JP2003174430A - 回り込みキャンセラおよび多段中継方式 - Google Patents

回り込みキャンセラおよび多段中継方式

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JP2003174430A
JP2003174430A JP2002081208A JP2002081208A JP2003174430A JP 2003174430 A JP2003174430 A JP 2003174430A JP 2002081208 A JP2002081208 A JP 2002081208A JP 2002081208 A JP2002081208 A JP 2002081208A JP 2003174430 A JP2003174430 A JP 2003174430A
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    • H04B7/155Ground-based stations
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 親局波のマルチパスによる周波数特性の乱れ
の補償用と、回り込み波の打ち消し用に別のトランスバ
ーサルフィルタとを使用することによる、装置規模の増
大を抑える。 【解決手段】 減算器2と、減算器の減算端子に出力信
号を供給するトランスバーサルフィルタ3と、そのタッ
プ係数制御用のフィルタ係数生成回路4とで構成され回
り込み信号の複製を発生する信号処理部とを少なくとも
具え、上記減算器の被減算端子に回り込み信号を含む受
信OFDM信号が供給され、上記減算器の出力端子はマ
ルチパスキャンセル回路8を介して増幅器6の入力端子
に接続され、信号処理部の入力端子にマルチパスキャン
セル回路の出力信号が供給されるように構成するととも
に、マルチパスキャンセル回路の信号通過周波数帯域幅
を、回り込みループとキャンセラループのいずれの信号
通過周波数帯域幅をも超えないように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OFDM(Orthog
onal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分
割多重)方式によるデジタル放送やデジタル伝送におけ
る中継局(中継装置)に係り、特に、SFN(Single F
requency Network:単一周波数ネットワーク)における
放送波中継放送局の送受信アンテナ間での電波の回り込
み(以下、単に回り込みと言う)を除去するための回り
込みキャンセラ、およびその回り込みキャンセラを用い
たOFDM信号の中継局が複数段にわたって設置される
多段中継方式にに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、本発明者らの回り込みキャン
セラに関する発明には、以下の特許出願(出願順に、特
願平10−162189号、特願平11−98829
号、特願平11−147885号、特願平11−153
430号、特願平11−156234号、特願平11−
266567号、特願平11−353090号、および
特願2000−219277号)がある。
【0003】上記それぞれの特許出願について簡単に説
明するならば、それぞれ以下の通りである。 1.「回り込みキャンセラ」(特願平10−16218
9号) BST(Band Segmented Transmission)−OFDM用の
回り込みキャンセラの基本構成に関する発明 2.「OFDM復調装置」(特願平11−98829
号) OFDM復調時には、FFT処理の前に用いる矩形窓の
タイミング誤差により閉ループ伝達関数に誤差を生じる
が、この誤差を補正する発明 3.「回り込みキャンセラ」(特願平11−14788
5号) 複素除算による正規化手段を付加し、周波数同期回路へ
の要求条件を緩和する発明 4.「回り込みキャンセラ」(特願平11−15343
0号) 推定した回り込み波のインパルス応答において非線形処
理を施し、閉ループ伝達関数を周波数軸上で外挿する発
明 5.「回り込みキャンセラ」(特願平11−15623
4号) DQPSK−OFDMなどの差動変調方式において、位
相の逓倍により閉ループ伝達関数を求める発明
【0004】6.「回り込みキャンセラ」(特願平11
−266567号) ISDB−T(Integrated Services Digital Broardca
sting-Terrestrial)方式において、セグメント間で変調
方式が異なる場合の閉ループ伝達関数の推定方法に関す
る発明 7.「回り込みキャンセラ」(特願2000−1565
49号) トランスバーサルフィルのタップ係数を計算するにあた
り、計算による遅延時間の問題から回り込みの変動追従
特性が低下する。この問題に対して、過去のタップ係数
から線形予測を行い、現在のタップ係数を推定すること
で、回り込みの変動追従特性を向上させる発明 8.「回り込みキャンセラ」(特願2000−2192
77号) 回り込みキャンセラを構成する減算器の出力に狭帯域B
PFを挿入することで、OFDM信号帯域外の雑音の上
昇を防ぐとともに、親局波に含まれるマルチパスについ
ても、これを同時にキャンセルする発明
【0005】図9は、上述の特願2000−21927
7号の図1に記載されている回り込みキャンセラの一構
成例を示しているが、これについて簡単に説明するなら
ば、減算器2の出力側に狭帯域BPF5を接続し、その
出力をトランスバーサルフィルタ3に入力する。また、
トランスバーサルフィルタ3のタップ計数の制御は、フ
ィルタ計数生成回路4で発生させた計数を用いて行うよ
うにしている。
【0006】また、特願2000−219277号の図
7乃至10には、上記狭帯域BPF5に縦続して親局波
のマルチパスによる周波数特性の乱れの補償するための
マルチパスキャンセル回路を配置した実施形態が記載さ
れている。このマルチパスキャンセル回路は、減算器と
トランスバーサルフィルタ(回り込み波打ち消し用のも
のではない)とで構成され、さらに、このトランスバー
サルフィルタのタップ係数制御用のフィルタ係数生成回
路を専用のものとして、もしくは回り込み波の打ち消し
用トランスバーサルフィルタのものと共用で具えてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の特願2000−
219277号の出願明細書に記載の回り込みキャンセ
ラにおいては、狭帯域BPF5(本願図面の図9参照)
に加え、親局波のマルチパスによる周波数特性の乱れの
補償用のトランスバーサルフィルタと、回り込み波の打
ち消し用のトランスバーサルフィルタ3(本願図面の図
9参照)とを使用しており、これがため装置の規模が増
大するという問題があった。
【0008】また、 地上デジタルテレビ放送の放送方
式であるISDB−T(IntegratedServices Digital B
roadcasting - Terrestrial)やDVB−T(Digital V
ideo Broadcasting - Terrestrial )方式用の回り込
みキャンセラでは、OFDM信号の1シンボル内に12
キャリアごとに挿入されているSP(Scattered Pilot
)信号を使用して総合伝達関数の算出を行っている
(今村ほか、「地上デジタル放送SFNにおける放送波
中継用回り込みキャンセラの検討」映像情報メディア学
会誌、Vol.54,No.11, pp.1568-1575, 2000 を参照され
たい)。
【0009】ここで、離散的に挿入されているSP信号
は、シンボル方向に12キャリアおきに配置されている
ので、観測可能な回り込みやマルチパスの最大遅延時間
は、OFDM信号の有効シンボル長の1/12に制限さ
れ、その結果、遅延時間が有効シンボル長の1/12を
超える回り込み波やマルチパス波に対しては、回り込み
キャンセラが対応できないという問題があった。
【0010】一方、ISDB−TやDVB−T用の伝送
路特性を算出する手法として、4シンボル分のSP信号
を使ってシンボル方向に内挿する手法が報告されている
(林ほか、「OFDM復調における適応等化方式の検
討」映像情報学会技術報告、Vol.22,No.53, pp.55-60,
Oct.1996 を参照されたい)。
【0011】しかし、この手法を回り込みキャンセラの
閉ループ伝達関数の算出に用いると、有効シンボル長の
1/3までの遅延時間のインパルス応答が求められる
が、OFDM信号を4シンボル蓄積する必要があるため
処理が複雑化するとともにキャンセル動作の速度が低下
するという問題が生じた。
【0012】また、別の問題として、この種類の回り込
みキャンセラを具えた中継局の構成は、図10(a)に
よって示されるから、これら中継局を複数用い、SFN
において多段中継を実施する場合には、図10(b)に
示すように、回り込みキヤンセラが従属接続されること
になる。この場合、狭帯域BPF5やトランスバーサル
フィルタ3(いずれも本願図面の図9参照)などの適応
フィルタの係数更新タイミングが、各中継局において時
間軸上で一致すると、係数更新によるひずみが多段中継
により特定の時刻に蓄積するという問題もあった。
【00013】本発明の目的は、従来の回り込みキャン
セラが、親局波のマルチパスによる周波数特性の乱れの
補償と、回り込み波の打ち消しの両方にそれぞれトラン
スバーサルフィルタを使用していたため、装置規模が増
大するという問題があったのを解消し、また、遅延時間
が有効シンボル長の1/12を超える回り込み波やマル
チパス波に対しても対応することができるようにした新
規な回り込みキャンセラを提供するとともに、SFNに
おいて多段中継を実施する場合においても、係数更新に
よるひずみが特定の時刻に蓄積しないようにした多段中
継方式を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明回り込みキャンセラは、減算器と、該減算器
の減算端子にその出力信号が供給されるように実質的に
接続され、トランスバーサルフィルタと該フィルタのタ
ップ係数制御用の第1のフィルタ係数生成回路とで構成
された回り込み信号の複製を発生するための信号処理部
とを少なくとも具え、前記減算器の被減算端子に前記回
り込み信号を含んでいる受信OFDM信号が実質的に供
給され、前記減算器の出力端子にマルチパスキャンセル
回路を介して増幅器の入力端子が実質的に接続され、そ
して前記信号処理部の入力端子に前記マルチパスキャン
セル回路の出力信号が実質的に供給されるように構成す
るとともに、前記マルチパスキャンセル回路の信号通過
周波数帯域幅を、回り込みループとキャンセラループの
いずれの信号通過周波数帯域幅をも超えないように設定
したことを特徴とするものである。
【0015】また、本発明回り込みキャンセラは、前記
マルチパスキャンセル回路が、係数書き替えの可能な適
応フィルタによって構成され、第2のフィルタ係数生成
回路において検出した親局波のマルチパスによる周波数
特性の乱れに基づいて前記適応フィルタの係数を書き替
えることにより、マルチパスをキャンセルするようにし
たことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明回り込みキャンセラは、前記
第2のフィルタ係数生成回路に前記第1のフィルタ係数
生成回路を共用したことを特徴とするものである。
【0017】また、本発明回り込みキャンセラは、前記
第1のフィルタ係数生成回路が、ISDB−TまたはD
VD−T方式における隣隣接するシンボルを抽出し、該
抽出した隣隣接するシンボルをシンボル方向に内挿する
ことで時間間隔が半減したSP信号を得て、該得られた
SP信号からインパルス応答を求めるように構成されて
いることを特徴とするものである。
【0018】また、本発明多段中継方式は、本発明回り
込みキャンセラを用いたOFDM信号の中継局が複数段
にわたって設置される多段中継方式において、それぞれ
の中継局においては、OFDM信号のシンボル番号を検
出する回路と、中継段数に応じてどのタイミングで前記
適応フィルタの係数更新を行うかを設定する係数更新タ
イミング設定回路とを具え、前記第2のフィルタ係数生
成回路が、前段の中継局における係数更新のタイミング
とは異なるタイミングで前記適応フィルタの係数を更新
するようにしたことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照し、発明の
実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。図1
は、本発明回り込みキャンセラの第1の実施形態を示す
図である。図1(図2、図6および図8も同じ)に示さ
れる各回路要素には、それらが、図9(特願2000−
219277号に記載の回り込みキャンセラ)において
使用されているものと同一である場合には、同一の符号
を付して説明する。図1において、1は受信アンテナ、
2は減算器、3はトランスバーサルフィルタ、4はフィ
ルタ係数生成回路、6は増幅器、7は送信アンテナ、お
よび8はマルチパスキャンセル回路である。
【0020】本実施形態は、マルチパスキャンセル回路
8の出力端に設けた観測点Pの信号を使用して、トラン
スバーサルフィルタ3とマルチパスキャンセル回路8の
両方のフィルタの特性を制御する係数生成回路4を設け
た構成となっている。ここで、親局波のマルチパスによ
る周波数特性の乱れは係数書き替えの可能な適応フィル
タによって構成したマルチパスキャンセル回路8で補償
し、回り込み波の打ち消しはトランスバーサルフィルタ
3の出力信号を減算器2で入力OFDM信号から差し引
くことで行っている。
【0021】動作につき説明する。以下に、係数生成回
路4における係数演算方法について、数式を用いて説明
する。なお、この説明は、図1だけでなく、図2、図6
および図8のいずれの実施形態においても共通する。ま
ず、観測点PにおけるOFDM信号を有効シンボル長分
だけ抜き出してフーリエ変換した信号ベクトルの各成分
【外1】 で表すものとする。ここで、
【外2】 は、
【数1】 の範囲の整数でOFDMのキャリア番号を表している。
また、
【数2】 はOFDM信号の総キャリア数(ここでは、奇数に限
定)を表している。また、nは整数で、トランスバーサ
ルフィルタ3の係数更新時刻の番号を表す。ここで取り
扱う信号は特にことわらない限り、複素数の信号であ
る。
【0022】次に、パイロット信号
【外3】 との除算を時刻n毎に〔数2〕個の各成分について行っ
て、閉ループ伝達関数
【外4】 を求める。
【数3】 ただし、ISDB−Tなどの地上デジタル放送方式にお
けるパイロット信号(SP:Scattered Pilot )信号
は、キャリア方向およびシンボル方向に間欠的に挿入さ
れているため、SP信号が無い成分については直線内挿
をはじめとする内挿処理を行う。また、SP信号が挿入
されない差動変調方式については、上述の「回り込みキ
ヤンセラ」(特願平11−156234号)を参照され
たい。
【0023】次に、閉ループ伝達関数〔外4〕から、キ
ャンセル残差
【外5】 を求める。
【数4】
【0024】ただし、
【外6】 は、〔外5〕において次式の演算を行って求める。
【数5】
【0025】次に、ベクトルの成分〔外5〕からなるキ
ャンセル残差ベクトル
【外7】 に対してIFFT( Inverse Fast Fourier Transform
)を施し、インパルス応答ベクトル
【外8】 に変換する。
【数6】 ただし、IFFTを用いるためには、ベクトル〔外7〕
の次元を総キャリア数〔数2〕よりも大きい2のべき乗
の数字の次元のベクトルに変換する必要がある。この場
合、OFDMのキャリア以外の位置には、零ベクトルを
挿入する。
【0026】OFDM信号帯域外の雑音上昇を防ぎ、回
り込みのD/Uが負の条件にも対応するようにするた
め、ベクトル〔外8〕の各成分
【外9】 について非線形処理を行う。非線形処理後のインパルス
応答ベクトルの成分を
【外10】 とすれば、
【数7】 ここで、
【外11】 は、種々の誤差を考慮して決められる定数である。
【0027】いま、回り込み除去用のトランスバーサル
フィルタ3(図1参照)として有限長のFIR( Finit
e Impulse Respons )フィルタ(以下、FIR−Aと記
す)を使用することとし、そののタップ長を
【外12】 とする。
【0028】マルチパスキャンセル回路8(図1参照)
としてもFIRフィルタ(以下、FIR−Bと記す)を
用いることとし、そのタップ長を
【外13】 タップ(奇数)とする。また、その中心タップを
【外14】 タップに設定する。この場合は、FIR−A(トランス
バーサルフィルタ3)のタップ係数(回り込み波除去用
係数)
【外15】 は次式で更新することができる。ここに、
【外16】 は更新係数(実数)である。
【0029】
【数8】 以上が、回り込み波の除去に関する説明である。
【0030】次に、親局波のマルチパスによる周波数特
性乱れの補償について説明する。マルチパスキャンセル
回路8(図1参照)としてもFIRフィルタを用いてい
るため、上述の(1),( 3)式を用いてFIR−Bに
与える周波数特性
【外17】 を求める。
【数9】
【0031】次に、ベクトルの要素〔外17〕からなる
マルチパスキャンセルのための逆特性ベクトル
【外18】 に対してIFFTを施し、マルチパスキャンセルのため
のインパルス応答ベクトル
【外19】 に変換する。
【数10】 ただし、IFFTを用いるためには、〔外18〕の次元
を総キャリア数〔数2〕よりも大きい2 のべき乗の数字
の次元のベクトルに変換する必要がある。
【0032】この場合、OFDMのキャリア以外の位置
には、零ベクトルを挿入する。この零ベクトルの挿入に
より、FIR−Bに対し、バンドパスフィルタの特性を
与えることになる。ベクトル〔外19〕の各成分を
【外20】 とすれば、FIR−B(マルチパスキャンセル回路8)
のタップ係数
【外21】 は次式で更新することができる。ただし、
【外22】 は更新係数(実数)である。
【数11】
【0033】ここに、(11)式の
【外23】 は、FIR−Bの係数を有限長のタップに制限するため
の矩形窓関数である。〔外23〕として、ハミング窓や
カイザー窓などの適当な窓関数を採用することで、マル
チパスキャンセル回路8の通過持性を調整することがで
きる。
【0034】以上が、図1、図2、図6および図8に示
す各実施形態における回り込みキヤンセラのフィルタ係
数生成回路4(図6の場合、フィルタ係数生成回路4−
1,4−2)の係数演算手法である。また、図2に示す
実施形態(第2の実施形態)は、観測点Pの位置が増幅
器6の出力側になったことだけが、図1の場合と異なっ
ている。
【0035】次に、本発明のもう1つの解決すべき課題
である、遅延時間が有効シンボル長の1/12を超える
回り込み波やマルチパス波に対しては、従来の回り込み
キャンセラでは対応できなかったのを解決した部分につ
いて説明する。本発明では、図1また2に示すトランス
バーサルフィルタ3やマルチパスキャンセル回路を制御
するための係数生成回路4のみが従来と異なるので、こ
の部分についてのみ説明する。
【0036】図3は、本発明回り込みキャンセラを構成
するための係数生成回路4(図1,2参照)の一実施形
態を示す図である。図3において、11はFFT回路、
12はSP信号抽出回路、13は隣隣接シンボル間の内
挿回路−II、14はSP信号発生回路、15は隣隣接シ
ンボル間の内挿回路−I、16は複素除算回路、17は
キャンセル残差計算回路、18はIFFT回路、および
19は逐次係数更新回路である。
【0037】動作につき説明する。まず、SP信号の抽
出について説明する。図3において、観測点Pから供給
されたOFDM信号は、FFT回路11においてFFT
され、SP信号を抽出するSP信号抽出回路12に供給
される。OFDM信号の総キャリア数をKとし、ここ
で、Kは奇数とする。また、OFDM信号の任意のキャ
リア番号をkとすると、kの範囲は 0≦k≦K−1 となる。また、OFDM信号の任意のシンボル番号(時
刻)をiとする。
【0038】図4は、周波数領域におけるSP信号のフ
ォーマットを示している。このフォーマットは、pを任
意の正の整数、kpをSPキャリアの位置とすると、S
Pキャリアの位置は次式で定義され、ここに、k=kp
の条件を満たすkpの値がSPキャリアのキャリア番号
である。 kp=3×(imod4)+12p (12) ここで、(imod4)は、シンボル番号iを4で除算
した余りを示している。図3中のSP信号抽出回路12
においては、k=kpの条件を満たすSPキャリア(S
P信号)を抽出するようにしている。
【0039】図5(a),(b),(c)は、隣隣接す
る(間1つおいて隣接するの意味)2シンボルを抽出す
ることにより、SP信号の内挿が行えることを示してい
る。まず、OFDM信号から隣隣接する2シンボルを抽
出する(図5(a))。次に、抽出した2シンボルをシ
ンボル方向に内挿して(図5(b))1シンボルにまと
める(図5(c))と、6キャリアごとにSP信号が配
置された信号が得られる。
【0040】以下に、この手法を本発明回り込みキャン
セラに適用した場合について、数式を用いて詳細に説明
する。シンボル番号iにおける真のSP信号を
【外24】 で表すものとする。ここで、〔外24〕は複素数であ
る。真のSP信号の値は、ISDB−TやDVB−T等
の規格によって決められている値であるので、本発明で
は、その規格化された真のSP信号の値を図3に示すS
P信号発生回路14中のメモリ素子に予め記憶してお
き、シンボル番号iとキャリア番号kの値に応じて順次
読み出して隣接シンボル間の内挿回路−I15に供給す
る。
【0041】ここで、シンボル番号i−2におけるSP
信号は、シンボル番号iにおけるSP信号を基準に考え
ると、
【外25】 で表される。図3に示す隣隣接シンボル間の内挿回路−
I15において、これら2シンボル(シンボル番号i−
2とシンボル番号i)を使った内挿が行われる。内挿後
のSP信号(複素数)を
【外26】 で表すものとすると、内挿処理は次式で表される。
【数12】 ここで、
【外27】 は転置ベクトルを表している。このように、隣隣接する
2シンボルを用いてSP信号を内挿することで、12キ
ャリアごとに挿入されているSP信号から6キャリアご
とに挿入されているSP信号になる。つまり、時間間隔
が半減される。
【0042】ここで、ベクトル〔外26〕の要素の数を
Nsp(i)と定義しておく。Nsp(i)は、シンボ
ル番号iのSPキャリアの数とシンボル番号i−2にお
けるSPキャリアの数の和である。
【0043】次に、図3に示す隣隣接シンボル間の内挿
回路−II13の動作について説明する。シンボル番号i
における観測点PのOFDM信号は、前述したように、
FFT回路11およびSP信号抽出回路12において、
それぞれFFTおよびSP信号抽出が行われた後、隣隣
接シンボル間の内挿回路−II13に供給され、隣隣接す
るシンボル間で内挿が行われる。内挿出力信号を
【外28】 で表すものとすると、内挿処理は次式で表される。
【数13】
【0044】以上により得られたベクトル〔外26〕と
ベクトル〔外28〕を複素除算回路16に供給して要素
ごとに複素除算を行い、総合伝達関数
【外29】 を、次式から要素ごとに求める。
【数14】
【0045】求めた総合伝達関数〔外29〕をキャンセ
ル残差計算回路17に供給してキャンセル残差ベクトル
を求める。以下に、キャンセル残差計算回路17内で行
われる処理を、(16)式乃至(20)式を用いて説明
する。まず、表記の都合上、総合伝達関数〔外29〕を
要素とする総合伝達関数ベクトル
【外30】 を表す式として、次式を定義する。
【数15】
【0046】次に、総合伝達関数ベクトル〔外30〕の
基本波成分
【外31】 を求めるため、次式に示すように、総合伝達関数ベクト
ル〔外30〕と単位ベクトル
【外32】 との内積を計算し、その計算した内積をさきに定義した
ベクトルの要素数をNsp(i)で除算する。
【数16】 ここで、単位ベクトル〔外32〕は、
【数17】 である。
【0047】次に、要素ごとに演算を行い、キャンセル
残差
【外33】 を次式から求める。
【数18】 ここで、表記の都合上、キャンセル残差〔外33〕を要
素とするキャンセル残差ベクトル
【外34】 を次式から求める。
【数19】
【0048】以上により求められたキャンセル残差ベク
トル〔外34〕を図3に示すIFFT回路18に供給し
てIFFTし、インパルス応答ベクトル
【外35】 を次式から求める。
【数20】
【0049】求めたインパルス応答ベクトル〔外35〕
を図3に示す逐次係数更新回路19を介してトランスバ
ーサルフィルタ3やマルチパスキャンセル回路8(図
1,2参照)に供給し、トランスバーサルフィルタやマ
ルチパスキャンセル回路の係数更新を逐次的に行う。逐
次係数更新回路19の動作については、本願人の出願に
係る公開特許公報、特開2001-237749 号(従来技術に記
載の、特願2000-156549号に対応する)に詳細に説明さ
れているので、ここでは、その説明を省略する。
【0050】図6は、親局波のマルチパスによる周波数
特性の乱れの補償と、回り込み波の打ち消しの両方を行
うようにした本発明回り込みキャンセラの第3の実施形
態を示している。本実施形態においては、マルチパスキ
ャンセル回路8とトランスバーサルフィルタ3とで観測
点が異なる(前者では観測点B、後者では観測点A)た
め、それぞれフィルタ係数生成回路4−1および4−2
において各観測点の信号を独立にFFTし、FIR−B
(マルチパスキャンセル回路8)とFIR−A(トラン
スバーサルフィルタ3)をそれぞれ独立に係数の制御を
行うようにしている。
【0051】また、図8の場合は、本発明回り込みキヤ
ンセラを以下に説明する本発明による多段中継方式に使
用するのに適するような構成にしたものであって、基本
的には、図1の場合と変わらない。
【0052】次に、本発明多段中継方式を、図7(a)
乃至(e)を用いて説明する。地上デジタルテレビ放送
の放送方式であるISDB−T方式やDVB−T方式
は、OFDM方式を採用している。送出されるOFDM
シンボルは、シンボル番号に基づいて順次送出されてい
る。この様子が図7(a)に示されている。図中、iは
シンボル番号を表し、時間軸上でOFDMシンボルが順
次送出されている。
【0053】本発明者らの発明に係る特願2000−2
19277号「回り込みキャンセラ」では、OFDM信
号をもとにトランスバーサルフィルタの係数を逐次書き
換えていくことにより、回り込みのキャンセルを行って
いる。この係数書き換えのタイミングはシンボル区間の
先頭で行うのが一般的である。
【0054】図10に示すように多段中継の場合、複数
の回り込みキヤンセラが従属接続されることになり、も
し、これら回り込みキヤンセラの係数書き換えのタイミ
ングが各中継局間で一致すると、係数書き換えによるひ
ずみが時間軸上の特定に位置に集中し、中継特性に劣化
を生じる。
【0055】本発明多段中継方式は、係数書き換えのタ
イミングを1段目の中継局、2段目の中継局というよう
に中継局ごとに時間軸上でずらすことにより、係数書き
換えによるひずみが時間軸上の特定に位置に集中しない
ようにし、もって中継特性の劣化を防止したものであ
る。
【0056】本発明多段中継方式の一実施形態として
は、図7(b)から(e)に示すように、中継されるO
FDM信号のシンボルタイミングに同期して、従属接続
となる回り込みキヤンセラの係数更新タイミングを時間
軸上で順次変えるようにしている。すなわち、中継段数
に従って順次、係数更新タイミングを1 シンボルずつず
らしていくようにしている。しかし、これは、係数更新
タイミングを1 シンボルずつずらことが必要なのではな
く、例えば、係数更新タイミングの順番を入れ替えるな
どして、係数更新タイミングが一致しないようにさえす
れば、本発明による効果が得られることは言うまでもな
い。
【0057】図8は、本発明多段中継方式を実施するた
めに、シンボル番号検出部9と係数更新タイミング設定
部10を具え、シンボル番号検出と係数更新タイミング
の設定を可能とした回り込みキヤンセラの一構成例であ
る。係数更新タイミング設定部10では、中継段数に応
じてどのタイミングで係数更新を行うかを設定すること
ができる。
【0058】
【発明の効果】本発明回り込みキヤンセラによれば、マ
ルチパスキャンセルのための専用のトランスバーサルフ
ィルタを不要とし、これにより回り込みキヤンセラの回
路規模を削減することができる。
【0059】また、本発明回り込みキヤンセラによれ
ば、総合伝達関数の算出を行うのに使用するSP信号
を、隣隣接するシンボルをシンボル方向に内挿すること
で6キャリアごとのSP信号とし、その結果、有効シン
ボル長の1/6までの回り込み波やマルチパス波に対し
ても対応することができる(従来は、有効シンボル長の
1/12までであった)。
【0060】また、本発明多段中継方式によれば、回り
込みキヤンセラが多段接続となる多段中継時において、
各段の回り込みキヤンセラの計数更新時の劣化が特定の
時間に集中することを廻避でき、伝送時のバーストエラ
ーの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明回り込みキヤンセラの第1の実施形態
を示す図である。
【図2】 本発明回り込みキヤンセラの第2の実施形態
を示す図である。
【図3】 本発明回り込みキャンセラを構成するための
係数生成回路の一実施形態を示す図である。
【図4】 周波数領域におけるSP信号のフォーマット
を示している。
【図5】 隣隣接する2シンボルを抽出することによ
り、SP信号の内挿が行えることを示している。
【図6】 本発明回り込みキヤンセラの第3の実施形態
を示す図である。
【図7】 本発明多段中継方式を説明する図である。
【図8】 本発明多段中継方式を実施するために、シン
ボル番号検出部と係数更新タイミング設定部を具え、シ
ンボル番号検出と係数更新タイミングの設定を可能とし
た回り込みキヤンセラの一構成例を示す図である。
【図9】 特願2000−219277号の添付図面に
記載されている回り込みキャンセラの一構成例を示す図
である。
【図10】 SFNにおいて多段中継を実施する場合を
示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ 2 減算器 3 トランスバーサルフィルタ 4,4−1,4−2 フィルタ係数生成回路 5 狭帯域BPF 6 増幅器 7 送信アンテナ 8 マルチパスキャンセル回路 9 シンボル番号検出回路 10 係数更新タイミング設定回路 11 FFT回路 12 SP信号抽出回路 13 隣隣接シンボル間の内挿回路−II 14 SP信号発生回路 15 隣隣接シンボル間の内挿回路−I 16 複素除算回路 17 キャンセル残差計算回路 18 IFFT回路 19 逐次係数更新回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澁谷 一彦 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5K022 DD01 DD13 DD33 5K046 AA05 BB03 HH11 HH53 5K072 AA04 AA19 BB01 BB14 BB27 CC02 CC03 CC13 CC33 DD16 DD17 FF13 GG10 GG14 GG22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減算器と、該減算器の減算端子にその出
    力信号が供給されるように実質的に接続され、トランス
    バーサルフィルタと該フィルタのタップ係数制御用の第
    1のフィルタ係数生成回路とで構成された回り込み信号
    の複製を発生するための信号処理部とを少なくとも具
    え、前記減算器の被減算端子に前記回り込み信号を含ん
    でいる受信OFDM信号が実質的に供給され、前記減算
    器の出力端子にマルチパスキャンセル回路を介して増幅
    器の入力端子が実質的に接続され、そして前記信号処理
    部の入力端子に前記マルチパスキャンセル回路の出力信
    号が実質的に供給されるように構成するとともに、前記
    マルチパスキャンセル回路の信号通過周波数帯域幅を、
    回り込みループとキャンセラループのいずれの信号通過
    周波数帯域幅をも超えないように設定したことを特徴と
    する回り込みキャンセラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回り込みキャンセラにお
    いて、前記マルチパスキャンセル回路は、係数書き替え
    の可能な適応フィルタによって構成され、第2のフィル
    タ係数生成回路において検出した親局波のマルチパスに
    よる周波数特性の乱れに基づいて前記適応フィルタの係
    数を書き替えることにより、マルチパスをキャンセルす
    るようにしたことを特徴とする回り込みキャンセラ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の回り込みキャンセラにお
    いて、前記第2のフィルタ係数生成回路に前記第1のフ
    ィルタ係数生成回路を共用したことを特徴とする回り込
    みキャンセラ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の回
    り込みキャンセラにおいて、前記第1のフィルタ係数生
    成回路は、ISDB−TまたはDVD−T方式における
    隣隣接するシンボルを抽出し、該抽出した隣隣接するシ
    ンボルをシンボル方向に内挿することで時間間隔が半減
    したSP信号を得て、該得られたSP信号からインパル
    ス応答を求めるように構成されていることを特徴とする
    回り込みキャンセラ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の回
    り込みキャンセラを用いたOFDM信号の中継局が複数
    段にわたって設置される多段中継方式において、それぞ
    れの中継局においては、OFDM信号のシンボル番号を
    検出する回路と、中継段数に応じてどのタイミングで前
    記適応フィルタの係数更新を行うかを設定する係数更新
    タイミング設定回路とを具え、前記第2のフィルタ係数
    生成回路が、前段の中継局における係数更新のタイミン
    グとは異なるタイミングで前記適応フィルタの係数を更
    新するようにしたことを特徴とする多段中継方式。
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