JP2002508024A - ヒドロキシル基を末端にもつポリジエンポリマーから製造したポリオレフィン/熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

ヒドロキシル基を末端にもつポリジエンポリマーから製造したポリオレフィン/熱可塑性ポリウレタン組成物

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Abstract

(57)【要約】 (a)ポリオレフィン99〜80重量%と、(b)0.9〜1.1のOH/NCOモル比をもち、(1)750〜10,000のヒドロキシル当量をもつ水素化ポリジエンジオール90〜40重量%と、(2)ジイソシアネート5〜50重量%と、(3)30〜300の官能基当量をもつ連鎖延長剤4〜14重量%からなる熱可塑性ポリウレタン組成物1〜20重量%を含むポリオレフィン/熱可塑性ポリウレタン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】ヒドロキシル基を末端にもつポリジエンポリマーから製造したポリオレフィン/ 熱可塑性ポリウレタン組成物 本発明は熱可塑性ポリウレタン/ポリオレフィン組成物に関する。より詳細に は、本発明は相溶性熱可塑性ポリウレタン/ポリオレフィン組成物に関する。 熱可塑性ポリウレタン(TPU)は1)ポリマージオールと、2)ジイソシア ネートと、3)連鎖延長剤の反応生成物である。ジオールは通常、数平均分子量 約1000〜4000のポリエーテル又はポリエステルである。使用するジイソ シアネートは一般に4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)であ るが、他の多数のイソシアネートも使用できる。連鎖延長剤は低分子量ジオール であり、通常は1,4−ブタンジオール(BDO)であるが、2−エチル−1, 3−ヘキサンジオール(PEP)等の分枝鎖ジオールを使用すると有利であるこ とが別件でわかっている。このようなTPUを添加剤としてポリプロピレンに使 用すると、耐衝撃性を改善し、改質ポリプロピレンの塗料付着性を改善すると考 えられている。しかし、ポリエ ーテルとポリエステルは極性であるため、これらの慣用TPUは非常に極性であ り、ポリプロピレンや他のポリオレフィン及び他の非極性ポリマー(例えばEP DMやブタジエン及びイソプレンゴム)と広く相溶性にすることができない。そ のブレンドが離層し易く、有用でないのはこの不相溶性のためである。本発明が 解決しようとする課題は、相溶性ポリオレフィン/熱可塑性ポリウレタン組成物 を提供することである。驚くべきことに、このような組成物が今般発見された。 従って、本発明は、 (a)ポリオレフィン99〜80重量%と、 (b)0.9〜1.1のOH/NCOモル比をもち、 (1)750〜10,000のヒドロキシル当量をもつ水素化ポリジエンジオ ール90〜40重量%と、 (2)ジイソシアネート5〜50重量%と、 (3)30〜300の官能基当量をもつ連鎖延長剤4〜14重量% からなる熱可塑性ポリウレタン組成物1〜20重量%を含むポリオレフィン/熱 可塑性ポリウレタン組成物に関する。 ヒドロキシル官能性ポリジエンポリマー(ポリジエンジオー ル)は公知である。米国特許第5,393,843号はこれらのポリマーとメラ ミン樹脂と酸触媒を含む製剤が通常焼付条件下で焼付することにより硬化可能で あることを開示している。同特許は更に、これらのポリマーをイソシアネートと 混合すると、周囲温度で硬化するポリウレタン組成物が得られることも開示して いる。例えば、水素化ポリブタジエン(EBジオール)はほぼ1/1NCO/O Hの理論比(NCOは架橋反応で活性なイソシアネート官能価を表し、OHはヒ ドロキシル官能価を表す)でポリイソシアネートと反応させることにより架橋で きることが知られている。 好ましいポリオレフィンはポリプロピレンホモポリマーと少なくとも60重量 %の重合プロピレン単位を含有するポリプロピレンコポリマーである。 好ましいポリジエンジオールは水素化ポリブタジエンジオールである。ポリジ エンジオールは750〜5000のヒドロキシル当量をもつことが好ましい。 好ましい連鎖延長剤はアルキル置換脂肪族ジオール、好ましくはC1−C8アル キル置換脂肪族ジオールであり、例えば2−エチル−1,3−ヘキサンジオール (PEPジオール)、2, 2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール(TMPDジオール)及び2− エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール(BEPDジオール)である。 脂肪族ジオールは好ましくはC3−C50脂肪族ジオール、より好ましくはC3−C12 脂肪族ジオールである。 ヒドロキシル官能性ポリジエンポリマー及びエチレン性不飽和を含む他のポリ マーは、1種以上のオレフィン、特にジオレフィンを自己又は1種以上のアルケ ニル芳香族炭化水素モノマーと共重合することにより製造することができる。コ ポリマーは当然のことながら、ランダム、テーパー、ブロック又はこれらの組み 合わせのいずれでもよいし、直鎖状、ラジアル又はスターのいずれでもよい。 ヒドロキシ官能性ポリジエンポリマーはアニオンイニシエーター又は重合触媒 を使用して製造することができる。このようなポリマーは塊状、溶液又は乳化法 を使用して製造することができる。高分子量に重合する場合には、ポリマーは一 般に断片、粉末又はペレット等の固体として回収される。低分子量に重合する場 合には、本発明のように液体として回収される。 一般に、溶液アニオン法を使用する場合には、重合しようと するモノマーをアニオン重合イニシエーター(例えばIA金属及びそのアルキル 、アミド、シラノラート、ナフタリド、ビフェニル又はアントラセニル誘導体) と同時又は順次接触させることにより、場合によりビニル芳香族炭化水素を含む 共役ジオレフィンの(コ)ポリマーを製造する。−150℃〜300℃の温度、 好ましくは0℃〜100℃の温度で適当な溶剤中で有機アルカリ金属(例えばナ トリウム又はカリウム)化合物を使用することが好ましい。特に有効なアニオン 重合イニシエーターは一般式: RLin (式中、Rは炭素原子数1〜約20の脂肪族、脂環式、芳香族又はアルキル置換 芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整数である)をもつ有機リチウム化合物 である。 アニオン重合することができる共役ジオレフィン(ジエン)としては、炭素原 子数4〜24の共役ジオレフィン(例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピ ペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、3,4−ジメチル−1, 3−ヘキサジエン及び4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン)が挙げられる 。本発明で使用するには、コストが安く、入手し易 いという理由でイソプレンとブタジエンが好ましい共役ジエンモノマーである。 共重合可能なアルケニル(ビニル)芳香族炭化水素としては、スチレン、種々の アルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、ビニルナフタレン及びアルキ ル置換ビニルナフタレン等のビニルアリール化合物が挙げられる。 ヒドロキシ官能性ポリジエンポリマーは1500〜20,000の数平均分子 量をもつことができる。これよりも低分子量では過剰の架橋が必要であり、これ よりも高分子量では粘度が非常に高くなり、加工が非常に困難になる。1500 〜10,000の数平均分子量(ジオールであり、2個のヒドロキシルをもつの で750〜5000のヒドロキシル当量)をもつ主に線状のジオールは、ポリマ ーのコストと、良好な加工性の達成と、最終熱可塑性ポリウレタンにおけるバラ ンスよい機械的性質の達成との間に最良のバランスを提供するので最も好ましい ポリマーである。ポリジエンジオールの平均官能価は好ましくは1.8〜2.0 、より好ましくは1.9〜2.0である。 水素化ポリブタジエンジオールは製造が容易でガラス転移温度が低く、優れた 耐候性をもつので、本発明で使用するのに好ましい。ジオール即ちジヒドロキシ ル化ポリジエンは一般に リチウムイニシエーターを用いて共役ジエン炭化水素モノマーのアニオン重合に より合成される。この方法は米国特許第4,039,593号及び再発行第27 ,145号に記載されているように周知である。重合は各リチウム部位にリビン グポリマー主鎖を形成するモノリチウム又はジリチウムイニシエーターを用いて 開始される。 本発明で使用するポリジエンジオールは米国特許第5,391,663号、5 ,393,843号、5,405,911号及び5,416,168号に記載さ れているようなジリチウムイニシエーターを用いてアニオン製造することができ る。ポリジエンポリマーはsec−ブチルリチウム2モルをジイソプロペニルベ ンゼン1モルと反応させることにより形成される化合物等のジリチウムイニシエ ーターを用いて製造することができる。このジイニシエーターは一般にシクロヘ キサン90重量%とジエチルエーテル10重量%から構成される溶剤中でジエン を重合するために一般に使用される。ジイニシエーターとモノマーのモル比はポ リマーの分子量を決定する。その後、リビングポリマーをエチレンオキシド2モ ルでキャッピングし、メタノール2モルを末端に付けると、所望ポリジエンジオ ールが得 られる。 ポリジエンジオールポリマーは、シリルエーテルとしてブロックしておいたヒ ドロキシル基を含むモノリチウムイニシエーターを使用して製造することもでき る。重合法の詳細は米国特許第5,376,745号に記載されている。利用可 能なイニシエーターの1例はヒドロキシル基をtert−ブチルジメチルシリル エーテルとしてブロックしたヒドロキシプロピルリチウムである。このモノリチ ウムイニシエーターを使用すると、炭化水素又は極性溶剤中で共役ジエンを重合 することができる。その後、リビングポリマーをエチレンオキシドでキャッピン グし、末端にメタノールを付ける。その後、水の存在下で酸触媒開裂によりシリ ルエーテルを除去すると、所望ポリマーが得られる。 水素化ポリブタジエンジオールポリマーは任意ブタジエン微細構造をもつこと ができる。しかし、1,2−ブタジエン添加量が30%未満であると、水素化後 にポリマーは室温でろう状固体となり、これを本発明の方法で使用すると、1, 2−ブタジエン含量を少なくとも30%にした場合ほどゴム状ではないTPUと なるので、1,2−ブタジエン添加量は少なくとも 30%にすることが好ましい。1,2−ブタジエン添加量が少なくとも30%の 水素化ポリブタジエンを使用すると、室温でゴム状の本発明のTPU組成物が得 られるが、水素化ポリブタジエンジオールの粘度を最低限にするためには1,2 −ブタジエン含量を40〜60%にすることが好ましい。所望1,2−ブタジエ ン含量をもつポリマーは一般に、所望の1,2添加量を得るようにジエチルエー テルやグリム(1,2−ジエトキシエタン)等の構造調節剤で1,3−ブタジエ ンのアニオン重合を調節することにより製造することができる。 本発明の範囲内の水素化ポリイソプレンジオールポリマーは任意イソプレン微 細構造をもつことができる。しかし、ポリマーの粘度を最低限にするために、イ ソプレンの1,4添加量を>80%にすると好ましく、>90%にするとより好 ましい。この種のポリイソプレンジオールはイソプレンの3,4添加量を増加す る微細構造調節剤の不在下でアニオン重合により製造することができる。ジエン 微細構造は一般にクロロホルム中で13C核磁気共鳴(NMR)により測定される 。 本発明のポリマーの好ましい製造方法は、A”を−CH2−CH2−CH2−C H2−(1,4−ブチル)、−CH2−CH2 −CH2−CH2−CH2−(1,5−ペンチル)又は−CH2−CH2−CH2−C H2−CH2−CH2−(1,6−ヘキシル)等のアルキル置換又は非置換ブチル 、ペンチル又はヘキシル架橋基で置換した類似イニシエーターよりも無効イニシ エーターの量を驚くほど少量にしながら驚くほど高い重合温度でアニオンポリマ ーの重合を開始する(高効率)という理由で、下記構造: [式中、各Rはメチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルであり、A”は− CH2−CH2−CH2−(1,3−プロピル)、−CH2−CH(CH3)−CH2 −(2−メチル−1,3−プロピル)、及び−CH2−C(CH32−CH2−( 2,2−ジメチル−1,3−プロピル)等のアルキル置換もしくは非置換プロピ ル架橋基、又は−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2− (1,8−オクチル)等のアルキル置換もしくは非置換オクチル架橋基である] をもつリチウムイニシエーターを使用する。 本発明で有用な所定のヒドロキシル化ポリジエンポリマーは構造式(I): HO−A−OH又は(HO−A)n−X (式中、Aは共役ジオレフィンモノマーのホモポリマー、2種以上の共役ジオレ フィンモノマーのコポリマー又は1種以上の共役ジオレフィンモノマーとモノア ルケニル芳香族炭化水素モノマーのコポリマーであり、nは2であり、Xはカッ プリング剤の残基である)をもつ。これらのヒドロキシル化ポリジエンポリマー の製造中には、リビングポリマーの不完全なキャッピング又はカップリング剤に よる不完全なカップリングにより構造式HO−Aをもつ単官能性ポリマーが製造 されることがある。この単官能性ポリマーの量を最少限にすることが好ましいが 、単官能性ポリマーの量が組成物中のヒドロキシル化ポリマーの20重量%程度 でも本発明の範囲内の満足な熱可塑性ポリウレタン組成物を達成することができ る。 本発明で有用な他のヒドロキシル化ポリジエンポリマーは構造式(II): HO−A−Sz−B−OH又は(HO−A−Sz−B)n−X又はHO−Sz−A− B−Sy−OH又は(HO−Sz−A−B)n−X (式中、A及びBは共役ジオレフィンモノマーのホモポリマーブロック、共役ジ オレフィンモノマーのコポリマーブロック、又はジオレフィンモノマーとモノア ルケニル芳香族炭化水素モノマーのコポリマーブロックのいずれでもよいポリマ ーブロックであり、Sはビニル芳香族ポリマーブロックであり、y及びzは0又 は1であり、nは2であり、Xはカップリング剤の残基である)をもつ。 これらのポリマーは少なくとも1種のビニル芳香族炭化水素、好ましくはスチ レンを60重量%まで含むことができる。AブロックとBブロックは100〜2 0,000、好ましくは500〜20,000、最も好ましくは1000〜15 ,000の数平均分子量をもつことができる。Sブロックは500〜10,00 0の数平均分子量をもつことができる。A又はBブロックのいずれかを別の組成 の数平均分子量50〜1000のポリマーミニブロックでキャッピングすると、 任意開始、好ましくない共重合速度によるテーパー又はキャッピングの困難を補 うことができる。総分子量は750〜10,000の官能基当量が得られるよう にすべきであることが理解されよう。 ポリジエンポリマーの分子量はGPCシステムを適当に校正 してゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定すると簡便である。本明 細書に記載する分子量はクロマトグラフから計算した数平均分子量(g/mol )である。GPCのカラムで使用する材料はスチレン−ジビニルベンゼンゲル又 はシリカゲルである。溶剤はテトラヒドロフランであり、検出器は屈折率検出器 である。 ポリジエンジオールは一般に米国特許再発行第27,145号に開示されてい るような当業者に周知の方法により水素化する。これらのポリマー及びコポリマ ーの水素化は米国特許第5,039,755号に記載されているようなラネーニ ッケル、貴金属(例えば白金等)、可溶性遷移金属触媒及びチタン触媒等の触媒 の存在下の水素化をはじめとする種々の確立方法により実施することができる。 ポリマーは種々のジエンブロックをもつことができ、これらのジエンブロックは 米国特許第5,229,464号に記載されているように選択的に水素化するこ とができる。 連鎖延長剤はポリイソシアネートと反応する少なくとも2個の官能基をもつ低 分子量材料である。数平均分子量は60〜600が好ましく、80〜300が最 も好ましい。利用可能な 官能基としては、第1級及び第2級アルコール、ジカルボン酸、メルカプタン、 並びに第1級及び第2級アミンが挙げられる。好ましい官能基はヒドロキシル基 である。連鎖延長剤の当量は通常は約30〜約300g/官能基であり、好まし くは約40〜150g/官能基である。連鎖延長剤の官能価は2に近似すること が好ましいが、TPUの合成中の連鎖延長反応中に反応混合物がゲル化しない限 り、もっと高くてもよい。最も一般に使用されている連鎖延長剤は1,4−ブタ ンジオール(BDO)である。 本発明で使用するのに最適な連鎖延長剤としては、置換分枝鎖ジオールである ため、非置換直鎖ジオールほど極性ではなく、従って、ポリジエンポリマーに対 して不相溶性ではないという理由で炭素原子数5〜30の分枝鎖脂肪族ジオール 、特に2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(PEPジオール)、2,2,4 −トリメチル−1,3−ペンタンジオール(TMPDジオール)及び2−エチル −2−ブチル−1,3−プロパンジオール(BEPDジオール)等のアルキル置 換脂肪族ジオールが挙げられる。反応混合物がTPUの合成中にゲル化しない限 り、トリメチロールプロパンやトリエチロールプロパン等の少量の トリオールをこれらのジオールと併用してもよい。 本発明で使用するイソシアネートは1分子当たりイソシアネート基約2、好ま しくは1.8〜2.1、より好ましくは1.8〜2.0の平均官能価をもつイソ シアネートである。本発明で使用するTPUの製造に使用するには、1分子当た りイソシアネート基2の官能価をもつジイソシアネートが好ましい。利用可能な ジイソシアネートの例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、4,4’ −ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの異 性体の混合物、パラフェニルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、 ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ナフタレンジイソシアネート 及びヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。有標触媒を使用してジイソ シアネートを二量化又は三量化し、ビウレット、イソシアヌレート等を得ること によりこれらのジイソシアネートからポリイソシアネートを製造することができ る。TPUの合成中に反応混合物がゲル化しない限り、少量のこれらのポリイソ シアネートをジイソシアネートと併用してもよい。 本発明で使用可能な特定市販イソシアネートを下表に挙げる。 Mondur、Vestanat及びDesmodurは商標名である。 4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は反応性が高く、整っ た硬質相をもつTPUが得られ、高い強度と弾性をもつTPUが得られるため、 特に有用であり、本発明で使用するのに好ましい。 本発明の組成物で使用可能なポリオレフィンとしては結晶質ポリオレフィン、 例えばポリプロピレンホモポリマー、少なくとも60重量%の重合プロピレン単 位を含有するポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン、ポリブチレン、線状低 密度ポリエチレン(実際にはエチレンと少量の別のモノマー、通常はブチレン、 ヘキセン又はオクテンとのコポリマー)、及びこれらの結晶質ポリマーと約40 重量%までのエラストマー(他えばEPDMや、ポリブタジエン及びポリイソプ レンゴム)のブレ ンドが挙げられる。これらのポリオレフィンポリマーはいずれも非常に非極性で あるため、ポリエーテル又はポリエステルから製造した慣用ポリウレタンとブレ ンドすると、ブレンドは不相溶性となり、性質が不良で離層する傾向がある。 本発明の組成物は主割合のポリオレフィンを副次割合の特定型の熱可塑性ポリ ウレタンとブレンドしたものである。本発明組成物の熱可塑性ポリウレタン成分 はポリオレフィン/熱可塑性ポリウレタン組成物の1〜20重量%、好ましくは 1〜10重量%を構成すべきである。使用量が1重量%未満では塗料付着性の改 善の利点が得られず、使用量が20重量%を越えるとブレンドが不相溶性になり 、応力下で離層する恐れがある。 TPUの合成における連鎖延長反応中に最大分子量を達成するためには、ポリ ジエンジオール及び連鎖延長剤中の活性ヒドロキシルとポリイソシアネート中の 活性NCO基のモル比を0.9〜1.1にすべきである。その場合、一般にTP U中の使用量はポリジエンジオール90〜40重量%、連鎖延長剤4〜14重量 %、ジイソシアネート5〜50重量%となる。TPU中の成分の好ましい濃度は ポリジエンジオール75〜55重量%、連鎖延長剤7〜11重量%及びジイソシ アネート15〜 30重量%である。実施例 熱可塑性ポリウレタンの製造 本試験では3種の熱可塑性ポリウレタン(TPU)を使用した。TPU−1は 数平均分子量3300(ヒドロキシル当量=1650)の水素化ポリブタジエン ジオール(EBジオール)と、MDI(Bayer製品MONDUR M)と、 PEPジオール(Aldrich製品)を85/15のEBジオール/PEPジ オール重量比と1/1NCO/OHモル比で使用して製造した。TPU−2は数 平均分子量2000のポリプロピレンオキシドポリエーテルジオール(Arco 製品PPG−2025)と、MDIと、BDO(Aldrich製品)を90/ 10のPPG−2025/BDO比と1/1NCO/OHモル比で使用して製造 した。第3のTPUはポリエーテルジオールをベースとする市販品TEXIN9 85−A(Bayer製品、TEXINは商標名)とした。TPU−1とTPU −2の組成を表1に示す。全3種のTPUの射出成形プラックで測定したショア A硬度と引張特性も表1に示す。 TPU−1とTPU−2はポリマージオールをまずMDIと 反応させた後に連鎖延長剤を添加するプレポリマー法により製造した。商業的に は、これは押出反応器システムで無溶剤法で実施されると予想される。本試験に は押出反応器を利用できなかったので、トルエン中約50重量%固形分でTPU を製造し、反応後に溶剤を除去した。 EBジオール、ポリエーテルジオール及び連鎖延長剤を真空オーブンで1時間 80℃で乾燥し、トルエンをモレキュラーシーブで乾燥した。MDIとポリマー ジオールをトルエンに濃度50重量%に溶かした。これらの溶液の必要量を2リ ットル容樹脂反応がまに配量し、少量のDABCO T−12触媒(DABCO は商標名)を加え、80℃まで加熱するにつれて反応がまを乾燥窒素でパージし た。反応体を80℃に2時間維持してプレポリマーを製造した。次にPEP又は BDO連鎖延長剤を加えた。連鎖延長が開始すると、粘度は迅速に高くなったた め、溶液を撹拌できなくなったので、樹脂反応がまの内容物をトレーに掻き出し た。トレーを乾燥窒素パージ下に80℃のオーブンに3時間入れ、TPUの製造 を完了した。次にサンプルを小片に切断し、残りのトルエンを蒸発させた。小片 を液体窒素で凍結し、回転グラインダーで粗粉末に粉砕した後、2時間 120℃で乾燥した。次に、乾燥窒素でパージした缶に入れ、使用時まで保存し た。 ポリプロピレンとポリウレタンのブレンドの製造 3種のTPUの各々をプラスチックバッグで90/10及び70/30のPP /TPU重量比でポリプロピレンホモポリマー(SHELL PP DX501 5H(SHELLは商標名)) とドライブレンドした。ドライブレンドを2インチ(5.1cm)Bersto rff二軸押出機で混合し、ストランドに押出し、切断して乾燥した後、使用し た。次に、Arburg射出成形機を使用して6種のPP/TPUブレンドの各 々と個々のポリマー自体から厚さ約90ミル(2.3mm)のプラックを作製し た。 ショアA及びショアD硬度と応力/歪関係(ASTM D−1708、微小引 張、0.5in/min(1.27cm/min)クロスヘッド速度)をプラッ クの各々で測定した。結果を表2及び3に示す。純100%TPU−2では利用 可能な限られた量のサンプルでは満足なプラックを作製できないので引張特性は 測定しなかった。プラックからミクロトームで切片に切り分け、四酸化ルテニウ ムで染色し、透過型電子顕微鏡で試験することにより各組成物の形態も調べた。純ポリウレタンの性質 表2に示す結果から明らかなように、ポリエーテルTPU(TEXINとTP U−2)はいずれも約78の瞬間ショアAをもつが、EBジオールをベースとす るTPU−1は多少軟質であり、瞬間ショアA69である。TEXIN 985 −Aは市販高品 質TPUの典型的性質をもつ。その引張応力はInstron機械でクロスヘッ ド移動の限界である620%伸びで2850psi(19.65MPa)に達し た。これに対して、TPU−1のほうが弱いエラストマーであった。TPU−1 は最大引張応力は約330psi(2.28MPa)に止まったが、破断点伸び は約600%と良好であった。上述のように、TPU−2のプラックは応力/歪 み測定に十分良好であるとはみなされなかった。ポリプロピレンとポリウレタンのブレンドの性質 表2の結果から明らかなように、3種のTPUの各々を加えると、PPのショ アD硬度はほぼ同様に低下し、純PPの約70から90/10ブレンドでは約6 8まで低下し、70/30ブレンドでは約60まで低下した。3種のTPUはP P/TPUブレンドの応力/歪み関係に及ぼす効果が著しく異なる。90/10 PP/TPUブレンドでは、TPU−1は明らかに著しく良好なブレンドを生じ る。表3の結果から明らかなように、10重量%TPU−1をPPに加えても降 伏応力又は引張強さもしくは伸びは低下しない。TPU−2は降伏応力、引張強 さ及び伸びを著しく低下させ、TEXINはこれらの性質を更に 低下させる。このような相違の理由はTPU−1がポリエーテルをベースとする TPUよりもPPに対して相溶性であるので、TPU−1がPPに良好に分散す るためであると考えられる。TPU−1は低粒度でPPに分散していることが電 子顕微鏡により確認された。 ポリプロピレンブレンドの性質に及ぼす3種のTPUの効果の差は70/30 PP/TPUブレンドでは著しく小さい。全3種のTPUの主要な効果は伸びの 実質的低下である。PP/ポリエーテルTPUの離層はPP/TPU−1ブレン ドの離層よりも著しく容易であることが定性的に観察された。 a−値は試験法の信頼性の範囲外である。a−引張特性を測定するのに使用するにはプラックの品質が低過ぎるとみなされ た。塗料付着性に及ぼすポリウレタンの効果 ポリプロピレンは非極性ポリオレフィンであるため、塗料が結合できる極性成 分がないので、塗料に非常に付着しにくい支持体である。本試験ではこれらのT PUをポリプロピレンに添加することによりPP/TPUブレンドの塗布性が改 善されるか否かを調べるために簡単な試験を行った。 塗料製剤の選択肢は広い。本試験では2種の製剤を使用した。一方はポリエス テルポリオールをメラミン樹脂で硬化した。ポリオールは、500ヒドロキシル 当量をもつ飽和ポリエステルDESMOPHEN 670−A(Bayer製品 )とした。Bayerによると、このポリマーは軟質プラスチック支持体に塗布 するように推奨されている。硬化剤は最も広く使用されているポリエステルポリ オール用硬化剤の1種であるヘキサメトキシメラミンCYMEL(商標名)30 3(CYTEC製品)とした。硬化反応はドデシルベンゼンスルホン酸CYCA T(商標名)600(CYTEC製品)により触媒した。キシレンを加えて塗料 の粘度を下げた。他方の製剤は上記に使用したEBジオールをベースとする実験 ポリオレフィン/メラミン塗料、強化ジオール(硬化塗膜の硬度を増加する成分 )と兼用する連 鎖延長剤及びメラミン樹脂架橋剤とした。強化ジオールは2,2,4−トリメチ ル−1,3−ペンタンジオール(Eastman製品TMPD Diol)とし た。硬化剤はブチル化メラミンCYMEL 1156(CYTEC製品)とした 。この場合もCYCAT 600により硬化反応を触媒した。脂肪族炭化水素溶 剤VM&P Naphtha HT(Shell製品)を加えて塗料の粘度を下 げた。EBジオールとTMPDジオールの不相溶性を解決するためには、このポ リオレフィン/メラミン塗料樹脂を樹脂反応がまで100℃で2時間煮沸して相 安定樹脂を得ることが必要であった。 塗料を60重量%固形分溶液として組成物の各々のプラックに塗布し、被覆プ ラックを1時間121℃で焼付け、ポリオールとメラミンの硬化反応を行った。 乾燥塗膜厚さは約1ミル(25μm)であった。5(付着性低下なし)から0( >65%付着性低下)のスケールでクロスハッチ付着試験(ASTM D3359 ,B法)により塗料付着性を測定した。付着性の定性評価も行った。塗料の支持 体湿潤能の差も調べた。結果を表4及び5に示す。 どちらの塗料もPP付着は不良であった。しかし、ポリオレ フィン/メラミン塗料はPPを良好に湿潤し、良好な滑らかな塗膜を形成するが 、ポリエステル/メラミン塗料はPPを十分に湿潤せず、PPの広い領域にわた って塗料の水分が完全に失われ、未被覆PPの島を残すことが定性的に観察され た。どちらの塗料も90/10PP/TPUブレンドには十分に付着しなかった 。しかし、90/10PP/TPU−1プラック上の塗膜は90/10PP/T PU−2及びPP/TEXINプラック上の塗膜よりも滑らかであることが定性 的に観察され、TPU−1は塗料を湿潤し易いプラックをもたらすと予想される 。定性結果によると、どちらの塗料も90/10ブレンドよりも70/30PP /TPUブレンドに著しく良好に付着するが、これはクロスハッチ付着結果には 現れない。しかし、PPとTPU−1の70/30ブレンドはTPUをベースと するポリエーテルとのブレンドよりも多少付着が良好であり、湿潤性も良好であ った。a−射出成形プラックに約1ミル(25μm)乾燥膜厚に塗料を塗布した。1時 間121℃で焼付けることにより硬化した。 b−塗料組成はDESMOPHEN 670−A 80重量部(pbw)、CY MEL 303 20pbw、CYCAT600 1pbw及びキシレン67p bwとした。 c−プラックの品質が不良であったため、塗料を塗布しなかった。a−射出成形プラックに約1ミル(25μm)乾燥膜厚に塗料を塗布した。1時 間121℃で焼付けることにより硬化した。 b−塗料組成はEBジオール40pbw、TMPDジオール20pbw、CYM EL 1156 40pbw、CYCAT600 1pbw及びVM&Pナフサ 67pbwとした。これらの成分を樹脂反応がまで2時間100℃で反応させた 後、プラックに塗布した。 要約すると、90/10PP/TPU−1ブレンドはポリエーテルをベースと するTPUを含む90/10PP/TPUブレンドよりも良好な引張特性を示し た。TPU−1をPPに加 えると、ポリエーテルをベースとするTPUを加えるよりも特にポリオレフィン /メラミン塗料に対する塗料付着性の改善に有効であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)ポリオレフィン99〜80重量%と、 (b)0.9〜1.1のOH/NCOモル比をもち、 (1)750〜10,000のヒドロキシル当量をもつ水素化ポリジエンジオ ール90〜40重量%と、 (2)ジイソシアネート5〜50重量%と、 (3)30〜300の官能基当量をもつ連鎖延長剤4〜14重量% からなる熱可塑性ポリウレタン組成物1〜20重量%を含むポリオレフィン/熱 可塑性ポリウレタン組成物。 2.ポリジエンジオール75〜55重量%と、連鎖延長剤7〜11重量%と、ジ イソシアネート15〜30重量%を含む請求項1に記載の組成物。 3.連鎖延長剤の官能基当量が40〜150である請求項1又は2に記載の組成 物。 4.ポリジエンジオールのヒドロキシル当量が750〜5000である請求項1 から3のいずれか一項に記載の組成物。 5.連鎖延長剤の官能基がヒドロキシル基である請求項1から 4のいずれか一項に記載の組成物。 6.請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物を含む製品。
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