JP2003151128A - 軟磁性層を形成した基板の製造方法、軟磁性層を形成した基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents

軟磁性層を形成した基板の製造方法、軟磁性層を形成した基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置

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JP2003151128A
JP2003151128A JP2001341570A JP2001341570A JP2003151128A JP 2003151128 A JP2003151128 A JP 2003151128A JP 2001341570 A JP2001341570 A JP 2001341570A JP 2001341570 A JP2001341570 A JP 2001341570A JP 2003151128 A JP2003151128 A JP 2003151128A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体において、基板と磁気記録層の
間に設けられた軟磁性層からのノイズを小さくし、低ノ
イズの磁気記録媒体、および該磁気記録媒体を用いた磁
気記録装置を得る。 【解決手段】基板上に軟磁性層を形成する方法におい
て、該基板に直流バイアス電圧を加えながらスパッタリ
ングを行う軟磁性層を形成した基板の作製方法、該作製
方法により作製された軟磁性層を形成した基板、該軟磁
性層の上にすくなくとも磁気記録層を設けた磁気記録媒
体、および該磁気記録媒体を用いた磁気記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軟磁性層を形成した
基板の製造方法、軟磁性層を形成した基板及びこれを用
いた磁気記録媒体、並びに磁気記録装置に存する。特に
ノイズの低い垂直磁気記録媒体およびこれを用いた磁気
記録装置の提供に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置、フロッピー
(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記
録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増す
と共に、これらの装置や、これに用いられる磁気記録媒
体について、高記録密度への対応が図られきた。例えば
磁気記録媒体の高記録密度化に伴い、記録、再生ヘッド
としてMRヘッドやGMRヘッドの使用やデジタル信号
エラー修正技術としてPRML技術の導入以来、記録密
度の増加はさらに激しさを増し、近年では1年に100
%ものペースで増加を続けている。
【0003】しかし従来より用いられている磁化が基板
面に平行に向く、いわゆる「面内磁気記録媒体」では、
記録密度が上がるにつれ隣接する記録磁区同士の反発が
おきるため、磁気記録層の厚みを薄くしていく必要があ
る。この薄膜化と記録磁区長、幅の減少とがあいまっ
て、高密度記録における一つあたりの記録磁区体積は著
しく小さくなってしまい、この結果「熱磁気緩和現象」
と呼ばれる磁化方向の熱的な不安定性が増大してしま
う。記録密度を上げると、磁化の不安定性が急速に増し
ていくため、面内磁気記録媒体では記録密度に限界が来
ることが予想されている。
【0004】この問題を解決するために多くの検討がな
されているが、その一つに垂直磁気記録媒体が挙げられ
る。垂直磁気記録媒体では磁化が基板面に垂直方向に向
くのが特徴であり、高密度記録を行った際に、隣接する
磁区同士が反発しないので、面内磁気記録媒体に比べて
より高密度記録に向くといわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録媒体で
は、通常基板と磁気記録層の間に裏打ち層として軟磁性
層が設けられる。この軟磁性層の目的は、記録時にヘッ
ドの記録部からの記録磁束を有効に磁気記録層方向へ集
中させることである。特に単磁極ヘッドの場合、軟磁性
層が対向磁極の役割を果たすので、軟磁性層が無い場合
は記録が困難となる。
【0006】ここで軟磁性層とは、磁性材料の分野で一
般的に定義される軟磁性材料、すなわち強磁性材料およ
びフェリ磁性材料(外部磁場印加時に該外部磁場と同じ
方向に自発磁化を持つ磁性材料)のうち保磁力が零か比
較的小さいものを薄膜状に形成したものである。再生時
は面内磁気記録と同様のヘッド、例えばGMRヘッドに
より媒体から発生する磁束が検出されるが、軟磁性層を
設けた場合、長い記録磁区の内部では反磁界が打ち消さ
れ、再生波形が良好な方形形状となるといった効果もあ
る。
【0007】軟磁性層には、FeNi、FeAlSi、CoZrTa等が
用いられ、かつ求められる特性は、高透磁率、高磁化、
かつ再生信号が低ノイズであるといった点である。とこ
ろが、一般に磁化が高い軟磁性層では再生した場合のノ
イズが高くなるという問題があった。ノイズの原因は軟
磁性層中の磁気異方性であると考えられている。磁気異
方性が発生すると微少な磁区が生じ、磁気ヘッドがこの
磁区からの磁界を拾ってノイズを発生する。
【0008】軟磁性層中に磁気異方性が発生する原因は
完全に明確にはされていないが以下の様な事が推察され
る。磁化の大きい軟磁性層の場合は成膜時に先に堆積し
た膜にたまたま磁化方向の揃った比較的大きい領域が発
生すると、その領域より発する磁場の影響で、その後堆
積する軟磁性層中に磁気異方性が発生すると推測され
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟磁性層をス
パッタリング法により基板上に形成する際に、該基板に
直流バイアス電圧(以下、単にバイアス電圧と称するこ
とがある)を引加することで、形成される軟磁性層の磁
気異方性の発生を抑制して、該軟磁性層を用いた磁気記
録媒体を作製した場合、該軟磁性層からのノイズを低く
抑えるものである。
【0010】すなわち本発明の要旨は、基板上に軟磁性
層を作製する際において、該基板に直流バイアス電圧を
加えながらスパッタリングを行うことを特徴とする軟磁
性層を形成した基板の製造方法、この方法により作製さ
れた軟磁性層を形成した基板、該軟磁性層上に少なくと
も磁気記録層を形成した磁気記録媒体、及び磁気記録装
置に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】磁化の高い軟磁性層を用いた場合
に再生ノイズが発生するのは、先に述べた様に堆積する
粒子が、先に堆積した膜より発生する磁場を受けること
で、あたかも磁場中成膜のように、その磁場方向が磁化
容易軸として固定されると考えられる。
【0012】本発明では軟磁性層の作成中に基板に直流
バイアス電圧を加える。こうすることにより、成膜中の
軟磁性層に対してスパッタガス粒子(通常はAr)が打
ち込まれる。このとき打ち込まれた箇所の軟磁性層の温
度は局所的に高温となり磁化を消失する。軟磁性層は瞬
時に冷却するので磁化は直ぐに復活するが、成膜中に磁
化の消失領域がランダムに発生することから、堆積粒子
が特定の方向の磁界を受けることは無く、磁気異方性が
発生しない。この結果非常に低ノイズの軟磁性層が得ら
れる。用いられるスパッタガスはAr、Ne、Xe、K
r等を挙げることができるが、コストの点からArであ
ることが好ましい。
【0013】基板に印加される直流バイアス電圧は、接
地電位(本件の場合スパッタ装置の真空チャンバ内壁の
電位が接地電位となる)に対してマイナスの電圧であ
る。ただし本発明においては直流バイアス電圧の値はマ
イナスの符号を付けずに表す。この直流バイアス電圧
は、高い方が上記効果に優れており、好ましいバイアス
電圧は50V以上である。さらに好ましくは100V以
上である。しかし、電圧が高すぎるとガス粒子の打ち込
みにより軟磁性層表面が荒れてしまい、かえってノイズ
を大きくしてしまうため500V以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは400V以下である。
【0014】磁気記録媒体を作成する場合、磁気記録層
あるいはCr等の下地層において結晶性を向上させるた
めに直流バイアススパッタリング(基板に直流バイアス
電圧を印加しながら行うスパッタリング)を用いること
が知られている。しかし本発明の直流バイアススパッタ
リングによる軟磁性層中の磁気異方性の消失は、こうい
った結晶成長に関連したものとは異質の全く新規と呼べ
る効果である。例えばCoZrNbの様なアモルファス
軟磁性層の場合、バイアス電圧を加えたことによる結晶
化は全く見られなかった。それにもかかわらずノイズが
低下するということは、軟磁性層中に結晶性には依らな
い磁気異方性が発生しており、直流バイアススパッタリ
ングはそれを打ち消す効果があることを示している。
【0015】ここで用いられる軟磁性層は、FeNi、
FeAlSi、FeC、FeTaN、FeTaC等が挙
げられるが、直流バイアススパッタリングにより特に低
ノイズが得られるという点から、少なくともFeNi、
ないしCoZrを含む合金であることが好ましい。Co
Zr合金は特にCoZrX(XはNb、Taより選ばれ
る一種以上の元素)で表される合金であることが低ノイ
ズ特性を与える上で好ましい。磁気異方性の小さな良好
なアモルファス性を得るためには、Zrの組成は3原子
%以上10原子%以下が好ましく、Xの組成は3原子%
以上、12原子%以下であることが好ましい。軟磁性層
の保磁力は大きすぎると外部磁界に対しての応答性が悪
くなるので、10Oe以下であることが好ましい。軟磁性
層の膜厚が薄すぎると十分に記録磁界を収束させること
ができないので、膜厚は50nm以上であることが好ま
しい。さらに好ましくは80nm以上であり、特に好ま
しくは100nm以上である。厚すぎる場合は生産性が
悪化する他、軟磁性層表面の荒れが大きくなって浮上特
性に問題が出るため、600nm以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは500nm以下である。軟磁性
層の飽和磁束密度Bsは、大きい方が記録磁界の効率が
上がるため、好ましくは0.7T(テスラ)以上であ
り、さらに好ましくは1T以上であり、特に好ましくは
1.2T以上である。一般に磁化(ないし磁束密度)が
高い軟磁性層ほどノイズが高くなる傾向にあり、これは
先に述べた理由で説明できる。このため磁化のより高い
軟磁性層に用いることで、本発明によるノイズ低減効果
が顕著になる。しかし、Bsがあまりに高過ぎるとノイ
ズを低減しきれなくなるため、2T以下であることが好
ましい。さらに好ましくは1.8T以下である。
【0016】本発明による軟磁性層は、先に述べた様に
垂直磁気記録媒体の裏打ち層として用いられることが好
ましい。このとき磁気記録層としては垂直磁気異方性を
有するものが用いられる。例えばCoを主成分とする合
金、例えばCoCrにPt、B、Ta等を添加したもの
が挙げられる。あるいはPdないしPtとCoないしF
eを0.1〜0.5nm程度の周期で10〜50周期程
度積層した多層膜、あるいはPtFe合金、TbFeC
o等の希土類と遷移金属の合金等が挙げられる。磁気記
録層の膜厚は厚すぎる場合には記録磁界と軟磁性層の磁
気的結合が不十分になり、記録磁界の収束が不十分にな
る。従って、軟磁性層の膜厚は50nm以下が好まし
く、より好ましくは40nm以下であり、さらには35
nm以下が好ましい。また軟磁性層が薄すぎれば信号が
小さくなると共に垂直磁気異方性が低下してしまう。従
って10nm以上が好ましく、より好ましくは12nm
以上であり、さらには15nm以上が好ましい。
【0017】軟磁性層と前記磁気記録層の間には中間層
を設けることが好ましい。中間層の目的はその種類によ
っても異なるが、軟磁性層と磁気記録層の交換結合を遮
断することで磁気記録層の垂直磁気異方性を向上させる
こと、結晶性の磁気記録層の結晶成長の粒径を制御する
こと、磁気記録層の結晶配向を制御すること等である。
【0018】CoCr合金を磁気記録層とする場合、中
間層としてTiを設けることでC軸が基板に垂直方向に
向いて成長し易くなる。また中間層として非磁性のCo
Crを設けることも結晶成長の上からは好ましい。同様
の目的でCoRu、CoCrRu等を用いることも考え
られる。結晶粒径を小さくする目的ではカーボン、S
i、SiO2等を用いることもある。これらを組み合わ
せた複数の中間層を用いても良い。中間層の膜厚が薄す
ぎる場合、先に述べた中間層としての役割が不十分にな
るが、一方厚すぎた場合はヘッドの記録部と軟磁性層と
の距離が離れてしまうので、1nm以上かつ20nm以
下であることが好ましい。
【0019】なお、ヘッド記録部と軟磁性層表面との距
離は80nm以下であることが好ましく、さらに好まし
くは60nm以下である。本発明の磁気記録媒体におけ
る基板としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg
合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミ
ノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チ
タン、セラミクス、各種樹脂からなる基板など、任意の
ものを用いることができる。中でもAl合金基板や結晶
化ガラス等のガラス基板を用いることが好ましい。
【0020】磁気ディスク製造工程においては、従来公
知の方法を適宜用いればよい。一般的にはまず基板の洗
浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明において各
層の密着性を確保する見地からもその形成前に洗浄、乾
燥を行うことが望ましい。本発明の磁気記録媒体の製造
に際しては、基板表面にNiP等の金属被覆層を形成す
ることが好ましい場合もある。導電性の材料からなる基
板の場合であれば電解めっきを使用することが可能であ
る。
【0021】本発明で用いる直流バイアススパッタリン
グは、ガラス基板等の不導体基板に対してはそのままで
は使用できない。この場合には、基板上にあらかじめ金
属等による導電層を設けておき、この導電層に対してバ
イアス電圧を加えることが好ましい。この場合は基板の
上に形成した導電層を含めて基板とみなすことができ
る。導電層の例としてはTi、Ta、Cr、NiAl等
が挙げられる。
【0022】さらにヘッドの浮上特性を向上するため
に、基板表面、又は金属被覆層が形成された基板表面に
は同心円状にテキスチャリングを施すのが好ましい。本
発明において同心円状テキスチャリングとは、例えば遊
離砥粒とテキスチャーテープを使用した機械式テキスチ
ャリングやレーザー光線などを利用したテキスチャリン
グ加工、又はこれらを併用することによって、円周方向
に研磨することによって基板円周方向に微小溝を多数形
成した状態を指称する。
【0023】基板の表面は、表面粗さ(Ra)がどのよ
うな値をとっても本発明の効果には基本的には影響ない
が、ヘッド浮上量ができるだけ小さいことが高密度磁気
記録の実現には有効であり、またこれら基板の特徴のひ
とつが優れた表面平滑性にあることから、基板表面のR
aは1nm以下、さらには0.5nm以下であることが
好ましく、中でも0.3nm以下であることが好まし
い。ただし、ここでRaの決定は、触針式表面粗さ計を
用いて測定した場合を想定している。このとき測定用の
針の先端は半径0.2μm程度の大きさのものが使用さ
れる。
【0024】一般的には磁気記録層上には、任意の保護
層を形成し、次いで潤滑層を形成する。保護層として
は、炭素(C)、水素化C、窒素化C、アモルファス
C、SiC等の炭素質層やSiO2、Zr23、TiN
など通常用いられる保護層材料を用いることができる。
また、保護層が2層以上の層から構成されていてもよ
い。保護層の膜厚は1〜50nm、特に1〜10nmで
あり、耐久性を確保できる範囲でできるだけ薄く設定す
ることが好ましい。潤滑層に用いられる潤滑剤として
は、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混
合物等が挙げられ、通常0.1〜5nm、好ましくは1
〜3nmの膜厚で潤滑層を形成する。
【0025】磁気記録層を形成する成膜方法としては任
意であるが、例えば直流(マグネトロン)スパッタリン
グ法、高周波(マグネトロン)スパッタリング法、EC
Rスパッタリング法、真空蒸着法などの物理的蒸着法が
挙げられる。膜の密着性、強度が高くヘッド浮上特性が
良好であることから、特にスパッタリング法を用いるこ
とが好ましい。
【0026】スパッタリング成膜では、通常の場合、到
達真空度は2×10-5Pa以下、基板温度は室温(20
℃)〜400℃、スパッタリングガス圧は0.1〜2P
aが好ましい。磁気記録層がCoCr合金である場合、
磁気記録層の成膜に当たっては、磁気記録層の結晶成長
を促進し、かつ磁気記録層のCrの編析を促進するため
に、一般に基板を100〜350℃程度に加熱すること
が好ましい。
【0027】本発明の磁気記録装置は、少なくとも上述
してきた磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動する駆
動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘ
ッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁
気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生
を行うための記録再生信号処理手段を有する磁気記録装
置である。上述の磁気ヘッドの再生部をMRヘッドで構
成することにより、高記録密度を持った磁気記録装置を
実現することができる。また、記録部は従来面内磁気記
録で用いられてきたリングヘッド、あるいは単独の磁極
のみを有する単磁極ヘッド(SPTヘッド)を用いるこ
とが可能であるが、軟磁性層との組み合わせで急峻な磁
界分布が得られるSPTヘッドを用いることが好まし
い。この磁気ヘッドを0.01μm以上、0.03μm
未満程度に浮上させることで高いS/Nが得られ、大容
量で高信頼性のある磁気記録装置を提供することができ
る。また、PRMLによる信号処理回路を組み合わせる
とさらに記録密度を向上でき、例えば、トラック密度9
0kFTPI以上、線記録密度700kFTPI以上、
1平方インチ当たり60Gビット以上の記録密度で記録
・再生する場合にも十分なS/N比、および記録の熱安
定性が得られる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。但し、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜12)ハードディスク用アルミニウム基板
をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10-5
Pa以下に真空排気した。アルミニウム基板は表面にN
iPメッキが施されている。Ra約0.5nm、外径6
5mm、内径20mmである。
【0029】基板上にCo86Zr8Nb6、またはCo86
Zr8Ta6よりなる200nmの軟磁性層、5nmのカ
ーボン保護層を順次、Arガスによる直流スパッタリン
グ法を用いて積層した。このとき、基板への直流バイア
ス電圧を50〜500Vまで変化させた。また、成膜時
のアルゴンガス分圧は約7.0×10-1Paに設定し
た。カーボン保護層の上にフッ素系潤滑剤(Fombl
in Z−Dol 2000:アウジモント社製)の潤
滑剤層を形成した。
【0030】以上のようにして作製した軟磁性層を形成
したディスク基板のノイズ特性を、スピンスタンドを用
いて以下の通り評価した。ヘッドとしてアルプス電気社
製のGMRヘッドを用い、磁気ディスクの回転速度を4
200rpmとし、ノイズスペクトルは、1〜100M
Hzまでのものを取り込み、積分強度を周波数平均化す
ることでノイズ電圧を求めた。なおノイズはrms値を
取ることでその出力とした。
【0031】(比較例1および2)軟磁性層を成膜する
時の基板への直流バイアス電圧を0Vとした以外は実施
例1〜12と同じ条件で軟磁性層を形成したディスク基
板を作製し評価した。表1に実施例1〜12および比較
例1〜2での軟磁性層の組成、軟磁性層成膜時の基板へ
のバイアス電圧そして、各比較例で作製した軟磁性層を
形成したディスク基板のノイズ特性をまとめて示す。な
お表1では、バイアス電圧は接地電位に対して−100
Vの電圧を印加する場合を100Vとして表してある。
【0032】
【表1】
【0033】第1図にバイアス電圧を印加しない場合
(比較例1)と、バイアス電圧が200Vの場合(実施
例3)のノイズの周波数スペクトルに示す。また、実施
例1〜12、比較例1および2について軟磁性層成膜時
の基板へのバイアス電圧と軟磁性層を形成したディスク
基板のノイズの関係を第2図に示す。 (実施例13)軟磁性層を200nmのNi45Fe5
5、直流バイアス電圧を300Vとした以外は、実施例
1と同じ条件で軟磁性層を形成したディスク基板を作製
し、特性を評価した。 (比較例3)軟磁性層成膜時の基板への直流バイアス電
圧を0Vとした以外は、実施例13と同じ条件で軟磁性
層を形成したディスク基板を作製し、特性を評価した。
【0034】実施例13と比較例3の軟磁性層を形成し
たディスク基板のノイズの周波数スペクトルを第3図に
比較して示す。 (実施例14)Co84Zr8Nb6よりなる軟磁性層
を200nm成膜した後、この上にTiよりなる10n
mの第1中間層、Co63Cr37の第2中間層、Co
Cr19Pt12B3の組成よりなる20nmの磁気記
録層、5nmのカーボン保護層を順次、直流スパッタリ
ング法を用いて積層した。磁気記録層の成膜温度は35
0℃とした。軟磁性層成膜時の基板への直流バイアス電
圧を150Vとした。成膜時のアルゴンガス分圧は約
7.0×10-1Paに設定した。カーボン保護層の上に
フッ素系潤滑剤(Fomblin Z−Dol 200
0:アウジモント社製)の潤滑剤層を形成した。このと
き媒体保磁力は3300Oe、角形比は0.78であ
り、軟磁性層のバイアス電圧の有無による変化は見られ
なかった。
【0035】最高記録周波数(HF)=83.82MH
z、記録電流=40mAで測定を行った。ヘッドとして
アルプス電気社製のGMRヘッドを用い、磁気ディスク
の回転速度を4200rpmとし、ノイズスペクトル
は、1〜100MHzまでのものを取り込み、積分強度
を周波数平均化することでノイズ電圧を求めた。なおノ
イズはrms値を取ることでその出力とした。S/N比
は、最低記録周波数(15.72MHz)の平均出力を
ノイズ電圧で割ることにより算出した。
【0036】(比較例4)軟磁性層成膜時の基板への直
流バイアス電圧を0Vとした以外は、実施例14と同じ
条件で磁気ディスクを作製し、特性を評価した。この結
果、軟磁性層成膜時にバイアス電圧を印加しない場合
(比較例4)のS/N比は17.8dBであり、バイア
ス電圧が150Vの場合(実施例14)のS/N比は2
0.3dBであった。
【0037】したがって、実施例14で作製した磁気デ
ィスクを用いた場合、S/N比に優れた磁気記録装置を
得ることができる。
【0038】
【発明の効果】上記結果から明らかなように、軟磁性層
の成膜時に直流バイアス電圧を加えることで低ノイズと
なり、高いS/N比の磁気記録媒体を実現することが可
能である。従って、本発明の磁気記録媒体を用いた磁気
記録装置は優れたS/N比で記録再生を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3および比較例1におけるノイ
ズの周波数スペクトルを示した図
【図2】本発明の実施例1〜12および比較例1〜2に
おいてバイアス電圧を変えたときのノイズの変化を示し
た図
【図3】実施例13と比較例3における軟磁性層成膜時
のバイアス電圧のある場合とない場合でのノイズの周波
数スペクトルの違いを示した図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に軟磁性層を形成する方法におい
    て、該基板に直流バイアス電圧を加えながらスパッタリ
    ングを行うことを特徴とする軟磁性層を形成した基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】直流バイアス電圧が50V以上かつ500
    V以下である請求項1の軟磁性層を形成した基板の製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の方法により形成
    されたことを特徴とする軟磁性層を形成した基板。
  4. 【請求項4】軟磁性層の保磁力が10Oe以下である請
    求項3に記載の軟磁性層を形成した基板。
  5. 【請求項5】軟磁性層が少なくともFeNi、ないしC
    oZrX(XはNb、Taより選ばれる一種以上の元
    素)を含有することを特徴とする請求項3または4に記
    載の軟磁性層を形成した基板。
  6. 【請求項6】請求項3乃至5のいずれかに記載の軟磁性
    層上に少なくとも磁気記録層が形成されてなる磁気記録
    媒体。
  7. 【請求項7】磁気記録層が垂直磁化膜である請求項6に
    記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】請求項6または7に記載の磁気記録媒体
    と、磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録
    部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドと磁気記
    録媒体に対して相対移動させる手段と、磁気ヘッドの記
    録信号入力と磁気ヘッドからの再生信号出力を行うため
    の記録信号処理手段を有することを特徴とする磁気記録
    装置。
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