JP2003124111A - 軟x線露光装置 - Google Patents

軟x線露光装置

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JP2003124111A JP2002228809A JP2002228809A JP2003124111A JP 2003124111 A JP2003124111 A JP 2003124111A JP 2002228809 A JP2002228809 A JP 2002228809A JP 2002228809 A JP2002228809 A JP 2002228809A JP 2003124111 A JP2003124111 A JP 2003124111A
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ray
multilayer
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Masayuki Shiraishi
雅之 白石
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電子の衝突を避け、さらに、放電を防ぐこ
とのできる多層膜反射鏡を備えた軟X線露光装置を提供
する。 【解決手段】 多層膜反射鏡50は、絶縁性の石英ガラ
ス基板51の反射面に、Mo/Siからなる導電性の多
層膜53が成膜されている。同反射鏡50の側面は保持
部材55によって鏡筒57の内壁に保持されている。多
層膜53の一部には導線59が電気的に接続している。
導線59は、鏡筒57の外部に延びて、電源61の負極
と接続している。鏡筒57は電源61の正極に電気的に
接続して接地されている。軟X線63の照射によって発
生した光電子65は、相対的に正の電位が存在する鏡筒
57方向に移動し、対向する多層膜への衝突を防ぐこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス等
の製造に用いられる軟X線露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の微細化に伴い、
光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上
させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長
(11〜14nm)のX線を使用した投影リソグラフィ
技術が開発されている(例えば、D.Ticheno
r,et al.,SPIE2437(1995)292
参照)。この技術は、最近ではEUV(Extreme
UltraViolet)リソグラフィと呼ばれてお
り、従来の波長190nmの光線を用いた光リソグラフ
ィでは実現不可能な、70nm以下の解像力を得られる
技術として期待されている。
【0003】X線の波長領域での物質の複素屈折率n
は、n=1−δ−ik(δ、kは実数、nは複素数)で
表される。この屈折率の虚部kはX線の吸収を表す。
δ、kは1に比べて非常に小さいため、この領域での屈
折率は1に非常に近い。したがって従来のレンズ等の光
学素子を使用できず、反射を利用した光学系が使用され
る。反射面に斜め方向から入射したX線を全反射を利用
して反射させる斜入射光学系の場合、全反射臨界角θc
(波長10nmで20°程度以下)よりも小さい(垂直
に近い)入射角度では、反射率が非常に小さい。なお、
ここで入射角度とは、反射面の法線と入射光がなす角度
を示す。
【0004】そこで、界面の振幅反射率がなるべく高い
物質を積層させることで反射面を多数(一例で数十〜数
百層)設けて、それぞれの反射波の位相が合うように光
干渉理論に基づいて各層の厚さを調整した多層膜反射鏡
が使用される。多層膜反射鏡は、使用されるX線波長域
における屈折率と、真空の屈折率(=1)の差が大きい
物質と、その差が小さい物質とを、ガラス等の基板上に
交互に積層して形成される。多層膜の材料としては、タ
ングステン/炭素、モリブデン/炭素等の組み合わせを
用いたものが知られており、スパッタリングや真空蒸
着、CVD等の薄膜形成技術により成膜されている。な
お、多層膜反射鏡は、垂直に入射したX線を反射するこ
とも可能であるため、全反射を用いた斜入射光学系より
も収差の少ない光学系を構成することができる。
【0005】多層膜としてモリブデン(Mo)/シリコ
ン(Si)を用いた場合、波長12.6nmのシリコン
のL吸収端の長波長側で高い反射率を示すことが知られ
ている。このため、波長13nm付近で、垂直入射(入
射角度が0°)で60%以上の高い反射率を有する多層
膜反射鏡を比較的容易に作製することができる。このよ
うなMo/Si多層膜を用いた反射鏡は、EUVL(E
xtreme Ultraviolet Lithog
raphy)と呼ばれる、軟X線を用いた縮小投影リソ
グラフィ技術へも応用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図7は、従来の多層膜
反射鏡の構造を示す側面断面図である。この多層膜反射
鏡150は、ガラス等の基板151上の反射面に多層膜
153が成膜されたものである。同反射鏡150の側面
は保持部材155によって鏡筒157の内壁に保持され
ている。このような構造により、基板151がガラス等
の絶縁体の場合、同基板上に成膜された多層膜153は
鏡筒157と電気的に絶縁している。多層膜153は、
使用される材料によって絶縁性又は導電性を有する。例
えば、Mo/Si多層膜の場合は導電性で、ケイ化モリ
ブデン(MoSi2)/シリコンカーバイド(SiC)
多層膜の場合は絶縁性である。
【0007】一般に、光が物質に照射されると、この物
質から電子(光電子)が放出される(光電効果)。光電
子が放出されるには、照射される光のエネルギーが、照
射された物質の仕事関数より大きいことが必要であり、
放出される光電子のエネルギーは、光のエネルギーと物
質の仕事関数の差に等しい。上述の軟X線露光装置に用
いられる波長が13nm付近の軟X線のエネルギーは約
100eV(電子ボルト)と、光電子を放出させるのに
十分な大きさであり、物質(多層膜)の仕事関数は数e
Vである。したがって、多層膜から放出される光電子の
エネルギーは約100eV程度となる。
【0008】ところで、多層膜反射鏡から放出された光
電子の進行方向に、この反射鏡と対向する別の多層膜反
射鏡が存在する場合、その反射面に光電子が衝突して、
表面や界面の粗さの増大等の損傷を与えることがある。
そして、このような損傷は多層膜の軟X線の反射率の低
下を招くおそれがある。
【0009】また、多層膜から負電荷をもつ光電子が放
出されることによって、多層膜自体は正に帯電する。し
かし、上述のように多層膜は電気的に絶縁状態に保持さ
れているため、軟X線の照射とともに多層膜の帯電電位
は蓄積されていき、最終的には放電するおそれがある。
鏡筒内で放電が起こると、鏡筒の内外に配置されたセン
サ等に破壊等の影響を与える場合がある。
【0010】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、光電子の衝突を避け、さらに、放電を防ぐこと
のできる多層膜反射鏡を備えた軟X線露光装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の多層膜反射鏡は、 X線を発生させるX線
光源と、このX線光源からのX線をマスクに導く照明光
学系と、前記マスクからのX線を感光性基板に導く投影
光学系とを有し、前記マスクのパターンを感光性基板へ
転写する軟X線露光装置において、 基板上に多層膜が
形成され、この多層膜によって軟X線を反射させる多層
膜反射鏡を複数枚有し、 前記多層膜反射鏡のうち少な
くとも1枚以上には、多層膜に電圧を印加して該多層膜
の電位を制御する手段を具備することを特徴とする。こ
の際、 前記手段は、多層膜に負電圧又はゼロボルト電
圧を印加して電位を制御するものであることが好まし
い。
【0012】本発明の他の態様の軟X線露光装置は、
X線を発生させるX線光源と、このX線光源からのX線
をマスクに導く照明光学系と、前記マスクからのX線を
感光性基板に導く投影光学系とを有し、前記マスクのパ
ターンを感光性基板へ転写する軟X線露光装置におい
て、 基板上に多層膜が形成され、この多層膜によって
軟X線を反射させる多層膜反射鏡を複数枚有し、 前記
多層膜反射鏡のうち少なくとも1枚以上には、多層膜の
上又は下に電極層が形成され、この電極層に電圧を印加
して該電極層の電位を制御する手段を具備することを特
徴とする。この際、 前記手段は、電極層に負電圧又は
ゼロボルト電圧を印加して電位を制御するものであるこ
とが好ましい。
【0013】軟X線の多層膜反射鏡への照射によって発
生した光電子が、この反射鏡と対向する多層膜反射鏡に
衝突することを防ぐには、光電子の進行方向を、例えば
鏡筒方向にそらせばよい。光電子は負電荷をもっている
ため、相対的に正の電位が存在する方向に移動する。し
たがって、光電子の進行方向を鏡筒の方へ向けるには、
鏡筒内の電界の方向を、鏡筒から多層膜への方向とすれ
ばよい。すなわち、多層膜に負電圧を印加して同膜の電
位を負電圧とすれば、相対的に鏡筒の電位は正となり、
負電荷を持つ光電子は鏡筒の方向に移動する。これより
対向する多層膜への光電子の衝突を防ぐことができる。
【0014】また、軟X線の照射によって多層膜から光
電子が放出されると、上述のように多層膜は正に帯電す
る。多層膜にゼロボルトを印加することは、多層膜を接
地することと電気的に等価である。したがって、多層膜
にゼロボルトを印加することによって、帯電した多層膜
の正電荷はアースへ逃げ、多層膜は帯電しない。多層膜
を接地する方法は、多層膜を導線を介して接地する方法
や、通常金属製の露光チャンバと多層膜を導線等で電気
的に接続する方法がある。他には、反射鏡保持部材や鏡
筒を金属製として、これらの露光チャンバと電気的に接
続し、多層膜とこれらの保持部材や鏡筒を電気的に接続
すればよい。
【0015】本発明においては、多層膜が導電性である
場合は、多層膜に直接電圧を印加したり、多層膜を接地
すればよい。また、多層膜が絶縁性である場合、多層膜
の上又は下に電極層を形成してこの電極層に電圧を印加
したり、電極層を接地することにより、電極層の電位を
制御することができる。
【0016】本発明においては、前記手段は、軟X線の
照射時に多層膜又は電極層に正電圧を印加し、軟X線の
非照射時には多層膜又は電極層にゼロボルト電圧を印加
して電位を制御するものであることとしてもよい。軟X
線の照射時に多層膜又は電極層を正に帯電させて、負電
荷である光電子を多層膜又は電極層に引き付けておく。
そして、非照射時には多層膜又は電極層をゼロ電位にし
て多層膜の帯電を防ぐ。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係る多層膜反射鏡の
構造を示す側面断面図である。図2は、図1の多層膜反
射鏡を搭載したX線露光装置の全体構成を示す図であ
る。まず、X線露光装置の概要を図2を参照しつつ説明
する。このX線露光装置1は、露光用の照明光として、
波長13nm近傍の軟X線領域の光(以下、EUV光)を
用いて、ステップアンドスキャン方式により露光動作を
行う投影露光装置である。
【0018】X線露光装置1の最上流部には、レーザ光
源3が配置されている。レーザ光源3は、赤外域から可
視域の波長のレーザ光を供給する機能を有し、例えば半
導体レーザ励起によるYAGレーザやエキシマレーザ等
を使用する。レーザ光源3から発せられたレーザ光は、
集光光学系5により集光され、下部に配置されたレーザ
プラズマ光源7に達する。レーザプラズマ光源7は、波
長13nm近傍のX線を効率よく発生することができる。
【0019】レーザプラズマ光源7には、図示せぬノズ
ルが配置されており、キセノンガスを噴出する。噴出さ
れたキセノンガスはレーザプラズマ光源7において高照
度のレーザ光を受ける。キセノンガスは、高照度のレー
ザ光のエネルギにより高温になり、プラズマ状態に励起
され、低ポテンシャル状態へ遷移する際にEUV光を放
出する。EUV光は、大気に対する透過率が低いため、
その光路はチャンバ(真空室)9により覆われて外気が
遮断されている。なお、キセノンガスを放出するノズル
からデブリが発生するため、チャンバ9を他のチャンバ
とは別に配置する必要がある。
【0020】レーザプラズマ光源7の上部には、Mo/
Si多層膜をコートした回転放物面反射鏡11が配置さ
れている。レーザプラズマ光源7から輻射されたX線
は、放物面反射鏡11に入射し、波長13nm付近のX線
のみが露光装置1の下方に向かって平行に反射される。
【0021】回転放物面反射鏡11の下方には、厚さ
0.15μmのBe(ベリリウム)からなる可視光カッ
トX線透過フィルター13が配置されている。放物面反
射鏡11で反射されたX線の内、所望の13nmのX線の
みが透過フィルター13を通過する。透過フィルター1
3付近は、チャンバ15により覆われて外気を遮断して
いる。
【0022】透過フィルター13の下方には、露光チャ
ンバ33が設置されている。露光チャンバ33内の透過
フィルター13の下方には、照明光学系17が配置され
ている。照明光学系17は、コンデンサー系の反射鏡、
フライアイ光学系の反射鏡等で構成されており、透過フ
ィルター13から入力されたX線を円弧状に整形し、図
の左方に向かって照射する。
【0023】照明光学系17の図の左方には、X線反射
鏡19が配置されている。X線反射鏡19は、図の右側
の反射面19aが凹型をした円形の回転放物円ミラーで
あり、保持部材により垂直に保持されている。X線反射
鏡19は、反射面19aが高精度に加工された石英の基
板からなる。反射面19aには、一例で波長13nmの
X線の反射率が高いMoとSiの多層膜が形成されてい
る。なお、波長が10〜15nmのX線を用いる場合に
は、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)等の物質と、
Si、Be(ベリリウム)、B4C(4ホウ化炭素)等の物
質とを組み合わせた多層膜でも良い。
【0024】X線反射鏡19の図の右方には、光路折り
曲げ反射鏡21が斜めに配置されている。光路折り曲げ
反射鏡21の上方には、反射型マスク23が、反射面が
下になるように水平に配置されている。照明光学系17
から放出されたX線は、X線反射鏡19により反射集光
された後に、光路折り曲げ反射鏡21を介して、反射型
マスク23の反射面に達する。
【0025】反射型マスク23の反射面にも多層膜から
なる反射膜が形成されている。この反射膜には、ウェハ
29に転写するパターンに応じたマスクパターンが形成
されている。反射型マスク23は、その上部に図示され
たマスクステージ25に固定されている。マスクステー
ジ25は、少なくともY方向に移動可能であり、光路折
り曲げ反射鏡21で反射されたX線を順次マスク23上
に照射する。
【0026】反射型マスク23の下部には、順に投影光
学系27、ウェハ29が配置されている。投影光学系2
7は、複数の反射鏡等からなり、反射型マスク23で反
射されたX線を所定の縮小倍率(例えば1/4)に縮小
し、ウェハ29上に結像する。ウェハ29は、XYZ方
向に移動可能なウェハステージ31に吸着等により固定
されている。
【0027】露光チャンバ33にはゲートバルブ35を
介して予備排気室37(ロードロック室)が設けられて
いる。予備排気室37には真空ポンプ39が接続してお
り、真空ポンプ39の運転により予備排気室37は真空
排気される。
【0028】露光動作を行う際には、照明光学系17に
より反射型マスク23の反射面にEUV光を照射する。
その際、投影光学系27に対して反射型マスク23及び
ウェハ29を投影光学系の縮小倍率により定まる所定の
速度比で相対的に同期走査する。これにより、反射型マ
スク23の回路パターンの全体をウェハ29上の複数の
ショット領域の各々にステップアンドスキャン方式で転
写する。なお、ウェハ29のチップは例えば25×25
mm角であり、レジスト上で0.07μmL/SのICパ
ターンが露光できる。
【0029】次に、図1を参照して本発明の実施の形態
に係る多層膜反射鏡の構造について説明する。ここで、
図2のX線露光装置の回転放物面反射鏡11、X線反射
鏡19、光路折り曲げ反射鏡21に、本発明の多層膜反
射鏡が適用される。多層膜反射鏡50は、絶縁性の石英
ガラス基板51の反射面に、Mo/Siからなる導電性
の多層膜53が成膜されたものである。同反射鏡50の
側面は保持部材55によって鏡筒57の内壁に保持され
ている。多層膜53の一部には導線59が電気的に接続
している。導線59は、鏡筒57の外部に延びて、電源
61の負極と接続している。鏡筒57は電源61の正極
に電気的に接続して接地されている。
【0030】多層膜53に導線59を介して電源61か
ら負電圧が印加されると、相対的に鏡筒57が正、多層
膜53が負となる電界が形成される。軟X線63の照射
によって多層膜53から放出された光電子65は、相対
的に正電荷となる鏡筒57の方向に移動する。これによ
り、光電子65が対向する多層膜に衝突することを防ぐ
ことができる。
【0031】例えば、波長13nmの軟X線が照射され
たときに放出される光電子のエネルギーは約90eVで
ある。そして、この反射鏡の反射面から対向する10c
mの距離に、半径が10cmの反射鏡が配置されている
場合、多層膜から放出された光電子の進行方向を、対向
する反射鏡の方向から逸らすために必要な電位差は約3
60Vである。したがって、多層膜に電源から−360
Vの電位を印加すればよい。
【0032】図3は、本発明の他の実施の形態に係る多
層膜反射鏡の構造を示す側面断面図である。この多層膜
反射鏡70は、絶縁性の石英ガラス基板71の反射面
に、Mo/Siからなる導電性の多層膜73が成膜され
ている。同反射鏡70の側面は、保持部材75によって
鏡筒77の内壁に保持されている。多層膜73の一部に
は導線79が電気的に接続している。導線79は、鏡筒
77の外部に延びて接地されている。
【0033】多層膜73が接地されているため、軟X線
の照射による光電子の放出により発生した多層膜内の正
電荷は、多層膜73に蓄積されずに導線79を通ってア
ースへ逃げる。このため多層膜は帯電しない。
【0034】図4は、本発明の他の態様の多層膜反射鏡
の構造を示す側面断面図である。この多層膜反射鏡80
は、絶縁性のゼロデュア製の基板81の反射面に、Mo
/Siからなる導電性の多層膜83が成膜されている。
同反射鏡80の側面は保持部材85によって鏡筒87の
内壁に保持されている。鏡筒87はインバー等の金属
製、保持部材85もステンレス等の金属製であり、両者
は電気的に接続している。多層膜83の一部には導線8
9が電気的に接続している。この導線89は保持部材8
5に電気的に接続している。鏡筒87は接地されてい
る。
【0035】軟X線91の照射による光電子93の放出
により発生した多層膜83内の正電荷95は、導線89
を通り、さらに保持部材85及び鏡筒87を介してアー
スへ逃げる。したがって、多層膜83の帯電を防ぐこと
ができる。
【0036】図5は、本発明の他の態様の多層膜反射鏡
の構造を示す側面断面図である。この多層膜反射鏡10
0は、絶縁性の低熱膨張ガラスULE製の基板101の
反射面に、Mo製の電極層103が成膜されている。そ
して、この電極層103の上に、MoSi2/SiCか
らなる絶縁性の多層膜105が成膜されている。同反射
鏡100の側面は保持部材107によって鏡筒109の
内壁に保持されている。鏡筒109及び保持部材107
は金属製であり、両者は電気的に接続している。電極層
103は、導線111で鏡筒外部に設置された電源11
3の負極に接続している。鏡筒109は電源113の正
極に接続されて接地されている。
【0037】電極層103に電源113から負電圧を印
加すると多層膜105は負に帯電し、軟X線115の照
射によって放出された光電子117は、相対的に正とな
る鏡筒109の方向に移動する。例えば、波長13nm
の軟X線が照射されたときに放出される光電子のエネル
ギーは約90eVである。そして、この反射鏡の反射面
から20cmの距離に、半径が10cmの反射鏡が対向
して配置されている場合、多層膜から放出された光電子
の進行方向を、対向する反射鏡の方向から逸らすために
必要な電位差は約90Vである。このため、電源から電
極層に−90Vの電位を印加することにより、光電子は
対向する反射鏡に衝突しない。
【0038】上述の、光電子の進行方向をこの光電子が
放出された多層膜反射鏡と対向する多層膜反射鏡への方
向からそらす手段と、多層膜を接地して同膜の帯電を防
ぐ手段とは、一見相容れないものである。しかし、例え
ば多層膜に負電圧を印加して光電子を鏡筒方向へ移動さ
せる場合、多層膜の帯電の原因となる正電荷は、負電圧
印加のための導線を通って外部へ流れ、多層膜には蓄積
しない。このように、実際には多層膜の帯電防止と光電
子の進行方向の制御は、同時に行うことができる。ま
た、多層膜を接地している場合、光電子の方向を鏡筒方
向にそらすには、正電圧を印加した別の導体を鏡筒の付
近に設ければよい。
【0039】上述の実施例においては、多層膜或いは電
極膜に印加した電圧は負又はゼロボルト(接地)である
が、その他の必要な電気部品との電位の相関関係によっ
て、正電圧を印加してもよい。いずれの場合も、多層膜
が、鏡筒や露光チャンバから絶縁された電気的に浮いた
状態にせず、多層膜の電位を確定することが必要であ
る。また、印加する電圧は直流電圧ではなく交流電圧で
もよい。
【0040】図6は、本発明の他の態様の多層膜反射鏡
の構造を示す側面断面図である。この例においては、基
板を負電位にして光電子を鏡筒に逃がす代わりに、多層
膜を軟X線照射時に+150V以上に帯電させ、非照射
時にはゼロ電位としている。すなわち、軟X線の照射を
表す信号を入力して、その信号が入力されると多層膜に
電圧を印加する。軟X線の照射時に多層膜を正に帯電さ
せて、負電荷である光電子を多層膜又は電極層に引き付
けておく。そして、非照射時には多層膜又は電極層をゼ
ロ電位にして多層膜の帯電を防ぐ。
【0041】図6(A)に示す多層膜反射鏡は、リレー
によって電源回路をオンオフする。多層膜反射鏡130
は、基板131の反射面に多層膜133が成膜されてい
る。多層膜133には導線135が電気的に接続してお
り、導線135はリレー137を介して電源141に接
続している。リレー137には、軟X線の照射・非照射
信号が入力される信号線139が接続している。信号線
139から軟X線照射信号が入力されると、リレー13
7は電源回路をオンとし、電源141から+150V以
上の電圧が導線135を介して多層膜133に印加され
る。なお、軟X線非照射の場合は、多層膜133は導線
135とリレー137を介して接地される。
【0042】図6(B)に示す多層膜反射鏡は、多層膜
133に接続する導線135が電源143に接続してい
る。電源143には、軟X線の照射・非照射信号が入力
される信号線145が接続している。電源143は、外
部接点によりオンオフ又は電圧出力可変のものであり、
信号線145から軟X線照射信号が入力されると、電源
143は+150V以上の電圧を導線135を介して多
層膜133に印加する。なお、軟X線非照射の場合は、
多層膜133は接地される。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、多層膜反射鏡の多層膜に負電圧を印加するこ
とによって、軟X線照射により発生した光電子が、同反
射鏡と対向する多層膜反射鏡への衝突を防ぐことができ
る。また、多層膜を接地(ゼロボルトを印加)すること
によって、光電子の放出により発生した多層膜内の正電
荷を逃がすことができ、多層膜の帯電を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る多層膜反射鏡の構造
を示す側面断面図である。
【図2】図1の多層膜反射鏡を搭載したX線露光装置の
全体構成を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る多層膜反射鏡の
構造を示す側面断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る多層膜反射鏡の
構造を示す側面断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る多層膜反射鏡の
構造を示す側面断面図である。
【図6】本発明の他の態様の多層膜反射鏡の構造を示す
側面断面図である。
【図7】従来の多層膜反射鏡の構造を示す側面断面図で
ある。
【符号の説明】
1 X線露光装置 3 レーザ光源 5 集光光学系 7 レーザプラ
ズマ光源 9 チャンバ 11 回転放物面
反射鏡 13 X線透過フィルター 15 チャンバ 17 照明光学系 19 X線反射
鏡 21 光路折り曲げ反射鏡 23 反射型マ
スク 25 マスクステージ 27 投影光学
系 29 ウェハ 31 ウェハス
テージ 33 露光チャンバ 35 ゲートバ
ルブ 37 予備排気室(ロードロック室) 39 真空ポン
プ 50、70、80、100 多層膜反射鏡 51、71、81、101 基板 53、73、83、105 多層膜 55、75、85、107 保持部材 57、77、87、109 鏡筒 59、79、89、111 導線 61、113 電源 63、91、1
15 軟X線 65、93、117 光電子 103 電極層 130 多層膜反射鏡 131 基板 133 多層膜 135 導線 137 リレー 139 信号線 141 電源 143 電源 145 信号線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 5/02 H01L 21/30 531A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生させるX線光源と、このX線
    光源からのX線をマスクに導く照明光学系と、前記マス
    クからのX線を感光性基板に導く投影光学系とを有し、
    前記マスクのパターンを感光性基板へ転写する軟X線露
    光装置において、 基板上に多層膜が形成され、この多層膜によって軟X線
    を反射させる多層膜反射鏡を複数枚有し、 前記多層膜反射鏡のうち少なくとも1枚以上には、多層
    膜に電圧を印加して該多層膜の電位を制御する手段を具
    備することを特徴とする軟X線露光装置。
  2. 【請求項2】 前記手段は、多層膜に負電圧又はゼロボ
    ルト電圧を印加して電位を制御するものであることを特
    徴とする請求項1に記載の軟X線露光装置。
  3. 【請求項3】 前記手段は、軟X線の照射時に多層膜に
    正電圧を印加し、軟X線の非照射時には多層膜にゼロボ
    ルト電圧を印加して電位を制御するものであることを特
    徴とする請求項1に記載の軟X線露光装置。
  4. 【請求項4】 X線を発生させるX線光源と、このX線
    光源からのX線をマスクに導く照明光学系と、前記マス
    クからのX線を感光性基板に導く投影光学系とを有し、
    前記マスクのパターンを感光性基板へ転写する軟X線露
    光装置において、 基板上に多層膜が形成され、この多層膜によって軟X線
    を反射させる多層膜反射鏡を複数枚有し、 前記多層膜反射鏡のうち少なくとも1枚以上には、多層
    膜の上又は下に電極層が形成され、この電極層に電圧を
    印加して該電極層の電位を制御する手段を具備すること
    を特徴とする軟X線露光装置。
  5. 【請求項5】 前記手段は、電極層に負電圧又はゼロボ
    ルト電圧を印加して電位を制御するものであることを特
    徴とする請求項4に記載の軟X線露光装置。
  6. 【請求項6】 前記手段は、軟X線の照射時に電極層に
    正電圧を印加し、軟X線の非照射時には電極層にゼロボ
    ルト電圧を印加して電位を制御するものであることを特
    徴とする請求項4に記載の軟X線露光装置。
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