JP2003178416A - 磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録装置

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JP2003178416A
JP2003178416A JP2001378879A JP2001378879A JP2003178416A JP 2003178416 A JP2003178416 A JP 2003178416A JP 2001378879 A JP2001378879 A JP 2001378879A JP 2001378879 A JP2001378879 A JP 2001378879A JP 2003178416 A JP2003178416 A JP 2003178416A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体において、基板と磁気記録層の
間に設けられた軟磁性層からのノイズを小さくし、低ノ
イズの磁気記録媒体、および該磁気記録媒体を用いた磁
気記録装置を得る。 【解決手段】基板上に少なくとも軟磁性層および磁気記
録層を形成した磁気記録媒体であって、該軟磁性層がC
o、Zrおよび窒素を含有する磁気記録媒体、および該
磁気記録媒体を用いた磁気記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体及び磁
気記録装置に存する。特にノイズの低い垂直磁気記録媒
体および垂直磁気記録装置の提供に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置、フロッピー
(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記
録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増す
と共に、これらの装置や、これに用いられる磁気記録媒
体について、高記録密度への対応が図られきた。例えば
磁気記録媒体の高記録密度化に伴い、記録、再生ヘッド
としてMRヘッドやGMRヘッドの使用やデジタル信号
エラー修正技術としてPRML(Partial Re
sponse Most Likelyhood)技術
の導入以来、記録密度の増加はさらに激しさを増し、近
年では1年に100%ものペースで増加を続けている。
【0003】しかし従来より用いられている磁化が基板
面に平行に向く、いわゆる「面内磁気記録媒体」では、
記録密度が上がるにつれ隣接する記録磁区同士の反発が
起きるため、磁気記録層の厚みを薄くしていく必要があ
る。この薄膜化と記録磁区長、幅の減少とがあいまっ
て、高密度記録における記録磁区の一つあたりの体積は
著しく小さくなってしまい、この結果「熱磁気緩和現
象」と呼ばれる磁化方向の熱的な不安定性が増大してし
まう。記録密度を上げると、磁化の不安定性が急速に増
していくため、面内磁気記録媒体では記録密度に限界が
来ることが予想されている。
【0004】この問題を解決するために多くの検討がな
されているが、その一つに垂直磁気記録媒体が挙げられ
る。垂直磁気記録媒体では磁化が基板面に垂直方向に向
くのが特徴であり、高密度記録を行った際に、隣接する
磁区同士が反発しないので、面内磁気記録媒体に比べて
より高密度記録に向くとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録媒体で
は、通常基板と磁気記録層の間に裏打ち層として軟磁性
層が設けられる。この軟磁性層の目的は、記録時にヘッ
ドの記録部からの記録磁束を有効に記録層方向へ集中さ
せることである。特に単磁極ヘッドの場合、軟磁性層が
対向磁極の役割を果たすので、軟磁性層が無い場合は記
録が困難となる。
【0006】ここで軟磁性層とは、磁性材料の分野で一
般的に定義される軟磁性材料、すなわち強磁性材料およ
びフェリ磁性材料等(外部磁場印加時に該外部磁場と同
じ方向に自発磁化を持つ磁性材料)のうち保磁力が零か
比較的小さいものを薄膜状に形成したものである。再生
時は面内磁気記録と同様のヘッド、例えばGMRヘッド
により磁気記録媒体から発生する磁束が検出されるが、
軟磁性層を設けた場合、長い記録磁区では内部での反磁
界が打ち消され、再生波形が良好な方形形状となるとい
った効果もある。
【0007】軟磁性層には、従来FeNi、FeAlS
i、CoZrTa、CoZrNb等が用いられ、かつ求
められる特性は、高透磁率、高磁化、かつ再生信号が低
ノイズであるといった点である。ところが、一般に磁化
が高い軟磁性層では再生した場合のノイズが高くなると
いう問題があった。ノイズの発生原因は軟磁性層表面の
荒れ等様々であるが、その一つは軟磁性層中に垂直磁気
異方性が発生することである。垂直磁気異方性が発生す
ると、軟磁性層中にはいわゆる「縞状磁区」が形成さ
れ、磁化方向が波状にうねることで、再生時にノイズを
発生してしまう。軟磁性層中の垂直磁気異方性は膜厚が
厚いとき発生する傾向があるが、垂直磁気記録に用いら
れる軟磁性層は一般的に200nm以上と厚いので、こ
の垂直磁気異方性が大きな問題となっている。
【0008】厚膜化に伴う垂直磁気異方性の発生を防ぐ
ため、軟磁性層を非磁性層等で膜厚方向に分断して一層
あたりを薄くするという手法も提案されている。しか
し、この方法では必要な層数が著しく増え、プロセス的
に複雑化するという欠点がある。例えば400nmの軟
磁性層を100nm毎に区切って作成すると、軟磁性層
が4層、途中に挟む非磁性層が3層の計7層が必要にな
る。一つのチャンバーで一層を形成するような通常の量
産成膜機では軟磁性層だけで7チャンバー必要になり、
コスト的に非常に不利である。
【0009】厚い軟磁性層中に垂直磁気異方性が発生す
る原因は完全に明確にはされていないが以下の様な事が
推察される。軟磁性層の膜厚が厚くなってくると、反磁
界の減少に伴いその中の磁壁はネール磁壁からブロッホ
磁壁に移行する。ブロッホ磁壁では磁化が膜面に対して
垂直方向を通過して回転するので、磁化の垂直成分が発
生する。この垂直成分がその上に堆積する軟磁性層に影
響を与えて垂直磁気異方性が発生するものと推測され
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の軟磁性
層を作成する際に窒素を軟磁性層中に含有させること
で、磁気異方性の発生を抑制して低ノイズの軟磁性層を
実現するものである。すなわち本発明の要旨は、基板上
に少なくとも軟磁性層および磁気記録層を形成した磁気
記録媒体であって、該軟磁性層がCo、Zrおよび窒素
を含有することを特徴とする磁気記録媒体、及び磁気記
録装置に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】垂直磁気異方性が発生してノイズ
の増加が起こる理由は、先に述べた様に厚膜化に伴って
磁壁がネール磁壁からブロッホ磁壁へ移行するためであ
ると考えられる。本発明者等は鋭意検討の結果、Coお
よびZrからなる軟磁性層に窒素を含有させることで厚
い軟磁性層でもネール磁壁を保ち、垂直磁気異方性の発
生を抑制することができることを見いだした。
【0012】この理由は完全に明かではないが次の様に
説明できる。ネール磁壁とブロッホ磁壁のいずれができ
るかは、反磁界と交換結合エネルギーのバランスによっ
て決定される。ブロッホ磁壁は反磁界が大きく交換結合
エネルギーが小さい。膜厚を厚くしていき反磁界が低下
すると、ある膜厚を境にしてそれより厚い領域ではブロ
ッホ磁壁が支配的になる。一方それより薄い領域ではネ
ール磁壁が支配的になる。軟磁性層中に窒素を導入する
ことにより、軟磁性層中の粒子間の交換結合力は低下す
る。このためネール磁壁は安定化し、ブロッホ磁壁への
移行膜厚をより厚い方にシフトさせることができるので
ある。
【0013】先に述べた軟磁性層を分断する手法は反磁
界を大きく保つことで軟磁性層の膜厚を厚くする手法で
あるが、本発明では、反磁界を大きくするのではなく、
交換結合エネルギーを小さくすることで軟磁性層の膜厚
が厚い領域でもブロッホ磁壁の形成を妨げるものであ
る。ここで用いられる軟磁性層は、Co、Zrおよび窒
素からなり、一般にアモルファスであることが好まし
い。さらに、軟磁性層は、特にCo、Zr、Mおよび窒
素からなることが好ましい。ここで、MはNb、Ta、
Y、Ti、Hfから選ばれる一種以上の元素であること
が、低ノイズを達成する上で好ましい。さらに好ましく
は上記MはNb、Taより選ばれる一種以上の元素であ
ることが好ましい。
【0014】軟磁性層が磁気異方性が小さく、アモルフ
ァスとなるためには、軟磁性層中のCo、Zr、Mの組
成が以下の式で表される関係にあることが好ましい。C
(100-x-y)Zrxy、(3≦x≦10、3≦y≦12)軟
磁性層中の窒素量は、軟磁性層中の全組成に対して0.
5原子%以上であることが好ましい。さらに好ましくは
1原子%以上である。軟磁性層中の窒素量が少なすぎる
場合、軟磁性層の垂直磁気異方性を抑制する効果が小さ
くなることがある。また、軟磁性層中の窒素量は、軟磁
性層中の全組成に対して6原子%以下であることが好ま
しい。さらに好ましくは5原子%以下である。窒素量が
多すぎる場合、軟磁性層の磁気特性が劣化することがあ
る。
【0015】一般に結晶性の軟磁性層に窒素を含有させ
た場合、軟磁性層の結晶形状の変化により、軟磁性層の
磁気特性の劣化やばらつき等が起こることがある。しか
しながら、CoおよびZrからなる合金は、通常アモル
ファスである場合が多く、磁気記録媒体に用いたとき非
常に低ノイズの特性を発現できるのみでなく、窒素を含
有させても、結晶性の軟磁性層とは異なり、磁気特性の
劣化やばらつきが起こることが少ないという特徴があ
る。
【0016】また、軟磁性層は上記の元素以外の元素、
例えば、B、Mn、Cu、Ag、Pt、Pd等を含有し
ていてもよい。軟磁性層の製造方法は、スパッタリング
法、真空蒸着法、電解メッキ法等を用いることができる
が、膜質が緻密で良好なことからスパッタリング法が好
ましい。軟磁性層に窒素を含有させる方法としては、ア
ルゴンガス等の不活性スパッタリングガスに窒素ガスを
混合させる反応性スパッタリングや、スパッタリングタ
ーゲット自体に予め窒素を含有させておく方法がある。
窒素量の制御が容易であり、かつ経時的な窒素量の安定
性が優れた反応性スパッタリングを用いることが好まし
い。
【0017】軟磁性層の保磁力は理想的には零であるこ
とが望ましいが、現実的には多少の保磁力を示していて
も良い。しかしながら、軟磁性層の外部磁界に対する応
答性を良好になものとするために、10Oe以下である
ことが好ましく、より好ましくは6Oe以下である。軟
磁性層が十分に記録磁界を収束できるためには、軟磁性
層の膜厚がある程度厚いことが好ましい。軟磁性層の膜
厚は50nm以上であることが好ましい。さらに好まし
くは80nm以上であり、特に好ましくは100nm以
上である。また、軟磁性層の膜厚は、600nm以下で
あることが好ましく、さらに好ましくは500nm以下
である。軟磁性層の膜厚が厚すぎる場合、軟磁性層の表
面の荒れが大きくなり、磁気ヘッドの浮上特性の問題が
生じたり、軟磁性層の成膜時の生産性が悪くなることが
ある。
【0018】軟磁性層の飽和磁束密度Bsは、大きい方
が記録磁界の効率が上がるため、好ましくは0.7T
(テスラ)以上であり、さらに好ましくは1T以上であ
り、特に好ましくは1.2T以上である。一般に磁化
(ないし磁束密度)が高い軟磁性層ほどノイズが高くな
る傾向にあり、これは先に述べた理由で説明できる。こ
のため磁化のより高い軟磁性層に用いることで、本発明
によるノイズ低減効果が顕著になる。しかし、Bsがあ
まりに高過ぎるとノイズを低減しきれなくなることがあ
り、そのため、軟磁性層のBsは2T以下であることが
好ましい。さらに好ましくは1.8T以下である。
【0019】本発明による軟磁性層は、先に述べた様に
垂直磁気記録媒体の裏打ち層として用いられることが好
ましい。このとき磁気記録層としては垂直磁気異方性を
有するものが用いられる。例えばCoを主成分とする合
金、例えばCoCrにPt、B、Ta等を添加したもの
が挙げられる。あるいはPdないしPtとCoないしF
eを0.1〜0.5nm程度の周期で10〜50周期程
度積層した多層膜、あるいはPtFe合金、TbFeC
o等の希土類と遷移金属の合金等が挙げられる。また、
これらの異なる種類の磁気記録層を積層しても良い。
【0020】磁気記録層の膜厚は50nm以下が好まし
く、より好ましくは40nm、さらに好ましくは35n
m以下である。磁気記録層の膜厚が厚すぎる場合、記録
磁界と軟磁性層の磁気的結合が不十分になり、記録磁界
の軟磁性層への収束が不十分となることがある。また、
磁気記録層の膜厚は、10nm以上が好ましく、より好
ましくは12nm以上、さらに好ましくは15nm以上
である。磁気記録層の膜厚が薄すぎる場合、信号が小さ
くなったり、垂直磁気異方性が低下することがある。
【0021】軟磁性層と前記磁気記録層の間には中間層
を設けることが好ましい。中間層の目的はその種類によ
っても異なるが、軟磁性層と磁気記録層の交換結合を遮
断することで磁気記録層の垂直磁気異方性を向上させる
こと、結晶性の磁気記録層の結晶成長の粒径を制御する
こと、磁気記録層の結晶配向を制御すること等である。
【0022】CoCr合金を磁気記録層とする場合、中
間層としてTiを設けることでC軸が基板に垂直方向に
向いて成長し易くなる。また中間層として非磁性のCo
Crを設けることも結晶成長の上からは好ましい。同様
の目的でCoRu、CoCrRu等を用いることも考え
られる。結晶粒径を小さくする目的ではカーボン、S
i、SiO2等を用いることもある。これらを組み合わ
せた複数の中間層を用いても良い。中間層の膜厚が薄す
ぎる場合、先に述べた中間層としての役割が不十分にな
ることがあり、一方厚すぎた場合はヘッドの記録部と軟
磁性層との距離が離れ過ぎることがあるので、1nm以
上かつ20nm以下であることが好ましい。
【0023】なお、ヘッド記録部と軟磁性層表面との距
離は80nm以下であることが好ましく、さらに好まし
くは60nm以下である。本発明の磁気記録媒体におけ
る基板としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg
合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミ
ノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チ
タン、セラミクス、各種樹脂からなる基板など、任意の
ものを用いることができる。中でもAl合金基板や結晶
化ガラス等のガラス基板を用いることが好ましい。
【0024】磁気記録媒体の製造工程においては、従来
公知の方法を適宜用いればよい。一般的には、まず基板
の洗浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明におい
て各層の密着性を確保する見地からもその形成前に洗
浄、乾燥を行うことが望ましい。本発明の磁気記録媒体
の製造に際しては、基板表面にNiP等の金属被覆層を
形成することが好ましい場合もある。導電性の材料から
なる基板の場合であれば、電解メッキを使用することが
可能である。
【0025】本発明において、成膜時に直流バイアスス
パッタリング方法を用いる場合は、ガラス基板等の不導
体基板に対してはそのままでは使用できない。この場合
には、基板上にあらかじめ金属等による導電層を設けて
おき、この導電層に対してバイアス電圧を加えることが
好ましい。導電層の例としてはTi、Ta、Cr、Ni
Al等が挙げられる。このように、ガラス基板に導電層
を設けたものを基板とみなす場合もある。
【0026】さらにヘッドの浮上特性を向上するため
に、基板表面、又は金属被覆層が形成された基板表面に
は同心円状にテキスチャリングを施すのが好ましい。本
発明において同心円状テキスチャリングとは、例えば遊
離砥粒とテキスチャーテープを使用した機械式テキスチ
ャリングやレーザー光線などを利用したテキスチャリン
グ加工、又はこれらを併用することによって、円周方向
に研磨することによって基板円周方向に微小溝を多数形
成した状態を指称する。
【0027】基板の表面は、表面粗さ(Ra)がどのよ
うな値をとっても本発明の効果には基本的には影響はな
いが、ヘッド浮上量ができるだけ小さいことが高密度磁
気記録の実現には有効であり、またこれら基板の特徴の
ひとつが優れた表面平滑性にあることから、基板表面の
Raは1nm以下、さらには0.5nm以下であること
が好ましく、中でも0.3nm以下であることが好まし
い。ただし、ここでRaの決定は、触針式表面粗さ計を
用いて測定した場合を想定している。このとき測定用の
針の先端は半径0.2μm程度の大きさのものが使用さ
れる。
【0028】一般的には磁気記録層上には、任意の保護
層を形成し、次いで潤滑層を形成する。保護層として
は、炭素(C)、水素化C、窒素化C、アモルファス
C、SiC等の炭素質層やSiO2、Zr23、TiN
など通常用いられる保護層材料を用いることができる。
また、保護層が2層以上の層から構成されていてもよ
い。保護層の層厚は1〜50nm、特に1〜10nmで
あり、耐久性を確保できる範囲で、できるだけ薄く設定
することが好ましい。潤滑層に用いられる潤滑剤として
は、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混
合物等が挙げられ、通常0.1〜5nm、好ましくは1
〜3nmの層厚で潤滑層を形成する。
【0029】磁気記録層を形成する成膜方法としては任
意であるが、例えば直流(マグネトロン)スパッタリン
グ法、高周波(マグネトロン)スパッタリング法、EC
R(電子サイクロトロン共鳴)スパッタリング法、真空
蒸着法などの物理的蒸着法が挙げられる。磁気記録層の
密着性、強度が高くヘッド浮上特性が良好であることか
ら、特にスパッタリング法を用いることが好ましい。
【0030】スパッタリング成膜では、通常の場合、到
達真空度は2×10-5Pa以下、スパッタリングガス圧
は0.1〜2Paが好ましい。磁気記録層がCoCr合
金である場合、磁気記録層の成膜に当たっては、磁気記
録層の結晶成長を促進し、かつ磁気記録層のCrの偏析
を促進するために、一般に基板を100〜400℃程度
に加熱することが好ましい。
【0031】本発明の磁気記録装置は、少なくとも上述
してきた磁気記録媒体と、磁気記録媒体を記録方向に駆
動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッド
と、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対移動させる
手段と、磁気ヘッドの記録信号入力と磁気ヘッドからの
再生信号出力を行うための記録信号処理手段を有する磁
気記録装置である。
【0032】上述の磁気ヘッドの再生部をMRヘッドで
構成することにより、高記録密度を持った磁気記録装置
を実現することができる。また、記録部は従来面内磁気
記録で用いられてきたリングヘッド、あるいは単独の磁
極のみを有する単磁極ヘッド(SPTヘッド)を用いる
ことが可能であるが、軟磁性層との組み合わせで急峻な
磁界分布が得られるSPTヘッドを用いることが好まし
い。この磁気ヘッドを0.01μm以上、0.03μm
未満程度に浮上させることで高いS/N比が得られ、大
容量で高信頼性のある磁気記録装置を提供することがで
きる。また、PRML(Partial Respon
se Most Likelyhood)による信号処
理回路を組み合わせるとさらに記録密度を向上でき、例
えば、トラック密度90kFTPI以上、線記録密度7
00kFTPI以上、1平方インチ当たり60Gビット
以上の記録密度で記録・再生する場合にも十分なS/N
比、および記録の熱安定性が得られる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。但し、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。 (実験例1〜12)ハードディスク用アルミニウム基板
をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10-5
Pa以下に真空排気した。アルミニウム基板は表面にN
iPメッキが施されているものを使用した。基板はRa
約0.5nm、外径65mm、内径20mmであった。
【0034】基板上に(Co86Zr8Nb6)100-a
a(aは軟磁性層中の窒素の原子%)、または(Co86
Zr8Ta6)100-aaよりなる軟磁性層(膜厚200n
m)をアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスを用いた反応
性スパッタリング法により成膜した。アルゴンガス圧
は、約7.0×10-1Paに設定し、基板温度は室温で
行った。 アルゴンガスと窒素ガスの混合比率を変化さ
せることにより、軟磁性層中の窒素量(a)の異なる軟
磁性層を何種類か作製した。軟磁性層中の窒素量(a)
はオージェ電子分光法により測定した。
【0035】上記のように作製した軟磁性層の上に、カ
ーボン保護層(膜厚5nm)を、アルゴンガスを用いた
DC(直流)スパッタリング法を用いて成膜した。成膜
時のアルゴンガス分圧は約7.0×10-1Paに設定
し、基板温度は350℃に設定した。上記カーボン保護
層の上にフッ素系潤滑剤(Fomblin Z−Dol
2000:アウジモント社製)の潤滑剤層を形成し
た。
【0036】軟磁性層の保磁力はいずれも5Oe以下で
あった。作製した積層体(基板上に軟磁性層、カーボン
保護層および潤滑層を形成したもの)のノイズ特性を、
スピンスタンドを用いて以下の通り評価した。ヘッドと
してアルプス電気社製のGMRヘッドを用い、上記積層
体を回転速度4200rpmで回転し、ノイズ特性を測
定した。ノイズスペクトルは、1〜100MHzまでの
ものを取り込んだ。そして、ノイズスペクトルの積分強
度を周波数平均化し、そのrms値(自乗平均値)を取
ることによりノイズを求めた。表1および表2に各実験
例における軟磁性層の組成、窒素量(a)およびノイズ
をまとめて示した。
【0037】
【表1】 軟磁性層組成:(Co86Zr8Nb6)100-aa
【0038】
【表2】 軟磁性層組成:(Co86Zr8Ta6)100-aa 図1に軟磁性層中の窒素量(a)が0原子%の場合(実
験例1)と1.6原子%の場合(実験例4)のノイズス
ペクトルを示した。また、実験例1〜12について、軟
磁性層中の窒素量(a)とノイズの関係を図2に示し
た。 (実験例13、14)実験例1と同様の方法で組成が
(Co86Zr8Nb6)100-aaよりなる軟磁性層(膜厚
400nm)を設けた積層体を作成した。
【0039】軟磁性層中の窒素量(a)が0原子%(実
験例13)と1.6原子%(実験例14)の2種類作成
した。VSM(振動型磁力計)で、作製した積層体のM
−Hループ(積層体に外部磁場Hを印加したときの、外
部磁場Hと積層体の磁化Mの関係を示すループ)を測定
した結果を図3(実験例13)および図4(実験例1
4)に示す。軟磁性層中の窒素量(a)が0原子%(実
験例13)は、垂直磁気異方性を起源とした典型的な縞
状磁区構造のループを示しているが、軟磁性層中の窒素
量(a)が1.6原子%のもの(実験例14)は垂直磁
気異方性を示さないM−Hループを示している。 (実施例1および比較例1)実験例1と同様の方法で組
成が(Co84Zr8Nb6)100-aaよりなる軟磁性層
(膜厚200nm)を成膜した。軟磁性層中の窒素量
(a)が0原子%(比較例1)と1.6原子%(実施例
1)の2種類を作製した。
【0040】上記軟磁性層の上にTiよりなる第1中間
層(膜厚10nm)、Co63Cr37よりなる第2中間層
(膜厚5nm)、Co66Cr19Pt12B3よりなる磁気
記録層(膜厚20nm)、カーボン保護層(膜厚5n
m)を順次、DC(直流)スパッタリング法を用いて積
層した。この時のアルゴンガス圧は約7.0×10-1
a、基板温度は350℃で行った。
【0041】カーボン保護層の上にフッ素系潤滑剤(F
omblin Z−Dol 2000:アウジモント社
製)の潤滑剤層を形成し、磁気記録媒体を作製した。こ
のとき磁気記録媒体の保磁力は3300Oe、角形比は
0.78であり、軟磁性層中の窒素量(a)により違い
は見られなかった。作製した磁気記録媒体のS/N比
を、スピンスタンド、GMRヘッドを用い、磁気記録媒
体を4200rpmの回転数で回転し、ヘッド位置が磁
気記録媒体の半径位置22.55mmにおいて、以下の
方法で測定した。
【0042】記録周波数83.83MHz、記録電流4
0mAで信号を記録した時に得られるノイズスペクトル
の1〜100MHzの積分強度を周波数平均化してノイ
ズ電圧を求めた。このノイズ電圧のrms値(自乗平均
値)をノイズ出力とした。次に記録周波数15.72M
Hz、記録電流40mAで信号を記録した。この時得ら
れる再生信号の記録周波数(15.72MHz)におけ
る電圧をパワーに変換したものを記録信号とした。
【0043】上記のようにして求めた、記録信号出力を
ノイズ出力で割ることによりS/N比を求めた。この結
果、軟磁性層中の窒素量(a)が0原子%の磁気記録媒
体(比較例1)のS/N比は17.2dB、軟磁性層中
の窒素量(a)が1.6原子%の磁気記録媒体(実施例
1)のS/N比は19.8dBであった。
【0044】
【発明の効果】上記結果から明らかなように、軟磁性層
としてCo、Zrおよび窒素を含有した軟磁性層を用い
ることで低ノイズの磁気記録媒体が得られ、高いS/N
比を実現することが可能である。従って、本発明の磁気
記録媒体を用いた磁気記録装置は低ノイズでS/N比の
高い優れた記録再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1および2におけるノイズスペクトルを
示した図
【図2】実験例1〜12において軟磁性層中の窒素量と
ノイズの関係を示した図
【図3】実験例13における軟磁性層のM−Hループを
示した図
【図4】実験例14における軟磁性層のM−Hループを
示した図

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも軟磁性層および磁気
    記録層を形成した磁気記録媒体であって、該軟磁性層が
    Co、Zrおよび窒素を含有することを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】軟磁性層がCo、Zr、M(MはNb、T
    aより選ばれる一種以上の元素)および窒素を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】軟磁性層がCo(100-x-y)Zrxy(3≦
    x≦10、3≦y≦12)で表される組成からなり、且つ
    窒素を含有することを特徴とする請求項2に記載の磁気
    記録媒体。
  4. 【請求項4】軟磁性層の保磁力が10Oe以下である請
    求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】軟磁性層中の窒素量が0.5原子%以上、
    6原子%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の
    磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】磁気記録層が垂直磁化膜である請求項1乃
    至5のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気記
    録媒体と、磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部
    と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッド
    を磁気記録媒体に対して相対移動させる手段と、磁気ヘ
    ッドの記録信号入力と磁気ヘッドからの再生信号出力を
    行うための記録信号処理手段を有することを特徴とする
    磁気記録装置。
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US8691402B2 (en) 2004-01-09 2014-04-08 Fuji Electric Co., Ltd. Perpendicular magnetic recording medium

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