JP2003012369A - 圧電体磁器組成物 - Google Patents
圧電体磁器組成物Info
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Abstract
焼成が可能で、AgまたはAgリッチなAg−Pdのよ
うな比較的安価な電極材料と同時に焼成できる圧電体磁
器組成物を提供する。 【解決手段】 少なくともPb,Zr,Ti,Nb及び
Znの5種の金属元素を含むペロブスカイト構造を有す
る複合酸化物を主成分とし、副成分としてMn及びCd
を含有し、好ましくは平均粒子径0.7μmの原料粉末を
焼成してなることを特徴とする圧電体磁器組成物。
Description
特に積層型圧電素子の材料として有用な圧電体磁器組成
物に関する。
バイスの応用分野は益々広がりを見せており、通信やメ
カトロニクス等の分野では、小型化及び低電圧駆動への
要求が高まっている。この要求に応えるため、圧電磁器
組成物を含む薄層グリーンシート上に内部電極用の導体
ペーストを印刷し、積層一体化した後、同時焼成した積
層型素子が種々開発され実用化されてきている。
物の特性としては電気機械結合係数(kr)、機械的品
質係数(Qm)が大きいことが望ましい。この目的に合
致する圧電体磁器組成物としては、PZT(PbZrO
3−PbTiO3固溶体)系やPT(正方晶系PbTiO
3)系等のペロブスカイト構造を有する強誘電体がよく
知られている。
器組成物は、一般に焼結温度が1200〜1400℃と高温であ
る。このため、圧電磁器組成物を電極と同時焼成して一
体化するためには、電極材料が、上記の焼成温度に耐え
得る高価なPtやPd等に限定される。また、高い焼成
温度に対応した設備も必要となる。この結果、安価な製
品を提供することができなかった。
に他の金属化合物を加えて焼結温度を下げる努力がなさ
れている。例えば、特開平2-303081号公報には、Pb
(Ni 1/3Nb2/3)O3−PbZrO3−PbTiO3に
Pb(Cu1/2W1/2)O3を添加した組成物が記載され
ている。しかし、上記の系では電気機械結合定数等の圧
電特性が劣化する。そこで、低温焼結性と圧電特性を両
立させる系も検討され、Pb(Ti,Zr)O3に、M
nまたはCrのいずれか、及びWを加えた磁器組成物
(特開平9-169566号公報)、PbZrO3−PbTiO3
−Pb(Zn1/3Sb2 /3)O3にBi及びFeを添加し
た組成物(特開2000-86341号公報)等が提案されてい
る。しかし、前者の焼成温度は1100℃以上であり、後者
でも960℃での長時間焼成を必要とする。このため、
安価なAg(融点:960℃)を電極材料として用い同
時焼成により積層圧電体を形成することは未だ困難であ
った。
技術における上述の問題点を解消することにあり、具体
的には、比較的安価なAgまたはAgリッチなAg/P
dを内部電極材料として利用可能とする、低温焼結性を
有し、なおかつ、電気機械結合係数(kr)、機械的品
質係数(Qm)等の圧電特性に優れた圧電体磁器組成物
を提供することにある。
め、本発明者らは、少なくともPb,Zr,Ti,Nb
及びZnの5種の金属元素を含むペロブスカイト構造を
有する複合酸化物を主成分とした系について検討した。
その結果、副成分としてMn及びCd元素を添加するこ
とにより、低温焼成と良好な圧電特性とを同時に実現し
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
物を提供する。 (1) 少なくともPb,Zr,Ti,Nb及びZnの
5種の金属元素を含むペロブスカイト構造を有する複合
酸化物を主成分とし、副成分としてMn元素を含む圧電
体磁器組成物において、Cd元素を含有することを特徴
とする圧電体磁器組成物。 (2) CdOに換算して0.3〜1.5質量%のCdを含有
する前記1に記載の圧電体磁器組成物。 (3) MnO2に換算して0.05〜0.75質量%のMnを
含有する前記1または2に記載の圧電体磁器組成物。 (4) 前記複合酸化物を一般式ABO3(A、Bはペ
ロブスカイト構造を構成する金属元素)で表したとき、
化学量論的に該複合酸化物のAサイトに含まれるべき値
を超える量のPb元素を含むことを特徴とする前記1〜
3のいずれかに記載の圧電体磁器組成物。 (5) 前記金属元素を含む原料粉末として平均粒子径
が0.7μm以下である微粉末を用いる前記1〜4のうち
いずれかに記載の圧電体磁器組成物。
について説明する。本発明の圧電体磁器組成物は、少な
くともPb,Zr,Ti,Nb及びZnの5種の金属元
素を含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物を主成
分とし、副成分としてMn元素を含む圧電体磁器組成物
においてCd元素を含有させたものである。ペロブスカ
イト型酸化物は、一般にABO3の結晶構造で表現され
る。Pb,Zr,Ti,Nb及びZnを含む系では、基
本的には、AサイトがPb(Pb2+)によって、Bサイ
トがZr(Zr4+),Ti(Ti4+),Nb(Nb5+)
及びZn(Zn2+)によって占められる。上記の各元素
を含むペロブスカイト型複合酸化物は、典型的には、α
Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−βPbTiO3−γPbZ
rO3(但し、係数α,β,γはモル分率であり、α+
β+γ=1)であるが、Mnを含加えた組成において9
00℃〜1100℃で焼結可能であれば他のペロブスカ
イト型複合酸化物の組合せでもよい。α,β及びγの好
適範囲は、例えば、αが0.01〜0.5、βが0〜0.9、γが0
〜0.9程度の範囲(より好適な各成分の比は特公昭44-17
344号公報参照)である。
して上に挙げた主構成元素の一部を置換するものである
が、結晶粒界等に存在してもよい。Mnの含有量は、通
常、MnO2に換算して組成物全体の0.05〜0.75質量%
程度である。Mn含有量がこの範囲から外れると低温で
の焼成と良好な圧電特性を両立させることができない。
d元素を含有させる。これにより、圧電特性の劣化を招
くことなく900〜950℃程度での焼成が可能とな
る。Cdの含有量は、好ましくは組成物全体の0.3〜1.5
質量%の範囲である。Cd含有量がこの範囲を外れる
と、圧電特性の改善において十分な効果が得られない。
元素を含む原料粉末を目的組成から計算される適正な量
比で混合して焼成することにより製造できる。この際、
Pbを過剰に添加することが好ましい。例えば、前記の
αPb(Zn1/3Nb2/3)O 3−βPbTiO3−γPb
ZrO3において、Zn:(1/3)αモル、Nb:
(2/3)αモル、Ti:βモル、Zr:γモルに対
し、Pbの化学量論からの必要量(m0)は1モルであ
るが、この値よりも過剰量(m1)を添加する。これに
より圧電特性がさらに改善される。
ぞれの酸化物、焼成温度以下で熱分解する炭酸塩等を用
いることができる。2以上の元素を含有する複合酸化物
を用いてよい。複合酸化物の例としては、PbTi
O3,PbZrO3,Pb(Zn1/ 3Nb2/3)O3等の主
要構成成分からなるペロブスカイト型酸化物のほかに、
Cd(Mn1/3Nb2/3)O3のような副成分を含む複合
酸化物の形態で添加しても同様の効果が得られる。圧電
特性を、一層、改善することから原料の平均粒子径は0.
7μm以下とすることが好ましい。
する主成分がPb,Zr,Ti,Nb及びZnの5種の
金属元素のみを含む場合について説明したが、本発明は
これに限定されるものではない。すなわち、Pb,Z
r,Ti,Nb及びZnの5種の金属元素に加えて、そ
の他の金属元素を含んでもよい。このような金属元素の
例としては、Ni,Mg,Fe,Sc,Sb等が挙げら
れる。
り具体的に説明する。 実施例1:出発原料として化学的に高純度(99.5%以
上)であるPbO,TiO2,ZrO2,ZnO,Nb2
O5,MnO2,CdOを用意した。これら各粉末を、ペ
ロブスカイト構造を有する複合酸化物としての0.17Pb
(Zn1/3Nb2/3)O3−0.39PbTiO3−0.44PbZ
rO3(但し、係数はモル分率)に、表1に示す割合の
aMnO2+bCdO(但し、a、bは質量%であ
る。)を含有する組成の磁器材料が得られるように秤量
し、ボールミル中でメタノールを加えて湿式粉砕した
後、700〜900℃の温度で2時間仮焼した。
系のバインダを1〜2質量%加え、混合粉砕し整粒した
後、500〜2000kg/cm2の圧力でプレス成形して
直経30mm、厚み1.5mmの円板状成形体を得た。次
いで、得られた円板状成形体を900℃、950℃及び
1100℃で2時間焼成して円板状磁器の作成を試み
た。
焼き付けし、100〜150℃の絶縁油中で1〜3kV
/mmの電界を10〜60分間印加し、分極処理をおこ
なった。上記のようにして得た円板状試料について、比
誘電率(εr)、電気機械結合係数(kr)、及び機械
的品質係数(Qm)を求めた。なお、比誘電率(εr)
は静電容量を測定し計算により求め、電気機械結合係数
(kr)及び機械的品質係数(Qm)は電子工業会規格
EMAS−6100に基づきインピーダンス測定器によ
り測定し計算により求めた。これらの結果を表1に示
す。なお、表1では、各組成物について、900℃、9
50℃及び1100℃のうち十分に焼結が進行した最も
低い温度の試料について結果を示した。但し、CdもM
nも含まない試料(試料番号16)は1100℃以下で
焼成しなかったため、1200℃で焼成した例を示し
た。*印を付したものは本発明の範囲外のものであり、
その他は本発明の範囲内のものである。
2/3)O3−0.39PbTiO3−0.44PbZrO3(但し、
係数はモル分率)を主成分とし、Mn元素を副成分とし
て含むセラミックスに、Cd元素を含有させた本発明の
範囲内の試料は、900℃で焼結する。これに対して、
Cd元素を含まない試料は、1100℃で焼成する必要
があり(試料番号1及び15)、これ以下では電気機械
結合係数(kr)や機械的品質係数(Qm)が大幅に低
下するか、焼結不十分(試料番号14)となる。また、
Cd元素の含有量の好ましい範囲は、CdOに換算して
0.3〜1.5質量%である。すなわち、CdO含有量が0.3
〜1.5質量%の範囲内においては、1100℃での焼成
例である試料番号1やCdOの含有量が1.5質量%以上
である試料番号9等と比較して明らかなように、低温
(900℃)の焼成でも電気機械結合係数(kr)及び
機械的品質係数(Qm)の低下が抑えられ、優れた圧電
材料が得られる。
であるPbO,TiO2,ZrO2,ZnO,Nb2O5,
MnO2,CdOを用意した。これら各粉末を0.17Pb
(Zn1/3Nb2/ 3)O3−0.39PbTiO3−0.44PbZ
rO3(但し、係数はモル分率)を主成分とし、表2に
示す換算量比でMnO2、CdO及びPbOを含有する
組成となるように秤量し、ボールミル中でメタノールを
加えて湿式粉砕した後、700〜900℃の温度で2時
間仮焼した。これを実施例1と同様に焼結して円板状試
料を形成し、電極を付与して比誘電率(εr)、電気機
械結合係数(kr)及び機械的品質係数(Qm)を求め
た。これらの結果を表2に示す。
する複合酸化物である0.17Pb(Zn1/3Nb2/3)O3
−0.39PbTiO3−0.44PbZrO3(但し、係数はモ
ル分率)を主成分とし、Mn及びCd元素を含むセラミ
ックスにおいて、試料番号18,20,21に示すよう
に一般式ABO3で表した場合のAサイトに入る化学量
論量のPb量を超えて過剰のPb元素を含有する場合に
は、過剰のPb元素を含有しない試料番号17,19と
比載して電気機械結合係数(kr)の値が大きくなり、
圧電特性が向上する。
であるPbO,TiO2,ZrO2,ZnO,Nb2O5,
MnO2,CdOを用意した。これら各粉末を、0.17P
b(Zn1/3Nb 2/3)O3−0.39PbTiO3−0.44Pb
ZrO3(但し、係数はモル分率)に対し、0.5質量%M
nO2+1.0質量%CdOを含有する組成の磁器材料が得
られるように秤量し、ボールミル中でメタノールを加え
て湿式粉砕した後、700〜900℃の温度で2時間仮
焼した。その後、直径5mmのジルコニアボールと共
に、有機系の分散剤及びメタノールを加え、平均粒子径
が0.7μm以下(島津製作所製レーザー回折式粒度分析
装置を用いて測定)になるまで粉砕した後、これを乾操
させ焼結前の原料微粉末を得た。
板状試料を形成し、電極を付与して比誘電率(εr)、
電気機械結合係数(kr)及び機械的品質係数(Qm)
を求めた。これらの結果を表3に示す。
径が0.8μm以上である試料番号22,23と比較する
と、使用する粉末の平均粒子径が0.7μm以下である試
料番号24〜26のほうが電気機械結合係数(kr)の
値が大きくなり、圧電特性が向上している。
b2/3)O3−0.39PbTiO3−0.44PbZrO3を主成
分とする系について本発明の効果を示したが、Pb,Z
r,Ti,Zn及びNbを含みペロブスカイト構造を有
する他の複合酸化物を主成分とする圧電体磁器組成物に
おいても同様の効果を得ることが期待できる。
及びNbの各元素を含むペロブスカイト構造を有する複
合酸化物を主成分としMn元素を副成分として含む圧電
体磁器組成物に、Cd元素を含有させることにより、9
00℃程度の低温で焼成しても圧電特性の劣化が抑えら
れた圧電体磁器組成物を得ることができる。上記組成物
において、一般式ABO3で表される複合酸化物のAサ
イトに入る化学量論量のPb量を超えて過剰のPbを含
ませることにより、更に、圧電特性に優れて低温焼結が
可能な圧電体磁器組成物を得ることができる。さらに、
上記組成物において、焼結前の平均粒子径を0.7μm以
下にすることにより、より一層、圧電特性を改善させる
ことができる。従って、本発明の圧電体磁器組成物を用
いることにより、比較的安価なAgもしくはAgリッチ
なAg−Ptを内部電極とした、圧電特性に優れた、積
層高調波共振子、積層高調波フィルタ、積層圧電トラン
ス、アクチュエータ等の積層型の圧電体デバイスを得る
ことができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくともPb,Zr,Ti,Nb及び
Znの5種の金属元素を含むペロブスカイト構造を有す
る複合酸化物を主成分とし、副成分としてMn元素を含
む圧電体磁器組成物において、Cd元素を含有すること
を特徴とする圧電体磁器組成物。 - 【請求項2】 CdOに換算して0.3〜1.5質量%のCd
を含有する請求項1に記載の圧電体磁器組成物。 - 【請求項3】 MnO2に換算して0.05〜0.75質量%の
Mnを含有する請求項1または2に記載の圧電体磁器組
成物。 - 【請求項4】 前記複合酸化物を一般式ABO3(A、
Bはペロブスカイト構造を構成する金属元素)で表した
とき、化学量論的に該複合酸化物のAサイトに含まれる
べき値を超える量のPb元素を含むことを特徴とする請
求項1〜3のいずれかに記載の圧電体磁器組成物。 - 【請求項5】 前記金属元素を含む原料粉末として平均
粒子径が0.7μm以下である微粉末を用いる請求項1〜
4のうちいずれかに記載の圧電体磁器組成物。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001199031A JP2003012369A (ja) | 2001-06-29 | 2001-06-29 | 圧電体磁器組成物 |
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