JP2002133399A - 画像処理装置及びそれを用いたx線ct装置 - Google Patents

画像処理装置及びそれを用いたx線ct装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定方向に発生するノイズ成分などの低減を
可能にするため高速演算可能な画像処理装置及びこれを
用いたX線CT装置を提供する。 【解決手段】 ウェーブレット変換を用い縦・横等のノ
イズ成分の抽出を行い、このノイズ成分をゼロまたは弱
めて、ウェーブレット再構成することにより、原画像の
特定方向ノイズ成分が低減された画像を得る。X線CT
装置に適用する場合、投影データの縦方向の(投影デー
タ角度方向)ノイズ成分を抽出し、これを弱めた投影デ
ータを用いて画像再構成を行うことにより、リングアー
チファクトが低減された画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置に関
し、特にウェーブレット変換を用いた画像処理及びこれ
を用いたX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像、各種計測データ処理におけるノイ
ズ低減処理やX線CT装置などにおいて発生するリング
アーチファクトの低減方法はフィル夕処理や複雑な処理
を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の処理手段ではノ
イズなどの低減効果を期待することができるが、処理が
複雑で非常に計算機の能力を必要とし、演算時間が長
い。本発明の目的は、単純な処理方法で高速に処理を実
行し、その結果、画像に含まれるノイズ成分や投影デー
タに含まれるアーチファクト成分を低減できる画像処理
装置及びこれを用いたX線CT装置を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ウェーブレット変換を用いた変換処理に
よりもとの成分から特定方向の成分を抽出する成分抽出
機能を有する画像処理装置であって、処理前の元画像か
ら特定方向成分のノイズを抽出し、このノイズ成分を再
構成する際に0にする、またはそれに近い値に弱め、ウ
ェーブレット逆変換を用い再構成することにより、元画
像から特定方向のノイズ成分が減少した画像を得るよう
に構成した。
【0005】さらに、本発明は、ウェーブレット変換を
用いた変換処理によりもとの成分から特定方向の成分を
抽出する成分抽出装置を有し、X線CT装置の投影デー
タから投影角度方向のノイズ成分を抽出し、この投影デ
ータ方向ノイズ成分を再構成する際に0にする、または
それに近い値に弱め、ウェーブレット逆変換を用い再構
成することにより、もとの投影データから投影角度ノイ
ズ成分が減少した投影データを取得し、この投影データ
を用いて画像再構成処理を行ってリングアーチファクト
の無いX線CT画像を得るように構成した。
【0006】
【発明の実施の形態】(実施例1)ウェーブレット変換
は信号解析、画像処理手法の1つであり、その原理は比
較的単純である。未知の信号をF(x)とした時、このF
(x)を特殊な性質をもったψ(基底関数)で分解する。式
で示せば下記式(1)のようになる。 F(x)=w(ω)ψ(ω)dω (1)
【0007】上記式(1)で関数ψの係数wの性質を調
べることにより元信号であるF(x)の性質を解析するの
がその原理である。同じような解析方法にフーリエ変換
が挙げられるが、ウェーブレット変換は位置・周波数の
両方を同時に解析することができる。実際の画像変換、
信号解析には上記を離散化した離散ウェーブレット変換
・逆変換を用いる。ウェーブレット変換、逆変換につい
ては多くの論文などが既に存在するため本実施例での詳
細な説明は省略する。
【0008】以下に図を用いて本発明を詳細に説明す
る。ウェーブレット変換は実際には低域フィルタと高域
フィルタと呼ばれるフィルタによるフィルタ処理であ
る。この低域フィルタと高域フィルタは様々提案されて
おり、それぞれに特徴を持っている。
【0009】本実施例では、Haarというウェーブレッ
ト関数を用いた例について以下に記述する。尚、本発明
はHaarによるウェーブレット変換に限定されるもので
はない。Haarのウェーブレット変換は次式(2)で示
される。式(2)中のCはデータ系列を示し、kはその
系列番号を示す。jは分解のレベルを示す。 Ck J-1=(C2k J+C2k-1 J)/2 Dk J-1=(C2k J−C2k+1 J)/2 (2)
【0010】式(2)によってウェーブレット変換数列
は分解レベルj-1の数列Ck J-1とDk J-1に分解され
る。一般的にCk J-1は平滑化成分、Dk J-1を詳細成分と
呼ぶ。このようにある数列を2つの成分に変換するため
式(2)は分解アルゴリズムと呼ばれる。式(2)でわ
かるように分解後の成分の長さはもとの成分の半分の長
さになる。
【0011】式(2)で分解された成分を再構成するに
は式(3)の再構成アルゴリズムと呼ばれる演算によっ
て再構成が可能となる。 C2k J-1=Ck J-1+Dk J-12k J+1=Ck J-1−Dk J-1 (3)
【0012】前述の説明では1次元のデータ系列の分解
・再構成を説明したが、これを2次元に拡張するために
は種々の方法が提案されている。もっとも頻繁に用いら
れる方法を以下に説明する。
【0013】2次元画像の各々の行を独立な1次元の信
号とみなして1次元のウェーブレット変換を行う(図1
(a))。そして平滑化成分を前半に、詳細成分を後半
においた数列を作り、もとの行と置きかえる。その後に
各々の列を再度1次元のウェーブレット変換を行い、こ
れに対しても平滑化成分を前半に、詳細成分を後半にし
てもとの列データを入れ換える(図1(b)参照)。そ
の結果、分解された4つの部分の画像が図2のように得
られる。図2で分解された画像は一般的にaを平滑化部
分画像、同図のbを垂直部分画像、同図のcを水平部分
画像、同図のdを対角部分画像と呼ぶ。
【0014】例えば、図3のような元画像30を上記の
方法でウェーブレット変換を行うと図3の画像31の結
果が得られる。画像31のbの垂直部分画像では画像3
0の垂直成分である縦方向の成分を抽出し、画像31の
cの水平部分画像では横方向の成分を抽出している。ま
た画像31のdの対角部分画像には対角成分が抽出さ
れ、画像31のaには平滑化部分画像として点が抽出さ
れる。図3は元画像から、横、縦、対角の成分を抽出す
ることができるウェーブレット変換の特性を示してい
る。
【0015】再構成については式(3)で示した再構成
アルゴリズムを上記4つの部分画像に適用することで可
能である。
【0016】この元画像に含まれる様々な成分を取り出
して処理し、再構成することで元画像のノイズ成分や医
用画像上などに現れるアーチファクトを低減させるもの
が本発明の画像処理装置である。この処理方法ついて以
下に説明する。
【0017】図4に示す画像は横方向に縞状のノイズ成
分が多く存在している画像である。この図4をHaarな
どのウェーブレットを使い、式(2)に従って分解を行
う。この分解アルゴリズムによって図4は図5のように
各方向成分の画像に分解される。この図4は横方向に縞
状のノイズ成分が多く含まれているため、図5のcで示
す水平部分画像に、その横方向の成分が抽出される。こ
の抽出された成分のみを図示したのが図6である。この
抽出した図6の成分を全くゼロにして、式(3)に従っ
て再構成を行えば、元画像から横方向のノイズ成分が除
去された画像を得ることができる。図5に分解された画
像サイズは縦横ともに、元画像である図4の1/4にな
っている。図6は説明のために任意に拡大し、図示し
た。
【0018】図6の成分は図4の横方向の成分を完全に
は抽出しきれていない。つまり図4を図5に分解した時
点で、図5のaに横方向成分を含んで分解されている。
このため、1回の分解、再構成(つまり図4から図5へ
分解して、ノイズ成分を除去し再構成)では、元画像の
ノイズ成分を良好に除くことができない場合がある。こ
れを解決する方法としては図7に示すように分解、再構
成を2回繰り返すことによって解決することができる。
【0019】図7の画像70の横方向にノイズ成分を多
く含む元画像をまずウェーブレット分解する。画像71
のように各成分に分割された図が生成される。この画像
71のcには画像70の横方向成分が抽出されるが、画
像70に含まれる全ての横方向成分ノイズは抽出されて
おらず、画像71のaにその抽出しきれない横方向成分
の残りが含まれている。この画像71のaを更にウェー
ブレット分解し、画像72の分解画像を得る。すると、
画像71のaの横方向成分が画像72のcに抽出され
る。
【0020】再構成は画像72cをゼロにして行い、画
像73におい画像71のa相当の画像73のa'を再構
成する。この画像73のa'、b、d、および画像73
のcをゼロにした画像から更に再構成を行い、最終的に
横方向のノイズ成分が除去された画像74を得ることが
できる。このように分解、再構成をより深く行うことに
より、様々なノイズ等を抽出し、これを含めず再構成す
ることで、そのノイズ成分を除去することができる。
【0021】この分解の回数を本実施例では2回と説明
したが、2回に限定されるわけではない。
【0022】前記の図4を分解し、水平方向成分を抽出
した図6には横方向のノイズ成分以外に本来の信号成分
も含んでいる。このためこの図6の成分を全くゼロして
再構成した場合、本来の信号を欠落した画像を得る可能
性がある。これを解決するため図6で得られた成分を全
くゼロにせず、例えば半分の値に弱めて再構成に用い、
その画像を再構成する方法もある。また得られた水平方
向成分から、ノイズ成分のみを抽出するため閾値処理等
を用い、その処理により得られたノイズ成分をゼロにし
て再構成に用いる方法もある。
【0023】いずれにせよ、本発明はコンピュータ処理
を用いれば並列演算が可能であるため高速に処理を行う
ことが可能であるため、演算時間はきわめて短くて済
む。また様々なノイズ成分を抽出することが可能である
ため、そのノイズ除去能力は極めて高いと言える。 (実施例2)実施例1では主に2次元画像のノイズ成分
を除去するために本実施例を適用する方法を説明した。
実施例2では、本発明を用いて、X線CT装置で再構成
画像に現れるリングアーチファクト除去方法について説
明する。
【0024】X線CT装置で得られる再構成画像上には
図8に示すようなリング状のアーチファクト80が現れ
ることがある。この原因は様々にあるが、原因の一つに
検出器の特性劣化などが挙げられる。このアーチファク
ト80はファントム81を用いたときの例を示した。X
線CT装置90はX線源91が被検体92の回りを回転
しながらX線を曝射し、その被検体92の透過したX線
を検出器93で計測し、投影データと呼ばれる計測デー
タ群を、逆投影法などの再構成処理を用いて画像を得て
いる(図9参照)。
【0025】今、検出器93のある特定のチャンネルが
劣化している場合、投影データ100には図10に示す
ような劣化したチャンネルに混入したノイズ成分110
が入りこむ。図10の横軸xはチャンネル、縦軸yは投
影データ番号を示す。図10のような投影データを逆投
影すると、図8に示すようなリングアーチファクト80
が出現する。つまり投影データ100上の縦方向のノイ
ズ成分110が原因で逆投影再構成画像上にリングアー
チファクト80が出現する。補正方法としては図10に
示す投影データ100からリングアーチファクト80に
起因するノイズ成分110のみを除去することでリング
アーチファクト80は低減させることができるが、実際
には様々な信号成分を含んでいるため非常に困難であ
る。
【0026】このリング状アーチファクト80を除去す
るために、本発明ではウェーブレット変換による除去方
法を適用した。図11に示した画像130の投影データ
には縦方向のリングアーチファクトに起因するノイズ成
分110と、本来取り込まれる正しい信号群120を模
式的に示した。図11の投影データにウェーブレット変
換を適用すると画像140のような各成分に分割された
投影データが得られる。aは平滑化された投影データ、
bは垂直方向成分を含んだ投影データ、cは水平方向成
分を含む投影データ、dは対角方向成分を含んでいる投
影データである。
【0027】再構成画像に発生するリングアーチファク
トは投影データ上では垂直方向(縦方向)にあらわれ
る。これを抽出したものが、図12である。図12のb
にはリングアーチファクトに起因するノイズ成分126
だけでなく、本来取り込まれる正しい信号群125が当
然抽出される。図12bからリングアーチファクトに起
因するノイズ成分126を例えばしきい値処理等によっ
て抽出し取り除くことは可能である。これを示したもの
が図12のb’である。図12では抽出した縦方向の成
分を含んだ投影データ125からリングアーチファクト
に起因するノイズ成分126のみを除去し、本来取り込
まれる正しい信号群はそのまま残す処理とした。図12
で得られた投影データ126’を図11bの投影データ
と置き換えたものが図13の画像150である。画像1
50の各成分の投影データa,b’,c,dを用いてウ
ェーフレット再構成を用いれば、ノイズ成分が低減され
た画像151の正しい信号群200の投影データ152
を得ることができる。この投影データ152を用いて画
像再構成処理を実行することにより、再構成された画像
にはリングアーチファクトが低減された臨床的に有利な
画像を得ることになる。
【0028】図13の画像151ではリングアーチファ
クトに起因するノイズ成分は完全に除去することはでき
ていない。これは本実施例2で説明したウェーブレット
分解を1回実行した場合を示したからである。1回のウ
ェーブレット分解では、図11の画像140のaに示す
平滑化成分投影データに、若干リングアーチファクトに
起因するノイズ成分が含まれる。このため画像140の
bの成分からノイズ成分を完全に除去したとしても、最
終的に得られる図13の投影データ152にはノイズ成
分が残ることになる。
【0029】これを回避するには、ウェーブレット分解
を1回のみでなく、2回、3回とくり返し行い、リング
アーチファクトに起因するノイズ成分を除去し、投影デ
ータをウェーブレット再構成すれば、より一層ノイズ成
分の除去効率は向上することになる。これらの処理によ
りリングアーチファクトが著しく低減された再構成画像
を得ることが可能となる。
【0030】以上の処理により、ウェーブレット変換を
X線CT装置の投影データに適用することによりリング
アーチファクトを低減させることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ウェーブレット変換を
用いることで画像の特定方向のノイズ成分を除去可能で
あり、また、X線CT装置の投影データにウェーブレッ
ト変換による処理を用いることでリング状アーチファク
トを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための2次元ウェー
ブレット変換説明図である。
【図2】本発明の実施例を説明するためのウェーブレッ
ト変換による分解画像の説明図である。
【図3】本発明の実施例を説明するための2次元ウェー
ブレット変換説明図である。
【図4】本発明の実施例を説明するための2次元ウェー
ブレット変換説明図である。
【図5】本発明の実施例を説明するための2次元ウェー
ブレット変換説明図である。
【図6】図5の2次元ウェーブレット変換説明図であ
る。
【図7】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図8】リングアーチファクト説明図である。
【図9】X線CT装置スキャン説明図である。
【図10】投影データ説明図である。
【図11】ノイズ混入した投影データのウェーブレット
分解説明図である。
【図12】図11のノイズ除去説明図である。
【図13】本発明の他の実施例のウェーブレット再構成
説明図である。
【符号の説明】
80 リング状アーチファクト 81 ファントム 90 X線CT装置 91 X線源 92 被検体 93 X線検出器 110 ノイズ成分 100 投影データ 120 正しい信号群 125、126’ 投影データ 126 ノイズ成分 200 正しい信号群

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェーブレット変換を用いた変換処理に
    よりもとの成分から特定方向の成分を抽出する成分抽出
    機能を有する画像処理装置であって、処理前の元画像か
    ら特定方向成分のノイズを抽出し、このノイズ成分を再
    構成する際に0にする、またはそれに近い値に弱め、ウ
    ェーブレット逆変換を用い再構成することにより、元画
    像から特定方向のノイズ成分が減少した画像を得るよう
    に構成したことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 ウェーブレット変換を用いた変換処理に
    よりもとの成分から特定方向の成分を抽出する成分抽出
    装置を有し、X線CT装置の投影データから投影角度方
    向のノイズ成分を抽出し、この投影データ方向ノイズ成
    分を再構成する際に0にする、またはそれに近い値に弱
    め、ウェーブレット逆変換を用い再構成することによ
    り、もとの投影データから投影角度ノイズ成分が減少し
    た投影データを取得し、この投影データを用いて画像再
    構成処理を行うように構成したことを特徴とするX線C
    T装置。
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