JP2002155248A - 粘着製品 - Google Patents

粘着製品

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JP2002155248A
JP2002155248A JP2000353517A JP2000353517A JP2002155248A JP 2002155248 A JP2002155248 A JP 2002155248A JP 2000353517 A JP2000353517 A JP 2000353517A JP 2000353517 A JP2000353517 A JP 2000353517A JP 2002155248 A JP2002155248 A JP 2002155248A
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pressure
sensitive adhesive
polymer
adhesive
polymerization
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JP2000353517A
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Hiroaki Hasegawa
裕彰 長谷川
Satoshi Tazaki
智 田▲崎▼
Yorihiro Maeda
順啓 前田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐曲面貼り性に優れ、強粘着力を示し、再剥
離性にも優れた粘着製品を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを
主たる構成成分とするアクリル系粘着剤層そのものまた
は粘着剤層と基材とからなる粘着製品であって、剥離速
度500mm/分でJIS K 6854に準じて測定
される粘着剤の180゜剥離粘着力Xと、剥離速度10
0mm/分でJIS K 6854に準じて測定される
粘着剤の180゜剥離粘着力Yとの比X/Yが1.3以
下であることを特徴とする粘着製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐曲面貼り性に優
れ、強粘着力を示し、しかも、被着体に貼付した状態で
高温雰囲気下に長時間放置されていても、凝集破壊を起
こさずに被着体からきれいに剥離することのできる粘着
製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸アルキルエステルを
主たる構成成分とするアクリル系粘着剤は、タック、粘
着力、凝集力等の基本物性に加え、耐熱性、耐候性、耐
水性、耐油性等に優れていることから、粘着ラベル、シ
ート、テープ等の粘着製品に幅広く使用されている。
【0003】一般的に、これらの粘着製品は、被着体に
貼付した後は剥離されることがほとんどない永久接着型
と、被着体に貼付した後に再び剥離することが想定され
る再剥離型に分類することができ、近年は、環境対応や
リサイクルの必然性から、再剥離型粘着製品の使用量が
増大している。
【0004】再剥離型粘着製品に用いられる粘着剤は、
被着体に貼付されてから長時間経過した後であっても、
糊残り等の被着体汚染を起こさずに、きれいに剥離でき
ることが要求される。このため、例えば、永久接着型の
粘着剤の架橋密度を上げる、あるいは、粘着剤用ポリマ
ーのガラス転移温度を高める、といった手段で、凝集力
の向上を図れば、糊残りがなくなって再剥離性が向上す
ると考えられる。しかし、これらの手段では、再剥離性
は向上するが、粘着力が低下してしまうという問題があ
った。粘着力の低下は、特に、粘着テープ・ラベルを曲
面に貼り付けた時に、粘着テープ・ラベルの端部が浮い
てしまうという耐曲面貼り性の低さにおいて顕著に認め
られる。ここで、耐曲面貼り性が良好であるとは、直径
15mmのポリプロピレン製円柱(円筒でも構わない)
の表面に、50μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムに25μmの粘着剤層を設けた粘着テー
プを半周にわたって貼り付け、常態下で3日間放置した
とき、テープの端部が浮いたり剥がれたりしないことを
いう。
【0005】このような諸問題に関して、いろいろな提
案がなされている。特開平5−132657号公報には
溶液重合する際の共重合可能な極性官能基含有モノマー
の添加方法に工夫がなされ、高温・高湿下に曝された
後、剥離しても粘着剤が被着体表面に残存することな
く、容易に剥離することが可能である再剥離性能を有す
る高接着型の粘着剤の製造方法が提案されている。特開
平8−143843号公報には、N,N−ジ置換(メ
タ)アクリルアミドを共重合し、特定のゲル分率を有す
るアクリル系ポリマー再剥離用粘着剤が、表面保護やマ
スキングでの剥離作業に優れていることが開示されてい
る。特開平10−330722号公報には、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有ビニル
モノマーからなる(メタ)アクリル系ポリマーに特定の
水酸基価、軟化点を有する重合ロジンエステル、イソシ
アネート化合物、アジリジン化合物を配合してなるアク
リル系粘着剤組成物が開示されている。しかし、これら
の従来技術には、再剥離性や耐曲面貼り性において、な
お、改善の余地があった。
【0006】これらの従来技術を踏まえ、本発明者等
は、再剥離性や耐曲面貼り性をさらに向上させるため、
種々の検討を続けている。また、再剥離性といっても、
例えば、粘着ラベルを剥がすときのようにゆっくりとし
た剥離速度で剥がされる場合と、工業用マスキングテー
プを剥がすときのように非常に早い剥離速度で剥がされ
る場合の両方において良好であることが好ましい。
【0007】一般に、ポリマーの粘弾性は、タイムスケ
ール(時間、または周波数)の関数であると同時に、温
度の関数であることが分かっている。つまり、早く短い
時間の変化(周波数でいえば大きいほど)は低い温度で
の物性に相当し、ゆっくりとした長い時間の変化(周波
数でいえば小さいほど)は高い温度での物性に相当す
る。これを粘着剤用ポリマーに当てはめると、早い速度
で引き剥がすことは、温度に換算すると低温時で剥離す
ることとなり、ポリマーが硬くなった場合と同じような
剥離挙動を示す。逆に、ゆっくり剥がすことは、温度換
算すると高温時と同じ効果があり、ポリマーが柔軟化し
た場合と同じような剥離挙動を示す。
【0008】従って、再剥離型粘着剤として使用される
ポリマーは、様々な剥離速度に対応できることが好まし
いので、温度に対しても、低温から高温まで幅広い温度
域で物性が変化しないか、若しくはその変化の度合いが
小さいものが望まれると考えられる。
【0009】一方、一般的な粘着剤用ポリマーはガラス
転移温度(Tg)が−70℃から−30℃の間にあり、
粘弾性測定における損失正接(tanδ)のピーク、あ
るいはDSC(示差走査熱量測定)の微分曲線のピーク
が、Tgに相当する温度域に現れる。しかし、同じよう
なピーク温度を持つポリマーであっても、ピークの形が
シャープなものとブロードなものでは、粘弾性挙動が異
なると考えられる。すなわち、ピークの形がシャープな
ものは温度に対するポリマーの特性変化が大きいが、形
がブロードなものはその変化が小さい。従って、後者の
ように、粘弾性測定時に現れるピーク付近の形がブロー
ドなものが、再剥離型粘着剤ポリマーに求められる特性
を有しているものと考えられる。
【0010】次に、本発明者らは、上述のようなポリマ
ーを得るには、どのような構造・構成にすればよいかに
ついて追究した。一般的なホモポリマーは、モノマーの
種類が1種類だけなので、Tgのピークは比較的狭いシ
ャープな形状を示す。一方、二種類のモノマーから重合
されたコポリマーでは、各モノマーのホモポリマーのT
g(K)と各モノマーの質量分率から決まる温度付近に
おいて、比較的狭いシャープなピーク形状を示す。この
ことから、共重合比を少しずつ変えることによってTg
が少しずつ異なるポリマーを作れば、このようなポリマ
ーの集合体は、全体としてはブロードなTgやtanδ
を示すと考えられる。
【0011】ところで、非水溶媒で溶液重合を行う際
に、重合系に供給するモノマー組成を変化させる手段と
して、例えば、共重合反応比が異なるモノマーを共重合
させる場合に、重合初期と重合後期でモノマー組成を変
えることが知られている。これは、重合全段階にわたっ
て同じモノマー組成にすると、反応比の違いによって、
得られるポリマーが共重合組成の異なるポリマーの混合
物となって、所定の物性が発現しないことから、均一な
組成のポリマーを得る目的でモノマー組成を変えるもの
である。
【0012】逆に、共重合性の良好なモノマー同士の場
合は、反応器内に存在するモノマー組成を変化させるこ
とによって、共重合組成が異なるポリマーが生成するは
ずである。このように共重合組成を連続的に変化させて
ポリマーを合成することにより、前述のようなTgが少
しずつ異なるポリマー(コポリマー)の集合体を得るこ
とができると考えられる。
【0013】エマルション重合では多段重合は公知技術
であるが、溶液重合(非水系重合)における多段重合の
提案は少ない。例えば、特開平9−12606号公報に
は、複数のTgを有し、均質な構造を持つ重合体を効率
よく製造できる製造方法が示されているが、再剥離性や
耐曲面貼り性に特に最適な重合体を得るための情報は開
示されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、粘
着剤用ポリマーを重合方法の改善によって得ることと
し、耐曲面貼り性および再剥離性に優れ、さらに強粘着
力を示す粘着製品を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の粘着製品は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を主たる構成成分とするアクリル系粘着剤層そのものま
たは粘着剤層と基材とからなる粘着製品であって、剥離
速度500mm/分でJIS K 6854に準じて測
定される粘着剤の180゜剥離粘着力Xと、剥離速度1
00mm/分でJIS K 6854に準じて測定され
る粘着剤の180゜剥離粘着力Yとの比X/Yが1.3
以下であるところに要旨を有する。このような粘着製品
は、耐曲面貼り性が非常に優れている。また、剥離速度
300mm/分でJIS K 6854に準じて測定さ
れる粘着剤の180゜剥離粘着力は、9N/25mm以
上であることが好ましい。
【0016】なお、JIS K 6854に準じて測定
される粘着剤の180゜剥離粘着力とは、以下の条件で
測定される。 〔粘着力測定条件〕 ・被着体:JIS G 4305に規定されるSUS3
04ステンレス鋼板 ・試験片:JIS K 6854の図1に示されるよう
に、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ム表面に、測定対象の粘着剤の層を厚さ25μmとなる
ように設ける。 ・貼付方法:23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、上
記ステンレス鋼板に上記試験片を2kgのゴムローラで
貼り付け、ゴムローラが試験片上を合計で3往復するよ
うに圧着する。 ・180゜剥離試験:圧着してから24時間後に、23
℃、相対湿度65%の雰囲気下、引張試験機を用いて、
ステンレス板と試験片のフィルム部分をそれぞれ把持
し、所定速度で試験片を180゜に引っ張って、ステン
レス板から試験片を剥離させたときの強度を測定する。
【0017】上記のような粘着製品を形成するために
は、異なるモノマー組成のモノマー成分Aとモノマー成
分Bとを有機溶剤中でラジカル重合することにより合成
された粘着剤用ポリマーを用いることが好ましい。そし
て、重合方法として、まず、モノマー成分Aを反応器に
仕込んで重合を行い、モノマー成分Aの重合開始後であ
って、かつ、モノマーA成分の重合率が50%を超えな
い時点で、前記反応器へモノマー成分Bの投入を開始す
る方法の採用が好ましい。これにより、ブロードな形状
のTgピークを示し、良好な粘着特性を示す粘着剤用ポ
リマーを得ることができる。
【0018】粘着製品のアクリル系粘着剤層は、上記の
ようにして得られた粘着剤用ポリマーを架橋剤で架橋さ
せた架橋ポリマーを含むものであることが好ましく、耐
曲面貼り性に優れた粘着製品とすることができる。
【0019】特に、モノマー成分Aのみから形成される
ポリマーAか、モノマー成分Bのみから形成されるポリ
マーBのいずれか一方のガラス転移温度が−70℃〜−
30℃であり、他方のポリマーのガラス転移温度と10
℃以上異なるようにモノマー成分AおよびBの組成を選
択すると、耐曲面貼り性等の粘着特性を一層向上させる
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】再剥離型粘着剤は、粘着力が高
く、しかも、様々な剥離速度に対応できることが好まし
い。本発明者等は、種々検討した結果、耐曲面貼り性
は、剥離速度500mm/分における180゜剥離粘着
力と剥離速度100mm/分における180゜剥離粘着
力との比率が目安となること、粘着力は、剥離速度30
0mm/分における180゜剥離粘着力を目安となるこ
とを見出した。なお、180゜剥離粘着力は、JIS
K 6854に準じて上記条件で測定される。
【0021】剥離速度500mm/分での180゜剥離
粘着力Xと、剥離速度100mm/分での180゜剥離
粘着力Yとの比X/Yが1.3以下である粘着製品が、
本発明の粘着製品となる。X/Yが1.3以下だと耐曲
面貼り性に優れているからである。速く剥離したとき
と、ゆっくり剥離したときの粘着力の差がないことが、
耐曲面貼り性の向上に効果的なのである。また、高速剥
離は低温での剥離に相当するので、粘着層が硬く、凝集
力が向上した状態になっており、粘着力は低速剥離に比
べて大きくなる。X/Yは1.2以下がより好ましく、
1.1以下がさらに好ましい。
【0022】本発明の粘着製品は、剥離速度300mm
/分における180゜剥離粘着力が9N/25mm以上
であることが好ましい。なお、粘着製品とは、基材レス
で粘着剤層そのものが製品となっている場合と、基材の
片面もしくは両面に粘着剤層が配設されているものの両
方を意味するが、上記粘着特性の測定に際しては、上記
したようにポリエチレンテレフタレート基材の片面に厚
さ25μmで粘着剤層が設けられているものを用いる。
粘着力に与える基材の影響を考慮して、同一条件で測定
するためである。
【0023】本発明の粘着製品を得るには、前述したよ
うに、低温から高温まで幅広い温度域で粘着剤用ポリマ
ーの物性が変化しないか、若しくはその変化の度合いが
小さいものであることが好ましい。従って、Tgが少し
ずつ異なるポリマーを何種類も合成して、これらをブレ
ンドすればよい。
【0024】しかし、何種類ものポリマーを合成するの
は工程が煩雑である。この点で、同一反応器内で、共重
合比を少しずつ変えてポリマー合成を行う方法の採用が
推奨される。この重合方法によれば、Tgが少しずつ異
なるポリマーを一度に合成することができる。
【0025】この重合方法は、異なるモノマー組成のモ
ノマー成分Aとモノマー成分Bとから粘着剤用ポリマー
を有機溶剤中でラジカル重合する方法であって、モノマ
ー成分Aを反応器に仕込んで重合を行い、モノマー成分
Aの重合開始後であって、かつ、モノマーA成分の重合
率が50%を超えない時点で、前記反応器へモノマー成
分Bの投入を開始して重合を行う、という方法である。
【0026】モノマー成分Aの重合が開始した後に、モ
ノマー成分Bの投入を開始することによって、モノマー
成分Bの投入前は、モノマー成分Aのみからなるポリマ
ーが形成され、投入直後はモノマー成分Aがリッチなポ
リマーが形成される。モノマー成分Bの添加が終了する
頃にはモノマー成分Aは残り少なくなっているので、モ
ノマー成分Bがリッチなポリマーかモノマー成分Bのみ
からなるポリマーが形成される。
【0027】例えば、モノマー成分Aとモノマー成分B
を50質量部ずつ用い、モノマー成分Aの全てを反応器
に仕込んでから、モノマー成分Aの重合開始直後からモ
ノマー成分Bを1質量部ずつ滴下した場合、モノマー成
分Bの最初の滴下直後は、反応器内のモノマー組成は、
モノマー成分Aが50質量部、モノマー成分が1質量部
となっているため、このまま重合させれば、共重合比が
50:1(質量比)のポリマーが形成される。そして、
モノマー成分Bの滴下が進行していくと、モノマー成分
Aはポリマー化によって反応系内に存在する量が少なく
なっていくので、重合後期では、モノマー成分Bがリッ
チなポリマーが形成される。この場合の最終的に得られ
るポリマーは、例えば、共重合比が50:1のポリマー
から、1:50のポリマーまで、共重合組成が少しずつ
異なるポリマーの集合体となる。以下、このような本発
明の目的に沿うポリマーを勾配組成ポリマーという。ま
た、「ホモポリマー」と特に断る場合以外の「ポリマ
ー」という言葉は、コポリマーやターポリマー以上の多
元共重合体を代表するものとする。
【0028】勾配組成ポリマーは、共重合組成が少しず
つ異なるポリマーの集合体であるので、Tg(tanδ
またはDSC微分曲線のピーク)は各組成のポリマーの
Tgが少しずつ異なるため、全体としては、図1にta
nδのピークを概念的に示すように、均一組成のTgに
比べてブロードなものとなる。
【0029】上記重合方法で得られるポリマーは、モノ
マー成分AのみからなるポリマーAと、モノマー成分B
のみからなるポリマーBと、AとBの共重合組成が少し
ずつ異なる種々のポリマーとの混合物となる。ポリマー
AとポリマーBは相溶するものでも、非相溶のものでも
よいが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのホモポ
リマー同士や80質量%が同一の(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルからなるコポリマー同士は、非相溶とな
る。上記方法で得られるポリマーは、ポリマーAとポリ
マーBとが非相溶であっても、AとBの共重合組成が少
しずつ異なる種々のポリマーの存在によって、全体とし
て相溶した状態のポリマー(混合物)となるため構わな
い。具体的には、2種以上の異なる組成のポリマーに由
来する複数のTgに応じたピークが重なり合って、ブロ
ードな(シャープでない)ピークを示すポリマーとな
る。つまり、上記重合方法によって得られる粘着剤用ポ
リマーは、ポリマーAとポリマーBとに、さらに、複数
の勾配組成のポリマーが加わった種々の異なる組成のポ
リマーの集合体となり、勾配組成故に安定な相溶状態を
示し、これによって本発明の目的とする再剥離性に優れ
た粘着剤用ポリマーとなる。なお、モノマー成分Bの滴
下開始時期がモノマー成分Aの重合開始直後であればポ
リマーAおよび/またはポリマーBが生成しないことも
あり得る。
【0030】得られるポリマーは、完全に相溶している
場合と、微視的な海島構造(ミクロドメイン構造)を採
る場合とがあるが、乾燥ポリマー膜が透明であれば、い
ずれでも差し支えない。
【0031】本発明の重合方法においては、反応器には
先ずモノマー成分Aを仕込んでおく必要がある。モノマ
ー成分Aも滴下すると、勾配組成ポリマーができないた
めである。通常、モノマー成分Aの全てを一括して反応
器へ仕込む方が簡便であるが、モノマー成分Aの重合開
始前であれば、分割して仕込んでもよい。また、モノマ
ー成分Bの投入が開始される前であれば、一旦モノマー
成分Aの重合を途中で中断して、重合再開後にモノマー
成分Bを添加することも可能である。
【0032】仕込み段階でのモノマー成分Aの濃度(溶
媒との混合物中のモノマー成分Aの濃度)としては、3
0〜80質量%が好ましい。30質量%より少ないとポ
リマーの分子量が上がりにくく、80質量%以上では、
重合時の発熱量が大きくなって、除熱等の温度制御が難
しいため好ましくない。より好ましいモノマー成分Aの
濃度は40〜70質量%である。なお、モノマー成分A
の濃度は重合溶媒に応じて適宜設定変更可能である。例
えば、連鎖移動が起こりやすいトルエン等を重合溶媒と
して用いる場合には、分子量を上げるためには、モノマ
ー成分Aの濃度を上げることが好ましい。ただし、発熱
量が上がって温度制御が難しいため、重合初期の溶剤と
しては連鎖移動の発生が少ない酢酸エチルを用いること
が推奨される。
【0033】上記重合方法では、モノマー成分Bの最初
の投入は、反応器に仕込まれたモノマー成分Aの重合開
始後であって、かつ、重合率が50%を超えない時点で
行うことが好ましい。モノマー成分Aの重合率が50%
を超えてしまうと、ポリマーAが反応容器中に既にかな
りの量生成しているため、モノマー成分Bの重合相手と
なるモノマー成分Aが相対的に少なくなって、勾配組成
ポリマーを得ることができない。この意味で、モノマー
成分Bの最初の投入は、モノマー成分Aの重合率が低い
段階で行うことが推奨される。重合率が20%以下の段
階で行うことがより好ましく、10%以下がさらに好ま
しく、モノマー成分Aの重合開始直後が最も好ましい。
なお、重合の開始時点は、重合容器の内温を測定するこ
とにより、重合による発熱が開始した時点として計測す
ることができる。また、還流温度で重合する場合は、重
合溶媒の揮発が激しくなった時点として捉えることがで
きる。
【0034】一方、モノマー成分Bの投入は、3分割以
上に分割投入することが好ましく、滴下が最も好まし
い。Tgをブロードにするためには、反応容器内のモノ
マー成分Bがなくならないように、すなわちモノマー成
分Bの濃度が所定量以上には減少しないように、所定の
速度で添加することが好ましいからである。具体的に
は、反応器内のモノマー成分Bの残存量を経時的に測定
してモノマー成分Bの消費速度を算出し、その消費速度
から反応器内へ添加すべきモノマー成分Bの量を調整す
れば、若干のタイムラグがあるが、反応器内のモノマー
成分Bの存在量を一定にすることができる。
【0035】モノマー組成の異なるモノマー成分Aとモ
ノマー成分Bとは、お互いがそれぞれ存在していれば
(いずれかが0でなければ)その比率は特に限定されな
いが、両者の合計量を100質量%として、モノマー成
分Aを10〜90質量%、モノマー成分Bを90〜10
質量%とすることが好ましい。モノマー成分Aを20〜
80質量%、モノマー成分Bを80〜20質量%とする
ことがより好ましい。
【0036】重合は、有機溶剤中で、いわゆる溶液重合
によって行う。溶液重合法は、重合時の重合熱の除去が
容易であり、操業性が良いからである。溶媒の具体例と
しては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢
酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類;シクロヘ
キサン等の脂環族炭化水素類;ヘキサン、ペンタン等の
脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、上記重合反応を阻
害しなければ、特に限定されない。これらの溶媒は、1
種類のみを用いてもよく、2種類以上を便宜混合して用
いてもよい。なお、溶媒の使用量は、適宜決定すればよ
い。
【0037】重合開始剤としては、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
オクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラ
ウロイルパーオキサイド、商品名「ナイパーBMT−K
40」(日本油脂社製;m−トルオイルパーオキサイド
とベンゾイルパーオキサイドの混合物)等の有機過酸化
物や、アゾビスイソブチロニトリル、商品名「ABN−
E」[日本ヒドラジン工業;2,2’−アゾビス(2−
メチルブチロニトリル)]等のアゾ系化合物等の公知の
ラジカル重合開始剤を利用することができる。
【0038】重合開始剤は、モノマー成分A用とモノマ
ー成分B用が必要であり、モノマー成分A用のものは反
応器に仕込み、モノマー成分B用のものはモノマー成分
Bを添加する際に一緒に添加する。モノマー成分A用と
モノマー成分B用の重合開始剤は同種のものでも異種の
ものでもよく、いずれにおいても2種類以上の開始剤を
混合して使用してもよい。また、モノマー成分Bの添加
が終了した後に、低分子量のポリマー低減を目的として
後添加用開始剤(ブースター)を添加してもよい。開始
剤量は合計で、モノマーの質量に対して、0.01〜1
質量%となるように使用することが好ましい。あまり多
いと、粘着特性の優れた高分子量のポリマーが得られな
いことがある。粘着特性の点からは、粘着剤用ポリマー
全体としての重量平均分子量Mwは20万以上が好まし
く、30万以上がより好ましい。上限は特に限定されな
いが、溶液重合では200万を超えるポリマー合成は難
しいため、200万以下が好ましく、100万以下がよ
り好ましい。
【0039】重合温度や重合時間等の重合条件は、例え
ば、モノマー成分A・Bの組成や、重合溶媒、重合開始
剤の種類、あるいは、得られる粘着剤用ポリマーの要求
特性、粘着剤の用途等に応じて適宜設定すればよく、特
に限定されない。また、反応圧力も特に限定されるもの
ではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧のいずれであっ
てもよい。なお、重合反応は、窒素ガス等の不活性ガス
の雰囲気下で行うことが望ましい。
【0040】本発明の重合方法では、連鎖移動剤として
働く多価メルカプタンの使用は好ましくない。多価メル
カプタンを使用すると、メルカプト基部分から重合が始
まっていわゆる星形ポリマーが形成されるため、本発明
で目的とする分子鎖が長くて高分子量で、しかも勾配組
成を有するポリマーが得られにくく、再剥離性や耐曲面
貼り性を満足する粘着剤を得ることが難しいためであ
る。特に、種々の剥離速度において良好な粘着特性を発
揮する粘着剤用ポリマーを得るためには、多価メルカプ
タンの使用は好ましくない。もちろん、本発明の効果を
阻害しない範囲であれば、例えば重合速度を調節する目
的でメルカプタン化合物を使用しても構わない。この場
合のメルカプタン化合物の使用量の目安としては、モノ
マー成分AとBの全量に対し、0〜0.004質量%に
とどめておくことが好ましい。より好ましい上限は0.
002質量%、さらに好ましくは0.001質量%であ
る。
【0041】上記好ましい重合方法で得られる粘着剤用
ポリマーは、多価メルカプタンを使用して得られるメル
カプト基部分から放射状の勾配組成のポリマーが形成さ
れているような星形ブロックポリマーを主成分としたポ
リマーとは異なる。主成分というのは、ポリマーを10
0質量%としたときに、60質量%以上を占める成分を
いう。本発明の粘着剤用ポリマーとは、勾配組成ポリマ
ーが60〜100質量%以上含まれているものである。
好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜
100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、
最も好ましくは95〜100質量%である。メルカプタ
ン化合物の使用によって星形ブロックポリマーが合成さ
れたとしても、その量は粘着剤用ポリマー100質量%
中、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより
好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、0質量%で
あることが最も好ましく、再剥離性や耐曲面貼り性に優
れた粘着剤用ポリマーを得ることができる。
【0042】ポリマーA(モノマー成分Aのみから形成
されるポリマー)とポリマーB(モノマー成分Bのみか
ら形成されるポリマー)は、いずれか一方のポリマーの
Tgが−70〜−30℃となるように、モノマー組成を
選択することが好ましい。Tgがこの温度範囲であれ
ば、常温(23℃)で良好な粘着力を示すためである。
また、このとき、他方のポリマーは、前記ポリマーのT
gと10℃以上差があることが好ましい。両者のTgの
差が広ければ広いほど、勾配組成ポリマーとなったとき
のTgが一層ブロードになって、広い温度範囲で良好な
粘着特性を示すからである。ただし、他方のポリマーの
Tgが+30℃を超えるようになると、得られる勾配組
成ポリマーの常温での粘着力が低下してしまうので、+
30℃以下になるようにモノマー成分組成を選択するこ
とが好ましい。Tgの低い方のポリマーを構成するモノ
マー成分はAであってもBであってもよい。ポリマーの
TgはDSC(示差走査熱量測定装置)、DTA(示差
熱分析装置)、TMA(熱機械測定装置)によって求め
ることができる。また、ポリマーのTg(K)とモノマ
ーの質量分率から、公知の計算式を用いて求められる計
算値を目安にして、モノマー組成を決定してもよい。
【0043】モノマー成分Aとモノマー成分Bには、そ
れぞれ、粘着力を発現させるための(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと、架橋点となる官能基を含有するモ
ノマーとを組み合わせて用いることが好ましい。(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類では、Mwが1万を
超えると、ホモポリマー同士(例えばポリアクリル酸n
−ブチルとポリアクリル酸2−エチルヘキシル)は、ほ
ぼ例外なく非相溶となるので、モノマー成分Aとモノマ
ー成分Bの構成モノマーとして異なる(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを選択すればポリマーAとポリマー
Bは非相溶となる。また、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルと共に他のモノマー(例えば官能基含有モノマ
ー)を組み合わせて使用する場合も、主モノマー(モノ
マー成分中80質量%以上使用されるモノマー)の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの種類が異なっていれ
ば、生成するポリマーは非相溶となる。
【0044】(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、アルキル基の炭素数が1〜12のものが好まし
く、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオク
チル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル
酸ステアリル等が挙げられる。これらは1種または2種
以上を用いることができる。
【0045】粘着特性を考慮すれば、モノマー成分A、
Bそれぞれ100質量%中における(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類の含有量を、70〜99.9質量%
とすることが好ましい。99.9質量%を超えると、官
能基含有モノマー量が少なくなって、粘着剤用ポリマー
を充分架橋させることができない恐れがある。
【0046】官能基含有モノマーとしては、架橋剤と反
応し得る官能基を有するモノマーであれば、特に限定さ
れない。例えば、COOH基含有モノマー、OH基含有
モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミド基含有モノ
マー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モ
ノマー等が挙げられる。
【0047】COOH基含有モノマーの具体例として
は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無
水マレイン酸、マレイン酸、2−アクリロイルオキシエ
チルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル
酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル
酸等が挙げられる。
【0048】OH基含有モノマーの具体例としては、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ルのポリカプロラクトン変性物である「プラクセルF」
シリーズ(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
【0049】エポキシ基含有モノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸グリシジル、脂環エポキシ基含有モノマ
ーである「サイクロマー」シリーズ(ダイセル化学工業
社製)、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等が挙げ
られる。
【0050】アミド基含有モノマーとしては、(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、 N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−エトキシエチルアクリルアミド、N−(n−ブ
トキシメチル)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ルメタクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド等が挙
げられる。
【0051】アミノ基含有モノマーとしては、(メタ)
アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0052】イソシアネート基含有モノマーとしては、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト、(メタ)アクリロイルイソシアネートが挙げられ
る。
【0053】これらの官能基含有モノマーは、1種また
は2種以上用いることができるが、反応性の高い2種類
以上の官能基を同一の粘着剤用ポリマー中に導入する
と、ゲル化の原因となるので好ましくない。反応性の低
い2種以上の官能基であれば、併存可能である。上記官
能基含有モノマーのうち、本発明者等の検討によって、
COOH基を用いた架橋システムの方が再剥離性に優れ
た粘着剤を得られることが見出されている(別途出願済
み;特願2000−300838号)ため、COOH基
含有モノマーが好ましく使用される。COOH基含有モ
ノマーのなかでは、アクリル酸が最も好ましい。
【0054】これらの官能基含有モノマーは、モノマー
成分AとBのいずれか一方、または両方に、合計で0.
1〜10質量%用いることが好ましい。0.1質量%よ
り少ないと、架橋が不充分となって架橋密度が低く、凝
集力不足となることがある。しかし、10質量%を超え
て用いると、架橋密度が高くなり過ぎて、粘着力が低く
なることがある。
【0055】粘着剤用ポリマーを形成するためのモノマ
ー成分には、さらに、アクリロニトリルが含まれている
ことが好ましい。粘着剤の凝集力が向上し、保持力、再
剥離性等の特性が良好となる。この効果を発現させるた
めには、モノマー成分Aおよび/またはモノマー成分B
において、アクリロニトリルを1質量%以上用いること
が好ましい。より好ましい下限は2質量%である。ただ
しあまり多く用いると粘着力が低下するので上限は10
質量%に抑えることが好ましい。より好ましい上限は8
質量%である。
【0056】モノマー成分AおよびBには、その他のモ
ノマーが含まれていてもよい。その他のモノマーの具体
例としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族
系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル;N−ビニルピロリドン、アクリロイルモル
ホリン等のN基含有モノマー;メタクリロニトリル;
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド等のアミド系モノマー等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これらのその他のモノマーは、各モ
ノマー成分中0〜20質量%とすることが好ましい。2
0質量%を超えると、粘着剤用ポリマーのTgが上がっ
て硬くなるので、粘着力・耐反発性等の特性が低下する
ため好ましくない。
【0057】粘着剤用ポリマーを架橋するための架橋剤
としては、前記官能基含有モノマーの有する官能基であ
って粘着剤用ポリマーに導入された官能基との反応性を
有する官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用い
ることができる。このような官能基としては、イソシア
ネート基、エポキシ基、アミノ基、メチロール基、アル
コキシメチル基、イミノ基、金属キレート基、アジリジ
ニル基等が挙げられる。具体的な化合物としては、多官
能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官
能メラミン化合物、金属架橋剤、アジリジン化合物等が
挙げられる。
【0058】イソシアネート基を2個以上有する多官能
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネ
ート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリ
レンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネー
ト化合物;「スミジュールN」(住友バイエルウレタン
社製)等のビュレットポリイソシアネート化合物;「デ
スモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれ
もバイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本
ポリウレタン工業社製)等として知られるイソシアヌレ
ート環を有するポリイソシアネート化合物;「スミジュ
ールL」(住友バイエルウレタン社製)等のアダクトポ
リイソシアネート化合物;「コロネートL」および「コ
ロネートL−55E」(いずれも日本ポリウレタン社
製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等を挙げる
ことができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種
以上を併用することもできる。また、これらの化合物の
イソシアネート基を活性水素を有するマスク剤と反応さ
せて不活性化したいわゆるブロックイソシアネートも使
用可能である。
【0059】多官能エポキシ化合物としては、1分子当
たりエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限
定されるものではない。具体例としては、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロルヒド
リン型エポキシ樹脂、N,N,N',N'−テトラグリシジル−
m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシ
ジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジ
ルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げら
れる。
【0060】多官能メラミン化合物としては、メチロー
ル基またはアルコキシメチル基またはイミノ基を合計で
1分子当たり2個以上有する化合物であれば、特に限定
されるものではない。具体例としては、ヘキサメトキシ
メチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキ
サプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメ
ラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン等が挙げ
られる。
【0061】金属架橋剤としては、特に限定されるもの
ではない。具体例としては、アルミニウム、亜鉛、カド
ミウム、ニッケル、コバルト、銅、カルシウム、バリウ
ム、チタン、マンガン、鉄、鉛、ジルコニウム、クロ
ム、錫等の金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、サリチル酸メチル
等が配位した金属キレート化合物等が挙げられる。
【0062】アジリジン化合物としては、N,N'−ヘキサ
メチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシア
ミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジ
ニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−
メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフォ
ンオキサイド、N,N'−ジフェニルエタン−4,4’−ビ
ス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられ
る。
【0063】架橋剤の使用量は特に限定されないが、粘
着剤用ポリマー(固形分)に対し、架橋剤を0.05〜
15質量%とすることが好ましい。0.05質量%より
も少ないと、架橋が不充分となって架橋密度が低く、凝
集力不足となることがある。15質量%を超えると、架
橋密度が高くなり過ぎて、粘着力が低くなることがあ
る。より好ましい下限は0.1質量%、上限は10質量
%である。
【0064】上記粘着剤用ポリマーと架橋剤を必須成分
とする粘着剤組成物を各種用途に応じた形態にした後、
架橋反応させることにより本発明の粘着製品が得られ
る。粘着剤組成物には、粘着剤用ポリマー以外に、必要
により、粘着付与剤が配合されていてもよい。粘着付与
剤としては、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステ
ル系、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロン
系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹
脂系、フェノール樹脂系、石油樹脂系等が挙げられる。
これらは1種または2種以上組み合わせて使用できる。
【0065】粘着付与剤の量は、特に限定されないが、
粘着剤用ポリマー100質量部に対して、通常、5〜1
00質量部とするのが好ましい。粘着付与剤の添加量が
5質量部より少ないと、粘着付与剤による粘着力向上効
果が発揮されないことがある。一方、上記粘着付与剤の
添加量が100質量部より多いと、逆にタックが減少し
て粘着力が低下するおそれがある。10〜50質量部の
範囲内がさらに好ましい。
【0066】粘着剤組成物には、さらに、必要に応じ
て、通常配合される充填剤、顔料、希釈剤、老化防止
剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の従来公知の添加剤
を添加してもよい。これらの添加剤は、1種類または2
種以上、使用可能である。これらの添加剤の添加量は、
所望する物性が得られるように適宜設定すればよい。
【0067】粘着剤用ポリマーと前記架橋剤、必要によ
り、上記各種添加剤、溶剤等を混合して調製された粘着
剤組成物は、例えば、粘着シート、粘着ラベル、粘着テ
ープ、両面テープ等の各種粘着製品の製造に好適に用い
ることができる。このような粘着製品は、基材レスで、
または基材に粘着剤組成物の層を形成し、架橋反応させ
ることにより製造される。
【0068】基材としては、上質紙、クラフト紙、クレ
ープ紙、グラシン紙等の従来公知の紙類;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リエチレンテレフテレート、ポリ塩化ビニル、セロファ
ン等のプラスチック;織布、不織布等の繊維製品等を利
用できる。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート
状、テープ状、板状、発泡体等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。基材の片面に粘着剤組成物を公
知の方法で塗布することによって、粘着シート、粘着テ
ープ、粘着ラベル等を得ることができる。また、紙、合
成紙、プラスチックフィルム等のシート状物に離型剤が
塗布されている離型紙等に粘着剤組成物を塗布すること
により、基材レス(単層構造)の粘着層が得られ、基材
レスの両面テープとして使用することができる。また、
上記基材の両面に同種または異種の粘着剤組成物を塗布
して、両面テープとしてもよい。
【0069】粘着剤組成物を基材に塗布する方法は、特
に限定されるものではなく、ロールコーティング法、ス
プレーコーティング法、ディッピング法等の公知の方法
を採用することができる。この場合、粘着剤組成物を基
材に直接塗布する方法、離型紙等に粘着剤組成物を塗布
した後、この塗布物を基材上に転写する方法等いずれも
採用可能である。
【0070】粘着剤組成物を塗布した後、乾燥させるこ
とにより、基材上に粘着層が形成される。乾燥温度は、
特に限定されるものではないが、加熱乾燥時に架橋反応
が進行するので、架橋剤の種類に応じて架橋反応が速や
かに進行する温度で乾燥することが好ましい。なお、用
途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗布して
もよい。
【0071】基材上に形成された粘着層の表面には、例
えば、離型紙を貼着してもよい。粘着層表面を好適に保
護・保存することができる。剥離紙は、粘着製品を使用
する際に、粘着層表面から引き剥がされる。なお、シー
ト状やテープ状等の基材の片面に粘着層が形成されてい
る場合は、この基材の背面に公知の離型剤を塗布して離
型剤層を形成しておけば、粘着層を内側にして、粘着シ
ート(テープ)をロール状に巻くことにより、粘着層
は、基材背面の離型剤層と当接することとなるので、粘
着層表面が保護・保存される。
【0072】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお以下特にことわりのない場合、「%」は
「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すもの
とする。
【0073】実施例1(粘着剤用ポリマー溶液A1の合
成) 温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および
滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、アクリル酸ブチ
ル(BA)282部、アクリル酸(AA)9部およびア
クリロニトリル(AN)9部からなるモノマー成分A
と、酢酸エチル245部を加えて昇温し、80℃になっ
たところで過酸化物系開始剤(ナイパーBMT−K4
0:日本油脂(株)社製)を0.6部を添加して重合を
開始した。重合開始から同時に、アクリル酸2−エチル
ヘキシル(2EHA)282部、アクリル酸9部および
アクリロニトリル9部からなるモノマー成分Bと、ナイ
パーBMT−K40を0.6部、および酢酸エチル10
部を1時間半かけて滴下し、重合反応を続けた。モノマ
ー成分Bの滴下終了後、1時間後に、反応物の粘度が上
昇してきたので、希釈溶剤として酢酸エチルを390部
添加した。
【0074】さらに2時間後に、後添加用開始剤アゾ系
重合開始剤(ABN−E:日本ヒドラジン工業(株)社
製)を1.8部と酢酸エチル40部を添加し、さらに4
時間反応を続けた。重合終了時にトルエン212部を加
えて希釈した。その結果、固形分38.9%、粘度8.
5Pa・s(25℃、B型粘度計、以下同様)、重量平
均分子量52.6×104(GPC測定:標準ポリスチ
レン換算)の粘着剤用ポリマー溶液(A1)を得た。
【0075】なお、GPCによる分子量測定条件は以下
の通りである。 GPC測定装置:Liquid Chromatography Model 510
(Waters社製) 検出器:M410示差屈折計 カラム:Ultra Styragel Linear(7.8mm×30c
m) Ultra Styragel 100A (7.8mm×30cm) Ultra Styragel 500A (7.8mm×30cm) 溶媒:THF(テトラヒドロフラン) 試料濃度は0.2%、注入量は200マイクロリットル
/回とした。
【0076】実施例2〜5(粘着剤用ポリマー溶液A2
〜A5の合成)モノマー組成を表1に示したように変更
した以外は実施例1と同様に重合を行い、粘着剤用ポリ
マー溶液A2〜A5を得た。また、実施例4において得
られた粘着剤用ポリマーの示差走査熱量測定(DSC)
を行った。DSCのチャートを図2に示す。DSCの測
定は、セイコー電子工業社製「SSC5200H」を用
い、−150℃から+30℃まで20℃/分の昇温速度
で18mgのポリマーについて行った。図2から明らか
なように、Tgを示す微分曲線のピークは、後述する図
3のシャープなピークに比べ、かなりブロードであっ
た。
【0077】実施例6(粘着剤用ポリマー溶液A6の合
成) 温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および
滴下ロートを備えた4つ口フラスコにアクリル酸2−エ
チルヘキシル282部、アクリル酸9部およびアクリロ
ニトリル9部からなるモノマー成分Aと、酢酸エチル2
00部を加えて昇温し、80℃になったところでナイパ
ーBMT−K40を0.6部を添加して重合を開始し
た。重合開始から45分後に、アクリル酸ブチル282
部、アクリル酸9部およびアクリロニトリル9部からな
るモノマー成分Bと、ナイパーBMT−K40を0.6
部、および酢酸エチル10部を1時間半かけて添加し、
反応を続けた。なお、重合開始から45分後のモノマー
成分Aの重合率は50%であった。モノマー成分Bの滴
下が終了してから1時間後に、反応物の粘度が上昇して
きたので、希釈溶剤として酢酸エチルを390部添加し
た。さらに2時間後に後添加用開始剤としてABN−E
を1.8部と酢酸エチル40部を添加し、さらに4時間
反応を続けた。重合終了時にトルエン257部を加えて
希釈した。その結果、固形分39.1%、粘度17Pa
・s、重量平均分子量66.9×104の粘着剤用ポリ
マー溶液A6を得た。
【0078】
【表1】
【0079】比較例1〜4(比較用粘着剤用ポリマー溶
液B1〜B4の合成) モノマー組成を表2に示したように変更した以外は実施
例A1と同様に重合を行い、比較用粘着剤用ポリマー溶
液B1〜B4を得た。比較例3において得られた粘着剤
用ポリマーの示差走査熱量測定(DSC)のチャートを
図3に示す。DSCの測定は、実施例4の場合と同様に
して24.1mgのポリマーについて行った。図2と比
べ、シャープなピークを示していることがわかる。
【0080】比較例5(比較用粘着剤用ポリマー溶液B
5の合成) 実施例6におけるモノマー成分Bの滴下開始を、モノマ
ー成分Aの重合が開始してから6時間後に変更した以外
は、実施例6と同様に重合を行い、粘着剤用ポリマー溶
液B5を得た。なお、モノマー成分Aの重合が開始して
から6時間後の重合率は89%であった。
【0081】
【表2】
【0082】実施例7(実験No.1〜6) 粘着剤用ポリマー溶液A1とA2を用い、各溶液中に含
まれる粘着剤用ポリマー固形分に対し、コロネートL5
5E(日本ポリウレタン社製のポリイソシアネート化合
物:固形分55%)が表3に示す質量%(ドライ)とな
るように配合してよく混合し、粘着剤組成物を作製し
た。この粘着剤組成物を架橋させ、得られた粘着剤の粘
着力試験を後述する方法に従って行った。結果を表3に
示す。
【0083】実施例8(実験No.7〜11) 粘着剤ポリマー溶液A2とA3を用い、各溶液中に含ま
れる粘着剤用ポリマー固形分に対し、テルペンフェノー
ル系粘着付与剤(「タマノル803L」;荒川化学社
製)を20%と、コロネートL55Eを表4に示す質量
%(ドライ)となるように、各ポリマー溶液に配合して
よく混合し、粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成
物を架橋させ、得られた粘着剤の粘着力試験を後述する
方法に従って行った。結果を表4に示す。
【0084】実施例9(実験No.12〜17) 粘着剤ポリマー溶液A4〜A6を用い、各溶液中に含ま
れる粘着剤用ポリマー固形分に対し、ロジンエステル系
粘着付与剤(「ペンセルD−135」;荒川化学社製)
を20%と、コロネートL55Eを表5に示す質量%
(ドライ)となるように、各ポリマー溶液に配合してよ
く混合し、粘着剤組成物を作製した。この粘着剤組成物
を架橋させ、得られた粘着剤の粘着力試験を後述する方
法に従って行った。結果を表5に示す。
【0085】比較例6(実験No.18〜23) 粘着剤用ポリマー溶液と架橋剤量を表6に示したように
変更した以外は、実施例7と同様にして、粘着特性を測
定した。結果を表6に示す。
【0086】比較例7(実験No.24〜32) 粘着剤用ポリマー溶液と架橋剤量を表7に示したように
変更した以外は、実施例8と同様にして粘着付与剤「タ
マノル803L」が含まれた粘着剤組成物を作製し、粘
着特性を測定した。結果を表7に示す。
【0087】[試験片の作成方法]基材としてポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社
製、厚さ25μm)を用い、粘着剤組成物を乾燥後の厚
さが25μmとなるように塗布した後、100℃で3分
間乾燥させた。その後、粘着剤表面に離型紙(サンエー
化研株式会社製、商品名K−80HS)を貼着して保護
した後、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で7日
間養生し、粘着フィルム(粘着製品)を得た。この粘着
製品を所定の大きさに切断して、試験片を作製した。な
お、離型紙は各種測定試験を実施する際に引き剥がし
た。
【0088】[保持力の測定方法]温度23℃、相対湿
度65%の雰囲気下で、JIS G 4305に規定さ
れるステンレス鋼板(SUS304:以下「SUS板」
と記す)に、貼付面積が25mm×25mmとなるよう
に粘着フィルム試験片を貼着する。25分間放置後、こ
の試験片が貼着されたSUS板を80℃の恒温機に入れ
て、鉛直に吊り下げる。20分間経過した後、1kgの
荷重を試験片に掛けて、SUS板から試験片が落下する
までの時間、または24時間後のズレ距離を測定した。
NCとあるのは、全くズレなかったものである。
【0089】[初期粘着力の測定方法]被着体として、
前記SUS板を用い、試験片を、23℃、相対湿度65
%の雰囲気下で、SUS板に2kgのゴムローラで貼り
付け、ゴムローラが試験片上を合計で3往復するように
圧着した。圧着してから20分後に、23℃、相対湿度
65%の雰囲気下、引張試験機を用い、SUS板と試験
片のフィルム部分(粘着剤が塗布されていない部分)を
それぞれ把持し、速度300mm/分で試験片を180
゜方向に引っ張ってSUS板から剥離させた時の強度を
測定し、この剥離強度を初期粘着力とした。
【0090】[常態24時間後粘着力の測定方法]初期
粘着力測定と同様にして、SUS板に試験片を貼着し、
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下に貼着してから
24時間放置し、その後、初期粘着力測定と同様にして
引っ張り試験を行って、強度を測定した。この値を常態
24時間後粘着力(N/25mm)とした。なお、請求
項4で規定する粘着力は、この常態24時間後粘着力の
ことである。
【0091】[加熱促進後の粘着力の測定方法]初期粘
着力測定と同様にして、SUS板に試験片を貼着した。
貼着してから70℃で24時間(1日)放置したもの
と、70℃で7日間放置したものについて、初期粘着力
測定と同様にして180゜剥離粘着力(N/25mm)
を測定した。なお、粘着力は、それぞれ加熱状態からサ
ンプルを取り出し、23℃、相対湿度65%の雰囲気下
で1時間放置してから測定した。
【0092】[糊残り性評価]上記の初期粘着力、常態
粘着力および加熱促進後の粘着力の測定に際し、下記基
準に従って粘着剤の糊残り性を評価した。 A:粘着剤の跡が全く残らない B:粘着剤の跡が曇って残る C:粘着剤の薄い凝集破壊(被着体に粘着剤がうっすら
糊残りしている) D:粘着剤の濃い凝集破壊(被着体に粘着剤がべっとり
糊残りしている)
【0093】[粘着力の速度依存性]初期粘着力測定の
場合と同様にして、被着体であるSUS板に幅25mm
の粘着フィルム試験片を貼着し、貼着してから24時間
経過後に、速度500mm/分でSUS板から剥離させ
た時の剥離粘着力Xと、速度100mm/分で剥離させ
たときの剥離粘着力Yとを測定し、粘着力の速度依存
性、すなわちX/Yを求めた。
【0094】[再剥離性]初期粘着力測定と同様にし
て、SUS板に試験片を貼着した。貼着してから80℃
で24時間放置したものについて、試験片をSUS板に
対し90°方向に手で素早く剥がした。このときの糊残
り状態を上記基準に従って評価した。
【0095】[耐エッジリフト性(耐曲面貼り性)]温
度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、ポリプロピレ
ン製の円柱(直径15mm)の円周に沿って、半周分の
長さに相当する幅10mmの試験片(ラベル)を貼り付
け、3日後にラベルの浮き状態を観察した。浮き状態
は、図4に示した基準で判断した。
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】表3〜5から、本発明の粘着製品は、粘着
力、再剥離性、耐エッジリフト性(曲面貼り性)の全て
がバランス良く良好であることが分かる。
【0102】しかし、仕込みモノマー成分Aと、滴下モ
ノマー成分Bが同じ組成であるポリマー溶液B1〜B4
や、モノマー成分Bの最初の滴下がモノマー成分Aの重
合率が50%を超えた後に行われたポリマー溶液B5を
用いた粘着剤では、特に、再剥離性に劣っていた(表
6、7)。
【0103】また本発明実施例では、剥離速度500m
m/分での粘着力Xと、剥離速度100mm/分で粘着
力Yとの比X/Yが1.3以下であるが、比較例では
1.3を超えており(実験No.21〜23)、これら
の耐エッジリフト性が劣っていることから、粘着力の速
度依存性と耐エッジリフト性(耐曲面貼り性)に相関が
あることがわかる。
【0104】
【発明の効果】ポリマー全体としてブロードなTgを示
す粘着剤用ポリマーを用いることにより、耐曲面貼り性
に優れ、強粘着力を示し、さらに再剥離性にも優れた粘
着製品を提供することができた。この粘着製品は、幅広
い温度範囲で良好な粘弾性を示す粘着剤層を有するの
で、温度依存性の少ない優れた制振性能をも発揮すると
考えられ、制振材料として応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】勾配組成ポリマーのブロードなTgを説明する
ための概念図である。
【図2】実施例4で得られたポリマーのDSCチャート
である。
【図3】比較例3で得られたポリマーのDSCチャート
である。
【図4】耐エッジリフト性の評価基準を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 前田 順啓 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA17 AB01 CA02 CA04 CA05 CA06 CB01 CB02 CB04 CC02 DB02 DB03 EA01 EA05 GA01 4J011 BB07 HA03 HB14 4J040 DF041 DF051 JB09 LA02 LA06 PA23 QA01 QA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを
    主たる構成成分とするアクリル系粘着剤層そのものまた
    は粘着剤層と基材とからなる粘着製品であって、剥離速
    度500mm/分でJIS K 6854に準じて測定
    される粘着剤の180゜剥離粘着力Xと、剥離速度10
    0mm/分でJIS K 6854に準じて測定される
    粘着剤の180゜剥離粘着力Yとの比X/Yが1.3以
    下であることを特徴とする粘着製品。
  2. 【請求項2】 剥離速度300mm/分でJIS K
    6854に準じて測定される粘着剤の180゜剥離粘着
    力が、9N/25mm以上である請求項1に記載の粘着
    製品。
  3. 【請求項3】 上記アクリル系粘着剤層は、異なるモノ
    マー組成のモノマー成分Aとモノマー成分Bとを有機溶
    剤中でラジカル重合することにより合成された粘着剤用
    ポリマーを用いて形成されていて、 重合方法が、まず、モノマー成分Aを反応器に仕込んで
    重合を行い、 モノマー成分Aの重合開始後であって、かつ、モノマー
    A成分の重合率が50%を超えない時点で、前記反応器
    へモノマー成分Bの投入を開始して重合を行うものであ
    る請求項1または2に記載の粘着製品。
  4. 【請求項4】 上記アクリル系粘着剤層は、上記粘着剤
    用ポリマーを架橋剤で架橋させた架橋ポリマーを含むも
    のである請求項3に記載の粘着製品。
  5. 【請求項5】 モノマー成分Aのみから形成されるポリ
    マーAか、モノマー成分Bのみから形成されるポリマー
    Bのいずれか一方のガラス転移温度が−70℃〜−30
    ℃であり、他方のポリマーのガラス転移温度と10℃以
    上異なるものである請求項3または4に記載の粘着製
    品。
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