JP2003238596A - 可溶化補体レセプタータイプ1の結晶 - Google Patents
可溶化補体レセプタータイプ1の結晶Info
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Abstract
き、また、補体活性抑制剤として極めて有用な補体レセ
プターsCR1の結晶を提供する。 【解決手段】補体レセプターsCR1を産生する動物細胞
を、血清培地及び無血清培地を使用する2段階培養法で
培養し、得られた培養液あるいは培養処理液をアフィニ
ティクロマト及びサイズ排除クロマトを使用する2段階
精製法で精製し、結晶化する。
Description
能を有する可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
の結晶、該結晶を使用した補体活性抑制剤、該結晶の製
造方法、該結晶を得るための動物細胞の培養方法並びに
同精製方法に関する。
1)は、赤血球、単球/マクロファージ、顆粒球、B細
胞、いくつかのT細胞、脾濾胞性樹状細胞、および糸球
体有足細胞の細胞膜上に存在する。CR1は、C3bおよびC4
bを結合し、C3b/C4bレセプターと称され、その主なア
ミノ酸配列は決定されている(サイエンス(Science) 24
9:146.151 (1990))。またsCR1は補体系の活性化を抑制
する物質と知られており、補体系の古典経路及び第二経
路を阻害する。この経路を阻害する背景として、補体経
路は補体成分C1-C9 が限定分解を繰り返すことが知られ
ている。そしてsCR1は補体系の中間産物である活性型C3
b及びC4bを結合し、補体因子であるfactor I との共活
性(コファクター活性)によりこれらの補体成分を不活化
したものに分解することで、最終的に細胞死(ネクロー
シス)を阻害する(図1)。更にsCR1は、好中球酸化バ
ースト、補体媒介溶血反応および補体成分であるC3aお
よびC5a産生などのをin vitro(生体外)で 阻害すること
が知られている。また逆受身アルツス反応(アレルギー
反応に類似した反応)、抑制した虚血後心筋炎症および
壊死においてin vitro 活性を示すことも報告されてい
る。よってsCR1は補体系の重要な調節蛋白質であり、こ
れらは補体活性化による宿主組織の自己溶解的破壊を防
止するために機能する。
sCR1の精製法については以下の文献が上げられる(J. im
munol., vol. 146, No.1, 250-256(1991), Eur. J. im
munol., vol. 26, No.8, 1729-1735 (1996), J. of bio
l. chem., vol. 274, No.16,11237-11244(1999))。これ
らは、いずれもATCC CRL-10052番のCHO細胞を用い細胞
培養液上清からsCR1の精製を行なったものである。しか
しこれらの手法は多くの高価な細胞増殖装置や精製用カ
ラムシステムを使うことと煩雑なステップを包含するた
め、精製の効率が低下しsCR1の大半が変性してしまう。
また全細胞上清回収物には他に多種類の夾雑物が含まれ
ているため、そのため精製度が低くいと考えられる。蛋
白質の濃縮は一見成功したかに見えるが、つまり濃縮後
のサンプルに蛋白質濃度は高いが、その中に含まれるs
CR1の割合が低いため、濃縮率が高いとは考えられな
い。
は、その結晶化は当然困難であり、分子量200kDa以上の
可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶化、及びこ
れに基づく立体構造解明は望まれているが未だに実現す
る方法は見出されていない。現在様々な蛋白質の結晶化
方法は見出されているが、200kDa以上の膜蛋白質、特に
様々な網内系細胞膜に存在する補体レセプタータイプ1
(sCR1)は、細胞培養及び精製条件によって蛋白質がイン
タクトな状態を保持し難いため蛋白質の結晶を得るには
至っていない。
従来技術の問題点を踏まえ、補体レセプターsCR1の結晶
を得るための手段を開発し、該補体レセプターの立体構
造解析に利用でき、また、補体活性抑制剤として極めて
有用な補体レセプターsCR1の精製物及び結晶を提供する
ことにある。
決するために鋭意実験を重ねた結果、血清を含む栄養培
地を使った細胞増殖培養と、細胞がsCR1の産生を向上さ
せる無血清培地からなる二段階細胞培養法、続いて、ア
フィニティーカラムクロマトグラフィー、サイズ排除ク
ロマトグラフィーの2種類のカラムクロマトグラフィー
から構成される迅速な二段階カラム精製法を新たに開発
した。そして、これら手段を用いれば、インタクトな状
態でsCR1 を産生することが可能となることを見いだ
し、補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶に初めて成功
したものである。
9)に係るものである。 (1) 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶 (2) 以下のaおよびb工程を含む手段により得られ
た、精製可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)を結晶
化したものである(1)に記載の可溶化補体レセプター
タイプ1(sCR1)の結晶 a:可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)遺伝子
を導入した動物細胞を血清培地で増殖させた後、無血清
培地で培養して可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を産生させる工程、 b:産生された可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を含む培養液を、アフィニティクロマトグラフィー
カラム及びサイズ排除クロマトグラフィカラムを順次使
用して精製する工程。 (3) 膜貫通ドメインを含有しないものである(1)
または(2)に記載の可溶化補体レセプタータイプ1
(sCR1)の結晶。 (4) 糖鎖が除去されたものである(1)〜(3)の
いずれか一に記載の可溶化補体レセプタータイプ1(sC
R1)の結晶。 (5) 上記aおよび/またはbの精製工程が界面活性
剤の存在下で行うものである(1)〜(4)のいずれか
一に記載の可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
の結晶。 (6) 結晶化手段が、蛋白質沈殿剤による沈殿操作と
蒸気拡散法を組み合わせて用いたものである(1)〜
(5)のいずれか一に記載の可溶化補体レセプタータイ
プ1(sCR1)の結晶。 (7) (1)〜(6)のいずれか一に記載の可溶化補
体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶を使用することを
特徴とする補体活性抑制剤。 (8) 以下のaおよびb工程を含む手段により得られ
た精製可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)を結晶化
することを特徴とする可溶化補体レセプタータイプ1
(sCR1)の結晶の製造方法。 a:可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)遺伝子
を導入した動物細胞を血清培地で増殖させた後、無血清
培地で培養して可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を産生させる工程、 b:産生された可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を含む培養液または培養処理液を、アフィニティク
ロマトグラフィーカラム及びサイズ排除クロマトグラフ
ィカラムを順次使用して精製する工程。 (9) 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)遺
伝子が、膜貫通ドメインのコード領域において変異また
は欠失を生じたものである、(8)に記載の可溶化補体
レセプタータイプ1(sCR1)の結晶の製造方法。
(sCR1)が、細胞外に分泌されるものである(9)に記
載の可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶の製
造方法。 (11) 上記a及び/またはbの培養工程が、ツニカ
マイシンの存在下で行うことを特徴とする(8)〜(1
0)のいずれか一に記載の製造方法。 (12) 上記a及び/またはbの精製工程が、可溶化
補体レセプタータイプ1(sCR1)が界面活性剤により分
散している状態で行うものである、(8)〜(11)の
いずれか一に記載の可溶化補体レセプタータイプ1(s
CR1)の結晶の製造方法。 (13) 結晶化手段が、蛋白質沈殿剤による沈殿操作
と蒸気拡散法を組み合わせて用いたものであることを特
徴とする、(8)〜(12)のいずれか一に記載の可溶
化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶の製造方
法。 (14) 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
遺伝子を導入した動物細胞を血清培地で増殖させた後、
無血清培地で培養することを特徴とする2段階細胞培養
方法。
(sCR1)遺伝子が、膜貫通ドメインのコード領域に
おいて変異または欠失を生じたものである、(14)に
記載の2段階培養方法。 (16) 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)遺伝
子が導入された動物細胞が、可溶化補体レセプタータイ
プ1(sCR1)を細胞外に分泌するものである(15)に
記載の2段階培養方法。 (17) 培養工程が、ツニカマイシンの存在下で行う
ことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一に記
載の2段階培養方法。 (18) (14)〜(17)のいずれか一に記載の2
段階培養方法により得られた可溶化補体レセプタータイ
プ1(sCR1)を含む動物細胞培養液あるいは培養処
理液を、アフィニティクロマトグラフィーカラム及びサ
イズ排除クロマトグラフィカラムを順次使用して精製す
ることを特徴とする、可溶化補体レセプタータイプ1
(sCR1)の2段階精製方法。 (19) 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
を含む動物細胞の培養上済液を直接アフィニティクロマ
トグラフィーカラムにかけることを特徴とする(18)
に記載の2段階精製方法。 (20) アフィニティクロマトグラフィーカラム及び
/またはサイズ排除クロマトグラフィカラム使用による
精製において、可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
が界面活性剤により分散している状態で行うことを特徴
とする、(18)または(19)に記載の2段階精製方
法。 (21) (18)〜(20)のいずれか一に記載され
た2段階精製方法により得られた可溶化補体レセプター
タイプ1(sCR1)を使用することを特徴とする、補体活
性抑制剤。
本発明は、血清を含む栄養培地による細胞増殖培養およ
び細胞がsCR1蛋白質の産生を向上させる無血清培地によ
る二段階細胞培養法、並びにアフィニティーカラム精製
法およびサイズ排除クロマトグラフィー支持体から構成
されるカラム精製法による二段階蛋白質カラム精製法を
開発し、これら手段によればインタクトな(完全な構造
を維持できるような)状態で可溶化補体レセプタータイ
プ1(sCR1)を産生でき、これにより容易に、可溶化補体
レセプタータイプ1(sCR1)の結晶を製造できることを見
いだしたものである。本発明における可溶化補体レセプ
タータイプ1(sCR1)の結晶の製造工程の概要を図2に示
す。本発明の可溶化補体レセプタータイプ1 (sCR1)の結
晶の製造手段は、高分子量蛋白質であり立体構造解析は
未だ行なわれていないsCR1の結晶作製を可能とし、本法
を用いた結晶化によってsCR1の立体構造情報および機能
情報が得られることはもちろん、極めて純粋で、安全性
の高い補体活性抑制剤を提供できる。
プ1 (sCR1)の結晶化の成功は、二段階細胞培養法および
二段階カラム精製法により蛋白質が効率良く高純度かつ
高濃度で得られることに起因するものである。本発明で
用いるsCR1は、CR1の膜貫通部位をを遺伝子レベルで変
異あるいは欠失等の改変を行ったものであり、分子量約
220kDaの水溶性の部分からなる。この可溶性CR1フラグ
メントは、補体系の中間産物である活性型C3b及び/又
はC4bを結合することができることから生理活性を有す
る。一方、上記したように、sCR1は補体系の活性化を抑
制する物質と知られており、補体系の古典経路及び第二
経路を阻害する。この経路を阻害する背景として、補体
経路は補体成分C1-C9 が限定分解を繰り返すことが知ら
れている。そしてsCR1は補体系の中間産物である活性型
C3b及びC4bを結合し、補体因子であるfactorI との共活
性(コファクター活性)によりこれらの補体成分を不活化
したものに分解することで、最終的に細胞死(ネクロー
シス)を阻害する。更にsCR1は、好中球酸化バースト、
補体媒介溶血反応および補体成分であるC3aおよびC5a産
生などのをin vitro(生体外)で 阻害することが知られ
ている。また逆受身アルツス反応(アレルギー反応に類
似した反応)、抑制した虚血後心筋炎症および壊死にお
いてinvitro 活性を示すことも報告されている。よって
sCR1は補体系の重要な調節蛋白質であり、これらは補体
活性化による宿主組織の自己溶解的破壊を防止するため
に機能する。
R1遺伝子をCHO細胞に導入し、発現させたものである。
具体的にはATCCに寄託されており、受託番号CRL10052を
有するプラスミド(pBSCR1c/pTCSgpt) を担持するチャイ
ニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞により発現させたも
のである。前述したとおり、実質的に膜貫通ドメインを
含有しないCR1分子は細胞外に分泌することができるた
め、細胞培養上清から回収することが可能である。
化にあたっては、従来の細胞上清回収法及び補体レセプ
ターsCR1の精製法(J. immunol., vol. 146, No.1, 250-
256(1991), Eur. J. immunol., vol. 26,No.8, 1729-1
735 (1996), J. of biol. chem., vol. 274, No.16, 11
237-11244(1999))における問題点を、細胞の培養段階か
ら徹底的に見直して根本的な改善を行い、2段階培養法
及び2段階カラム精製法を新たに開発し、これにより、
迅速、高効率かつ高純度なsCR1蛋白質の精製が可能とな
ったものである。上記の細胞は本発明の二段階培養法に
よってsCR1を効率よく分泌する。基本的に動物細胞はFB
S (fetal bovine serum)などの血清及び様々なアミノ酸
の添加より増殖速度が促進する。それゆえ第1段階の細
胞増殖培養は血清含有培地中で行なった。しかし血清の
存在によって夾雑物量が増大するため、蛋白質の精製手
順が煩雑となる。それゆえ第2段階では無血清培地を用
い、含まれる夾雑物の種類と量を激減させ、sCR1蛋白質
の精製を行なう。この精製段階では高価なカラムは必要
なく、簡便かつ低コストな精製法である。
煩雑な精製ステップを一気に省き、二段階だけのカラム
クロマトグラフィーでsCR1を高純度、高濃度で精製でき
る。第1段階としてsCR1と親和性の高いアフィニティー
クロマトグラフィーカラムを採用し、sCR1のより高純度
な精製を達成する。第2段階は分子サイズの違いによ
り、sCR1は他の蛋白質から速やかに分取できる。精製さ
れたsCR1は、SDS- PAGE及びウエスタンブロッティング
等を用いることで、溶出される画分及びインタクトなsC
R1の構造を確認した後、蒸気拡散法により結晶化条件の
検討を行なった。また精製されたsCR1の共活性(コファ
クター活性)、及びin vitro(生体外),in vivo(生体内)
での活性の有無を確認した。
方法についてさらに具体的に説明する。 (1)二段階細胞培養工程 i) 本発明においては、例えば、ヒト扁桃腺由来のsCR
1遺伝子を導入したATCCCRL10052 チャイニーズハムスタ
ーの卵巣(CHO)細胞を用いて、血清含有培地による細
胞増殖培養(ステップ1)、細胞増殖後にsCR1のみを産出
する無血清培地による無血清培養(ステップ2)すること
によりsCR1を得る。上記増殖培養法(ステップ1)に用い
られる培地は、例えば、α-MEM(Gibco BRL,F-12(Sigm
a), DMEM/F-12(Sigma), F-10(Sigma), RPMI (Sigma)な
どであり、血清(FBS (牛胎児血清) Sigma 必須)および
500nM メトトキセート(methotrexate:MTX (Sigma)) 添
加、培養時間 0-336時間の条件下で行なわれる。また、
無血清培養法(ステップ2)に用いられるserum free培地
は、例えば、トランスフェリンやインスリン含有培地
(例としてASF104(味の素)、α-MEM(GibcoBRL), F-12 (S
igma), DMEM/F-12 (Sigma), F-10( Sigma))などであ
り、500nM メトトキセート(methotrexate:MTX: (Sigm
a))添加、培養時間 0-360時間の条件下で行なわれる。
細胞培養は、常に37℃、5%CO2の条件下で行なうことを
特徴とする。 ii) 上記で得られた無血清培養上清中のsCR1は、次
工程の二段階カラム精製法の手順により精製し得る。こ
の手順により、単位リットルあたり90%以上の純度およ
び、数十mgの蛋白質が得られる。本発明ではスケールア
ップも可能であり、スケールの大きさは限定されない。
本発明においては、細胞培養系にてツニカマイシン(tun
icamycin: Wako)を用いた糖鎖除去を行ってもよい。一
般に蛋白質に糖鎖が二割以上付加する場合、そのフレキ
シビリティー(flexibility)のために三次元的に整然と
並んだ配列を作り難いため良い結晶が得られないといわ
れている。それゆえ、ツニカマイシンによる糖鎖除去
は、結晶のコア形成に影響する。sCR1は糖鎖を含有する
蛋白質であり、糖鎖の影響を考慮することが望ましい。
しかし、本発明においては糖鎖を除去しないsCR1であっ
ても結晶化することができる。
シンを添加するツニカマイシン浸潤期を置くことで、sC
R1からN-link糖鎖の除去産物(Aglyco-sCR1)が得られ
る。ツニカマイシン浸潤期は、細胞増殖培養方法の細胞
増殖後にツニカマイシンの濃度が2-10μg/ ml となるよ
うに添加し、12-48時間の浸潤期間を意味する 。この時
の培養条件は増殖培養法に用いられる血清含有培地を用
い、MTXも添加する。浸潤後、物質産生培養法で用いる
無血清培地に交換し、12- 60時間 Aglyco-sCR1産生を行
ない、除糖したsCR1のみを得ることが可能となる。
段階カラム精製方法によってsCR1を精製し得る。この精
製法では、第1段階としてアフィニティークロマトグラ
フィー、第2段階としてサイズ排除クロマトグラフィー
支持体から構成されるカラムを使用する。本発明の二段
階カラム精製方法では以下に列挙する従来の問題点を克
服した。すなわちpH変化による変性蛋白質の溶出や、イ
オン交換カラムなどに用いられる煩雑な緩衝液の交換、
硫安沈殿法から生ずる蛋白質変性、sCR1のインタクトな
状態が維持できない操作条件などである。そのため第1
段階のアフィニティーカラムによる溶出はNaCl (Wako)
などの塩の濃度勾配を利用し、第2段階では、サイズ排
除クロマトグラフィーによる蛋白質の分子サイズによっ
て分離し、インタクトな蛋白質を溶出させる。 ii) 第1段階のアフィニティークロマトグラフィに
おいては、例えばヘパリンを用いるアフィニティクロマ
トグラフィーを行う。ヘパリン担体はとしては、例え
ば、Pharmacia Biotech の Heparin- Sepharose CL-6B
(Code No. 17-0467-01)を用いることができる。ヘパリ
ンはD-グルクロン酸、或いはL-イズロン酸のいずれかを
含むウロン酸残基と、D-グルコサミンとの二糖体の繰り
返し構造を骨格にもつグルコサミノグリカンであり、分
子量も3千〜10万と不均一なものである。 ヘパリンは、
ヘパリン結合性増殖因子 (HBGF) であるチロシンキナー
ゼ型膜受容体や止血時に有効な作用を持つフォンブルブ
ラント因子(vWF)、多種のサイトカインとも結合するこ
とが報告されている。またヘパリンとsCR1は、強いアフ
ィニティを持つことが報告されている(免疫と生体防御
(第十巻) 長澤 滋治著)。
件は、ミセル形成率の低い界面活性剤を含んだ緩衝液に
より溶出させる。また蛋白質を溶出させるために、溶出
緩衝液は0.1- 2MのNaClを含む。この時界面活性剤の濃
度は全体の緩衝液の容量に対し、0.01%- 0.5%の範囲に
収まるように調製する。同時にpHはやや酸性付近からア
ルカリ性側(pH6.0- 10.0)の範囲に収まるように調製
し、緩衝液はこの範囲に収まるような緩衝液を選択する
のがよく、また第2段階のサイズ排除クロマトグラフィ
ーにおいては、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィーを
使用する。これによれば分子の大きさに基づく分離が行
なわれ、実質的には分子ふるいの形態である。マトリッ
クスおよび溶質の間の相互作用が起こらないのが望まし
いため、全体的に不活性なマトリックス物質が好まし
い。マトリックスは、堅くかつ非常に多孔性であるのが
望ましい。ゲルは比較的に軟らかいが、増加した堅さを
有するゲルが開発されており、本発明では高流速でさえ
分離が維持されるHPLCゲル濾過カラムクロマトグラフィ
ー(東ソーの分析用カラム TSKgel G3000SWXL)を使用す
るのが好ましい。またこの第2段階のサイズ排除クロマ
トグラフィーにおいては第1段階よりも更にミセル形成
率の低い界面活性剤を用い、この第二段階の溶出緩衝液
には塩は含まない。それぞれ溶出時の流速は、第1段階
の精製では2- 5ml/min、第二段階では0.5-1ml/min で溶
出させる。
おいては、例えばCHAPS等が挙げられ、第二段階におい
ては、例えばDDM(n-Dodecyl-β-D-maltoside)、DM(n-De
cyl-β-D-Maltopyranoside )等が挙げられる。 iii) 第1段階及び第2段階精製後において、加圧
濃縮器(amicon)や限外濾過膜(amicon)等による常法の濃
縮操作を繰り返し行なう。この時標準的には上述した濃
縮器を用いるが、これらに限定はされない。加圧式濃縮
器の圧力は2-3kPaを基準とし、限外濾過膜の濃縮器によ
る遠心は2000- 3000xgで行なう。
精製法におけるsCR1の確認 i) 上記二段階カラム精製法適用後において、sCR1の
産生量及び夾雑物の量、溶出された画分及び精製度の確
認をするためには、0.1%SDSを含む7.5% ポリアクリルア
ミドゲルを用いた電気泳動を行なう。SDS-PAGEの条件は
すべてDDT(dithiothreitol (Sigma))による還元条件(蛋
白質のシステイン残基同士を切断した状態)で電気泳動
を行なう。泳動後、蛋白質をCBB染色(Bio-Rad)及びCBB
染色よりも検出感度の高い銀染色(第一化学)によってバ
ンドを検出する。 ii) 精製によって得られた蛋白質がsCR1であるかど
うか、そして構造は維持されているかの確認を行なうた
め、ウエスタンブロッティングにより確認を行なう。ウ
エスタンブロッティングでは0.1%SDSを含む7.5%ポリア
クリルアミドゲル上で非還元条件で電気泳動を行なった
ものを、ニトロセルロースメンブレン(0.45μm: Amersh
am pharmaciabiotech)に転写し、転写後、5%スキムミル
ク(雪印乳業)にてブロッキングを行ない、mouse anti-s
CR1 mAb を一次抗体として、Sheepanti-mouse horserad
ish peroxidase (HRP) linked IgG mAb(Amersham life
science)を二次抗体としてそれぞれ用いる。三回の洗
浄作業の後に、ECL試薬(Western blotting detection r
eagent: Amersham life science)を添加して、二次抗体
の検出を行なう。
によって、十分な蛋白質濃度が得られる。次いで、この
濃縮されたsCR1溶液を用いて、sCR1の結晶化を行う。結
晶化の手法としては、蛋白質溶液に過飽和の状態になる
まで沈殿剤を加え、そのまま放置させる方法としてバッ
チ法、細い試験管やキャピラリーに沈殿剤を半分注入
し、その上に静かに蛋白質界面を形成させ、この界面を
通して溶媒や沈殿剤が移動した事を利用する液体-液体
拡散法(自由界面拡散法)、キャピラリーやボタンと呼ば
れる透析器具を用いてその外側を透析膜で覆い、それを
沈殿剤溶液に浸して徐々に溶解度を下げる透析法、及び
気相を通じて拡散により揮発性の溶媒や沈殿剤が移動す
る仕組みを利用した蒸気拡散法などがある。この中は、
結晶成長が観察でき、様々な沈殿剤による検討を容易に
行なうことができる蒸気拡散法が好ましい。
質溶液と少量の沈殿剤の混合液)から沈殿剤溶液への蒸
気拡散、あるいはその逆の過程で平衡に達する仕組みを
利用した方法であり、蛋白質溶液が沈殿剤溶液とのあい
だで蒸気拡散することにより、蛋白質濃度と沈殿剤濃度
が共に高まって過飽和の領域で結晶化が起こる現象を利
用するのが特徴である。また、蒸気拡散法の中でも、マ
ウントする形状から、ハンギングドロップ法、シッティ
ングドロップ法があげられるが、シッティングドロップ
法が好ましい。この理由は、膜蛋白質を遺伝子的に改変
したのsCR1は、水-緩衝溶液には容易には溶け難い理由
から精製系で界面活性剤を用いているため、蛋白質精製
を行なったサンプルには界面活性剤が存在し、表面張力
が弱いためハンギングドロップ法ではカバーグラス上に
広がってしまう可能性があるためである。図14にシッ
ティングドロップ法を用いた結晶作成方法に関する模式
図を示す。また、蒸気拡散法による結晶化に用いる沈殿
剤(緩衝液、界面活性剤、有機溶媒)と得られた蛋白質溶
液を1:1で混合し、結晶を得ることができる。また、
この時sCR1の結晶を得る条件(緩衝液、界面活性剤、有
機溶媒などの種類及びpH、温度)及び結晶化法(蒸気拡散
法、バッチ法、自由界面拡散法など)は、特に限定され
ない。
を使った回折データの収集、即ち結晶構造解析だけでな
く、電子顕微鏡法からも立体構造解析を行ない得る。電
子顕微鏡法は、大きい結晶の作製が困難な場合や、結晶
化のための大まかな情報を取得するために用いられてき
た。しかしながら、最近では電子顕微鏡法による観察技
術及び周辺ツールが目覚ましく発展したため、二次元結
晶から三次元モデルを構築することが可能となった。そ
こで本発明では、まず、得られたsCR1蛋白質の一分子観
察を、高分機能の解析が可能な氷包埋による電子顕微鏡
法の適用を検討し、現在までに、本発明では結晶化によ
る最適化条件の検討及びsCR1の全体像を得るため、重金
属を使ったネガティブ染色法による透過型電子顕微鏡法
を用いた観察及び解析を行なった。
子I(I因子)のコファクターとしても、また崩壊促進
因子としても機能する能力を持つことにある。in vitro
でのアッセイを実行して、これらの生理学的活性を測
定し得る。本発明によって得られるsCR1が補体調節機能
を有することは、精製されたC3およびI因子を使用する
コファクター活性について、およびIgM感作ヒツジ赤血
球(CH50) 、ならびにウサギの赤血球(ACH50)を使用する
崩壊促進活性についての実験を行うことにより確認され
ている。コファクター活性または崩壊促進活性測定実験
の結果から、C3/C5 転換酵素の不活化、C3b/C4bを限定
分解することができ、sCR1が機能的な特徴を保持してい
ることが確認されている。
itroアッセイは、sCR1が古典経路および第二経路による
補体系活性化の抑制量を定量的に測定することが可能で
ある。
できるかどうか、非動化処理をしていないヒト血清(補
体活性が失われていないヒト血清)を用いた細胞障害性
実験により、動物細胞を用いて確認を行なった。前述し
たように血清中には補体成分が含まれており、補体系の
活性化により細胞には細胞死(ネクローシス)が起こる。
そこでin vitro において細胞障害性実験を行なうこと
で、補体系がどのくらい抑制したかを顕微鏡下で観察す
ることが可能である。
ためのコファクター活性は、FactorIとのC3bの限定分解
を用いた反応である。C3bは不安定な物質であることか
ら、安定化したC3ma (C3をメチルアミンと反応させたも
の(methylamine-treated human C3))を代用品として用
いた。コファクター活性の基質としてC3ma 、Factor
I、sCR1の各成分を混和し、37℃で8時間反応させた。反
応後のサンプルは7.5% Gel,SDS- PAGE (還元条件)にて
行ない、CBB(Bio Rad)染色によってバンドの検出を行な
った。
を用いたマイクロプレート法により行なった。マイクロ
プレート法とはプレート上で検体を希釈変量し、赤血球
を加えて反応させマイクロプレートのまま遠心及び吸光
度測定する方法である。このCH50及びACH50測定法は補
体成分であるC3, B, D, P及びC5-C9が全てそろってはじ
めて検出され、測定は50%溶血法であり、単位はCH50/ml
及びACH50/mlで表される。用いた緩衝液として、CH50
ではGVB (gelatin veronal buffer), ACH50ではGGVB(gl
ucose gelatin veronal buffer)及びEGTA-Mg2+ -GGVB(G
GVB containing 0.1M EGTA & 0.02M Mgsolution)を用い
た。また反応条件は赤血球及びNHS、緩衝液をマイクロ
プレート中でマイクロプレート用マルチチャンネルピペ
ッターを用いて混合した後、37℃で60min, インキュベ
ートした後、プレートを室温で1600- 2000xg,10min 遠
心し、その後415/630nm の波長に合わせたマイクロプレ
ートリーダーを使って吸光度を測定した。Excelを用い
て吸光度から実測値を求め、グラフ化した。
ーのプロトコールに従い測定を行なった。このkitには
抗補体成分抗体の結合した96穴マイクロプレート及びHR
P(西洋ワサビ過酸化酵素の結合した)- 抗補体成分抗
体、発光基質が入っており、サンドイッチ法(目的の蛋
白質を二つの抗体によって挟み込むことで、実測値がよ
り正確な値として検出される方法)によって測定した。
反応はすべて室温で行ない、波長405nmでの吸光度を読
みとり、(予め蛋白質の濃度が分かっているものから作
製した)検量線から蛋白質濃度を求め、グラフ化した。
察を行なう細胞障害性実験では、動物細胞としてマウス
の頭蓋骨由来のストローマ細胞株(PA-6)を用いた。また
血清はヒトの非動化未処理の血清(NHS)を用いた。マウ
スの細胞(PA-6)は、予め実験を行なう1-2日前に24穴プ
レートに播種しコンフルエントになるまで培養した。コ
ンフルエント後、培地を入れ、非動化したNHS (Heated
inactivated pooled NHS: 56℃,40min) 及びNHS、リン
酸緩衝化生理食塩水(PBS)にて調製したsCR1を添加し、
60min、37℃、5%CO2 の条件下でインキュベートし、 そ
の後形態を観察した。
めに、 急性致死ショック反応(アレルギー反応と類似し
た反応で、アナフィラキシーショックと知られている)
は、組織中の抗原の循環性抗体との相互作用により引き
起こされる急性炎症応答である。これは、局在化したイ
ンビボ炎症応答の古典例として使用され、そして免疫複
合体の形成、補体活性化、炎症細胞漸増(recruitmen
t)、浮腫および組織損傷により特徴づけられる(P.Baile
yおよびA.Sturm、1983,Biochem.Pharm.32:475)。実験
的には、逆受身アルサス反応を動物モデルにおいて、抗
原の静脈内注射および引き続く抗体の投与によって確立
し得る形式が一般的であるが、今回は細胞膜状に存在す
る補体調節蛋白質に特異的に結合するモノクローナル抗
体(mAb against rat Crry,512)を投与したヌードモデル
ラット(免疫系が働いていないようなラットで、リポ多
糖(LPS)を投与することで補体反応を引き起こす事がで
きるモデル動物:LPS感作512ショックモデル)を使用し
て、本発明のsCR1のin vivo(生体内)での治療効力を評
価した。
は特にこれらにより限定されるものではない。 実施例1. 二段階細胞培養法(図3) (1)細胞増殖培養法(第1段階) sCR1を発現するCHO細胞(ATCC CRL-10052)の培養は、ATC
Cが推奨するプロトコールに従い実施した。細胞は10%
ウシ胎児血清 (FBS;Gibco BRL)、必須アミノ酸、L-グル
タミン、プロリン、ペニシリン(100U/ml)-ストレプトマ
イシン(100μg/ml)、および 500nM メトトキセート(met
hotrexate)を添加した Alpha 改変 Eagle培地(α-MEM,
Gibco BRL)で、150mm dish (25ml 容量)を用いて培養お
よび増殖させた。この時、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3:
Wako) は不含有であるため、1Lに対して2.2g 入れpHの
調製を行なった。また培地はCHO細胞に合わせてデオキ
シリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドが不含有な培
地を選択しなければならない。次に約 70.80%の集密度
(confluency) を与えるような細胞密度となったら、新
しい150mm dish 中に継代培養した。継代培養は、25ml
容器をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS:ニッスイ)で2-3 回
程度洗浄し、トリプシン(0.25% Trypsin-1mM EDTA-4N
a、Gibco BRL)処理によりプレートから脱着させ、そし
て25mlの容器に約 2.0×106 cells/ml で播種した。使
用した培地は 10%ウシ胎児血清(FBS)およびペニシリン-
ストレプトマイシンを添加したα-MEM 培地(増殖培地)
であった。この作業を約50枚程度になるまで繰り返し、
細胞は常に5%CO2 インキュベーター中、37℃で培養を行
なった。
2段階) 次にCHO細胞が増殖培地によって約 80.90%の集密度(con
fluency)を与えるような細胞密度となった後、物質生産
用の培地(無血清培地)に交換を行なった。培地は無血清
培地(味の素: ASF104: アルブミン不含有)を用いた。AS
F104培地は、各種のハイブリドーマ細胞について高い抗
体産生能が得られているという報告がある。この培地の
主剤、緩衝剤、添加剤を混合し、培地を調製する。培地
調整後、増殖培地で用いたメトトキセート(methotrexat
e)を添加し、これをASF(+:メトトキセート含有)とし
た。この培地を添加する前に細胞が密集した150mm dish
をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)により、2-3 回程度洗
浄し、調製したASF(+)培地を添加した。その後、5% CO2
インキュベーターを使い、37℃で36 時間培養を行なっ
た。36 時間後、sCR1含有培地を回収し、更に培地を交
換しASF(+)培地を添加し、再び% CO2 インキュベーター
中、37℃で36 時間培養(合計72時間培養)を行なった。
回収したsCR1含有培地はスイングローター(Tomy)を用い
て800-1000xg、5分間、遠心して夾雑物を取り除き、デ
カンテーションによってその上清のみを集めた。その
後、回収した上清は0.45μm pore size フィルター(Mil
lipore)を用いて濾過を行ない、これをsCR1精製用調製
溶液とした。(sCR1の産生物量と不純物量の確認のた
め、溶出した各画分を7.5% ポリアクリルアミドSDSゲル
上で還元下にて電気泳動を行なった結果を図4に示す。
実施例で示した二段階細胞培養法においては、sCR1以外
の夾雑成分が少ないことが明らかである。
る糖鎖を除去したsCR1(Aglyco-sCR1)の培養方法(図5
及び6) ツニカマイシン(Wako)による浸潤培養は、増殖培養法後
に行なった。まずツニカマイシンをリン酸緩衝化生理食
塩水(PBS:ニッスイ)にて200μg/mlとなるように調製を
行なった。この時、ツニカマイシンは溶液に融解しない
ため、非プロトン性極性溶媒であるジメチルスルホキシ
ド(DMSO:Wako)やイソプロパノ.ル(2-Propanol: Wako)
などの有機溶媒を全量に対し0.2-0.4%となるように調製
した。次にCHO細胞が増殖培地によって約 80.90%の集密
度(confluency)を与えるような細胞密度となった150mm
dish(Greiner)を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)によ
り、2-3 回程度洗浄作業を行なった。そこに増殖培養時
に用いた培地(α-MEM(Gibco BRL)、10% FBS含有培地)を
加え、そこに前もって調製したツニカマイシンをdish全
量に対して6-8μg/ml となるように添加した。添加した
後、5% CO2 インキュベーター中、37℃で24-36 時間(細
胞が崩壊してしてしまうため最適時間は24時間)ツニカ
マイシンによる浸潤培養を行なった。浸潤培養後、dish
を再び2-3 回程度洗浄し、無血清培地(ASF(+))を添加
した。この時も同様にdish全量に対して6-8μg /ml(最
適濃度は6μg/ml) となるようにツニカマイシンを添加
し、再度5% CO2 インキュベーター中、37℃で36 時間ツ
ニカマイシンによるAglyco-sCR1の物質産生培養を行な
った。36時間後、培地を回収し、先述したような方法で
培地を調製し、これをAglyco-sCR1精製用調製溶液とし
た。
ニティクロマトグラフィーにより達成した。ヘパリン担
体は、Pharmacia Biotech の Heparin- Sepharose CL-6
B (Code No. 17-0467-01)を用いた。 ヘパリンは製造
者が推奨するプロトコールに従って、カラムの準備を行
なった。1g の担体に対し200ml の超純水で15分間膨潤
させ、その後 直径1.5X15cm のカラムにゆっくりとゲル
を流し込んだ。(1gから得られる膨潤した担体は約4 ml
であり、用いた膨潤担体は約10-15ml であった。) その
後、カラムに流し込んだ膨潤した担体を10倍以上のvolu
meの超純水で洗浄し、更に0.05%のCHAPS (ICN)の入った
20mMTris-Cl (pH7.4)緩衝液を担体volumeの5 倍量流し
込み、カラムを平衡化させた(それぞれ流速は5ml/mi
n)。次にsCR1含有培地(約1L )を直接カラムに流し込
み、上清中のsCR1(sCR1)を担体にトラップさせた(流速
は5ml/min)。この際カラムを通り抜けてくる画分を全て
回収した。その後、0.15M、0.45M、0.75M、1M NaCl (Wa
ko)含有の緩衝液を順に60mlずつ流し込み、10mlずつ画
分を溶出させた(流速は3ml/min)。溶出後、0.5%MNaCl
含有 0.1M Tris-Cl(pH8.5)緩衝液と0.5%MNaCl含有 0.1M
sodiumacetate(pH5.0) 緩衝液を交互に三回ずつ、カラ
ムvolumeの3倍以上流し、次いで平衡化緩衝液をカラムv
olumeの5倍以上流し、カラム内の夾雑物の除去と再生を
行なった(それぞれ流速は5ml/min)。カラムは次回よ
り、平衡化緩衝液を流すところからはじめ、再度同じ作
業を繰り返した。
か、また産生物量と不純物量の確認のため、溶出した各
画分を7.5% ポリアクリルアミドSDSゲル上で還元下にて
電気泳動を行なった。泳動後、クマシーブリリアントブ
ルー(CBB:Bio Rad)によって染色した結果、約200kDaよ
り上の部位(約220kDa)に単一の蛋白質種を検出された(s
CR1の場合において)。これは、その推定されるアミノ酸
配列から予想されるsCR1の蛋白質のサイズである。また
糖鎖の付加されてないsCR1(Aglyco-sCR1)の場合、約200
kDaより下の部位(約190 kDa)に単一の蛋白質種が検出さ
れた。これは糖鎖の付加が無いため、分子量が減少した
と推察される。これらの結果を図7及び図9に示す。そ
の後、得られた溶出物 (高純度なもの)は一つにまとめ
て、加圧濃縮器(分画分子量 100kDa amicon)を用いて10
-15倍濃縮を行なった。約10mlの濃縮後のsCR1を更に濃
縮するため、限外濾過膜(Centri-plus 分画分子量100kD
a、Millipore社)による濃縮を再度行ない、volumeが半
分くらいになるまで濃縮を行なった。
る精製方法 本発明では高流速でさえ分離が維持されるHPLCゲル濾過
カラムクロマトグラフィー(東ソーの分析用カラム TSKg
el G3000SWXL)を使用した。まず当初ヘパリンでの溶出
緩衝液としては、0.05%のCHAPS (ICN)の入った 20mMTri
s-Cl (pH7.4)緩衝液を用いていたが、可溶化膜蛋白質由
来sCR1の結晶化には界面活性剤であるCHAPSはあまり適
さないため、糖の付加したDDM(n-Decyl-beta-D-maltopy
ranoside:ICN)を全量に対して0.05% になるように調製
して用いた。カラムに前述したsCR1濃縮溶液を500μlイ
ンジェクション後、約6-7ml溶出したところで一本の溶
出ピークが得られるので(図8)、これを1-2ml 程度回
収した。この作業を何回か繰り返し10ml程度回収した。
出した各画分を7.5% ポリアクリルアミドSDSゲル上で還
元下にて電気泳動を行ない、CBB染色でバンドを検出し
た(図8)。この結果、得られた溶出物が高純度なもの
であることが確認された(sCR1及び除糖されたAglyco-sC
R1の両方において確認された(図8及ぶ10))。また
実際に得られた蛋白質が実際にsCR1であるかどうか、精
製方法により蛋白質の構造が損なわれていないかを確認
するため、4種類 (anti-sCR1mAb であるE11(Pharminge
n), J3D3(Beckman coulter), To5(Dako), KuN241(Neo m
akers))の一次抗体とanti- mouse Ig mAb (Amersham li
fe science)の二次抗体を用いて非還元下にてウエスタ
ンブロッティングを行なった。なお、図11に4種類の
anti-sCR1mAbのsCR1に対する結合部位を表す模式図を示
す。それぞれ本研究で用いた抗体はE11の場合、sCR1のL
HR C及びD、KuN241はLHR A及びB、J3D3とTo5においては
LHRA, B, C の各部位へ特異的に結合すると報告されて
いる(Clin Exp Immunol 1998; 112: 27-33)。この結果
より、全てにおいて特異性を示したことから得られた蛋
白質はsCR1であり、その構造は保持されていることが確
認された(図12)。しかしながらAglyco-sCR1では薄
くE11のみしか標識されなかったため(図13)、抗体
は糖鎖も認識していることが推察される。逆説的に考え
れば、ツニカマイシンによる糖鎖除去が完全になされた
のではないかと考えられる。
後のサンプルを結晶化用サンプルとして更に濃縮するた
め、限外濾過膜(amicon)を用いて濃縮を行なった。また
invitro(生体外)及びin vivo(生体内) の生化学的なas
sayで用いるサンプルについては透析膜(Spectra/Por 排
除分子量12-14000)による透析を行なった。最終的に本
発明方法、二段階細胞培養方法から二段階精製方法によ
って得られたsCR1は、sCR1では回収した培地1Lあたり10
-20mg/L 、Aglyco-sCR1では回収した培地1Lあたり2-3mg
/L 回収可能であることが確認された。
グドロップ蒸気拡散方法によって行なった。実験方法
は、まず24穴dish(Iwaki) を用意してエアースプレーに
より穴(ウェル)の中の細かい埃を除去した。その後ウ
ェルにシッティングドロップ用の台(ブリッジ)を入
れ、グリースをウェルの口の部分に塗布した。その後、
蒸気拡散させる母液(沈殿剤含有)を500μl 、ブリッジ
の下に流し入れた。Hanpton Research社 のクリスタル
スクリーニング kit によるスクリーニングによって第
1段階の条件サーチを行なった。母液を添加後、精製し
たサンプルを2μlずつブリッジの窪みの添加し、順にウ
ェルより分取した母液を2μl 添加し、よくピペッティ
ングした。その後ガラス製のカバーガラスをウェルの口
に載せ、ピンセットで上から良く押さえて密閉状態を作
り出した。24 穴全てに対して同様な処理を行なった
後、25℃で2-8週間静置することで、結晶を得ることが
できた(図15)。この際の結晶化の最適条件は、母液
の組成が、(1)28%PEG-400、O.1MNaHepes pH7.5、0.2MCa
lcium Chlorideのもの、及び(2)30%PEG-400、O.1MNaHep
es pH7.5、0.2MMgnecium Chlorideのものがよく、この
中でも前者(1)の組成のものが良好な結晶を与えた。こ
の後、上記最適な結晶化条件に基づき、25-35%PEG-40
0、O.1MNaHepes pH7.5、0.2MCaCl2 CMgCl2の組成の母液
で再度結晶化を行い再現性を確認したところ、いずれ
も、同様な結晶を得ることができた。
ーにより得られた精製sCR1について電子顕微鏡による観
察を行った。電子顕微鏡観察では、親水的な支持膜上に
蛋白質(sCR1)を乗せて負染色する方法によって行なっ
た。実験手順は、カーボンを蒸着膜を張ったグリッドを
用意し、これを真空中でグロー放電等を利用して炭素を
励起化し、親水化した。次に5μlのsCR1試料(200- 400
μg/ml)をのせ、20-30秒間待った。その後試料をあらか
じめ湿らせた濾紙で吸い取り、染色剤(1%酢酸ウラニ
ル)をのせ、吸着するのに適当な時間(20-30秒)の後、こ
れを再び濾紙で吸い取った。試料の乗ったグリッドはグ
リッドホルダーに乗せて電子顕微鏡鏡筒内部に挿入し、
焦点を合わせるなどして観察を行なった。その結果、sC
R1に関しては単分子状に分散している像が得られた(図
16)。またAglyco-sCR1に関しては、オリゴマーを形
成している像が得られた(図17)。
確認 実施例2(2)のHPLCゲル濾過カラムクロマトグラフィ
ーにより得られた精製sCR1及びAglyco-sCR1について以
下の実験を行った。 (1)コファクター活性の確認 Factor IとのC3bの限定分解を用いたコファクター活性
によりsCR1の活性の確認を行なった。C3bは不安定な物
質であることから代用品として、C3ma (C3をメチルアミ
ンと反応させたもの(methhylamine-treated human C3))
を用いた。コファクター活性の基質としてC3ma を20μl
(20μg)、Factor I を40μl (0.5μg)、sCR1を40μl(6
μg)の分量で各成分を混和し、37℃で8時間反応させ
た。反応後のサンプルを20μl ずつ7.5%SDS- PAGE (還
元)にて電気泳動し、CBB染色によってバンドの検出をし
た。本発明によって得られたsCR1はFactor I とのコフ
ァクター活性により、C3maのα鎖を限定分解した(図1
8)。この結果により精製したsCR1のは、活性を保持し
ている事が示唆された。また、Aglyco-sCR1についても
同様な結果が得られた(図19)。
に由来し、本来は単位の名称であるが、補体価と同義語
としてしばしば用いられている。測定は一定数のEA(赤
血球に抗体を感作(付着)させたもの(E=Erythrocyte, A
=Antibody)と変量した検体を混合して37℃で一時間反応
させた後遠心し、上清中のヘモグロビン濃度を分光光度
計で測定することによって溶血率を求めた。加えたEAの
50%を溶血させるのに必要な補体量を1CH50単位とし、も
との検体単位体積あたりの補体量をCH50単位で表す。即
ち単位はCH50 /ml である。今回は96穴プレートを用い
たマイクロプレート法を用いた。マイクロプレート法と
はプレート上で検体を希釈変量し、EAを加えて反応させ
マイクロプレートのまま遠心及び吸光度測定する方法で
ある。CH50で準備するものとして、EA (感作(ウサギの
抗体の付いた)ヒツジの赤血球)及びGVB (gelatin veron
al buffer)、NHS (nomal human serum)及び希釈系列を
前もって用意した。実験方法は、マイクロプレート法の
プロトコールに従って行なった(免疫と生体防御I,平成
9年出版, 長沢 滋治著)。まず5VB (stock veronal buf
fer ; Na- barbital 5.095g, NaVl 41.5g, 1N HCl 18.5
ml, 蒸留水 全量 1000 ml)を作り、次にGVB (gelatin1.
0g, 5VB 200ml, 0.15MCa & 1M Mg solution 1ml , 全
量1000ml)及び0.9%NaCl, sCR1,NHSを用意する。次に1.5
x10 8 cells/ml のEA及び1-120μg/ml -NHS(ml)(sCR1の
希釈系列を作り、それをNHSで10倍希釈したもの)を用意
する。96穴のプレートにはGVB及び蒸留水を上段以外に
アプライし、同様にして希釈系列を作ったsCR1-NHS溶液
を更にGVBで10倍希釈したものを空いている上段に75μl
ずつアプライする。ダイリューターで上段から一番下
の段に向かって50μl ずつ次の穴へ移動を繰り返し、各
25μlの連続3/2倍希釈系列を作る。角穴に50μl ずつGV
Bを加え、完全溶血する穴と溶血しない穴(コントロー
ル)を2-3個用意し、それぞれGVBと蒸留水を75μlずつ加
える。その後調製したEAを全ての穴に25μl ずつ加え、
37℃、60分間 反応させ、反応後1600-2000xgで十分間遠
心させた。遠心後、マイクロプレート用の分光光度計を
用いて、上清のODを波長415/630nmで読んだ。その後、
補体価を算出し、グラフを作製した。その結果を図20
に示す。この結果からsCR1による古典経路における補体
抑制効果、即ちC3b及びC4bの限定分解がなされること
で、sCR1が膜侵襲型複合体(MAC)の形成を阻害している
ことが確認された。また 約20μg/ml -NHSの時には、CH
50において約50%以上の補体抑制効果を持つ。
Hemolysis 50の略称であり、補体第二経路(alternativ
e pathway) を介する補体活性を一括して測定するもの
である。(別名AP-CH50、AH50とも呼ばれる。) 補体系の
第二経路はC3, B 因子, D因子及びPを介してC3, C5, C
6, C7, C8, C9 と活性化され、この経路には古典経路に
関わる抗体, C1, C4及びC2 は関与しない。活性化物質
として、ウサギの赤血球などが知られている。ACH50は
通常ウサギ赤血球(Er: モルモットの赤血球も使用され
るので Er = Erythrocyte)を標的とする膜侵襲型複合体
形成能を指標に測定される。即ち、検体中の補体第二経
路の因子群はErによって活性化され、Er膜上にC5b-9複
合体を形成し、Erは溶血する。第二経路が活性化される
にはMg2+が(B因子の活性化の段階で)必要であるがCa2+
は要らない。一方、ヒト血清とErを反応させると、ヒト
血清の中にはErに対する自然抗体が存在するため、古典
経路を介した溶血も起こる。そこで古典経路を介さず、
第二経路だけを介した溶血を起こさせるため、Mg2+は存
在するがCa2+は存在しない反応液が必要である。そのた
めCa2+ に特異的なキレート剤であるEGTAを用いる。こ
のACH50の測定法はCH50と同様にC3, B, D, P及びC5-C9
が全てそろってはじめて検出され、測定は50%溶血法で
あり、単位はACH50/mlで表される。実験方法は、マイク
ロプレート法のプロトコールに従って行なった(免疫と
生体防御I,平成9年出版, 長沢 滋治著)。まず5VBを作
り、次にGGVB (gelatin1.0g, 5VB 100ml, dextrose(無
水)1g, 0.15MCa & 1M Mg solution 1ml , 全量1000ml)
及びEGTA・Mg・stock.1M EGTA & 0.02MMg solution)を
作った。その後 EGTA・GGVB(Mg2+)(gelatin1.0g, 5VB
80ml, dextrose(無水)25g, EGTA・Mg・stock 100ml ,
全量1000ml))及び0.9%NaCl, sCR1,NHSを用意する。次
に5.0x107 cells/ml のEr及び1-120μg/ml -NHS(ml)(sC
R1の希釈系列を作り、それをNHSで10倍希釈したもの)を
用意する。96穴のプレートにはEGTA.GGVB(Mg2+)及び蒸
留水を上段以外に添加し、同様にして希釈系列を作った
sCR1-NHS溶液を更にGVBで10倍希釈したものを空いてい
る上段に75μl ずつアプライする。ダイリューターで上
段から一番下の段に向かって50μl ずつ次の穴へ移動を
繰り返し、各25μlの連続3/2倍希釈系列を作る。その後
調製したErを全ての穴に25μl ずつ加え、37℃、60分間
反応させ、60分後、各穴に50μl ずつEGTA・GGVB(M
g2+)を加え、反応後1600-2000xgで十分間遠心させた。
遠心後、マイクロプレート用の分光光度計を用いて、上
清のODを波長415/630nmで読んだ。その後、補体価を算
出し、グラフ化した。結果を図21に示す。この結果か
らsCR1による第二経路における補体抑制効果、即ちC3b
の限定分解がなされることで、sCR1が膜侵襲型複合体(M
AC)の形成を阻害していることが確認された。また約20
μg/ml -NHSの時には、ACH50において約50%以上の補体
抑制効果をもつ。
C5b-9の定量的な測定 CH50の付随実験として、ELISAによる補体の検出を行な
った。検出キット(QUIDEL)は 抗iC3b, SC5b-9 抗体を用
いたサンドイッチ法であり、これによりMACの形成量とi
C3bの形成量が定量的に測定することができる。またサ
ンプルとしてはCH50で反応させた後の上清を二種類(一
番上の列と三番目の列)用い、実際sCR1を添加すること
でNHS中に存在するこれらの補体成分が、どう変化して
いるかを確認した。実験方法としては、まずsCR1のサン
プルを調製した。(それぞれ希釈率は元のNHSよりX200,
X315の物を調製した。)次にキットから一次抗体がコー
トされた96穴plateを取り出し、希釈した洗浄液を各穴
に300μl ずつ加え、一分間放置した。穴に添加したwas
h solution (以下w.s.と略す)を吸引し、この作業を合
計三回行なった。所定の位置にサンプル等を100μlずつ
添加し(この時NHSはX200、SC5b-9のcontrol H,LはX25
希釈して用いた。)、添加後、iC3b plateでは30min,SC5
b-9 plateでは60分間 室温でインキュベートを行なっ
た。インキュベート後、各wellを吸引しw.s.を約300μl
加え、一分間放置し、その後w.s.を吸引した。この作
業を合計5回繰り返した。(この作業の間にsecond Abで
あるHRP-conjugateを用意) iC3b,SC5b-9conjugate Abを
各穴に50μlずつ添加し、iC3b plateでは30分間, SC5b-
9 plateでは60分間 室温でインキュベートを行なった。
インキュベート後、各wellの溶液を吸引し、w.s.を300
μl 添加して一分間放置し、その後w.s.を吸引し、この
作業を合計5回繰り返した。(この作業の間にSubstrate
をX21希釈した。550μl Sub.: 11ml S.Diluent) 希釈し
たSubstrateを各wellに100μlずつ添加し、アルミホイ
ルに包んで(遮光して)室温でインキュベートし、発色の
頃合いをみて、Stop solution を添加し反応を止めた。
波長405nmに調節したマイクロプレートリーダーを用い
て、吸光度を測定し 検量線作製溶液から読みとった数
値より、検量線を作製した。その後、検量線から各サン
プルのiC3b及びSC5b-9濃度を算出し、グラフを作製した
(図22、図23)。 なお、検量線の式として以下の
数式を用いた。 iC3bタンパク濃度= (得られたO.D.値-219.42)X希釈率/3
49.45 SC5b-9タンパク濃度= (得られたO.D.値-198.93)X希釈率
/2260.2
が上がるにつれて、その濃度が下がっていることがグラ
フから読みとれる(図22)。つまりC3bの総量が減少
し、補体の活性化が抑制されている。第二経路はC3から
限定分解が始まり、自己触媒(自己触媒としてはC3bBb等
がある)をしながらC3→C3b に分解する。しかしながら
その大元であるC3bはsCR1によって分解されてiC3b とな
ってしまうので、C3→C3b の限定分解は触媒となるC3bB
bがないためC3bの総量は減少し、血清中に含まれるiC3b
の分解量は減少する。(すなわちC3の大半は分解されず
に残っているということ。) よって今回のような結果が
得られた。また血清中に含まれる元来のiC3bの濃度が40
0-500μg/ml だと考えると、今回の結果からsCR1の濃度
が120μg/ml-NHS の時、ほぼ半分以上のiC3bが減少する
ことが確認された。SC5b-9(可溶性のC5b-9)についての
グラフから読みとれることは、sCR1の濃度を上げること
でSC5b-9の形成量が減少していることが分かる(図2
3)。また今回の結果からsCR1の濃度を20μg/ml 以上
とした場合、SC5b-9の形成が殆ど見られない。このこと
はCH50及びACH50のデータと類似性があり、用いたsCR1
の活性は約20μg/ml-NHSの濃度で、補体の活性化を殆ど
抑制できると考えられる。
定 sCR1同様にAglyco-sCR1についてもCH50およびACH50のそ
れぞれについて、補体活性の抑制効果を定量した。CH5
0、ACH50と同様にサンプルの調製は以下のように行なっ
た。(得られた試料を以下の割合で調製した)A-sCR1 :
NHS= 200 (μl): 200 (μl )=1:1 0.9% 生理食塩水: NHS= 200 (μl ): 200 (μl )=1:1 NHSのみ CH50の場合 液:GVB=100 (μl ): 400 (μl )=1: 4 (5倍希釈) 液:GVB=100 (μl ): 400 (μl )=1: 4 (5倍希釈) 液:GVB=100 (μl ): 400 (μl )=1: 4 (5倍希釈) ACH50の場合 液:EGTA-Mg2+-GGVB=200 (μl ): 200 (μl )=1: 1 (2
倍希釈) 液:EGTA-Mg2+-GGVB=200 (μl ): 200 (μl )=1: 1 (2
倍希釈) 液:EGTA-Mg2+-GGVB=200 (μl ): 200 (μl )=1: 1 (2
倍希釈) 実験方法は前述した方法と同様に、CH50及びACH50の活
性を測定した。その結果、同じ濃度のnativeなsCR1と比
べ劣るものの、CH50及びACH50ともに今回Aglyco-sCR1の
CH50及びACH50において補体の活性化を抑制することが
確認できた。
起こるため、補体が発動すると細胞同士が助け合い細胞
回復が生じる。)実験として、実際に付着細胞を扱うこ
とで補体の活性化によるネクローシスをどの位抑制でき
るかどうかを確認した。ここで用いた細胞はマウスの頭
蓋骨由来のストローマ細胞株(PA-6)であり、非動化した
NHS及びNHS、濃度調製を行なったsCR1を用いてその様子
を観察した。まず実験方法としては、マウスの頭蓋骨由
来のストローマ細胞株(PA-6)を、予め24穴プレートに播
種しコンフルエントになるまで待った。 コンフルエン
ト後、PBSにて2回洗浄作業を行ない、α-MEM培地を添加
した。次に非動化したNHS (Heatedinactivated pooled
NHS: 56℃,40min) 及びNHS、PBSにて調製したsCR1をそ
れぞれ混合(sCR1:NHS or H-NHS =1:9 ; sCR1をNHSで10
希釈した)したものを100μlずつ添加し、1時間後、その
様子を観察した。結果を図24に示す。この結果によれ
ば、NHSのみの場合補体が活性化され、細胞がdishから
剥離している様子が確認された。また非動化したサンプ
ルにおいては、完全に補体が失活した事が確認された。
sCR1を添加したサンプルにおいては、20μg/ml-NHSの濃
度より補体の抑制効果が現れていることが確認された。
上記実施例5、(2)、i)および2)で明らかにした
ように、細胞の回復を考慮するとCH50及びACH50と比べs
CR1の投与量はかなり少なくても補体の抑制効果を確認
することができた。
確認 なお。使用したsCR1ha実施例2(2)のHPLCゲル濾過カ
ラムクロマトグラフィーにより得られた精製sCR1及びAg
lyco-sCR1である。 モデルラット用いたsCR1の活性の確認 この実験ではモデルラットを用いることで、in vivoに
おけるsCR1の効果を確認した。実験手法の模式図を図2
5に示す。実験手法としては、まず細胞膜状の膜レセプ
ター(CR1等)を阻害する抗Crry 抗体をラットに投与し、
補体調節蛋白質が働かないような状態(免疫系が働かな
いようなヌードラット)を作り出した。次にsCR1を20mg/
kgとなるようにのラットに投与し、sCR1投与後、補体を
活性化させる物質であるリポ多糖(LPS)を投与した。そ
の後生存しているラットに関してC3の沈着が行われてい
るかどうか、各臓器を免疫染色したところ、肺、肝臓、
腎臓においてC3の沈着はなく、補体が抑制されているこ
とが確認された。また同様にAglyco-sCR1にも補体抑制
能力はインタクトなsCR1に比べて活性は低いながらも、
補体を抑制している結果が得られた。
体レセプタータイプ1(sCR1)を得るための手段を開発し
田茂のであり、これにより、初めて可溶化補体レセプタ
ータイプ1(sCR1)結晶化に成功したものである。したが
って、本発明によれば、純粋で副作用の軽減された補体
活性抑制剤としての利用が可能となり、また、得られた
結晶によりX線結晶構造解析法による立体構造解明を可
能とする。また、類似した可溶化膜蛋白質の結晶化及び
立体構造解析に向けた研究に対しても教示するところが
大である。しかも、本発明で目標とした構造解析前提と
した結晶化を可能とする高純度、高効率のsCR1生産手法
は、生理活性を高い状態で保持し、高品質のsCR1の安定
供給を可能とし,広く医療分野、創薬の分野に貢献する
ことができる。
1)の結晶化工程を示す模式図である。
状態を撮影した顕微鏡写真である。
それぞれ回収した培地の電気泳動図である。
養法の模式図である。
ける各培地中の細胞の状態を撮影した顕微鏡写真であ
る。
出される画分の電気泳動図である。
R1の精製において溶出される画分の電気泳動図である。
おいて溶出される画分の電気泳動図である。
Aglyco-sCR1の精製において溶出される画分の電気泳動
図である。
位を示す模式図である。
とを示すウエスタンブロッティングの結果を示す図であ
る。
有することを示すウエスタンブロッティングの結果を示
す図である。、
晶作製方法を示す模式図である。
る。
真である。
を示す写真である。
示す模式図及びその実験結果を示す電気泳動図である。
定分解を示す模式図及びその実験結果を示す電気泳動図
である。
ある。
である。
ラフである。
グラフである。
た細胞障害実験の結果を示す写真である。
動物の手法を示す模式図である。
Claims (21)
- 【請求項1】 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
の結晶 - 【請求項2】 以下のaおよびb工程を含む手段により
得られた、精製可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)
を結晶化したものである請求項1に記載の可溶化補体レ
セプタータイプ1(sCR1)の結晶。 a:可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)遺伝子
を導入した動物細胞を血清培地で増殖させた後、無血清
培地で培養して可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を産生させる工程、 b:産生された可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を含む培養液を、アフィニティクロマトグラフィー
カラム及びサイズ排除クロマトグラフィカラムを順次使
用して精製する工程。 - 【請求項3】 膜貫通ドメインを含有しないものである
請求項1または2に記載の可溶化補体レセプタータイプ
1(sCR1)の結晶。 - 【請求項4】 糖鎖が除去されたものである請求項1〜
3のいずれか1項記載の可溶化補体レセプタータイプ1
(sCR1)の結晶。 - 【請求項5】 上記a及び/またはbの精製工程が界面
活性剤の存在下で行うものである請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)の結晶。 - 【請求項6】 結晶化手段が、蛋白質沈殿剤による沈殿
操作と蒸気拡散法を組み合わせて用いたものである請求
項1〜5のいずれか1項に記載の可溶化補体レセプター
タイプ1(sCR1)の結晶。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項に記載の可溶
化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶を使用するこ
とを特徴とする補体活性抑制剤。 - 【請求項8】 以下のaおよびb工程を含む手段により
得られた精製可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)を
結晶化することを特徴とする可溶化補体レセプタータイ
プ1(sCR1)の結晶の製造方法。 a:可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)遺伝子
を導入した動物細胞を血清培地で増殖させた後、無血清
培地で培養して可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を産生させる工程、 b:産生された可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)を含む培養液または培養処理液を、アフィニティク
ロマトグラフィーカラム及びサイズ排除クロマトグラフ
ィカラムを順次使用して精製する工程。 - 【請求項9】 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)遺伝子が、膜貫通ドメインのコード領域において変
異または欠失を生じたものである、請求項8に記載の可
溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶の製造方
法。 - 【請求項10】 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)が、細胞外に分泌されるものである請求項9に記載
の可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶の製造
方法。 - 【請求項11】 上記a及び/またはbの培養工程にお
いて、ツニカマイシンの存在下で行うことを特徴とする
請求項8〜10いずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項12】 上記a及び/またはbの精製工程が、
可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)が界面活性剤に
より分散している状態で行うものである、請求項8〜1
1いずれか1項に記載の可溶化補体レセプタータイプ1
(sCR1)の結晶の製造方法。 - 【請求項13】 結晶化手段が、蛋白質沈殿剤による沈
殿操作と蒸気拡散法を組み合わせて用いたものであるこ
とを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載
の可溶化補体レセプタータイプ1(sCR1)の結晶の
製造方法。 - 【請求項14】 可溶化補体レセプタータイプ1(sC
R1)遺伝子を導入した動物細胞を血清培地で増殖させ
た後、無血清培地で培養することを特徴とする2段階細
胞培養方法。 - 【請求項15】 可溶化補体レセプタータイプ1(sC
R1)遺伝子が、膜貫通ドメインのコード領域において
変異または欠失を生じたものである、請求項14に記載
の2段階培養方法。 - 【請求項16】 可溶化補体レセプタータイプ1(sCR
1)遺伝子が導入された動物細胞が、可溶化補体レセプ
タータイプ1(sCR1)を細胞外に分泌するものである請
求項15に記載の2段階培養方法。 - 【請求項17】 培養工程が、ツニカマイシン処理で行
うことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1項
に記載の2段階培養方法。 - 【請求項18】 請求項14〜17のいずれか1項に記
載の2段階培養方法により得られた可溶化補体レセプタ
ータイプ1(sCR1)を含む動物細胞培養液あるいは
培養処理液を、アフィニティクロマトグラフィーカラム
及びサイズ排除クロマトグラフィカラムを順次使用して
精製することを特徴とする、可溶化補体レセプタータイ
プ1(sCR1)の2段階精製方法。 - 【請求項19】 可溶化補体レセプタータイプ1(sC
R1)を含む動物細胞の培養上済液を直接アフィニティ
クロマトグラフィーカラムにかけることを特徴とする請
求項18に記載の2段階精製方法。 - 【請求項20】 アフィニティクロマトグラフィーカラ
ム及び/またはサイズ排除クロマトグラフィカラム使用
による精製において、可溶化補体レセプタータイプ1
(sCR1)が界面活性剤により分散している状態で行うこ
とを特徴とする、請求項18または19に記載の2段階
精製方法 - 【請求項21】 請求項18〜20のいずれか1項に記
載された2段階精製方法により得られた可溶化補体レセ
プタータイプ1(sCR1)を使用することを特徴とする、
補体活性抑制剤。
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| JP4300286B2 (ja) | 2009-07-22 |
| EP1334982A2 (en) | 2003-08-13 |
| US20040014136A1 (en) | 2004-01-22 |
| EP1334982A3 (en) | 2003-09-17 |
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