JP2003201577A - 熱交換器フィン用アルミニウム又はアルミニウム合金材及び熱交換器用フィン - Google Patents

熱交換器フィン用アルミニウム又はアルミニウム合金材及び熱交換器用フィン

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JP2003201577A JP2002002814A JP2002002814A JP2003201577A JP 2003201577 A JP2003201577 A JP 2003201577A JP 2002002814 A JP2002002814 A JP 2002002814A JP 2002002814 A JP2002002814 A JP 2002002814A JP 2003201577 A JP2003201577 A JP 2003201577A
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aluminum
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water
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Kenichi Kamiya
憲一 神谷
Takahiro Shimizu
高宏 清水
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内空気中の汚染物質濃度が絶えず高い状態
にあるような特異な室内環境下においても、親水性を長
期にわたり持続させることができ、更に、プレス成形性
も優れている熱交換器フィン用アルミニウム又はアルミ
ニウム合金材及び熱交換器用フィンを提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金基板
と、この基板上に形成された厚さが0.1〜10μmの
親水性皮膜と、この親水性皮膜の上に形成された厚さが
0.1〜10μmの水溶性樹脂皮膜とを有し、前記親水
性皮膜は、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩類から
なる群から選択された少なくとも1種の100質量部に
対し、分子内にヒドロキシル基を有する水溶性樹脂を1
〜200質量部、リン酸及びリン酸塩化合物からなる群
から選択された少なくとも1種を1〜20質量部含むも
のであり、前記水溶性樹脂皮膜は、分子内にヒドロキシ
ル基を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器フィン用
の表面処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金材
及びこれを使用した熱交換器用フィンに関し、特に、汚
染物質付着時の親水持続性が優れており、ルームエアコ
ン及びパッケージエアコン等の熱交換器用に好適なフィ
ン及びその素材に関する。
【0002】
【従来の技術】ルームエアコン及びパケージエアコン等
の熱交換器用フィンにおいては、特に、熱伝導性及び加
工性が優れた材料が要望されてきた。このため、一般
に、アルミニウム又はアルミニウム合金材(以下、総称
してアルミニウム材という)が使用されており、フィン
性能を高めるため、耐食性及び親水性等を高めたフィン
用アルミニウム材が開発されている。
【0003】しかしながら、近時、マンション等でエア
コン等を使用した場合、親水性が長期にわたり持続せ
ず、親水持続性が劣ると言った問題点が発生している。
本発明者らの調査では、フィンの最表面である親水性皮
膜の表面に、例えば、フタル酸ジイソオクチル(DO
P)等の可塑剤と、パルミチン酸、ステアリン酸又はパ
ラフィン類等のプラスチック用滑剤等が付着したことに
より、親水性が持続しにくくなっていることが明らかと
なった。
【0004】マンション等において、部屋の密閉性が高
まり、同時に、壁、床等に各種汚染物質を含む新建材等
が多用されるようになり、このため、各種汚染物質が存
在する環境下でエアコン等を使用する機会が多くなって
いることが、親水持続性の劣化の原因であるものと考え
られる。これに対し、本発明者らは、フィン表面に汚染
物質が付着した状態でも、親水性が長期に渡り持続する
アルミニウム材製フィンを開発するべく鋭意研究を進
め、特開2001−201289号に記載した発明を提
案した。即ち、親水性皮膜として、ポリアクリル酸類に
ヒドロキシル基を有する水溶性樹脂を1種以上の混合物
として添加し、更に200℃以上で焼き付けされた強固
な密着性のある皮膜を使用することにより、ヒドロキシ
ル基を含有する水溶性樹脂の流出が抑制され、親水性が
長期にわたり持続するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
001−201289号に記載のアルミニウム材をエア
コン等のフィンに適用した場合、通常の汚染物質雰囲気
下においては、一定期間は親水性を持続するものの、特
異な室内環境下(例えば、絶えず親水性を劣化させるよ
うな汚染物質が噴霧されている場合(接着剤を工業的に
使用するような環境下等)、又は、室内が締め切られ、
汚染物質が室内で絶えず滞留するような場合のように、
室内空気中の汚染物質濃度が絶えず高い状態にある環境
下)では、フィン表面の親水性が低下し易く、親水持続
性が不十分であることが判明した。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、室内空気中の汚染物質濃度が絶えず高い状
態にあるような特異な室内環境下においても、親水性を
長期にわたり持続させることができ、更に、プレス成形
性も優れている熱交換器フィン用アルミニウム又はアル
ミニウム合金材及び熱交換器用フィンを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱交換器フ
ィン用アルミニウム又はアルミニウム合金材は、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金基板と、この基板上に形成
された厚さが0.1〜10μmの親水性皮膜と、この親
水性皮膜の上に形成された厚さが0.1〜10μmの水
溶性樹脂皮膜とを有する。前記親水性皮膜は、ポリアク
リル酸及びポリアクリル酸塩類からなる群から選択され
た少なくとも1種の100質量部に対し、分子内にヒド
ロキシル基を有する水溶性樹脂を1〜200質量部、リ
ン酸及びリン酸塩化合物からなる群から選択された少な
くとも1種を1〜20質量部含むものである。また、前
記水溶性樹脂皮膜は、分子内にヒドロキシル基を有する
ものである。
【0008】また、本発明に係る熱交換器用フィンは、
上記アルミニウム又はアルミニウム合金材を成形するこ
とにより製造されたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に係る熱交換器フィン用アルミニウム材
は、アルミニウム又はアルミニウム合金基板(アルミニ
ウム基板)と、この基板上に形成された厚さが0.1〜
10μmの親水性皮膜と、この親水性皮膜の上に形成さ
れた厚さが0.1〜10μmの水溶性樹脂皮膜とを有す
る。
【0010】アルミニウム基板 先ず、所望の組成及び板厚に調整されたアルミニウム
(アルミニウム又はアルミニウム合金)素板を用意し、
これを脱脂し、その後、耐食性及び素板表面に形成され
る皮膜との密着性の向上を目的に、アルミニウム素板全
面に耐食性皮膜を形成する。なお、耐食性皮膜として
は、一般的な、例えば、リン酸クロメート皮膜、クロム
酸クロメート皮膜、樹脂分を添加した塗布型クロメート
皮膜等のクロムを含む皮膜、又は、最近の環境問題に考
慮し、クロムを全く含まない塗布型ジルコニウム系皮
膜、反応型ジルコニウム系皮膜、塗布型チタニウム系皮
膜若しくは反応型チタニウム系皮膜等を適宜使用するこ
とができる。この場合、皮膜量としては、無機金属換算
で1〜60mg/mが好ましい。皮膜量が1mg/m
より少ない場合には、耐食性及び密着性の点において
十分な効果が得られず、また、皮膜量が、60mg/m
より多くなると、プレス成形時等に耐食性皮膜自身に
割れが生じ易くなり、本来の目的を果たさなくなる。な
お、耐食性皮膜を必要としない環境下、又は、密着性を
確保できる他の下地処理を施すことができる場合等は、
上記のような耐食性皮膜は不要である。
【0011】親水性皮膜 上記のような下地処理が施された後、その表面には、親
水性付与のために親水性皮膜が形成される。本発明の親
水性皮膜は、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩類か
らなる群から選択された少なくとも1種の100質量部
に対し、分子内にヒドロキシル基を有する水溶性樹脂を
1〜200質量部、リン酸又はリン酸塩化合物からなる
群から選択された少なくとも1種を1〜20質量部含む
ものである。各成分の添加理由及び組成限定理由は、以
下のとおりである。
【0012】ポリアクリル酸又はポリアクリル酸塩類 ポリアクリル酸塩(アクリル酸類)としては、例えば、
ポリアクリル酸のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモ
ニウム塩等を用いることができる。これらのアクリル酸
類は、汚染物質が固着し難く、バインダー樹脂とし
て親水性皮膜へ密着性及び耐水性を付与することができ
る。また、ヒドロキシル基を有する水溶性樹脂のヒド
ロキシル基と、アクリル酸類のカルボキシ基の脱水縮合
によるエステル化が部分的に同時に起こることにより、
より強固な親水性皮膜を形成することができる。更に、
皮膜に親水性を付与する効果を有する分子内にヒドロ
キシル基を有する水溶性樹脂の水滴による流出を防止
し、親水性が長期にわたり持続させることができるとい
う効果を奏する。
【0013】分子内にヒドロキシル基を有する水溶性樹
また、分子内にヒドロキシル基を有する水溶性樹脂とし
ては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール又はポリエチレングリコール等が適当であ
る。
【0014】なお、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸
塩類からなる群から選択された1種以上より成る成分1
00質量部に対して、分子内にヒドロキシル基を有する
水溶性樹脂より選ばれた1種以上から成る成分を、1〜
200質量部に限定した理由は、次のようである。つま
り、1質量部より少ない場合は、皮膜に親水性を付与す
るヒドロキシル基が少ないため、十分な親水性が得られ
ない。また、200質量部より多い場合には、ヒドロキ
シル基を有する水溶性樹脂に対するアクリル酸類の量が
少なすぎるため、水滴により皮膜中の流出成分が増大し
親水性は低下する。従って、汚染物質が付着した状況下
においても親水性は持続しなくなる。このため、上記範
囲に限定する必要がある。
【0015】リン酸又はリン酸塩化合物 更に、リン酸塩化合物(リン酸類)としては、例えば、
トリポリリン酸又はリン酸ナトリウム等を適宜使用する
ことができる。これらのリン酸類を親水性皮膜中に含む
ことにより、アクリル酸類のカルボキシル基及びヒド
ロキシル基を有する水溶性樹脂のヒドロキシル基が、形
成された皮膜の表面に配置され、皮膜表面ではイオン化
した分子(イオン性雰囲気)が増大する。即ち、皮膜表
面に、リン酸イオン及びイオン化したカルボキシル基を
有するアクリル酸類が多くなる。通常、アクリル酸類
の塩等のポリマーは、ドメインと呼ばれるイオン性を持
った集合組織を形成しているが、これらのドメインが更
にリン酸イオンにより結合され、より大きなイオン性を
もった集合組織を形成し、形成された皮膜表面のイオン
性雰囲気を増大させる。更に、上記及びの効果に
より、形成された皮膜表面のイオン性雰囲気が大幅に増
大することにより、皮膜表面の保水性が大幅に向上し、
皮膜表面は、より濡れ易くなる。このため、皮膜表面に
付着した汚染物質が、ドレン水と共に排出される効果が
大幅に高められ、親水性は長期にわたり維持されること
となる。
【0016】なお、リン酸又はリン酸塩化合物からなる
群から選択された少なくとも1種より成る成分を、1〜
20質量部に調整する必要がある。この場合、1質量部
より少ない場合は、親水性皮膜表面のイオン性雰囲気を
増大させる効果が不十分であり、このため、汚染物質が
付着した状態での親水性の向上効果が不十分となる。ま
た、20質量部より多い場合には、形成した親水性皮膜
とアルミニウム板との密着性が低下し、プレス成形性及
び耐食性が低下する。このため、リン酸又はリン酸塩化
合物からなる群から選択された少なくとも1種よりなる
成分は、1〜20質量部に調整する必要がある。
【0017】更に、本発明では、上述の組成を有する親
水性皮膜の膜厚を0.1〜10μmとしている。親水性
皮膜厚が0.1μmより薄い場合は、十分な親水性が得
られない。また、皮膜厚が10μmより厚い場合には、
皮膜の内部応力の増大により、皮膜の密着性が低下し、
プレス加工時に皮膜が部分的又は全面にわたり剥離する
といった不具合が生じる。このため、汚染物質が存在す
る雰囲気下で長期にわたり親水性を維持するためには、
親水性皮膜厚は、0.1〜10μmに設定する必要があ
る。
【0018】水溶性樹脂皮膜 本発明では、上記親水性を有する皮膜を形成した後、そ
の表面に、皮膜最表面へ潤滑性を付与し、プレス成形
性を向上させるため、また、プレス成形時における親
水性皮膜の成分であるアクリル酸類と金型との粘着不具
合を防止するためのマスキング材として、分子内にヒド
ロキシル基を有する厚さ0.1〜10μmの水溶性樹脂
皮膜を形成する。ここで、分子内にヒドロキシル基を有
する水溶性樹脂としては、例えば、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール等を用いることができる。
【0019】また、本発明では、水溶性樹脂皮膜の膜厚
を0.1〜10μmとしている。膜厚が、0.1μmよ
り薄い場合は、プレス成形時において十分な潤滑効果が
得られず、また、マスキング効果も得られない。このた
め、プレス成形時に、親水性皮膜の剥離(カラー内面の
焼き付き)、又は、フィン用アルミニウム材とプレス用
金型との粘着による加工不具合等が生じる。
【0020】水溶性樹脂皮膜の膜厚が10μmより厚い
場合には、皮膜の内部応力の増大により下層である親水
性皮膜との密着性が低下し、皮膜が剥離し易くなる。こ
のため、プレス成形時に金型内に剥離した水溶性樹脂皮
膜が付着する等の不具合を生じ、プレス成形において歩
留り低下を招く。よって、水溶性樹脂皮膜については、
0.l〜10μmに膜厚を調整する必要がある。
【0021】なお、水溶性樹脂皮膜は、プレス成形後の
洗浄又は冷房運転初期時に水滴によって洗い流されるた
め、エアコン等の使用時においては、親水性皮膜がフィ
ンの最表面となり、親水性が確保されることとなる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例の効果について、本発
明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。素板と
して、板厚が0.10mmであるJIS A1200の
H24処理されたアルミニウム板を使用し、前処理とし
て、サーフクリーナー360(日本ペイント株式会社
製)によりアルカリ脱脂を実施した。
【0023】更に、下記表1乃至表5に示す耐食性皮
膜、親水性皮膜及び水溶性樹脂皮膜を組み合わせること
により、下記表6及び表7に示す条件にてアルミニウム
素板の表面に順次皮膜を形成し、フィン用アルミニウム
材を製造した。但し、表1は耐食性皮膜の種類及び付着
量を示し、表2乃至表4は親水性皮膜の種類及び構成量
を示し、表5は水溶性樹脂皮膜の種類及び構成量を示
す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】但し、耐食性皮膜は、スプレー処理(化成
処理)又はロールコーター法により形成した。親水性皮
膜は、通常のロールコーター法により形成し、焼付け時
間は15秒間とした。水溶性樹脂皮膜は、加熱乾燥後の
膜厚が所定の厚さとなるように皮膜原料をロールコータ
ー法により塗装し、その後、150℃で15秒間焼き付
け処理することにより形成した。
【0032】表6及び表7の皮膜形成条件により製造さ
れたフィン用アルミニウム材について、その特性を下記
条件にて評価した。
【0033】(親水性)ヒートポンプタイプエアコンの
冷房運転から暖房運転を想定し、上記供試材について、
流水曝露8時間の後80℃乾燥16時間を1サイクルと
してこれを5サイクル繰り返すという乾湿サイクル試験
を実施した。その後、1μリットルの水滴を各条件で作
製したフィン用アルミニウム材の表面に滴下し、水滴の
接触角をゴニオメーターで測定することにより、親水性
を評価した。
【0034】なお、一般的に、親水性を評価するために
水滴の接触角が用いられるが、通常は、この接触角が小
さい方が親水性が優れているといえる。
【0035】(親水持続性)上記供試材を、下記のよう
な流水と汚染物質の暴露とを組み合わせた環境下に保持
し、流水曝露8時間の後汚染物質暴露100℃で16時
間という汚染サイクルを5サイクル実施した。その後、
上記と同様に水滴の接触角を測定することにより汚染物
質付着時の親水持続性を評価した。
【0036】水滴の接触角が小さい場合、親水性は良好
であり、汚染物質が付着した状況下でも親水性は長期に
渡り持続するものと判断される。
【0037】なお、汚染物質としては、各種樹脂製品に
添加され、屋内環境に浮遊しやすく、フィン材表面への
付着により親水性低下の影響が強いパラフィン及びステ
アリン酸を使用した。また、汚染物質雰囲気下での暴露
は、各汚染物質1gと供試材を同時に体積6リットルの
デシケータに入れ、これを恒温槽内で100℃に加熱す
ることにより実施した。
【0038】(臭気特性)臭気特性は、供試材を流水中
に24時間浸漬し、水溶性樹脂皮膜の溶出成分を除去し
た後(エアコン冷房運転時の結露による皮膜溶出成分の
溶出を想定)、これを乾燥し、異臭なしの◎と、強い異
臭ありの×との間を○及び△を使用して4段階に分けた
評価基準で、パネラー5人による官能評価により評価
し、その平均点を評価結果とした。
【0039】(耐食性)塩水噴霧(JIS Z237
1)試験により、連続噴霧200時間後のフィン材表面
の腐食の発生状況を評価した。この耐食性も腐食が発生
しない場合を◎、全面的に酷い腐食が発生した場合を×
として、その間を○と△を使用して4段階の評価基準で
評価した。
【0040】(プレス成形性)下記表8に示すプレス成
形条件のもとで、フィンプレス用金型(日高精機株式会
社製ドローレスタイプ金型)を使用して、供試材にプレ
ス加工を施し、フィンに成形した。なお、プレス成形速
度の単位spmは、Stroke Per Minuteの略であり、1
分間で加工できる数量を意味する。また、評価は、10
000回プレス後について、以下の4段階の評価基準に
て実施した。 <評価基準> カラー内面焼き付き状況:(焼き付き無し)◎−○−△
−×(全面的な皮膜の剥離発生) カラー形状:(正常)◎−○−△−×(座屈、カラー割
れ、カラー飛び発生) ピンチロール及び金型内の異物付着状況:(異物付着無
し)◎−○−△−×(異物の付着量多い)
【0041】
【表8】
【0042】上述した各種評価基準による評価結果を、
下記表9及び表10にまとめて示す。
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】表9に示すように、実施例1〜18は、本
発明の範囲に入るものであり、汚染物質付着時の水滴の
接触角は比較例1〜13と比べて小さく、汚染物質付着
時における親水持続性が優れたものであることが明らか
である。また、実施例1〜18は親水性、臭気特性、耐
食性及びプレス成形性にも優れたものである。
【0046】比較例1は、ヒドロキシル基を有する水溶
性樹脂に対するアクリル酸類の量が少なすぎるため、親
水性皮膜の流出成分が増加し、親水性及び汚染物質付着
時の親水持続性は低下した。更に、皮膜が脆弱となるた
め、プレス成形時のシゴキ加工において、カラー内面の
皮膜が焼き付くという不具合を生じた。
【0047】比較例2は、特開2001−201289
号に相当する技術であるが、親水性皮膜中にリン酸また
はリン酸塩化合物を含まないため、汚染物質付着時の水
滴の接触角は、本実施例に比べて極めて大きい。このた
め、特開2001−201289号に相当する技術で
は、汚染物質付着時の親水持続性に関しては、十分な効
果が得られないものと判断される。
【0048】比較例3は、親水性皮膜中のリン酸含有量
が少なすぎるため、汚染物質付着時の親水持続性におい
て十分な効果が得られていない。
【0049】比較例4は、親水性皮膜中のリン酸含有量
が多すぎるため、皮膜の密着性が低下し、耐食性の低下
及びプレス成形時のカラー内面の焼き付きを生じた。
【0050】比較例5は、親水性皮膜中にアクリル酸類
を含まないため、汚染物質付着時の親水持続性において
十分な効果が得られず、且つ耐食性の低下及びプレス成
形時のカラー内面の焼き付きを生じた。
【0051】比較例6は、水ガラス系の親水性皮膜であ
り、親水性、耐食性及びプレス成形性は優れているもの
の、汚染物質付着時の親水持続性及び臭気特性におい
て、実施例に比べて性能が大きく劣った。
【0052】比較例7は、親水性皮膜の膜厚が薄すぎる
ため、親水性及び汚染物質付着時の親水持続性が劣り、
且つ耐食性の低下も認められた。
【0053】比較例8は、親水性皮膜の膜厚が厚すぎる
ため、皮膜が剥離し易くなり、プレス成形時にカラー内
面の焼き付きを生じ、また、ピンチロール及び金型内へ
の異物の付着といった不具合を生じた。
【0054】比較例9は、親水性皮膜の焼き付け温度が
低すぎるため、親水性皮膜は溶出し易く、且つ脆弱とな
り、密着性は低下する。このため、汚染物質付着時の親
水持続性、耐食性及びプレス成形性が低下した。
【0055】比較例10は、水溶性樹脂皮膜の膜厚が薄
すぎるため、カラー内面の焼き付き、金型内への粘着に
よるカラーの座屈の発生等、プレス成形性は低下した。
【0056】比較例11は、水溶性樹脂皮膜の膜厚が厚
すぎるため、ピンチロール及び金型内への異物の付着と
いった不具合を生じた。
【0057】比較例12は、水溶性樹脂皮膜が設けられ
ていないため、プレス成形において不具合を生じた。
【0058】比較例13は、耐食性皮膜が設けられてい
ないため、耐食性及びプレス成形性の低下を生じた。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
汚染物質雰囲気下でも長期にわたり親水性を維持するこ
とができると共に、プレス成形性が優れた熱交換器フィ
ン用アルミニウム又はアルミニウム合金材と熱交換器用
フィンを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K026 AA09 BB02 CA23 CA38 DA02 EA08 EB11 4K044 AA06 AB10 BA02 BA15 BA17 BA21 BB04 BC02 CA16 CA53

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金基板
    と、この基板上に形成された厚さが0.1〜10μmの
    親水性皮膜と、この親水性皮膜の上に形成された厚さが
    0.1〜10μmの水溶性樹脂皮膜とを有し、前記親水
    性皮膜は、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩類から
    なる群から選択された少なくとも1種の100質量部に
    対し、分子内にヒドロキシル基を有する水溶性樹脂を1
    〜200質量部、リン酸及びリン酸塩化合物からなる群
    から選択された少なくとも1種を1〜20質量部含むも
    のであり、前記水溶性樹脂皮膜は、分子内にヒドロキシ
    ル基を有するものであることを特徴とする熱交換器フィ
    ン用アルミニウム又はアルミニウム合金材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアルミニウム又はアル
    ミニウム合金材を成形することにより製造されたことを
    特徴とする熱交換器用フィン。
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