JP2003012686A - ピラゾール誘導体 - Google Patents

ピラゾール誘導体

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JP2003012686A JP2001200388A JP2001200388A JP2003012686A JP 2003012686 A JP2003012686 A JP 2003012686A JP 2001200388 A JP2001200388 A JP 2001200388A JP 2001200388 A JP2001200388 A JP 2001200388A JP 2003012686 A JP2003012686 A JP 2003012686A
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靖彦 伊藤
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英昭 日下
Kenichi Takeshita
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Yoshiko Matsumoto
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Masayuki Abe
真之 阿部
Yoshihisa Ota
義久 太田
Yuji Nomoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、糖尿病予防および/または
治療剤として有用なピラゾール誘導体またはその薬理学
的に許容される塩を提供することにある。 【解決手段】 一般式(I) 【化19】 [式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の低級ア
ルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表
し、R4は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置
換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、R2はグル
コピラノシル基(グルコピラノシル基中の水酸基は保護
されていてもよい)を表し、R3は置換もしくは非置換
のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基
を表す]で表されるピラゾール誘導体またはその薬理学
的に許容される塩を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血糖降下作用を有
し糖尿病予防および/または治療剤として有用なピラゾ
ール誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、インスリンの分泌不足または
その標的細胞側の感受性低下等に基づく糖代謝を中心と
した代謝異常により高血糖をきたすことが大きな特徴で
ある。また高血糖が長期間持続すると、血管障害を主要
因として、腎症、網膜症、神経障害等、種々の臓器や神
経に深刻な合併症が生じる。従って、糖尿病の治療では
血糖値をコントロールして正常値に維持することが極め
て重要であり、そのための手段が古くから研究されてい
る。
【0003】糖尿病のうち、発症が緩徐で生命維持に必
ずしもインスリン治療を必要としない病型(インスリン
非依存性糖尿病:NIDDM)では、運動療法と薬物の
組み合わせにより血糖値をコントロールすることがで
き、経口血糖降下剤の一種であるインスリン分泌促進剤
が臨床で汎用されている。しかしながら、現在利用可能
なインスリン分泌促進剤は、いずれも血糖値に非依存的
にインスリン分泌を促進するため、用量を誤ると重篤な
低血糖を引き起こす、あるいは十分に血糖値をコントロ
ールできないという問題点があり、必ずしも満足できる
ものではない。
【0004】一方、糖尿病の発症・進展に高血糖自身が
関与するグルコース・トキシシティー・セオリー(Gl
ucose Toxicity Theory)が提唱
され、慢性的な高血糖がインスリン分泌能を低下させる
とともにインスリン感受性をも低下させ、更なる血糖上
昇を引き起こすことが報告された[ダイアベトロジア
(Diabetologia)、第13巻、第610頁
(1990年)等]。従って、高血糖を是正することに
より、この悪循環を断ち切ることができれば糖尿病予防
・治療が可能であるとされる。
【0005】その一つの手法として、余分な糖を直接尿
糖として尿中に排泄させ血糖値を正常化することが考え
られる。例えば、フロリジンは腸管および腎臓の絨毛膜
のみに存在するNa+−グルコース共輸送体[ナトリウ
ム−グルコース・コトランスポーター(SGLT)]を
阻害することにより腎臓での糖の再吸収を阻害し、糖の
排泄を促進することにより血糖値を降下させることが出
来る(SGLT阻害作用)。この作用に基づき、フロリ
ジンを糖尿病動物に毎日皮下投与して高血糖を是正し、
血糖値を長期間正常に保つことにより糖尿病動物の病態
を改善し正常化できることが確認されている[ジャーナ
ル・オブ・クリニカル・インベスチゲーション(J.C
lin.Invest.)、第79巻、第1510頁
(1987年)、同第80巻、第1037頁、(198
7年)、同第87巻、第561頁(1991年)等]。
しかしながら、フロリジンを経口投与した場合、加水分
解反応によりフロリジンが不活化されたり、加水分解に
より生成するアグリコン部(フロレチン)が促通拡散型
糖輸送担体(GLUT)の阻害作用という副作用を引き
起こしたりすることが報告されている[ストローク(S
troke)、第14巻、第388頁(1983
年)]。
【0006】一方、特開平10−237089号に、S
GLT阻害作用を有し、かつ、フロリジンに見られた加
水分解反応による不活化や、GLUTの阻害作用という
副作用を軽減した4'−低級アルキルプロピオフェノン
誘導体が開示されている。また、米国特許5,183,
825号、米国特許5,194,435号、米国特許
5,264,451号、米国特許5,274,111号
には、下記一般式(A)で表される化合物が血糖降下作
用を示すことが開示されている。
【0007】
【化6】 (式中、R1Aは水素原子等を表し、R2Aは水素原子また
は低級アルキルを表し、R3Aはアリール等を表し、R4A
は低級アルキル、パーフルオロメチルまたは低級アルコ
キシを表す) なお、これら化合物の作用はSGLT阻害作用に基づく
ことがジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー
(J.Med.Chem.)、第39巻、第3920頁
(1996年)で報告されている。
【0008】また、WO01/16147には、下記一
般式(B)で表される化合物がSGLT阻害作用と血糖
降下作用を示すことが開示されている。
【0009】
【化7】 (式中、R1Bは水素原子等を表し、QBおよびTBはどち
らか一方がβ−D−グルコピラノシルであり、他方が低
級アルキルまたはハロ低級アルキルであり、R2Bは水素
原子、低級アルキル、低級アルコキシまたは低級アルキ
ルチオ等を表す)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血糖
降下作用を有し糖尿病予防および/または治療剤として
有用なピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容され
る塩を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、以下
の(1)〜(21)に関する。 (1)一般式(I)
【化8】 [式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の低級ア
ルキル、または置換もしくは非置換の低級アルコキシを
表し、R4は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは
置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、R2は一
般式(II)
【0012】
【化9】 (式中、R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっ
て水素原子または水酸基の保護基を表す)を表し、
(i)R5、R6、R7およびR8のうち少なくとも1つが
水酸基の保護基であるとき、ならびにR5、R6、R7お
よびR8が水素原子であり、かつR1が置換低級アルキル
または置換もしくは非置換の低級アルコキシであると
き、R3は置換もしくは非置換のアリールまたは置換も
しくは非置換の芳香族複素環基を表し、(ii)R5、
R6、R7およびR8が水素原子であり、かつR 1が水素原
子または低級アルキルであるとき、R3はパラ位置換も
しくは非置換の低級アルキルスルフィニルアリール、パ
ラ位置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルアリ
ール、置換アリール(ただし、該置換アリールはパラ位
のみに置換基を有することはない)または置換もしくは
非置換の芳香族複素環基を表す]で表されるピラゾール
誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【0013】(2)一般式(I)
【化10】 [式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の低級ア
ルキル、または置換もしくは非置換の低級アルコキシを
表し、R4は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは
置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、R2は一
般式(II)
【0014】
【化11】 (式中、R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっ
て水素原子または水酸基の保護基を表す)を表し、
(i)R5、R6、R7およびR8のうち少なくとも1つが
水酸基の保護基であるとき、ならびにR5、R6、R7お
よびR8が水素原子であり、かつR1が置換低級アルキル
または置換もしくは非置換の低級アルコキシであると
き、R3は置換もしくは非置換のアリールまたは置換も
しくは非置換の芳香族複素環基を表し、(ii)R5、
R6、R7およびR8が水素原子であり、かつR 1が水素原
子または低級アルキルであるとき、R3は置換もしくは
非置換の低級アルキルスルフィニルアリール、置換もし
くは非置換の低級アルキルスルホニルアリールまたは置
換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す]で表される
ピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【0015】(3)一般式(II)が、一般式(II
a)
【化12】
【0016】(式中、R5、R6、R7およびR8はそれぞ
れ前記と同義である)である上記(1)または(2)記
載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される
塩。 (4)R5、R6、R7およびR8が、水素原子である上記
(1)〜(3)のいずれかに記載のピラゾール誘導体ま
たはその薬理学的に許容される塩。 (5)水酸基の保護基が、(i)アシル基であるか、ま
たは(ii)2つの保護基が一緒になって−CQ1Q2(C
H2)n−(式中、nは0〜6の整数を表し、Q 1および
Q2は同一または異なって水素原子、ハロゲン、置換も
しくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低
級アルコキシまたは置換もしくは非置換のアリールを表
す)、−PO(OH)−または−CO−を形成する上記
(1)〜(3)のいずれかに記載のピラゾール誘導体ま
たはその薬理学的に許容される塩。
【0017】(6)水酸基の保護基がアシル基である上
記(1)〜(3)のいずれかに記載のピラゾール誘導体
またはその薬理学的に許容される塩。 (7)(i)R5がアシル基であり、R6、R7およびR8
が水素原子、(ii)R5およびR6が同一または異なって
アシル基であり、R7およびR8が水素原子、(iii)R7
がアシル基であり、R5、R6およびR8が水素原子、ま
たは(iv)R8がアシル基であり、R5、R6およびR7が
水素原子である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
ピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
【0018】(8)アシル基が、低級アルカノイル、低
級アルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルカノ
イルまたは低級アルコキシ低級アルコキシカルボニルで
ある上記(5)〜(7)のいずれかに記載のピラゾール
誘導体またはその薬理学的に許容される塩。 (9)2つの保護基が一緒になって−CQ1Q2(C
H2)n−(式中、n、Q1およびQ2はそれぞれ前記と同
義である)、−PO(OH)−または−CO−を形成す
る上記(1)〜(3)のいずれかに記載のピラゾール誘
導体またはその薬理学的に許容される塩。
【0019】(10)R7およびR8が、一緒になって−
CQ1Q2(CH2)n−(式中、Q1およびQ2はそれぞれ
前記と同義である)、−PO(OH)−または−CO−
を形成する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のピラ
ゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。 (11)Q1およびQ2が、同一または異なって水素原
子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは低級アル
コキシである上記(5)、(9)または(10)に記載
のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される
塩。
【0020】(12)R3が置換もしくは非置換のアリ
ールである上記(1)〜(11)のいずれかに記載のピ
ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。 (13)R3が置換もしくは非置換の低級アルキルスル
フィニルアリールまたは置換もしくは非置換の低級アル
キルスルホニルアリールである上記(1)〜(11)の
いずれかに記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的
に許容される塩。
【0021】(14)R1が水素原子であり、R4が置換
もしくは非置換の低級アルキルである上記(1)〜(1
3)のいずれかに記載のピラゾール誘導体またはその薬
理学的に許容される塩。 (15)R4がトリフルオロメチルである上記(1)〜
(14)のいずれかに記載のピラゾール誘導体またはそ
の薬理学的に許容される塩。
【0022】(16)上記(1)〜(15)のいずれか
に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容さ
れる塩を有効成分として含有する医薬。 (17)上記(1)〜(15)のいずれかに記載のピラ
ゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効
成分として含有する糖尿病の治療剤。 (18)上記(1)〜(15)のいずれかに記載のピラ
ゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効
成分として含有する糖尿病の予防剤。
【0023】(19)上記(1)〜(15)のいずれか
に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容さ
れる塩を有効成分として含有する糖尿病合併症の予防お
よび/または治療剤。 (20)上記(1)〜(15)のいずれかに記載のピラ
ゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有効
成分として含有する血糖降下剤。
【0024】(21)上記(1)〜(15)のいずれか
に記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容さ
れる塩を有効成分として含有するSGLT阻害剤。別の
観点からは、本発明は、イ)上記医薬の製造のための、
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体またはその薬
理学的に許容される塩の使用、ロ)糖尿病の治療方法で
あって、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体また
はその薬理学的に許容される塩の治療有効量を、ヒトを
含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法、ハ)血糖値
の低下方法であって、一般式(I)で表されるピラゾー
ル誘導体またはその薬理学的に許容される塩の有効量
を、ヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法に
関する。
【0025】以下、一般式(I)で表される化合物を化
合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様
である。
【0026】
【発明の実施の形態】一般式(I)の各基の定義におい
て、 (a)水酸基の保護基としては、例えば酸処理、加水分
解、還元等の常法により容易に除去できるような慣用の
水酸基の保護基[例えば、プロテクティブ・グループス
・イン・オーガニック・シンセシス(Protecti
ve Groups in Organic Synt
hesis)、グリーン(T.W.Greene)著、
ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテ
ッド(John Wiley & Sons,In
c.)(1981年)等参照]があげられる。具体的に
は、例えば(i)トリ低級アルキルシリル(例えば、t
ert−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリ
ル、トリメチルシリル等)、低級アルコキシ低級アルキ
ル(例えば、メトキシメチル、メトキシエチル等)、ト
リメチルシリルエチル、ベンジルオキシメチル等、(i
i)アシル基(該アシル基は、後述のアシル基と同義で
ある)等があげられ、また(iii)2つの保護基が一緒
になって、例えば−CQ1Q2(CH2)n−(式中、n、
Q1およびQ2はそれぞれ前記と同義である)、−PO
(OH)−、−CO−等を形成してもよい。しかしなが
ら、水酸基の保護基としてはこれらに限定されず、生体
内へ投与後に脱保護され水酸基を与えるような機能、生
体内への吸収もしくは生体内への投与が容易になるよう
な機能、または脂溶性もしくは水溶性を上げるような機
能を有するものであればいずれも好適に用いることがで
きる。
【0027】(b)低級アルキル、低級アルコキシ、低
級アルキルスルフィニルアリール、低級アルキルスルホ
ニルアリール、低級アルカノイル、低級アルコキシ低級
アルカノイル、低級アルコキシカルボニルおよび低級ア
ルコキシ低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分
としては、炭素原子数1〜6個の直鎖状または分枝鎖状
の、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキ
シル等をあげることができる。
【0028】(c)低級アルコキシ低級アルカノイルお
よび低級アルコキシ低級アルコキシカルボニルのアルキ
レン部分は、前記の低級アルキルから水素原子を一つ除
いたものと同義である。 (d)アリール、低級アルキルスルフィニルアリールお
よび低級アルキルスルホニルアリールのアリール部分と
しては、例えば単環性または2つ以上の縮合環からなる
芳香族基があげられ、具体的には、環構成炭素原子数が
6〜14個程度のアリールが好ましく、例えば、フェニ
ル、ナフチルまたはインデニル等があげられる。
【0029】(e)アシル基としては、例えば低級アル
カノイル[該低級アルカノイルの低級アルキル部分は前
記低級アルカノイルの低級アルキル部分(b)と同義で
ある]、低級アルコキシ低級アルカノイル[該低級アル
コキシ低級アルカノイルの低級アルキル部分およびアル
キレン部分はそれぞれ前記低級アルコキシ低級アルカノ
イルの低級アルキル部分(b)およびアルキレン部分
(c)と同義である]、低級アルコキシカルボニル[該
低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低
級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分(b)と同
義である]、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル
[該低級アルコキシ低級アルコキシカルボニルの低級ア
ルキル部分およびアルキレン部分は前記低級アルコキシ
低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分(b)お
よびアルキレン部分(c)と同義である]、アリールカ
ルボニル[該アリールカルボニルのアリール部分は前記
アリール(d)と同義である]等をあげることができ
る。また、アミノ酸から1つのカルボキシル基中の水酸
基を除いた残基等もあげられる。当該アミノ酸から1つ
のカルボキシル基中の水酸基を除いた残基としては、例
えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、セ
リン、サルコシン、プロリン、フェニルアラニン、ロイ
シン、イソロイシン、グリシン、トリプトファン、シス
テイン、ヒスチジン、チロシン、バリン等の天然アミノ
酸、その対掌体またはラセミ体から1つのカルボキシル
基の水酸基を除いた残基等があげられる。
【0030】(f)芳香族複素環基としては、例えば単
環性または2つ以上の縮合環からなる芳香族複素環基が
あげられ、芳香族複素環基に含まれるヘテロ原子の種類
および個数は特に限定されないが、例えば、窒素原子、
硫黄原子および酸素原子からなる群から選ばれるヘテロ
原子を1または2個以上含んでいてもよい。より具体的
には、環構成原子数が10個までの芳香族複素環基が好
ましく、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダ
ゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オ
キサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリ
ミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、
インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、フタ
ラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリ
ニル、シンノリニル等があげられる。
【0031】(g)ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素の各原子を表す。 (h)置換アリール、パラ位置換低級アルキルスルフィ
ニルアリール、パラ位置換低級アルキルスルホニルアリ
ール、置換低級アルキルスルフィニルアリール、置換低
級アルキルスルホニルアリールおよび置換芳香族複素環
基の置換基としては、例えば、同一または異なって置換
数1〜6の、低級アルキル、置換低級アルキル(置換低
級アルキルの置換基は後記置換低級アルキルの置換基と
同義である)、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ
(置換低級アルコキシの置換基は後記置換低級アルコキ
シの置換基と同義である)、低級アルキルチオ、置換低
級アルキルチオ(置換低級アルキルチオの置換基は後記
置換低級アルキルの置換基と同義である)、低級アルキ
ルスルフィニル、置換低級アルキルスルフィニル(置換
低級アルキルスルフィニルの置換基は後記置換低級アル
キルの置換基と同義である)、低級アルキルスルホニ
ル、置換低級アルキルスルホニル(置換低級アルキルス
ルホニルの置換基は後記置換低級アルキルの置換基と同
義である)、低級アルカノイル、置換低級アルカノイル
(置換低級アルカノイルの置換基は後記置換低級アルキ
ルの置換基と同義である)、モノもしくはジ低級アルキ
ルアミノ(ジ低級アルキルアミノにおいて2個の低級ア
ルキルは同一でも異なっていてもよい)、ハロゲン、カ
ルボキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ等があ
げられる。
【0032】ここで述べた、低級アルキル、低級アルコ
キシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、
低級アルキルスルホニル、低級アルカノイルおよびモノ
もしくはジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分は、
前記低級アルキル(b)と同義であり、ハロゲンは前記
ハロゲン(g)と同義である。 (i)置換低級アルキルおよび置換低級アルコキシの置
換基としては、例えば、同一または異なって置換数1〜
3の、低級アルコキシ[該低級アルコキシの低級アルキ
ル部分は前記低級アルコキシの低級アルキル部分(b)
と同義である]、ヒドロキシ、ハロゲン[該ハロゲンは
前記ハロゲン(g)と同義である]、低級アルコキシカ
ルボニル[該低級アルコキシカルボニルの低級アルキル
部分は前記低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部
分(b)と同義である]等をあげることができる。
【0033】また一般式(I)において、R1の置換位
置は特に限定されることはなく、環上の任意の窒素原子
上に置換可能である。化合物(I)の薬理学的に許容さ
れる塩には、無機酸塩、有機酸塩等の酸付加塩、金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等の塩基付加
塩、アミノ酸付加塩等が包含される。薬理学的に許容さ
れる酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン
酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩をあげることが
できる。薬理学的に許容される金属塩としては、例え
ば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マ
グネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩の
ほか、アルミニウム塩、亜鉛塩等をあげることができ、
薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例え
ば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が
あげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩とし
ては、例えば、モルホリン、ピペリジン等の付加塩等を
あげることができる。薬理学的に許容されるアミノ酸付
加塩としては、例えば、リジン、グリシン、フェニルア
ラニン等の付加塩等をあげることができる。
【0034】化合物(I)またはその薬理学的に許容さ
れる塩は、水和物または溶媒和物の形で存在することも
あるが、これら付加物も本発明に包含される。溶媒和物
を形成する溶媒の種類は薬理学的に許容されるものであ
れば特に限定されないが、例えば、エタノール、アセト
ン等を用いることができる。化合物(I)は5個以上の
不斉炭素を有するが、純粋な形態の光学異性体もしくは
ジアステレオ異性体、これら異性体の任意の混合物、ま
たはラセミ体等、いずれも本発明に包含される。また、
化合物(I)に互変異性体が存在しうる場合には、いず
れの互変異性体であってもよく、すべての可能な異性体
およびそれらの混合物が本発明に包含される。
【0035】次に化合物(I)の製造法について説明す
る。なお、以下に示した製造法において、定義した基が
反応条件下変化するか、または方法を実施する上で不適
切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば官能
基の保護、脱保護等の手段[例えば、プロテクティブ・
グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Pro
tective Groups in Organic
Synthesis)、グリーン(T.W.Gree
ne)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコ
ーポレイテッド(John Wiley & Son
s,Inc.)(1981年)等参照]を用いることに
より容易に製造を実施することができる。また、本明細
書に具体的に示された製造方法に従い、または試薬もし
くは反応原料を適宜変更し、また必要に応じてそれらの
方法に適宜の修飾ないし改変を加えることにより当業者
は化合物(I)をいずれも製造できる。
【0036】化合物(I)の製造法: 製造法1:化合物(I)は、以下の工程に従い製造する
ことができる。
【0037】
【化13】
【0038】<式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞ
れ前記と同義であり、X2は脱離基を表す。脱離基とし
ては、例えばハロゲン[該ハロゲンは前記ハロゲン
(g)と同義である]、フェニルスルホニルオキシ、置
換フェニルスルホニルオキシ{該置換フェニルスルホニ
ルオキシの置換基としては、例えば同一または異なって
置換数1〜3の、低級アルキル[該低級アルキルは前記
低級アルキル(b)と同義である]等が挙げられる}、
低級アルキルスルホニルオキシ[該低級アルキルスルホ
ニルオキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル
(b)と同義である]、トリフルオロメタンスルホニル
オキシ等が挙げられる> 化合物(I)は、化合物(III)を必要ならば塩基等
の存在下、化合物(IV)と溶媒中で反応させることに
より得ることができる。
【0039】塩基としては、例えばトリエチルアミン、
ジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミン、または
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水
素ナトリウム等の無機塩基等があげられ、該塩基は化合
物(III)に対して1〜10当量、好ましくは2〜5
当量用いられる。溶媒としては、例えばジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−
メチル−2−ピロリジノン、N,N’−ジメチルイミダ
ゾリジン−2−オン、ジメチルスルホキシド等があげら
れ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
【0040】化合物(IV)は、化合物(III)に対
して1〜5当量、好ましくは2〜3当量用いられ、反応
は0〜60℃の間の温度で行われ、1時間〜3日間で終
了する。なお、原料化合物(III)は、ジャーナル・
オブ・メディシナル・ケミストリー (J.Med.C
hem.)、第39巻、第3920頁(1996年)に
記載の方法またはそれに準じて得ることができる。
【0041】また、上記製造法1によって得られた化合
物(I)の一部については、これを合成中間体として以
下の製造法により、新たな化合物(I)へ導くこともで
きる。 製造法2:化合物(I)のうち、R1が置換もしくは非
置換の低級アルキルである化合物(Ib)は、R1が水
素原子である化合物(Ia)から以下の工程に従い製造
することができる。
【0042】
【化14】
【0043】(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ前
記と同義であり、X1は前記X2と同義であり、R1bはR
1の定義のうち置換もしくは非置換の低級アルキルを表
す) 化合物(Ib)は、化合物(Ia)を必要ならば塩基等
の存在下、化合物(V)と溶媒中で反応させることによ
り得ることができる。塩基としては、例えばトリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第三級アミ
ン、または炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等があげられ、該
塩基は化合物(Ia)に対して1〜10当量、好ましく
は2〜5当量用いられる。
【0044】溶媒としては、例えばジクロロメタン、ジ
クロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−
2−ピロリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジン
−2−オン、ジメチルスルホキシド等があげられ、これ
らは単独でまたは混合して用いられる。
【0045】化合物(V)は、化合物(Ia)に対して
1〜5当量、好ましくは2〜3当量用いられ、反応は0
〜60℃の間の温度で行われ、1時間〜3日間で終了す
る。なお、化合物(Ia)は、前述の製造法1もしくは
後述の製造法3に記載の方法またはそれらに準じて得る
ことができる。 製造法3:化合物(I)のうち、化合物(Ia)は、R
1がメトキシメチルである化合物(Ic)から以下の工
程に従い製造することができる。
【0046】
【化15】
【0047】(式中、R2、R3およびR4はそれぞれ前
記と同義であり、R1cはメトキシメチルを表す) 化合物(Ia)は、化合物(Ic)を、1〜10当量、
好ましくは2〜5当量の例えばトリフルオロ酢酸、三フ
ッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩化水素水溶液等
の酸存在下、適当な溶媒中で処理することにより得るこ
とができる。
【0048】溶媒としては、例えば、水、アセトニトリ
ル、無水酢酸等があげられ、これらは単独でまたは混合
して用いられる。反応は、0〜60℃の間の温度で行わ
れ、1時間〜3日間で終了する。なお、化合物(Ic)
は、前述の製造法1もしくは製造法2に記載の方法また
はそれらに準じて得ることができる。 製造法4:化合物(I)のうち、R3が置換もしくは非
置換の低級アルキルスルフィニルアリールまたは置換も
しくは非置換の低級アルキルスルホニルアリールである
化合物(Ie)は、対応するR3が低級アルキルチオア
リールである化合物(Id)または化合物(VI)から
以下の工程に従い製造することができる。
【0049】
【化16】
【0050】{式中、R1、R2およびR4は前記と同義
であり、R3eは置換もしくは非置換の低級アルキル[該
低級アルキルは前記低級アルキル(b)と同義であり、
置換低級アルキルの置換基は前記置換低級アルキルの置
換基(i)と同義である]を表し、neは1または2を表
す} 化合物(Ie)は、化合物(Id)または化合物(V
I)を溶媒中、酸化剤で処理することにより得ることが
できる。
【0051】酸化剤としては、例えばモノパースルフェ
ート化合物、メタクロロ過安息香酸(MCPBA)、過酸化
水素水等があげられ、該酸化剤は化合物(Id)または
化合物(VI)に対して0.5〜10当量、好ましくは
0.7〜5当量用いられる。溶媒としては、例えばアセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、
エタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素類、水等があげられ、こ
れらは単独でまたは混合して用いられる。
【0052】反応は、0℃から室温の間の温度で行わ
れ、1〜12時間で終了する。なお、化合物(Id)ま
たは化合物(VI)は、前述の製造法1、製造法2もし
くは製造法3に記載の方法またはそれらに準じて得るこ
とができる。 製造法5:R5、R6、R7およびR8のいずれかが水酸基
の保護基である化合物(If)の脱保護、またはR5、
R6、R7およびR8のいずれかが水素原子である化合物
(Ig)への保護基の導入は、例えばプロテクティブ・
グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Pro
tective Groups in Organic
Synthesis)、グリーン(T.W.Gree
ne)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコ
ーポレイテッド(John Wiley &Sons,
Inc.)(1981年)等に記載の方法またはそれら
に準じて行うことができる。
【0053】上記の製造法において得られる中間体化合
物および目的化合物は、有機合成化学で常用される精製
方法、例えば中和、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再
結晶、各種クロマトグラフィー等の手段により単離・精
製することができる。また、中間体化合物は、特に精製
することなく次の反応に供することも可能である。化合
物(I)の塩を製造する場合には、遊離形態の化合物
(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁させた後、適宜の
酸または塩基を加えて塩を形成させ、必要に応じて分離
・精製すればよい。塩の形態で得られた目的物質を遊離
形態の化合物(I)に変換した後、所望の塩に変換する
ことも可能である。
【0054】上記の製造法によって得られる化合物
(I)の具体例を第1表に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】次に、代表的な化合物(I)の薬理作用に
ついて試験例により具体的に説明する。 試験例1:SGLT阻害活性 ブタ近位尿細管上皮細胞株LLC−PK1を35mm培
養ディシュに4x105cells/dish/2mL
で播種し、完全に集密的になったものを使用した。培養
上清を吸引して、37℃の反応緩衝液[140mmol
/L NaCl、2mmol/L KCl、1mmol/
L CaCl2、1mmol/L MgCl 2・6H2O、
10mmol/L N−(2−ヒドロキシエチル)ピペ
ラジン−N'−2−エタンスルホン酸(ヘペス、ナカラ
イテスク製、以下HEPESと略す)、5mmol/L
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス、
以下Trisと略す)、pH7.3]2mLで1回洗浄
後、新たに37℃の反応緩衝液2mLを添加して、10
〜15分間、前培養した。0.05mmol/L α−
メチル−D−グルコシド(以下AMGと略す)、7.4
kBq[14C]AMG(アマーシャム製、USA)およ
び薬物を溶解したジメチルスルホキシド(以下DMSO
と略す)2.5μL(最終濃度1nmoL/L〜10μ
moL/L)を含む反応緩衝液0.5mLを添加し、3
0分間培養した。上清を吸引し、氷冷したリン酸緩衝液
(ICN製、以下PBSと略す)3mLで2回洗浄して
取り込みを停止させ、1moL/L NaOH1mLを
添加して30分間室温で静置して、細胞を融解した(細
胞融解液)。細胞融解液に、1moL/L HCl1m
Lを添加して中和後、この中和液1mLにULTIMA
GOLD(Packard、Netherland
s)8mLを添加して、液体シンチレーションカウンタ
ー(LS6500、Beckman、USA)にて放射
活性を測定した。なお、Na+非存在下におけるAMG
の取り込み量(Blank)を測定するときは、Na+
をコリン(以下choline)に置き換えた反応緩衝
液(140mmol/L choline chlori
de、2mmol/L KCl、1mmol/L CaC
l2、1mmol/L MgCl2・6H2O、10mmo
l/L HEPES、5mmol/L Tris、pH
7.3)を使用した。また、比較対照薬としてWAY−
123783[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミ
ストリー(J.Med.Chem.)、第39巻、第3
920頁(1996年)]を用いて試験を行った。
【0058】
【化17】
【0059】SGLT阻害活性は、培養ディシュあたり
のAMG取り込み量(nmol/dish)を指標にし
て測定し、阻害率は以下の式で算出した。またAMGの
取り込みを50%阻害する濃度(IC50)はProbi
t法(logistic model)で算出した。
【0060】
【数1】
【0061】SAM:薬物添加時におけるAMGの取り
込み量 CONT:薬物無添加(DMSOのみ添加)時における
AMGの取り込み量 BLANK:Na+非存在下におけるAMGの取り込み
量 結果を第2表に示す。
【0062】
【表3】
【0063】第2表により本発明化合物は比較対照とし
て用いたWAY−123783よりも SGLT阻害活
性が強いことが示された。 試験例2:GLUT1阻害活性 ヒト血液を遠心(300xg、10分、4℃)して赤血
球を沈降させ、血漿および白血球層を除去した。10倍
量の生理食塩液を加えて穏やかに混合し、再び遠心分離
し上清を除去した。この洗浄操作を3回行った後、ヘマ
トクリットが20%になるように生理食塩液で希釈し
た。
【0064】赤血球希釈液100μLを2mLチューブ
に分注し、氷水下数十分静置した。18.5kBq D
−[6−3H]グルコース(アマーシャム製、US
A)、3mmol/L D−グルコース(関東化学)お
よび薬物を溶解したDMSO0.2μL(最終濃度1n
moL/L〜10μmoL/L)を含むPBS100μ
Lを加え混合した。20秒間氷水中でインキュベーショ
ンした後、500μmol/Lフロレチン(シグマ、U
SA)と100μmol/LサイトカラシンB(シグ
マ、USA)を含む、氷冷したPBS900μLを加え
て反応を停止させた。分離剤としてフタル酸n−ジブチ
ル500μLを加え、遠心(10000xg、1分)し
て血球を沈降させ水層を吸引した。フタル酸n−ジブチ
ル層を乱さないように水1.5mLを加えてチューブの
壁を洗浄後、水層およびフタル酸n−ジブチル層を吸引
した。分離した血球に1v/v% TritonX−1
00(トリトン系界面活性剤、米山薬品工業)を100
μL添加してよく混合し全量をバイアルに移した。さら
に1v/v% TritonX−100 100μLでチ
ューブをすすぎ全量をバイアルに移した。Soluen
e−350(Packard、Netherland
s)とエタノールの混合液(混合比1:2)500μL
を添加して固形物(血球の膜)がなくなるまで混合し、
30%過酸化水素水500μLを加えて漂白した。酢酸
50mLを添加して中和し、ULTIMA GOLD 1
0mLを加えて液体シンチレーションカウンター(LS
6500、Beckman、USA)にて放射活性を測
定した。また、比較対照薬としてWAY−123783
を用いて試験を行った。
【0065】GLUT1活性は、アッセイチューブあた
りの赤血球におけるグルコース取り込み量(nmol/
tube)を指標にして測定した。阻害率は以下の式で
算出した。またグルコースの取り込みを50%阻害する
濃度(IC50)はProbit法(logistic
model)で算出した。
【0066】
【数2】
【0067】SAM:薬物添加時におけるグルコースの
取り込み量 CONT:薬物無添加(DMSOのみ添加)時における
グルコースの取り込み量 S.BLANK:反応停止液を加えた後、薬物を加えた
ときのグルコース取り込み量 C.BLANK:反応停止液を加えた後、溶媒を加えた
ときのグルコース取り込み量 結果を第3表に示す。
【0068】
【表4】
【0069】第3表により本発明化合物は、顕著なGL
UT1阻害作用がないことが示された。 試験例3:ラットの静脈投与における尿中グルコース排
泄試験 SLC SD雄性ラットをペントバルビタール・ナトリ
ウム(ネンブタール注射液、大日本製薬、大阪)(50
mg/kg,i.p.)で麻酔した後に開腹し、膀胱頂
部より膀胱内に採尿用のチューブ(PE−50、Nip
pon Becton Dickinson、東京)を
挿入した。尿の流量が安定したところで以下の手法で調
製した薬物溶液を0.1mL/100g体重の容量で大
腿静脈より投与し、投薬後2時間尿を採取した。尿中の
グルコース濃度は、片山化学工業(株)のAU500/
550専用グルコース測定用試薬を用いて測定した。ま
た、比較対照薬としてVehicle[下記薬物溶液の
調製法に記載の10w/v%ポリエチレングリコール#
400(PEG−400、関東化学、東京)のみ]を用
いて試験を行った。
【0070】薬物溶液の調製:薬物を10w/v%ポリ
エチレングリコール#400を含む生理食塩液に溶解し
て調製した。結果を第4表に示す。
【0071】
【表5】
【0072】第4表から明らかなように、本発明化合物
はラットの静脈投与において顕著な尿糖排泄促進作用を
示した。 試験例4:ラットの経口投与における尿中グルコース排
泄試験 SLC SD雄性ラットに以下の手法で調製した薬物懸
濁液を1.0mL/100g体重の容量で経口投与し、
代謝ケージに入れ、投薬後6時間尿を採取した。なお、
実験は自由飲水下で行い、尿中のグルコース濃度は、片
山化学工業(株)のAU500/550専用グルコース
測定用試薬を用いて測定した。また、比較対照薬として
Vehicle[下記薬物懸濁液の調製法に記載の0.
5%メチルセルロース400cP(methyl ce
llulose、和光純薬製)のみ]、WAY−123
783およびWO01/16147記載の化合物(B
a)を用いて試験を行った。
【0073】
【化18】
【0074】薬物懸濁液の調製:薬物を0.5%メチル
セルロース400cPに懸濁して調製した。結果を第5
表に示す。
【0075】
【表6】
【0076】第5表から明らかなように、本発明化合物
は比較対照として用いたWAY−123783および化
合物(Ba)よりも、ラットの経口投与において顕著な
尿糖排泄促進作用を示した。医薬の有効成分としては、
化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩、並び
にそれらの水和物およびそれらの溶媒和物からなる群か
ら選ばれる1種または2種以上の物質を用いることがで
きる。上記物質は単独で投与することも可能であるが、
通常は、有効成分である上記の物質と1種または2種以
上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供され
ることが望ましい。これらの医薬は、ヒトおよびそれ以
外の哺乳類動物に投与することができる。
【0077】医薬組成物の形態は特に限定されず、経口
投与または非経口投与用の製剤形態の中から治療や予防
の目的に最も適した適宜の形態のものを選択することが
可能である。経口投与に適した製剤形態としては、例え
ば、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等をあげることが
でき、非経口投与に適する製剤形態としては、例えば、
注射剤等をあげることができるが、これらに限定される
ことはない。
【0078】経口投与に適当な液体製剤、例えば、シロ
ップ剤等は、水、蔗糖、ソルビット、果糖等の糖類、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリ
コール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−
ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリ
ーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を用い
て製造することができる。また、錠剤、散剤、顆粒剤等
の固体製剤の製造には、例えば、乳糖、ブドウ糖、蔗
糖、マンニット等の賦形剤、でんぷん、アルギン酸ソー
ダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の
滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の界
面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いることができ
る。
【0079】非経口投与に適当な注射用製剤は、好まし
くは、受容者の血液と等張な滅菌水性媒体に有効成分で
ある上記の物質を溶解または懸濁状態で含んでいる。例
えば、注射剤の場合、塩溶液、ブドウ糖溶液、塩水とブ
ドウ糖溶液との混合物からなる水性媒体等を用いて溶液
を調製することができる。これらの非経口投与用製剤に
は、グリコール類、油類、フレーバー類、防腐剤、賦形
剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等か
ら選択される1種または2種以上の補助成分を添加する
こともできる。
【0080】化合物(I)の投与量および投与回数は、
疾患の種類や重篤度、投与形態、患者の年齢や体重等の
条件、合併症の有無等の種々の要因により適宜増減する
ことが望ましいが、一般的には、成人1日当り1〜10
00mg/kgを3〜4回に分けて投与することが好ま
しい。化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩
は、例えば、医薬の有効成分として有用であるが、化合
物(I)またはその薬理学的に許容される塩の用途はこ
の特定の用途に限定されることはない。
【0081】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 実施例1:4−[(4−メチルチオフェニル)メチル]
−3−(2,3,4,6−O−テトラアセチル−β−D
−グルコピラノシルオキシ)−5−トリフルオロメチル
−1H−ピラゾール(化合物1) ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.
Med.Chem.)、第39巻、3920頁(199
6年)に記載の方法で得られる1,2−ジヒドロ−4−
[(4−メチルチオフェニル)メチル]−5−トリフル
オロメチル−3H−ピラゾール−3−オン(4.00
g,13.9mmol)と2,3,4,6−O−テトラ
アセチル−β−D−グルコピラノシルブロミド(14.
78g,36.1mmol)のアセトニトリル(300
mL)溶液に炭酸カリウム(9.69g,70.1mm
ol)を加え室温下3日間攪拌した。反応液の容量が1
/2になるまでアセトニトリルを留去した後、飽和塩化
アンモニウム水溶液を加えクロロホルムにて抽出した。
有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して無水硫酸
ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:ア
セトン=10:1)で精製し標記化合物(4.95g,
58%)を得た。1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ:1.91 (s, 3H), 2.03 (s,
3H), 2.04 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 3.
73 (s, 2H), 3.83 (m, 1H), 4.19 (dd, 1H, J =12.4,
2.2 Hz), 4.27 (dd, 1H, J = 12.4, 4.3 Hz), 5.15-5.2
9 (m, 3H), 5.40(m, 1H), 7.08 (d, 2H, J = 8.4 Hz),
7.15 (d, 2H, J = 8.4 Hz) IR (neat, cm-1):1755, 1714, 1495, 1437, 1367, 122
8, 1134 TOF-MS:m/z 618 (M+)
【0082】実施例2:1−メトキシメチル−4−
[(4−メチルチオフェニル)メチル]−3−(2,
3,4,6−O−テトラアセチル−β−D−グルコピラ
ノシルオキシ)−5−トリフルオロメチルピラゾール
(化合物2a)と1−メトキシメチル−4−[(4−メ
チルチオフェニル)メチル]−5−(2,3,4,6−
O−テトラアセチル−β−D−グルコピラノシルオキ
シ)−3−トリフルオロメチルピラゾール(化合物2
b) 実施例1で得られた化合物1(4.84g,7.83m
mol)のジクロロメタン(50mL)溶液にクロロメ
チルメチルエーテル(1.20mL,15.8mmo
l)およびトリエチルアミン(2.20mL,15.8
mmol)を加え、室温下2時間攪拌した。反応溶液に
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムにて
抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:アセトン=10:1)で精製し、標記化合
物(2.82g,54%) を化合物2a、化合物2b
の混合物(混合比 化合物2a:化合物2b=65:3
5)として得た。 化合物2a:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ:1.89-2.17 (m, 12H), 2.
44 (s, 3H), 3.35 (s, 3H), 3.39-3.74 (m, 1H), 3.86
(brs, 2H), 3.86-4.26 (m, 2H), 4.87-5.68 (m,6H), 7.
02-7.20 (m, 4H) 化合物2b:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ 1.89-2.17 (m, 12H), 2.4
7 (s, 3H), 3.39 (s, 3H), 3.39-3.74 (m, 1H), 3.75
(brs, 2H), 3.86-4.26 (m, 2H), 4.87-5.68 (m, 6H),
7.02-7.20 (m, 4H) IR (neat, cm-1):1754, 1585, 1494, 1440, 1403, 131
7, 1269, 1168 TOF-MS:m/z 647 (M+ - CH3)
【0083】実施例3:3−(β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−1−メトキシメチル−4−[(4−メチル
チオフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチルピラ
ゾール(化合物3a)と5−(β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−1−メトキシメチル−4−[(4−メチル
チオフェニル)メチル]−3−トリフルオロメチルピラ
ゾール(化合物3b) 実施例2で得られた化合物2a、化合物2bの混合物
(2.03g,3.07mmol)のメタノール(50
mL)溶液に28%ナトリウムメトキシドのメタノール
溶液(2.68g,13.9mmol)を加え、室温下
1時間攪拌した。反応液の容量が1/2になるまでメタ
ノールを留去し、2mol/L HCl水溶液を加えて
液性を酸性にした後、クロロホルムにて抽出した。有機
層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール=20:1)で精製し、標記化合物(白色固体1.
13g,73%)を化合物3a、化合物3bの混合物
(混合比 化合物3a:化合物3b=65:35)とし
て得た。 化合物3a:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ:2.38 (s, 3H), 3.27 (s,
3H), 3.51-3.67 (m, 2H), 3.70-3.76 (m, 3H), 3.98-
4.92 (br, 3H), 5.22-5.41 (m, 3H), 7.00-7.12 (m, 4
H) 化合物3b:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ:2.39 (s, 3H), 3.40 (s,
3H), 3.51-3.67 (m, 2H), 3.70-3.76 (m, 1H), 3.86
(brs, 2H), 3.98-4.92 (br, 3H), 5.22-5.41 (m,3H),
7.00-7.12 (m, 4H) IR (neat, cm-1):1508, 1491, 1457, 1130, 1097, 106
6 TOF-MS:m/z 494 (M+)
【0084】実施例4:3−(6−O−メトキシカルボ
ニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−1−メトキ
シメチル−4−[(4−メチルチオフェニル)メチル]
−5−トリフルオロメチルピラゾール(化合物4a)と
5−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピ
ラノシルオキシ)−1−メトキシメチル−4−[(4−
メチルチオフェニル)メチル]−3−トリフルオロメチ
ルピラゾール(化合物4b) 実施例3で得られた化合物3a、化合物3bの混合物
(846mg,1.71mmol)の2,4,6−コリ
ジン(9mL)溶液に、クロロぎ酸メチル(0.20m
L,2.59mmol)のジクロロメタン(1.0m
L)溶液を加え、−40℃で1時間、さらに室温下、2
時間攪拌した。反応溶液に2mol/L HCl水溶液
を加えて液性を酸性にした後、クロロホルムにて抽出し
た。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール=20:1)で精製し標記化合物(75
0mg,79%)を、化合物4a、化合物4bの混合物
(混合比 化合物4a:化合物4b=65:35)とし
て得た。 化合物4a:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ:2.45 (s, 3H), 3.34 (s,
3H), 3.42-3.68 (m, 4H), 3.79 (s, 3H), 3.85 (brs,
2H), 4.18-4.62 (m, 2H), 5.23-5.64 (m, 3H), 7.01-7.
19 (m, 4H) 化合物4b:1 H-NMR (270 MHz, CDCl3) δ:2.45 (s, 3H), 3.41 (s,
3H), 3.42-3.68 (m, 4H), 3.78 (s, 3H), 3.93 (brs,
2H), 4.18-4.62 (m, 2H), 5.23-5.64 (m, 3H), 7.01-7.
19 (m, 4H) IR (KBr, cm-1):1490, 1441, 1392, 1302, 1275, 117
2, 1124 TOF-MS:m/z 551 (M+ - H)
【0085】実施例5:3−(6−O−メトキシカルボ
ニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−4−[(4
−メチルチオフェニル)メチル]−5−トリフルオロメ
チル−1H−ピラゾール(化合物5) 実施例4で得られた化合物4a、化合物4bの混合物
(750mg,1.36mmol)にトリフルオロ酢酸
(9mL)および水(1.0mL)を加え、室温下、2
日間攪拌した。反応液を氷水(50mL)に注ぎ、クロ
ロホルムにて抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水
溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を
減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し
標記化合物(310mg,45%)を得た。 融点:102.5〜103.5℃(メタノール−水)1 H-NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ:2.42 (s, 3H), 3.23-
3.52 (m, 5H), 3.67 (s,3H), 3.72 (brs, 2H), 4.16 (d
d, 1H, J = 11.2, 5.6 Hz), 4.34 (brd, 1H, J =11.5 H
z), 5.21 (br, 1H), 5.31 (brd, 1H, J = 5.0 Hz), 5.5
0 (br, 1H), 7.02-7.19 (m, 4H) IR (KBr, cm-1):1734, 1637, 1490, 1442, 1319, 127
4, 1136, 1066 TOF-MS:m/z 508 (M+)
【0086】実施例6:3−(β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−4−[(4−メチルスルフィニルフェニ
ル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾ
ール(化合物6) 参考例1で得られた化合物(Ba)(22mg,0.0
5mmol)のメタノール(1mL)溶液にMCPBA
(7mg,0.04mmol)を加え、室温下、4時間
攪拌した。反応溶液から、減圧下メタノールを留去した
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム:メタノール=20:1)で精製し、標記化合
物(5mg,20%)を得た。1 H-NMR (270 MHz, CD3OD) δ:2.76 (s, 3H), 3.29-3.3
6 (m, 3H), 3.68 (brd,1H, J = 11.6 Hz), 3.85 (brd,
1H, J = 11.6 Hz), 3.97 (brs, 2H), 4.58 (s,1H), 5.2
7 (m, 1H), 7.46 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.60 (d, 2H,
J = 8.4 Hz) TOF-MS:m/z 465 (M+-1)
【0087】実施例7:3−(β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−4−[(4−メチルスルホニルフェニル)
メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール
(化合物7) 参考例1で得られた化合物(Ba)(22mg,0.0
5mmol)のメタノール(2mL)溶液に、MCPB
A(28mg,0.16mmol)を加え、室温下、2
時間攪拌した。反応溶液から、減圧下メタノールを留去
した後、残渣に水とメタノールを加え、析出する結晶を
除去した。濾液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)
で精製し、標記化合物(6mg,26%)を得た。1 H-NMR (270 MHz, CD3OD) δ:3.08 (s, 3H), 3.29-3.4
0 (m, 2H), 3.58 (m, 1H), 3.66 (dd, 1H, J = 11.9,
3.8 Hz), 3.85 (d, 1H, J = 11.9 Hz), 4.00 (s,2H),
4.58 (s, 1H), 4.85 (m, 1H), 7.48 (d, 2H, J = 8.1 H
z), 7.82 (d, 2H,J = 8.1 Hz) TOF-MS:m/z 481 (M+-1)
【0088】参考例1:3−(β−D−グルコピラノシ
ルオキシ)−4−[(4−メチルチオフェニル)メチ
ル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール[化
合物(Ba)] 実施例1で得られた化合物1(908mg,1.48m
mol)のエタノール(15mL)溶液に、50%炭酸
カリウム水溶液(2mL)を加え、室温下、1時間攪拌
した。反応液の容量が1/2になるまで濃縮し、2mo
l/L HCl水溶液を加えて液性を酸性にした後、ク
ロロホルムにて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム
水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製
し標記化合物(45.7mg,7%)を白色固体として
得た。 融点:107.0〜108.5℃(クロロホルム−ジエ
チルエーテル)1 H-NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ:2.48 (s, 3H), 3.03-
3.30 (m, 6H), 3.46 (m,1H), 3.65 (m, 1H), 3.73 (br
s, 2H), 4.53 (br, 1H), 5.01 (br, 1H), 5.10 (br, 1
H), 7.09-7.16 (m, 4H), 13.3 (br, 1H) IR (KBr, cm-1):1497, 1460, 1331, 1257, 1126, 108
4, 1051 TOF-MS:m/z 449 (M+ - H) 元素分析:C18H21F3N2O6S・0.8H2Oとして 計算値(%):C,46.51;H,4.90;N,6.03 実測値(%):C,46.57;H,4.99;N,5.75
【0089】
【発明の効果】本発明により、血糖降下作用を有し糖尿
病予防および/または治療剤として有用なピラゾール誘
導体またはその薬理学的に許容される塩を提供すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 日下 英昭 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 竹下 健一 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 松本 佳子 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 阿部 真之 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 太田 義久 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 野本 裕二 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 Fターム(参考) 4C057 AA17 BB02 DD02 KK01 4C086 AA01 AA02 AA03 EA11 MA01 MA04 NA14 ZC35 ZC41

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の低級ア
    ルキル、または置換もしくは非置換の低級アルコキシを
    表し、R4は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは
    置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、R2は一
    般式(II) 【化2】 (式中、R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっ
    て水素原子または水酸基の保護基を表す)を表し、
    (i)R5、R6、R7およびR8のうち少なくとも1つが
    水酸基の保護基であるとき、ならびにR5、R6、R7お
    よびR8が水素原子であり、かつR1が置換低級アルキル
    または置換もしくは非置換の低級アルコキシであると
    き、R3は置換もしくは非置換のアリールまたは置換も
    しくは非置換の芳香族複素環基を表し、(ii)R5、
    R6、R7およびR8が水素原子であり、かつR 1が水素原
    子または低級アルキルであるとき、R3はパラ位置換も
    しくは非置換の低級アルキルスルフィニルアリール、パ
    ラ位置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルアリ
    ール、置換アリール(ただし、該置換アリールはパラ位
    のみに置換基を有することはない)または置換もしくは
    非置換の芳香族複素環基を表す]で表されるピラゾール
    誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化3】 [式中、R1は水素原子、置換もしくは非置換の低級ア
    ルキル、または置換もしくは非置換の低級アルコキシを
    表し、R4は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは
    置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、R2は一
    般式(II) 【化4】 (式中、R5、R6、R7およびR8は、同一または異なっ
    て水素原子または水酸基の保護基を表す)を表し、
    (i)R5、R6、R7およびR8のうち少なくとも1つが
    水酸基の保護基であるとき、ならびにR5、R6、R7お
    よびR8が水素原子であり、かつR1が置換低級アルキル
    または置換もしくは非置換の低級アルコキシであると
    き、R3は置換もしくは非置換のアリールまたは置換も
    しくは非置換の芳香族複素環基を表し、(ii)R5、
    R6、R7およびR8が水素原子であり、かつR 1が水素原
    子または低級アルキルであるとき、R3は置換もしくは
    非置換の低級アルキルスルフィニルアリール、置換もし
    くは非置換の低級アルキルスルホニルアリールまたは置
    換もしくは非置換の芳香族複素環基を表す]で表される
    ピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 一般式(II)が、一般式(IIa) 【化5】 (式中、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ前記と同義
    である)である請求項1または2記載のピラゾール誘導
    体またはその薬理学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 R5、R6、R7およびR8が、水素原子で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載のピラゾール誘導体
    またはその薬理学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】 水酸基の保護基が、(i)アシル基であ
    るか、または(ii)2つの保護基が一緒になって−CQ
    1Q2(CH2)n−(式中、nは0〜6の整数を表し、Q
    1およびQ2は同一または異なって水素原子、ハロゲン、
    置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置
    換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換のアリー
    ルを表す)、−PO(OH)−または−CO−を形成す
    る請求項1〜3のいずれかに記載のピラゾール誘導体ま
    たはその薬理学的に許容される塩。
  6. 【請求項6】 水酸基の保護基がアシル基である請求項
    1〜3のいずれかに記載のピラゾール誘導体またはその
    薬理学的に許容される塩。
  7. 【請求項7】 (i)R5がアシル基であり、R6、R7お
    よびR8が水素原子、(ii)R5およびR6が同一または
    異なってアシル基であり、R7およびR8が水素原子、
    (iii)R7がアシル基であり、R5、R6およびR8が水
    素原子、または(iv)R8がアシル基であり、R5、R6
    およびR7が水素原子である請求項1〜3のいずれかに
    記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許容され
    る塩。
  8. 【請求項8】 アシル基が、低級アルカノイル、低級ア
    ルコキシカルボニル、低級アルコキシ低級アルカノイル
    または低級アルコキシ低級アルコキシカルボニルである
    請求項5〜7のいずれかに記載のピラゾール誘導体また
    はその薬理学的に許容される塩。
  9. 【請求項9】 2つの保護基が一緒になって−CQ1Q2
    (CH2)n−(式中、n、Q1およびQ2はそれぞれ前記
    と同義である)、−PO(OH)−または−CO−を形
    成する請求項1〜3のいずれかに記載のピラゾール誘導
    体またはその薬理学的に許容される塩。
  10. 【請求項10】 R7およびR8が、一緒になって−CQ
    1Q2(CH2)n−(式中、Q1およびQ2はそれぞれ前記
    と同義である)、−PO(OH)−または−CO−を形
    成する請求項1〜3のいずれかに記載のピラゾール誘導
    体またはその薬理学的に許容される塩。
  11. 【請求項11】 Q1およびQ2が、同一または異なって
    水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは低
    級アルコキシである請求項5、9または10に記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩。
  12. 【請求項12】 R3が置換もしくは非置換のアリール
    である請求項1〜11のいずれかに記載のピラゾール誘
    導体またはその薬理学的に許容される塩。
  13. 【請求項13】 R3が置換もしくは非置換の低級アル
    キルスルフィニルアリールまたは置換もしくは非置換の
    低級アルキルスルホニルアリールである請求項1〜11
    のいずれかに記載のピラゾール誘導体またはその薬理学
    的に許容される塩。
  14. 【請求項14】 R1が水素原子であり、R4が置換もし
    くは非置換の低級アルキルである請求項1〜13のいず
    れかに記載のピラゾール誘導体またはその薬理学的に許
    容される塩。
  15. 【請求項15】 R4がトリフルオロメチルである請求
    項1〜14のいずれかに記載のピラゾール誘導体または
    その薬理学的に許容される塩。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有
    効成分として含有する医薬。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれかに記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有
    効成分として含有する糖尿病の治療剤。
  18. 【請求項18】 請求項1〜15のいずれかに記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有
    効成分として含有する糖尿病の予防剤。
  19. 【請求項19】 請求項1〜15のいずれかに記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有
    効成分として含有する糖尿病合併症の予防および/また
    は治療剤。
  20. 【請求項20】 請求項1〜15のいずれかに記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有
    効成分として含有する血糖降下剤。
  21. 【請求項21】 請求項1〜15のいずれかに記載のピ
    ラゾール誘導体またはその薬理学的に許容される塩を有
    効成分として含有するNa+−グルコース共輸送体[ナ
    トリウム−グルコース・コトランスポーター(SGL
    T)]阻害剤。
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