JP2003105335A - 蛍光体 - Google Patents
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- JP2003105335A JP2003105335A JP2001301650A JP2001301650A JP2003105335A JP 2003105335 A JP2003105335 A JP 2003105335A JP 2001301650 A JP2001301650 A JP 2001301650A JP 2001301650 A JP2001301650 A JP 2001301650A JP 2003105335 A JP2003105335 A JP 2003105335A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 各種励起下、特に紫外線励起において高輝度
な青色発光を呈する化学的に安定な新規な蛍光体を提供
する。 【解決手段】 斜方晶型の結晶構造を有する下記組成式
で表されるアルカリ金属アルミノ珪酸塩を2価のユーロ
ピウムで付活して蛍光体を形成する。 a(K1-x-2y,Mx,Euy)2O・bAl2O3・2Si
O2 (但し、Mはナトリウムあるいはルビジウムのいずれか
の元素、a、b、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.
2、0.005≦y≦0.1、0<x+2y<0.2、
0.8≦a≦1.2、0.8≦b≦1.2、の範囲の数
である。)
な青色発光を呈する化学的に安定な新規な蛍光体を提供
する。 【解決手段】 斜方晶型の結晶構造を有する下記組成式
で表されるアルカリ金属アルミノ珪酸塩を2価のユーロ
ピウムで付活して蛍光体を形成する。 a(K1-x-2y,Mx,Euy)2O・bAl2O3・2Si
O2 (但し、Mはナトリウムあるいはルビジウムのいずれか
の元素、a、b、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.
2、0.005≦y≦0.1、0<x+2y<0.2、
0.8≦a≦1.2、0.8≦b≦1.2、の範囲の数
である。)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線、真空紫外
線、電子線、X線、特に紫外線励起により、高輝度の青
色発光を呈するユーロピウム付活酸化物蛍光体とその製
造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、蛍光体は蛍光ランプ、CRT、P
DP等のディスプレイ、放射線増感紙、屋内外装飾用に
幅広く実用化されている。これらの蛍光体は励起源であ
る紫外線、真空紫外線、電子線、X線により、近紫外光
から可視光の発光を呈するものである。これらの蛍光体
の構成は金属の酸化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化
物等の母材結晶中にEu、Mn等の発光イオンを少量添
加したものである。一般に蛍光体には発光色、発光強度
に加え、励起波長との適合性、安定性等の種々の特性が
求められるが、本発明が対象とする青色発光蛍光体の中
で、それらを全て満足するものは得られていない。特に
現在、蛍光灯やPDP用青色蛍光体として使用されてい
るバリウムマグネシウムアルミネート(BaMgAl10
O17:Eu)はベーク劣化、経時劣化等の問題点があ
り、改善が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は各種励起下、
特に紫外線励起において高輝度な青色発光を呈する化学
的に安定な新規な蛍光体を提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、カリウムまたは
カリウムとナトリウムまたはルビジウム、アルミニウ
ム、シリコンからなり、斜方晶型の構造を有する酸化物
に2価のユーロピウムを付活した化合物が青色発光を呈
することを見出し、本発明を完成させた。 【0005】以下、本発明を詳細に説明する。 【0006】本発明の蛍光体は斜方晶型の構造を有する
KAlSiO4からなることが必須である。なお、斜方
晶型の構造を有するKAlSiO4はK席の一部をNa
あるいはRbが置換固溶することが知られている。 【0007】すなわち、本発明の蛍光体は、2価のユー
ロピウムで付活された斜方晶型の結晶構造を有するアル
カリ金属アルミノ珪酸塩であって、下記組成式で表され
ることを特徴とする蛍光体である。 a(K1-x-2y,Mx,Euy)2O・bAl2O3・2Si
O2 (但し、Mはナトリウムあるいはルビジウムのいずれか
の元素、a、b、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.
2、0.005≦y≦0.1、0<x+2y<0.2、
0.8≦a≦1.2、0.8≦b≦1.2、の範囲の数
である。) 本発明の蛍光体中のNaあるいはRbの含有量は0≦x
<0.2が好ましい。この範囲内では、主に斜方晶型の
結晶構造を有する(K1- m、Mm)AlSiO4が生成
し、紫外線、電子線、X線等による励起で400から4
60nmにピークを有する青色発光を呈する。 【0008】xが0.2以上では斜方晶型の結晶構造を
有する(K1- m、Mm)AlSiO4がほとんど生成せ
ず、青色の発光が見られなくなるため、好ましくない。 【0009】この蛍光体中の好ましいEu量は0.00
5≦y≦0.1であり、かつ0<x+2y<0.2の範
囲内である。 【0010】Eu量yが0.005未満であるとEu量
不足により十分な発光が得られないため好ましくない。
また、yが0.1を超えると濃度消光のため、発光効率
が低下し、好ましくない。 【0011】また、NaまたはRb量とEu量の和であ
る、x+2yが0.2以上では斜方晶型の結晶構造を有
する(K1- m、Mm)AlSiO4が得られなくなるため
好ましくない。 【0012】この蛍光体中のアルカリ金属量は0.8≦
a≦1.2、また、Al量は0.8≦b≦1.2の範囲
内である。この範囲内では、斜方晶型の結晶構造を有す
る(K1- m、Mm)AlSiO4が主に生成し、発光効率
の高い青色蛍光体が得られる。 【0013】アルカリ金属量aが0.8未満、また、A
l量bが0.8未満では副生成物の生成量が増加し、発
光効率が低下するため、好ましくない。 【0014】また、アルカリ金属量aが1.2を越えて
も、また、Al量bが1.2を越えても副生成物の生成
量が増加し、発光効率が低下するため、好ましくない。 【0015】さらに好ましくは、アルカリ金属量は0.
9≦a≦1.1、Al量は0.9≦b≦1.1である。
この範囲内では斜方晶型の結晶構造を有する(K1- m、
Mm)AlSiO4がほぼ単相で生成し、発光効率の高い
青色蛍光体が得られる。 【0016】次に本発明の蛍光体の製造方法の一例を示
す。 【0017】本発明の蛍光体の原料は酸化物、炭酸塩、
硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、水酸化物など焼成処理
中に容易に酸化物になるものを使用することができる。 【0018】カリウム原料としては、例えば、炭酸カリ
ウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、カリウムのアルコ
キシドを使用することができる。 【0019】ナトリウム原料としては、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、ナト
リウムのアルコキシドを使用することができる。 【0020】ルビジウム原料としては、例えば、炭酸ル
ビジウム、硝酸ルビジウム、ルビジウムのアルコキシド
を使用することができる。 【0021】アルミニウム原料としては、例えば、α―
アルミナ、β―アルミナ、γ―アルミナ、水酸化アルミ
ニウム、硝酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、アル
ミニウムのアルコキシドを使用することができる。 【0022】シリコン原料としては、例えば、石英、ク
リストバライト等の二酸化珪素、シリコンのアルコキシ
ドを使用することができる。 【0023】ユーロピウム原料としては、例えば、酸化
ユーロピウム、塩化ユーロピウム、フッ化ユーロピウム
を使用することができる。 【0024】これらの原料を所定量秤量し、混合する。
混合方法は湿式混合、乾式混合のどちらでもよい。 【0025】また、ゾルゲル法、共沈法などの化学反応
を利用して原料を調製することもできる。 【0026】なお、結晶成長を促進させ、発光輝度を向
上させるために、蛍光体原料に対して0.1から10重
量%のアルカリ金属のハロゲン化物、硼素化合物等の比
較的低融点化合物を融剤として添加、混合しても良い。 【0027】この原料混合物を乾燥後、アルミナるつぼ
等の耐熱容器に入れて、不活性ガス中または、水素ガス
などの還元雰囲気中、1100〜1600℃で1乃至5
0時間焼成する。特に、体積比で1乃至5%の水素を含
有する不活性ガスを用いると、付活剤であるEuが2価
の状態に良好に保持され、発光強度の強い蛍光体が得ら
れるため好ましい。得られた焼成物を粉砕し、再焼成を
繰り返すことも、均質な蛍光体粉末を得るために有効で
ある。その場合は、最終の焼成において、還元雰囲気で
あればよい。 【0028】本発明の組成範囲では、約840℃以下で
は、六方晶系のKAlSiO4(カルシライト)が安定
であることが知られているが、高温で一度生成した斜方
晶系のKAlSiO4は低温相への相転移が起こりにく
いため、室温でも存在する。このため、焼成温度につい
ては上記範囲内を選択すれば特に問題を生じることはな
い。 【0029】次に、この焼成物を目的の純度、粒度に調
整するために必要に応じ、粉砕、水洗、乾燥、篩い分け
を行い、本発明の蛍光体を得ることができる。 【0030】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。 (1)結晶構造 粉末の結晶構造は粉末X線回折装置(マック・サイエン
ス社製MPX3)により同定した。X線源としてはCu
−Kα線を使用した。 (2)蛍光評価 蛍光評価は日本分光社製蛍光分光評価装置により測定し
た。励起波長を254nmとし、300から780nm
までの発光スペクトルを測定した。また、励起波長が2
00から400nmでの励起スペクトルを測定した。 (3)真空紫外線蛍光評価 光源として、146nmのエキシマランプ(ウシオ電機
製)を使用し、真空チャンバー内にサンプルをセット
し、真空度0.1torrにて、発光スペクトルを測定
した。 【0031】(実施例1) K2CO3 4.41g Al2O3 3.21g SiO2 3.80g Eu2O3 0.11g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、5v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で14
00℃で6時間焼成した。 【0032】この焼成物を粉砕し、組成がK0.98Eu
0.01AlSiO4の蛍光体を得た。得られた蛍光体の粉
末X線回折結果を図1に示す(図1中、下段の1と付さ
れたパターン)。得られた蛍光体は斜方晶型の構造を有
することが確認された。 【0033】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、1と付された曲線)。40
0および446nmにピークを有する青色の発光を示し
た。 【0034】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトルを図3に示す。220から400nmまでの幅広
い波長域の紫外線により効率的に励起がなされている。 【0035】(実施例2) K2CO3 3.89g NaHCO3 0.53g Al2O3 3.23g SiO2 3.82g Eu2O3 0.22g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、5v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で13
00℃で6時間焼成した。 【0036】この焼成物を粉砕し、組成がK0.86Na
0.1Eu0.02AlSiO4の蛍光体を得た。 【0037】得られた蛍光体の粉末X線回折結果を図1
に示す(図1中、上段の2と付されたパターン)。得ら
れた蛍光体は斜方晶型の構造を有することが確認され
た。 【0038】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、2と付された曲線)。45
2nmにピークを有する青色の発光を示した。 【0039】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトル測定で、220から400nmまでの幅広い波長
域の紫外線により効率的に励起がなされていた。 【0040】(実施例3) K2CO3 3.43g Rb2CO3 0.69g Al2O3 2.76g SiO2 3.62g Eu2O3 0.53g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、2v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で15
00℃で6時間焼成した。 【0041】この焼成物を粉砕し、組成がK0.8Rb0.1
Eu0.05Al0.9SiO3.85の蛍光体を得た。 【0042】粉末X線回折結果から、得られた蛍光体は
斜方晶型の構造を有することが確認された。 【0043】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、3と付された曲線)。44
9nmに発光ピークを有する青色の発光を示した。 【0044】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトル測定で、220から400nmまでの幅広い波長
域の紫外線により効率的に励起がなされていた。 【0045】(実施例4) K2CO3 4.41g Al2O3 3.53g SiO2 4.18g Eu2O3 0.11g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、2v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で15
00℃で2時間焼成した。 【0046】この焼成物を粉砕し、組成がK0.98Eu
0.01Al1.1Si1.1O4.35の蛍光体を得た。 【0047】粉末X線回折結果から、得られた蛍光体は
斜方晶型の構造を有することが確認された。 【0048】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、4と付された曲線)。40
0nmと446nmに発光ピークを有する青色の発光を
示した。 【0049】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトル測定で、220から400nmまでの幅広い波長
域の紫外線により効率的に励起がなされていた。 【0050】(実施例5) 真空紫外線評価 実施例1〜4の蛍光体を146nmの真空紫外線にて発
光評価を行った。すべての蛍光体で254nmの紫外線
と同様な青色の発光スペクトルを示すことを確認した。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、上記組成を有する新規
な青色発光酸化物蛍光体を提供できる。
線、電子線、X線、特に紫外線励起により、高輝度の青
色発光を呈するユーロピウム付活酸化物蛍光体とその製
造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、蛍光体は蛍光ランプ、CRT、P
DP等のディスプレイ、放射線増感紙、屋内外装飾用に
幅広く実用化されている。これらの蛍光体は励起源であ
る紫外線、真空紫外線、電子線、X線により、近紫外光
から可視光の発光を呈するものである。これらの蛍光体
の構成は金属の酸化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化
物等の母材結晶中にEu、Mn等の発光イオンを少量添
加したものである。一般に蛍光体には発光色、発光強度
に加え、励起波長との適合性、安定性等の種々の特性が
求められるが、本発明が対象とする青色発光蛍光体の中
で、それらを全て満足するものは得られていない。特に
現在、蛍光灯やPDP用青色蛍光体として使用されてい
るバリウムマグネシウムアルミネート(BaMgAl10
O17:Eu)はベーク劣化、経時劣化等の問題点があ
り、改善が求められている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は各種励起下、
特に紫外線励起において高輝度な青色発光を呈する化学
的に安定な新規な蛍光体を提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、カリウムまたは
カリウムとナトリウムまたはルビジウム、アルミニウ
ム、シリコンからなり、斜方晶型の構造を有する酸化物
に2価のユーロピウムを付活した化合物が青色発光を呈
することを見出し、本発明を完成させた。 【0005】以下、本発明を詳細に説明する。 【0006】本発明の蛍光体は斜方晶型の構造を有する
KAlSiO4からなることが必須である。なお、斜方
晶型の構造を有するKAlSiO4はK席の一部をNa
あるいはRbが置換固溶することが知られている。 【0007】すなわち、本発明の蛍光体は、2価のユー
ロピウムで付活された斜方晶型の結晶構造を有するアル
カリ金属アルミノ珪酸塩であって、下記組成式で表され
ることを特徴とする蛍光体である。 a(K1-x-2y,Mx,Euy)2O・bAl2O3・2Si
O2 (但し、Mはナトリウムあるいはルビジウムのいずれか
の元素、a、b、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.
2、0.005≦y≦0.1、0<x+2y<0.2、
0.8≦a≦1.2、0.8≦b≦1.2、の範囲の数
である。) 本発明の蛍光体中のNaあるいはRbの含有量は0≦x
<0.2が好ましい。この範囲内では、主に斜方晶型の
結晶構造を有する(K1- m、Mm)AlSiO4が生成
し、紫外線、電子線、X線等による励起で400から4
60nmにピークを有する青色発光を呈する。 【0008】xが0.2以上では斜方晶型の結晶構造を
有する(K1- m、Mm)AlSiO4がほとんど生成せ
ず、青色の発光が見られなくなるため、好ましくない。 【0009】この蛍光体中の好ましいEu量は0.00
5≦y≦0.1であり、かつ0<x+2y<0.2の範
囲内である。 【0010】Eu量yが0.005未満であるとEu量
不足により十分な発光が得られないため好ましくない。
また、yが0.1を超えると濃度消光のため、発光効率
が低下し、好ましくない。 【0011】また、NaまたはRb量とEu量の和であ
る、x+2yが0.2以上では斜方晶型の結晶構造を有
する(K1- m、Mm)AlSiO4が得られなくなるため
好ましくない。 【0012】この蛍光体中のアルカリ金属量は0.8≦
a≦1.2、また、Al量は0.8≦b≦1.2の範囲
内である。この範囲内では、斜方晶型の結晶構造を有す
る(K1- m、Mm)AlSiO4が主に生成し、発光効率
の高い青色蛍光体が得られる。 【0013】アルカリ金属量aが0.8未満、また、A
l量bが0.8未満では副生成物の生成量が増加し、発
光効率が低下するため、好ましくない。 【0014】また、アルカリ金属量aが1.2を越えて
も、また、Al量bが1.2を越えても副生成物の生成
量が増加し、発光効率が低下するため、好ましくない。 【0015】さらに好ましくは、アルカリ金属量は0.
9≦a≦1.1、Al量は0.9≦b≦1.1である。
この範囲内では斜方晶型の結晶構造を有する(K1- m、
Mm)AlSiO4がほぼ単相で生成し、発光効率の高い
青色蛍光体が得られる。 【0016】次に本発明の蛍光体の製造方法の一例を示
す。 【0017】本発明の蛍光体の原料は酸化物、炭酸塩、
硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、水酸化物など焼成処理
中に容易に酸化物になるものを使用することができる。 【0018】カリウム原料としては、例えば、炭酸カリ
ウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、カリウムのアルコ
キシドを使用することができる。 【0019】ナトリウム原料としては、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、ナト
リウムのアルコキシドを使用することができる。 【0020】ルビジウム原料としては、例えば、炭酸ル
ビジウム、硝酸ルビジウム、ルビジウムのアルコキシド
を使用することができる。 【0021】アルミニウム原料としては、例えば、α―
アルミナ、β―アルミナ、γ―アルミナ、水酸化アルミ
ニウム、硝酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、アル
ミニウムのアルコキシドを使用することができる。 【0022】シリコン原料としては、例えば、石英、ク
リストバライト等の二酸化珪素、シリコンのアルコキシ
ドを使用することができる。 【0023】ユーロピウム原料としては、例えば、酸化
ユーロピウム、塩化ユーロピウム、フッ化ユーロピウム
を使用することができる。 【0024】これらの原料を所定量秤量し、混合する。
混合方法は湿式混合、乾式混合のどちらでもよい。 【0025】また、ゾルゲル法、共沈法などの化学反応
を利用して原料を調製することもできる。 【0026】なお、結晶成長を促進させ、発光輝度を向
上させるために、蛍光体原料に対して0.1から10重
量%のアルカリ金属のハロゲン化物、硼素化合物等の比
較的低融点化合物を融剤として添加、混合しても良い。 【0027】この原料混合物を乾燥後、アルミナるつぼ
等の耐熱容器に入れて、不活性ガス中または、水素ガス
などの還元雰囲気中、1100〜1600℃で1乃至5
0時間焼成する。特に、体積比で1乃至5%の水素を含
有する不活性ガスを用いると、付活剤であるEuが2価
の状態に良好に保持され、発光強度の強い蛍光体が得ら
れるため好ましい。得られた焼成物を粉砕し、再焼成を
繰り返すことも、均質な蛍光体粉末を得るために有効で
ある。その場合は、最終の焼成において、還元雰囲気で
あればよい。 【0028】本発明の組成範囲では、約840℃以下で
は、六方晶系のKAlSiO4(カルシライト)が安定
であることが知られているが、高温で一度生成した斜方
晶系のKAlSiO4は低温相への相転移が起こりにく
いため、室温でも存在する。このため、焼成温度につい
ては上記範囲内を選択すれば特に問題を生じることはな
い。 【0029】次に、この焼成物を目的の純度、粒度に調
整するために必要に応じ、粉砕、水洗、乾燥、篩い分け
を行い、本発明の蛍光体を得ることができる。 【0030】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。 (1)結晶構造 粉末の結晶構造は粉末X線回折装置(マック・サイエン
ス社製MPX3)により同定した。X線源としてはCu
−Kα線を使用した。 (2)蛍光評価 蛍光評価は日本分光社製蛍光分光評価装置により測定し
た。励起波長を254nmとし、300から780nm
までの発光スペクトルを測定した。また、励起波長が2
00から400nmでの励起スペクトルを測定した。 (3)真空紫外線蛍光評価 光源として、146nmのエキシマランプ(ウシオ電機
製)を使用し、真空チャンバー内にサンプルをセット
し、真空度0.1torrにて、発光スペクトルを測定
した。 【0031】(実施例1) K2CO3 4.41g Al2O3 3.21g SiO2 3.80g Eu2O3 0.11g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、5v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で14
00℃で6時間焼成した。 【0032】この焼成物を粉砕し、組成がK0.98Eu
0.01AlSiO4の蛍光体を得た。得られた蛍光体の粉
末X線回折結果を図1に示す(図1中、下段の1と付さ
れたパターン)。得られた蛍光体は斜方晶型の構造を有
することが確認された。 【0033】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、1と付された曲線)。40
0および446nmにピークを有する青色の発光を示し
た。 【0034】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトルを図3に示す。220から400nmまでの幅広
い波長域の紫外線により効率的に励起がなされている。 【0035】(実施例2) K2CO3 3.89g NaHCO3 0.53g Al2O3 3.23g SiO2 3.82g Eu2O3 0.22g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、5v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で13
00℃で6時間焼成した。 【0036】この焼成物を粉砕し、組成がK0.86Na
0.1Eu0.02AlSiO4の蛍光体を得た。 【0037】得られた蛍光体の粉末X線回折結果を図1
に示す(図1中、上段の2と付されたパターン)。得ら
れた蛍光体は斜方晶型の構造を有することが確認され
た。 【0038】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、2と付された曲線)。45
2nmにピークを有する青色の発光を示した。 【0039】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトル測定で、220から400nmまでの幅広い波長
域の紫外線により効率的に励起がなされていた。 【0040】(実施例3) K2CO3 3.43g Rb2CO3 0.69g Al2O3 2.76g SiO2 3.62g Eu2O3 0.53g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、2v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で15
00℃で6時間焼成した。 【0041】この焼成物を粉砕し、組成がK0.8Rb0.1
Eu0.05Al0.9SiO3.85の蛍光体を得た。 【0042】粉末X線回折結果から、得られた蛍光体は
斜方晶型の構造を有することが確認された。 【0043】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、3と付された曲線)。44
9nmに発光ピークを有する青色の発光を示した。 【0044】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトル測定で、220から400nmまでの幅広い波長
域の紫外線により効率的に励起がなされていた。 【0045】(実施例4) K2CO3 4.41g Al2O3 3.53g SiO2 4.18g Eu2O3 0.11g 蛍光体原料として上記各原料を秤量し、混合した。この
混合物をアルミナ製容器に入れ、電気炉に導入し、2v
ol%の水素ガスを含有した窒素ガスの雰囲気中で15
00℃で2時間焼成した。 【0046】この焼成物を粉砕し、組成がK0.98Eu
0.01Al1.1Si1.1O4.35の蛍光体を得た。 【0047】粉末X線回折結果から、得られた蛍光体は
斜方晶型の構造を有することが確認された。 【0048】254nmの紫外線励起による発光スペク
トルを図2に示す(図2中、4と付された曲線)。40
0nmと446nmに発光ピークを有する青色の発光を
示した。 【0049】また、発光波長が450nmでの励起スペ
クトル測定で、220から400nmまでの幅広い波長
域の紫外線により効率的に励起がなされていた。 【0050】(実施例5) 真空紫外線評価 実施例1〜4の蛍光体を146nmの真空紫外線にて発
光評価を行った。すべての蛍光体で254nmの紫外線
と同様な青色の発光スペクトルを示すことを確認した。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、上記組成を有する新規
な青色発光酸化物蛍光体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、実施例2で得られた蛍光体粉末のX
線回折を示す図である。 【図2】実施例1から4で得られた蛍光体粉末の波長=
254nmの紫外線励起による発光スペクトルを示す図
である。 【図3】実施例1で得られた蛍光体粉末の450nm発
光の励起スペクトルを示す図である。
線回折を示す図である。 【図2】実施例1から4で得られた蛍光体粉末の波長=
254nmの紫外線励起による発光スペクトルを示す図
である。 【図3】実施例1で得られた蛍光体粉末の450nm発
光の励起スペクトルを示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 2価のユーロピウムで付活された斜方晶
型の結晶構造を有するアルカリ金属アルミノ珪酸塩であ
って、下記組成式で表されることを特徴とする蛍光体。 a(K1-x-2y,Mx,Euy)2O・bAl2O3・2Si
O2 (但し、Mはナトリウムあるいはルビジウムのいずれか
の元素、a、b、x及びyはそれぞれ、0≦x<0.
2、0.005≦y≦0.1、0<x+2y<0.2、
0.8≦a≦1.2、0.8≦b≦1.2、の範囲の数
である。)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001301650A JP2003105335A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 蛍光体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001301650A JP2003105335A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 蛍光体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003105335A true JP2003105335A (ja) | 2003-04-09 |
Family
ID=19122028
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001301650A Pending JP2003105335A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 蛍光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003105335A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015040713A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | キヤノン株式会社 | シンチレータ結晶体及び放射線検出器 |
-
2001
- 2001-09-28 JP JP2001301650A patent/JP2003105335A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015040713A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | キヤノン株式会社 | シンチレータ結晶体及び放射線検出器 |
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