JP2003519082A - ケモカイン受容体アンタゴニストとシクロスポリンを組み合わせた治療 - Google Patents

ケモカイン受容体アンタゴニストとシクロスポリンを組み合わせた治療

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Abstract

(57)【要約】 移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療または予防するための薬剤組成物を生産するための、シクロスポリンと組み合わせたケモカイン受容体アンタゴニストの使用が本明細書に開示される。上記の特定の治療のためのその活性成分の、同時、別々または連続の使用のための上記薬剤組成物も開示されて請求される。特に、腎臓の同種移植片の移植拒絶の治療のための薬剤組成物を生産するための、Met-RANTESのシクロスポリンAを伴う使用が実験により示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ケモカイン受容体アンタゴニストをシクロスポリンと共に使用する
ことにより、移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療または予防するため
の薬剤組成物を製造することに関する。本発明は、上記の特定された治療のため
のその活性成分の同時使用、別々の使用または連続使用のための上記薬剤組成物
にも関する。
【0002】 特定すれば、本発明は、Met-RANTESのシクロスポリンAとの併用に
より、腎臓同種移植片拒絶の治療のための薬剤組成物を製造することに関する。 発明の背景 外来の(同種または異種)蛋白質または細胞または器官に対してT細胞応答が
組み立てられる機構は、相当によく理解されている。抗原提示細胞(APCs)
は、(外科手術の移植により誘発されるかもしれない)炎症または損傷のエリア
に引き付けられる。末梢におけるT細胞のレパートリーは、病原体の形跡または
外来の(同種または異種)組織の存在に関して組織を絶えず調査している。これ
らの警告シグナルのいずれかが認識されたなら、APCsはその蛋白質を飲み込
み、それを消化し、そしてそれを宿主免疫系に提示する。
【0003】 免疫系は、外来性、疾患性または炎症性の組織を迅速に同定してそれを迅速に
破壊するためにうまく備える。これは、いつも、組織、器官または細胞の移植並
びに遺伝子治療に対する主要なバリアーであった。主要な問題は、通常、慢性免
疫性抑圧、被包または免疫性選択(immunoisolation)に関連する。慢性免疫性
抑圧の望まれない副作用は、日和見感染および腫瘍形成に対する感受性を増大さ
せることを包含する。
【0004】 特に、急性の腎臓同種移植片拒絶は、同種抗原依存性因子並びに非依存性因子
の両方により媒介されて、主にリンパ球、単球/マクロファージおよび偶然の好
酸球からなる単核細胞浸潤物により特徴付けられる(Grone H.J.,1996,Valent
e J.F.,1998,Bishop G.A.et al.,1986)。末梢循環からのこれらの白血球の
移植された器官への動員は、白血球上に発現される一連の分子と内皮表面の間の
複雑な相互作用を包含する(Butcher E.C.,1991,Butcher E.C.et al.,1996
,Springer T.A.,1994)。
【0005】 絶え間無い免疫性抑圧の不在下における移植組織の長期間の受容に関する希望
は、ヒトの医薬における長年の目的である。 ケモカインは構造上関連するサイトカインの大きなスーパーファミリーであり
、特定の白血球エフェクター亜集団の迅速な接着、ケモタクシスおよび活性化を
選択的に促進することが示されてきた(Springer T.A.,1994,Nelson P.J.et
al.,1998,Luster A.D.,1998,Schlondorff D.et al.,1997)。
【0006】 ケモカインは、C,C-C,C-X-CおよびC-X3-Cケモカインサブグループ
を規定するのに使用される保存されたシステイン残基を含む、一連の分割された
構造要素により特徴付けられる(但し、Xは、最初の2つのアミノ末端近くのシ
ステインの間の介在アミノ酸残基を表す)。ケモカインのさまざまな生物学上の
作用の全ては、それらと7つの膜貫通スパニングの大きなファミリー、C-プロ
テイン架橋受容体との相互作用を通して指示されるらしい(Nelson P.J.et al.
,1998,Luster A.D.,1998,Schlondorff D.et al.,1997)。これらの受容体
の細胞種特異的発現はケモカイン作用の白血球特異性を顕著な程度で制御するら
しい(Nelson P.J.et al.,1998,Luster A.D.,1998,Schlondorff D.et al.
,1997)。
【0007】 ケモカインRANTES(活性化に際して制御され、正常なT細胞で発現され
、そして分泌される)はC-Cケモカインサブファミリーのメンバーであり、C
CR1,CCR3,CCR5,CCR9およびDARC(ケモカインのためのダ
フィー抗原受容体(Duffy Antigen Receptor for Chemokines))を含む多くの
ケモカイン受容体のヒトにおけるリガンドである(Nelson P.J.,et al.,1998
,Luster A.D.,1998,Schlondorff D.et al.,1997,Nibbs R.J.,et al.,19
97)。RANTESは、T細胞、単球、ナチュラルキラー細胞、好塩基球および
好酸球のための有力な化学誘引物質である(Nelson P.J.,1998)。
【0008】 ケモカイン例えばRANTESはさまざまな疾患プロセスの基礎となる細胞浸
潤物において中心的な役割を演じると考えられる。例えば、RANTESは、単
核細胞浸潤物により特徴付けられる、遅延型過敏症、壊死性糸球体腎炎、炎症性
の肺疾患および腎臓の同種移植片拒絶を含む疾患において生体内で発現する(Sc
hlondorff D.et al.,1997,Nelson P.J.,1998,Devergne O.et al.,1994,
Luckas N.W.,et al.,1996,Lloyd C.M.,et al.,1997,Pattison J.et al.
,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993)。急性の細胞性拒絶をこうむるヒト腎
臓の研究において、RANTES蛋白質は単核浸潤細胞、腎臓管状上皮細胞およ
び管周毛細血管のタイル内皮細胞に局在することが見いだされた(Pattison J.
et al.,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993)。急性の細胞性拒絶は、単球/
マクロファージ、Tリンパ球および偶然の好酸球からなる血管内の狂った(mad
)間質細胞浸潤物により特徴付けられるので、RANTESは急性の拒絶の病理
において鍵となるものであるかもしれない(Schlondorff D.et al.,1997,Nel
son P.J.,1998,Pattison J.et al.,1994,Wiedermann C.J.,1993)。
【0009】 これらの観察に基づいて、腎臓同種移植片拒絶におけるRANTESの役割に
関するモデルが提案された(Nelson P.J.,et al.,1998,Pattison J.et al.
,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993)。拒絶の初期には、微小血管の内皮が
炎症を起こし、血小板が脱顆粒し、内皮表面に結合するRANTES蛋白質を放
出する。炎症を起こした腎臓の尿細管および内皮細胞はRANTESを含むさら
なるケモカインを生産する。蓄積された表面結合ケモカインは、次に、それらが
内皮表面を横切って回転するように、循環する白血球に対して指向性のシグナル
を提供する(Butcher E.C.,1991,Butcher E.C.,et al.,1996,Springer T.A
.,1994,1994,Nelson P.J.,1998,Patisson J.et al.,1994,Wiedermann C
.et al.,1993)。白血球は、表面結合蛋白質を認識し、インテグリンをアップ
制御し、そして、内皮表面に強固に接着して血管外遊出および溢血を受ける。白
血球は活性化されるにつれ、付加的なサイトカインおよびケモカインを生産して
、次に、炎症応答を増幅して伝搬する(Nelson P.J.et al.,1998,Pattison J
.et al.,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993)。
【0010】 RANTES蛋白質のアミノ末端の修飾はその特性を劇的に変化させることが
できる(Proudfoof A.E.,et al.,1996,Gong J.H.,1996,Simmons G.et al.
,1997)。一つのメチオニン残基の付加は該アゴニスト蛋白質をナノモラーの力
量でRANTESアンタゴニスト受容体に変化させ(Proudfoot未公開)、アレ
ルギー性の皮膚およびリウマチ性関節炎のマウスのモデルにおいて炎症を抑圧し
、そして壊死性糸球体腎炎を部分的に阻害することが示された(Teixeira M.M e
t al.,1997,Plater-Zyberk C.et al.,1997,Lloyd C.M et al.,1997)。
【0011】 シクロスポリンは、免疫抑圧活性を有し、菌類Tolypocladium inflatum Gams
および他の不完全菌類により生産される非極性環状オリゴペプチドのグループを
代表する。主要な成分シクロスポリンAはいくつかの他のマイナーな成分シクロ
スポリンBからNと共に同定された。シクロスポリンAは市販されている薬剤で
あり、器官移植手法における免疫抑圧剤として広い範囲の臨床応用を達成した。
【0012】 シクロスポリンAの主要な問題はその神経毒性であり(Martindale,1996)、
流体の残存、増大するクレアチンおよび尿素の濃度、糸球体浸潤速度の下落、お
よび低下したナトリウムおよびカリウム排泄により特徴付けられる。特に、腎臓
移植において、レシピエントは神経毒と移植片拒絶を識別することが難しいかも
しれない。 発明の開示 我々は、今、ケモカイン受容体アンタゴニストと低投薬量のシクロスポリンを
組み合わせた治療が、シクロスポリンのみの治療に比して、移植片拒絶に関連し
た炎症性事象の減少をもたらすことを見いだした。
【0013】 特に、我々は、Met-RANTESが血管および尿細管に対する損傷を減少
させ、そして腎臓の移植片拒絶の間質性拒絶の有意な減少を引き起こしたことを
見いだした。
【0014】 よって、本発明の主な目的は、ケモカイン受容体アンタゴニストをシクロスポ
リンと組み合わせて使用することにより、移植された器官、組織または細胞の拒
絶を治療または予防するための薬剤組成物を生産することである。ケモカイン受
容体アンタゴニストとシクロスポリンは、同時、別々あるいは連続して投与する
ことができる。
【0015】 本発明の別の目的は、よって、有効量のケモカイン受容体アンタゴニストと有
効量のシクロスポリンを薬学上受容可能な賦形剤と共に、同時か、別々かまたは
連続して投与することにより移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療また
は予防する方法である。
【0016】 「有効量」は、移植された器官、組織または細胞の拒絶の原因および苦しさに
影響することによりそのような病理の減少または緩解を導くのに十分な活性成分
の量を意味する。有効量は、投与経路および患者の症状に依存することになる。
【0017】 本発明のさらなる目的は、移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療また
は予防するための、その活性成分の同時、別々または連続の投与のための、ひと
つまたは複数の薬学上受容可能な賦形剤の存在下の、ケモカイン受容体アンタゴ
ニストとシクロスポリンを含む薬学組成物である。
【0018】 2つの活性成分の別々または連続の使用の場合、本発明の薬学組成物は2つの
異なる製剤からなることになり、各々が2つの活性成分の内の一つをひとつまた
は複数の薬学上受容可能な賦形剤と共に含む。
【0019】 「薬学上受容可能な」は、活性成分の生物活性の有効性を干渉せず、且つ投与
される宿主に毒性でない任意の担体を包含することを意味する。例えば、非経口
投与のためには、上記活性成分を媒体、例えば塩類、デキストロース溶液、血清
アルブミンおよびリンゲル溶液中で注射のためのユニット投薬形態にて製剤化し
てよい。
【0020】 薬学上受容可能な担体に加えて、本発明の組成物はマイナーな量の添加物、例
えば安定剤、賦形剤、バッファーおよび保存剤を含むこともできる。 そのような活性成分の投与は静脈内、筋肉内または皮下経路によってよい。各
々の成分の所望の血液レベルを確立する他の投与経路は本発明に包含される。
【0021】 本発明の組み合わせ治療は、あらゆる移植された器官、組織または細胞の拒絶
を治療または予防するのに適しているが、シクロスポリンAの神経毒性ゆえに、
腎臓の移植の場合、特に推奨される。
【0022】 用語「ケモカイン受容体アンタゴニスト」は、成熟した完全長の天然ケモカイ
ンに対するアンタゴニストであって、好ましくは有意な化学誘引剤活性を示さな
い任意の分子を意味する。上記化学誘引剤活性の測定のためには、(Nelson P.J
.et al.,1998)の例を参照する。
【0023】 ケモカイン受容体アンタゴニストは国際特許出願WO 97/44462に報告された末
端削除されたRANTES分子、国際特許出願WO 98/06751に記載された末端削
除されたMCP-3,RANTESおよびMIP-1α、欧州特許出願番号971168
63.8に記載された末端削除されたRANTESおよびMCP-2またはWO 96/179
35に記載されたN-末端伸長されたRANTESから選択されるのが好ましい。
上記引用された特許出願に対しては、上記ケモカイン受容体アンタゴニストの製
造方法のためにも参照される。
【0024】 シクロスポリンはシクロスポリンAまたはその代謝産物あるいは合成類似体か
ら選択される。 よって、本発明の好ましい態様は、腎臓の同種移植片の移植の拒絶を治療また
は予防するための、Met-RANTESとシクロスポリンAの組み合わせた使
用からなる。この場合、出願人は、シクロスポリンの有効投薬量を低下させるこ
とが可能なこと、およびシクロスポリン治療に関連すると考えられる腎臓に対す
る投薬量依存性の毒性を考える多大な利点であることを見いだした。
【0025】 上記の効果はラットの生体実験を用いて示された。 本発明は、今、以下の実施例により記載されることになるが、如何なる場合も
本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例は以下に特定され
る図面を参照することになる。 実施例 材料と方法 使用された細胞 単球腫瘍細胞系MonoMac 6は、以前に記載されたとおりに、10% F
CSを付加したRPMI 1640内で培養した(Ziegler-Heitbrock H.W.L.et
al.,1988)。細胞は、日常的に24ウエルプレート(コスター)中で培養して
、低LPS含有量に関して培地と血清を試験した。ヒト新生児のフォースキン(
forskin)由来の一次ヒト皮膚微小血管内皮細胞(DMVEC)をK.Degitz博士
(皮膚病学、LMU,ミュンヘン、ドイツ)から得た。該細胞は、10%の胎児ウ
シ血清(ベーリンガーマンハイム、ドイツ)、1mg/mlの酢酸ヒドロコルチ
ゾン(シグマ、デイゼンホッフェン、ドイツ)、5X105Mのジブチリルアデ
ノシン1リン酸(シグマ、デイゼンホッフェン、ドイツ)、2mMのグルタミン
(セロメッド、ベルリン、ドイツ)、100U/mlのペニシリン、100mg
/mlのストレプトマイシン、25mg/mlのアンフェテリシンB(抗生物質
/抗真菌溶液、ギブコBRL,エッゲンシュタイン、ドイツ)を付加したMCDB
131培地(ギブコBRL,エッゲンシュタイン、ドイツ)中で培養し、そして3
7℃および5%CO2においてインキュベートした。細胞を、0.5%ゼラチン
(シグマ、デイゼンホッフェン、ドイツ)で予めコートしたT75フラスコ、3
5mmペトリ皿(コスターコーニング、ニューヨーク)または96ウエル平底プ
レート(Nunc,ビースバーデン、ドイツ)中で生育させた。培地は2-3日ごと
に代えた。細胞を特徴決定し、そして培養物の精製は形態的な外観およびCD3
1表面発現に関する免疫蛍光フローサイトメトリーを通して確認した。 材料 組織学の研究の材料は、メルク(ダムシュタッド、ドイツ)から得た。化学的
および免疫学的測定のための材料は、シグマ(ミュンヘン、ドイツ)から供給さ
れた。IL-1βおよびTNFαはシグマ(ミュンヘン、ドイツ)から購入した
。組換えRANTESおよびRANTES特異的モノクローナル抗体VL1の生
成は以前に記載された(Von Luettichau I.,1996)。以前に記載されたとおり
に、Met-RANTESを製造して生体内研究のためにエンドトキシンを除去
した(Proudfoof A.E.et al.,1996,Teixeira M.M.et al.,1997,Plater-Zy
berk C.et al.,1997,Lloyd C.M.et al.,1997)。 動物および腎臓移植 自殖のオスラットを全ての実験に使用した。ルイス(LEW,RT11)ラッ
トをフィッシャー344(F344 RT11v1)またはブラウンノルウエー(B
N RT1*)腎臓のレシピエントとして使用した。動物はチャールズリバーGm
bH,スルツフェルド、ドイツから購入した。尿細管の直径を合わせるために、
ラットは190から250gm(LewおよびF344)および140から17
0gm(BN)の体重であった。移植は、FisherとLeeに最初に記載された技術
の修飾法を用いて実施した(Fisher B.et al.,1965)。簡単に言えば、動物を
エーテルドロップ麻酔により麻酔して、ドナーの腎臓を5mlの冷0.9% N
aCl(4℃)で100μgのMet-RANTESを含むかまたは含まずにフ
ラッシュした。腎臓および尿細管はまとめて取り出し、5mmの大動脈加圧帯に
よる腎動脈および3mmの大静脈パッチによる腎静脈を含んだ。腎臓は0.9%
NaCl中4℃に保存した。
【0026】 ドナーの腎臓は、8-0の吸収不可能なモノフィラメントナイロン縫合糸によ
る末端から側面への吻合により、左腎動脈下の、レシピエント動物の腹部大動脈
および腹側の大静脈に移植した。尿細管の吻合は、11-0の吸収不可能なモノ
フィラメントナイロン縫合糸により末端から末端に実施した。ドナーの腎臓の全
虚血時間は30から40分の間であった。ハイロネフローシス(hyronephrosis
)は死んだときに肉眼および光学顕微鏡の両方により評価した。ハイロネフロー
シスを有する全ての動物は実験群から排除した。レシピエントの左の腎臓はいつ
も移植の時に取り出した。フィッシャーからルイスへの移植においては、右の腎
臓をプレートに取り出すことにより、Met-RANTESの効果に関する内部
対照とした。ブラウンノルウエーからルイスへの移植においては、移植のときに
両側の腎臓除去を実施した。 実験群: 実験群は以下のとおりであった: 群1:フィッシャー344の腎臓を1つの内生腎臓を有するルイスラットに。 群1a:Met-RANTES200μg/日を7日間(n=9) 群1b:Met-RANTESなしで7日間(n=9) 群2:ブラウンノルウエーの腎臓を両方の腎臓を除去されたルイスにCyA 2
.5mg/kg体重を毎日投与しながら。 群2a:Met-RANTES50μg/日を12日間(n=4) 群2b:Met-RANTESなしで12日間(n=4) シクロスポリンA(CyA)(サンド、バーゼル、スイスのご厚意により提供
された)をオリーブオイルに溶解して、1日あたり2.5mg/kg体重の濃度
にて移植後4時間に開始して12日間皮下投与した。Met-RANTESは水
に溶解して、0.9%塩化ナトリウムに調節して、フィッシャーからルイスにお
いては1日あたり200μgの投薬量にて、そしてブラウンノルウエーからルイ
スへの移植実験においては1日あたり50μgの投薬量にて、1日1回静脈内注
射した。 血清分析 犠牲にするとき大動脈から採られた血液は、クレアチン、尿素、グルコース、
およびビリルビンに関して、自動化血清分析機を使用して分析した。これは、移
植された動物が内生腎臓をひとつ有したのでフィッシャーからルイスへのモデル
に関しては腎臓機能に関して情報を提供しなかったが、これらの測定はブラウン
ノルウエーからルイスへの移植モデルにおいては意味があった。 組織学 器官(肺、肝臓、腎臓、および脾臓)は深部麻酔により取り出した。器官は迅
速に遊離の血液を吸い取り、秤量し、そして次に組織学、免疫組織学またはイン
サイチュハイブリダイゼーションのために要求されるとおりに加工した。器官は
1mmスライスに切断してリン酸緩衝塩溶液(PBS)中の4%ホルムアルデヒ
ドでpH7.35にて24時間かけて浸漬固定するか(PBS:99mM Na
2PO4xH2O,108mM NaH2PO4x2H2Oおよび248mM NaC
l)またはメタカム中で8時間かけて固定して、パラフィン中に埋め込むか、あ
るいは液体窒素中で凍結し、よって免疫組織学に使用するまで−80℃にて保存
するかのいずれかにした。光学顕微鏡は定期的な酸-シッフまたはゴールドナー-
エラスチカにより染色した3μm厚の切片上で実施した。 免疫組織学 モノクローナル抗体ED1(セロテック/キャモン、ビースバーデン、ドイツ
)を、メタカム固定のパラフィン埋め込み組織(3μm)に使用することにより
、単球/マクロファージを示した。細胞毒性Tリンパ球上に発現されたCD8抗
原の検出に関しては、5分間の氷冷アセトン固定後にモノクローナルマウス抗体
を凍結した切片に適用した(セロテック/キャモン、ビースバーデン、ドイツ)
。アルカリホスファターゼ抗アルカリホスファターゼ検出系を適用した(Dako,
ハンブルグ、ドイツ)。試験された各切片に関する一次および二次抗体を欠く対
照は陰性であった。 体型測定 血管の損傷のスコア:内皮の損傷、血栓および内皮炎を有する前糸球体血管(
preglomerular vessels)は、損傷なし(0)、軽度(1)そして中程度(2)
の損傷程度を示すように評価され、そして皮質、外部および内部髄質を含む全腎
臓切片において評価された。程度に特定の血管損傷指標は、全腎臓の切片におい
て遭遇した損傷の各程度を有する血管の百分率として規定した。程度1の血管の
数を1倍し、程度2のそれは2の因子を掛けて、程度3のそれは3の因子を掛け
ることにより、全血管損傷のスコアは全血管の合計として血管損傷の全程度を用
いて計算された(Stojanovic T.et al.,1996)。管の炎症のスコア:管の損傷
は、皮質および外部髄質のキュッター(cuter)ストライプの20ハイパワー視
野(HPF)において判定されるとおり、非存在(0)、軽度(1)、中程度(
2)および重度(3)として評価された。全部の管の損傷のスコアは、全血管損
傷スコア、間質炎症スコアに関して記載されたとおりに計算した:単核細胞によ
る間質の浸潤の程度は、非存在(0)、軽度(1)、中度(2)および重度(3
)として判定され、そして全スコアは全血管損傷スコアに関して記載されたとお
りに計算した。糸球体の毛細血管の巻き込み内の単球/マクロファージおよびT
細胞の数は、一つの腎臓切片中の全ての糸球体中の各々の数の平均として計算し
た。 インサイチュハイブリダイゼーション 一本鎖RNAプローブは、ラットのRNAのcDNAクローンのインビトロ転
写により生成した(H Sprenger博士、マーバーグ、ドイツ)。インビトロ転写は
トランス-プローブ-Tキット(ファルマシア、フライブルグ、ドイツ)およびジ
ゴキシゲニン標識ウリジン3リン酸(ベーリンガーマンハイム、マンハイム、ド
イツ)を用いて実施した。ベクター(pBluescript KS(+)スト
ラタジーン、ハイデルベルグ、ドイツ)をBamHIで切断してT3-RNAポ
リメラーゼで転写することにより、アンチセンスプローブを生じさせ、センスプ
ローブを生じさせるため、該プラスミドをEcoRIで切断してT7 RNAポ
リメラーゼで転写した。脱パラフィン後に腎臓切片を20μg/mlのプロテイ
ナーゼK(ベーリンガー)含有PBSにて16時間消化した。切片は、4%ホル
ムアルデヒド中で5分間後固定してアセチル化した(0.25%無水酢酸、0.
1Mトリエタノールアミン中、10分)。ジゴキシゲニン標識mRNAを用いた
インサイチュハイブリダイゼーションに関しては、以下のハイブリダイゼーショ
ンバッファーを使用した:5x標準クエン酸塩溶液(SSC)、50%ホルムア
ルデヒド、50μg/mlのtRNA,50μg/mlのヘパリン、および0.
1%のドデシル硫酸ナトリウム。
【0027】 56℃において16時間ハイブリダイゼーション後、スライドを一度4xSS
Cおよび2xSSC中で10分間37℃において洗浄し、次に、0.55xSS
C中で30分間そして0.1 SSCで22℃において15分間の洗浄工程に続
いた。抗ジゴキシゲニン抗体インキュベーションおよびアルカリホスファターゼ
反応は製造者(ベーリンガー、マンハイム、ドイツ)のガイドラインに沿って実
施し、ニトロブルーテトラゾリウムと5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルホス
フェートを発色試薬とした(Stojanovic T.et al.,1996,Simon M.et al.,1
995)。 RNaseプロテクションアッセイ 全RNAを以前に記載されたとおりに全ラット腎臓から単離した(Simon M.e
t al.,1995)。RNaseプロテクション実験は市販のRPAキット(ファー
ミンゲン、サンディエゴ、カリフォルニア、プローブrCK-1)を使用して実
施した。このキットは、ラットに関してmRNA種:IL-1α、IL-1β、T
NF-α、TNF-β、IL-2,IL-3,IL-4,IL-5,IL-6,IL-1
0およびIFN-γおよびハウスキーピング遺伝子、GAPDHおよびL32の
同時測定を可能にした。20μgの全RNAを各測定に使用した。プロテクトさ
れたサンプルは、成型済みのゲル上に泳動させた(クイックポイントTM迅速核酸
分離システムを製造者の推奨に従い使用した、ノベックス、サンディエゴ、カリ
フォルニア)。特定のバンドの強度は、L32遺伝子発現に標準化されたモリキ
ュラーダイナミックスストーム840ホスホイメージャーを使用して定量して、
分析した3匹の動物にわたって平均した。 インビトロ結合アッセイ DMVECは、コートされた96ウエルの平底プレート上で芝生状になるまで
生育させた。その結果の内皮単層を、未処理のまま放置するかまたはさまざまな
濃度のIL-1β(0.1から5ng/ml)で12時間処理した。RANTE
S結合アッセイは以前に記載された手法の修飾法であった(Pattison J.et al.
,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993)。ホースラディッシュペルオキシダー
ゼ(HRP)をコンジュゲートした抗ヒトRANTESモノクローナル抗体VL
1(0.1μg)を25℃において30分間、過剰な組換えヒトRANTES(
20μg/ml)と共にDMVEC成長培地(添加物なし)中で予めインキュベ
ートした。ケモカイン-抗体複合体を次に添加することにより、微小血管内皮の
相対的ケモカイン結合能力をアッセイした。内皮単層は1x非添加成長培地(2
5℃)で穏やかに洗浄して、ケモカイン-抗体複合体を添加して25℃にて30
分間インキュベートした。次に、ウエルを4回血清を含まない培地で25℃にお
いて洗浄した。HRP反応は5分間またはそれ未満発色させた。プレートの40
6nmの光学密度をELISAプレートリーダーを使用して測定した。結果は、
内皮細胞の活性化後のRANTES蛋白質に関する炎症微小血管内皮の結合能力
の変化を証明する。
【0028】 全ての実験は4通りに実施し、そして示された結果は3つの別々の実験を代表
する。 蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)分析 皮膚の微小血管細胞(DMVEC)のフローサイトメトリー分析は本質的には
記載されたとおりに実施した(Weber C.et al.,1995)。簡単に言えば、IL-
1βで刺激したか(5ng/ml)、または12時間未処理にして放置した芝生
状のDMVECを、トリプシン処理し、IL-飽和濃度のICAM-1 mAb R
R1/1(R.Rothlein博士のご厚意より提供された),E-セレクチンmAb,
VCAM-1 mAb(何れもセロテック)、またはアイソタイプの対照と30分
間氷上で反応させ、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)-コンジュ
ゲートヒツジ抗マウスIgG(ベーリンガーマンハイム)で染色して、FACS
can(ベクトンディッキンソン)で分析した。非特異的結合に関する補正の後
、チャンネル中のデータを特異的平均log蛍光強度(sMFI)として表現し
た。 生理的な流れの条件下での微小血管内皮上の単球の補充のインビトロモデル系。
【0029】 単球のDMVECとの相互作用を、本質的には記載されたとおりに実施された
薄層フローアッセイにおいて研究した(Weber C.et al.,1997,Kukerti S.et
al.,1997,Piali L.et al.,1998)。簡単に言えば、DMVECを35mm
ペトリ皿上にて芝生状まで成長させ、そしてIL-1β(5ng/ml)で刺激
するか、または12時間未処理のまま放置した。プレートは、底部壁面m平行壁
面フローチェンバーとして集合させ、20xおよび40xの位相差対物レンズを
有するオリンパスIMT-2倒置顕微鏡のステージ上にマウントした。単球(M
onoMac 6細胞)を報告されたとおりに培養して(Ziegler-Heitbrock H.
W.L.et al.,1988,Weber C.et al.,1993)、10mMのHepes/pH7
.4および0.5%のHASを含むアッセイバッファー(HBSS)中に106
にて再懸濁した。アッセイ直前に、1mMのMg2+および1mMのCa2+を加え
た。細胞懸濁液はアッセイの間は37℃において加熱ブロック中に保持し、流速
1.5dyn/cm2にて5分間フローチェンバー中に還流した。阻害実験に関
しては、単球を異なる濃度の(0.01-1μg/ml)Met-RANTESと
30分間氷上で予めインキュベートした。5レイン後の強固に接着した細胞の数
を複数の視野において(実験あたり少なくとも5視野)、長積分JVC 3CC
DビデオカメラおよびJVC SR L 900 Eビデオレコーダーにより記録さ
れたイメージ分析により定量し、そして細胞/mm2として表現した。分析され
た接着の種類は、単球と内皮の主たる、即ち直接の相互作用に限定された。安定
した阻止の逆の基準として、内皮上にて低下した速度で回転する細胞の数を、5
分のインターバルの最後の30秒間内に測定し、そして視野内の全ての相互作用
の百分率として評価した。5分のインターバル後に広がるかまたは移動する細胞
の数を、記載されたとおりにハイパワー視野内で測定し(Luscinskas F.W,et a
l.,1994)、そして強固に接着した細胞の百分率として表現した。 統計分析 値はmsローマン+/−SEMを与える。統計分析は、Mann-Whithney U-Wilc
oxonランク総数サム試験を用いて実施した。<0.05のp値は2群間の有意な
相違を示すものとして考えた。 結果 フィッシャー344(F344 RTI1v1)腎臓のルイス(LEW,RT11
)への同種移植 免疫抑圧不在下でのフィッシャー(344)ラット腎臓のルイスラットへの移
植は、外科手術後7日までに特徴的な単球細胞浸潤物および組織の損傷をもたら
した。組織学的試験は、前糸球体大動脈および尿細管間質の脈間内膜の局所的な
単核細胞の浸潤を示した。この間質の単核浸潤物の主要な成分は、単球/マクロ
ファージ細胞からなった。大動脈、細動脈、尿細管に対する損傷の程度および間
質の単核細胞の浸潤の範囲は、半定量形態計測に基づく前記の手法を使用して、
非存在(0)から、軽度(1)、中度(2)および重度(3)までのスケールで
見積もられた(材料と方法を参照)。
【0030】 このプロセスに対するMet-RANTESの効果を、動物あたり200μg
においてMet-RANTESの毎日の静脈注射で移植動物を処置することによ
り試験した。Met-RANTESの最初の注射は、移植手術の間の血管の吻合
の形成後1時間以内に行った。実験期間中はさらなる免疫抑圧剤は添加しなかっ
た。光学顕微鏡および免疫組織学は、内生の腎臓に対するMet-RANTES
処置の明らかな効果を示さなかった。
【0031】 器官の移植拒絶の間、移植された器官は通常炎症のため重量が増加する。表1
に要約された結果は、Met-RANTES処置された動物が未処置動物に比し
て移植された器官の重量の統計上有意な減少を有したことを示す。結果は、糸球
体のT細胞および単球の浸潤の減少も示したが、しかしながら、この減少は統計
上有意とは考えられなかった(Mann-Whitney U-Wilcoxonランク総数サム試験)
。Met-RANTES処置のもっとも絶大な効果を表2に示す。データは、未
処置動物において観察されるのに比した。Met-RANTES処置動物の血管
損傷および尿細管の拒絶スコアの有意な低下を示す。間質拒絶スコアに関する一
般的な傾向はMet-RANTES処置動物における見かけ上の低下を示したが
、これは統計学上有意とは考えられなかった(Mann-Whitney U-Wilcoxonランク
総数サム試験)。
【0032】 組織切片および免疫組織学染色は拒絶プロセスに対するMet-RANTES
の効果を評価するために試験した。材料と方法に記載されたとおりに、移植後7
日目に腎臓を取り出して調製した。
【0033】 大動脈の管腔および壁に存在する単核細胞を伴う血管の損傷が未処置動物にお
いて観察された。対照的に、Met-RANTES処置動物は血管の拒絶を示さ
なかった。未処置動物の間質の領域は、間質および尿細管内でのかなり多数の暗
い染色の単核細胞の浸潤を示した。対照的に、Met-RANTES処置動物は
減少した単核の浸潤、隣接する尿細管のよく発達した赤い刷子縁を伴ういっそう
少ない尿細管損傷を示した。 ラットのMet-RANTESのmRNAのインサイチュハイブリダイゼーショ
ンによる局在。
【0034】 拒絶するフィッシャーラットの腎臓から採られた組織切片をインサイチュハイ
ブリダイゼーション研究において使用することにより、拒絶する腎臓におけるR
ANTESのmRNAの細胞特異的発現を示した。結果は、ヒト腎臓同種移植片
の拒絶の間のRANTESの発現に関して以前に記載されたのと同様であった(
Pattison J.et al.,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993,Von Luettichau I
.,1996)。浸潤する単核細胞および腎臓尿細管による強い発現およびいくつか
の内皮細胞による限定されたが同定可能な発現が観察された。 Met-RANTES処置された動物はRNaseプロテクションアッセイによ
り測定されたとおり前炎症サイトカインのmRNAの発現における低下を示す。
【0035】 前炎症サイトカイン、例えばIL-1α、IL-1β、IL-2,IL-3,IL
-6,TNFβ、TNFαおよびIFNγの発現の増加は腎臓の移植拒絶の特徴
である(Nickerson P.et al.,1997,Schmouder R.L.et al.,1995,Strom T.
B.et al.,1996,Castro M.D.et al.,1998)。これらのサイトカインの発現
は、進行する炎症プロセスの指標である。我々は、定量RNaseプロテクショ
ンアッセイを使用して、移植されたフィッシャーラットの腎臓における一連のサ
イトカインの発現に対するMet-RANTESの効果を試験した。全部の器官
のRNAサンプルを正常な対照腎臓、未処置の移植された腎臓およびMet-R
ANTES処置された移植された腎臓から単離した。サイトカイン:IL-1α
、IL-1β、TNFβ、TNFα、IL-2,IL-3,IL-4,IL-5,I
L-6,IL-10およびIFNγを表すmRNAレベルを、内部標準L32およ
びGAPDHに比較して測定した。結果は、移植後7日目、未処置の腎臓は、I
L-1α(24倍)、TNFβ(3.2倍)およびIFNγ(1.7)をコード
するmRNAをアップ制御したことを示し、もっともはっきりとした増加はIL
-1β(8.4倍)およびTNFα(4.6倍)において観察された。この時間
点においては(移植後7日)これらの腎臓において、IL-2,IL-4またはI
L-5のmRNA発現は検出されなかった。対応するMet-RANTES処置動
物は、未処置動物に比して、IL-1α(25%)、IL-1β(48%)、TN
Fβ(34%)、TNFα(24%)およびIFNγ(24%)の低下した平均
発現を示した。 ブラウンノルウエーラット腎臓のルイスラットへの移植:低投薬量シクロスポリ
ンA(CyA)に関連したMet-RANTESの効果 我々は、次に、Met-RANTESが腎臓移植拒絶において低い投薬量のC
yA処置を補うことが可能か否かを測定するために実験を拡張した。この手法に
関して、我々は、より活発な拒絶の症状の発現を生じる腎臓移植モデル、即ちブ
ラウンノルウエー腎臓のルイスラットへの移植を選択した。両側の腎臓の切除を
移植時に実施した。使用したCyAのレベル、2.5mg/kg体重を1日あた
り皮下投与したがこのモデルにおいては腎臓拒絶を有意にブロックしなかったこ
とが以前に示された(Grone未公開の結果(Stojanovic T.et al.,1996))。
最後に、あらゆる相乗作用をよりよく検出するために、減少させた投薬量のMe
t-RANTES、1日あたりの動物あたり50μgをこれらの実験において使
用した。表3に要約された結果は、低投薬量のCyAでのみ処置された動物に比
しての、Met-RANTES/低投薬量CyAで処置された動物において観察
された血管および尿細管の損傷の統計学上有意な減少を示す。さらに、間質領域
の単核細胞の浸潤の有意な減少が観察された。これらの組織学的な観察は、未処
置の対照に比してMet-RANTES処置動物において血清クレアチンが減少
した機能的測定により確認された(0.98+/−0.12対1.42+0.1
7mg%(n=3))。 活性化された微小血管内皮上の直接のRANTES結合と接着分子発現 血管腔空間への単球の浸潤の減少が両移植モデルにおいてMet-RANTE
S処置の顕著な特徴を表したので、我々は、この効果に関する可能性のある機構
を研究することを計画した。腎臓の移植拒絶におけるRANTESの役割のモデ
ルにおいては、活性化された血小板から放出されるかまたは局所的に炎症してい
る組織から分泌されるRANTES蛋白質が、単球の補充を支持するかもしれな
い炎症した内皮の表面上に蓄積することが予測された(Nelson P.J.et al.,19
98,Pattison J.et al.,1994,Wiedermann C.J.et al.,1993)。微小血管内
皮へのRANTESの直接の結合を研究するため、我々は、組織切片におけるR
ANTESの内皮表面結合を検出するために以前に用いたアッセイの修飾法を使
用して、活性化された皮膚微小血管内皮(DMVEC)がRANTES蛋白質を
封鎖する能力を試験した(Pattison J.et al.,1994,Wiedermann C.J.et al.
,1993)。HRPをコンジュゲートした抗ヒトRANTESモノクローナル抗体
VL1を過剰なRANTESとインキュベートし、そしてその結果の複合体を、
96ウエル平底プレート内で成長させた、休眠しているかまたはIL-1β活性
化された微小血管内皮に加えた。ELISA-様フォーマットを使用して、DM
VECがmAbとは異なり抗原-mAb複合体に結合する能力を測定した。微小
血管内皮は予めの刺激無しにいくらかのRANTES蛋白質を結合できたが、該
結合は前炎症性サイトカインIL-1αによる予めの刺激後に大きく増加した(
図1)。未刺激の内皮または活性化された内皮への未複合mAbのバックグラウ
ンド染色は無視できた。
【0036】 微小血管内皮の炎症活性化をさらに特徴付けるため、単球の接着に関与する分
子、即ちE-セレクチンおよびIgGスーパーファミリーメンバーICAM-1お
よびVCAM-1の発現を、以前に確立されたフローサイトメトリー方法を使用
してDMVECについて測定した(Weber C.et al.,1995)。該分析は、休眠
するDMVECが構成的な表面レベルのICAM-1を発現したが、しかしなが
ら、VCAM-1またはE-セレクチンはほとんど検出されなかったことを明らか
にした(表4)。IL-1による12時間のDMVEC活性化は、ICAM-1の
アップ制御並びにVCAM-1およびE-セレクチンの表面発現の著しい誘導をも
たらした(表4)。
【0037】 Met-RANTESは炎症を起こした微小血管内皮の強固な接着をブロック
するが、血管外遊出において次の事象に影響しない。 Met-RANTESの作用の可能性のある機構への洞察にたどり着く試みに
おいて、我々は、RANTES受容体のの妨害が微小血管内皮上での単球の強固
な拘束と血管外遊出を阻害できるか否かを研究した。このために、我々は、成熟
した単球の接着性とインテグリンレパートリーを示し、そしてCCR1を含むい
くつかのケモカインを発現する単球MonoMac 6細胞を使用した(Erl W.
et al.,1995)。DMVECを、刺激しないままに放置したかまたはIL-1β
(5ng/ml)で12時間活性化したペトリ皿上にて芝生状まで成長させた。
微小血管内皮を次に平行壁フローチャンバー中で試験したが、MonoMac
6細胞を該チャンバー中で1.5dyn/cm2の剪断速度にて5分間灌流した
。そのような生理学的フロー条件下で、MonoMac 6細胞は短期間の回転
を受け、そして細胞の一部の接着は剪断耐性拘束に容易に変換できる。蓄積の5
分後、内皮への強固な接着を受けたMonoMac 6細胞の数を測定した(図
2(a))。
【0038】 わずかな単球細胞しか非刺激微小血管内皮には強固に接着せず、そして内皮細
胞のRANTES蛋白質への予めの暴露は顕著な効果を示さなかった。IL-1
βによる微小血管内皮の予めの刺激は単球の剪断耐性接着における増加をもたら
した。mAbによる阻害は、このプロセスが、活性化された内皮上に発現される
ICAM-1およびVCAM-1とそれぞれ相互作用する単球α4およびβ2イン
テグリンにより媒介されるとの以前の発見を確証した(Kukerti S.et al.,199
7,Luscinskas F.W.et al.,1994)。直接結合アッセイにおけるRANTES
の固定化と一致して、IL-1β活性化微小血管内皮のRANTES蛋白質への
予めの暴露は、5分以内に単球の強固な拘束と蓄積を顕著に増強した(図2a)
。注目すべきは、さまざまな濃度(0.01-1μg/ml)のMet-RANT
ESと単球の予めのインキュベーションはIL-1β活性化DMVEC上の単球
のRANTES媒介剪断耐性接着を完全にブロックし(図2a,およびデータ示
さず)、平行して、強固な拘束の逆の測定として使用できる活性化微小血管内皮
上で回転する単球の画分はRANTESへの予めの暴露後に減少したが、Met
-RANTESにより回復したことから、活性化された内皮との最初の相互作用
の数は影響されなかった。強固な拘束の後、単球の画分は形態の変化または拡散
を受け、そしていくつかは内皮細胞の間または下で結局移動した。しかしながら
、RANTESまたはMet-RANTESは拡散または移動を変化させなかっ
た(図2b)ことから、他のシグナルの関与が推論される。即ち、これらの結果
は、炎症を起こした微小血管内皮に対する単球の拘束をブロックすることにより
腎臓移植拒絶の間にMet-RANTESが単球の補充を減じるのかもしれない
ことを示す。 表
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 IL-1β(5ng/ml)による刺激の12時間前と後の、RAN
TESが微小血管内皮に直接結合する能力を測定した。DMVECは96ウエル
プレート上に生育させ、そして修飾ELISA法を用いてRANTESを測定し
た。
【図2】 生理学上のフロー下における活性化微小血管内皮上のMonoMac
6細胞の安定した拘束、拡散または移動に対するMet-RANTESの効果。
ペトリ皿上に芝生状に生育させたDMVECをIL-2(5ng/ml)で12
時間刺激するか、または左は無処理にし(対照)、そしてRANTES(10n
g/ml)存在または不在下で30分間プレインキュベートした。MonoMa
c 6細胞はMet-RANTES(1μg/ml)の存在または不在下で30分
間前処理して、1.5dyn/cm2の一定の流速にて灌流した。(a)DMV
ECへのフィルムの接着は5分間ののちに複数のフィールドにおいて安定に接着
した単球の数を計数することにより測定し、そして細胞/mm2として表現され
た。(b)拡散または移動を受けた単球は複数のハイパワーフィールドにおいて
5分後に計数し、そして初期に安定に接着した細胞の百分率で表現された。デー
タは、3つの個別の実験の+/−SDを表す。(注:結果は0.01から1μg
/mlのMet-RANTESの範囲にわたって再現性があった。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,C Z,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE ,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS, JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,L R,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN ,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU, SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,T R,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA ,ZW (72)発明者 グローネ,ヘルマン−ヨーゼフ ドイツ連邦共和国デー80336 ムニク,シ ラーシュトラーセ 42,メディツィーニッ シュ・ポーリクリーニック・デア・ルート ヴィヒ−マクスィミーリアン−ウニヴェル ズィテート・ミュンヘン・アーゲー・クリ ーニッシュ・ビオヒェミー (72)発明者 ネルソン,ピーター・ジェイ ドイツ連邦共和国デー81545 ムニク,ハ ルタウサーシュトラーセ 70 (72)発明者 プラウドフット,アマンダ フランス共和国エフ−74140 シェン・シ ュール・レマン,スー・シェン (72)発明者 ウェルズ,ティモシー・エヌ・シー フランス共和国エフ−01280 プレヴァサ ン・モワン,ルット・ベルヴェ 712 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA19 BA44 DA01 DA11 MA02 NA05 ZB022 ZB081 ZB082

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療または予防する
    ための薬剤組成物の生産に使用するための、シクロスポリンと組み合わせたケモ
    カイン受容体アンタゴニストの使用。
  2. 【請求項2】 ケモカイン受容体アンタゴニストとシクロスポリンを、同時に
    、別々にまたは連続して使用する、請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 ケモカイン受容体アンタゴニストがアミノ末端を削除されたケ
    モカインである、請求項1また2記載の使用。
  4. 【請求項4】 ケモカイン受容体アンタゴニストがアミノ末端を伸長されたR
    ANTESである、請求項1または2記載の使用。
  5. 【請求項5】 ケモカイン受容体アンタゴニストがMet-RANTESであ
    る、請求項1または2記載の使用。
  6. 【請求項6】 シクロスポリンがシクロスポリンA並びにその代謝物または合
    成類似体の間から選択される、請求項1ないし5の何れか1項記載の使用。
  7. 【請求項7】 シクロスポリンがシクロスポリンAである、請求項1ないし6
    のいずれか1項記載の使用。
  8. 【請求項8】 腎臓の同種移植片移植の治療または予防のための、請求項1な
    いし7のいずれか1項記載の使用。
  9. 【請求項9】 移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療または予防する
    ための、ケモカイン受容体アンタゴニストおよびシクロスポリンを含む薬剤組成
    物。
  10. 【請求項10】 移植された器官、組織または細胞の拒絶を治療または予防す
    る際に、その活性成分を、同時に、別々にまたは連続して使用するための、一つ
    または複数の薬学上受容可能な賦形剤の存在下でケモカイン受容体アンタゴニス
    トおよびシクロスポリンを含む薬剤組成物。
  11. 【請求項11】 ケモカイン受容体アンタゴニストがアミノ末端を削除された
    ケモカインである、請求項9または10記載の薬剤組成物。
  12. 【請求項12】 ケモカイン受容体アンタゴニストがアミノ末端を伸長された
    RANTESである、請求項9または10記載の薬剤組成物。
  13. 【請求項13】 ケモカイン受容体アンタゴニストがMet-RANTESで
    ある、請求項9または10記載の薬剤組成物。
  14. 【請求項14】 シクロスポリンがシクロスポリンA並びにその代謝物または
    合成類似体である、請求項9ないし13の何れか1項記載の薬剤組成物。
  15. 【請求項15】 シクロスポリンがシクロスポリンAである、請求項10ない
    し14のいずれか1項記載の薬剤組成物。
  16. 【請求項16】 腎臓の同種移植片移植の治療または予防のための、請求項9
    ないし15のいずれか1項記載の薬剤組成物。
JP2000573757A 1998-09-18 1999-09-16 ケモカイン受容体アンタゴニストとシクロスポリンを組み合わせた治療 Withdrawn JP2003519082A (ja)

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