JP2003201524A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents
廃棄物の処理方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 飛灰等の廃棄物から鉛及び亜鉛を分別して除
去することができ、また、酸等の薬剤の使用量を大幅に
削減することができ、さらに、セメント原料(炭酸カル
シウム)を得ることができる廃棄物の処理方法を提供す
る。 【解決手段】 廃棄物と、カルシウムイオンを含む溶液
を混合してスラリーを得た後、固液分離して、亜鉛を含
む固形分と、鉛を含む水溶液を得る工程(A)と、鉛を
含む水溶液に硫化剤を添加した後、固液分離して、硫化
鉛と、カルシウムイオンを含む溶液を得る工程(B)
と、亜鉛を含む固形分と、カルシウムイオンを含む溶液
を混合してスラリーを得た後、スラリーを炭酸ガスと接
触させ、次いで塩酸を加え、更に固液分離して、炭酸カ
ルシウムと、亜鉛を含む水溶液を得る工程(C)と、亜
鉛を含む水溶液に、硫化剤を添加した後、固液分離し
て、硫化亜鉛と、カルシウムイオンを含む水溶液を得る
工程(D)とを含む。
去することができ、また、酸等の薬剤の使用量を大幅に
削減することができ、さらに、セメント原料(炭酸カル
シウム)を得ることができる廃棄物の処理方法を提供す
る。 【解決手段】 廃棄物と、カルシウムイオンを含む溶液
を混合してスラリーを得た後、固液分離して、亜鉛を含
む固形分と、鉛を含む水溶液を得る工程(A)と、鉛を
含む水溶液に硫化剤を添加した後、固液分離して、硫化
鉛と、カルシウムイオンを含む溶液を得る工程(B)
と、亜鉛を含む固形分と、カルシウムイオンを含む溶液
を混合してスラリーを得た後、スラリーを炭酸ガスと接
触させ、次いで塩酸を加え、更に固液分離して、炭酸カ
ルシウムと、亜鉛を含む水溶液を得る工程(C)と、亜
鉛を含む水溶液に、硫化剤を添加した後、固液分離し
て、硫化亜鉛と、カルシウムイオンを含む水溶液を得る
工程(D)とを含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却設備から排出
される煤塵等の廃棄物の中から、鉛及び亜鉛を分別して
除去し、これらの重金属を有用な鉱物資源として利用す
るとともに、鉛、亜鉛、塩化物イオンの含有量の少ない
良質なセメント原料(炭酸カルシウム)を得るための廃
棄物の処理方法に関する。
される煤塵等の廃棄物の中から、鉛及び亜鉛を分別して
除去し、これらの重金属を有用な鉱物資源として利用す
るとともに、鉛、亜鉛、塩化物イオンの含有量の少ない
良質なセメント原料(炭酸カルシウム)を得るための廃
棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、焼却飛灰、溶融飛灰等の煤塵や、
都市ゴミ等の焼却灰の量が著しく増加している。一方、
環境保護等の観点から、重金属等を多く含む煤塵等の廃
棄物に関し、その量の削減や、重金属の除去等が求めら
れている。一方、鉛、亜鉛等の重金属は、分別して回収
すれば、廃棄物として処分せずに、非鉄精錬所において
有用な鉱物資源として利用することができる。このよう
な事情の下に、煤塵等の廃棄物から鉛、亜鉛等の重金属
を分別して除去し、回収する方法が、種々提案されてい
る。例えば、特開2000−281398号公報には、
都市ゴミ焼却灰等の廃棄物を硫酸浸出して、該廃棄物に
含まれる銅および亜鉛を液中に溶出させて分離するとと
もに、この硫酸浸出残渣をpH13.5以上でアルカリ
浸出することによって、残渣中の鉛を液中に溶出させて
分離し、かつ、残渣中の石膏を水酸化カルシウムに転じ
てセメント原料化する廃棄物処理方法が、記載されてい
る。
都市ゴミ等の焼却灰の量が著しく増加している。一方、
環境保護等の観点から、重金属等を多く含む煤塵等の廃
棄物に関し、その量の削減や、重金属の除去等が求めら
れている。一方、鉛、亜鉛等の重金属は、分別して回収
すれば、廃棄物として処分せずに、非鉄精錬所において
有用な鉱物資源として利用することができる。このよう
な事情の下に、煤塵等の廃棄物から鉛、亜鉛等の重金属
を分別して除去し、回収する方法が、種々提案されてい
る。例えば、特開2000−281398号公報には、
都市ゴミ焼却灰等の廃棄物を硫酸浸出して、該廃棄物に
含まれる銅および亜鉛を液中に溶出させて分離するとと
もに、この硫酸浸出残渣をpH13.5以上でアルカリ
浸出することによって、残渣中の鉛を液中に溶出させて
分離し、かつ、残渣中の石膏を水酸化カルシウムに転じ
てセメント原料化する廃棄物処理方法が、記載されてい
る。
【0003】また、特開平6−170354号公報に
は、焼却炉等から発生する重金属を含む飛灰の処理方法
であって、該飛灰に鉱酸を添加し、pH3以下で溶解す
ることによって、鉛以外の重金属を溶出させ、かつ、鉛
を含む残渣を濾別する第一工程と、該第一工程で得られ
た濾液に中和剤を添加し、pH7以上に中和して、亜鉛
を主とする重金属の水酸化物の沈澱物を生成させ、この
沈澱物を濾別する第二工程からなる飛灰の処理方法が、
記載されている。
は、焼却炉等から発生する重金属を含む飛灰の処理方法
であって、該飛灰に鉱酸を添加し、pH3以下で溶解す
ることによって、鉛以外の重金属を溶出させ、かつ、鉛
を含む残渣を濾別する第一工程と、該第一工程で得られ
た濾液に中和剤を添加し、pH7以上に中和して、亜鉛
を主とする重金属の水酸化物の沈澱物を生成させ、この
沈澱物を濾別する第二工程からなる飛灰の処理方法が、
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の技術では、
廃棄物から亜鉛等の重金属を溶出させるために、多量の
酸(例えば、硫酸)が必要である。特に、廃棄物中のカ
ルシウムの含有率が高く、かつ、重金属を溶出させるた
めの酸として硫酸を用いた場合には、廃棄物中に含まれ
るカルシウムが硫酸と反応して、難溶性の硫酸カルシウ
ムが生成するため、亜鉛等の重金属を溶出させるために
は、カルシウムが存在しない場合と比べてより多くの硫
酸を加えなければならないという問題がある。
廃棄物から亜鉛等の重金属を溶出させるために、多量の
酸(例えば、硫酸)が必要である。特に、廃棄物中のカ
ルシウムの含有率が高く、かつ、重金属を溶出させるた
めの酸として硫酸を用いた場合には、廃棄物中に含まれ
るカルシウムが硫酸と反応して、難溶性の硫酸カルシウ
ムが生成するため、亜鉛等の重金属を溶出させるために
は、カルシウムが存在しない場合と比べてより多くの硫
酸を加えなければならないという問題がある。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みて、廃
棄物(特に、カルシウム分を多く含む煤塵等)から鉛及
び亜鉛を分別して回収し、有用な鉱物資源を得ることが
できるとともに、廃棄物の処理工程で必要な酸等の薬剤
の使用量を大幅に削減することができ、さらには、鉛、
亜鉛、塩化物イオンの含有量の少ない良質のセメント原
料(炭酸カルシウム)を得ることができる廃棄物の処理
方法を提供することを目的とする。
棄物(特に、カルシウム分を多く含む煤塵等)から鉛及
び亜鉛を分別して回収し、有用な鉱物資源を得ることが
できるとともに、廃棄物の処理工程で必要な酸等の薬剤
の使用量を大幅に削減することができ、さらには、鉛、
亜鉛、塩化物イオンの含有量の少ない良質のセメント原
料(炭酸カルシウム)を得ることができる廃棄物の処理
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定の脱鉛工程及び
鉛回収工程と、特定の脱亜鉛工程及び亜鉛回収工程を組
み合わせて、煤塵等の廃棄物を処理することによって、
上記課題を達成することができることを見い出し、本発
明を完成した。
解決するために鋭意検討した結果、特定の脱鉛工程及び
鉛回収工程と、特定の脱亜鉛工程及び亜鉛回収工程を組
み合わせて、煤塵等の廃棄物を処理することによって、
上記課題を達成することができることを見い出し、本発
明を完成した。
【0007】すなわち、本願請求項1に記載の廃棄物の
処理方法は、亜鉛及び鉛を含む廃棄物と、カルシウムイ
オンを含む水溶液とを混合してスラリーを得た後、該ス
ラリーを固液分離して、亜鉛を含む固形分と、鉛及びカ
ルシウムイオンを含む水溶液を得る脱鉛工程(A)と、
上記脱鉛工程(A)で得られた上記鉛及びカルシウムイ
オンを含む水溶液に硫化剤(例えば、NaHS)を添加した
後、固液分離して、鉛を含む固形分(PbS)と、カルシ
ウムイオンを含む水溶液を得る鉛回収工程(B)と、上
記脱鉛工程(A)で得られた上記亜鉛を含む固形分と、
カルシウムイオンを含む水溶液とを混合してスラリーを
得た後、該スラリーを炭酸ガスと接触させ、次いで、塩
酸を加え、その後、固液分離して、炭酸カルシウムを含
む固形分と、亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液を
得る脱亜鉛工程(C)と、上記脱亜鉛工程(C)で得ら
れた上記亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液に、硫
化剤(例えば、NaHS)を添加した後、固液分離して、亜
鉛を含む固形分(ZnS)と、カルシウムイオンを含む水
溶液を得る亜鉛回収工程(D)とを含むことを特徴とす
る。
処理方法は、亜鉛及び鉛を含む廃棄物と、カルシウムイ
オンを含む水溶液とを混合してスラリーを得た後、該ス
ラリーを固液分離して、亜鉛を含む固形分と、鉛及びカ
ルシウムイオンを含む水溶液を得る脱鉛工程(A)と、
上記脱鉛工程(A)で得られた上記鉛及びカルシウムイ
オンを含む水溶液に硫化剤(例えば、NaHS)を添加した
後、固液分離して、鉛を含む固形分(PbS)と、カルシ
ウムイオンを含む水溶液を得る鉛回収工程(B)と、上
記脱鉛工程(A)で得られた上記亜鉛を含む固形分と、
カルシウムイオンを含む水溶液とを混合してスラリーを
得た後、該スラリーを炭酸ガスと接触させ、次いで、塩
酸を加え、その後、固液分離して、炭酸カルシウムを含
む固形分と、亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液を
得る脱亜鉛工程(C)と、上記脱亜鉛工程(C)で得ら
れた上記亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液に、硫
化剤(例えば、NaHS)を添加した後、固液分離して、亜
鉛を含む固形分(ZnS)と、カルシウムイオンを含む水
溶液を得る亜鉛回収工程(D)とを含むことを特徴とす
る。
【0008】このように構成すれば、廃棄物から鉛及び
亜鉛を分別して除去し回収して、有用な鉱物資源を得る
ことができる。廃棄物中に含まれる塩素分(塩化物イオ
ン)も、ほとんどが溶液中に溶出し、除去される。ま
た、本発明の方法の全工程中、酸(具体的には塩酸)
は、脱亜鉛工程(C)で炭酸ガスの供給後に添加される
だけであり、使用量が少なくてすむ。鉛の溶出に用いら
れるカルシウムイオンも、本発明の方法の全工程中で繰
り返し循環して用いられるので、使用量が少なくてす
む。さらに、廃棄物中のカルシウム分は、鉛、亜鉛、塩
化物イオンをほとんど含まない炭酸カルシウムとして回
収されるため、セメントの原料として好適に使用するこ
とができる。
亜鉛を分別して除去し回収して、有用な鉱物資源を得る
ことができる。廃棄物中に含まれる塩素分(塩化物イオ
ン)も、ほとんどが溶液中に溶出し、除去される。ま
た、本発明の方法の全工程中、酸(具体的には塩酸)
は、脱亜鉛工程(C)で炭酸ガスの供給後に添加される
だけであり、使用量が少なくてすむ。鉛の溶出に用いら
れるカルシウムイオンも、本発明の方法の全工程中で繰
り返し循環して用いられるので、使用量が少なくてす
む。さらに、廃棄物中のカルシウム分は、鉛、亜鉛、塩
化物イオンをほとんど含まない炭酸カルシウムとして回
収されるため、セメントの原料として好適に使用するこ
とができる。
【0009】上記廃棄物の処理方法において、上記鉛回
収工程(B)で得られる上記カルシウムイオンを含む水
溶液は、上記脱亜鉛工程(C)における上記カルシウム
イオンを含む水溶液として用いることができる(請求項
2)。このように構成すれば、カルシウムイオンを含む
水溶液を、無駄なく有効に利用することができる。上記
廃棄物の処理方法において、上記亜鉛回収工程(D)で
得られる上記カルシウムイオンを含む水溶液は、上記脱
鉛工程(A)における上記カルシウムイオンを含む水溶
液として用いることができる(請求項3)。このように
構成すれば、カルシウムイオンを含む水溶液を、本発明
の処理方法の工程全体に亘って、循環させて繰り返し使
用することができる。
収工程(B)で得られる上記カルシウムイオンを含む水
溶液は、上記脱亜鉛工程(C)における上記カルシウム
イオンを含む水溶液として用いることができる(請求項
2)。このように構成すれば、カルシウムイオンを含む
水溶液を、無駄なく有効に利用することができる。上記
廃棄物の処理方法において、上記亜鉛回収工程(D)で
得られる上記カルシウムイオンを含む水溶液は、上記脱
鉛工程(A)における上記カルシウムイオンを含む水溶
液として用いることができる(請求項3)。このように
構成すれば、カルシウムイオンを含む水溶液を、本発明
の処理方法の工程全体に亘って、循環させて繰り返し使
用することができる。
【0010】上記脱亜鉛工程(C)において、上記炭酸
ガスの供給源は、例えば、炭酸ガスを含有する排気ガス
を発生する装置である(請求項4)。このように構成す
れば、本方法の処理対象である廃棄物(例えば、ゴミの
焼却の際に生じる焼却飛灰)を発生させる装置(例え
ば、ゴミの焼却設備)から排出される排気ガスを有効に
利用することができる。上記脱鉛工程(A)において、
上記スラリーのpHは、好ましくは9〜11.5に調整され
る(請求項5)。苛性ソーダ等のアルカリ剤を用いて、
この数値範囲内にpHを調整することによって、例え
ば、廃棄物中のカルシウム分の含有率が低く、pHの調
整を行なわないとスラリーのpHが6程度になるような
場合であっても、鉛の溶出率を高くすることができる。
上記脱鉛工程(A)及び上記脱亜鉛工程(C)で用いら
れる上記カルシウムイオンを含む水溶液は、各々、好ま
しくは、45,000〜160,000mg/Lのカルシウムイオンを含
む(請求項6)。このように、カルシウムイオンの含有
率を45,000mg/L以上に調整することによって、鉛を十分
に溶出させることができ、かつ、該含有率を160,000mg/
L以下に調整することによって、脱鉛工程(A)におい
て鉛分と共に亜鉛分が溶出することがなく、また、カル
シウムイオンの供給源として塩化カルシウムを用いた場
合に、固形分に付着する塩化物イオンの量が過大になる
のを回避することができる。上記脱亜鉛工程(C)で得
られる上記炭酸カルシウムを含む固形分は、セメントの
原料として用いることができる(請求項7)。すなわ
ち、本発明の方法で得られる炭酸カルシウムは、鉛、亜
鉛、塩化物イオンといったセメントの品質に悪影響を与
える成分をほとんど含まないので、セメントの原料とし
て好適に用いることができる。
ガスの供給源は、例えば、炭酸ガスを含有する排気ガス
を発生する装置である(請求項4)。このように構成す
れば、本方法の処理対象である廃棄物(例えば、ゴミの
焼却の際に生じる焼却飛灰)を発生させる装置(例え
ば、ゴミの焼却設備)から排出される排気ガスを有効に
利用することができる。上記脱鉛工程(A)において、
上記スラリーのpHは、好ましくは9〜11.5に調整され
る(請求項5)。苛性ソーダ等のアルカリ剤を用いて、
この数値範囲内にpHを調整することによって、例え
ば、廃棄物中のカルシウム分の含有率が低く、pHの調
整を行なわないとスラリーのpHが6程度になるような
場合であっても、鉛の溶出率を高くすることができる。
上記脱鉛工程(A)及び上記脱亜鉛工程(C)で用いら
れる上記カルシウムイオンを含む水溶液は、各々、好ま
しくは、45,000〜160,000mg/Lのカルシウムイオンを含
む(請求項6)。このように、カルシウムイオンの含有
率を45,000mg/L以上に調整することによって、鉛を十分
に溶出させることができ、かつ、該含有率を160,000mg/
L以下に調整することによって、脱鉛工程(A)におい
て鉛分と共に亜鉛分が溶出することがなく、また、カル
シウムイオンの供給源として塩化カルシウムを用いた場
合に、固形分に付着する塩化物イオンの量が過大になる
のを回避することができる。上記脱亜鉛工程(C)で得
られる上記炭酸カルシウムを含む固形分は、セメントの
原料として用いることができる(請求項7)。すなわ
ち、本発明の方法で得られる炭酸カルシウムは、鉛、亜
鉛、塩化物イオンといったセメントの品質に悪影響を与
える成分をほとんど含まないので、セメントの原料とし
て好適に用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で処理される廃棄物として
は、例えば、煤塵や、焼却施設の炉底等から排出される
焼却灰等が挙げられる。煤塵としては、例えば、ゴミや
焼却灰の溶融設備から排出される煤塵(溶融飛灰)、ゴ
ミや下水汚泥の焼却設備等から排出される煤塵(焼却飛
灰)、セメントキルンや産業廃棄物処理施設の高温処理
工程から排出される煤塵等が挙げられる。
は、例えば、煤塵や、焼却施設の炉底等から排出される
焼却灰等が挙げられる。煤塵としては、例えば、ゴミや
焼却灰の溶融設備から排出される煤塵(溶融飛灰)、ゴ
ミや下水汚泥の焼却設備等から排出される煤塵(焼却飛
灰)、セメントキルンや産業廃棄物処理施設の高温処理
工程から排出される煤塵等が挙げられる。
【0012】煤塵は、焼却灰等と比べて、亜鉛、鉛等の
重金属の含有率が高いため、重金属の分別回収を目的と
する本発明の処理対象物として好適である。中でも、溶
融飛灰は、本発明の方法によって回収される亜鉛、鉛、
カルシウムの含有率が高い点で、特に好適である。な
お、溶融飛灰は、一般に、都市ゴミ焼却灰等と比べて、
塩素(塩化物イオン)の含有率が高い。溶融飛灰の平均
的な成分組成は、カルシウム30重量%、ナトリウム9重
量%、カリウム10重量%、鉛1.6重量%、亜鉛5.4重量
%、塩素24重量%(ただし、塩素を除き、酸化物換算で
の重量割合を示す。)である。
重金属の含有率が高いため、重金属の分別回収を目的と
する本発明の処理対象物として好適である。中でも、溶
融飛灰は、本発明の方法によって回収される亜鉛、鉛、
カルシウムの含有率が高い点で、特に好適である。な
お、溶融飛灰は、一般に、都市ゴミ焼却灰等と比べて、
塩素(塩化物イオン)の含有率が高い。溶融飛灰の平均
的な成分組成は、カルシウム30重量%、ナトリウム9重
量%、カリウム10重量%、鉛1.6重量%、亜鉛5.4重量
%、塩素24重量%(ただし、塩素を除き、酸化物換算で
の重量割合を示す。)である。
【0013】以下、図面に基づいて、本発明の廃棄物の
処理方法の一例を説明する。図1は、本発明の廃棄物
(飛灰)の処理方法の一例を示す工程図である。図1
中、本発明の廃棄物の処理方法は、脱鉛工程(A)、鉛
回収工程(B)、脱亜鉛工程(C)、亜鉛回収工程
(D)の各工程を含む。
処理方法の一例を説明する。図1は、本発明の廃棄物
(飛灰)の処理方法の一例を示す工程図である。図1
中、本発明の廃棄物の処理方法は、脱鉛工程(A)、鉛
回収工程(B)、脱亜鉛工程(C)、亜鉛回収工程
(D)の各工程を含む。
【0014】[脱鉛工程(A)]まず、処理対象である
飛灰と、カルシウムイオンを含む水溶液(例えば、塩化
カルシウム溶液、硝酸カルシウム溶液、酢酸カルシウム
溶液等)とを混合し、スラリーとする。混合するには、
例えば、カルシウムイオンを含む水溶液を貯留した溶解
槽の中に、飛灰を投入して、所定時間撹拌すればよい。
これによって、飛灰中の鉛及び塩化物イオンの大部分が
水溶液中に溶出する。ここで、カルシウムイオンを含む
水溶液中のカルシウムイオンの含有率は、45,000〜160,
000mg/Lであることが好ましい。該濃度が45,000mg/L未
満では、鉛の溶出率が低下して、鉛を十分に除去できな
いおそれがあり、該濃度が160,000mg/L を超えると、飛
灰中の亜鉛が同時に溶出し、鉛と亜鉛を別々に回収する
という本発明の目的を十分に達成することができなくな
るおそれがある。廃棄物とカルシウムイオンを含む水溶
液とを混合してスラリーを得た後、必要に応じて、スラ
リーのpHを9〜11.5に調整する。例えば、処理対象の
廃棄物が、カルシウム含有率の低い飛灰である場合、ス
ラリーのpHが6程度になることがある。この場合、鉛
の溶出率が低くなるので、苛性ソーダ等のアルカリ剤を
添加して、pHを9〜11.5に調整し、鉛の溶出率を高め
る。なお、カルシウムイオンを含む水溶液中において、
飛灰中のカルシウム分のうち、水溶性の塩化カルシウム
は、鉛と共に水溶液中に溶出し、水酸化カルシウムは、
亜鉛と共に固形分として残る。
飛灰と、カルシウムイオンを含む水溶液(例えば、塩化
カルシウム溶液、硝酸カルシウム溶液、酢酸カルシウム
溶液等)とを混合し、スラリーとする。混合するには、
例えば、カルシウムイオンを含む水溶液を貯留した溶解
槽の中に、飛灰を投入して、所定時間撹拌すればよい。
これによって、飛灰中の鉛及び塩化物イオンの大部分が
水溶液中に溶出する。ここで、カルシウムイオンを含む
水溶液中のカルシウムイオンの含有率は、45,000〜160,
000mg/Lであることが好ましい。該濃度が45,000mg/L未
満では、鉛の溶出率が低下して、鉛を十分に除去できな
いおそれがあり、該濃度が160,000mg/L を超えると、飛
灰中の亜鉛が同時に溶出し、鉛と亜鉛を別々に回収する
という本発明の目的を十分に達成することができなくな
るおそれがある。廃棄物とカルシウムイオンを含む水溶
液とを混合してスラリーを得た後、必要に応じて、スラ
リーのpHを9〜11.5に調整する。例えば、処理対象の
廃棄物が、カルシウム含有率の低い飛灰である場合、ス
ラリーのpHが6程度になることがある。この場合、鉛
の溶出率が低くなるので、苛性ソーダ等のアルカリ剤を
添加して、pHを9〜11.5に調整し、鉛の溶出率を高め
る。なお、カルシウムイオンを含む水溶液中において、
飛灰中のカルシウム分のうち、水溶性の塩化カルシウム
は、鉛と共に水溶液中に溶出し、水酸化カルシウムは、
亜鉛と共に固形分として残る。
【0015】カルシウム分の含有率の高い溶融飛灰等を
処理対象とする場合、カルシウムイオンを含む水溶液と
しては、硫酸イオンの含有率が少ないものを用いること
が好ましい。水溶液中に硫酸イオンが多量に含まれてい
ると、鉛の溶出が抑制されるからである。次に、スラリ
ーを固形分と液分とに固液分離する。固液分離の方法と
しては、例えば、濾過装置を用いた濾過による方法や、
シックナーを用いた方法(例えば、重力沈降、遠心分
離、凝集剤による沈降等)等が挙げられる。こうして得
られた固形分の中には、亜鉛、水酸化カルシウム等が含
まれ、液分の中には、鉛、カルシウムイオン、飛灰から
溶出した塩化物イオン等が含まれる。分離された固形分
と液分は、各々、脱亜鉛工程(C)と鉛回収工程(B)
で処理される。
処理対象とする場合、カルシウムイオンを含む水溶液と
しては、硫酸イオンの含有率が少ないものを用いること
が好ましい。水溶液中に硫酸イオンが多量に含まれてい
ると、鉛の溶出が抑制されるからである。次に、スラリ
ーを固形分と液分とに固液分離する。固液分離の方法と
しては、例えば、濾過装置を用いた濾過による方法や、
シックナーを用いた方法(例えば、重力沈降、遠心分
離、凝集剤による沈降等)等が挙げられる。こうして得
られた固形分の中には、亜鉛、水酸化カルシウム等が含
まれ、液分の中には、鉛、カルシウムイオン、飛灰から
溶出した塩化物イオン等が含まれる。分離された固形分
と液分は、各々、脱亜鉛工程(C)と鉛回収工程(B)
で処理される。
【0016】[鉛回収工程(B)]脱鉛工程(A)で得
られた液分(鉛、カルシウムイオン、塩化物イオン等を
含む水溶液)に硫化剤を添加すると、液分中の鉛(Pb2+)
が硫化物イオン(S2-)と反応して、硫化鉛(PbS)が生成
し、沈澱する。ここで、硫化剤としては、例えば、水硫
化ソーダ(NaHS)、硫化ソーダ(Na2S)等が挙げられる。硫
化剤の添加量は、液分中の全ての鉛が硫化するのに必要
な量より若干少ない量であることが望ましい。その理由
は、液分中に硫化剤が残留した場合、この硫化剤が、脱
亜鉛工程(C)において亜鉛の溶出を抑制するからであ
る。なお、硫化鉛を生成させるための硫化剤が不足し
て、少量の鉛が液中に残留したとしても、この鉛は、脱
亜鉛工程(C)において亜鉛と共に除去される。
られた液分(鉛、カルシウムイオン、塩化物イオン等を
含む水溶液)に硫化剤を添加すると、液分中の鉛(Pb2+)
が硫化物イオン(S2-)と反応して、硫化鉛(PbS)が生成
し、沈澱する。ここで、硫化剤としては、例えば、水硫
化ソーダ(NaHS)、硫化ソーダ(Na2S)等が挙げられる。硫
化剤の添加量は、液分中の全ての鉛が硫化するのに必要
な量より若干少ない量であることが望ましい。その理由
は、液分中に硫化剤が残留した場合、この硫化剤が、脱
亜鉛工程(C)において亜鉛の溶出を抑制するからであ
る。なお、硫化鉛を生成させるための硫化剤が不足し
て、少量の鉛が液中に残留したとしても、この鉛は、脱
亜鉛工程(C)において亜鉛と共に除去される。
【0017】硫化鉛を生成させた後、固液分離して、硫
化鉛を回収する。固液分離の方法としては、上述と同様
の方法(例えば、濾過や、シックナーを用いた方法)が
挙げられる。得られた硫化鉛は、精錬原料等として使用
することができる。一方、硫化鉛を除去した後のカルシ
ウムイオンを含む液分は、一部を系外に排出させて排水
処理し、残部を脱亜鉛工程(C)に送って再利用する。
化鉛を回収する。固液分離の方法としては、上述と同様
の方法(例えば、濾過や、シックナーを用いた方法)が
挙げられる。得られた硫化鉛は、精錬原料等として使用
することができる。一方、硫化鉛を除去した後のカルシ
ウムイオンを含む液分は、一部を系外に排出させて排水
処理し、残部を脱亜鉛工程(C)に送って再利用する。
【0018】[脱亜鉛工程(C)]脱鉛工程(A)で得
られた固形分(亜鉛、水酸化カルシウム等を含むもの)
は、鉛回収工程(B)で得られた液分(カルシウムイオ
ンを含む水溶液)と混合して、スラリーとする。このス
ラリーには、まず、炭酸ガス(CO2)が吹き込まれる。炭
酸ガスは、スラリー中のカルシウム分と反応して、炭酸
カルシウム(CaCO3)を生成する。また、スラリーのpH
は、炭酸ガスが吹き込まれることによって、6以下に低
下する。炭酸ガスとしては、ゴミの焼却設備や焼却灰の
溶融設備等から排出される排気ガスを用いることができ
る。
られた固形分(亜鉛、水酸化カルシウム等を含むもの)
は、鉛回収工程(B)で得られた液分(カルシウムイオ
ンを含む水溶液)と混合して、スラリーとする。このス
ラリーには、まず、炭酸ガス(CO2)が吹き込まれる。炭
酸ガスは、スラリー中のカルシウム分と反応して、炭酸
カルシウム(CaCO3)を生成する。また、スラリーのpH
は、炭酸ガスが吹き込まれることによって、6以下に低
下する。炭酸ガスとしては、ゴミの焼却設備や焼却灰の
溶融設備等から排出される排気ガスを用いることができ
る。
【0019】次に、スラリーに塩酸を加える。すると、
スラリーの固形分中に含まれる亜鉛の大部分が、水溶液
中に溶出する。この際、固形分に含まれる炭酸カルシウ
ムは、溶出せず、固形分のまま残る。塩酸の量は、35重
量%の濃度の水溶液で、スラリー1リットル当たり、10
〜80mlである。該量が10ml未満では、亜鉛の溶出量が少
なくなり、セメント原料として用いる炭酸カルシウム中
に亜鉛が残存するおそれがあり、該量が80mlを超える
と、液中にカルシウムが溶出して、セメント原料として
用いる炭酸カルシウムの生成量が少なくなるばかりか、
塩酸を多量に用いることによるコストの増大を招く。
スラリーの固形分中に含まれる亜鉛の大部分が、水溶液
中に溶出する。この際、固形分に含まれる炭酸カルシウ
ムは、溶出せず、固形分のまま残る。塩酸の量は、35重
量%の濃度の水溶液で、スラリー1リットル当たり、10
〜80mlである。該量が10ml未満では、亜鉛の溶出量が少
なくなり、セメント原料として用いる炭酸カルシウム中
に亜鉛が残存するおそれがあり、該量が80mlを超える
と、液中にカルシウムが溶出して、セメント原料として
用いる炭酸カルシウムの生成量が少なくなるばかりか、
塩酸を多量に用いることによるコストの増大を招く。
【0020】亜鉛の溶出時において、スラリー中のカル
シウムイオンの濃度は、45,000〜160,000mg/Lであるこ
とが好ましい。該濃度が45,000mg/L未満では、亜鉛の溶
出率が低下するおそれがあり、該濃度が160,000mg/L を
超えると、カルシウムイオンに伴って高濃度の塩化物イ
オンが存在している場合に、ケーキ(固形分)に付着す
る塩化物イオンの量が多くなり、セメント原料として用
いる炭酸カルシウム中の塩化物イオンの含有率が高くな
って、炭酸カルシウムの品質の低下を招くおそれがあ
る。亜鉛を溶出させた後、スラリーを固液分離して、炭
酸カルシウムからなる固形分と、亜鉛及びカルシウムイ
オンを含む水溶液を得る。固液分離の方法としては、上
述と同様の方法(例えば、濾過や、シックナーを用いた
方法)が挙げられる。固液分離して得られるケーキ(炭
酸カルシウムからなる固形分)は、水で十分に洗浄し、
塩素分(塩化物イオン)を除去する。こうして得られた
炭酸カルシウムは、鉛、亜鉛等の重金属や塩化物イオン
の含有率が少なく、セメントの原料として好適に用いる
ことができる。
シウムイオンの濃度は、45,000〜160,000mg/Lであるこ
とが好ましい。該濃度が45,000mg/L未満では、亜鉛の溶
出率が低下するおそれがあり、該濃度が160,000mg/L を
超えると、カルシウムイオンに伴って高濃度の塩化物イ
オンが存在している場合に、ケーキ(固形分)に付着す
る塩化物イオンの量が多くなり、セメント原料として用
いる炭酸カルシウム中の塩化物イオンの含有率が高くな
って、炭酸カルシウムの品質の低下を招くおそれがあ
る。亜鉛を溶出させた後、スラリーを固液分離して、炭
酸カルシウムからなる固形分と、亜鉛及びカルシウムイ
オンを含む水溶液を得る。固液分離の方法としては、上
述と同様の方法(例えば、濾過や、シックナーを用いた
方法)が挙げられる。固液分離して得られるケーキ(炭
酸カルシウムからなる固形分)は、水で十分に洗浄し、
塩素分(塩化物イオン)を除去する。こうして得られた
炭酸カルシウムは、鉛、亜鉛等の重金属や塩化物イオン
の含有率が少なく、セメントの原料として好適に用いる
ことができる。
【0021】[亜鉛回収工程(D)]脱亜鉛工程(C)
で得られた亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液に、
硫化剤を添加する。ここで、硫化剤としては、鉛回収工
程(B)で用いる硫化剤と同様のもの(例えば、水硫化
ナトリウム等)を用いることができる。硫化剤の添加に
よって、液分中の亜鉛(Zn2+)が硫化物イオン(S2-)と反
応して、硫化亜鉛(ZnS)が生成し、沈澱する。この際、
硫化剤の添加量は、液分中の全ての亜鉛が硫化するのに
必要な量より若干少ない量であることが望ましい。その
理由は、液分中に硫化剤が残留した場合、この硫化剤
が、脱鉛工程(A)において鉛の溶出を抑制するからで
ある。なお、硫化亜鉛を生成させるための硫化剤が不足
して、少量の亜鉛が液中に残留したとしても、この亜鉛
は、カルシウムイオンを含む水溶液中に溶存した状態
で、脱鉛工程(A)のスラリー中に合流し、再度、上述
と同様の処理工程によって処理される。
で得られた亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液に、
硫化剤を添加する。ここで、硫化剤としては、鉛回収工
程(B)で用いる硫化剤と同様のもの(例えば、水硫化
ナトリウム等)を用いることができる。硫化剤の添加に
よって、液分中の亜鉛(Zn2+)が硫化物イオン(S2-)と反
応して、硫化亜鉛(ZnS)が生成し、沈澱する。この際、
硫化剤の添加量は、液分中の全ての亜鉛が硫化するのに
必要な量より若干少ない量であることが望ましい。その
理由は、液分中に硫化剤が残留した場合、この硫化剤
が、脱鉛工程(A)において鉛の溶出を抑制するからで
ある。なお、硫化亜鉛を生成させるための硫化剤が不足
して、少量の亜鉛が液中に残留したとしても、この亜鉛
は、カルシウムイオンを含む水溶液中に溶存した状態
で、脱鉛工程(A)のスラリー中に合流し、再度、上述
と同様の処理工程によって処理される。
【0022】亜鉛及びカルシウムイオンを含む水溶液に
添加する薬剤として、硫化剤と共に、水酸化ナトリウム
等の中和剤を用いることができる。例えば、水酸化ナト
リウムを用いた場合、水酸化物イオンは、酸(水素イオ
ン)との中和反応の他、亜鉛イオンと反応し、難溶性の
水酸化亜鉛(Zn(OH)2)を生じさせる。水酸化亜鉛は、硫
化亜鉛(ZnS)と共に固形分として回収することができ
る。ただし、中和剤の量が過剰になると、水酸化亜鉛
が、水酸化物イオンと反応して、水溶性のテトラヒドロ
キソ亜鉛酸イオン([Zn(OH)4]2-)に変化してしまうの
で、中和剤の添加量は一定以下に抑えることが必要であ
る。硫化亜鉛を生成させた後、固液分離して、硫化亜鉛
を回収する。固液分離の方法としては、上述と同様の方
法(例えば、濾過や、シックナーを用いた方法)が挙げ
られる。得られた硫化亜鉛は、精錬原料等として利用す
ることができる。一方、硫化亜鉛を除去した後のカルシ
ウムイオンを含む液分は、脱鉛工程(A)に送られ、循
環させて繰り返し用いられる。
添加する薬剤として、硫化剤と共に、水酸化ナトリウム
等の中和剤を用いることができる。例えば、水酸化ナト
リウムを用いた場合、水酸化物イオンは、酸(水素イオ
ン)との中和反応の他、亜鉛イオンと反応し、難溶性の
水酸化亜鉛(Zn(OH)2)を生じさせる。水酸化亜鉛は、硫
化亜鉛(ZnS)と共に固形分として回収することができ
る。ただし、中和剤の量が過剰になると、水酸化亜鉛
が、水酸化物イオンと反応して、水溶性のテトラヒドロ
キソ亜鉛酸イオン([Zn(OH)4]2-)に変化してしまうの
で、中和剤の添加量は一定以下に抑えることが必要であ
る。硫化亜鉛を生成させた後、固液分離して、硫化亜鉛
を回収する。固液分離の方法としては、上述と同様の方
法(例えば、濾過や、シックナーを用いた方法)が挙げ
られる。得られた硫化亜鉛は、精錬原料等として利用す
ることができる。一方、硫化亜鉛を除去した後のカルシ
ウムイオンを含む液分は、脱鉛工程(A)に送られ、循
環させて繰り返し用いられる。
【0023】
【実施例】[実施例1]溶融飛灰(CaO:29%、Na2O:1
5%、K2O:4.5%、Cl:16%、Zn:10.5%、Pb:3.5%;
ただし、「%」は重量基準である。)1kgに、20重量
%の塩化カルシウムを含む水溶液6リットルを加えて、
スラリーとした。このスラリーを0.5時間攪拌して鉛を
溶出させた後、このスラリーを濾過し、固形分(ケー
キ)と濾液を得た。この濾液に水硫化ソーダ10.5gを加
えて、沈澱を生成させた後、濾過手段としてフィルター
プレスを用いて固液分離し、硫化鉛34.3g(乾燥重量)
を回収した。次に、脱鉛された固形分(ケーキ)0.75kg
(乾燥重量)に、20重量%の塩化カルシウムを含む水溶
液5リットルを加えてスラリーとした後、炭酸ガスを吹
き込み、スラリーのpHを5.5まで低下させた。さら
に、35重量%の塩酸200mlをスラリーに添加し、亜鉛を
溶出させた後、このスラリーを濾過し、炭酸カルシウム
からなる固形分0.68kg(乾燥重量)を回収した。この濾
液に水硫化ソーダ75gを加えて、沈澱を生成させた後、
濾過手段としてフィルタープレスを用いて固液分離し、
硫化亜鉛101.7g(乾燥重量)を回収した。
5%、K2O:4.5%、Cl:16%、Zn:10.5%、Pb:3.5%;
ただし、「%」は重量基準である。)1kgに、20重量
%の塩化カルシウムを含む水溶液6リットルを加えて、
スラリーとした。このスラリーを0.5時間攪拌して鉛を
溶出させた後、このスラリーを濾過し、固形分(ケー
キ)と濾液を得た。この濾液に水硫化ソーダ10.5gを加
えて、沈澱を生成させた後、濾過手段としてフィルター
プレスを用いて固液分離し、硫化鉛34.3g(乾燥重量)
を回収した。次に、脱鉛された固形分(ケーキ)0.75kg
(乾燥重量)に、20重量%の塩化カルシウムを含む水溶
液5リットルを加えてスラリーとした後、炭酸ガスを吹
き込み、スラリーのpHを5.5まで低下させた。さら
に、35重量%の塩酸200mlをスラリーに添加し、亜鉛を
溶出させた後、このスラリーを濾過し、炭酸カルシウム
からなる固形分0.68kg(乾燥重量)を回収した。この濾
液に水硫化ソーダ75gを加えて、沈澱を生成させた後、
濾過手段としてフィルタープレスを用いて固液分離し、
硫化亜鉛101.7g(乾燥重量)を回収した。
【0024】[実施例2]溶融飛灰(Ca0:29%、Na
20:15%、K20:4.5%、Cl:16%、Zn:10.5%、Pb:3.
5%)1kgに、実施例1で得られた硫化亜鉛を濾別した濾
液(カルシウムイオン濃度:68,000mg/L)6リットルを
加えて、スラリーとした。このスラリーを0.5時間攪拌
して、鉛を溶出させた後、濾過して、固形分(ケーキ)
と濾液を得た。この濾液に水硫化ソーダ10gを加えて、
沈澱を生成させた後、濾過手段としてフィルタープレス
を用いて固液分離し、硫化鉛34.5g(乾燥重量)を回収
した。次に、鉛を除去した濾液5リットルを、脱鉛され
た固形分(ケーキ)0.76kgに加えて、スラリーとした
後、スラリーに炭酸ガスを吹き込み、スラリーのpHを
5.5に低下させた。さらに、35重量%の塩酸200mlをスラ
リーに添加し、亜鉛を溶出させた後、このスラリーを濾
過して、炭酸カルシウムからなる固形分0.66kg(乾燥重
量)を回収した。この濾液に水硫化ソーダ75gを加え
て、沈澱を生成させた後、濾過手段としてフィルタープ
レスを用いて固液分離し、硫化亜鉛101.5g(乾燥重量)
を回収した。硫化亜鉛を濾別した濾液は、最初の脱鉛工
程に戻し、溶融飛灰をスラリー化するためのカルシウム
イオンを含む水溶液として、繰り返し使用した。
20:15%、K20:4.5%、Cl:16%、Zn:10.5%、Pb:3.
5%)1kgに、実施例1で得られた硫化亜鉛を濾別した濾
液(カルシウムイオン濃度:68,000mg/L)6リットルを
加えて、スラリーとした。このスラリーを0.5時間攪拌
して、鉛を溶出させた後、濾過して、固形分(ケーキ)
と濾液を得た。この濾液に水硫化ソーダ10gを加えて、
沈澱を生成させた後、濾過手段としてフィルタープレス
を用いて固液分離し、硫化鉛34.5g(乾燥重量)を回収
した。次に、鉛を除去した濾液5リットルを、脱鉛され
た固形分(ケーキ)0.76kgに加えて、スラリーとした
後、スラリーに炭酸ガスを吹き込み、スラリーのpHを
5.5に低下させた。さらに、35重量%の塩酸200mlをスラ
リーに添加し、亜鉛を溶出させた後、このスラリーを濾
過して、炭酸カルシウムからなる固形分0.66kg(乾燥重
量)を回収した。この濾液に水硫化ソーダ75gを加え
て、沈澱を生成させた後、濾過手段としてフィルタープ
レスを用いて固液分離し、硫化亜鉛101.5g(乾燥重量)
を回収した。硫化亜鉛を濾別した濾液は、最初の脱鉛工
程に戻し、溶融飛灰をスラリー化するためのカルシウム
イオンを含む水溶液として、繰り返し使用した。
【0025】
【発明の効果】本発明の廃棄物の処理方法によれば、廃
棄物から鉛及び亜鉛を分別して除去し回収して、精錬工
場での山元還元の原料として利用することができる。ま
た、本発明の方法においては、使用する薬剤の量が少な
くてすむので、処理コストを削減することができ、か
つ、処理を効率的に行なうことができる。すなわち、全
工程中、塩酸は、脱亜鉛工程(C)における炭酸ガスの
供給後に比較的少量添加されるだけであり、カルシウム
イオンは、循環させて繰り返し用いられ、常時、多量に
補給する必要がない。さらに、廃棄物中のカルシウム分
は、鉛、亜鉛、塩化物イオンをほとんど含まない炭酸カ
ルシウムとして回収されるため、セメントの原料として
好適に用いられる。
棄物から鉛及び亜鉛を分別して除去し回収して、精錬工
場での山元還元の原料として利用することができる。ま
た、本発明の方法においては、使用する薬剤の量が少な
くてすむので、処理コストを削減することができ、か
つ、処理を効率的に行なうことができる。すなわち、全
工程中、塩酸は、脱亜鉛工程(C)における炭酸ガスの
供給後に比較的少量添加されるだけであり、カルシウム
イオンは、循環させて繰り返し用いられ、常時、多量に
補給する必要がない。さらに、廃棄物中のカルシウム分
は、鉛、亜鉛、塩化物イオンをほとんど含まない炭酸カ
ルシウムとして回収されるため、セメントの原料として
好適に用いられる。
【図1】本発明の廃棄物(飛灰)の処理方法の一例を示
す工程図である。
す工程図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C22B 13/00 C22B 13/04
19/30 3/00 R
Q
Fターム(参考) 4D004 AA36 AA37 BA02 BA05 CA12
CA13 CA15 CA34 CA35 CA41
CB05 CC01 CC11 CC12 DA03
DA10 DA20
4K001 AA20 AA30 AA36 BA14 CA02
DB08 DB23 DB24
Claims (7)
- 【請求項1】 亜鉛及び鉛を含む廃棄物と、カルシウム
イオンを含む水溶液とを混合してスラリーを得た後、該
スラリーを固液分離して、亜鉛を含む固形分と、鉛及び
カルシウムイオンを含む水溶液を得る脱鉛工程(A)
と、 上記脱鉛工程(A)で得られた上記鉛及びカルシウムイ
オンを含む水溶液に硫化剤を添加した後、固液分離し
て、鉛を含む固形分と、カルシウムイオンを含む水溶液
を得る鉛回収工程(B)と、 上記脱鉛工程(A)で得られた上記亜鉛を含む固形分
と、カルシウムイオンを含む水溶液とを混合してスラリ
ーを得た後、該スラリーを炭酸ガスと接触させ、次い
で、塩酸を加え、その後、固液分離して、炭酸カルシウ
ムを含む固形分と、亜鉛及びカルシウムイオンを含む水
溶液を得る脱亜鉛工程(C)と、 上記脱亜鉛工程(C)で得られた上記亜鉛及びカルシウ
ムイオンを含む水溶液に、硫化剤を添加した後、固液分
離して、亜鉛を含む固形分と、カルシウムイオンを含む
水溶液を得る亜鉛回収工程(D)とを含むことを特徴と
する廃棄物の処理方法。 - 【請求項2】 上記鉛回収工程(B)で得られる上記カ
ルシウムイオンを含む水溶液が、上記脱亜鉛工程(C)
における上記カルシウムイオンを含む水溶液として用い
られる請求項1に記載の廃棄物の処理方法。 - 【請求項3】 上記亜鉛回収工程(D)で得られる上記
カルシウムイオンを含む水溶液が、上記脱鉛工程(A)
における上記カルシウムイオンを含む水溶液として用い
られる請求項1又は2に記載の廃棄物の処理方法。 - 【請求項4】 上記脱亜鉛工程(C)において、上記炭
酸ガスの供給源が、炭酸ガスを含有する排気ガスを発生
する装置である請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃
棄物の処理方法。 - 【請求項5】 上記脱鉛工程(A)において、上記スラ
リーのpHを9〜11.5に調整する請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の廃棄物の処理方法。 - 【請求項6】 上記脱鉛工程(A)及び上記脱亜鉛工程
(C)で用いられる上記カルシウムイオンを含む水溶液
が、各々、45,000〜160,000mg/Lのカルシウムイオンを
含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃棄物の処理
方法。 - 【請求項7】 上記脱亜鉛工程(C)で得られる上記炭
酸カルシウムを含む固形分が、セメントの原料として用
いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃棄物の
処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002003641A JP2003201524A (ja) | 2002-01-10 | 2002-01-10 | 廃棄物の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002003641A JP2003201524A (ja) | 2002-01-10 | 2002-01-10 | 廃棄物の処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003201524A true JP2003201524A (ja) | 2003-07-18 |
Family
ID=27643186
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002003641A Pending JP2003201524A (ja) | 2002-01-10 | 2002-01-10 | 廃棄物の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003201524A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007301502A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Kurita Water Ind Ltd | ごみ焼却主灰の処理方法及び装置 |
| JP2009226279A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Taiheiyo Cement Corp | カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法 |
| CN103589877A (zh) * | 2013-11-25 | 2014-02-19 | 云南祥云飞龙再生科技股份有限公司 | 一种处理红灰的方法 |
| CN103866131A (zh) * | 2014-03-13 | 2014-06-18 | 北京科技大学 | 一种含锌高炉除尘灰再资源化处理方法 |
| CN108774688A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-11-09 | 攀枝花火凤凰再生资源回收利用有限责任公司 | 烧结烟尘灰浸出液的精制处理方法 |
-
2002
- 2002-01-10 JP JP2002003641A patent/JP2003201524A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007301502A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Kurita Water Ind Ltd | ごみ焼却主灰の処理方法及び装置 |
| JP2009226279A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Taiheiyo Cement Corp | カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法 |
| CN103589877A (zh) * | 2013-11-25 | 2014-02-19 | 云南祥云飞龙再生科技股份有限公司 | 一种处理红灰的方法 |
| CN103866131A (zh) * | 2014-03-13 | 2014-06-18 | 北京科技大学 | 一种含锌高炉除尘灰再资源化处理方法 |
| CN103866131B (zh) * | 2014-03-13 | 2016-06-08 | 北京科技大学 | 一种含锌高炉除尘灰再资源化处理方法 |
| CN108774688A (zh) * | 2018-06-25 | 2018-11-09 | 攀枝花火凤凰再生资源回收利用有限责任公司 | 烧结烟尘灰浸出液的精制处理方法 |
| CN108774688B (zh) * | 2018-06-25 | 2020-12-08 | 攀枝花火凤凰再生资源回收利用有限责任公司 | 烧结烟尘灰浸出液的精制处理方法 |
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