JP2002249689A - インクセット、かかるインクセットを用いたインクジェット記録方法及びインクを用いた機器 - Google Patents

インクセット、かかるインクセットを用いたインクジェット記録方法及びインクを用いた機器

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JP2002249689A
JP2002249689A JP2001050620A JP2001050620A JP2002249689A JP 2002249689 A JP2002249689 A JP 2002249689A JP 2001050620 A JP2001050620 A JP 2001050620A JP 2001050620 A JP2001050620 A JP 2001050620A JP 2002249689 A JP2002249689 A JP 2002249689A
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recording
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dispersant
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Yuuko Yakushigawa
祐子 薬師川
Eriko Ono
絵里子 小野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録において、耐水性が良好
で、且つ異色間のブリードをほぼ完全に防止し、高精細
な画像を形成することのできるインクジェット記録方法
に好適可能な技術を提供することにある。 【解決手段】 異なる色の複数の色のインクの各インク
を、少なくとも、油性染料、水性媒体、該油性染料を分
散させるための水溶性ポリマー及び界面活性剤を用いて
調製し、かつ、これらのインク中に、異なる色のインク
に、前記水溶性ポリマー及び界面活性剤がアニオン性物
質であるインクと、前記水溶性ポリマー及び界面活性剤
がカチオン性物質であるインクとを組合せることで、カ
ラー画像を被記録材に記録するインクジェット記録方法
に使用するインクセットを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる色の複数の
着色用のインクからなるインクセット、このインクセッ
トを用いたインクジェット記録方法、このインクセット
を用いた記録ユニット及びインクカートリッジ、及びこ
れらの記録ユニットまたはインクカートリッジを備えた
インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式は、高電圧印加によ
る静電吸引方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動
または変位を与える方式、インクを加熱して発泡させ、
その圧力を利用する方式等、種々のインク吐出方式によ
りインクの小滴を発生させ、これを飛翔させて紙等の被
記録材に付着させ、インクドットを形成させて記録を行
うものであり、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印
字を行える記録方式である。
【0003】この方式で用いられるインクに求められる
性能としては、高精細な画像の条件としてフェザリング
や滲みのないこと、特にカラー画像においては、異色の
インクで着色された領域の境界における色の混じり合い
(ブリード)がないこと、また画像堅牢性として、耐水
性、耐擦過性等が良好であることなどが挙げられる。
【0004】インクジェット用インクとしては、色材と
して水溶性染料を使用した水性インクが使用されてき
た。しかし、水溶性染料を使用したインクは一般的に乾
燥後の画像における耐水性が乏しいものであった。そこ
で、この耐水性を改善するために特開平5−23939
2号公報及び特開平8−259871号公報には、色材
に非水溶性染料を用いて耐水性を向上させる方法が開示
されている。特開平5−239392号公報には、非水
溶性染料を水分散性樹脂を用いて水中に分散させ、水性
インクを製造する方法が開示されている。しかし、これ
らの公報に開示されているインクでは、非水溶性染料を
用いるため、画像の耐水性は向上するが、カラー画像に
おいてブリードが生じ、高精細な画像は得られない場合
があった。
【0005】インクジェット記録法によりカラー画像が
形成される場合には、一般にシアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)の三原色が使用されている。更
に、一般には、黒(Bk)によって記録される頻度が高
いため、C、M、Yの三原色インクに加えてBkインク
が追加されて使用されている。
【0006】ブリードとは、このC、M、Y及びBkの
4色のインクを用いた画像の形成時に、異色の2つのイ
ンクを隣接させて打ち込んだ場合、その境界部において
インクが未定着のまま部分的に混じり合い、その結果、
異色間の境界滲みが生じるという現象である。特に、B
kとカラーの2つのインクを隣接させる場合では、ブリ
ードが顕著に見られる傾向がある。
【0007】このブリードの改善については、化学反応
により析出する水溶性染料を組み合せたインクセットで
カラー画像を形成する方法が、特開平5−208548
号公報、特開平6−57192号公報、特開平6−10
6841号公報に開示されている。これらは色材とし
て、pH感応性染料を用いたり、沈澱剤を用いること
で、染料を析出させ、ブリードを防止するものである。
【0008】また、特開平7−145336号公報及び
特開平9−109547号公報には、異色のインクの極
性を変えることによって異色間のインクの境界部での混
色を防ぐ方法が開示されている。具体的には、特開平7
−145336号公報では、2色以上のどちらかにポリ
マーを含有させたアニオン性のインク、カチオン性のイ
ンクを接触させて、ブリードを低減させている。また、
特開平9−109547号公報では、アニオン性染料と
カチオン性染料の組合せ、もしくは一方が水溶性染料
で、もう一方が非水溶性染料と高分子物質という組合せ
によりブリードの低減を試みている。
【0009】これらインクセットは、アニオン性とカチ
オン性という異なる極性のインク同士の反応により異色
インクの境界部における造塩及び凝集を生じさせること
でブリードを低減させるものであり、これらの極性は水
溶性染料や水溶性ポリマーに由来するものである。すな
わち、これらインクの極性は水溶性染料や水溶性ポリマ
ーに由来するものである。しかしながら、これらインク
の極性を左右しているこれら物質は、水性媒体中に均一
に溶解している。そのため異色インク間境界部での造
塩、凝集の反応が、水溶性染料分子や水溶性ポリマー分
子という小さな分子レベルで起きているために急峻な凝
集とはならなく、完全にブリードを防ぐには至らない場
合があった。加えて、染料が造塩反応を起こす場合では
色調の変化が生じる場合もあった。また、これらの方法
は、色材として少なくとも1つに水溶性染料を使用して
いるため、記録画像の耐水性が問題となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェット記録において、耐水性が良好で、且つ異色間
のブリードをほぼ完全に防止し、高精細な画像を形成す
ることのできるインクジェット記録方法に好適可能な技
術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできる本発明にかかるインクセットは、2色以上の異
なる色のインクを含む複数のインクからなり、カラー画
像を被記録材に記録するインクジェット記録方法に使用
するインクセットにおいて、各インクが、少なくとも、
油性染料と、水性媒体と、該油性染料を分散させるため
の分散剤としての水溶性ポリマーもしくは界面活性剤
と、を含み、前記異なる色のインクに、前記分散剤がア
ニオン性物質であるインクと、前記分散剤がカチオン性
物質であるインクとの組合せを含むことを特徴とするも
のである。
【0012】また、本発明にかかるインクジェット記録
方法は、被記録材にインクジェット方式によりインクを
付与して記録を行うインクジェット記録方法において、
該インクとして、上記構成のインクセットを用いること
を特徴とするものである。
【0013】本発明にかかる記録ユニットは、インクを
収容したインク収容部と、該インク収容部から供給され
たインクを吐出するヘッド部とを備えた記録ユニットに
おいて、該インク収容部が上記のインクセットを構成す
る各インクを収納する部分を有することを特徴とするも
のである。
【0014】本発明にかかるインクジェット記録装置の
一態様は、インクを収容したインク収容部と、該インク
収容部から供給されたインクを吐出するヘッド部とを有
する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置にお
いて、該記録ユニットが上記構成の記録ユニットである
ことを特徴とするものである。
【0015】本発明にかかるインクジェットカートリッ
ジは、インクを収容したインク収容部を備えたインクカ
ートリッジにおいて、上記のインクセットを構成する各
インクを収納する部分を有することを特徴とするもので
ある。
【0016】本発明のインクジェット記録装置の一態様
は、インクを収容するインク収容部と、該インク収容部
から供給されたインクを吐出するための記録ヘッドと、
該インク収容部から該記録ヘッドに供給するためのイン
ク供給部とを有するインクジェット記録装置において、
該インク収容部が、上記構成のインクカートリッジから
なることを特徴とするものである。
【0017】上記の各態様を含む本発明は、以下に述べ
る本発明者らによる知見に基づいてなされたものであ
る。すなわち、本発明者らは、様々なインク組成のイン
クセットについて鋭意検討した結果、2色以上のインク
を用いてカラー画像を被記録材にインクジェット方式で
記録するインクジェット記録方法において、各インク
を、少なくとも油性染料、水性媒体、油性染料を分散さ
せるための分散剤としての水溶性ポリマー及び界面活性
剤の少なくとも一方を用いたインクとし、これらのイン
クの少なくとも2つのインク間で、分散剤がカチオン性
であるインクと、アニオン性であるインクとが含まれる
ようにしたインクセットを用いて形成される画像が、耐
水性も良好で、ブリードもほぼ完全に防止できることを
見出した。
【0018】このインクセットでは、色材として油性イ
ンクを用いるため、画像が水に付着しても着色部分が溶
け出さず、耐水性が良好である。更に、油性染料を分散
させるための水溶性ポリマーまたは界面活性剤の極性
を、異色間のインクで変えることにより、異なる極性の
着色微粒子を形成させ、その極性の異なるインクを組合
せて使用することにより、異なる極性の着色微粒子同士
を反応させて異色間のインクでのブリードを防止するこ
とができる。これは、境界部で異色のインクが接触する
際、インク中の極性の異なる着色微粒子同士が接触し、
急激に凝集することによるもので、被記録材上の異色着
色部間の境界におけるインク同士の混じり合いを完全に
防ぎ、ブリードの発生を抑えることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。
【0020】本発明のインクセットは、画像を被記録材
にインクジェット方式で記録する場合に好適に用いられ
るもので、所定数の異なる色のインクから構成される。
このインクセットを構成する各インクは、少なくとも油
性染料、水性媒体、該油性染料を分散させるための水溶
性ポリマー及び界面活性剤を含んで構成される。これら
の複数のインクには、分散剤としての水溶性ポリマー及
び界面活性剤の少なくとも一方がカチオン性であるイン
クと、アニオン性インクである異色のインクの組合せが
1組以上含まれる。
【0021】インクに含有させる油性染料は、既存のも
のでも、新規に合成されたものでもよく、適度な色調と
濃度を被記録材に付与できるものであればよい。例え
ば、C.I.ソルベントブルー33、38、42、4
5、53、65、67、70、104、114、11
5、135、C.I.ソルベントレッド25、31、8
6、92、97、118、132、160、186、1
87、219、C.I.ソルベントイエロー1、49、
62、74、79、82、83、89、90、120、
121、151、153、154、C.I.3、5、
7、22、23、123等が挙げられる。
【0022】なお、本発明に好適な油性染料は上記に列
挙した例に限定されるものではない。前記染料のインク
中の含有量は特に限定されないが、インク全量に対して
0.1〜15質量%の範囲とするのが好ましく、その下
限は0.1質量%が、上限は10質量%がより好まし
い。油性染料の2種以上を同一のインク中に含有させる
場合は、その合計量をこれらの範囲に設定することがで
きる。油性染料の範囲を0.1〜15質量%の範囲とす
ることで、より高画像濃度を得ることができ、かつより
良好なインク中での油性染料の分散性と、被記録媒体で
のインクの固着性を得ることができる。
【0023】次に、水溶性ポリマー及び界面活性剤につ
いて説明する。これらの界面活性剤や水溶性ポリマーは
油性染料を水中に分散させる役割を持つ。
【0024】この界面活性剤としては、アニオン性界面
活性剤及びカチオン性界面活性剤から選択されたものを
用いることができる。
【0025】アニオン性界面活性剤としては、カルボン
酸塩型;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキル
エーテル硫酸エステル塩、硫酸化脂肪酸、硫酸化脂肪酸
エステル、硫酸化脂肪酸オレフィンなどの硫酸エステル
塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩やオレフィンスル
ホン酸塩などのスルホン酸塩型、リン酸エステル塩型の
界面活性剤が挙げられ、必要に応じて2種以上を組み合
せて用いることができる。カチオン性界面活性剤として
は、アルキルアミン塩型、第4級アンモニウム塩型など
が挙げられ、必要に応じて2種以上を組み合せて用いる
ことができる。なお、本発明に用いられる界面活性剤は
これらに限定されない。
【0026】界面活性剤のインク中での含有量として
は、一般にはインクの全量に対して1〜50質量%が好
ましく、その下限は3質量%が、その上限は20質量%
がより好ましい。界面活性剤の2種以上を同一のインク
中に含有させる場合は、その合計量をこれらの範囲に設
定することができる。界面活性剤を上記の1〜50質量
%の範囲内とすることで、油性染料の分散安定性をより
良好なものとし、かつインクの粘度の増大及び表面張力
の低下等の物性の変化をより効果的に抑制することが可
能となる。
【0027】水溶性ポリマーは油性染料の分散剤として
用いられるもので、アニオン性水溶性ポリマー及びカチ
オン性水溶性ポリマーから選択されたものが用いられ
る。
【0028】アニオン性水溶性ポリマーとしては、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−アクリル酸
共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキル
エステル共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共
重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキル
エステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステ
ル共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、
アルキル酸、カルボキシメチルセルロース等の多糖類、
硫酸ポリビニル、これらの各物質のアルカリ塩などを挙
げることができる。なお、このアルカリ塩類とは、ナト
リウム、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属のほ
か、アンモニア塩、アルキルアミン塩、アルカノールア
ミン塩等が挙げられる。これらは単独であるいは必要に
応じてその2種以上を組合せて用いることができる。
【0029】カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレ
ンイミン、ポリイソプロピレンイミン等を含むポリアル
キレンイミン類、ポリアルキレンポリイミン、ポリアミ
ドポリアミンエピクロールヒドリンを含むポリアミン
類、水溶性アニリン樹脂およびその塩類、ポリチオ尿素
およびその塩類、水溶性カチオン化アミノ樹脂、ポリビ
ニルピリミジンおよびその塩類、ポリアクリルアミドカ
チオン変性物等が挙げられる。これらは単独であるいは
必要に応じてその2種以上を組合せて用いることができ
る。
【0030】水溶性ポリマーの重量平均分子量として
は、1000〜50000の範囲にあるものが好まし
く、その上限は20000がより好ましい。上記の10
00〜50000とすることで、油性染料の分散安定性
をより良好なものとし、かつインクの粘度の増大を効果
的に抑制することができる。
【0031】これらに水溶性ポリマーのインク中の含有
量としては、一般にはインクの全量に対して1〜50質
量%が好ましく、その下限は3質量%が、その上限は2
0質量%がより好ましい。2種以上の水溶性ポリマーを
用いる場合は、その合計量をこれらの範囲に設定するこ
とができる。水溶性ポリマーの含有量を1〜50質量%
の範囲とすることで、インクの粘度の増大をより効果的
に抑制でき、インクの吐出性の更なる向上を図ることが
できる。
【0032】なお、本発明のインクでは油性染料の分散
剤が水溶性ポリマーであることがより好ましい。
【0033】インクに含有させる水性媒体としては、水
と水溶性有機溶剤との混合媒体が好適に用いられる。具
体的な水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセト
ン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭
素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、
ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテ
ル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類;N―メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホ
ラン、ジメチルサルフォキサイド、2−ピロリドン、ε
−カプロラクタム等の環状アミド化合物およびスクシン
イミド等のイミド化合物などを挙げることができる。な
お、これらは必要に応じて2種以上を組み合せて用いる
ことができる。
【0034】これらの水溶性有機溶剤のインク中の含有
量は、一般にはインクの全量に対して10〜50質量%
が好ましく、その下限は15質量%が、上限は40質量
%がより好ましい。2種以上の水溶性有機溶剤を用いる
場合には、その合計量を上記の範囲とすることができ
る。水溶性有機溶剤を10〜50質量%の範囲とする
と、油性染料の分散安定性をより良好なものとし、かつ
インクの粘度の増大をより効果的に防止できる。
【0035】水性媒体を構成する水としては、純水また
はイオン交換水が好適に用いられる。水のインク中の含
有量としては、一般にはインク全量に対して30〜80
質量%が好ましい。水の含有量をこの範囲とすること
で、インク粘度の上昇をより効果的に防止でき、また、
インク物性の安定性をより効果的に確保することができ
る。
【0036】本発明にかかるインクには、上記成分の他
に必要に応じて、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発
促進剤、キレート化剤等の添加剤を適宜配合しても良
い。
【0037】本発明では、インクセットを構成する異色
のインクにおいて、どの色のインクの水溶性プリマー及
び界面活性剤をカチオン性とし、どの色のインクの水溶
性ポリマー及び界面活性剤をアニオン性とするかは、異
色インク間での混色によってブリードの発生の可能性に
基づいて決定することができる。このような極性を変え
た好ましいインクの組合せとしては、(1)黒インク
と、黒以外の色のカラーインクの複数とを用い、黒イン
クの水溶性ポリマー及び界面活性剤の少なくとも一方か
らなる分散剤がアニオン性であり、カラーインクの少な
くとも1つにおける水溶性ポリマー及び界面活性剤の少
なくとも一方からなる分散剤がカチオン性である組合
せ、及び(2)黒インクと、黒以外の色のカラーインク
の複数とを有し、黒インクの分散剤としての水溶性ポリ
マー及び界面活性剤がカチオン性であり、カラーインク
の少なくとも1つにおける分散剤としての水溶性ポリマ
ー及び界面活性剤がアニオン性である組合せを挙げるこ
とができる。
【0038】次に、本発明のインクセットを用いる記録
方法について説明する。本発明のインクを用いて記録を
行うのに好適な記録方式及び装置としては、記録ヘッド
内の室内にインクに記録信号に対応した熱エネルギーを
与え、この熱エネルギーにより液滴を発生させるインク
ジェット方式及びそれを採用した装置を挙げることがで
きる。
【0039】図1は、本発明のインクセットを適用する
のに好適なカートリッジ交換式のインクジェット記録装
置200の機械的構成例を示す図である。図1におい
て、1は交換式の記録ユニットで、この記録ユニットは
インクを収容するインク収容部としてのインクタンク部
分と記録ヘッドとを備えている。この例では、記録ヘッ
ドとインクタンク部分は、それぞれが交換可能なヘッド
カートリッジとインクカートリッジからなる。2はキャ
リッジユニットで、ヘッドカートリッジ1を装着して左
右方向に移動して記録を行う。3はヘッドカートリッジ
1を固定するためのホルダであり、カートリッジ固定レ
バー4に連動して作動する。すなわち、ヘッドカートリ
ッジ1がキャリッジユニット2内に装着されてから、カ
ートリッジ固定レバー4を作動することで、ヘッドカー
トリッジをキャリッジユニットに圧着するように構成さ
れている。これにより、ヘッドカートリッジ1の位置決
めと、ヘッドカートリッジ1とキャリッジ2との間の電
気的なコンタクトを得ようとするものである。5は電気
信号をキャリッジユニットに伝えるためのフレキシブル
ケーブルである。6はキャリッジモータで、その回転に
よりキャリッジユニットを主走査方向に往復動作させ
る。7はキャリッジベルトで、キャリッジモータによっ
て移動するように駆動され、キャリッジユニットを左右
方向に移動させている。8はキャリッジユニット2を摺
動可能に支持するためのガイドシャフトである。9はキ
ャリッジユニットのホームポジションを決めるためのフ
ォトカプラを備えるホームポジションセンサである。1
0はホームポジションを検出させるための遮光板で、キ
ャリッジユニットがホーム位置に到達すると、そのキャ
リッジユニットに設けられたフォトカプラを遮光するこ
とにより、キャリッジユニットがホーム位置に到達した
ことが検知される。12は、ヘッドカートリッジ1の記
録ヘッド回復機構等を含むホームポジションユニットで
ある。13は被記録媒体を排紙するための排紙ローラ
で、拍車ユニットと被記録媒体を挟み込み、その被記録
媒体を記録装置外へ排出させるためのものである。14
はLFユニットで、被記録媒体を決められ堕量だけ副走
査方向へ搬送するユニットである。
【0040】図2は、ヘッドカートリッジ1の一例の詳
細図である。この図において、15は交換式の黒(B
k)インクタンクである。16は、C、M、Yの各色剤
であるインクを収容している交換式のインクタンクであ
る。各インクタンクには、インクを含浸させたスポンジ
が詰められている。17はインクタンク16の連結口
(色材供給口)で、ヘッドカートリッジ1と連結して色
剤を供給している。18はインクタンク15の連結口で
ある。供給口17、18は、インク供給部である供給管
に連結されて記録ヘッド部21に色剤を供給するように
構成されている。19は電気信号のコンタクト部であ
り、フレキシブルケーブル5と接続されて、各種信号を
ヘッドカートリッジ1に伝えるように構成されている。
【0041】記録ヘッド部21は、複数ノズル、電気熱
変換体(ヒータ素子)、電極及び電気配線などが形成さ
れたシリコンプレート上に、液室、インクフィルタ部、
インク供給管との接続部などを設けた部分を、アルミニ
ウムからなるベースプレート上に配置した構成を有す
る。この記録ヘッドは、ヒータ素子からの発熱により、
インクに熱を与えることでインクが膜沸騰する際に発生
する気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によ
って、吐出口からインクを吐出するものである。このよ
うな、熱エネルギーをインクの吐出に利用するインクジ
ェット方式は本発明にかかるインクセットに特に好適に
適用できるものである。
【0042】図3は、インクを吐出する吐出口を含む記
録ヘッドの一例のインク吐出部の一部を透視図として拡
大部分斜視図である。図3において、被記録材(不図
示)と所定の間隔をおいて対面する吐出口面22には、
所定のピッチで複数の吐出口23が形成され、共通液室
24と各吐出口23とを連通する各液路25の壁面に沿
ってインク吐出用のヒータ素子が配設されている。図3
は、吐出口列が一列形成された例を示すが、このような
吐出口列を複数並列した構成の記録ヘッドを用いること
もできる。このような記録ヘッドを有するヘッドユニッ
トは、各吐出口群(吐出口列)における吐出口の配列方
向が、キャリッジ2の移動方向(主走査方向)と交叉す
る位置関係でキャリッジ2に搭載される。こうして、画
像信号または吐出信号に基づいて対応するヒータ素子2
6を駆動して、液路25内のインクを膜沸騰させ、その
時に発生する圧力によって吐出口23からインクを吐出
させる。
【0043】その際、使用するインクセットに水溶性ポ
リマーと界面活性剤の極性を変えた異色のインクの組合
せが、ブリードが問題となる異なる色間に採用されてい
ることで、被記録材上の異色の色の着色領域の境界部に
おけるブリードの発生を効果的に防止することが可能と
なる。
【0044】なお、記録ユニットに設けられたインク収
容部(例えばインクタンク等のインクと直接接する部
材)は、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルアセテ
ートまたはポリオレフィン系樹脂で形成されていること
が好ましい。更に、インクカートリッジにおけるインク
と接触する面はポリオレフィン系樹脂で構成されること
が好ましい。
【0045】以上、インクに熱エネルギーを作用させて
インク液滴を吐出するインクジェット記録装置を好適な
例として本発明を説明したが、本発明のインクジェット
記録装置には、圧電素子を使用するピエゾ方式などのそ
の他の吐出方式を用いることもできる。
【0046】
【実施例】実施例1 下記表1に示す各組成分を用い、まず、油性染料を有機
溶剤に溶解した後、分散剤の存在下で、水に加え、ホモ
ジナイザーを使用し、7分間7000回転の条件下で油
性染料を分散させることにより、水分散性インクA、B
を得た。
【0047】
【表1】 実施例2 下記表2に示す各組成分を用い、まず、油性染料を有機
溶剤に溶解した後、分散剤の存在下で、水に加え、ホモ
ジナイザーを使用し、7分間7000回転の条件下で油
性染料を分散させることにより、水分散性インクA、B
を得た。
【0048】
【表2】 実施例3
【0049】
【表3】 比較例1 インクAは下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶
解後、ポアサイズが0.22μmのフロロポアフィルタ
ー(住友電気工業(株)製のフィルター、商標名)で加
圧濾過した。水分散性インクBは下記に示す各成分を用
い、まず、油性染料を有機溶剤に溶解した後、分散剤の
存在下で、水に加え、ホモジナイザーを使用し、7分間
7000回転の条件下で分散させることにより調製し
た。
【0050】
【表4】 比較例2 インクA及びBは、下記に示す各成分を十分攪拌して溶
解後、ポアサイズが0.22μmのフルルポアフィルタ
ー(住友電気工業(株)社製、商標名)で加圧濾過し、
調製した。
【0051】
【表5】 試験例1 各実施例及び比較例のインクを用いて、市販のコピー用
紙(キヤノン社製:PBペーパー、ゼロックス社製:4
024ペーパー)およびボンド紙(plover Bond)に記
録を行った。
【0052】使用したインクジェット記録装置として
は、BJC4201(商品名:キヤノン社製、インクジェット
プリンター)に搭載されているのと同じ型の記録ヘッド
を図1に示した構成の装置に装着したものを用いた。記
録ヘッド駆動条件、すなわち、ヒーターへの通電条件
は、各ヘッドとともに印加電圧24V、駆動周波数6.
25kHzとした。インクAにはBkのインクタンク
を、インクBにはカラーのインクタンクを用いた。この
装置を用いて以下の項目についてそれぞれ評価した。 (耐水性評価)各色を単独で印字し、その画像の印字直
後に水道水をかける耐水性試験を行い、下記の基準で評
価した。 評価基準: ○:全く画像が乱れない。
【0053】×:画像に乱れた部分が観察される。 (ブリード評価)異なる2色の着色領域が隣合うように
図4に示すパターンを形成し、異色着色領域間の境界部
における滲みについて観察し、以下の基準で評価した。 評価基準: ○:異色着色領域間の境界部での混じり合いがまったく
観察されない。
【0054】△:異色着色領域間の境界部での要求され
る画質のレベルに応じて実用上問題の無い程度の多少の
混じり合いが観察される。
【0055】×:異色着色領域間の境界部での混じり合
いが顕著である。
【0056】上記の各評価項目について得られた結果を
表6に示す。
【0057】
【表6】 上記の結果に示されるように、実施例1〜3では、単色
での耐水性がすべて良好であった。これは油性染料を用
いているため、画像に水をかけても染料が再溶解しない
ためである。
【0058】一方、比較例1では、油性染料を使用した
インクBの耐水性が良好であるが、水溶性染料を使用し
たインクAの耐水性は良くない。また、水溶性のカチオ
ン性ポリマーを用いた油性染料インクと、アニオン性の
水溶性染料との組合せを用いており、異色間で多少の凝
集が起るが、完全にブリードを防止することはできなか
った。
【0059】比較例2では、インクA、Bともに色材が
水溶性染料であるため、水に対する耐水性が相対的に低
く、画像の乱れが発生した。ブリードの発生も、実施例
1〜3よりも顕著であった。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のインクセッ
トを用いたインクジェット記録方法により得られた画像
は、耐水性が格段に向上しており、更に、異色着色領域
間の境界におけるブリードの発生もほぼ完全に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用し得るインクジェット記録装置の
機械的構成例を示す図である。
【図2】本発明を適用し得るヘッドカートリッジの一例
の詳細図である。
【図3】本発明を適用し得る記録ヘッドの一例のインク
吐出部の一部を透視図として拡大部分斜視図である。
【図4】被記録材上での着色領域の配置パターンを説明
するための図である。
【符号の説明】
1 ヘッドカートリッジ 2 キャリッジユニット 3 カートリッジホルダー 4 固定レバー 5 フレキシブルケーブル 6 キャリッジモーター 7 キャリッジベルト 8 ガイドシャフト 9 ホームポジションセンサ 10 遮光板 12 ホームポジションユニット 13 排紙ローラ 14 LFユニット 15 Bkインク 16 カラー(C、M、Y)インクタンク 17 連結口(Bk用) 18 連結口(カラー用) 19 コンタクト部 20 供給管 21 記録ヘッド部 22 吐出口面 23 吐出口 24 共通液室 25 インク液路 26 ヒーター素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 EA13 FA03 FC01 FC02 KC14 KC22 2H086 BA01 BA53 BA56 BA59 BA60 BA62 4J039 AB02 AD03 AD09 AD10 AD14 AD23 AE03 AE07 AE08 AE09 AE13 BC06 BC07 BC09 BC10 BC13 BC14 BC15 BC16 BC19 BC20 BC31 BC33 BC36 BC37 BC54 BC56 BE07 BE12 BE22 CA06 EA19 EA38 EA48 GA24

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2色以上の異なる色のインクを含む複数
    のインクからなり、カラー画像を被記録材に記録するイ
    ンクジェット記録方法に使用するインクセットにおい
    て、 各インクが、少なくとも、油性染料と、水性媒体と、該
    油性染料を分散させるための分散剤としての水溶性ポリ
    マーもしくは界面活性剤と、を含み、 前記異なる色のインクに、前記分散剤がアニオン性物質
    であるインクと、前記分散剤がカチオン性物質であるイ
    ンクとの組合せを含むことを特徴とするインクセット。
  2. 【請求項2】 各インクにおける界面活性剤の添加量
    が、1〜50質量%の範囲にある請求項1に記載のイン
    クセット。
  3. 【請求項3】 前記界面活性剤の添加量が、3〜20質
    量%の範囲にある請求項2に記載のインクセット。
  4. 【請求項4】 前記水溶性ポリマーの重量平均分子量が
    1000〜50000の範囲にある請求項3に記載のイ
    ンクセット。
  5. 【請求項5】 各インクにおける水溶性ポリマーの添加
    量が、1〜50質量%の範囲にある請求項1に記載のイ
    ンクセット。
  6. 【請求項6】 前記水溶性ポリマーの添加量が3〜20
    質量%の範囲にある請求項5に記載のインクセット。
  7. 【請求項7】 前記水溶性ポリマーを前記分散剤として
    少なくとも含む請求項1に記載のインクセット。
  8. 【請求項8】 前記異なる色のインクとして、黒インク
    と、黒以外の色のカラーインクの複数とを有し、該黒イ
    ンクの前記分散剤がアニオン性であり、該カラーインク
    の少なくとも1つにおける分散剤がカチオン性である請
    求項1に記載のインクセット。
  9. 【請求項9】 前記異なる色のインクとして、黒インク
    と、黒以外の色のカラーインクの複数とを有し、該黒イ
    ンクの前記分散剤がカチオン性であり、該カラーインク
    の少なくとも1つの前記分散剤がアニオン性である請求
    項1に記載のインクセット。
  10. 【請求項10】 被記録材にインクジェット方式により
    インクを付与して記録を行うインクジェット記録方法に
    おいて、 該インクとして、請求項1〜9のいずれかに記載のイン
    クセットを用いることを特徴とするインクジェット記録
    方法。
  11. 【請求項11】 前記インクセットが、カラー画像形成
    用の色のインクを含み、前記被記録材にカラー画像を形
    成する請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】 前記インクジェット方式が熱エネルギ
    ーを利用してインクの被記録材への付与を行う請求項1
    0または11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 インクを収容したインク収容部と、該
    インク収容部から供給されたインクを吐出するヘッド部
    とを備えた記録ユニットにおいて、該インク収容部が請
    求項1〜9のいずれかに記載のインクセットを構成する
    各インクを収納する部分を有することを特徴とする記録
    ユニット。
  14. 【請求項14】 前記ヘッド部が、熱エネルギーを利用
    してインクの被記録材への付与を行う請求項13に記載
    の記録ユニット。
  15. 【請求項15】 前記インク収容部がポリウレタン、セ
    ルロース、ポリビニルアセテートまたはポリオレフィン
    系樹脂で形成されている請求項13に記載の記録ユニッ
    ト。
  16. 【請求項16】 インクを収容したインク収容部と、該
    インク収容部から供給されたインクを吐出するヘッド部
    とを有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装
    置において、該記録ユニットが請求項13〜15のいず
    れかに記載の記録ユニットであることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、請求項1〜9のいずれ
    かに記載のインクセットを構成する各インクを収納する
    部分を有することを特徴とするインクカートリッジ。
  18. 【請求項18】 インク収容部のインクと接触する面が
    ポリオレフィン系樹脂で構成された請求項17に記載の
    インクカートリッジ。
  19. 【請求項19】 インクを収容するインク収容部と、該
    インク収容部から供給されたインクを吐出するための記
    録ヘッドと、該インク収容部から該記録ヘッドに供給す
    るためのインク供給部とを有するインクジェット記録装
    置において、該インク収容部が、請求項17または18
    に記載のインクカートリッジからなることを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 前記ヘッド部が、熱エネルギーを利用
    してインクの被記録材への付与を行う請求項19に記載
    のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7108728B2 (en) 2003-04-15 2006-09-19 Taisei Chemical Industries, Ltd. Process for producing colorants

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