JP2001240468A - 光コネクタ用ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents

光コネクタ用ジルコニア焼結体及びその製造方法

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JP2001240468A
JP2001240468A JP2000050974A JP2000050974A JP2001240468A JP 2001240468 A JP2001240468 A JP 2001240468A JP 2000050974 A JP2000050974 A JP 2000050974A JP 2000050974 A JP2000050974 A JP 2000050974A JP 2001240468 A JP2001240468 A JP 2001240468A
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zirconia sintered
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善宏 小林
Toshihiko Maeda
寿彦 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フェルール先端面の研磨性に優れ、しかも水分
の存在する高温雰囲気中での耐久性に優れれた光コネク
タ用ジルコニア焼結体を得る。 【解決手段】ZrO2を主成分とし、Y23を5.5〜
6.5重量%、Al23を0.1〜0.5重量%、及び
SiO2を0.001〜0.1重量%含有し、かつZr
2の平均結晶粒径を0.28〜0.4μmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、フェルールやスリ
ーブなどの光コネクタ用部材に好適なジルコニア焼結体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信における情報量の増大に伴
い、光ファイバを用いた光通信が使用されている。この
光通信において、光ファイバ同士の接続、あるいは光フ
ァイバと各種光素子との接続には光コネクタが用いられ
ている。
【0003】例えば、光ファイバ同士を接続する光コネ
クタの場合、フェルールに形成された貫通孔に光ファイ
バの端部を保持し、一対のフェルールをスリーブの両端
から挿入して、内部で凸球面状に加工した端面同士を当
接させるようにした構造となっている。
【0004】上記フェルールやスリーブの材質としては
セラミックス、金属、プラスチック、ガラス等、さまざ
まなものが試作されてきたが、現在は大半がセラミック
ス製となっている。その理由は、セラミックスは加工精
度が高く、内径、外径の公差を1μm以下と高精度にす
ることができ、しかもセラミックスは摩擦係数が低いた
め光ファイバの挿入性に優れ、剛性が高く熱膨張係数が
低いことから外部応力や温度変化に対して安定であり、
耐食性にも優れているためである。
【0005】さらに、セラミックスとしては、近年、ア
ルミナからジルコニアに大半が置き代わりつつある。こ
のジルコニア焼結体は、ヤング率がアルミナの約半分と
低いため、2個のフェルールの先端面同士を当接する際
に、小さな応力で密着性を高めることができ、また強
度、靱性が高いことから信頼性を向上することができる
(特公平8−30775号公報参照)。
【0006】上記光コネクタ用ジルコニア焼結体とし
て、ZrO2を主成分として安定化剤として2.5〜
3.5モル%程度(約4.5〜6.2重量%)のY23
を含有する原料を成形し、焼成して平均結晶粒径0.4
〜0.6μmとした正方晶の結晶相を主体としたジルコ
ニア焼結体が提案されている(特開平6−337327
号公報参照)。
【0007】又、ZrO2を主成分とし、安定化剤とし
てY23を含有する原料にAl23を0.2〜0.3重
量%添加した原料を成形し、焼成した正方晶の結晶相を
主体とした光コネクタ用のジルコニアが提案されている
(特開平10−260336号公報参照)。
【0008】更に、ZrO2を主成分とし、安定化剤と
してY23を含有する光コネクタ用ジルコニア焼結体に
おいて、正方晶相中のY23濃度を3.0モル%(約
5.4重量%)以上に保持したジルコニアが提案されて
いる(Journal of the CeramicSociety of Japan誌、19
99年9月号参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
のジルコニア焼結体で形成したフェルールに光ファイバ
を接着固定した後、フェルールの先端面を研磨する時に
研磨時間が多大にかかることとなり、光ファイバ用コネ
クタとして低価格化を要求されている中で、コスト面で
大きな足かせになってしまうという大きな課題があっ
た。
【0010】更に、水分の存在する高温雰囲気中に曝さ
れると、研磨表面に凹凸が出来る表面荒れ現象が生じや
すいという問題があった。
【0011】また、使用用途によっては、悪環境中で長
時間使用されることがあるため、加速試験として、一対
のフェルールをスリーブの両端から挿入して、内部で凸
球面状に加工した先端面同士を当接させた状態での光コ
ネクタを85℃の熱水中に曝す試験が行われることがあ
る。この際に、ジルコニア焼結体からなるフェルール等
の光コネクタ用部材は、接続した面が変形し、フェルー
ル端面の凸球面の曲率半径が大きくなってしまうという
平坦化現象が生じ、その結果、接続不良や過大な接続損
失を生じるという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記問
題点に鑑みてなされたものであり、光コネクタ用ジルコ
ニア焼結体において、ZrO2を主成分とし、Y23
5.5〜6.5重量%(約3.0〜3.7モル%)、A
23を0.1〜0.5重量%、及びSiO2を0.0
01〜0.1重量%含有し、かつZrO2の平均結晶粒
径を0.28〜0.4μmとしたことを特徴とする。
【0013】又、光コネクタ用ジルコニア焼結体におい
て、ZrO2、Y23等の出発原料を精製して、Y23
を5.5〜6.5重量%、Al23を0.1〜0.5重
量%、及びSiO2を0.001〜0.1重量%となる
ように混合し、得られた原料を所定形状に成形した後、
1350〜1550℃で焼成する工程を特徴とする。
【0014】即ち、本発明者等が種々実験を行った結
果、安定化剤としてY23を5.5〜6.5重量%、A
23を0.1〜0.5重量%、及びSiO2を0.0
01〜0.1重量%含有するジルコニア焼結体におい
て、平均結晶粒径を0.28〜0.4μmとすることに
よって、フェルール先端面の研磨性を良好にするととも
に、水分の存在する高温雰囲気中での耐久性を向上させ
ることを見出したのである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を説明す
る。
【0016】図1(a)に示すように、光コネクタ用の
フェルール1は、中央に光ファイバを挿入する貫通孔1
aを有し、該貫通孔1aの後端側には光ファイバの挿入
を容易にするために円錐部1bを備え、先端外周にはス
リーブ挿入時にガイド面となるガイド部1cを備えてい
る。
【0017】また、図1(b)に示すように、スリーブ
2は筒状体であり、その軸方向にスリット2aを有する
ことにより、フェルール1を弾性的に保持するものであ
るが、スリット2aはなくても良い。さらに、内周面に
3箇所程度の凸部を形成し、この凸部でフェルール1を
支持することもできる。
【0018】上記フェルール1は、詳細を後述するジル
コニア焼結体で形成され、図2に示すように、その後方
を金属製の支持体3に接合し、上記貫通孔1aに光ファ
イバ4を挿入して接合した後、先端面1dを曲率半径1
0〜25mm程度の凸球面状に研摩する。このような一
対のフェルール1をスリーブ2の両端から挿入し、バネ
等で押圧して先端面1d同士を当接させることによっ
て、光ファイバ4同士の接続を行うことができる。
【0019】上記フェルール1やスリーブ2を成すジル
コニア焼結体は、ZrO2を主成分とし、Y23を5.
5〜6.5重量%(約3.0〜3.7モル%)、Al2
3を0.1〜0.5重量%、及びSiO2を0.001
〜0.1重量%含有し、かつZrO2の平均結晶粒径を
0.28〜0.4μmとしており、このようにすること
によって、フェルール1の先端面1dの研磨性を良好に
し、しかも水分の存在する高温雰囲気中での劣化を防止
できる。
【0020】本発明のジルコニア焼結体は、正方晶相を
主体とすることによって、応力を受けた際に、この正方
晶結晶が単斜晶結晶に変態して体積膨張し、クラックの
進展を防止するという応力誘起変態のメカニズムによっ
て、焼結体の強度、靱性を向上することができる。ま
た、本発明のジルコニア焼結体は、単斜晶相を含まず、
主体をなす正方晶相の他に相変態に対して安定な立方晶
を含むことで、前記応力誘起変態のメカニズムをほとん
ど損なわずに水分の存在する高温雰囲気中での耐久性を
大きく向上させることができる。
【0021】ここでY23の含有量を5.5重量%以上
としたのは、5.5重量%未満では正方晶相中のY23
量が少なくなることにより、水分の存在する高温雰囲気
中での劣化を生じにくくなり、フェルール先端面1dの
凸球面の曲率半径が大きくなる等必要な特性が得られな
いためである。一方6.5重量%以下としたのは、Y 2
3が増すと熱安定性が向上する反面、強度、靱性等の
低下が顕著となるためである。これはY23を増すこと
でジルコニア中の立方晶相割合が大きくなりすぎ、前記
の応力誘起変態によってジルコニアの高強度・高靱性を
発現する正方晶相の割合が少なくなるためと考えられ
る。
【0022】更に、Al23の含有量を0.1〜0.5
重量%としたのは、Al23は焼結助剤として作用する
ため、0.1重量%未満では低温での焼成が困難とな
り、又0.5重量%を超えると過焼成となるためであ
る。なお、Al23は上記ZrO 2等の出発原料中に含
まれているが、必要に応じて添加することにより、最終
的に上記範囲内となるようにすればよい。
【0023】次に、SiO2の含有量を0.001〜
0.1重量%としたのは、0.1重量%を超えると、水
分の存在する高温雰囲気中で劣化しやすくなるからであ
る。これはSiO2粒子の周辺にY23が固溶して偏析
しやすくなり、ジルコニア中のY23が不均一に分布
し、Y23含有量の少ない部分が特に水分の存在する高
温雰囲気中で劣化を起こしやすくなるからである。又、
0.001重量%以上としたのは、現状の製造方法では
0.001重量%未満にするのは困難であるからであ
る。SiO2はZrO2やY23等の出発原料粉末中に不
純物として通常0.1重量%以上存在するものである
が、予めこれらの不純物を除いておけば良い。
【0024】なお、上記ジルコニア焼結体において、さ
らにTiO2、CaO、Na2O、及びFe23の各々の
含有量を0.1重量%以下とすることが好ましい。これ
は、これら不純物が水分の存在する高温雰囲気中での耐
久性を劣化させるからである。
【0025】また、本発明のジルコニア焼結体におい
て、平均結晶粒径を0.28〜0.4μmとしたのは、
0.4μmを越えるとジルコニア焼結体の強度が低下し
てしまうことと、高温水中での劣化が生じやすくなるか
らである。又、0.28μm未満であると高温水中の劣
化は生じにくいが、フェルールに光ファイバを接着固定
した後、先端面を研磨した場合に平均結晶粒径が小さす
ぎて結晶が緻密すぎるために、研磨性が悪くなり、研磨
時間が多大にかかることとなり、光ファイバ用コネクタ
として低価格化を要求されている中で、コスト面で大き
な足かせになってしまうからである。以上の理由により
平均結晶粒径を0.28〜0.4μmとした。
【0026】以上より、水分が存在する高温雰囲気中で
の耐久性を重んじると、より緻密な小さな平均結晶粒径
が必要となるが、フェルール先端面の研磨性が悪くなっ
てしまう。これとは反対に、研磨性を重んじるとより大
きな平均結晶粒径が必要となるが、水分の存在する高温
雰囲気中での耐久性が悪くなってしまう。
【0027】本発明は、光コネクタ用ジルコニア焼結体
として、水分が存在する高温雰囲気中での耐久性及びフ
ェルール先端面の研磨性共に満足がいく条件として、Z
rO 2を主成分とし、Y23を5.5〜6.5重量%
(約3.0〜3.7モル%)、Al23を0.1〜0.
5重量%、及びSiO2を0.001〜0.1重量%含
有し、かつZrO2の平均結晶粒径を0.28〜0.4
μmという各パラメータの範囲を見いだしたのである。
【0028】次に、上記フェルール1及びスリーブ2の
製造方法について説明する。
【0029】まず、出発原料のZrO2には不純物とし
てAl23やSiO2、TiO2、あるいはCaO、Na
2O、Fe23等が含まれているが、この原料を酸やア
ルカリ等の薬品で処理したり、あるいは比重差を利用し
た重力選鉱等の手法にて精製し純度を高める。そして、
ZrO2にY23を5.5〜6.5重量%添加混合し、
中和共沈または加水分解等の方法により反応・固溶させ
る。
【0030】次に、得られた原料を押出成形やプレス成
形や射出成形等により所定形状に成形し、必要があれば
切削等を行った後、大気雰囲気中で焼成する。
【0031】この時に0.28〜0.4μm以下という
小さな平均結晶粒径を得るために、1350〜1550
℃という低温で焼成し、かつ緻密な焼結体としなければ
ならないが、これは原料の1次粒子径を小さくして、比
表面積を大きくすることで達成することができる。フェ
ルール1やスリーブ2はこの焼結体をさらに研磨、研削
を行うことによって得ることができる。
【0032】ここで、焼成温度と平均結晶粒径は比例の
関係にあり、焼成温度が高くなるに従い平均結晶粒径も
大きくなる。本発明のジルコニア焼結体においては、焼
成温度1350℃で平均結晶粒径が約0.28μm、1
450℃で約0.34μm、1550℃で約0.4μm
となる。
【0033】なお、図2では光ファイバ4同士を接続す
るための光コネクタを示したが、上記フェルール1やス
リーブ2は、レーザダイオードやフォトダイオード等の
光素子と光ファイバを接続する光モジュールに用いるこ
ともできる。
【0034】また、本発明における光コネクタ用ジルコ
ニア焼結体は、上述した光ファイバ同士、又は光ファイ
バと各種光素子との接続に用いるさまざまな部材に適用
することができ、上述したフェルール1やスリーブ2に
限らない。例えば、光ファイバ同士を完全に接続するた
めに用いるスプライスや、光モジュールに用いるダミー
フェルール等にも適用することができる。
【0035】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。
【0036】出発原料としてAl23を約0.3重量
%、SiO2を約0.07重量%それぞれ含有したZr
2へのY23の添加量を変えることによって種々の組
成からなるジルコニア原料を用意した。
【0037】それぞれ、最終製品の寸法が外径2.5m
m、長さ10.5mmとなるように、図1に示すフェル
ールの形状に押出成形し、この成形体を1300〜16
00℃で焼成し、ジルコニア焼結体の平均結晶粒径を測
定した。
【0038】それぞれの組成についてフェルール1を作
製し、光ファイバ4を接着し、先端面1dを凸球面の曲
率半径が平均15mm程度となるように1μmのダイヤ
モンド研磨シートを用いて研磨し、光ファイバが鏡面に
仕上がるまでの研磨時間を測定した後、図2に示すよう
に一対のフェルール1をスリーブ2内部で接続させた状
態で、85℃の熱水中に14日間放置した。そして形状
測定器により、フェルール1の先端面1dの試験前後の
曲率半径の変化量(増加量)を調べた。表1にそれぞれ
の条件における曲率半径変化量及び研磨時間を示す。
【0039】この結果より、Y23含有量が5.5重量
%未満のもの(No.1〜5)及び6.5重量%を越える
もの(No.21〜25)は曲率半径変化量が10mm程
度あり大きい、又、Y23含有量が5.5〜6.5重量
%の範囲内にあっても平均結晶粒径が0.4μmを越え
るもの(No.10、15、20)も曲率半径変動量がや
や大きくなっているのに対し、Y23含有量が5.5〜
6.5重量%の範囲にありしかも平均結晶粒径が0.4
μm以下のもの(No.6〜9、11〜14、16〜1
9)は、曲率半径変化率が5mm以下であり、水分の存
在する高温雰囲気中での劣化が少ないことがわかる。
【0040】又、研磨時間は平均結晶粒径が0.28μ
m未満のもの(No.1、6、11、16、21)が40
秒以上の時間が掛かるのに対し、0.28μm以上のも
の(No.2〜5、7〜10、12〜15、17〜20、
22〜25)は30秒以下で研磨時間が短いことがわか
る。
【0041】以上より、曲率半径変化量が小さくしかも
研磨時間の短いものは、Y23含有量を5.5〜6.5
重量%の範囲内にあり、しかも平均結晶粒径を0.28
〜0.4μmとしたもの(No.7〜9、12〜14、1
7〜19)である必要が有ることがわかる。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ZrO2
を主成分とし、Y23を5.5〜6.5重量%、Al2
3を0.1〜0.5重量%、及びSiO2を0.001
〜0.1重量%含有し、かつZrO2の平均結晶粒径を
0.28〜0.4μmとしたことにより、フェルール先
端面の研磨性に優れ、しかも水分の存在する高温雰囲気
中での耐久性に優れた光コネクタ用ジルコニア焼結体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明のジルコニア焼結体を用
いた光コネクタ用部材を示す図である。
【図2】本発明のジルコニア焼結体からなる光コネクタ
用部材を用いた光コネクタを示す断面図である。
【符号の説明】
1 フェルール 1a 貫通孔 1b 円錐部 1c ガイド部 1d 先端面 2 スリーブ 2a スリット 3 支持体 4 光ファイバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ZrO2を主成分とし、Y23を5.5〜
    6.5重量%、Al23を0.1〜0.5重量%、及び
    SiO2を0.001〜0.1重量%含有し、かつZr
    2の平均結晶粒径を0.28〜0.4μmとしたこと
    を特徴とする光コネクタ用ジルコニア焼結体。
  2. 【請求項2】ZrO2、Y23等の出発原料を精製し
    て、Y23を5.5〜6.5重量%、Al23を0.1
    〜0.5重量%、及びSiO2を0.001〜0.1重
    量%となるように混合し、得られた原料を所定形状に成
    形した後、1350〜1550℃で焼成する工程からな
    る光コネクタ用ジルコニア焼結体の製造方法。
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