JP2003277732A - 研磨用粒子および研磨材 - Google Patents

研磨用粒子および研磨材

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JP2003277732A JP2002087739A JP2002087739A JP2003277732A JP 2003277732 A JP2003277732 A JP 2003277732A JP 2002087739 A JP2002087739 A JP 2002087739A JP 2002087739 A JP2002087739 A JP 2002087739A JP 2003277732 A JP2003277732 A JP 2003277732A
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広泰 西田
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義憲 若宮
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通郎 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ金属による不具合を生じること
のないコア・シェル構造を有する研磨用粒子である。 【解決手段】 研磨用粒子は、平均粒子径(D)が5〜
300nmの範囲にあるコア・シェル構造を有し、シェ
ル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範囲にあるシリカ
を主成分とするシリカ系複合酸化物からなる。シェル部
1g当たり0. 1〜3meqのイオン交換点を有するこ
とが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、コア・シェル構造を有す
る研磨用粒子および該研磨用粒子を含んでなる研磨材に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、半導体の集積回路付基板の
製造においては、例えばシリコンウェハー上に銅などの
金属で回路を形成する際に凹凸あるいは段差が生じるの
で、これを研磨して表面の段差がなくなるように回路の
金属部分を優先的に除去することが行われている。ま
た、シリコンウェハー上にアルミ配線を形成し、この上
に絶縁膜としてSiO2 等の酸化膜を設けると配線によ
る凹凸が生じるので、この酸化膜を研磨して平坦化する
ことが行われている。このような研磨方法として、化学
機械研磨法(CMP)が良く知られている。同法は、凹
凸を有する基板を回転している研磨パッドに押し付ける
と共に、基板自体も回転させながら研磨材スラリー中に
浸漬することにより、該スラリー中に含まれる研磨用粒
子が加重により凹凸を有する基板に押しつけられ、この
結果、基板の凸部金属部分が除去されて平坦化されるも
のである。さらに、基板上に形成された酸化膜の表面を
平坦化するため、または回路上に形成された絶縁膜(酸
化膜)の凹凸を平坦化する目的等にも、同様の研磨が行
われている。
【0003】このとき、研磨用粒子としてはヒュームド
アルミナあるいはヒュームドシリカ等の平均粒子径が2
00nm程度の球状粒子が用いられている。研磨材とし
ては、このような研磨用粒子と共に、被研磨材の種類に
より、金属の研磨速度を高めるために過酸化水素等の酸
化剤や、金属の腐食あるいは酸化を抑制するためにベン
ゾトリアゾール(BTA)や、更に酸等の化学的研磨
材、pH調整剤等を加えた水系の研磨材スラリーが用い
られている。このような基板の研磨においては、研磨後
の表面は段差や凹凸がなく平坦で、さらにミクロな傷等
もなく平滑であることが求められており、また研磨速度
が速いことも必要である。さらに、半導体材料は電気・
電子製品の小型化や高性能化に伴い高集積化が進展して
いるが、たとえばトランジスタ分離層に不純物等が残存
すると性能が発揮できなかったり、不具合の原因となる
ことがある。特に研磨した半導体基板、酸化膜表面にア
ルカリ金属の中でもNaが付着すると拡散性が高く、酸
化膜中の欠陥などに捕獲され、半導体基板に回路を形成
しても絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがあ
り、また誘電率が低下することがあった。このため使用
条件や使用が長期にわたった場合に前記不具合を生じる
ことがあった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、前記アルカリ金属による不具合を生じるこ
とのないコア・シェル構造を有する研磨用粒子および該
研磨用粒子を含んでなる研磨材を提供することを目的と
している。また、本発明はシェル部を設けてあるいはシ
ェル部の成分、組成、厚さ、割合を変えることによっ
て、研磨用粒子および研磨材の研磨速度、研磨精度、研
磨特性を調節可能とすることを企図するものである。
【0005】
【発明の概要】本発明の研磨用粒子は、平均粒子径
(D)が5〜300nmの範囲にあるコア・シェル構造
を有し、シェル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範囲
にある複合酸化物からなることを特徴とするものであ
る。前記複合酸化物は、シリカを主成分とするシリカ系
複合酸化物であることが好ましい。本発明の研磨用粒子
は、平均粒子径(D)が5〜300nmの範囲にあり、
シェル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範囲にあるコ
ア・シェル構造を有し、前記シェル部1g当たり0. 1
〜3meqのイオン交換点を有することを特徴とするも
のである。前記コア部はSiO2 、Al2 3 、ZrO
2 、SnO2 、ZnO、CeO2、TiO2 、MnOか
ら選ばれる1種または2種以上の酸化物からなることが
好ましい。本発明の研磨材は、前記研磨用粒子を含んで
なる。
【0006】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。研磨用粒子 本発明に係る研磨用粒子は、コア・シェル構造を有する
研磨用粒子であって、平均粒子径(D)が5〜300n
m、好ましくは10〜200nmの範囲にある。研磨用
粒子の平均粒子径が5nm未満の場合は、研磨用粒子分
散液あるいは研磨材の安定性が不充分となる傾向にあ
り、また粒子径が小さ過ぎて充分な研磨速度が得られな
いことがある。研磨用粒子の平均粒子径が300nmを
越えると、基板または絶縁膜の種類にもよるが傷(スク
ラッチ)が残存し、充分な平滑性が得られないことがあ
る。このため、要求される研磨速度、研磨精度等を考慮
して研磨用粒子の平均粒子径を選択することが望まし
い。
【0007】研磨用粒子のシェル部は複合酸化物、特
に、SiO2 、Al2 3 、ZrO2、SnO2 、Zn
O、CeO2 、TiO2 、MnOから選ばれる2種以上
の酸化物からなることが好ましい。シェル部がこのよう
な複合酸化物で構成されている結果、イオン交換点を有
し、コア部にアルカリ(特にNa)を多く含む場合であ
っても、また、研磨用粒子以外にNaを多く含む場合で
あっても、シェル部でNaイオンとしてトラップされ、
Naイオンが研磨基板に付着して残存することが少なく
なる。このため半導体基板に回路を形成しても長期にわ
たって絶縁不良を起こしたり回路が短絡することがな
く、また誘電率の低下等の少ない半導体材料等の製造に
好適に用いることができる。また、前記SiO2 、Al
2 3 、ZrO2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、Ti
2 、MnOのみからなる研磨用粒子の研磨特性(研磨
速度、研磨面の平滑性、ディッシング)を調節すること
もできる。
【0008】複合酸化物の組成は、主成分が50〜95
重量%、主成分以外(第2成分)が5〜50重量%の範
囲にあることが好ましい。この範囲にあると前記イオン
交換点が多く形成され、効果的にNaをトラップするこ
とができる。複合酸化物の主成分はシリカであることが
好ましい。主成分がシリカであると、イオン交換点が多
く形成されるとともにコア粒子に密着したシェル部を形
成することが容易である。上記イオン交換点の濃度はシ
ェル部1g当たり、0. 1〜3meq、特に、0. 5〜
3meqの範囲にあることが好ましい。イオン交換点の
濃度が0. 1meq未満では、Naを十分にトラップす
ることができない場合がある。他方、3meqを越える
シェル部を形成することは困難であると共に、形成でき
たとしても研磨用粒子とはなり得ない。
【0009】研磨用粒子のシェル部の厚さ(ST )は1
〜50nm、好ましくは1〜20nmの範囲にある。シ
ェル部の厚さ(ST )が1nm未満の場合は、シェル部
を設ける効果が得られ難い。即ち、コア部にアルカリ金
属が多い場合や研磨用粒子以外にアルカリが存在する場
合に、このアルカリをシェル部にトラップしてアルカリ
が研磨基板に残存することを防止したり、シェル部を設
けてあるいはシェル部の成分を変えることによって研磨
特性を調整する効果が得られ難い。一方、シェル部の厚
さ(ST )が50nmを越えると、前記アルカリ金属の
粒子外への拡散の抑制や研磨速度を調整する等の効果が
さらに向上することもなく、コア部の粒子径にもよるが
実質的にシェル部のみからなる研磨用粒子を作るのと相
違がなく、経済性が低下することがある。このようなシ
ェル部の厚さ(ST )と研磨用粒子の平均粒子径(D)
との比(ST )/(D)は概ね1/2〜1/20の範囲
にあることが好ましい。
【0010】また、シェル部のNaの含有量は、アルカ
リをトラップすることができれば特に制限はなく、粒子
中のシェル部の割合およびシェル部の複合酸化物の種類
や複合割合等によって異なるが、Naとして5000p
pm以下、好ましくは1000ppm以下、特に好まし
くは100ppm以下である。Na含有量が5000p
pmを越えると、Naをトラップする強さおよび量が低
下し、研磨した基板にNaが残存し、このNaが半導体
基板に形成された回路の絶縁不良を起こしたり回路が短
絡することがあり、絶縁用に設けた膜(絶縁膜)の誘電
率が低下し金属配線にインピーダンスが増大し、応答速
度の遅れ、消費電力の増大等が起きることがある。また
Naイオンが移動(拡散)し、使用条件や使用が長期に
わたった場合に前記不具合を生じることがある。
【0011】コア粒子 研磨用粒子のコア部はSiO2 、Al2 3 、Zr
2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、TiO2 、MnO
から選ばれる1種または2種以上の酸化物とすることが
好ましく、被研磨基板の種類、要求される研磨速度や研
磨精度等によって適宜選択して用いることができる。な
お、本発明ではコア部のNa含有量は100ppm以下
である必要はない。これは、前記シェル部がアルカリイ
オンをトラップする能力を有するからである。コア部は
球状粒子であることが好ましく、コア粒子の平均粒子径
は4〜250nmの範囲にあることが好ましい。
【0012】本発明の研磨用粒子は水および/または有
機溶媒に分散させて用いることができる。有機溶媒とし
ては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール類が好ましく、他にエー
テル類、エステル類、ケトン類など水溶性の有機溶媒を
用いることができる。このときの研磨用粒子分散液の濃
度は固形分として概ね5〜50重量%の範囲にあること
が好ましい。分散液の濃度が5重量%未満の場合は、配
合して得られる研磨材中の研磨用粒子の濃度が低くなり
過ぎて充分な研磨速度が得られないことがあり、分散液
の濃度が50重量%を越えると、分散液の安定性が低下
する傾向にあり、また研磨処理のために分散液を供給す
る工程で乾燥物が生成して付着することがあり、スクラ
ッチ発生の原因となることがある。
【0013】研磨用粒子の製造方法 次に、上記した研磨用粒子の製造方法について説明す
る。まず、前記したコア粒子の分散液を調製する。この
ときのコア粒子分散液の濃度は酸化物として0. 005
〜20重量%、さらには0. 01〜10重量%の範囲に
あることが好ましい。コア粒子の濃度が0. 005重量
%未満の場合は生産性が低く、コア粒子の濃度が20重
量%を越えると、後述するシェル部形成成分の添加速度
にもよるが、シェル部の密度が低く研磨能力に劣る傾向
があり、さらに得られる研磨用粒子が凝集することがあ
る。コア粒子分散液に、SiO2 、Al2 3 、ZrO
2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、TiO2 、MnOか
ら選ばれる2種以上の複合酸化物を形成し得る化合物の
水溶液を2種以上同時に、または交互に、あるいは連続
的にまたは断続的に添加することができるが、同時に添
加することが好ましい。また、添加速度は、微細なゲル
や、コア粒子以外に新たな粒子が生成しない範囲で時間
を掛けて添加することが好ましい。
【0014】前記複合酸化物を形成し得る化合物として
は、アルカリ金属珪酸塩、アルミン酸ナトリウム、アル
ミノ珪酸ナトリウム、塩化アルミニウム、硝酸ジルコニ
ウム、塩化第1錫、塩化第2錫、塩化亜鉛、硝酸セリウ
ム、硝酸セリウムアンモニウム、四塩化チタン、硫酸マ
ンガン等の他、シリカ源としてはアルカリ金属珪酸塩を
脱アルカリして得られる酸性珪酸液も好適に用いること
ができる。このときの各成分の混合比率は、得られるシ
ェルの組成が、主成分が酸化物として50〜95重量
%、主成分以外の成分が5〜50重量%の範囲となるよ
うに添加する。Naをトラップするイオン交換点をより
多くできる混合比率は概ね主成分酸化物が60〜80重
量%の範囲である。さらに、必要に応じて酸または塩基
を添加して、酸化物前駆体(水酸化物、複合水酸化物)
のコア粒子表面への析出速度や複合化を調節するために
分散液のpHを調節することができる。
【0015】上記シリカ源としての酸性珪酸液として
は、前記した(1)アルカリ金属珪酸塩水溶液をイオン
交換樹脂等で脱アルカリして得られる酸性珪酸液の他、
(2)有機ケイ素化合物を塩酸、硝酸、硫酸などの酸で
加水分解して得られる酸性珪酸液、(3)アルカリ金属
水酸化物水溶液および/または有機塩基水溶液に有機ケ
イ素化合物を加えた水溶液をイオン交換樹脂等で脱アル
カリまたは脱有機塩基して得られる従来公知の酸性珪酸
液、等を用いることができる。前記アルカリ金属珪酸塩
水溶液、アルカリ金属水酸化物水溶液のアルカリとして
はNa以外のアルカリ特にKが好ましく、この場合、得
られる酸性珪酸液中にNaが実質的に存在しないので、
シェル部にNaを実質的に含有しない研磨用粒子が得ら
れる。
【0016】上記有機ケイ素化合物としては下記化学式
で表される有機ケイ素化合物およびこれらの混合物を用
いることができる。但し、式中、R1 は置換または非置
換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の炭化水素
基を示し、R2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル
基、炭素数2〜5のアシル基を示し、nは0または1の
整数である。 R1 n Si(OR2 4-n 上記化学式において、n=0の有機ケイ素化合物は、ケ
イ素に直接結合した炭化水素基を待たないので、得られ
るシェル部の密度が高く、研磨に用いた場合、高い研磨
速度が得られる。具体的にはテトラエトキシシラン(T
EOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラ
プロポキシシラン(TPOS)、テトラブトキシシラン
(TBOS)等の4官能の有機ケイ素化合物が挙げられ
る。
【0017】アルカリ金属水酸化物水溶液としてはLi
OH、NaOH、KOH、RbOH、CsOHおよびこ
れらの混合物を用いることができるが、通常、KOH水
溶液が好適に用いられる。また、有機塩基水溶液として
は第4級アンモニウムハイドロオキサイドが好ましく、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラ
エチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラプロピ
ルアンモニウムハイドロオキサイドなどが好ましい。
【0018】アルカリ金属水酸化物水溶液および/また
は有機塩基水溶液に加える有機ケイ素化合物の量は、水
溶液中の濃度がSiO2 に換算して1〜10重量%、さ
らには2〜7重量%の範囲にあることが好ましい。添加
量がSiO2 に換算して1重量%未満の場合は、経時的
に加水分解して珪酸のオリゴメリゼーションなどが起
き、後工程の脱カチオンにより得られる酸性珪酸液にお
いて珪酸モノマーの割合が低く、珪酸オリゴマーの割合
の高い珪酸液が得られることがある。このような酸性珪
酸液を用いて得られる複合酸化物のシェルは密度が低
く、研磨に用いた場合、研磨速度が低下することがあ
る。前記添加量がSiO2 に換算して10重量%を越え
ると、得られるアルカリ金属珪酸塩水溶液および/また
は有機塩基珪酸水溶液の粘度が高く、後工程で、イオン
交換樹脂などによるアルカリカチオンおよび/または有
機カチオンの除去が困難になるとともに、得られる酸性
珪酸液の安定性が低くゲル化することがある。このよう
な酸性珪酸液の濃度はSiO2 に換算して1〜10重量
%、さらには2〜7重量%の範囲にある。また、珪酸液
のpHは1〜3. 5、さらには2〜3の範囲にあること
が好ましい。特に珪酸液のpHが2〜3の範囲にあれ
ば、酸性珪酸液中の残存カチオンが少なく安定性に優れ
ている。
【0019】上記コア粒子分散液の温度を50〜200
℃、好ましくは60〜150℃に維持しながらこれに前
記複合酸化物を形成し得る化合物の水溶液を連続的にま
たは断続的に添加してシェルを形成する。各成分の添加
速度は、コア粒子の平均粒子径や分散液中の濃度によっ
て異なり、概ねコア粒子の合計外部表面積に比例させて
変えることができる。即ち、合計外部表面積が高いと速
く添加することができ、合計外部表面積が低い場合に各
成分の添加速度が早過ぎると微細なゲルや、コア粒子以
外に新たな粒子が生成したり、得られる研磨用粒子が凝
集することがある。
【0020】また、各成分の添加は所望の厚みのシェル
が形成できるまで1回であるいは複数回繰り返して添加
することができる。コア粒子分散液に各成分を添加した
後、必要に応じて70〜150℃の温度範囲で0. 5〜
5時間熟成することができる。このような熟成を行うと
得られる粒子のシェル部密度を高め緻密なシェル部を形
成することができる。さらに必要に応じて、限外濾過膜
などを用いてイオンを除去したり、さらに所望の濃度に
濃縮したりあるいは希釈して研磨用粒子の分散液を得る
ことができる。また、限外濾過膜法、蒸留法などで水溶
媒を後述する有機溶媒に溶媒置換した研磨用粒子の分散
液を得ることもできる。
【0021】研磨材 本発明の研磨材は、前記研磨用粒子を含んでなる。研磨
用粒子として上述した研磨用粒子を用いる他、必要に応
じて研磨用粒子が分散した分散液の形態とすることがで
きる。分散媒として一般に水を用いるが、必要に応じて
有機溶媒としてメチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール等のアルコール類を用いること
ができ、他にエーテル類、エステル類、ケトン類など水
溶性の有機溶媒を用いることができる。研磨材中の研磨
用粒子の濃度は5〜50重量%、さらには5〜30重量
%の範囲にあることが好ましい。研磨用粒子の濃度が5
重量%未満の場合は、基材や絶縁膜の種類によっては濃
度が低過ぎて研磨速度が遅く生産性が問題となることが
あり、研磨用粒子の濃度が50重量%を越えると研磨材
の安定性が不充分となり、研磨速度や研磨効率がさらに
向上することもなく、また研磨処理のために分散液を供
給する工程で乾燥物が生成して付着することがあり傷
(スクラッチ)発生の原因となることがある。
【0022】本発明の研磨材には、被研磨基板の種類に
よっても異なるが、必要に応じて従来公知の過酸化水
素、過酢酸、過酸化尿素など、およびこれらの混合物を
添加して用いることができる。このような過酸化水素等
を添加して用いると被研磨基板が金属の場合に効果的に
研磨精度を向上させることができる。さらに、錯生成剤
としてフタル酸、クエン酸等の有機酸あるいはこれらの
有機酸塩を添加して用いることができる。また、酸化を
抑制するためにベンゾトリアゾール(BTA)等を用い
ることができる。さらに、酸あるいは塩基を用いて研磨
材のpHを調整したり、研磨材の分散性や安定性を高め
るために界面活性剤などを添加してもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明の研磨用粒子はコア・シェル構造
を有しており、コア部に多量のアルカリ金属を含有して
いてもシェル部でこのアルカリ金属をイオン交換的にト
ラップ可能であることから、含有アルカリ金属に起因す
る前記各種不具合から無縁な研磨材を得ることができ
る。また、本発明はシェル部を設けて、あるいはシェル
部の成分、組成および厚みを変えることによって、コア
粒子単体からなる研磨用粒子の研磨速度、研磨精度(研
磨面の平滑性やスクラッチの程度)、またはディッシン
グ等の研磨特性を調節可能とするものである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0025】〔実施例1〕研磨用粒子(A)分散液の調製 シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI−50、平均
粒子径25nm、SiO2 濃度48重量%、Na含有量
0. 37重量%)を希釈して得たSiO2 濃度5重量%
のコア粒子分散液100gを83℃に昇温し、濃度20
重量%のKOH水溶液にて分散液のpHを10. 5に調
整した。ついで、珪酸ナトリウム水溶液(SiO2 濃度
1. 5重量%、Na2 O濃度0. 5重量%)1530g
と、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2 3 濃度0.
5重量%、Na2 O濃度0. 386重量%)1300g
とを同時に17時間で添加してシェルを形成し、1時間
熟成した後、限外濾過膜にて、塩酸を加えながら分散液
のpHが7になるまで洗浄し、ついで加熱しながら濃縮
し、SiO2 ・Al2 3 濃度20重量%のシリカ・ア
ルミナ被覆シリカ粒子分散液を調製した。ついで、シリ
カ・アルミナ被覆シリカ粒子分散液をイオン交換樹脂に
てイオン交換し、SiO2 ・Al2 3 濃度20重量%
の研磨用粒子(A)分散液を調製した。得られた研磨用
粒子(A)の平均粒子径を測定すると共に、粒子中のN
aを分析した。シェル部のNa含有量はコア粒子および
得られたシリカ粒子のNa含有量から算出した。コア部
の成分と性状およびシェル部の組成と性状を表1に示し
た。
【0026】研磨材(A)の調製 上記で得たSiO2 濃度20重量%の研磨用粒子(A)
分散液に濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加して
分散液のpHを10. 5に調整して研磨材(A)を調製
した。研磨 被研磨基板として熱酸化膜を形成したシリコンウェーハ
(研磨試験用:30mm□)を用い、研磨装置(ナノフ
ァクター(株)製:NF300)にセットし、基板荷重
0. 12MPa 、テーブル回転速度30rpmで研磨材
(A)を1ml/秒の速度で30秒間供給して研磨し
た。研磨前後の厚みを求めて研磨速度を算出し、また研
磨前後の基板の平滑性を評価し、結果を表2に示した。
平滑性の評価は、研磨後の表面を光学顕微鏡で観察し、
以下の評価基準により行った。 ○:研磨前の傷、筋等が殆ど無くなり、表面が平滑であ
る。 △:研磨前の傷、筋等が半分以下に減少し、表面が平滑
である。 ×:研磨前の傷、筋等が僅かに減少しているが、表面は
粗い。
【0027】〔実施例2〕研磨用粒子(B)分散液と研磨材(B)の調製 実施例1において、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al
2 3 濃度0. 5重量%、Na2 O濃度0. 386重量
%)1300gの代わりに、アルミン酸ナトリウム水溶
液(Al2 3 濃度0. 2重量%、Na2 O濃度0. 1
55重量%)1500gを用いた以外は同様にしてSi
2 ・Al2 3 濃度20重量%の研磨用粒子(B)分
散液を調製した。研磨用粒子(B)分散液を用いた以外
は実施例1と同様にして研磨材(B)を調製し、研磨試
験を行った。
【0028】〔実施例3〕研磨用粒子(C)分散液と研磨材(C)の調製 実施例1において、アルミン酸ナトリウム水溶液(Al
2 3 濃度0. 5重量%、Na2 O濃度0. 386重量
%)1300gの代わりに炭酸ジルコニルアンモニウム
水溶液(ZrO2 濃度0. 5重量%)1300gを用い
た以外は同様にして、SiO2 ・ZrO2 濃度20重量
%の研磨用粒子(C)分散液を調製した。研磨用粒子
(C)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして研磨
材(C)を調製し、研磨試験を行った。
【0029】〔実施例4〕研磨用粒子(D)分散液と研磨材(D)の調製 コア粒子分散液の調製に、シリカゾル(触媒化成工業
(株)製:カタロイドSI−45P、平均粒子径45n
m、SiO2 濃度40重量%、Na含有量0. 30重量
%)を用いた以外は実施例1と同様にして、SiO2
Al2 3 濃度20重量%の研磨用粒子(D)分散液を
調製した。研磨用粒子(D)分散液を用いた以外は実施
例1と同様にして研磨材(D)を調製し、研磨試験を行
った。
【0030】〔実施例5〕研磨用粒子(E)分散液と研磨材(E)の調製 正珪酸エチル(多摩化学(株)製:Na含有量0. 01
ppm)をKOHに溶解して珪酸カリウム水溶液(Si
2 濃度21重量%、SiO2 /K2 Oモル比=3.
5)を得た。ついで、これを希釈して得た希釈水硝子
(SiO2 濃度5重量%)をイオン交換樹脂で脱アルカ
リして酸性珪酸液(pH2. 2、SiO2 濃度3重量
%)850gを調製した。シリカゾル(触媒化成工業
(株)製:カタロイドSI−45P、平均粒子径45n
m、SiO2 濃度40重量%、Na含有量0. 30重量
%)を希釈して得たSiO2 濃度5重量%のコア粒子分
散液500gを83℃に昇温し、濃度20重量%のKO
H水溶液にて分散液のpHを10. 5に調整した。つい
で、上記で得た酸性珪酸液850gと珪酸ナトリウム水
溶液(SiO2 濃度1. 5重量%、Na2 O濃度0. 5
重量%)4000gと、アルミン酸ナトリウム水溶液
(Al23 濃度0. 5重量%、Na2 O濃度0. 38
6重量%)6800gとを同時に34時間で添加してシ
ェルを形成し、ついで1時間熟成した後、限外濾過膜に
て分散液のpHが10になるまで洗浄し、加熱しながら
アルコールを留去して濃縮し、SiO2 ・Al2 3
度20重量%のシリカ・アルミナ被覆シリカ粒子分散液
を調製した。ついで、シリカ・アルミナ被覆シリカ粒子
分散液をイオン交換樹脂にてイオン交換し、SiO2
Al2 3 濃度20重量%の研磨用粒子(E)分散液を
調製した。研磨用粒子(E)分散液を用いた以外は実施
例1と同様にして研磨材(E)を調製し、研磨試験を行
った。
【0031】〔実施例6〕研磨用粒子(F)分散液と研磨材(F)の調製 コア粒子分散液として、チタニアゾルゾル(触媒化成工
業(株)製:ネオサンベールPW−1010、平均粒子
径10nm、TiO2 濃度10重量%、Na含有量0.
01重量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、T
iO2 ・SiO 2 ・Al2 3 濃度20重量%のシリカ
・アルミナ被覆チタニア粒子からなる研磨用粒子(F)
分散液を調製した。研磨用粒子(F)分散液を用いた以
外は実施例1と同様にして研磨材(F)を調製し、研磨
試験を行った。
【0032】〔実施例7〕研磨用粒子(G)分散液と研磨材(G)の調製 ジルコニウムイソプロピレート((株)マツモト交商
製:オルガチックス ZA−50、ZrO2 濃度37.
7重量%)をエチルアルコールで希釈してZrO 2 濃度
3重量%のジルコニウムイソプロピレート溶液5000
gを調製した。これに濃度1重量%のNaOH水溶液2
00gを5時間で添加し、1時間熟成した。限外濾過膜
にてジルコニア粒子分散液のpHが9になるまで洗浄
し、加熱しながらアルコールを留去して濃縮し、ZrO
2 濃度20重量%のジルコニア粒子分散液を調製した。
上記ジルコニア粒子分散液をZrO2 濃度5重量%に希
釈し、これをコア粒子分散液として用いた以外は実施例
1と同様にしてZrO2 ・SiO2 ・Al2 3 濃度2
0重量%の研磨用粒子(G)分散液を調製した。研磨用
粒子(G)分散液を用いた以外は実施例1と同様にして
研磨材(G)を調製し、研磨試験を行った。
【0033】〔実施例8〕研磨用粒子(H)分散液と研磨材(H)の調製 ジエトキシ亜鉛(KANTO(株)製ジエトキシ亜鉛、
ZnO濃度52重量%)をエチルアルコールで希釈して
ZnO濃度3重量%のジエトキシ亜鉛溶液5000gを
調製した。これに濃度1重量%のNaOH水溶液150
gを4時間で添加し、1時間熟成した。限外濾過膜にて
酸化亜鉛粒子分散液のpHが9になるまで洗浄し、加熱
しながらアルコールを留去して濃縮し、ZnO濃度20
重量%の酸化亜鉛粒子分散液を調製した。上記酸化亜鉛
粒子分散液をZnO濃度5重量%に希釈し、これをコア
粒子分散液として用いた以外は実施例1と同様にしてZ
nO・SiO2 ・Al2 3 濃度20重量%の研磨用粒
子(H)分散液を調製した。研磨用粒子(H)分散液を
用いた以外は実施例1と同様にして研磨材(H)を調製
し、研磨試験を行った。
【0034】〔比較例1〕研磨材(I)の調製 シリカゾル(触媒化成工業(株)製:SI−50、平均
粒子径25nm、SiO2 濃度48重量%、Na含有量
0. 37重量%)を希釈してSiO2 濃度20重量%と
し、これに濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加し
て分散液のpHを10. 5に調整して研磨材(I)を調
製し、実施例1と同様にして研磨試験を行った。
【0035】〔比較例2〕研磨材(J)の調製 シリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSI−
45P、平均粒子径45nm、SiO2 濃度40重量
%、Na含有量0. 30重量%)を希釈してSiO2
度20重量%とし、これに濃度15重量%のNH4 OH
水溶液を添加して分散液のpHを10. 5に調整して研
磨材(J)を調製し、実施例1と同様にして研磨試験を
行った。
【0036】〔比較例3〕研磨材(K)の調製 チタニアゾルゾル(触媒化成工業(株)製:ネオサンベ
ールPW−1010、平均粒子径10nm、TiO2
度10重量%、Na含有量0. 01重量%)に濃度15
重量%のNH4 OH水溶液を添加して分散液のpHを1
0. 5に調整して研磨材(K)を調製し、実施例1と同
様にして研磨試験を行った。
【0037】〔比較例4〕研磨材(L)の調製 実施例7で調製したZrO2 濃度20重量%のジルコニ
ア粒子分散液に濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添
加して分散液のpHを10. 5に調整して研磨材(L)
を調製し、実施例1と同様にして研磨試験を行った。
【0038】〔比較例5〕研磨材(M)の調製 実施例8で調製したZnO濃度20重量%の酸化亜鉛粒
子分散液に濃度15重量%のNH4 OH水溶液を添加
し、分散液のpHを10. 5に調整して研磨材(M)を
調製し、実施例1と同様にして研磨試験を行った。
【0039】
【表1】 コ ア 部 シ ェ ル 部 粒子 成分 平均 Na含 コア 組 成 厚み Na含 平均 粒径 有量 割合 主成分 (wt%) 有量 粒径 (nm) (ppm) (wt%) 副成分 (wt%) (nm) (ppm) (nm) 実施例1 SiO2 25 3700 14.5 SiO2 77.9 10 2300 45 Al2O3 22.1 実施例2 SiO2 25 3700 16.1 SiO2 88.2 9.5 1500 44 Al2O3 11.8 実施例3 SiO2 25 3700 14.5 SiO2 77.9 10 750 45 ZrO2 22.1 実施例4 SiO2 45 3000 14.5 SiO2 77.9 17.5 2400 80 Al2O3 22.1 実施例5 SiO2 45 3000 17.3 SiO2 77.9 16.5 800 78 Al2O3 22.1 実施例6 TiO2 10 100 14.5 SiO2 77.9 7.5 1250 25 Al2O3 22.1 実施例7 ZrO2 10 200 14.5 SiO2 77.9 7.0 1100 24 Al2O3 22.1 実施例8 ZnO 10 150 14.5 SiO2 77.9 10 1300 30 Al2O3 22.1 比較例1 SiO2 25 3700 100 − − − − 25 − − 比較例2 SiO2 45 3000 100 − − − − 45 − − 比較例3 TiO2 10 100 100 − − − − 10 − − 比較例4 ZrO2 10 200 100 − − − − 10 − − 比較例5 ZnO 10 150 100 − − − − 10
【0040】 − −
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 通郎 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 3C058 AA07 CA01 CB02 DA02 DA12 3C063 AA01 AB01 BB01 BB03 BB14 CC01 EE10 EE26 FF23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径(D)が5〜300nmの範
    囲にあるコア・シェル構造を有し、シェル部の厚さ(S
    T )が1〜50nmの範囲にある複合酸化物からなるこ
    とを特徴とする研磨用粒子。
  2. 【請求項2】 前記複合酸化物が、シリカを主成分とす
    るシリカ系複合酸化物である請求項1に記載の研磨用粒
    子。
  3. 【請求項3】 平均粒子径(D)が5〜300nmの範
    囲にあり、シェル部の厚さ(ST )が1〜50nmの範
    囲にあるコア・シェル構造を有し、前記シェル部1g当
    たり0. 1〜3meqのイオン交換点を有することを特
    徴とする研磨用粒子。
  4. 【請求項4】 前記コア部がSiO2 、Al2 3 、Z
    rO2 、SnO2 、ZnO、CeO2 、TiO2 、Mn
    Oから選ばれる1種または2種以上の酸化物からなる請
    求項1〜請求項3のいずれか記載の研磨用粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    研磨用粒子を含んでなる研磨材。
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