JP2002190318A - 固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池 - Google Patents
固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池Info
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Abstract
用いて高性能の電池を生産性よく製造しうる固体状電解
質と、固体状電解質を用いた高性能で生産性のよい電池
を提供する。 【解決手段】 電解液および高分子架橋構造体を含んで
なり、下記式(1)で規定される該高分子架橋構造体の
架橋密度が0.08〜0.34である固体状電解質、お
よびこれを有してなる非水電解液系電池。 【数1】 (式中、nは高分子架橋構造体の前駆物質として用いた
モノマーの種類数であり、Fiはi番目の種類のモノマ
ーの分子量、siはi番目の種類のモノマー1分子中に
含まれる重合可能な二重結合の数である。piは全種類
のモノマーの質量の合計に対するi番目のモノマーの質
量の割合であって、iが1からnまでのp iの総和は1
である。)
Description
含有する非水系電解液を高分子架橋構造体内に含浸して
有する固体状電解質、およびそれを用いた非水電解液系
電池に関する。
ラ、ノート型パソコン等の小型化および携帯化、あるい
は電気自動車の実用化に向けて、より高エネルギー密度
の蓄電池が要望されているが、その中でも有機溶剤に塩
を溶解させた電解液を用いることにより3V以上の出力
が可能な非水電解液電池は期待されている。その代表例
としては現在既に上市されているリチウムイオン二次電
池が挙げられる。これらの非水電解液系電池の正極に
は、LiMn2O4等のスピネル構造化合物や、一般的
にLiMO2で表されるα−NaFeO2構造を有する
リチウム含有遷移金属複合酸化物等が利用できる。ここ
でMはCo,Ni,Al,Mn,Ti,Fe等から選ば
れる単独もしくは2種類以上の金属元素である。さらに
はリチウムの挿入可能なMnO2やV2O5等の金属酸
化物やTiS2やZnS2等の金属硫化物、電気化学的
酸化還元活性を有するポリアニリンやポリピロール等の
π共役系高分子、分子内に硫黄−硫黄結合の形成―開裂
を利用するジスルフィド化合物等を用いることも可能で
ある。
は各種リチウム合金、SnO2等の各種金属酸化物、あ
るいはリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料を用いること
ができる。炭素材料としては天然に産出される黒鉛もし
くは有機原料を2000℃以上の高温で焼成し、グラフ
ァイト構造が発達した平坦な電位特性を有する黒鉛系炭
素材料、あるいは有機材料を1000℃以下の比較的低
温で焼成し、黒鉛系材科よりも大きな充放電容量が期待
できるコークス系炭素材料等が用いられる。現在上市さ
れているリチウムイオン二次電池における正極と負極の
組み合わせとしては、正極にLiCoO2やLiMn2O
4等のリチウム含有遷移金属複合酸化物を、負極に各種
炭素材料を用いたものが多い。上記電極には、電極の電
子伝導性を向上させることを目的として、粉末や繊維状
の金属もしくは炭素を加える場合がある。金属として
は、銅、銀、アルミ等が、炭素としては、黒鉛、カーボ
ンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック
等を用いることができる。
目をする少量の高分子材科、例えばポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)を1−メチル−2−ピロリドン等の溶剤
に溶解したものに、各種活物質および適宜炭素や金属の
微粉体からなる導電助剤を分散させてペースト状にした
電極合剤を、電極芯材となる厚さ数十μmの金属箔の両
面又は片面に塗布した後、有機溶剤を除去する方法が広
く行われている。その他の結着剤の例としては、エチレ
ン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPゴム)、フ
ッ化ビニリデン−プロピレン共重合体やフッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の各種フッ素
ゴム等を溶剤に均一に溶解させたものや、あるいはポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)やSBR、NBR
等の高分子のラテックスやディスパージョンに、ポリア
クリル酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロース(C
MC)等の水溶性高分子を増粘剤として加えたものを結
着剤として利用する方法もある。
は正極側にアルミ箔が、負極側に銅箔が用いられること
が多い。塗布−乾燥直後の電極では、乾燥過程で溶剤が
抜けることにより、電極内に空隙が生じ、充填率が低く
なりすぎる場合がある。それにより電極合剤中の粒子同
士の接触が弱くなり、電子伝導性が不十分となる。その
ため、ロールプレス等により、所望の厚みに加圧成型す
ることにより電極の充填率を高め、電極の電子伝導性を
向上させることが行われる場合が多い。
負極とを、両者が対向する形で、隔膜となる高分子製の
微孔質フィルムを介して、形が崩れないように何層にも
しっかり巻き取り、それを金属製の電池缶に挿入し、最
終的に電解液を注入した後、機械的な方法でカシメる
か、もしくはレーザー溶接等の方法で完全に密閉するこ
とにより電池が製造される。
リエチレン製の微孔質膜が使用され、また電解液として
は、通常リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水系電解液
が用いられる。有機溶媒としてはエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ス
ルホラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、2−メチル
−テトラヒドロフラン、各種グライム類等を単独もしく
は2種類以上混合したものが用いられる。リチウム塩と
しては、電解液にしたときのイオン伝導度が高い、ある
いは電池の利用電位の範囲で電気化学的に安定である、
等の理由から、主に六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化ほ
う酸リチウム(LiBF4)等が使用される。リチウム
イオン二次電池に代表される上記のような非水電解液系
電池においては、高容量化および長寿命化が望まれてい
るが、その一方で安全性の向上や電池形状の自由度の向
上等の観点から、固体もしくは固体状の電解質の利用が
検討されている。すなわち、流動性を有する電解液に代
えて、高分子化合物にリチウム塩を溶解しイオン伝導性
を持たせた電解質や、高分子架橋構造体に電解液を保持
させることにより流動性を抑えたゲル状の電解質、ある
いはイオン導電性を有する無機セラミックス、ガラス等
の使用が検討されている。このような固体状の電解質か
らなるフィルムを正極と負極との間に挟み込んで電池を
作製することにより、電解液の液漏れが防止でき、また
電池形状自体をフィルム状にすることも可能となる。
中では、室温でのイオン伝導性や成膜性などから、電解
液を含むゲル状の電解質が多く検討されている。すなわ
ち室温で電池として動作させるには、室温でのイオン伝
導率が1mS/cmオーダーもしくはそれに準ずる値で
あり、かつ薄膜化が可能である必要がある。したがって
現時点においては高分子架橋構造体で電解液を固定した
ゲル状の電解質を利用することが最も現実的である。ゲ
ル状電解質としてまず考えられるのは、直鎖状の高分子
量ポリマーを電解液で可塑化した系である。すなわちポ
リマーを電解液に高温で溶解させ、成膜した後室温に戻
してゲル化させる方法や、ポリマーと電解液の組み合わ
せにさらに低沸点溶剤で希釈して流動性を持たせた後、
低沸点溶剤を揮散させて成膜することにより作製される
もので、このような系ではポリマーに化学的な架橋構造
はないものの、極端に高粘性であるか、もしくは電解液
と高分子成分との部分的な相分離による物理的な架橋に
より流動性がなくなり、実質的に固体として扱える。具
体的にはポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシ
ド、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合
体、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデンな
どの比較的分子量の大きいポリマーを電解液で可塑化し
たゲル状の電解質が知られている。これらの系では、電
解質の製造において高粘性の溶液を扱う必要があること
や、化学的な架橋構造を持たないため高温下で流動化し
てしまう等の欠点がある。
やビニルモノマーを重合する方法がある。すなわち重合
可能な二重結合を有するモノマーを電解液に溶解してお
き、熱、光、放射線、あるいはラジカル開始剤を用いて
モノマーを重合させる方法である。その際、一部多官能
性のモノマーを加えておくことにより、重合反応時に架
橋構造が形成され、流動性を失い、電解液を保持したま
ま系全体を固化させることができる。このような例とし
ては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の各
種(メタ)アクリル酸エステルモノマーや酢酸ビニル、
スチレンおよびその誘導体等のモノマーを電解液中に溶
解しておいて重合させるものがあり、このとき多官能性
のジメタクリル酸エチレングリコールやジメタクリル酸
エチレン等を共存させ、それらを共重合させることによ
り、架橋構造体が形成され、系全体が流動性を失う。そ
の他には、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタ
クリレートやポリエチレングリコールジメタクリレート
等のマクロモノマーを電解液中で重合させたものが知ら
れている。またこれらの重合方法としては、紫外線や電
子線照射による光重合、あるいは過酸化ジベンゾイルや
アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤の存在
下で熱重合させる方法がある。また、同様にウレタン化
やエポキシ反応等の重付加型の化学反応を用いて架橋構
造を形成させることにより系全体を固化させる方法もあ
る。重合法もしくは化学架橋法により固体状電解質を作
製する場合は、必ずしも高粘性の溶液を扱う必要はな
く、電池の製造において最終的な形状で固化させるため
安定性及び保液性に優れ、かつ、化学的な架橋構造を有
するため耐熱性も高いものとなる。また、あらかじめ原
液を多孔質体や不織布等に含浸させておいて固化させる
ことにより、薄くて強度の高い電解質膜を得ることも可
能である。その他、電解液との親和性の高いポリマーで
あらかじめフィルムを作製しておき、それに電解液を膨
潤させることにより、イオン導電性を付与させる方法も
ある。具体的にはポリフッ化ビニリデン系共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴムなどの系で検討されて
いる。これらの系では、強度の増強あるいは膨潤後の体
積変化を考慮して、あらかじめポリマー膜を多孔質化あ
るいは架橋させておく場合もある。これらの系は後から
電解液を含浸させるため保液性に劣り、経時的に電解液
が染み出すといった問題もある。
される固体状電解質自体の性質及び性能も重要ではある
が、これらの電解質を用いた電池の生産性と性能がより
重要であることは言うまでもない。ゲル電解質を含む固
体状電解質を電池に用いた場合、原理的にイオン伝導性
が低いため、電解液のみを使用した電池よりも電池性能
は低くなる。さらに電解質と電池の界面の制御も難し
く、電池性能は電池の製造方法に大きく依存する。ま
た、上記のようなゲル電解質は単独では機械的強度が低
く、取扱いが困難である場合が多い。さらにゲル電解質
自体やその原料は水分に対して極めて敏感であり、超乾
燥雰囲気下で扱うことが必要となる。電池の製造上、超
乾燥雰囲気下での工程が多いことや複雑な工程が存在す
ることは、大幅なコストの上昇を招くこととなる。よっ
て充放電容量などの性能が高く、かつ、それを用いて高
性能の電池を生産性よく製造しうる固体状電解質の開発
が強く要望されていた。
み鋭意研究した結果、電解液を保持する高分子架橋構造
体の架橋密度を所定範囲内となるようコントロールする
ことで上記課題を解決しうることを見出し、この知見に
基づき本発明をなすに至った。すなわち本発明は、
(1)電解液および高分子架橋構造体を含んでなり、下
記式(1)で規定される該高分子架橋構造体の架橋密度
が0.08〜0.34であることを特徴とする固体状電
解質、
として用いたモノマーの種類数であり、Fiはi番目の
種類のモノマーの分子量、siはi番目の種類のモノマ
ー1分子中に含まれる重合可能な二重結合の数である。
piは全種類のモノマーの質量の合計に対するi番目の
モノマーの種類の質量の割合であって、iが1からnま
でのpiの総和は1である。)(2)高分子架橋構造体
が、あらかじめ電解液に溶解させておいた(メタ)アク
リレートモノマーの重合反応により形成されたものであ
ることを特徴とする(1)項記載の固体状電解質、
(3)(メタ)アクリレートモノマーがジメタクリル酸
エチレンを含有していることを特徴とする(2)項記載
の固体状電解質、(4)単一の反応点を持つモノマーと
2個もしくはそれ以上の反応点を持つモノマーのそれぞ
れ少なくとも1種を電解液中で共重合させ、上記式
(1)で規定される架橋密度が0.08〜0.34であ
る高分子架橋構造体を形成させることを特徴とする
(1)、(2)又は(3)項記載の固体状電解質の製造
方法、(5)(1)、(2)又は(3)項記載の固体状
電解質を有してなることを特徴とする非水電解液系電
池、及び(6)正極、負極及び隔膜を最終的な電池形態
に加工した電池セルに、(メタ)アクリレートモノマー
と電解液を含んでなる(1)、(2)又は(3)項記載
の固体状電解質の原液を注入して含浸させ、次いで固化
させることを特徴とする非水電解液系電池の製造方法を
提供するものである。ここで高分子架橋構造体とは、電
解液を含浸して安定に保持する保持性を有するものをい
う。
に含まれる高分子架橋構造体の架橋密度を制御すること
により、固体状電解質とそれを用いた電池の性能を向上
させることができる。すなわち、高分子架橋構造体を形
成する高分子化合物自体はほとんど同じであっても、本
発明で規定する所定の割合の架橋構造を導入すること
で、劇的に固体状電解質及びそれを用いた電池の性能を
向上させることができる。従来のゲル電解質の製造にお
いて、電解液中で重合可能なモノマーを重合させる場
合、架橋点を導入するための多官能性モノマーは全モノ
マーの質量の合計に対し数%のオーダーで使用される。
本発明においては固体状電解質の高分子架橋構造体の架
橋密度が下記式(1)で規定される値で0.08〜0.
34、好ましくは0.11〜0.25となるようにする
ため、多官能性モノマーを、通常、全モノマーの質量の
数十%のオーダーで使用する。
として用いたモノマーの種類数であり、Fiはi番目の
種類のモノマーの分子量、siはi番目の種類のモノマ
ー1分子中に含まれる重合可能な二重結合の数である。
piは全種類のモノマーの質量の合計に対するi番目の
種類のモノマーの質量の割合であって、iが1からnま
でのpiの総和は1である。) 上記式(1)中の(si−1)は、そのモノマーから生
じる架橋点の数を表わしている。例えばメタクリル酸メ
チルやメタクリル酸エチルのようなs=1のモノマーか
らは直鎖ポリマーが得られるだけで架橋点は生じず、ジ
メタクリル酸エチレンのようなs=2のモノマーからは
架橋点が1個生じる。また、トリアクリレート化合物な
どのs=3のモノマーからは架橋点が2個生じる。よっ
て式(1)は、本発明の固体状電解質に含まれる高分子
架橋構造体の前駆物質として用いるモノマー1モルあた
りの架橋点の数を表わしている。本発明においては上記
式(1)を用いて高分子架橋構造体の架橋密度を規定す
ることにより、重合した高分子架橋構造体の化学構造に
よらずに架橋密度を定量することができる。
物質として用いるモノマーとしては、(メタ)アクリレ
ートモノマーが好ましい。本発明において用いることの
できるs=1のモノマーとしては例えば、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル
などがあげられる。s=2のモノマーとしては例えば、
ジメタクリル酸エチレン、ジメタクリル酸ブチレンなど
があげられる。s=3のモノマーとしては例えば、トリ
メタクリル酸グリセリンなどがあげられる。
電解液としては、非水電解液として電池に通常用いられ
ているものであれば特に制限はない。従来の技術の項で
あげた単独の有機溶媒もしくは2種類以上混合した有機
溶媒混合体に対して、同様に従来の技術の項であげたリ
チウム塩を単独もしくは2種類以上混合したものを溶解
し電解液として用いる。この際、リチウム塩の濃度は、
0.2〜2.0(mol/L)が望ましく、含まれる水
分量としては、20ppm以下であることが望ましい。
分子架橋構造体の割合としては、固体状電解質の3〜5
0質量%が好ましい。高分子架橋構造体の割合が低すぎ
ると電解質としての機械的強度に劣り、一方高すぎると
十分なイオン伝導性が得られないことがある。
液中に、高分子架橋構造体の前駆物質である低分子化合
物(モノマー)を上記式(1)で規定される架橋密度が
本発明で規定する範囲内となるような混合比で含んでな
る固体状電解質の原液を調製し、これを加熱等、通常行
われる方法でゲル化(固化)させることにより製造す
る。例えば低分子化合物の重合により高分子架橋体を形
成させる場合は、単一の反応点を持つモノマー(上記式
(1)におけるsiが1の化合物、すなわち単独重合に
より直鎖状ポリマーを与えるもの)と、架橋剤として働
く2個もしくはそれ以上の反応点を持つモノマー(si
が2以上の化合物)のそれぞれ少なくとも1種を用い、
それらの使用比率を上記式(1)で規定される架橋密度
が本発明で規定する範囲内の値となるよう調整すること
で、生成する高分子架橋構造体の架橋密度を容易に制御
することができる。例えばメタクリル酸メチルとジメタ
クリル酸エチレンを用いて高分子架橋構造体を生成させ
る場合、ジメタクリル酸エチレンの比率を高くすれば高
分子架橋構造体の架橋密度は高くなる。なお、2個もし
くはそれ以上の反応点を持つモノマーの分子量を変化さ
せることで架橋密度をコントロールすることも可能であ
るが、単一の反応点を有するモノマーと2個もしくはそ
れ以上の反応点を持つモノマーを組み合わせて用いてそ
の比率を調整するほうが、架橋密度の範囲や高分子鎖の
化学構造等においてコントロールしうる範囲がはるかに
広い。
液、モノマーのほか、重合開始剤などを適宜含有させる
ことができる。重合開始剤は用いるモノマーの種類によ
り適宜選択することができ、例えばアゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物および過酸化ジベンゾイル等の
有機過酸化物などを用いることができる。
解液系電池の製造においては、正極/隔膜/負極を最終
的な電池形態に組み上げたセルに、上記の固形状電解質
の原液を、通常の電解液を注入するのと同様にして注入
し、その後加熱等を行って原液をゲル化させることで、
無漏液の電池を簡便な製造工程で提供しうる。この製造
方法においては電解質膜の成膜工程や、成膜した電解質
膜を単独で取扱う工程などが一切不要であり、通常の電
解液をそのまま注入した電池の製造方法と実質的に変わ
らない方法で、固体状電解質を有する電池を製造でき
る。また、固体状電解質は隔膜や電極の細孔の中で初め
てゲル化されて形成されるため、電池としての一体性に
非常に優れたものが得られる。本発明の非水電解液系電
池は、本発明の固体状電解質を有すること以外は特に制
限はなく、その形状や、正極、負極の材質等は通常の非
水電解液系電池に用いられているものを用いることがで
きる。図1に本発明の固体状電解質を用いたフィルム状
リチウムイオン二次電池の一例を示した。図1(b)に
断面図で示すように、アルミラミネートシート製の外装
材4、LiCoO2正極1、炭素負極2、電池隔壁3か
らなる一体化電池セル内に電解質原液を減圧封入したの
ち加熱固化させることにより、図1(a)に斜視図とし
て示したフィルム状リチウムイオン二次電池を作製する
ことができる。図1中、5は正極タブ、6は負極タブ、
7は熱融着封口部を示す。図1(b)は図1(a)のA
−A断面説明図(中央部のみ)である。
モノマーを使用すると該原液の粘度が上昇し、電極の細
孔もしくは電池に注入しにくくなる場合がある。この観
点からは電解質原液がポリエチレンオキシド等のポリア
ルキレンオキシド構造を含むマクロモノマーを含有しな
いことが好ましく、また、電解質原液に含まれるモノマ
ーの分子量が好ましくは400以下、さらに好ましくは
200以下となるようにする。なお、高分子化合物中の
ポリアルキレンオキシド構造はリチウムイオン等と強い
相互作用を生ずるため、リチウムイオン等の輸率が低
く、電池の充放電に必要なリチウムイオン等自体の移動
性に劣る場合が多い。
か、正極、隔膜、負極などからなる各種の電気化学デバ
イスに用いることができ、例えばコンデンサ、エレクト
ロクロミックデバイス(電気化学表示素子)などに利用
することができる。
する。また適宜本発明の効果をより明確にするための比
較例も併せて示す。なお実施例および比較例において
は、主に隔膜の両面に正極、負極を接合したもの、すな
わち正極/隔膜/負極が完全に一体になった一体型電池
セルを用いた。
LiCoO2(日興ファインプロダクツ社製)を90g
と、導電剤として黒鉛粉末(ロンザ社製、商品名KS−
6)を7gと、結着剤としてPVDFを3gと1−メチ
ル−2−ピロリドン42gを混練することにより電極合
剤ペーストを作製した。このペーストを厚さ30μmの
アルミ箔の片面に乾燥後の電極合剤の質量が約20mg
/cm2になるように塗布し、100℃で加熱すること
により1−メチル−2−ピロリドンを散逸させた。その
後ロールプレス機を用いて圧縮成型することによりLi
CoO2電極を作製した。この方法で作製したLiCo
O2電極を、以下の実施例においては単に正極と呼ぶ。
また後述の電池セル作製に際しては、部分的に電極合剤
を剥がしてタブを取った30×30mmの大きさの電極
を用いた。
L924)94gと、結着剤としてPVDF 6gと1
−メチル−2−ピロリドン70gを混練することにより
電極合剤ペーストを作製した。このペーストを厚さ20
μmの銅箔の片面に乾燥後の電極合剤の質量が約10m
g/cm2になるように塗布し、100℃で加熱するこ
とにより1−メチル−2−ピロリドンを散逸させた。そ
の後ロールプレス機で圧縮成型することにより炭素電極
を作製した。この方法で作製した炭素電極を、以下の実
施例においては単に負極と呼ぶ。また後述の電池セル作
製に際しては、部分的に電極合剤を剥がしてタブを取っ
た31×31mmの大きさの電極を用いた。
工業社製、商品名VP850)2.5gとエタノール4
7.5gを混合し、超音波洗浄機内で超音波照射するこ
とにより、PVDF粉末を分散させた。このPVDF粉
末分散液をガラスシャーレに移し取り、親水性PTFE
製微孔質膜(日本ミリポア社製、商品名JGWPメンブ
ランフィルター)を35×35mmに切り抜いたものを
浸して両面を濡らしてPVDF粉末を付着させた後、取
り出して正極と負極の間に挟み込んでガラス板で両側か
ら固定した。60℃で加熱及び真空乾燥してエタノール
を散逸させた後、窒素気流中200℃×10分間加熱し
て、PVDF粉末を溶融させることにより、親水性PT
FE製微孔質膜と正極及び負極を接着させ、正極/隔膜
/負極が完全に一体化した電池セルを作製した。
可能な二重結合の数s 1=1)とジメタクリル酸エチレ
ン(F2=198.22、s2=2)とを表1に示す質
量比(95:5〜40:60)で混合したモノマー混合
物を作成し、体積比1:1のエチレンカーボネートとジ
エチルカーボネートの混合物に1MのLiBF4を溶解
させた電解液とモノマー混合物を、モノマー混合物:電
解液の質量比が15:85になるように混ぜ合わせた。
そして最終的に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリルを1000ppm添加し、電解質原液とした。な
お、電解質原液の調製及びそれ以後の取扱いは全て露点
が−60℃以下の乾燥空気中もしくはアルゴン雰囲気下
で行った。
なわち上記方法で作製した一体化電池セルを耐圧容器に
入れ、全体をドライ真空ポンプを用いて約100kPa
まで減圧しておき、そこに電池が完全に浸かるように電
解質原液を導入し、減圧状態のまま3分間および常圧に
戻し10分間放置することにより、一体化電池セル内に
電解質原液を注入した。その後電池セルを容器から取り
出し、端子の部分も完全に入るように大きめのアルミラ
ミネートシート製の袋に電池セルを封入した。この状態
で80℃で2時間加熱し、電解質原液を固化させた。電
解質原液を固化させた後、袋から電池セルを取り出し、
電解質が固化していることを確認し、また電池セル表面
の余分な電解質を取り除いた後に、最終的に図1に示す
ように端子の部分5、6を取り出すような形でアルミラ
ミネートシート製の外装材4に減圧封入することによ
り、フィルム状リチウムイオン電池No.1〜12を作
製した。
て、体積比1:1のエチレンカーボネートとジエチルカ
ーボネートの混合物に1MのLiBF4を溶解させた電
解液のみを注入した以外は上記と同様にしてフィルム状
リチウムイオン電池No.13を作製した。
限電圧を4.2Vに設定し、最大電流6mAで5時間充
電した。一方、放電は6mAの一定電流で電池電圧が
2.7Vに達するまでとした。なお充電と放電との間に
は15分間の休止時間をおいた。この試験の結果を表1
に併せて示す。
で求められる架橋密度を0.08〜0.34とした本発
明例の電池は、3サイクル目で電解液をそのまま注入し
た電池の80%以上の放電容量を有しており、かつ、5
0サイクル目の放電容量も大きく、サイクル特性にも優
れていることがわかる。式(1)で規定される架橋密度
が小さすぎる電池は初期の放電容量が十分でなく、50
サイクル目の放電容量はさらに大きく低下している。一
方、式(1)で規定される架橋密度が大きすぎる電池で
は、サイクル数による放電容量の低下は少ないものの、
放電容量自体が小さく、十分な容量のものが得られてい
ない。なお、上記実施例においてはジアクリレート体で
あるジメタクリル酸エチレンを15〜50質量%含むも
の(No.3〜10)が本発明で規定する架橋密度の範
囲内となっており、全て十分な性能を有する電池が得ら
れているが、ジメタクリル酸エチレンが20〜40質量
%(式(1)で規定される架橋密度が0.11〜0.2
5)のもの(No.4〜8)は特に優れた性能を有して
いる。これらは、3サイクル目の放電容量が電解液のみ
を使用した電池の90%以上とさらに高く、かつ、サイ
クル性にも優れ、固体状電解質を用いているにもかかわ
らず、電解液をそのまま使用した電池に近い、極めて高
い電池性能を有していることがわかる。
ときに充放電容量の高いものとすることができ、充放電
を繰返しても容量の低下が少ないという優れた性質を有
し、電解液と高分子架橋構造体の前駆物質であるモノマ
ー化合物を含んでなる原液を用いて簡便に製造すること
ができる。本発明の非水電解液系電池は、上記の原液を
用いて電解液をそのまま注入するのと変わらない製造工
程で製造することができ、固体状電解質を用いているた
め液漏れが防止され、形状の自由度も高く、かつ、電解
液をそのまま用いた電池に近い、高い電池性能を有す
る。また本発明の電池は、電池の製造上、電解質膜の成
膜工程や、電解質膜を用いた電池の組立工程が無くなる
ので、超乾燥雰囲気の工程が大幅に減り、電池の製造工
程が極めてシンプルになる。
ルム状リチウムイオン電池の斜視図であり、(b)は
(a)のA−A断面説明図(中央部のみ)である。
Claims (6)
- 【請求項1】 電解液および高分子架橋構造体を含んで
なり、下記式(1)で規定される該高分子架橋構造体の
架橋密度が0.08〜0.34であることを特徴とする
固体状電解質。 【数1】 (式中、nは高分子架橋構造体の前駆物質として用いた
モノマーの種類数であり、Fiはi番目の種類のモノマ
ーの分子量、siはi番目の種類のモノマー1分子中に
含まれる重合可能な二重結合の数である。piは全種類
のモノマーの質量の合計に対するi番目の種類のモノマ
ーの質量の割合であって、iが1からnまでのpiの総
和は1である。) - 【請求項2】 高分子架橋構造体が、あらかじめ電解液
に溶解させておいた(メタ)アクリレートモノマーの重
合反応により形成されたものであることを特徴とする請
求項1記載の固体状電解質。 - 【請求項3】 (メタ)アクリレートモノマーがジメタ
クリル酸エチレンを含有していることを特徴とする請求
項2記載の固体状電解質。 - 【請求項4】 単一の反応点を持つモノマーと2個もし
くはそれ以上の反応点を持つモノマーのそれぞれ少なく
とも1種を電解液中で共重合させ、上記式(1)で規定
される架橋密度が0.08〜0.34である高分子架橋
構造体を形成させることを特徴とする請求項1、2又は
3記載の固体状電解質の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の固体状電解質
を有してなることを特徴とする非水電解液系電池。 - 【請求項6】 正極、負極及び隔膜を最終的な電池形態
に加工した電池セルに、(メタ)アクリレートモノマー
と電解液を含んでなる請求項1、2又は3記載の固体状
電解質の原液を注入して含浸させ、次いで固化させるこ
とを特徴とする非水電解液系電池の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP2000386028A JP2002190318A (ja) | 2000-12-19 | 2000-12-19 | 固体状電解質及びそれを用いた非水電解液系電池 |
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|---|---|
| JP2002190318A true JP2002190318A (ja) | 2002-07-05 |
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ID=18853198
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| JP (1) | JP2002190318A (ja) |
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2000
- 2000-12-19 JP JP2000386028A patent/JP2002190318A/ja active Pending
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