JP2000516828A - 改善されたヘパリン化生体物質の作製方法 - Google Patents

改善されたヘパリン化生体物質の作製方法

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Abstract

(57)【要約】 血液接触表面に不動化ヘパリンを有する医療装置を作製する方法で、共有結合的に付着されたヘパリン化表面が、不動化ヘパリンにより活性化されてフィブリノーゲンの凝固を防ぐことができる吸着蛋白質とともに供給される。アンチトロンビンIIIが好ましい吸着蛋白質である。吸着蛋白質は、医療装置が患者の血液に接触して置かれるまで、不動化ヘパリン表面に保持される。患者の血液に接触すると、吸着蛋白質は生体物質界面で初期のトロンビン形成を防ぐ。ATIIIの予備吸着が、最大限のヘパリン/ATIII結合に有利な条件下で成就される。予備吸着された表面が全血液と接触すると、ATIII/ヘパリンの予防性の最大限の利点が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 改善されたヘパリン化生体物質の作製方法 発明の背景 本発明は、表面に結合する多糖群を含む生体分子を有する種々の表面の生体適 合性の強化に関し、特に共有結合的に付着するヘパリンを有する生体物質の改善 された血液適合性の提供に関する。 身体の内外における代用血管、合成および眼内レンズ、電極、カテーテルなど として、または手術もしくは透析において助けとなるよう身体に結びつけるよう 意図された体外装置として役立つ医療装置は、周知である。しかし、医療装置に おけるそのような生体物質の使用は、急速なトロンボゲン作用など、不利な身体 応答を刺激する。種々の血漿蛋白質は、プラスチックの表面への血小板およびフ ィブリン付着を開始するのに役割を果たす。この作用は、血液の流れを妨げる血 管の締めつけに至り、それに伴う炎症性反応は、医療装置の機能損失に至る。 「生体物質」とは、体液に実質的に不溶性で、身体の内外に置かれるかもしく は体液に接触するように設計および構成されている物質として定義できる。理想 的には、生体物質は、血液凝固、組織死、腫瘍生成、アレルギー反応、異体反応 (拒絶)もしくは炎症性反応などの体内の望ましくない反応を含まず;意図され た目的のために機能するよう要求される強度、弾性、透過性、柔軟性などの物理 的性質を有し;容易に精製、加工、殺菌でき;身体に移植もしくは身体に接触し ている間の物理的性質および機能を実質的に維持する。 ここでは、生体物質の固体表面は、もしそれが生体液および/または生体の組 織に接触して、生体に有益な効果をもって機能もしくは存在できれば、「生体適 合性がある」と特徴づけられる。生体物質の改善された生体適合性への一つのア プローチは、成長因子、抗菌因子、抗トロンボゲン因子、細胞付着蛋白質などの 種々の「生体分子」を物質の表面へ付着させることである。 血液と接触する表面を有する物質について特に重要なのは、身体の止血過程は 、物質の表面の存在が引き金になる傾向がある。止血過程は、ふつう傷に対する 身体応答として開始する。血管壁が傷つくと、血小板が損傷した内皮もしくはさ らされた内皮下層に接着する。血小板の接着に続いて、細胞内の中身の凝集およ び 分泌の準備として、これらの細胞が互いに密着しあう。同時に、たぶん接触因子 の静電荷により、凝固カスケードの活性化がある。これらの凝固性蛋白質の結果 として起こる段階的相互作用は、結果として溶解性糖蛋白質を不溶性ポリマーに 変換することになり、それはアミド基転移の後、抵抗できない固化した血栓を生 じる。 ヘパリンなどの多糖の生体物質への不動化は、生体および血液適合性を改善す るために広範に渡って研究されてきた。ヘパリン化物質の減少したトロンボゲン 形成の原因となるメカニズムは、AT-IIIによるセリンプロテアーゼ(血液凝固 酵素)の不活性化を促進するヘパリンの能力に存在すると信じられている。その 過程において、AT-IIIは、ヘパリンの明確に定義されたペンタサッカライド配 列と錯体を形成し、立体配座の変化を経験し、かくてAT-IIIの能力を強化して トロンビンなどのセリンプロテアーゼの活性部位との共有結合を形成する。形成 されたTAT錯体は、ついで多糖から離れ、ヘパリン分子を第二ラウンドの不活 性化用に背後に残す。 ふつう、ヘパリンの生体物質への共有結合不動化は、生体物質およびヘパリン (−COOH、−OH、−NH2)上の官能基との間のカップリングが成就され るような方法で物質を活性化することからなる。例えば、ラーム(Larm)は 、(米国特許4,613,665において)制御された亜硝酸分解段階を通して ヘパリンを活性化し、一部が遊離の末端アルデヒド基を含む分解ヘパリン分子を 生じる方法を提示した。この形のヘパリンは、還元アミノ化工程でアミノ化表面 に共有結合される。分子は分解し、その結果溶液中の触媒活性が減少するが、こ のタイプのヘパリンの表面への終点付着は、結果として生体分子の表面への適切 な提示による真の抗トロンボゲン形成をもたらす。この方法で、分子は自由にA T-IIIおよび凝固酵素と相互作用し、血栓およびミクロ塞栓の発生を防ぐ。 天然の官能基によるかまたは末端アルデヒド基を通してのヘパリンのカップリ ングの他に、無作為に過ヨウ素酸酸化により鎖に導入されるアルデヒド基による ヘパリンのカップリングも記載された。ソロモン(Solomon)等(米国特 許4,600,652および4,642,242において)、およびヒュー(H u)等(米国特許4,720,512;4,786,556;5,032,66 6および5,077,372において)は、過ヨウ素酸酸化後にヘパリンをアミ ノ化ポリウレタンにカップリングして、安定して結合したヘパリンの高荷重を有 する物質を得て、発明者等は物質の優れた抗トロンボゲン形成を主張している。 その後の洗浄もしくは他の表面処理により除去された未結合もしくはゆるく結 合したヘパリンにより生体物質の表面にヘパリンが共有結合によりしっかりと結 合している表面上では、表面が、表面上の活性ヘパリンが高レベルであっても、 初期のトロンボゲン形成を示しうることが観察された。この理由は、ヘパリンが 物質の表面にしっかりと結合して血液の大半に放たれないこと、および生体物質 の表面が、表面上のヘパリンへのAT-III取込みを妨げうる、トロンビンを含む 血漿蛋白質を引きつけることであると考えられる。即ち、トロンビン活性が残る ためには、結合したヘパリンとのAT-III錯体の形成は阻害されてよい。 したがって、本発明の目的は、血液と接触する際に改良されたAT−III活性 化を有する、共有結合された活性ヘパリンを有する生体適合性表面を提供するこ とである。 発明の概要 上記目的および他の目的は、本発明により達成される。我々は、不動化ヘパリ ンにより活性化されてトロンビンによるフィブリノーゲンの凝固を妨げる吸着蛋 白質とともにヘパリン化表面が提供される、血液と接触する表面に不動化ヘパリ ンを有する医療装置を開発した。本発明は、特に、表面に共有結合的付着により 不動化されたヘパリンを含む表面に有用であるが、それはヘパリンが表面から自 発的に離れないからである。いくつかの血漿蛋白質は、トロンビンおよび他のセ リンプロテアーゼの活性を阻害することが知られている。AT-IIIは、本発明に おいては好ましい吸着蛋白質であるが、それはそれがヘパリンにより活性化され てトロンビンを阻害するから、またXIa、IXa、XaおよびXIIなどの凝固経路の他 のセリンプロテアーゼをも阻害するからである。 吸着蛋白質は、医療装置が患者の血液と接触して置かれるまで、不動化ヘパリ ン表面上に保持される。患者の血液と接触すると、吸着ATIIIは生体物質と血 液の界面での初期トロンビン形成を妨害し、過剰のトロンビン形成を引き起こす 血小板活性化を減じる。結果として、血液と物質の界面でのトロンビンの形成は 妨 げられ、クロットの形成は遅れる。ATIIIの予備吸着は、最大限のヘパリン/ ATIII結合に有利な条件下で達成され、ヘパリン表面への全血中の他の蛋白質 との明らかな競争的吸着により減じられない。予備吸着表面が全血と接触すると 、ATIII/ヘパリンの予防性の最大限の利点が得られる。 図面の簡単な説明 図1は、生体物質表面により生成したトロンビンの時間函数としてのプロット であり、本発明による表面と他の生体物質表面との比較を提供する。 発明の詳細な説明 本発明の方法において、医療装置が、改善された生体適合性の血液適合性表面 をもって提供される。医療装置により、手術の間血液に接触する表面を有し、血 液がその後患者の循環系で用いられる装置を意味する。これには、例えば、血液 と接触し、ついで血液が患者に戻される血液酸素添加器、血液ポンプ、血液セン サー、血液を運ぶために使用される管などが含まれる。また、血管もしくは心臓 に移植される血管グラフト、ステント、ペースメーカーリード、心臓バルブなど 、人間や動物の身体に血液を接触させて移植された内人工器官も含まれる。さら に、監視もしくは治療の目的で、血管もしくは心臓に置かれるカテーテル、ガイ ドワイヤーなどの一時的に脈管内で使用するための装置も含まれる。 抗血栓表面は、ヘパリンを装置の表面に共有結合により不動化させることによ り供給される。ヘパリンについて、我々は、抗凝固性を有する直鎖陰イオンムコ 多糖の異質性群であるグリコサミノグリカンを意味する。ここで使用されるヘパ リンは、抗凝固剤としてのヘパリン調製のための従来方法により組織から得られ る製剤である。ヘパリン製剤は、必要なら、人間の組織を含めて、種々の哺乳類 の組織から得られる。一般に、ブタもしくはウシ源が、ブタの腸粘膜であるヘパ リンの出発材料の好ましい組織とともに用いられる。この組織源から調製された ヘパリン製剤は、市販されている。 多くの方法がヘパリンを付着させるために使用されてよいが、好ましい方法は 、ヘパリン分子上のアルデヒド基に結合できる不動化アミン基を有する装置の血 液接触表面を提供することである。そのようなアミン基は、当業者に周知の方法 で供給できる。例えば、アミン官能性スペーサー分子は、1個の生体分子および / もしくは複数の生体分子を不動化するために使用される。スペーサーは、生体分 子の活性部位が体液と効率的に接触するように支持体から離されることを確実に する。スペーサーは、少なくとも2つの反応性官能基を有する有機分子から誘導 されるか、あるいはさらに一般的には、分子の向かい合う端に位置する。そのよ うな基は、スペーサーを固体表面および生体分子にカップリングできる付着ビヒ クルとして役立つ。例えば、ナラヤナン(Narayanan)等による米国特 許5,132,108では、コポリマー表面が、水蒸気プラズマ媒体の存在下そ れを高周波電界に付すことによる高周波プラズマ処理に付された。ポリエチレン イミン(PEI)および1−(3−ジメチルプロピル)−3−カルボジイミド( EDC)カップリング剤との水溶液が、高周波プラズマ放電改質ポリウレタン表 面に適用された。ヘパリンおよびEDCの水溶液がついで、抗トロンボゲン剤を 表面に固定させたポリマー表面を与えるために、PEI処理表面に適用された。 しかし、ポリウレタン表面の異質性を考慮すると、多官能価スペーサー分子での コーティングですら保証されない。追加事項が、例えば、ゴランダー(Gola nder)等による米国特許4,565,740、もしくはラーム(Larm) 等による米国特許5,049,403により、提供される。これらの特許の1番 目では、ポリマー陽イオン界面剤(例、ポリアルキレンイミン)とジアルデヒド (例、グルタルアルデヒド)との錯体が、基体物質に吸着されている。これらの 特許の2番目では、ポリアミンが、基体の表面に吸着され、クロトンアルデヒド と架橋されている。陰イオン物質の中間層を含む多重コーティングがついで適用 されて、有効なコーティングが得られる。しかし、これら架橋コーティングは、 表面への吸着および表面への陰イオン結合に頼っていて、それは表面にコーティ ングの良好な結合を与えることができない。本発明の発明者は、ここに引例とし て組み込まれた彼等の米国特許5,229,172;5,308,641および 5,350,800における多層コーティングの使用を通じて、生体物質の生体 適合性における改善に貢献した。例えば、米国特許5,229,172において 、我々は、種々のスペーサーおよび生体分子を付着させるために使用される、グ ラフトされたアクリルアミドの基層をポリマー表面に与えることにより、ポリマ ー物質の表面特性を改質する方法を発見した。あるいは、米国特許5,308, 6 41において、我々は、アミン化基体に共有結合的に付着され、アルデヒド基に おいては二官能価である架橋剤で架橋されたポリアルキレンイミンを含む改善さ れたスペーサー物質を発見した。あるいは、米国特許5,350,800におい て、我々は、カルボキシル基を有する生体分子をカルボジイミドによりアミン化 固体表面に付着させ、ついで選択的にカルボキシル基の生体官能価を回復する方 法を発見した。 金属もしくはガラスの表面に関しては、そのような多層コーティングの基層の 結合は、金属もしくはガラスの基体とグラフトされた基層との間に共有結合を与 えるための有機構造物がないので、問題となり得る。他は、アミノシランを表面 に接着させ、ついで生体分子をアミノシランのアミン官能価を通じてアミノシラ ンに付着させることにより、金属およびガラスの結合の問題に向かっていた。こ れは、ローランド(Rowland)等により出された米国特許5,355,4 33に見られ、そこではアミノシランが、ヘパリン分子を酸化タンタルの表面に 付着させるために使用されている。アミノシランはまた、エリックソン(Eri ksson)等により出された米国特許4,118,485に、ガラスもしくは 金属の表面にヘパリン分子を付着させることに関連して開示されている。 好ましくは、不動化アミン官能価は、軽く架橋されたポリアルキレンイミンが 基体に共有結合的に付着されている我々の米国特許5,308,641において 開示された方法と同様の方法で与えられる。 ポリアルキレンイミンについて、我々は、1−未置換イミン、1−置換塩基性 イミン、活性化イミン(1−アシル置換イミン)、異性オキサゾリン/オキサジン 等のアジリジンおよびアゼチジンモノマーから発達する水溶性、親水性ポリアミ ンを含むことを意味する。本発明で使用されるポリアルキレンイミンは、好まし くは高度に枝分れしており、それにより第一、第二、および第三アミン基を有し ている。かくて、古典的な陽イオン鎖生長反応重合により重合されるエチレンイ ミンは、単独またはエチレンイミンとの共重合に適する他のモノマーと共に、本 発明に使用できる。そのようなポリエチレンイミンの好ましい分子量は、約60 ,000〜約1,000,000の範囲でありうる。 ヘパリンをアミンに付着させるためには、ヘパリンを制御された酸化に供し、 ヘパリン分子に反応性アルデヒド基を与えたり、あるいはヘパリンをカルボジイ ミドの付着によりその天然のカルボキシル基により付着させることができる。ヘ パリン分子の酸化は、ヘパリンを過ヨウ素酸もしくは亜硝酸で処理して達成され る。好ましくは、過ヨウ素酸をヘパリンの緩衝水溶液に添加し、ヘパリンと反応 させる。水溶性過ヨウ素酸はいずれも使用できるが、好ましくは過ヨウ素酸は過 ヨウ素酸ナトリウムなどのアルカリ金属過ヨウ素酸である。過ヨウ素酸の必要量 は、ヘパリン分子のたった2つの糖単位と反応するに十分な量である。糖につい て、我々は、グリコサミノグリカンの構造を構成する塩基性糖残基を意味する。 使用される過ヨウ素酸が過ヨウ素酸ナトリウムで、使用されるヘパリンが市販さ れる注入可能な形のヘパリン(例、160u/mgの活性をもつそのナトリウム 塩)ならば、ヘパリンの過ヨウ素酸に対する重量比は、ヘパリン分子のたった2 つの糖単位と反応するためには、約30:1以下でなければならない。他の過ヨ ウ素酸化台物およびヘパリンの他の形に必要な過ヨウ素酸の量が、従来の計算お よび実験により決定できることは、当業者に理解されるだろう。 ヘパリンと過ヨウ素酸との間の反応は、水性緩衝溶液中で起こる。一般に、中 性から約4.5〜8のやや酸性がかった範囲のpHを有する緩衝液は、急速な反 応が望まれるなら低いpH(例、pH=4.5の酢酸緩衝液)が好適に使用でき 、一方、長い貯蔵寿命をもつゆっくりな反応には、もっと中性のpH(例、pH =6.88の燐酸緩衝液)が好まれる。pH4.5の酢酸緩衝液では、反応は約 3時間で進められ、pH6.88の燐酸緩衝液では、反応は約16時間で進めら れる。必要なら、反応溶液は、次いで、5℃での使用に先立って貯蔵してもよい 。中性pHでの反応混合物の貯蔵安定性は、2〜14日延長できる。 酸化ヘパリンを付着させる際、反応混合物をまず稀釈し、混合物のpHをカッ プリング反応に好都合なpHにするためにpHを調整する。例えば、反応混合物 を酢酸緩衝液(pH=4.5)で稀釈できる。シアノボロヒドリドナトリウムな どの穏やかな還元剤を稀釈混合物に添加し、酸化ヘパリン上の反応性アルデヒド 基と被処理表面に不動化されたアミン官能基との間に形成される結合の還元を実 施する。被処理表面は、ついで稀釈混合物に浸し、十分な温度および時間で培養 して反応を完了する。例えば、反応は、約1〜3時間50℃で完了できる。反応 の終わりにあたり、表面を洗浄して、ゆるく結合されたヘパリンを除去する。 ついで不動化ヘパリンを有する表面は、フィブリノーゲンの凝固を防ぐために 、血液凝固蛋白質の作用を阻害できる吸着蛋白質分子をもって与えられる。「蛋 白質分子」について、我々は、フィブリノーゲンの凝固を防ぐためにヘパリンに より活性化される自然発生の蛋白質もしくは蛋白質断片を意味する。好ましい蛋 白質は、ヘパリンに活性化されてトロンビンを不活性化することで知られるアン チトロンビンIIIである。蛋白質は、装置が患者の血液と接触させられる直前に( 例、医療装置が移植される直前に外科医により)、不動化ヘパリンとともに表面 に付着されるか、もしくは吸着蛋白質を有する不動化ヘパリンが、無菌装置を不 動化ヘパリンおよび吸着蛋白質で乾燥させて、ついで装置を従来の手段でパッケ ージおよび殺菌することにより、その無菌装置に供給されうる。蛋白質は、吸着 により容易にヘパリン化表面に結合できる。例えば、アンチトロンビンIIIは、 HEPES緩衝液中で2、3分ヘパリン化表面と接触させ、表面を洗浄して非結 合アンチトロンビンを除去して培養できる。 下記実施例1〜2は、いかにしてヘパリンコーティングが表面に供給されるか 、および如何にしてアンチトロンビンIIIがヘパリンコーティングに供給される かを示す。 実施例1 一本のコイルタンタルワイヤを、2%のマイクロクリーン(Micro−cl ean)中で30分間超音波洗浄し、ついで脱イオン水で30分間超音波処理し た。この最後の段階を繰り返し、その後コイルをイソプロパノールで洗浄し、5 O℃で20分間乾燥させた。 洗浄したコイルを、トリクロロビニルシラン(Merck Darmstad t、FRG)をキシレンに溶解した2%溶液中で60秒間渦巻きを起こさせ、つ いでキシレンで60秒間、イソプロパノールで60秒間、水で60秒間、最終的 にアセトンで洗浄した。ついで、コイルを一晩中風乾させた。 ついで、乾燥コイルを、35重量%の新鮮に蒸留したアクリル酸および5重量 %のアクリルアミドの水溶液15mlを満たしたガラス管に入れた。そのモノマ ー溶液15mlに、セリウム硝酸アンモニウム(0.1M)を硝酸(0.1M) に溶解した溶液0.9mlを添加した。脱気を、約18mmHgで3〜5分間実 施し、ついで10分間の超音波処理、35〜40分間の追加培養と続いたが、す べて室温で実施した。ついでグラフトさせた試料を、50℃で脱イオン水で10 回洗浄し、それに50℃での一晩中の培養が続いた。取り出した試料は、トルイ ジンの青い溶液に漬けると、濃い染色を示した。 0.1重量%PEI(BasfからのPolymin SN、重量平均分子量 60,000)をpH9.0の0.1M硼酸に溶解した溶液を調製し、それに水 溶性カルボジイミド(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボ ジイミド(HCl、Aldrich)を、0.05Mの濃度まで添加した。カル ボジイミドの溶解直後に、グラフトさせたコイルを、静かに振蓋させながら、5 0分間溶液と接触させた。水で十分洗浄した後、コイルはヘパリン化用に準備さ れた。 NaIO40.165mg/mlを、自然のままのヘパリン(Akzo)5m g/mlの0.05M燐酸緩衝液(pH=6.88;0.025MK2HPO4+ NaH2PO4 *2H2O)に光を遮断して添加して、酸化ヘパリンを調製した。一 晩中酸化した後、結果として得られたヘパリン溶液を、pH=4.6の0.4M 酢酸に1:20の割合で稀釈した。0.1mgのNaCNBH3/mlを稀釈ヘ パリンに添加し、コイルをこの溶液中50℃で2時間培養した。ついでコイルを 脱イオン水、1MのNaClおよびもう一度水で洗浄し、ゆるく結合したヘパリ ンを除去した。 この表面を、500nMアンチトロンビンとともに37℃で15分間HEPE S緩衝液で培養させて、アンチトロンビンIIIとともに供給できる。ついでその 表面を洗浄し、未結合アンチトロンビンを除去できる。 実施例2 ポリウレタン試料を、グラフトさせたポリアクリルアミドもしくはポリアクリ ル酸表面とともに供給した。試料をまずコロナ処理して、表面に反応基を作った 。処理シートを、アクリルアミドの40重量%溶液に(もしくは15%アクリル 酸および25%アクリルアミドの溶液に)撹拌しながら入れ、それに1.75m lのセリウムイオン溶液(13.7gのセリウム硝酸アンモニウム(CAN)お よ び15.75gの発煙硝酸を、水と250ml容積の水溶液に混合して作製)を 、アクリルアミド溶液100gにつき添加した。ついで実験試料を、モノマー溶 液と室温で1時間反応させた。ついで試験試料をモノマー溶液から取り出し、脱 イオン水で完全に洗浄した。 アクリル酸およびアクリルアミドで作製された試料について、エチレンジアミ ンを、0.5Mエチレンジアミン・2HClおよび0.5Mの4−モルフィレン エタンスルホン酸を含む緩衝液中で試料を培養させることにより、グラフトさせ たポリマーのカルボキシル基にカップリングさせ、pH=5.0とした。水溶性 カルボジイミドを0.1Mの濃度まで添加し、アミン化を室温で1時間実施した 。ついで試験試料を、pH=4.6の0.2M酢酸緩衝液、1MのNaClおよ び多量の水で完全に洗浄した。 アミン化ポリウレタン試料が、共有結合的に付着されたヘパリンとともに供給 された。試験試料を、緩衝液(0.5Mの4−モルホリンエタンスルホン酸(M ES);pH=5.0)1mlにつき、5mgのヘパリン(ブタの腸粘膜から) の溶液に浸漬させた。水溶性カルボジイミド(1−(3−ジメチルアミノプロピ ル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(EDC)を0.01Mの濃度まで添加し た。 NaIO40.165mg/mlを、自然のままのヘパリン(Akzo)5m g/mlの0.05M燐酸緩衝液(pH=6.88;0.025MK2HPO4+ NaH2PO4 *2H2O)に光を遮断して添加して、酸化ヘパリンを調製した。一 晩中酸化した後、結果として得られたヘパリン溶液を、pH=4.6の0.4M 酢酸に1:20の割合で稀釈した。0.1mgのNaCNBH3/mlを稀釈ヘ パリンに添加し、コイルをこの溶液中50℃で2時間培養した。ついでコイルを 脱イオン水、1MのNaClおよびもう一度水で洗浄し、ゆるく結合したヘパリ ンを除去した。 ヘパリン化試料のいくつかを、HEPES緩衝液および500nMアンチトロ ンビンで37℃で15分間培養させて、吸着アンチトロンビンIIIとともに供給 した。残りのヘパリン化試料を、アンチトロンビンを含まない同じ溶液中で培養 した。 これらの試料を、本発明の有効性の比較試験用に使用した。比較試料の第一群 には、追加処理を施さないアクリルアミドグラフトポリウレタンが含まれた。比 較試料の第二群には、アンチトロンビンで処理したアクリルアミドグラフトポリ ウレタンが含まれた。比較試料の第三群には、付着ヘパリンを含むがアンチトロ ンビンを含まないアクリル酸/アクリルアミド試料が含まれた。本発明により作 製された試料には、付着ヘパリンおよびアンチトロンビンを含むアクリル酸/ア クリルアミド試料が含まれた。 試験試料を、血小板強化血漿(静脈穿刺後、血液9部につき0.12Mのくえ ん酸三ナトリウム1部の割合で集められ、ついで室温250Gで15分間遠心分 離させたくえん酸塩加血液)中、37℃で培養させた。CaCl2(20mMの 最終濃度)を血漿に添加して、凝固を開始させた。表示時間ポイントで、血漿を 、HEPES−EDTAおよびトロンビン基体(スウェーデンのChromog enicsからのS2238)を含むキュベットに移した。結果を図1に示した 。曲線1として表示されるヘパリンおよびアンチトロンビン処理のない表面は、 トロンビンの初期的スパイクを有していた。曲線2として表示されるアンチトロ ンビン処理を施したがヘパリンのない表面は、曲線1のそれと実質的に同じトロ ンビンの初期的スパイクを有していた。曲線3として表示される付着ヘパリンを 有するがアンチトロンビンIIIのない表面は、初期的トロンビンスパイクを有し ていたが、20〜30分間でスパンはトロンビン産出の増加を示した。曲線4で 表示される本発明により作製された表面は、測定期間を通じて平らで、試験試料 にトロンビンが存在しないことを示した。試料の観察は、ヘパリンおよびアンチ トロンビンを有する試料の60分間試験の間、トロンビンがなく凝固が全く見ら れない18.3分間のヘパリン化試料の凝固時間をもつこれらの結果と一致した 。 本発明を特別な実施態様および実施例に関連させて説明したが、本発明がかな らずしもそのように限定されてはいないこと、および実施態様、実施例および用 途から数多くの他の実施態様、実施例、用途、改良および変更が、発明の概念か ら逸脱することなくなされ得ることは、当業者には理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ファウアヘ,ベネディクテ オランダ王国エヌエル―6211 イェーセー マーストリヒト,アフター・デ・モレン ズ 7 (72)発明者 フェルフーフェン,ミヘル オランダ王国エヌエル―6221 ベーデー マーストリヒト,パラレルヴェーク 39 (72)発明者 キャハラン,リンダ・エル オランダ王国エヌエル―6166 カーエー ヘレーン,エレハストラート 10 (72)発明者 ヘンドリクス,マルク オランダ王国エヌエル―6432 フンズブル ーク,ラームバウストラート 118 (72)発明者 ブレゼル,ロン オランダ王国エヌエル―マーストリヒト, タウスラゲルスドレーフ 8デー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヘパリンを共有結合により医療装置の血液接触表面に不動化させ、ゆるく 結合したヘパリン分子を除去する段階により血液接触医療装置を作製する方法に おいて、蛋白質をヘパリン不動化表面に吸着させ、前記蛋白質がヘパリンにより 活性化され、血液凝固蛋白質の作用を阻害してフィブリノーゲンの凝固を防ぐこ とを特徴とする改善方法。 2.蛋白質がアンチトロンビンIIIである、請求項1の方法。 3.ヘパリンを共有結合により医療装置の血液接触表面に不動化させ、医療装 置のヘパリン不動化表面を殺菌する段階により作製された血液接触表面を有する 医療装置を作製する方法において、蛋白質を殺菌の前にヘパリン不動化表面に吸 着させ、前記蛋白質がヘパリンにより活性化され、血液凝固蛋白質の作用を阻害 してフィブリノーゲンの凝固を防ぐことを特徴とする改善方法。 4.蛋白質がアンチトロンビンIIIである、請求項5の方法。
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