JP2002187902A - 線状α−オレフィンの製造方法 - Google Patents

線状α−オレフィンの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副生アルキルベンゼン量を抑制し、高純度の
線状α−オレフィンを効率よく製造しうるα−オレフィ
ンの製造方法を提供すること。 【解決手段】 チーグラー−ナッタ型触媒を使用してエ
チレンのオリゴメリ化により線状α−オレフィンを製造
するにあたり、芳香族溶媒を含む溶媒下に触媒を調製
し、その後非反応性の溶媒下でオリゴメリ化反応を行う
ことを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チーグラー−ナッ
タ(Ziegler-Natta)型触媒を使用してエチレンのオリゴ
メリ化により高純度の線状α−オレフィンを効率よく製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−オレフィンは、オレフィン系重合体
のモノマー、あるいは各種高分子重合体のコモノマーな
どとして広く使用されており、エチレンをチーグラーナ
ッタ型触媒の存在でオリゴメリ化させて製造されてい
る。特に、最近、ポリオレフィンのコモノマーとして使
用されているC6,C8等のオレフィンは、益々高純度
化が望まれており、その需要も年々増大している。しか
しながら、上記のようなチーグラーナッタ型触媒を用い
た反応では、反応系で生成したα−オレフィンの反応に
より副生成物が生成し、製品の純度が低下してしまうと
いう問題があった。そこで、α−オレフィンの反応を抑
制し、いかにエチレンの反応を優先させるかが重要な課
題となる。これにより、製品品質が向上するばかりでな
く、同一純度(同一スペック)にした場合、反応器内の
α−オレフィン濃度を高めたり、反応圧力を低下できた
りするなど、僅かな純度向上でも工業的意義は非常に大
きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この純度向上のため、
芳香族溶媒下で触媒を調製したり、反応溶媒に芳香族溶
媒を使用すると、α−オレフィン純度が向上することが
知られてきた。しかし、芳香族溶媒を用いた場合、純度
の向上は認められるものの芳香族溶媒がα−オレフィン
と反応し、アルキルベンゼンが副生するという問題があ
り、特に、触媒の失活時に芳香族溶媒とα−オレフィン
とが反応し、アルキルベンゼンが副生し、これが製品の
α−オレフィン中に混入するという問題があった。本発
明は、前記従来技術の問題点を解消し、副生アルキルベ
ンゼン量を抑制し、高純度のα−オレフィンを効率よく
製造することができる方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討の結果、触媒調製時に芳香族溶媒を使
用し、その後のオリゴメリ化反応にはナフテン系溶媒な
どの非反応性の溶媒を用いると、α−オレフィンの純度
が高くなり、しかも副生するアルキルベンゼン量を低減
できることを見出した。本発明は、このような知見に基
づいて完成したものである。すなわち、本発明は、チー
グラー−ナッタ型触媒を使用してエチレンのオリゴメリ
化により線状α−オレフィンを製造するにあたり、芳香
族溶媒を含む溶媒下に触媒を調製し、その後非反応性の
溶媒下でオリゴメリ化反応を行うことを特徴とする線状
α−オレフィンの製造方法、及びチーグラー−ナッタ型
触媒を使用してエチレンのオリゴメリ化により線状α−
オレフィンを製造するにあたり、芳香族溶媒を含む溶媒
下において、次いで該芳香族溶媒を含む溶媒を非反応性
の溶媒で置換してなる溶媒下において触媒を調製した
後、あるいは、芳香族溶媒を含む溶媒下に触媒を調製し
非反応性の溶媒で該芳香族溶媒を含む溶媒を置換した
後、非反応性の溶媒下でオリゴメリ化反応を行う線状α
−オレフィンの製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、前記のよう
に、チーグラー−ナッタ型触媒を芳香族溶媒を含む溶媒
下に調製する。ここで、触媒調製に使用しうる芳香族溶
媒としては、ベンゼン,トルエン,キシレン(例えば、
o,m,p−キシレン),トリメチルベンゼン(例え
ば、1,2,4−トリメチルベンゼン;1,3,5−ト
リメチルベンゼン),テトラメチルベンゼン,その他エ
チル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基を有す
るアルキルベンゼンなどが挙げられ、これらは単独で又
は2種類以上を組み合わせて使用することができる。こ
こで用いる芳香族溶媒を含む溶媒は、芳香族溶媒を20
〜100容量%含むものであることが好ましい。芳香族
溶媒の割合が上記範囲を逸脱するとα−オレフィンの純
度が低下することがある。上記芳香族溶媒を含む溶媒
は、芳香族溶媒以外に、例えば、後述のオリゴメリ化反
応に用いる非反応性の溶媒を含有することができる。
【0006】本発明の方法によれば、芳香族溶媒存在下
に触媒を調製することにより、芳香族溶媒が触媒に配位
し、これにより、α−オレフィンの再挿入付加反応を抑
制し、この結果、α−オレフィンの純度が向上し、副生
成物の副生が抑制されるものと考えられる。また、本発
明においては、触媒の調製中又は調製後に、芳香族溶媒
を含む溶媒を非反応性の溶媒で置換し、その後非反応性
の溶媒下でオリゴメリ化反応を行うことも本発明の好ま
しい態様である。すなわち、芳香族溶媒を含む溶媒下に
おいて、次いで該芳香族溶媒を含む溶媒を非反応性の溶
媒で置換してなる溶媒下において触媒を調製した後、非
反応性の溶媒下でオリゴメリ化反応を行う方法、あるい
は、芳香族溶媒を含む溶媒下に触媒を調製し非反応性の
溶媒で該芳香族溶媒を含む溶媒を置換した後、非反応性
の溶媒下でオリゴメリ化反応を行う方法が挙げられる。
【0007】溶媒の置換は、例えば、遷移金属成分に芳
香族溶媒を含む溶媒を添加し、例えば、70℃以上の温
度で加熱し、冷却後、固体を沈降させ、液相部分をデカ
ンテーションにより除去し、除去した量と同量の非反応
性の溶媒を加えて溶媒を置換する操作を繰り返すことに
より行うことができる。こうして芳香族溶媒を含む溶媒
を非反応性の溶媒で置換した後、他の触媒成分を添加
し、触媒溶液を調製することができる。当然、遷移金属
成分に芳香族溶媒を含む溶媒を添加し、更に他の触媒成
分を添加した後に、溶媒を非反応性の溶媒で置換するこ
ともできる。
【0008】本発明においては、チーグラー−ナッタ型
触媒の各成分及び溶媒の配合順序には、特に制限はない
が、触媒成分の遷移金属成分に芳香族溶媒を含む溶媒を
添加した後、他の触媒成分を添加するのが好ましい。例
えば、ZrCl4 −エチルアルミニウムセスキクロリド
(以下、EASCと略称することがある)−トリエチル
アルミニウム(以下、TEAと略称することがある)系
触媒を調製する場合には、ZrCl4 にまず芳香族溶媒
を含む溶媒を加え、TEAを添加した後、EASCを添
加するのが好ましい。すべての成分を配合した後、例え
ば40℃以上、好ましくは50〜80℃の温度で30分
以上加熱することにより、より高活性の触媒を得ること
ができる。また、上記方法における触媒成分と芳香族溶
媒の配合割合は、ZrCl4 の濃度として50〜100
ミリモル/リットル溶媒である。
【0009】本発明の方法においては、上記のように溶
媒下に触媒を調製し、その後非反応性の溶媒下でオリゴ
メリ化反応を行う。非反応性の溶媒としては、シクロヘ
キサン,エチルシクロヘキサン等のナフテン系化合物、
ペンタン,ヘプタン,オクタン等のパラフィン系化合
物、これらのハロゲン化物(例えば、塩化物等)が挙げ
られ、特にナフテン系化合物を好ましく用いることがで
きる。エチレンのオリゴメリ化は、前記のようにして調
製した触媒溶液とエチレンとを、非反応性の溶媒の存在
下で所定の反応温度,反応圧力の下に接触させることに
よって効率よく行うことができる。
【0010】例えば、エチレンの重合反応は、通常、1
00〜130℃の温度で、30〜70kg/cm2 ・G
(2.94〜6.86MPa)の加圧下で行われる。また、
反応時間は、温度や圧力によって左右されるが、通常、
10分〜60分程度で充分である。また、触媒の調製か
ら重合反応を終了するまでのすべての操作は、空気,水
分を排除して行うのが好ましく、窒素,アルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。本発明の製造方
法において、原料としてはエチレンが用いられ、また、
得られる線状α−オレフィンは、炭素数4以上、特に4
〜18の各種α−オレフィン低重合体であり、このα−
オレフィン低重合体はそれらの混合物として生成する。
本発明においては、エチレンを重合して得られた反応生
成液について、続いて必要に応じ、未反応α−オレフィ
ンの回収、触媒の失活、脱灰処理などを適宜行うことが
できる。
【0011】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。 実施例1 (1)触媒の調製 内容積500mlの撹拌機付きフラスコ中に、アルゴン
雰囲気下で無水四塩化ジルコニウム25ミリモルと乾燥
したトルエン250mlを導入し、10分間撹拌した。
これにトリエチルアルミニウム(TEA)38.9ミリ
モルを添加し、約10分間撹拌した後、エチルアルミニ
ウムセスキクロライド(EASC)136.1ミリモル
〔(EASC+TEA)/ZrCl4 のモル比=7,E
ASC/TEAのモル比=3.5)〕を添加し、70℃
で1時間撹拌しながら錯体を形成させた。触媒溶液は、
錯体形成により赤褐色に変色した。 (2)エチレンのオリゴメリゼーション 1リットルの撹拌機付きオートクレーブ中に、乾燥した
アルゴン雰囲気下で乾燥したシクロヘキサン250ml
と内部標準物質としてウンデカンを所定量添加し、13
0℃まで昇温した。130℃に達したら、予めポットに
導入した上記調製触媒(ZrCl4 :0.08ミリモ
ル、EASC:0.426ミリモル、TEA:0.12
4ミリモル)とともに、原料エチレンを一気に張り込
み、反応圧力6.5MPaまで昇圧した。その後、10
分毎にサンプルを抜き出し、1時間反応を行った。な
お、この間エチレンを連続的に張り込み、反応圧力を一
定とした。なお、10分毎のサンプリング時には、反応
圧低下による純度低下を防ぐため、1N水酸化ナトリウ
ム水溶液中に反応器から生成液を高圧のまま一気に失活
させた。このサンプリングを10分毎に行い、60分ま
で計6本のサンプルを採取した。これらのサンプルを水
洗し、固形分を濾別し、分析に供した。
【0012】なお、C4等の軽質分は、実験操作上ある
程度のロスはやむを得ないので、内部標準物質のウンデ
カン基準のC8〜C30留分の生成量からSchulz
・Flory分布を用いてC4,C6生成量を求め、収
量を求めた。また、α−オレフィンの純度低下は、反応
で生成するα−オレフィンが反応し、副生成物が副生す
ることによって起こる。例えば、C18の純度〔C18
留分中の1−オクタデセン濃度(重量%)〕は、反応で
生成するC4からC16までのα−オレフィンの収量に
関係し、この量が多いと、その分これらの反応によりC
18純度は低下する。このようにα−オレフィン純度、
例えばC18純度は、反応条件(温度,圧力)が同一の
場合には生成するC4からC16までのα−オレフィン
の収量に関係し、純度を比較するには、この量を一定と
して比較しないと、正確な純度向上効果を見ることはで
きない。そこで、第1表にはC18純度に影響する反応
場での相対オレフィン濃度〔C4〜C16α−オレフィ
ン/エチレン(モル比)〕を0.002としたときのC
18α−オレフィン純度で比較した。
【0013】実施例2 触媒調製時の溶媒としてトルエンに変えてベンゼンを用
いた以外は、実施例1と同様に操作し、C18α−オレ
フィン純度及びアルキルベンゼン生成量を測定した。結
果を第1表に示す。 実施例3 触媒調製時の溶媒としてトルエンに変えてメシチレンを
用いた以外は、実施例1と同様に操作し、C18α−オ
レフィン純度及びアルキルベンゼン生成量を測定した。
結果を第1表に示す。
【0014】実施例4 内容積500mlの撹拌機付きフラスコ中に、アルゴン
雰囲気下で無水四塩化ジルコニウム25ミリモルと乾燥
トルエン250mlを導入し、70℃で30分間加熱撹
拌した。その後、室温まで冷却し、スラリー触媒の固体
を沈降させた。その後、液相部分を注射器で抜き取り、
抜き取った分の量に相当する乾燥シクロヘキサンを追加
し、撹拌した。この溶媒置換を3回行った。こうして、
ほとんどの溶媒をシクロヘキサンで置換した後、トリエ
チルアルミニウム(TEA)38.9ミリモルを添加
し、約10分間撹拌した後、エチルアルミニウムセスキ
クロライド(EASC)136.1ミリモル〔(EAS
C+TEA)/ZrCl4 のモル比=7,EASC/T
EAのモル比=3.5〕を添加し、70℃で1時間撹拌
しながら錯体を形成させた。生成物について、C18α
−オレフィン純度及びアルキルベンゼン生成量を測定し
た。結果を第1表に示す。
【0015】実施例5 触媒調製時の溶媒として、トルエンに変えてベンゼンと
シクロヘキサンの混合溶媒(ベンゼン:シクロヘキサン
=50:50)を用いた以外は、実施例1と同様に操作
し、生成物についてC18α−オレフィン純度及びアル
キルベンゼン生成量を測定した。結果を第1表に示す。 実施例6 触媒調製時の溶媒として、トルエンに変えてベンゼンと
シクロヘキサンの混合溶媒(ベンゼン:シクロヘキサン
=30:70)を用いた以外は、実施例1と同様に操作
し、生成物についてC18α−オレフィン純度及びアル
キルベンゼン生成量を測定した。結果を第1表に示す。
【0016】比較例1 触媒調製時の溶媒として、トルエンに変えてシクロヘキ
サンを用いた以外は、実施例1と同様に操作し、生成物
についてC18α−オレフィン純度及びアルキルベンゼ
ン生成量を測定した。結果を第1表に示す。 比較例2 重合反応用溶媒として、シクロヘキサンに変えてトルエ
ンを用いた以外は、実施例1と同様に操作し、生成物に
ついてC18α−オレフィン純度及びアルキルベンゼン
生成量を測定した。結果を第1表に示す。 比較例3 触媒調製時の溶媒としてトルエンに変えてベンゼンを用
い、重合反応用溶媒としてシクロヘキサンに変えてベン
ゼンを用いた以外は、実施例1と同様に操作し、生成物
についてC18α−オレフィン純度及びアルキルベンゼ
ン生成量を測定した。結果を第1表に示す。なお、第1
表中、Tolはトルエン、Bzはベンゼン、Mesはメ
シチレン、Cyはシクロヘキサンを表す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、副生アルキルベンゼン
量を抑制し、高純度の線状α−オレフィンを簡単な操作
で効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 4/642 C08F 4/642 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC29 BA09 BA10 BA39 BA44 BB11 BB12 4H039 CA19 CL19 4J011 HA03 HB22 4J028 AA01A AB00A AC24A BA00A BA02B BB00A BB02B BC15B BC19B EB02 FA02 GA02 4J128 AA01 AB00 AC24 BA00A BA02B BB00A BB02B BC15B BC19B EB02 FA02 GA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チーグラー−ナッタ型触媒を使用してエ
    チレンのオリゴメリ化により線状α−オレフィンを製造
    するにあたり、芳香族溶媒を含む溶媒下に触媒を調製
    し、その後非反応性の溶媒下でオリゴメリ化反応を行う
    ことを特徴とする線状α−オレフィンの製造方法。
  2. 【請求項2】 チーグラー−ナッタ型触媒が、芳香族溶
    媒を含む溶媒下で40℃以上の温度で、30分以上加熱
    して調製してなるものである請求項1記載の線状α−オ
    レフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】 チーグラー−ナッタ型触媒を使用してエ
    チレンのオリゴメリ化により線状α−オレフィンを製造
    するにあたり、芳香族溶媒を含む溶媒下において、次い
    で該芳香族溶媒を含む溶媒を非反応性の溶媒で置換して
    なる溶媒下において触媒を調製した後、あるいは、芳香
    族溶媒を含む溶媒下に触媒を調製し非反応性の溶媒で該
    芳香族溶媒を含む溶媒を置換した後、非反応性の溶媒下
    でオリゴメリ化反応を行う線状α−オレフィンの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 非反応性の溶媒がナフテン系化合物、パ
    ラフィン系化合物又はこれらのハロゲン化物である請求
    項1〜3のいずれかに記載の線状α−オレフィンの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 チーグラー−ナッタ型触媒が、遷移金属
    成分に芳香族溶媒を含む溶媒を添加した後、他の触媒成
    分を添加してなるものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の線状α−オレフィンの製造方法。
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