JP2004106352A - 画像形成シート、及びその識別方法、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成シート1において、該シート1内部に外観からは、その存在が確認しにくい識別マーク2が設けられている。また、少なくとも複数の基材シート3を積層した構造を有する上記の画像形成シート1であって、識別マーク2が上記複数の基材シート3の間に設けられている。その識別マーク2は、ある波長λ1の電磁波を吸収し、異なる波長λ2の電磁波を発するもので、シート外観上の不具合、意匠性の低下を伴うことなく、確実に画像形成シートの有無及び/または品種の識別を行う事が出来る。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常の可視光線下では外観上その存在が確認しにくい識別マークを有する画像形成シートに関する。さらに該画像形成シートを用いて、画像形成シートの有無および/または品種の識別を行う方法および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオ画像やデジタル写真などの画像をハードコピーする画像形成方法は、従来からある銀塩写真、電子写真、感熱記録、熱転写記録、インクジェットなど多岐にわたる方法がある。これらは、それぞれに専用の画像形成シートが用いられている(電子写真、インクジェットにおいては普通紙を用いる事も可能である)。画像形成方法による種別以外に、所望の質感の画像形成物を得る目的などにより、複数種の画像形成シートが各種画像形成方法に対応して用意されている場合が多い。すなわち、光沢タイプ、マットタイプ、OHPタイプ、厚手タイプ、薄手タイプ、シールタイプなどが挙げられる。
【0003】
熱転写記録方式を例にとって述べると、画像形成シートは熱転写受像シートと呼ばれ、これと熱転写記録シートを組み合わせて用いる。プリンタ(画像形成装置)に搭載されたサーマルヘッドにより、所望の画像様に熱転写記録シートから熱転写受像シートに色材を転写させて、印画(画像形成)を行うものである。
上記した質感による種別以外にも、印画後に保護層を設けるか否かによって、熱転写受像シートの種類が異なる場合もあり、その種類は多岐にわたることがある。このような場合、熱転写受像シートの品種識別は重要な問題となる。一般に、用いる熱転写受像シートの種類によって印画のモードを変えており、誤ったモードを用いると、所定の印画性能や耐久性が得られないばかりか、プリンタの誤動作、故障を惹起する可能性もある。
【0004】
従来熱転写受像シートの品種識別は、ユーザーが熱転写受像シートの品種の表示を確認して、プリンタやパーソナルコンピュータ等の印画制御機構に品種を入力したり、熱転写受像シートに設けられた識別マークをプリンタが機械認識して、自動的に品種識別するなどの方法が知られている。この識別マークを用いる方法では、同時に熱転写受像シートの有無を確認する場合もある。
前記のユーザーが品種識別を行う方法では、ヒューマンエラーの可能性があり確実性に欠ける。識別マークを用いる方法では、通常色付きのマークを熱転写受像シートの印画に影響のない部位、例えば裏面に設ける場合が多いが、この場合マークの存在は当然容易に視認出来る。その場合、熱転写受像シートの意匠上、好ましくない場合があった。すなわち熱転写受像シートの裏面にロゴマークや特有の意匠を設ける場合も多いが、上記マークが存在すると、その意匠を損ない目視質感が著しく損なわれる。
【0005】
また、上記のような従来のマークの場合、基本的にマークを形成した面、すなわち通常は裏面側からしかマーク検出が出来ないが、プリンタの設計、機構上裏面側にマーク検出機構を設けることが困難な場合もある。
マークやパターンを視認しにくくする手法も知られている。赤外光を吸収して異なる波長赤外光を発する物質を含むパターンを対象物に設け、この上に可視光を吸収する隠蔽層を設けた方法が知られている(特許文献1参照)
この方法は、人間の眼が感受性を有しない赤外線をパターンの認識に用い、かつ該パターンを隠蔽層により、視認しにくくするものであるが、隠蔽層の存在が不自然で意匠を損なう事、却って情報の秘匿を想像させること、完全にパターンを隠蔽する事は困難であるなどの問題があった。
これらの問題は例示した熱転写受像シートだけでなく各種の画像形成方法における画像形成シートに共通した問題である。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−258592号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題に鑑み、意匠性、目視質感を損なわずに、確実に画像形成シートの有無および/または品種識別を行う事の出来るマークを有する画像形成シートを提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1として、画像形成シートにおいて、該シート内部に外観からは、その存在が確認しにくい識別マークが設けられていることを特徴とする。
請求項2として、少なくとも複数の基材シートを積層した構造を有する請求項1に記載の画像形成シートであって、識別マークが上記複数の基材シートの間に設けられてなることを特徴とする。
【0009】
請求項3として、請求項1または2に記載する識別マークが、ある波長λ1の電磁波を吸収し、異なる波長λ2の電磁波を発することを特徴とする物質を含むことを特徴とする。
請求項4として、請求項3に記載する物質が、吸収する波長λ1の電磁波が赤外線であり、発する波長λ2の電磁波も赤外線であることを特徴とする。
請求項5として、請求項1〜4のいずれか一つに記載する画像形成シートが、熱転写受像シートであることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成シートの識別方法は、請求項1〜5のいずれか一つに記載する画像形成シートを用いて、その画像形成シートに設けられた識別マークをセンサで検出して、画像形成シートの有無および/または画像形成シートの品種識別を行うことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載する画像形成シートが装着された時に、その画像形成シートに設けられた識別マークを検知するためのセンサと、その検知された信号から、画像形成シートの有無および/または画像形成シートの品種識別の判別処理を行う判別部と、その判別結果に基いて画像形成の動作を決定する制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明においては、複数の基材を積層してなる構造を有する画像形成シートの内部に、波長λ1の赤外光を吸収して、異なる波長λ2の赤外光を発する物質を含む識別マークを設けることで、外観上の不具合、意匠性の低下を伴うことなく、確実に画像形成シートの有無及び/または品種の識別を行う事が出来る。すなわち、該物質は可視光下で、ほぼ無色もしくは白色であり、これを含むマーク形成インクを用いて基材上にマークを印刷し、さらに他の基材を積層して、必要に応じ画像形成層を設けて作成した画像形成シートと、波長λ1の赤外光を照射する光源と、波長λ2の赤外光を検出する検出器を組み合わせたマーク検出機構を用いる事で、可視光下でマークの存在が確認しにくく、意匠、外観を損なわずに確実に画像形成シートの有無及び/または品種の識別を行う事が出来る。
【0012】
また、赤外光は可視光より長波長で透過性が高いため、本発明の画像形成シートを用いれば、例えば画像形成シートのマークを設けた側とは反対側からもマーク検出を行う事が可能である。さらに該物質が、人間の眼ではほとんど視認出来ないが、可視光領域にわずかな励起波長帯を有する場合、可視光照射に対しても赤外光を発するので、マーク検出に要する光源の選択性が高まる。このような応用も有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
図1には、本発明の画像形成シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。図1の画像形成シート1は、基材シートA(31)と基材シートB(32)の2つのシートから成る基材シート3から構成され、基材シートA(31)と基材シートB(32)との間に、識別マーク2が設けられていて、その識別マーク2は可視光線下では外観上その存在が確認しにくいものである。また、図1にはセンサ6が示されていて、そのセンサ6の発光部61から発する波長λ1の電磁波が、画像形成シート1の内部に設けられた識別マーク2に照射され、その照射光が識別マーク2部分で吸収されて、λ1とは異なる波長λ2の電磁波で反射して、その反射光をセンサ6の受光部62で検出される。但し、その受光部62は、λ1とは異なる波長λ2の電磁波を検知するものである。
【0014】
また、図2は本発明の画像形成シートである他の実施形態を示す概略断面図であり、基材シートA(31)と基材シートB(32)と基材シートC(33)の3つのシートから成る基材シート3から構成され、基材シートB(32)と基材シートC(33)との間に、識別マーク2が設けられていて、その識別マーク2は可視光線下では外観上その存在が確認しにくいものである。また、基材シートA(31)の上に、画像形成で転写されるインキの転写性、定着性を向上させるための受容層4が形成され、また基材シートC(33)の下に、滑り性や筆記性を付与させるための裏面層5が形成されている。
【0015】
以下に本発明の画像形成シートを構成する各要素について説明する。
簡単のために、主に熱転写記録、特に昇華型熱転写における記録方法、材料について触れるが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱溶融型熱転写の記録方法や、インクジェット記録方法、電子写真記録方法、感熱(発色)記録方法、銀塩写真記録方法等の各種の従来から行なわれている画像形成方法に適用できる。
【0016】
(基材シート)
本発明における画像形成シートにおける基材シートに使用できる材料は、紙類では、各種紙単体もしくは加工紙等いずれも使用可能で、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等の普通紙他、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙などが挙げられる。更に、これらの紙と各種プラスチックフィルムのラミネート紙も使用できる。
また、合成紙では、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙等が良好に使用でき、プラスチックフィルムでは、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリメタクリレートフィルムなどが使用できる。これらのプラスチックフィルムでは透明なフィルムだけでなく、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルム、或いは空隙を含有させたフィルムも使用でき、特に限定されないが、熱転写受像紙として用いる場合は、サーマルヘッドとの接触が良く断熱効果により有効にエネルギーを利用できる空隙含有フィルムが好ましい。
【0017】
これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用しても好ましい。上記の紙類、合成紙、プラスチックフィルムの中から適宜選択して、組み合わせて積層させることができる。
例えば、芯材として合成に優れた普通紙を用い、これに上記の空隙含有プラスチックフィルムをドライラミネーションなどの手法により貼合して、基材シートとなすなど。該空隙含有プラスチックフィルムは、含有する空隙とこれも一般的に含有する白色顔料のために概略白色を帯びており、このことは後述するマークを人間の眼から隠蔽する上でも好ましい。また、これらの基材シートに染料受容層や裏面層を形成する際、必要に応じてコロナ放電処理、プライマーコート或いは中間層を設けたりすることは自由である。この基材シートの厚さは、一般的には、10μm〜400μm程度の範囲であり、100μm〜300μm程度が好ましい。
【0018】
(染料受容層)
本発明の画像形成シートにおいて、受容層を形成し、画像形成で転写されるインキの転写性、定着性を向上させることができる。昇華型熱転写方式における受容層は、染料受容層であり、昇華型熱転写方式に使用されている公知のものが使用でき、特に限定はされないが、例えば、下記のような材料が挙げられる。
ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂など。
以上のような合成樹脂に加えて、これらの混合物或いは共重合体なども使用できる。
【0019】
尚、染料受容層は、画像形成の際に、熱転写シートと合わせてサーマルヘッド等により加熱圧着されるため、熱転写シート面と粘着し易く、通常、上記のような樹脂に離型剤を含有させて形成させている。このような離型剤としては、固形ワックス類、フッ素系或いはリン酸エステル系の界面活性剤、シリコーンオイル類などが用いられる。
これらの離型剤の添加量は、前記樹脂中に樹脂重量の0.1〜30重量%、好ましくは1〜15重量%であり、いずれの場合も少なすぎると離型効果が不充分となり、多すぎると染料の受容性が低下し、充分な記録濃度を得られない等の悪影響が生じる。
【0020】
染料受容層を基材シート上に形成する方法は、例えば、これらの材料を有機溶剤に溶解したり、或いは、有機溶剤や水に分散した液をグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコート法、ダイコート法等により塗布、乾燥して形成できる。また、材料の種類によっては、有機溶剤や水を使わず、溶融押し出しコーティング法によって形成することも可能である。以上のように形成される染料受容層は、任意の厚さでよいが、一般的には1〜50μmの厚さである。
【0021】
(裏面層)
必要に応じて適宜裏面層を設けることも好ましい。すなわち、適度な滑り性を付与したり、各種筆記用具による筆記性を付与したりすることが可能である。裏面層は主樹脂と各種各種添加剤、フィラーなどからなり前述の染料受容層と同様の方法で形成することが可能である。
主樹脂として、具体的には、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂などが挙げられる。これらを各種架橋剤、放射線照射等の手段で硬化させたものも好ましい。2種以上の樹脂を混合して使用することもできる。
【0022】
添加剤としては帯電防止剤、離型剤、界面活性剤などが挙げられる。
フィラーとしては、炭酸カルシウムやタルク等の体質顔料、酸化チタンなどの白色顔料、硫酸バリウム他の各種無機顔料のほか、ナイロンビーズやポリエチレンワックスなどの有機フィラーも好ましく用いる事が出来る。
裏面層の形成方法は、通常は、主樹脂にフィラー、添加剤を加えたものを有機溶剤に溶解したり、或いは、有機溶剤や水に分散して塗布液を作成し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ダイコート法等で塗布、乾燥して形成する。また、場合によっては、溶媒や分散媒を使用せず溶融押し出しコーティング法により形成することもできる。形成する裏面層の厚さは、1〜70μm程度が一般的である。
【0023】
(識別マーク)
通常の可視光線下では、外観上その存在を確認しにくい識別マークを形成するためには、実質的にほぼ無色もしくは白色であり、人間の眼が感受性を有しない波長領域の電磁波の照射に対して吸収、反射あるいは発光などの光学的機能を有する物質を「色材」として用いるのが良い。その場合、例えば、紫外線を照射するとこれを吸収し、可視光を発する紫外−可視蛍光色素などがあるが、これは発光が可視光において視認できるので、マークの存在を完全に隠匿できず好ましくない。つまり、人間の眼が感受性を有しない波長領域の電磁波を照射すると、これまた人間の眼が感受性を有しない波長領域で吸収、反射あるいは発光などの光学的機能を発現するものが好ましい。
【0024】
可視光領域に強い吸収を有せず、ほぼ無色ないしは白色で、赤外線を吸収して異なる波長の赤外線を発する赤外−赤外蛍光色素を好ましく用いる事が出来る。赤外−赤外蛍光色素を用いる事が好ましいもう一つの理由は、赤外線は紫外線や可視光線に比べて長波長で散乱しにくく、透過性に優れているために、赤外−赤外蛍光色素を用いた識別マークを画像形成シートの最表面ではなく、画像形成シート内部に設けても、その機能を発揮することが出来る点である。すなわち、照射された特定波長λ1の赤外光は、基材等の構成材料を透過して識別マークに到達し、異なる波長λ2の赤外光を発する。このマーク由来の赤外光も構成材料を透過して外部に発信され、λ2に感受性を有する赤外線検出器によって、その存在を検出される。
【0025】
このような色材は、例えば特公昭56−4598号公報にある、Nd1−yYbyNa2Mg2(VO4)3といったような組成の無機赤外−赤外蛍光色材が有効に使用できる。また、その他に、例えば、組成がLiNd0.9Yb0.1P4O12、LiBi0.2Nd0.7Yb0.1P4O12、NaNd0.9Yb0.1P4O12、Nd0.8Yb0.2Na5(WO4)4、Nd0.8Yb0.2Na5(Mo0.5W0.5O4)4、Ce0.05Gd0.05Nd0.75Yb0.15Na5(Mo0.7Wo0.3O4)4、Nd0.9Yb0.1A13(BO3)4、Nd0.9Yb0.1A12.7Cr0.3(BO3)4、Nd0.5Yb0.4P3O14、Nd0.8Yb0.2K3(PO4)2等を使用することができる。
これらは、その含有する元素種、組成比の違いにより、その吸収スペクトル、蛍光スペクトルを変化させ得るために、所望の光学特性を有する色材を得る事が可能である。さらに、無機結晶であるため、熱や光といった外的要因に対する耐久性が高く、安定して性能を発揮する事が可能である。本発明においてこれらの赤外−赤外蛍光色素を好ましく用いる事が出来るが、これらに限定されるものではない。
【0026】
前述したような赤外−赤外蛍光色素をバインダー樹脂、溶剤、必要に応じて添加剤と混合、分散してマークインキとする。バインダー樹脂はポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、メラミン樹脂などを使用することが出来る。またこれらの混合物、共重合体を、各種架橋剤で架橋硬化させたものも使用することができる。添加剤としては分散剤、増粘剤、消泡剤、塗工面質改善剤ほかが挙げられる。
【0027】
赤外−赤外蛍光色素と主樹脂の配合比率は、固形分重量比で30:100〜300:100程度である。蛍光色素の配合比率が小さすぎると、発光強度が弱すぎて機能を十分に発揮しない。また蛍光色素の配合比率が大きすぎると、分散安定性に問題が生じ、インキの貯蔵安定性や塗工適性に不具合を生じる。各種の添加剤の配合比は必要に応じ任意である。
識別マークの形成方法は、上記のようにして作成したマークインキをグラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、などの各種印刷手法で所望の位置、形状、大きさに印刷、乾燥して形成する。また、場合によっては、マークインキを熱転写層として有する熱転写シートを作成しておき、サーマルヘッド等の熱源を用いた熱転写法で所望の位置、形状、大きさに転写してマークを形成することもできる。
【0028】
該マークは、前述した基材シートの内部に形成することが好ましい。例えば、
1)染料受容層
2)空隙含有ポリプロピレンフィルム
3)普通紙
4)空隙含有ポリプロピレンフィルム
5)裏面層
の順に積層した構成の場合、識別マークは2)と3)の間、もしくは3)と4)の間に設けるのが好ましい。
【0029】
空隙含有ポリプロピレンフィルムは概略白色をしており、識別マークの上にこれらを積層することで、特別な隠蔽処理を施すことなく、識別マークの存在を隠蔽する事が出来る。さらに好ましくは3)と4)の間に設けるのが良い。2)と3)の間にマークを設けた場合、マークのわずかな厚みが画像形成に影響を与える場合があるためである。もちろん、その場合でも実際の影響の有無や、マーク厚みの制御によって有効に適用出来る場合もある。
識別マークを印刷する箇所は、2)、3)、4)のいずれの表面でも良く特に限定されないが、3)普通紙の表面に印刷すると、その吸収性によりマークインキが浸透して厚みが減少する効果があるので好ましい。
【0030】
(画像形成シートの識別方法)
次に、画像形成シートの有無および/または画像形成シートの品種識別の処理における方法の例を示す図3のフローチャートに基いて、本発明の識別方法について説明する。
画像形成シートを画像形成装置(プリンター)の供給部にセットし、画像形成シートをプリンターに供給できるようにする。(ステップS01)
次に、上記の画像形成シートの該シート内部に外観からは、その存在が確認しにくく、設けられた識別マークを検出するように、センサから、波長λ1の電磁波が発光され、その照射された光が反射して、λ1とは異なる波長のλ2の電磁波を検知する受光部において、波長λ2の電磁波の検出可否が決められる。(ステップS02)
【0031】
上記ステップS02での検出判定の結果、波長λ2の電磁波の検出が認められた場合(S02:YES)、マークの検出信号をプリンター内に有する判別部において、所定のデータと比較して、画像形成シートの有無及び/またはシートの品種を識別する(ステップS03)。
また、上記ステップS02での検出判定の結果、波長λ2の電磁波の検出が認められない場合(S02:NO)、その検出結果をプリンター内に有する判別部から、制御部に伝えて、プリンターの表示部にエラーの表示をしたり(ステップS04)、プリンターの動作が停止されたりする。
【0032】
上記のステップS03の結果が、判別部の所定のデータと比較して、適合(良好と)したものであると、次の熱転写プリンターにおける印画動作が開始され、画像形成シートに画像が形成される。(ステップS06)
上記のステップS03で、マークの検出信号から画像形成シートとして認識できない場合、及び/または画像形成シートの品種を特定できない場合、プリンターの表示部にエラーの表示をしたり(ステップS05)、プリンターの動作が停止されたりする。
【0033】
上記のステップS03で、画像形成シートとして認識され、及び/またはシートの品種が特定された後に、プリンターで画像形成シートに、画像が形成されていく。
また、必要に応じて、画像形成シートの識別マーク検出の積算を行って、画像形成シートの使用量算出を行うことも可能である。
【0034】
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置について、図を参照しながら、以下に説明する。
図4は、本発明の画像形成装置である一つの実施形態を示すブロック構成図である。画像形成装置は、画像形成シート1が給紙部から供給される。図示した画像形成シートは枚葉状のシートであるが、ボビン等に巻き上げた巻取り状の長尺のものであっても良い。その画像形成シート1が記録部へ移動し、画像形成シート1と熱転写シート7とが接するように、サーマルヘッド8とプラテンロール9で加圧し、画像情報に応じて、加熱する。(記録部)
記録部にて画像形成された画像形成シート1は、移動して、排紙部に排出され、積み重ねられる。
【0035】
給紙部において、画像形成シート1には該シート内部に外観からは、その存在が確認しにくい識別マークが設けられ、そのマークを検知し、その検知された信号から、その画像形成シート1の有無及びまたはそのシート1の品種識別の判別処理を行うために、判別部とセンサ6とが連結されている。またその判別部とプリント動作を決定する制御部とが連結されている。
記録部では、給紙部から供給された画像形成シート1と熱転写シート7とが、サーマルヘッド8とプラテンロール9に挟まれた状態で、画像情報に応じて、イエロー、マゼンタ、シアン等の各色毎にサーマルヘッド8で加熱して、画像形成シート1上に熱転写シート7の色材を熱転写する。
【0036】
またその判別部とプリント動作を決定する制御部とが連結され、さらにその判別部と制御部には、プリンターにおける警告や、シートの品種やシートの残量等の表示部が連結されている。
記録部にて、画像形成された画像形成シート1は、移動して、排紙部に排出される。
【0037】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは重量基準である。
(実施例1)
画像形成シートの作成
(マークインキ)
色材(IRS−F 根本特殊化学製) 50部
ポリエステル樹脂(東洋紡績製 バイロン200) 100部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 50部
【0038】
基材紙(三菱製紙製パールコート 127.9g/m2)に上記組成のマークインキを用いてグラビア印刷により識別マークを設け、100℃の熱風オーブン中で30秒間乾燥した。塗工量は1.8g/m2であった。マーク印刷部は概略白色で目立たないが、斜めの角度などから観察するとマーク形状が確認できた。次に、この面に下記組成の接着剤層塗工液をグラビアコーティングによって、乾燥後塗布量4.5g/m2になるように塗工し、100℃の熱風オーブン中で30秒間乾燥した。
【0039】
(接着剤層塗工液)
主剤 (武田薬品工業(株)製、タケラックA−969V 30部
硬化剤(武田薬品工業(株)製、タケネートA−5) 10部
酢酸エチル 60部
次に内部に微細空隙を有する厚さ35μmのポリプロピレンフィルム(トヨパールSS P4255 東洋紡績(株)製)を上記の基材紙と接着剤層を介して、貼り合わせて積層した。この操作をマークを設けた面とは反対面にも行い、基材紙の両面にポリプロピレンフィルムが積層した。
【0040】
次に、下記組成の中間層塗工液をマークを設けていない面のポリプロピレンフィルムにグラビアグラビアコーティングによって、乾燥後塗布量2.0g/m2になるように塗工し、100℃の熱風オーブン中で30秒間乾燥した。さらに下記組成の受容層塗工液をグラビアグラビアコーティングによって、中間層の上に乾燥後塗布量4.0g/m2になるように塗工し、100℃の熱風オーブン中で60秒間乾燥した。
【0041】
(中間層塗工液)
ウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業(株)製、ニッポラン5199)10部
アナターゼ型酸化チタン 10部
メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 20部
イソプロピルアルコール 5部
【0042】
(受容層塗工液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)製、1000A)20部
エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)2部
メチルエチルケトン/トルエン(重量混合比1/1) 76部
【0043】
(裏面層用塗工液)
アクリル樹脂(BR85 三菱レイヨン(株)製) 10部
ナイロン12フィラー(MW330 神東塗料(株)製) 2部
溶剤(MEK/トルエン 重量比1:1) 88部
【0044】
次に上記組成の裏面層塗工液をグラビアグラビアコーティングによって、乾燥後塗布量2.5g/m2になるように、基材紙の両面にポリプロピレンフィルムが積層した基材シートの受容層が設けられている面と反対側に塗工し、100℃の熱風オーブン中で60秒間乾燥した。
以上のようにして実施例1の画像形成シート(熱転写受像シート)を作成した。得られた画像形成シートは、マークの存在が目視ではほとんど確認できなかった。
【0045】
(実施例2)
マークの塗布量を5.0g/m2とした他は実施例1と同様にして、実施例2の画像形成シートを得た。
【0046】
(比較例1)
マーク形成位置を、画像形成シートの裏面側最表面、すなわち裏面層上に変更した他は実施例1と同様にして、比較例1の画像形成シートを得た。
【0047】
(比較例2)
マーク作成用塗工液中の色材を市販のカーボンブラックに変更した他は実施例1と同様にして、外観評価用の比較例2の画像形成シートを得た。
【0048】
上記の作製した実施例1、2及び比較例1、2の各画像形成シートを、可視光線下で、外観において、目視にて観察して、識別マークの存在が確認できるか調べた。その評価結果を表1に示す。但し、その外観評価で、マークを視認できず、実用上問題なく、良好なレベルを「○」、少し視認でき実用上やや問題があるものを「△」、マークが視認され目立ち、実用上問題があるものを「×」の評価とした。
【0049】
【表1】
【0050】
次に、前述のようにして作成した実施例及び比較例の画像形成シートを、日本分光(株)製蛍光分光光度計FP6600を用いて、励起光に対する発光の波長、強度を測定した。尚、発光強度比は、各例について、同一測定条件にて測定した発光強度を、比較例1の発光強度を1として相対的に表した。
また、励起光(吸収光)に対して発光する強度のレベルから、上記発光強度比が、0.5以上を◎、0.4以上0.5未満を○、0.3以上0.4未満を△、0.3未満を×の判定とした。実用上、「◎」は全く問題なくセンサで検出できる。また「○」はセンサで検出可能である。「△」はセンサで検出するには不安定である。「×」はセンサで検出できるものではない。
【0051】
上記の励起光に対する発光の波長、強度と発光強度比、さらに判定の結果を表2に示す。
【表2】
【0052】
【発明の効果】
以上のごとき本発明によれば、画像形成シートの内部に、波長λ1の赤外光を吸収して異なる波長λ2の赤外光を発する物質を含む識別マークを設けることで、外観上の不具合、意匠性の低下を伴うことなく、確実に画像形成シートの有無及び/または画像形成シート品種の識別を行う事が出来る。すなわち、該物質は可視光下でほぼ無色もしくは白色であり、これを含むマーク形成インクを用いて基材上にマークを印刷し、さらに他の基材を積層して必要に応じ、画像形成層(受容層)を設けて作成した画像形成シートと、波長λ1の赤外光を照射する光源と、波長λ2の赤外光を検出する検出器を組み合わせたマーク検出機構(センサ)を用いる事で、マークの存在が確認しにくく意匠、外観を損なわずに確実に画像形成シートの有無及び/または品種の識別を行う事が出来る。
また、赤外光は可視光より長波長で透過性が高いため、本発明の画像形成シートを用いれば、例えば画像形成シートのマークを設けた側とは反対側からもマーク検出を行う事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の画像形成シートである他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】画像形成シートの有無及び/またはシートの品種の識別処理における方法の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の画像形成装置である一つの実施形態を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 画像形成シート
2 識別マーク
3 基材シート
4 受容層
5 裏面層
6 センサ
7 熱転写シート
8 サーマルヘッド
9 プラテンロール
31 基材A
32 基材B
33 基材C
61 発光部
62 受光部
Claims (7)
- 画像形成シートにおいて、該シート内部に外観からは、その存在が確認しにくい識別マークが設けられていることを特徴とする画像形成シート。
- 少なくとも複数の基材シートを積層した構造を有する請求項1に記載の画像形成シートであって、識別マークが上記複数の基材シートの間に設けられてなることを特徴とする画像形成シート。
- 前記の識別マークが、ある波長λ1の電磁波を吸収し、異なる波長λ2の電磁波を発することを特徴とする物質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載する画像形成シート。
- 前記の物質が、吸収する波長λ1の電磁波が赤外線であり、発する波長λ2の電磁波も赤外線であることを特徴とする請求項3に記載する画像形成シート。
- 前記の画像形成シートが、熱転写受像シートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載する画像形成シート。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載する画像形成シートを用いて、その画像形成シートに設けられた識別マークをセンサで検出して、画像形成シートの有無および/または画像形成シートの品種識別を行うことを特徴とする識別方法。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載する画像形成シートが装着された時に、その画像形成シートに設けられた識別マークを検知するためのセンサと、その検知された信号から、画像形成シートの有無および/または画像形成シートの品種識別の判別処理を行う判別部と、その判別結果に基いて画像形成の動作を決定する制御部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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