JP2002169338A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP2002169338A
JP2002169338A JP2000368528A JP2000368528A JP2002169338A JP 2002169338 A JP2002169338 A JP 2002169338A JP 2000368528 A JP2000368528 A JP 2000368528A JP 2000368528 A JP2000368528 A JP 2000368528A JP 2002169338 A JP2002169338 A JP 2002169338A
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雅彦 久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期連続複写において帯電性能が安定し、画
像カブリや画像濃度に関する画像特性が安定し、十分な
着色性を保持する電子写真用トナーを提供すること。 【解決手段】 本発明に係る電子写真用トナーは、酸価
と水酸価の和が30以下の結着樹脂にカーボンブラック
が含有され、該カーボンブラックのストラクチャー指数
が100以上、揮発分が1.2%以下で、かつ、平均粒
子径が14〜35nmの範囲にあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機やレ
ーザービームプリンタ等の、いわゆる電子写真法、静電
印刷法を用いた画像形成装置に使用される電子写真用ト
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真法、静電印刷法の分野で
は、像担持体上に形成された静電潜像を可視像化する目
的でトナーを使用している。上記乾式現像法において
は、パウダークラフト法、カスケード法、磁気ブラシ法
等があり、一般に現像操作の制御が容易で、品質の高い
画像が得られる点で磁気ブラシ法が広く使用されてい
る。磁気ブラシ法は磁性トナーのみによって磁気ブラシ
を形成して現像を行なう一成分現像方法、トナーとキャ
リアと呼ばれる磁性粒子を混合して磁気ブラシを形成す
る二成分現像方法とがあり、磁気ブラシ上の所定電荷を
有するトナーが感光体上の静電潜像へクーロンカによっ
て移行して付着し、現像が行なわれる。上記トナーは通
常、樹脂媒質中に着色剤を分散させたもので、樹脂媒質
としては所望の検電性と結着性を備えた樹脂、例えばス
チレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の各種樹脂が使用
され、着色剤としてはカーボンブラックや他の有機系ま
たは無機系の着色顔料が使用されている。
【0003】このような摩擦帯電による現像方法におい
て、画像劣化が無く長期安定な画像を形成する為に、上
記トナーは現像器に補給された後すぐに適性帯電量に達
し、摩擦撹拌の継続によってもその電荷が過剰に蓄積せ
ず、また帯電電荷を放出しすぎず、その帯電量の変動が
少ないことが望まれる。またトナーは紙上に現像された
とき、画像部以外の紙上での付着量がより少なくて、画
像部での十分な画像濃度が得られる、つまり着色力の高
いトナーが望まれる。
【0004】トナーが適性帯電量に達し、トナー中に電
荷が過剰に蓄積せず、また帯電電荷を放出しすぎず、ト
ナー帯電量の変動が少ない、つまりトナーの帯電安定性
を決定する因子、即ちトナーの着色力を支配する重要な
因子の一つにカーボンブラックの特性が挙げられ、この
ようなカーボンブラックの特性を決定する重要な要因
は、 (1)平均粒子径 (2)ストラクチャー (3)粒子表面の化学的性質が挙げられる。
【0005】カーボンブラックの平均粒子径は、着色性
能を決定する因子であり、その測定は、電子顕微鏡で撮
影した画像から、統計的な取り扱いをして行なう。カー
ボンブラックにおけるストラクチャーとは、その粒子の
つながり状態の大小を表す、カーボンブラックに特有の
用語であり、ストラクチャーは電子顕微鏡で撮影した画
像から比較的容易に観察できるが、一般には、カーボン
ブラックの比表面積の測定と、ジブチルフタレート吸油
量(以下、DBP吸油量という。)の測定とから定量的
に求めることができる。
【0006】例えば、コロンビアンカーボン社発行の技
術サービス資料によれば、カーボンブラック粒子の構成
状態によって、粒子のつながりが大きいものをハイスト
ラクチャー、中程度のものをノルマルストラクチャー、
粒子のつながりの小さいものをローストラクチャーと言
い、その大小の程度を、ノルマルストラクチャーのカー
ボンブラックを任意に100と定義したストラクチャー
指数で表している。
【0007】そして、このストラクチャー指数を100
に定義したノルマルストラクチャーのカーボンブラック
における、比表面積とDBP吸油量との関係を表すカー
ブ(横軸:比表面積、縦軸:DBP吸油量)を基に、カ
ーボンブラックのストラクチャー指数が求められる。粒
子表面の化学的性質は、一般に、粒子表面に存在する酸
素含有物の種類と、その多少で決定され、通常、揮発分
の含有割合によって評価される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平2−
37365号公報において、酸価が5乃至15の結着樹
脂100質量部あたり、DBP吸油量が110乃至17
0ml/100gのカーボンブラックが10質量部未満
で分散していることを特徴とする静電荷像用トナーにつ
いて記載されている。しかし、特開平2−37365号
公報に記載の従来のトナーは更なる着色力の性能アップ
が期待されており、また、とりわけ連続複写を行ったと
きの帯電性能の低下防止、及びそれによる画像特性の劣
化の防止が要求されている。
【0009】本発明は上記従来技術の課題及び要望に応
えるためになされたものであり、長期連続複写において
帯電性能が安定し、画像カブリや画像濃度に関する画像
特性を良好に維持し、更に、十分な着色性を有した電子
写真用トナーを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、前述したカーボンブラックの特性、即ちカ
ーボンブラックのストラクチャー指数や揮発分、及び平
均粒子径が、結着樹脂中への分散状態並びにトナー自身
の電気特性に大きくかかわることに着眼し、さらに検討
を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明に係る電子写真用トナーは、
酸価と水酸基価の和が30以下の結着樹脂にカーボンブ
ラックが分散され、該カーボンブラックのストラクチャ
ー指数が100以上、揮発分が1.2%以下で、かつ、
平均粒子径が14〜35nmの範囲にあることを特徴と
する。
【0012】また、本発明者らは、さらに検討を行い、
その結果、カーボンブラックの平均粒子径を更に特定範
囲内に限定すれば、結着樹脂中のカーボンブラックの分
散性は更に向上し、それに伴いトナー自身の電気特性を
十分に安定化できるとともに、トナーの着色性能が向上
することを見出した。
【0013】即ち、本発明に係る電子写真用トナーは、
上記カーボンブラックはストラクチャー指数が100以
上、揮発分が1.2%以下で、かつ、平均粒子径20〜
30nmの範囲にあることを特徴とする。
【0014】更に、本発明者らは検討を行い、ポリエス
テル系樹脂は高分子量のポリエステルと低分子量のポリ
エステルを溶融、均一化すると、相互のエステル基がエ
ステル交換反応を行い、最も安定な中間領域の分子量に
近づく性質があるため、他の樹脂に比べると分子量分布
がシャープであり、その結果、カーボンブラックの分散
性がさらに向上しそれに伴いトナー自身の電気特性をさ
らに安定化できると共に、トナーの着色性能が向上する
ことを見出した。
【0015】即ち、本発明に係る電子写真用トナーは、
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いることを特徴と
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。本発明に係る電子写真用トナーは、酸価と
水酸基価の和が30以下の結着樹脂にカーボンブラック
が分散され、該カーボンブラックのストラクチャー指数
が100以上、揮発分が1.2%以下で、かつ、平均粒
子径が14〜35nmの範囲にある。
【0017】上記電子写真用トナーは、結着樹脂にカー
ボンブラックが分散されたものである。上記結着樹脂は
その酸価と水酸価の和が30以下、好ましくは20〜2
8の範囲にあるものである。上記結着樹脂の酸価と水酸
基価の和を30以下とするのは以下の理由による。
【0018】トナーの飽和帯電量或いは帯電安定性は通
常、トナー中のカーボンブラックと結着樹脂間における
電子のやり取りのし易さが大きく影響している。上記結
着樹脂の酸価と水酸基価の和を30以下とすると、結着
樹脂とカーボンブラックとの電子のやり取りは活発化し
充足する。カーボンブラックより移行してきた電子を十
分に保持することができる。また、カーボンブラックの
結着樹脂への分散性を向上する。このため、トナー自身
は十分な着色性能を持ち、長期複写後も安定した帯電性
能を持ち、画像カブリや画像濃度に関する画像特性を良
好に維持する。
【0019】一方、結着樹脂の酸価と水酸基価の和が3
0を超えると、カーボンブラックの周囲に極性基が存在
しすぎて、結着樹脂はカーボンブラックから移行してき
た電子を保持する時間が短く、カーボンブラックに返還
される電子が多くなりすぎて、トナー自身の飽和帯電量
が低くなる。帯電安定性の欠けたトナーとなる。このた
め、トナーは画像カブリや画像濃度に関する画像特性を
良好に維持できない。上記結着樹脂の酸価と水酸基価の
和が30以下であれば、そのトナーの機能に支障はない
が、上記結着樹脂の酸価と水酸基価の和が極端に小さい
と、カーボンブラックと樹脂間の電子のやりとりが不
足、不自由して、樹脂に移行した電子が蓄積して放出が
悪くなる場合がある。
【0020】上記結着樹脂としては、ポリエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、低分子量ポ
リエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、ポリビニルブチラール、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ア
イオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、
ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂等があげら
れ、これらが単独で、または2種以上混合して用いられ
る。
【0021】本発明において、上記結着樹脂はポリエス
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂が望ましく、特にポリ
エステル系樹脂が望ましい。ポリエステル系樹脂を用い
ると、上記酸価及び水酸価の和が30以下の好ましい樹
脂を容易に選択することができる。また、ポリエステル
系樹脂は高分子量のポリエステルと低分子量のポリエス
テルを溶融、均一化すると、相互のエステル基がエステ
ル交換反応を行い、最も安定な中間領域の分子量に近づ
く性質があるため、他の樹脂に比べると分子量分布がシ
ャープとなる。このため、画像形成の初期及び連続複写
後における帯電量の変化が極めて少ない帯電安定性に優
れたトナーを得ることができる。また長期複写後の画像
カブリや画像濃度に関する画像特性を良好に維持して、
着色性能の優れた電子写真用トナーを得ることができ
る。
【0022】上記ポリエステル系樹脂としては、具体的
に、下記の多価アルコールと多価カルボン酸成分とから
合成することができる。多価アルコール成分としては、
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−へキサンジオール、ネオペンチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノ
ールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリ
オキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノー
ルAアルキレンオキサイド付加物等の2価アルコールを
挙げることができる。
【0023】また、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶
分が発生しない程度に非線状化するために3価以上の多
価アルコールを使用することができる。3価以上のアル
コール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,
2,3,6−へキサンテトラオール、1,4−ソルビタ
ン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオ
ール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプ
ロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタント
リオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が
あげられる。
【0024】また、多価カルボン酸成分としては、例え
ば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン
酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、シクロへキサンジカルボン酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル
酸、アルキルコハク酸(例えば、n−オクチルコハク
酸、n−ドデセニルコハク酸)等の2塩基性カルボン
酸、それらの酸無水物およびアルキルエステルをあげる
ことができる。
【0025】上記ポリスチレン系樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メ
チルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、ス
チレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共
重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢
酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アク
リル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共
重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ア
クリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレ
ンまたはスチレン置換体を含む単独重合体または共重合
体)等を挙げることができる。
【0026】本発明に係る電子写真用トナーにおいて、
上記結着樹脂にカーボンブラックが含有され、分散され
る。上記カーボンブラックの配合量は、結着樹脂100
質量部に対して、2〜15質量部の範囲内であり、特
に、3〜8質量部の範囲内であることが好ましい。カー
ボンブラックの配合量が上記15質量部を超えると、そ
のトナーの表面にカーボンブラックが過剰に存在するた
め、低帯電量トナーが生成しやすくなり、その結果、ト
ナー自身はトナー飛散や画像かぶりを起こす。カーボン
ブラックの配合量が上記2質量部未満であれば、トナー
は着色力等に問題が生じてくる。
【0027】上記カーボンブラックは、その揮発分が
1.2%以下のものであることが好ましい。本発明にお
いて、カーボンブラックの揮発分が1.2%以下に限定
されるのは、酸価と水酸基価の和が30以下の極性基の
少ない上記結着樹脂中において、カーボンブラックの揮
発分が1.2%を超えるものでは、カーボンブラック自
体が凝集し易くなる。このため、カーボンブラックは結
着樹脂への分散性が低下し、トナー粒子中で複数のカー
ボンブラックが電気的な連続体を形成する等して、チャ
ネリング現象等が生じてトナーの導電率が高くなり、ト
ナーは帯電安定性が不安定となり画像カブリや画像濃度
に関する画像特性を十分に維持できない。これに対し、
揮発分が1.2%以下であれば、カーボンブラック自体
の導電率を低くし、かつ、カーボンブラックの結着樹脂
中での分散性が向上して、そのトナーは十分な着色性能
を持ち、長期複写後も安定した帯電性能を持ち、画像カ
ブリや画像濃度に関する画像特性を良好に維持する。
【0028】上記カーボンブラックは、そのストラクチ
ャー指数が100以上であり、特に100〜200の範
囲にあることが好ましい。上記カーボンブラックのスト
ラクチャー指数が100以上に限定されるのは、以下の
理由による。カーボンブラックのストラクチャー指数が
100未満では、カーボンブラック持体が凝集し易くな
って上記結着樹脂への分散性が低下し、トナーの帯電安
定性が不安定となり、トナーは良好な画像特性を提供す
ることができない。これに対し、カーボンブラックのス
トラクチャー指数が100以上であれば、カーボンブラ
ックは結着樹脂への分散性が向上し、カーボンブラック
は十分な着色性能を発揮する。そのトナーは、長期複写
後も安定した帯電性能を持ち、画像カブリや画像濃度に
関する画像特性を良好に維持することができる。上記カ
ーボンブラックのストラクチャー指数の上限について、
本発明では特に限定しないが、好ましいストラクチャー
指数の上限範囲は200程度までのものが好適に作製或
いは使用することができる。
【0029】上記カーボンブラックは、その平均粒子径
が14〜35nmの範囲内、特に20〜30nmの範囲
内であることが好ましい。カーボンブラックの平均粒子
径が14〜35nmの範囲内に限定されるのは、以下の
理由による。
【0030】カーボンブラックの平均粒子径が35nm
を超えると、トナーに満足する黒色を出すために、多量
のカーボンブラックを結着樹脂中に配合しなければなら
ず、そして、結果として結着樹脂中のカーボンブラック
の過密化により却って分散性は低下する。これに対し、
カーボンブラックの平均粒子径が35nm以下であれ
ば、カーボンブラックの適正な配合量で、製造トナーに
満足の行く黒色を出すことができる。カーボンブラック
の結着樹脂中での分散性が十分に維持され、その製造ト
ナーは十分な着色性能を持ち、長期複写後も安定した帯
電性能を有し、画像カブリや画像濃度に関する画像特性
を良好に維持することができる。
【0031】一方、カーボンブラックの平均粒子径が1
4nm未満では、カーボンブラックの比表面積が大きく
なりカーボンブラック同士の凝集がし易くなるため、結
着樹脂中のカーボンブラックの分散性は低下する。これ
に対して、カーボンブラックの平均粒子径が14nm以
上であれば、カーボンブラックの結着樹脂への分散性が
向上して、トナーは十分な着色性能を持ち、長期複写後
も安定した帯電性能を持ち、画像特性を安定なものとす
る。更に、カーボンブラックの平均粒子径の範囲を20
〜30nmと限定すれば、カーボンブラックは上記結着
樹脂中での上記配合量内で、分散性が実質的に十分なも
のとなり、トナーは十分な着色性能を持ち、且つ長期複
写後も安定した帯電性能を持つ。画像カブリや画像濃度
に関する画像特性を良好に維持したトナーが得られる。
【0032】本発明に使用される上記カーボンブラック
としては、チャンネルブラック、ローラーブラック、デ
ィスクブラック、ガスフアーネスブラック、オイルフア
ーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラッ
ク等の、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、
上記の各特性を満足するカーボンブラックを選択すれば
良い。
【0033】上記結着樹脂及びカーボンブラックからな
るトナーには、カーボンブラック以外の他の添加剤、或
いは特性付与剤を添加することができる。例えば、トナ
ーの電荷を調節するための電荷制御剤、オフセット防止
効果と定着性を向上させるための離型剤等を添加するこ
とができる。上記電荷制御剤としては、正電荷制御用の
電荷制御剤と負電荷制御用の電荷制御剤がある。正電荷
制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する
有機化合物、例えば塩基性染料、アミノピリン、ピリミ
ジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類等
や、上記各化合物で表面処理された充填剤等があげられ
る。負電荷制御用の電荷制御剤としては、カルボキシル
基を含有する化合物(例えばアルキルサリチル酸金属キ
レート等)、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、ナフテン酸金
属塩等があげられる。電荷制御剤は、結着樹脂100質
量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜
8質量部の割合で配合される。
【0034】上記離型剤(オフセット防止剤)として
は、脂肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸
類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリ
コーンオイル、各種ワックス等があげられる。中でも、
質量平均分子量が1000〜10000程度の脂肪族系
炭化水素が好ましい。具体的には、低分子量ポリプロピ
レン、低分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭
素原子数4以上のオレフイン単位からなる低分子量のオ
レフイン重合体等の1種または2種以上の組み合わせが
適当である。上記離型剤は、結着樹脂100質量部に対
して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部
の割合で使用される。
【0035】本発明に係る電子写真用トナーは、以上の
各成分を乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボール
ミル等によって均質に予備混合して得られた混合物を、
バンバリミキサー、ロール、一軸または二軸の押出混練
機等の混練装置を用いて均一に溶融混練した後、得られ
た混練物を冷却して粉砕し、必要に応じて分級すること
で製造される他、懸濁重合法等により製造することがで
きるが、これらの製造方法に限ることはない。
【0036】本発明に係る電子写真用トナーは、その粒
径が3〜35μmであることが好ましく、5〜25μm
であることがより好ましい。本発明に係る電子写真用ト
ナーはその表面に表面処理剤(流動化剤)をまぶして、
流動性や帯電性を向上させることもできる。上記表面処
理剤としては、無機微粒子やフッ素樹脂粒子等の、従来
公知の種々の材料を使用でき、特に、疎水性または親水
性のシリカ微粒子を含むシリカ系表面処理剤、例えば超
微粒子状無水シリカやコロイダルシリカ等が好適に使用
される。
【0037】本発明に係る電子写真用トナーは、フェラ
イトや鉄粉等の磁性キャリアと混合して、二成分系現像
剤として、フルカラー用またはモノカラー用の種々の画
像形成装置に使用することができる。このように構成さ
れる本発明に係る電子写真用トナーは、酸価と水酸基価
の和が30以下の結着樹脂に、ストラクチャー指数10
0以上、揮発分1.2%以下で、かつ、平均粒子径14
〜35nmのカーボンブラックを分散するので、初期お
よび連続複写後における帯電量の変化の少ない帯電安定
性に優れたものとなる。従って、電子写真用トナーは、
長期複写後の画像特性も安定しており、着色性能の優れ
ている。
【0038】更に、上記カーボンブラックのストラクチ
ャー指数が100以上、揮発分が1.2%以下で、か
つ、平均粒子径が20〜30nmのものを選択すると、
上記カーボンブラックは結着樹脂中に好適量に配合され
ると共に、十分な分散がなされる。このため、電子写真
用トナーは着色特性が極めて優れ、初期および連続複写
後における帯電量の変化が殆どない。
【0039】また、上記結着樹脂としてポリエステル樹
脂を用いることにより、上記結着樹脂の諸条件を満たす
と共に、カーボンブラックに対する分散性が極めて高い
結着樹脂が簡単に得られる。初期および連続複写後にお
ける帯電量の変化の少ない帯電安定性に優れ、長期複写
後の画像カブリや画像濃度に関する画像特性を良好に維
持し、着色性能の優れた本発明に係る電子写真用トナー
を簡単に得ることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例並びに比較例に基づいて本発明
に係る電子写真用トナーを詳述する。尚、本発明に係る
電子写真用トナーは以下の実施例に限るものではない。
【0041】(実施例1、2、及び比較例1〜5)結着
樹脂としての表1に示す特性を有するポリエステル樹脂
100質量部および電荷制御剤としてのサリチル酸の亜
鉛化合物2質量部と、表1に示す特性を有するカーボン
ブラック5質量部とを混合し、溶融混練した後、粉砕、
分級して、中心粒径10μmのトナーを作製した。
【0042】
【表1】
【0043】<画像濃度、画像カブリおよび帯電量の測
定方法>上記で作成した各トナー100質量部に対し、
平均粒径80μmのフェライトキャリアを配合し、トナ
ー濃度4%の二成分現像剤を作成した。得られた現像剤
を、電子写真複写機(型番AR−200シャープ(株)
製)によって、初期および原稿濃度6%の原稿を500
00枚連続複写したのちに、50mm×50mmのべた
画像の画像出しを行い、その画像部および非画像部の濃
度を濃度計(型番RD−918マクベス社製)にて測定
を行った。この時の画像部の濃度を画像濃度、非画像部
の濃度を画像カブリとした(表2)。また、上記初期お
よび50000枚連続複写した後の現像剤を電子写真複
写機の現像器内よりサンプリングし、その帯電量をブロ
ーオフ法によって測定した。更に、帯電量の変化率とは
初期および50000枚連続複写後における帯電量の変
化の割合を示した。その結果を表2に示した。
【0044】<着色力評価>上記同様に作成したトナー
及び現像剤を用い、上記電子写真複写機によって坪量8
0g/m2の紙に50mm×50mmのベタ画像を現
像、転写した。このとき、定着は行なわない。上記未定
着のベタ画像を2枚サンプルし、そのうちの1枚のサン
プルは、ベタ画像部分のトナー付着量を測定し、単位面
積あたりのトナー付着量を測定する。更に、別の1枚の
サンプルは、外部定着器にて定着し上記反射濃度計にて
ベタ画像部分の画像濃度を測定した。異なるトナー付着
量のベタ画像を数点サンプリングし、上記作成の各トナ
ーにおいてトナー付着量に対する画像濃度の相関性をグ
ラフ化し、そのグラフの傾き、或いは画像濃度の飽和値
によって着色力を評価した。上記各実施例、比較例で得
られたトナーを用いて、連続複写前後の帯電量測定、お
よび着色力評価の各試験を行った。その結果を表2に示
した。尚、各表中の◎は極めて良好であり、○は良好で
あり、△は普通であり、×は不良である。
【0045】
【表2】
【0046】上記表2の結果より、結着樹脂の酸価+水
酸基価の和の値が30より大きい比較例1、カーボンブ
ラックのストラクチャー指数が100未満である比較例
2、カーボンブラックの揮発分が1.2%より大きい比
較例3、カーボンブラックの平均粒子径が14nm未満
である比較例4、あるいはカーボンブラックの平均粒子
径が35nmよりも大きい比較例5は、何れも結着樹脂
中のカーボンブラックの分散性が不十分となり、結果と
して帯電性能において満足のいく結果が得られなかっ
た。このため、比較例のトナーでは、長期連続複写後に
安定した画像特性が得られなかったもの、及び/又は着
色力が低くかったものが見られた。
【0047】例えば、比較例1においては、結着樹脂中
のカーボンブラックの分散性が悪いため、十分な帯電量
が得られず、また連続複写後の帯電量の変化率も大きい
ため、十分な画像特性が得られないと考えられる。ま
た、比較例2〜5においても帯電量変化率が0.85未
満であり帯電量の変化率が大きいため、連続複写後の画
像特性に大きな変化が生じた。これに対し、実施例1、
及び2は、何れも帯電量変化率が0.85以上あるいは
0.90に近い値であり帯電安定性に優れているため、
長期複写後の画像特性も安定しており、十分な着色性能
を保持していることが判明した。
【0048】(実施例3〜5)実施例1、及び2と同様
に結着樹脂として酸価と水酸基価の和が30以下のポリ
エステル樹脂100質量部および電荷制御剤としてのサ
リチル酸の亜鉛化合物2質量部と、下記の表3に示す平
均粒子径を有するカーボンブラック5質量部とを混合
し、溶融混練した後、粉砕、分級して、中心粒径10μ
mのトナーを作製した。
【0049】
【表3】
【0050】上記各実施例で得られたトナーおよび現像
剤を用いて、前記同様に連続複写前後の画像濃度、画像
カブリおよび帯電量測定と着色力評価の各試験を行っ
た。その結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】上記表4の結果より、カーボンブラックの
平均粒子径が14nm以上20nm未満の実施例4は、
50000枚連続複写後の帯電量の変化率は0.90以
上であり長期複写後の画像特性も良好であり、総合評価
も十分であるが、実施例3は実施例4よりも満足の行く
結果が得られた。また着色性能も実施例4より優れてい
た。上記表4の結果より、カーボンブラックの平均粒子
径が30nmより大きく35nm未満である実施例5は
着色力の評価は十分であるが、帯電量の変化率は0.9
0未満であり、実施例3に比べて長期複写後の画像特性
が若干不安定であった。実施例4、5の何れも実施例3
と比べたとき、満足のいく結果は得られない事が判っ
た。実施例3は、より帯電安定性に優れているため長期
複写後の画像特性の安定性に優れ、着色性能の優れた、
より良好な結果が得られることが判明した。
【0053】(実施例6、及び7)結着樹脂として、酸
価+水酸基価の和が表5に示すポリエステル樹脂および
スチレンーアクリル酸エステル共重合体樹脂100質量
部を使用するとともに、揮発分0.8%、ストラクチャ
ー指数105、平均粒子径23nmのカーボンブラック
5質量部を使用し、上記実施例1〜5と同様にして、中
心粒径10μmのトナーを作製した。
【0054】
【表5】
【0055】上記各実施例で得られたトナーを用いて、
前記実施例1〜5と同様に連続複写前後の画像濃度、画
像カブリおよび帯電量測定と着色力評価の各試験を行っ
た。その結果を表6に示した。
【0056】
【表6】
【0057】上記表6の結果より結着樹脂としてポリエ
ステル樹脂以外の樹脂、例えばスチレンーアクリル酸エ
ステル共重合体を用いた実施例7は、帯電量の変化率が
0.90以上であり長期連続複写後の画像特性も良好で
あり、総合評価も十分であるが、実施例6と比較する
と、画像及び帯電量評価は少し劣ることが分かった。結
着樹脂にポリエステル系樹脂を用いた実施例6はより帯
電安定性に優れているため長期複写後の画像特性の安定
性に優れ、着色性能の優れた、より良好な結果が得られ
ることが判明した。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電子
写真用トナーによれば、酸価と水酸価の和が30以下の
結着樹脂にカーボンブラックが含有され、該カーボンブ
ラックのストラクチャー指数が100以上、揮発分が
1.2%以下で、かつ、平均粒子径が14〜35nmの
範囲にあるので、長期連続複写において帯電性能が安定
し、画像カブリや画像濃度に関する画像特性が安定し、
十分な着色性を保持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤井 正幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 CA08 CB18 EA05 EA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価と水酸基価の和が30以下の結着樹
    脂にカーボンブラックが分散され、該カーボンブラック
    のストラクチャー指数が100以上、揮発分が1.2%
    以下で、かつ、平均粒子径が14〜35nmの範囲にあ
    ることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 上記カーボンブラックは、ストラクチャ
    ー指数100以上、揮発分1.2%以下で、かつ、平均
    粒子径20〜30nmの範囲にあることを特徴とする請
    求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 上記結着樹脂としてポリエステル系樹脂
    を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写
    真用トナー。
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