで、NaBPC157は、対応する対照よりも処置
したマウスにおける転移数を減少させることが示された。エールリッヒ腹水腫瘍
(EAT)はマウスの全ての系統において成長可能な腫瘍である。これは、それら
の腫瘍細胞が投与される方法に応じて、腹水又は固体の形態で成長することが可
能である。一般には、動物腫瘍モデルはヒトの疾患と部分的にのみ類似性を共有
するが、このモデルの使用は、抗腫瘍剤の研究に適用された場合のその考えられ
る有用性のため、一般に受け入れられている。
エールリッヒ腹水腫瘍を注射したマウスの生存(日数)はほとんど25日未満に
限られていた。腫瘍細胞をNaBPC157(2μg/ml)と共に予備インキュベーショ
ンすることは、その腫瘍細胞を注射した動物の寿命の長期化につながった。90%
を上回る動物が45日の観察期間の最後まで生存した。加えて、様々な細胞成長抑
制薬が、実験動物に加えて、患者における好中球減少を誘発した。シクロホスフ
ァミドは好中球減少の誘発に一般に用いられる薬剤である。シクロホスフアミド
(180mg/kg i.p.)を適用することで、有意の障害が誘発された。NaBPC157は好
中球減少を妨げ、網状赤血球を減少させ、かつヘモグロビン値を改善した。
したがって、NaBPC157の抗腫瘍潜在能力は明らかである。動物モデルとヒトの
状態との明らかな類似性並びにin vivo及びin vitro実験の両者において得られ
た有益な効果を考慮すると、NaBPC157は抗腫瘍治療において有用である。NaBPC1
57は細胞成長抑制性の有害効果の減弱に適する。
実施例46:抗ウイルス活性
材料及び方法:
ARBO−ウイルス(ダニ媒介脳炎(TBE)、バーニア(Bhania)、デング(Dengu
e)1、2、3、4、シンビス(Sinbis)、ウェストナイル、エアロボ(Ea
lovo))、A型肝炎、リンパ球性脈絡髄膜炎(LCM)及び1型ヘルペスを、10-2(
0.02ml/マウス)の希釈率のウイルス懸濁液としてi.c.(又はp.o.(術後)−A
型肝炎)で適用した。NaBPC157(20μg/kg b.w.)又は0.9%NaCl(0.02ml
/マウス)を、a)予備処置投薬プログラムで、b)ウイルスの適用と同時に、又
はc)確立された疾患症状の存在下で感染の4日後に、i.c.又はi.p.で適用した。
結果:
疾患症状の発症及びその結果の死(対照マウスにおいて他の方法では通例感染
後第4及び第5日に現れる)の有意の遅延が、NaBPC157のウイルスとの同時適用の
後に認められた。重度の疾患状況の存在下で投与された場合には、生存時間の有
意の長期化が一貫して認められた。NaBPC157予備処置の後には症状又は引き続く
死のいずれもが完全に欠如していることが明らかであった。
得られた結果を立証するため、NaBPC157又は生理食塩水で予め処置し、かつそ
れぞれ生存し(NaBPC157)(ウイルスの適用にも関わらず)、又は自然に死亡し
た(生理食塩水)マウスから調製した脳懸濁液を接種することにより、適用した
ウイルス懸濁液(ARBO−ウイルス感染)の毒力も試験した。生理食塩水−脳懸濁
液接種マウス(これは、ウイルス懸濁液を接種した生理食塩水処置マウスと変わ
りがなかった)とは異なり、NaBPC157−脳懸濁液接種マウスにおいては疾患症状
又は死亡は観察されなかった。これらのマウスは脳懸濁液接種の後50日間観察し
た。
NaBPC157の有益な効果は高温(56℃で30分間)インキュベーションに耐性であ
った。
これらのウイルスがヒトにおいて同様の障害を誘発することを考慮すると、Na
BPC157はウイルス疾患の治療、特には、一般的な状態が大きく損なわれる(例え
ば、AIDS及びAIDS関連状態)治療において用いることができる。
実施例47:腸の病変
材料及び方法:
NaBPC157(10μg又は10ng/kg i.p.、i.g.)の効果を、ラットにおいて、幾
つかの参照標準との比較で、幾つかの実験的潰瘍モデル(48時間拘束ストレス、
皮下システアミン、胃内96%エタノール潰瘍試験、NSAIAs−病変、DNFB(ジ
ニトロフルオレンゼン(Dinitrofluorhenzene))、食道空腸(esophagojejunal
)末梢−側方吻合の後の逆流性食道炎)(予備/同時/後処置)において調べた
。
結果:
NaBPC157投与プログラムのみが試験したモデルの全てにおいて一貫して有効で
あった。ブロモクリプチン、アマタジン、ファモチジン、シメチジン及びソマト
スタチンは無効である(拘束ストレス)か、又は部分的にのみ有効(ブロモクリ
プチン、DNFB−胴病変;スクラルフェート、ラニチジン、コレスチラミン、逆流
性食道炎)であった。参照ペプチドを考慮すると、用量依存性の保護(システア
ミン)及び/又は部分的な肯定的効果(処置条件に関連)(エタノール)がグル
カゴン、NPY及びセクレチンで得られ、これに対してCCK/26−30/は有効ではな
かった。
これらのモデルは全て胃脛の病変の治療において現在用いられる薬剤のスクリ
ーニングに用いられていること、及びNaBPC157の一貫した有益な効果を考慮する
と、全腸管の病変の治療において好ましく適用されることが明らかである。
実施例48:認知障害に対する効果
材料及び方法:
抗コリン作動性薬剤(スコポラミン、アトロピン、10mg/kg b.w.、i.p.)の
適用はラットにおける有意の認識欠如、水中T字迷路における動物の行動を長期
間評価する、うまく再現された知見につながった。
結果:
対照に対する、スコポラミン及びアトロピン処置ラットにおける誤りの数の増
加を明瞭に立証することができた。この認識欠如は、引き続くNaBPC157(10μg
又は10ng/kg b.w.、i.p.)によって消滅した(得られた値は対照値と同等であ
った)。
ヒトの認識機能障害に関するこれらのモデルの広範に関わり合う重要性を考慮
すると、NaBPC157が認識障害の治療において有用であることが明らかである。
実施例49:禁断障害に対する効果
材料、方法及び結果:
NaBPC157はGABA作動系と相互作用する抗痙攣効果を示し、ジアゼパム(5.0mg
/kg i.p.、1日2回10日間)と同時投与(10μg/kg、10ng/kg i.p.)された場
合にジアゼパムの効力を改善した。NaBPC157はジアゼパム寛容を減弱させ、禁断
効果及び身体的依存を後送りにした。順化投薬プログラムの24時間後の寛容検定
において、ジアゼパム単独で前もって順化されているマウスにジアゼパム(5.0m
g/kg i.p.)が再度投与された場合、イソニアジド処置(800mg/kg i.p.)の後
に健常マウスよりも短い前痙攣潜伏期が観察された。これは、NaBPC157(両用量
)及びジアゼパムで順化した動物においては完全に回避された。身体的依存の検
定(順化処置の6、14、42、及び72時間後に評価)においては、ジアゼパム順化
マウスにおいて、その順化処置の42及び72時間後にイソニアジド処置した後に、
非順化健常マウスよりも短い前痙攣潜伏期が認められた。ジアゼパムと組み合わ
せたNaBPC157(10μg/kg用量)は、この効果を最後に観察した間隔まで後送り
にした。この群においては、6時間間隔で、ジアゼパム順化マウスとは異なり、
イソニアジド前痙攣潜伏期は対応する対照よりも依然として長かった。NaBPC157
はいかなる寛容効果をも生じない。
ヒトの状態に関してこれらのモデルの重要性を考慮すると、NaBPC157が禁断障
害の治療において有用であることが明らかである。
実施例50:腎臓障害に対する効果
材料及び方法:
塩化第二水銀(1mg/kg i.v.)又はシスプラチナ(10mg/kg s.c.)を投与す
ることで実験動物に急性腎不全が生じる。このようにして誘発した場合、腎不全
は対応するヒトの障害と強く相関する。したがって、ラットにおいて誘発された
病変はヒトの患者における対応する病変とかなり高い程度の類似性を共有する。
結果:
NaBPC157は、予備処置及び後処置条件の両者において、ラットにおける病変を
著しく減弱した。片側の腎を摘出することで、残りの腎臓の著しい機能的過負荷
及び機能的肥大が生じた。NaBPC157処置は片側腎摘出動物における利尿を増進し
、残りの腎臓の肥大を減少した。したがって、代償性腎肥大の機能的理論の点か
らは、これらの所見は残りの腎臓の機能の改善ということを強く強調し
ている。これはまた、さらなる生化学的な結果によっても支持される。加えて、
これらのデータは、腎動脈狭窄症の、及び/又は片側腎摘出した高血圧ラットに
おいて得られる効果と完全に一致する。腎臓障害の治療におけるNaBPC157の有用
な用途が明らかである。
実施例51:末梢血リンパ球の細胞性免疫応答
BPCに対する末梢血リンパ球の細胞性免疫応答を、対照及び表2に示される種々
の疾患の患者において調べた。BPCに対する末梢血T細胞の応答を、7日細胞培養
物を用いる、deSmetらによって記述される方法(deSmet MDら,"Cellular immun
e responses of patients with uveitis to retinal antigens and their fragm
ents."Am.J.Ophthal.,110:135-142,1990)によって試験した。細胞を抗原な
しで、及び20μg/lの抗原(BPC157ペンタデカペプチド)と共にインキュベー
トした。各々の患者について、抗原刺激培養物の平均カウントを抗原、すなわち
BPC157ペンタデカペプチドを添加していない対照細胞培養物の平均カウントで割
ることにより刺激指数を算出した。これらの結果を表2に示す。
対照被験体において測定された≦2の対照値(表2)は他の研究者の同様の分子
量を有するペプチドについての値と一致し、すなわち、BPC157ペンタデカペプチ
ドに対する末梢血リンパ球の感作は対照被験体においては観察されなかった。種
々の疾患の患者において、表2に示されるBPCに対する著しい細胞性応答はこの胃
液ペプチドに対する全身性のリンパ球感作を示していた。これらのデータは、明
らかに種々の疾患の患者におけるBPC関連障害の存在を明瞭に示す。これは、対
応する障害の免疫調節治療におけるBPC関連薬剤(例えば、ペンタデカペプチドB
PC157の塩)の適用を示唆する。表2
種々の疾患の11名の患者における末梢血T細胞の刺激指数の上昇 上記薬理学的研究の結果は、ストレス及び疾患に対する臓器の保護及び、一般
には、臓器の機能の正常化におけるBPCペプチドの塩の有利な活性を示す。また
、本発明のペプチド塩は、幾つかのヒト及び/又は動物の疾患及び障害の予防及
び治療に有効でもある。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年5月7日(1999.5.7)
【補正内容】
請求の範囲
1. 8個のアミノ酸残基を含んでなるBPC(Body Protection Compound)ペプチドの
塩であって、
該塩のアニオンが、一般式
[Zaa Pro Pro Pro Xaa Yaa Pro Ala](-) または(2-)
〔式中、
Xaaは、中性脂肪族アミノ酸残基であり、
Yaaは、塩基性アミノ酸残基であり、
Zaaは、酸性アミノ酸残基である〕
で表される負に帯電したペプチドであり、該塩のカチオンが、無機または有機
の無毒な塩基のカチオンである、前記BPCペプチドの塩。
2. 前記カチオンが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Zn2+、第1級、第2級、
および第3級アミン、特に、Na+、K+、Li+、Cs+、Ca2+、NH4+、トリエタノール
アミン+、シクロヘキシルアミン+、2-AMP+(2-アミノ-1-プロパノール)、お
よびTRIS+(トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン)からなる群より選ば
れる、請求項1に記載の塩。
3. Xaaが、Ala、bAla、Leu、Ile、Gly、Val、Nle、またはNvaであり、
Yaaが、Lys、Arg、Orn、またはHisであり、
Zaaが、Glu、Asp、Aad、またはApmである、請求項1または2に記載の塩。
4. 製薬上または診断上許容される担体を更に含んでなる、請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の塩。
5. トレハロースを更に含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩。
6. 前記一般式が、 である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩。
7. 前記ペプチドが、 からなる群より選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩。
8. 前記ペプチドが、特に最初と最後のアミノ酸残基間でアミド結合により環化
されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の塩。
9. 前記塩が、好ましくはpH6.0〜8.5の水性または水性/アルコール性の溶液中
に溶解されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の塩。
10. 製薬上有効な量の、請求項1〜9のいずれか1項に記載のBPCペプチド塩と、
場合により、生理学的に許容される担体とを含んでなる、適合性および貯蔵安
定性のある医薬組成物。
11. トレハロースと混合された、経口投与で使用するための、請求項10に記載
の医薬組成物。
12. 診断上有効な量の、請求項1〜9のいずれか1項に記載のBPCペプチド塩を含
んでなる、貯蔵安定性のある診断用組成物。
13. 酸化窒素(NO)の生成またはNO系の機能の欠陥に伴う障害、特に、高血圧
症、アンギナ、インポテンス、循環性および敗血症性ショック、卒中、炎症、
呼吸窮迫症候群、血小板および白血球の粘着および凝集、内皮機能不全、胃腸
炎、蠕動異常、糖尿病、膵炎、低血圧症、ならびにパーキンソン病;
体性感覚神経の機能不全または機能亢進、特に、感覚神経障害、ヘルペス後
神経痛、アトピー性皮膚炎、損傷組織の治癒障害、後天性の寒冷および温熱蕁
麻疹、乾癬、水疱性類天疱瘡、湿疹、光線過敏症、慢性関節炎、胃腸炎、なら
びに上気道および下気道の特異的または非特異的反応亢進(喘息、鼻炎);
内皮障害;
創傷、潰瘍;
急性および/または慢性炎症に関連した症状、特に、慢性関節炎、および遅
延型過敏症に関連した疾患、ならびに胃腸炎;
肝臓疾患、特に放射線照射により発生する遊離基によって誘発される器官障
害;
カテコールアミン作動系障害に伴う疾患、特に、神経分裂症、アンフェタミ
ン攻撃作用、薬物乱用;
ストレス関連症状;
急性膵炎;特に、随伴性胃十二指腸炎を伴う急性膵炎;
心臓障害;
抑鬱症;
パーキンソン病およびパーキンソン病様症状;
体温障害;
骨機能障害;
高血圧により誘発される種々の器官損傷;
凝固障害;
疼痛障害;
痙攣障害;
脊髄損傷;
アルコール乱用またはアルコール摂取量の増大により誘発されるアルコール
性障害;
脳虚血性疾患;
末梢神経障害;
カタレプシー疾患および神経弛緩障害;
異常および突然変異リンパ球に関連した疾患;
胎児障害;
卵巣摘出状態から生じる膣萎縮および骨粗鬆症の進行;
腫瘍;
ウイルス性疾患、特に、AIDSまたはARC;
胃腸炎;
認知障害;
退薬症状;
腎臓障害および細胞性免疫応答の障害;
の治療を行うための、請求項10に記載の適合性および貯蔵安定性のある医薬組
成物を製造するための請求項1〜9のいずれか1項に記載のBPCペプチド塩の使用
。
14. 細胞保護剤および器官保護剤としての、請求項10に記載の適合性および貯
蔵安定性のある医薬組成物を製造するための請求項1〜9のいずれか1項に記載
のBPCペプチド塩の使用。
15. 少なくとも1種のBPCペプチドを水性または水性/アルコール性の溶媒中で1
種以上の塩基と混合してBPCペプチド塩にすることにより、請求項1〜9のいず
れか1項に記載のBPCペプチド塩を製造する方法あって、該塩のカチオンが無機
または有機の無毒な塩基のカチオンである前記方法。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ
,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AU
,BA,BG,BR,CA,CN,CU,CZ,EE,
GE,HU,ID,IL,JP,KR,MX,NO,N
Z,PL,SK,TR,UA,US,UZ,YU
(71)出願人 グラバレヴィック,ゼリコ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,ミクリック オドヴォジャク
7
(71)出願人 ロトクヴィック,イーヴォ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,クヴィエトノ,ナセリエ 21
(71)出願人 ミセ,スティエパン
クロアチア共和国 エイチアール―58000
スプリト,ルーズヴェルトヴァ 37
(71)出願人 ドゥヴニャック,マルコ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,メドゥリセヴァ 18ビー
(71)出願人 ウドヴィシック,イヴァン
スイス国 シーエイチ―6370 スタンス,
エネトモーセルシュトラーセ 16
(72)発明者 シキリク,プレドラグ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,ジュリシセヴァ 5
(72)発明者 ペテク,マリジャン
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,ヴィスンジカ 29
(72)発明者 セイワース,スヴェン
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,パルモティセヴァ 17
(72)発明者 ターコヴィック,ブランコ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,バウエロヴァ 18
(72)発明者 グラバレヴィック,ゼリコ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,ミクリック オドヴォジャク
7
(72)発明者 ロトクヴィック,イーヴォ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,クヴィエトノ,ナセリエ 21
(72)発明者 ミセ,スティエパン
クロアチア共和国 エイチアール―58000
スプリト,ルーズヴェルトヴァ 37
(72)発明者 ドゥヴニャック,マルコ
クロアチア共和国 エイチアール―41000
ザグレブ,メドゥリセヴァ 18ビー
(72)発明者 ウドヴィシック,イヴァン
スイス国 シーエイチ―6370 スタンス,
エネトモーセルシュトラーセ 16