JP2003201562A - 成膜モニタリング方法 - Google Patents

成膜モニタリング方法

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JP2003201562A
JP2003201562A JP2002004354A JP2002004354A JP2003201562A JP 2003201562 A JP2003201562 A JP 2003201562A JP 2002004354 A JP2002004354 A JP 2002004354A JP 2002004354 A JP2002004354 A JP 2002004354A JP 2003201562 A JP2003201562 A JP 2003201562A
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Yoshito Jin
好人 神
Masaru Shimada
勝 嶋田
Toshiro Ono
俊郎 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部要因の影響などを受けにくい状態で安定
に成膜状態がモニタできるようにする。 【解決手段】 プラズマが生成されている状態で、ター
ゲット105の表面近傍における発光を観測し、例え
ば、ターゲットの表面近傍における発光光より、反応性
ガスに関与する波長の発光ピークを観測することで、タ
ーゲット105の表面におけるターゲット105を構成
する物質と反応性ガスを構成する物質との化合状態を監
視し、また不活性ガスに関与する波長の発光ピークを観
測することで、不活性ガスによるプラズマ状態を監視
し、成膜状態を監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置や磁気
記憶装置などの電子装置に使われる薄膜を形成する薄膜
形成における成膜モニタリング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最初に半導体装置の状況について述べ
る。シリコン(Si)基板上につくられる大規模集積回
路(LSI)は、素子を微細化することで素子の集積度
を上げることが行われてきた。素子を微細化する際、ゲ
ート電極/ゲート絶縁膜/半導体の構造からなるMOS
トランジスタのゲート長を短縮すると動作速度が向上す
る。微細化による集積度と動作速度の向上は、LSI技
術開発の原動力であり、様々な限界を打破すべく研究・
開発が行われている。微細化は、いわゆるスケーリング
によって成すことができ、電源電圧やゲート電圧もスケ
ーリングされる。
【0003】ゲート電圧を低く抑えてMOSトランジス
タを動作させるには、半導体に反転層を生じさせるだけ
のMOS容量を与える必要があるため、ゲート絶縁膜を
薄くして容量を確保することが行われてきた。これによ
り、最近では、MOSトランジスタのゲート酸化膜が、
約3nm以下と直接トンネル電流が流れる程薄くなって
きた。特に、低消費電力が要求される携帯電話やPDA
を含む携帯端末などの装置では、トンネル電流を抑えて
電力消費を抑えることが重要である。
【0004】最近では、これまでゲート酸化膜に用いら
れてきた二酸化シリコン(SiO2)膜よりも比誘電率
の大きい絶縁膜をゲート絶縁膜に用い、容量を確保しつ
つ膜厚を厚くすることにより、トンネル電流を抑える方
法が盛んに研究されている。
【0005】二酸化シリコンに代わる高誘電率材料とし
て、シリコン酸窒化物(SiOxy)、アルミナ(Al
23)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、二酸化ハフニウム(HfO2)、二酸化
ランタン(LaO2)、あるいは、二元合金の酸化物、
窒化シリコン(Si34)、窒化アルミニウム(Al
N)、窒化チタン(TiN)、窒化ジルコニウム(Zr
N)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化ランタン(La
N)、あるいは、二元合金の窒化物などが有力な候補と
して挙げられている。さらに、これらの高誘電率材料を
層状に組み合わせてゲート絶縁膜に用いている。
【0006】このような材料をゲート絶縁膜として用い
るために、様々な成膜モニタリング方法および種々の薄
膜形成方法が試みられている。中でもスパッタ(スパッ
タリング)法は、危険度の高いガスや有毒ガスなどが必
要なく、堆積する膜の表面(凹凸)モフォロジが比較的
良いなどの理由により、有望な装置・方法の一つになっ
ている。スパッタ法において化学量論的組成の膜を得る
ための優れた装置・方法として、酸素ガスや窒素ガスを
供給し、膜中の酸素や窒素が欠落するのを防止する装置
・方法、すなわち、反応性スパッタ装置・方法が有望で
ある。
【0007】さらに、光通信装置と光学デバイスについ
ての状況について述べる。光学的な屈折率の異なる誘電
体膜を交互に積み重ねて形成する多層膜は、眼鏡などの
ガラス上およびプラスチック上での無反射コーティン
グ、ビデオカメラの色分解プリズム、各種光学フィル
タ、発光レーザの端面コーティングなどに使用されてい
る。また、最近の状況として広域波長多重通信(DWD
M通信)に用いる合波フィルタや分波フィルタの製造に
応用されるようになってきた。また、このような多層膜
の層数も数十層から数百層と非常に多くなり、膜厚や膜
質の均一性もこれまで以上に高精度なものが要求される
ようになってきた。
【0008】多層膜に用いられる薄膜として、シリコン
(Si),水素化シリコン(SiH),二酸化シリコン
(SiO2),五酸化タンタル(Ta25),アルミナ
(Al23),二酸化チタン(TiO2),二酸化ジル
コニウム(ZrO2),二酸化ハフニウム(HfO2),
二酸化ランタン(LaO2),二酸化セリウム(Ce
2)、三酸化アンチモン(Sb23)、三酸化インジ
ウム(In23)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸
化ソリウム(ThO2)などの酸化物および二元以上の
酸化物、あるいは、シリコン酸窒化物(SiOxy)、
あるいはシリコン窒化物(SiN),窒化アルミニウム
(AlN),窒化ジルコニウム(ZrN),窒化ハフニ
ウム(HfN),窒化ランタン(LaN)などの窒化物
および二元以上の窒化物、あるいは、フッ素化マグネシ
ウム(MgF),三フッ化セリウム(CeF3),二フ
ッ化カルシウム(CaF2),フッ化リチウム(Li
F),六フッ化三ナトリウムアルミニウム(Na3Al
6)などのフッ素化物、あるいは、二元以上のフッ素
化物などがある。
【0009】このような材料を積層して多層膜として形
成することを目的とし、様々な形成装置および形成方法
が試みられている。中でもスパッタ法は、前述したゲー
ト酸化膜の形成と同様の理由から有望視されている。ま
た、スパッタ法に使用するターゲットとして、金属を用
いる場合と対象となる化合物を用いる場合があるが、一
般的には、金属の方がターゲットとして製造しやすく、
純度の高いものが得られる。これは、化合物ターゲット
が、製造のために焼結等の工程を必要とし、整形や組成
の調整が難しく、不純物の混入もさけられないなどの理
由による。
【0010】さらに、スパッタ法において、化学量論的
組成の膜を得るための優れた装置・方法として、酸素ガ
スや窒素ガスおよび水素ガスやフッ素ガスを供給し、膜
中の酸素や窒素などが欠落することを防止する反応性ス
パッタ装置・方法が有望である。
【0011】反応性スパッタ装置・方法の中でも、電子
サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance;
ECR)と発散磁界とを利用して作られたプラズマ流を
基板に照射するとともに、ターゲットと接地間に高周波
または直流電圧を印加し、上記ECRで発生させたプラ
ズマ流中のイオンをターゲットに引き込み衝突させてス
パッタ現象を起こすことにより、膜を基板に堆積させる
装置・方法(以下これをECRスパッタ法という)が良
好な膜質を得られるとして最も有望である(文献1:例
えば、小野他、ジャパニーズジャーナルオブアプライド
フィジクス、第23巻、第8号、L534頁、1984
年(Jpn.J.Appl.Phys.23,no.8 L534(1984).)。
【0012】一般的によく知られているスパッタ法のう
ち、マグネトロンスパッタ法は、0.1Pa程度以上の
ガス圧力でないと安定なプラズマは得られないのに対
し、上記ECRスパッタ法では、0.01Pa程度以下
の分子流領域のガス圧力で安定なECRプラズマが得ら
れる。また、ECRスパッタ法は、高周波または直流電
圧により、ECRにより生成したイオンをターゲットに
当ててスパッタリングを行うため、低い圧力でスパッタ
リングができる。
【0013】ECRスパッタ法では、基板にECRプラ
ズマ流とスパッタされた粒子が照射される。ECRプラ
ズマ流のイオンは、発散磁界により10eVから数10
eVのエネルギーに制御される。また、気体が分子流と
して振る舞う程度の低い圧力でプラズマを生成・輸送し
ているために、基板に到達するイオンのイオン電流密度
も大きく取れる。従って、ECRプラズマ流のイオン
は、スパッタされて基板に飛来した原料粒子にエネルギ
ーを与えると共に、原料粒子と酸素または窒素との結合
反応を促進することとなる。このことにより、ECRス
パッタ法によると、形成される膜質が改善される。
【0014】ECRスパッタ法では、特に、外部からの
加熱をしない室温に近い低い基板温度でこの上に高品質
の膜が形成できることが特徴となっている。ECRスパ
ッタ法で、いかに高品質な薄膜を堆積し得るかは、例え
ば、天澤他、ジャーナルオブバキュームサイエンスアン
ドテクノロジー、第B17巻、第5号、2222頁、1
999年(J.Vac.Sci.Technol.B17,no.5,2222(1999).:
文献2)を参照されたい。
【0015】さらに、ECRスパッタ法で堆積した膜の
表面モフォロジは、原子スケールのオーダーで平坦であ
る。従って、ECRスパッタ法は、ナノメーターオーダ
ーの極薄膜の高誘電率ゲート絶縁膜や光学多層膜を形成
するのに有望な装置・方法であると言える。
【0016】以下、ECRスパッタ装置における成膜モ
ードについて説明する。例えば、ECRスパッタ源のタ
ーゲットに純アルミニウムを用い、反応性ガスとして酸
素ガスを、さらに不活性ガスとしてアルゴンを用いるこ
とで、アルミナ薄膜を形成する場合を例にする。このと
き、ECRプラズマ源には、供給する反応性ガスの多少
に関わらず、プラズマが安定に得られるだけのアルゴン
を導入した。
【0017】このようにして、基板上に形成したアルミ
ナ膜の堆積速度と屈折率の酸素流量依存性の代表的な特
性を図7に示す。アルゴンガス流量が20sccmで酸素ガ
ス流量が0から10sccm,ECRイオン源に導入するマ
イクロ波電力は500W、ターゲットに印加する高周波
電力は500Wとし、また、基板は加熱していない。な
お、屈折率は638nmレーザによるエリプソメータを
用いて測定した。
【0018】形成したアルミナ膜の堆積速度は、酸素流
量の増加に従って増加した後、酸素ガス流量が約4sccm
付近を最大に緩やかに減少し、酸素ガス流量が7sccm付
近で急激に減少し、最大値の約10分の1程度の小さな
堆積速度で落ち着く。酸素ガス流量が7sccm付近で急激
に堆積速度が減少するのは、ターゲット表面のアルミニ
ウムが酸化される割合が増大しスパッタ率がアルミニウ
ムに比較して小さいアルミナになるためである。堆積速
度は、スパッタ率が大きいほど速くなるので、ターゲッ
トの表面がスパッタリングしにくくなってスパッタ率が
低下すれば、堆積速度も遅くなる。この現象は、反応性
スパッタ法において広く知られている現象である。例え
ば、金原粲著、「スパッタリング現象」、東京大学出版
会、120から132頁を(文献3)参照されたい。
【0019】図7に示すように、酸素流量によって堆積
速度が速い堆積領域と、遅い堆積領域とに大きく分ける
ことができる。一般に、堆積速度が速い領域をメタルモ
ードと呼び、堆積速度が遅い領域を酸化物モードまたは
オキサイドモードと呼ぶ。メタルモードでは、プラズマ
流中の励起された酸素原子・分子により、試料基板上で
酸化反応が起こり、基板上に酸化物の堆積が起こる。上
述した2つの成膜モードは、RFスパッタ法等のスパッ
タ法でもみられるが、ECRスパッタ法では、より明確
に観測され、安定にメタルモードで薄膜を形成できる。
【0020】一般にスパッタ装置では、ターゲットに負
の高周波電圧を印加してプラズマ中のイオンを引き込ん
でスパッタ現象を起こしている。プラズマとは、原子・
分子が解離し、電子とイオンが同数存在する電気的に中
性な状態である。このプラズマに対し、対向した平板電
極を用いてこの平板電極に高周波電圧を印加することを
考える。図8に示すように、対向した平板電極801に
印加する電圧は交流電圧なので、ある時点で、平板電極
801の一方が正極に、他方が負極になる。プラズマ
は、抵抗・容量(RC)インピーダンスを持つ導体と考
えられるので、プラズマ空間に負極から正極への加速場
が発生する。
【0021】このため、プラズマ空間中の電子802は
正極方向に加速輸送され、イオン803は負極へ加速輸
送される。電子802の移動度は、イオン803に比較
して極めて大きく、電子802は速やかに正極に流入し
て電源側に入るのに対し、イオン803はなかなか負極
に流入しない。高周波電圧は、交流電界(時間的に正負
が入れわかる電界)なので、つぎのタイミングでは電極
を入れ替えて、同じ現象が起きる。この現象が繰り返さ
れると、プラズマ中から電子が少なくなり、プラズマの
電気的中性条件が成立しなくなる。これを防ぐために、
自己整合的に、上記電極の表面に電子を減速しイオンを
加速する負のバイアスが発生する。これが、プラズマシ
ースである。
【0022】このプラズマシースにより、電源へ流入す
るプラズマ中のイオン・電子が同数になるように調整さ
れる。電源側では、接地を中心に振幅がVppの交流電
界が発生するが、電極の表面では、グランドに対して負
にシフトした電界が発生する。この電圧のシフトの量
が、Vdcである。上記電界は、短時間の間だけ正電位
となって電子を引きつけ、長い間負電位としてイオンを
引きつける。長期的に見れば、イオンは高周波の高周波
電界には追いつけないので、Vdcによって加速されて
直流的に電極に流入する。一般的には、ターゲットに印
加するVppとVdcの2つの電圧を観測することがで
きる。
【0023】図7に、アルミナ薄膜の形成速度(成膜速
度)と併記して、ターゲットに印加したVppとVdc
の変化について示した。各々、堆積開始直後(1回目)
と作業(堆積)終了直後(2回目)の測定値を示した。
図7に示すように、酸素流量により堆積速度と同様の変
化が、VppとVdcにみられる。このことにより、V
ppとVdcを観測することで、成膜モードをモニタす
ることができることがわかる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各々の
測定により値に違いが見られる。この理由として以下の
ことが考えられる。ターゲットに印加する高周波電圧
は、スパッタリング時に、印加電力を高周波(RF)コ
ントローラによって一定に保つように自動的に調整され
る。例えば、高周波電力を500Wとすると、常時、タ
ーゲット電流とターゲット電圧の積が500Wとなるよ
うに調整する。
【0025】このときのターゲット電圧から、Vdcと
Vppを電気的に測定している。従って、プラズマの電
流密度やターゲットの表面の電導率の変化によりターゲ
ット電流も変化してしまい、この電流変化に伴い、Vp
pとVdcが変化してしまう。このことは、VppとV
dcだけでは、成膜状態の正確なモニタが困難であるこ
とを示している。
【0026】さらに、上述したゲート絶縁膜の堆積で
は、堆積状態を制御した極薄膜の堆積が要求され、光学
多層膜の堆積では、異なる2つ以上の堆積状態を管理し
ながら安定に堆積することが望まれている。このため、
電気的な外部要因の影響を受けやすいVppとVdcの
測定だけでは、高精度な成膜状態のモニタは困難とい
え、さらに直接的にスパッタ現象を観測できるモニタ方
法の開発が急務となっている。
【0027】本発明は、以上のような問題点を解消する
ためになされたものであり、外部要因の影響などを受け
にくい状態で安定に成膜状態がモニタできるようにする
ことを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明に係る成膜モニタ
リング方法は、内部にターゲットが固定された密閉可能
な容器に不活性ガスと反応性ガスとを導入してプラズマ
を生成し、このプラズマによりターゲットをスパッタし
て、容器の内部に載置された基板上にターゲットを構成
する物質と反応性ガスを構成する物質からなる薄膜を形
成する成膜方法において、ターゲットの表面近傍の発光
を観測して基板上に形成される薄膜の成膜状態を監視す
るようにしたものである。この成膜モニタリング方法に
よれば、ターゲットの表面近傍において存在する物質の
状態が観測される。
【0029】上記成膜モニタリング方法において、ター
ゲットの表面近傍の発光光より、不活性ガスに関与する
波長の発光ピークと反応性ガスに関与する波長の発光ピ
ークとを観測することで、成膜状態を監視すればよい。
また、上記、成膜モニタリング方法において、反応性ガ
スに関与する発光ピークの観測により、ターゲットの表
面におけるターゲットを構成する物質と反応性ガスを構
成する物質との化合状態を監視し、不活性ガスに関与す
る波長の発光ピークの観測により、不活性ガスによるプ
ラズマ状態を監視すればよい。なお、例えば、プラズマ
は、電子サイクロトロン共鳴放電により生成する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。なお、以降に示す実施の形態
は、本発明の1つの例示であって、本発明の精神を逸脱
しない範囲で具体的構造の変更あるいは改良を行い得る
ことは言うまでもない。また、1Pa=0.0076T
orrであり、1T=10000ガウスである。さら
に、ガス流量を示すsccmは、0℃・1.01325×1
5Paの流体が、1分間に1cm3流れることを示すも
ので、以降では、ガス流量は窒素ガス置換したものを示
している。
【0031】<実施の形態1>図1は、本発明の実施の
形態における成膜モニタリング方法が適用されるECR
スパッタ装置の構成を概略的に説明する断面図である。
はじめに、図1のECRスパッタ装置について説明する
と、まず、チャンバー101とこれに連通するプラズマ
生成室102とを備えている。チャンバー101は、図
示していない真空排気装置に連通し、真空排気装置によ
りプラズマ生成室102とともに内部が真空排気され
る。
【0032】チャンバー101には、膜形成対象の基板
(ウエハ)103が固定される試料台104が設けられ
ている。また、チャンバー101内の、プラズマ生成室
102からのプラズマが導入される開口領域において、
開口領域を取り巻くようにリング状のターゲット105
が備えられている。ターゲット105は、絶縁体からな
る容器105a内に載置され、内側の面がチャンバー1
01内に露出している。
【0033】また、プラズマ生成室102は、真空導波
管106に連通し、真空導波管106は、石英窓107
を介して導波管108に接続されている。導波管108
は、図示していないマイクロ波発生部に連通している。
また、プラズマ生成室102の周囲およびプラズマ生成
室102の上部には、磁気コイル(磁場形成手段)11
0が備えられている。これら、マイクロ波発生部、導波
管108,石英窓107,真空導波管106により、マ
イクロ波供給手段が構成されている。なお、導波管10
8の途中に、モード変換器を設ける構成もある。
【0034】図1のECRスパッタ装置では、まず、チ
ャンバー101およびプラズマ生成室102内を真空排
気した後、不活性ガス導入部111より不活性ガスであ
るアルゴンガスを導入し、また、反応性ガス導入部11
2より酸素などの反応性ガスを導入し、プラズマ生成室
102内を例えば10-3Pa程度の圧力にする。この状
態で、磁気コイル110よりプラズマ生成室102内に
0.0875Tの磁場を発生させた後、導波管108,
石英窓107を介してプラズマ生成室102内に2.4
5GHzのマイクロ波を導入し、電子サイクロトロン共
鳴(ECR)プラズマを発生させる。
【0035】ECRプラズマは、磁気コイル110から
の発散磁場により、試料台104の方向にプラズマ流を
形成する。なお、図1のECRスパッタ装置では、図示
していないマイクロ波発生部より供給されたマイクロ波
電力を、導波管108において一旦分岐し、プラズマ生
成室102上部の真空導波管106に、プラズマ生成室
102の側方から石英窓107を介して結合させてい
る。このようにすることで、石英窓107に対するター
ゲット105からの飛散粒子の付着が、防げるようにな
り、ランニングタイムを大幅に改善できるようになる。
【0036】以上のことによりプラズマを生成している
状態で、プラズマ生成室102と試料台104との間に
設けたリング状のターゲット105に高周波電圧を印加
することで、ターゲット105の表面にプラズマを引き
寄せてスパッタリングを行う。スパッタリングにより、
ターゲット105の表面よりターゲット材料の粒子が飛
び出し、プラズマ生成室102より放出されたプラズマ
とともに基板103上に到達する。また、このとき、上
記粒子とともに、プラズマにより活性化された反応性ガ
スも基板103上に到達する。この結果、基板103上
に、ターゲット材料の酸化膜が形成されることになる。
加えて、基板103上には、発散磁界で引き出されたプ
ラズマが照射されるので、照射されたプラズマのプラズ
マアシスト効果により、基板103上に形成された膜
は、より強固で高品質なものとなる。
【0037】以上説明したことにより、ECRスパッタ
装置でターゲット材料の酸化膜を基板103上に形成し
ているときに、本実施の形態では、ターゲット105の
表面付近を望む真空封止石英窓113を通し、光ファイ
バ114によりターゲット105の表面付近の発光を分
光器115に導いて分光し、分光した光を演算器116
により解析するようにした。すなわち、プラズマが生成
されている状態で、ターゲット105の表面近傍の発光
を観測して基板103上に形成される薄膜の成膜状態を
監視するようにした。
【0038】なお、上述では、ターゲット105の表面
が見込めるような光学系である光ファイバ114を用意
し、チャンバー101の外部より指向性のある状態で主
にターゲット105の表面における発光光を検出するこ
とで、ターゲット105の表面近傍の発光を観測するよ
うにしているが、これに限るものではない。例えば、チ
ャンバー101内部に、ターゲット105の表面近傍の
発光を観測するための光検出手段を設けるようにしても
よい。
【0039】以下に、本実施の形態における成膜モニタ
リング方法において、スパッタそのものに影響を与えず
スパッタ状態(成膜状態)を観測することが可能となる
ことを示す。図2に、ターゲットにアルミニウムを用
い、反応性ガスとして酸素ガスを用い、スパッタガスと
してアルゴンガスを用いた場合の、アルミナ膜の形成時
における、ターゲットの表面付近の発光状態を可視分光
器で観測した発光スペクトルを示す。図2(a)はメタ
ルモード時であり、図2(b)は酸化物モード(化合物
モード)時の測定結果を示すものである。
【0040】反応性スパッタリング中のターゲットの表
面近傍の発光光を分光すると、いくつかのピークがみら
れるが、ほとんどの発光は、スパッタガスであるアルゴ
ンからの信号であり、この代表的な信号として811n
mのピーク(アルゴンピーク:不活性ガスに関与する波
長の発光ピーク)がある。これは、アルゴンガスが電離
しやすい気体であるためである。反応性スパッタリング
中には、チャンバー101(図1)内に酸素を導入して
いる。しかしながら、図2(a)に示すように、メタル
モード堆積時には、酸素に関連したピークは非常に小さ
い。これに対し、図2(b)に示すように、酸化物モー
ドでの堆積時には、測定範囲で777nm付近に酸素に
起因したピーク(酸素ピーク:反応性ガスに関与する波
長の発光ピーク)が見られる。発明者らは、この酸素ピ
ークに注目した。
【0041】上述した酸素ピーク(図2(b))の起因
について考察する。供給される酸素流量が小さくターゲ
ット表面のアルミニウムが酸化される割合が少ないメタ
ルモード成膜時は、ターゲットの表面におけるスパッタ
率が大きいので堆積速度が速くなる。しかし、酸素供給
量が増加して、酸化物モードの堆積状態になると、ター
ゲット表面のアルミニウムが酸化される割合が急激に増
大し、ターゲットの表面がスパッタリングされにくいア
ルミナになり、スパッタ率が低下して堆積速度も遅くな
る。
【0042】この酸化物モードにおける状態を、ターゲ
ットの表面付近の発光に当てはめて考える。メタルモー
ド成膜時のターゲットの表面付近には、供給される酸素
の量はさほど多くなく、ターゲットの表面をアルミナで
被覆する量も少なく、酸素に起因する発光も少ない。こ
れに対して、酸素の供給量が多くなる酸化物モード堆積
時には、ターゲットの表面がアルミナでほとんど被覆さ
れ、酸素に起因する発光が急激に大きくなると考えられ
る。このため、酸化物モードにおいて、ターゲットの表
面の発光測定における酸素ピークが、急激に出現すると
推測される。
【0043】これに対し、アルゴンピークの信号強度
は、反応性スパッタリング時のECRプラズマのプラズ
マ密度(アルゴンガスによるプラズマの状態)を反映し
ていると考えられる。反応性スパッタリング中に、EC
Rプラズマで正常なプラズマ生成ができていない場合、
マイクロ波がプラズマ生成に使用されずにプラズマ電流
密度が上がらない。
【0044】この状態でのアルゴンプラズマの発光状態
は、正常時に比べてかなり暗い発光になる。このため、
アルゴンピークの信号強度を観測することにより、プラ
ズマの形成状態の正常性を確認することができるととも
に、プラズマ密度の粗密を観測することができる。さら
に、上記アルゴンピークの強度は、ターゲットに引き込
めるイオン密度にも関連しているので、スパッタ速度の
予測が可能となる。
【0045】さらに、スパッタリング現象により形成す
る膜の原料を供給するターゲットの表面付近状態を観測
することが重要であり、一般的に行われている基板付近
のプラズマ分光による観測では、正確な成膜観測は困難
である。なぜならば、反応性スパッタ法において、膜の
形成速度(成膜速度)は、ターゲットの表面が金属のま
まなのか、あるいは、酸化されているかにより大きく変
化するからである。
【0046】また、アルゴンピーク(不活性ガスのピー
ク)および酸素に関連した信号ピークの観測は、Vpp
とVdcの観測のように電気的な測定ではなく、光学的
に非接触でなされるのでノイズが少なく、プラズマ生成
に影響を与えず容易に観測することが可能である。この
ことは、安定にプラズマが生成できるECRプラズマで
は特に、有効である。以下に具体的に説明する。
【0047】図3に、酸素ガスを用いた反応性スパッタ
によりアルミナ膜を形成する時の酸素ガス流量とアルミ
ナ膜の堆積(形成)速度、形成されたアルミナ膜の屈折
率、および、反応性スパッタリング中のターゲットの表
面近傍における発光の酸素ピークの信号強度を合わせて
示す。図3に示すように、酸素流量が小さいと、堆積速
度が大きなメタルモードが出現し、酸素流量が7sccm以
上になると堆積速度が小さな酸化物モードが出現するこ
とがわかる。
【0048】また、形成されたアルミナ膜の屈折率は、
酸素流量が4sccmあたりまでは大きな値を示すが、4sc
cm以上になるとサファイアに近い屈折率を示す。これに
対し、ターゲットの表面近傍における発光の酸素ピーク
の信号強度は、酸素流量が小さい場合は小さく、酸素流
量が7sccm以上になると急激に大きくなる。
【0049】したがって、発光の酸素ピークを観測する
ことで、メタルモードと酸化物モードの状態、すなわ
ち、ターゲットの表面におけるターゲットを構成する物
質と反応性ガスを構成する物質との化合状態の監視が可
能となる。例えば、酸素ピークの強度と成膜モード(メ
タルモードと酸化物モード)との関係を予め求めてお
き、実際の成膜プロセスでは、求めておいた関係と測定
された酸素ピークの強度とから、成膜モードを特定する
ことができる。
【0050】図4に、プロセスに対する追従性を示す。
図4のプロセスは、プラズマを発生させ、メタルモード
でターゲットをスパッタし、まず、約1100秒後にプ
ラズマ生成を停止し、開始より約1350秒後に再びプ
ラズマを発生させ、メタルモードでスパッタリングを行
う。引き続き、開始より約1750秒後に、成膜モード
を酸化物モードにし、開始より約1800秒から約24
00秒にかけて酸化物モードでスパッタするものでる。
【0051】図4に示すように、上述したプロセスの各
モードが、ターゲットの表面近傍における発光分析によ
るスペクトル強度により、良好にモニタできていること
がわかる。なお、図4での酸素ピーク強度は、実際の値
を30倍したものである。メタルモードでは、酸素ピー
クは小さく、アルゴンピークがメインである。さらに、
酸化物モードでは、酸素ピークが大きく出現し、酸化物
モードで成膜していることが認識できる。酸化物モード
においてもアルゴンピークは変化がないことから、成膜
モードによるプラズマ生成の変化はないことがわかる。
両モードにおいて1秒以下の良好なプロセス追従性を持
っていることがわかる。さらに、これらの信号強度か
ら、プラズマの発生/消滅も明確に観測できる。
【0052】さらに、図5にメタルモードの連続堆積を
行ったプロセスでの追従性を示す。図5は、メタルモー
ドのアルミナ膜を6枚連続で形成したときのものであ
る。酸素ピークとアルゴンピークの変化とともに、アル
ミナ膜の堆積速度とVppとVdcの平均値の値を示
す。図5に示すように、アルゴンピークも酸素ピークも
プロセスに対応して明確に信号強度が変化していること
がわかる。
【0053】さらに、アルゴンピークに注目すると、処
理するウエハが増えるに従って信号強度が明らかに強く
なっている。これは、アルミナ膜の成膜速度と同じ変化
を示しており、アルゴンピークを観測することによって
成膜状態(堆積速度)をモニタできていることがわか
る。例えば、アルゴンピークの強度と堆積速度との関係
を予め求めておき、実際の成膜プロセスでは、求めてお
いた関係と測定されたアルゴンピークの強度とから、堆
積速度(成膜速度)を特定することができる。これに対
し、VdcもVppもウエハによる変化はなく、高精度
な成膜のモニタは困難である。
【0054】<実施の形態2>ところで、上述では、本
発明をECRスパッタ装置に適用した例を示したが、こ
れ以外のスパッタ装置にも同様に適用できる。図6は、
本発明の方法を適用するRFスパッタ装置の概略的な構
成を示すものである。このRFスパッタ装置は、図示し
ない真空排気装置により内部を真空排気するチャンバー
601内に、高周波電力供給手段より高周波電力が供給
されるRF電極602とこれに対向配置されて複数の基
板603を載置する試料台604を備える。
【0055】RF電極602は、上部をカソードシール
ド605に覆われ、下面にターゲット606が固定され
る。従って、ターゲット606と試料台604とが対向
配置された状態となる。RF電極602は、絶縁部材6
07によってチャンバー601上部に固定されている。
【0056】図6のRFスパッタ装置では、チャンバー
601内を所定の真空度とした後、ガス導入部611よ
りスパッタガスと反応性ガスとを導入して適当なガス圧
とする。この後、RF電極602に高周波電圧を印加し
てRF電極602下部にRFプラズマを生成する。この
状態で、ターゲット606には、イオンを引き込む負の
バイアスが印加されているので、生成されているプラズ
マ中のイオン衝撃により、ターゲット606の表面はス
パッタリングされ、この結果、飛散したスパッタ粒子
が、基板603上に堆積して薄膜を形成する。
【0057】以上のようにスパッタリングがされている
最中に、本実施の形態では、例えばつぎに示すようにし
て、ターゲット606の表面近傍における発光状態を観
測し、成膜モードおよび成膜速度を監視するようにし
た。例えば、真空封止石英窓613および光ファイバ1
14を通じ、ターゲット606の表面近傍における発光
を分光器615に導き、分光器615で分光した光を演
算器616により解析し、成膜状態を監視する。このこ
とにより、本実施の形態においても、スパッタリングに
おける成膜モードと成膜速度(堆積速度)の検出が行え
るようになる。
【0058】なお、上述では、アルゴンを用いるように
したが、キセノンなど他の不活性ガスを用いるようにし
ても良いことはいうまでもない。また、上述では、酸素
ガスを用いるようにしたが、窒素やフッ素などの他の反
応性ガスやこれらの混合ガスであっても同様であり、上
述した成膜状態の監視が行える。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、スパッ
タ中にターゲットの表面近傍における発光を観測して基
板上に形成される薄膜の成膜状態を監視するようにし
た。この結果、本発明によれば、外部要因の影響などを
受けにくい状態で安定に成膜状態がモニタできるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における成膜モニタリン
グ方法が適用されるECRスパッタ装置の構成を概略的
に説明する断面図である。
【図2】 ターゲットの表面付近における発光状態を可
視分光器で観測した発光スペクトルを示す特性図であ
る。
【図3】 酸素ガス流量とアルミナ膜の堆積(形成)速
度、形成されたアルミナ膜の屈折率、および、反応性ス
パッタリング中のターゲットの表面近傍における発光の
酸素ピークの信号強度を合わせて示す特性図である。
【図4】 実施の形態1におけるプロセス毎の観察結果
を示す特性図である。
【図5】 実施の形態1におけるプロセス毎の観察結果
を示す特性図である。
【図6】 他の形態の成膜モニタリング方法が適用され
るスパッタ装置の構成を概略的に説明する断面図であ
る。
【図7】 アルミナ膜の堆積速度と屈折率の酸素流量依
存性の代表的な特性を示す特性図である。
【図8】 従来よりある方法で、ターゲット電圧の状態
を監視する方法を示した説明図である。
【符号の説明】
101…チャンバー、102…プラズマ生成室、103
…基板(ウエハ)、104…試料台、105…ターゲッ
ト、106…真空導波管、107…石英窓、108…導
波管、110…磁気コイル、111…不活性ガス導入
部、112…反応性ガス導入部、113…真空封止石英
窓、114…光ファイバ、115…分光器、116…演
算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 俊郎 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA44 BD01 BD11 CA06 DA03 DC03 DC48 EA06 5F045 AA19 AB31 AB32 AB33 AB34 BB12 DP03 DQ10 GB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にターゲットが固定された密閉可能
    な容器に不活性ガスと反応性ガスとを導入してプラズマ
    を生成し、このプラズマにより前記ターゲットをスパッ
    タして、前記容器の内部に載置された基板上に前記ター
    ゲットを構成する物質と前記反応性ガスを構成する物質
    からなる薄膜を形成する成膜方法において、 前記プラズマが生成されている状態で、前記ターゲット
    の表面近傍の発光を観測して前記基板上に形成される前
    記薄膜の成膜状態を監視する工程を備えたことを特徴と
    する成膜モニタリング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成膜モニタリング方法に
    おいて、 前記ターゲットの表面近傍の発光光より、前記反応性ガ
    スに関与する波長の発光ピークを観測することで、前記
    成膜状態を監視することを特徴とする成膜モニタリング
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の成膜モニタリング方法に
    おいて、 前記反応性ガスに関与する波長の発光ピークの観測によ
    り、前記ターゲットの表面における前記ターゲットを構
    成する物質と前記反応性ガスを構成する物質との化合状
    態を監視することを特徴とする成膜モニタリング方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項に記載の成膜
    モニタリング方法において、 前記ターゲットの表面近傍の発光光より、前記不活性ガ
    スに関与する波長の発光ピークを観測することで、前記
    成膜状態を監視することを特徴とする成膜モニタリング
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の成膜モニタリング方法に
    おいて、 前記不活性ガスに関与する波長の発光ピークの観測によ
    り、前記不活性ガスによるプラズマの状態を監視するこ
    とを特徴とする成膜モニタリング方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項に記載の記載
    の成膜モニタリング方法において、 前記プラズマは、電子サイクロトロン共鳴放電により生
    成することを特徴とする成膜モニタリング方法。
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