JP2004116428A - タイミングチェーン機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両エンジン組付けとは別体で仮組み付けが可能となり、車両エンジン本体への搭載後も修理やメインテナンスが容易であるタイミングチェーン機構の構成を提供すること。
【解決手段】カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパと、前記タイミングチェーンへの張力付勢機能を有するチェーンスリッパと、チェーンカバーとを有するタイミングチェーン機構において、エンジン本体に穿設された孔に固定される、少なくともひとつの固定軸によって前記チェーンカバーを脱着可能に固定した。
【選択図】 図1
【解決手段】カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパと、前記タイミングチェーンへの張力付勢機能を有するチェーンスリッパと、チェーンカバーとを有するタイミングチェーン機構において、エンジン本体に穿設された孔に固定される、少なくともひとつの固定軸によって前記チェーンカバーを脱着可能に固定した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両エンジンのクランクシャフトの動力をクランクスプロケットからカムスプロケットに伝達するためのタイミングチェーン機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両エンジンにおいて、クランク軸の回転をカム軸に伝達する従来のチェーン機構タイミングチェーン機構としては、例えば、図4に示されているものがある。このものは、タイミングチェーン機構の内燃機関への組付性を向上する目的で、チェーンダンパ113をチェーンスリッパ114の一端に揺動可能に枢支すると共に、クランプスプロケット112を支持可能なチェーンストッパガイド116をチェーンスリッパ114の一端に揺動可能に設け、チェーンストッパガイド116とチェーンダンパ113との間にチェーンダンパ113及びチェーンストッパガイド116を互いに相反する側に揺動させるスプリング117を張設し、カムスプロケット110及びクランクスプロケット112をチェーンダンパ113及びチェーンストッパガイド116にて夫々支持させると共に、チェーンスリッパ114の揺動をチェーンダンパ113にて規制させ、クランクスプロケット112、カムスプロケット110及びチェーンスリッパ114を内燃機関に取り付ける前にてチェーンダンパ113及びチェーンストッパガイド116と共に仮組付体とした構成が記述されている。(例えば特許文献1参照)
また別のタイミングチェーン機構としては、図5に示されるように車両エンジンのタイミングチェーンや複数のスプロケットを保護する前カバーの振動を抑制することを目的とするカバーの固定構造が知られている。この構造においては、配置された内容物である共通チェーンガイド220及びテンショナ225を、裏カバー205を貫通してエンジン本体201に締結固定するボルト226の頭部226aに、雌ねじ部226bを形成し、この雌ねじ部226bにボルト234を螺合することによって、前カバー230をエンジン本体201に対して直接的に締結固定されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−063128号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2001−116022号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記した技術には以下の問題点を生ずる。特許文献1に示される従来技術においては、カムスプロケット、チェーンダンパ、チェーンスリッパの相対位置を合わせながらエンジンに取り付けることができるようにタイミングチェーン仮組付体としているが、このタイミングチェーン仮組立体と車両エンジンの周辺に装備される補機部品を保護するカバーとを別工程にて別途取り付ける必要がある。
【0006】
また別に特許文献2示される従来技術においては、チェーンガイド220を取り付けるボルト226を予めエンジン本体に螺合した後、タイミングチェーンをボルト226の軸に取り付け、さらにチェーンケース204の前カバー230をボルト234でボルト226に螺合する構成となっている。
【0007】
近年、タイミングチェーン機構を含むエンジンの周辺構成装置をモジュールとしてまとめ、エンジン組付けとは別の工程で予め仮組み付けを行なうことでエンジン組付けの効率化を図るニーズがあるが、上記特許文献2の従来技術の構成においては、タイミングチェーン機構を構成する部品を、順次エンジンマウントに搭載して組付けねばならない構造のため、モジュールとして別体で単独にタイミングチェーン機構のみを仮組立てするのが困難な構成となっている。またさらに、タイミングチェーン機構の周辺には、エンジンの駆動に重要なオイルポンプなどの補機装置も配設されているため、修理やメインテナンスのために、チェーンケースが組付け後においても容易に取り外せる構造であることが求められる。
【0008】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車両エンジン組付けと別体で仮組み付けが可能となり、車両エンジン本体への搭載後も修理やメインテナンスが容易であるタイミングチェーン機構の構成を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパと、前記タイミングチェーンへの張力付勢機能を有するチェーンスリッパと、チェーンカバーとを有するタイミングチェーン機構において、エンジン本体に穿設された孔に固定される、少なくともひとつの固定軸によって前記チェーンカバーが脱着可能に固定されるタイミングチェーン機構とすることである。
【0010】
これによれば、チェーンカバーが脱着可能に固定されるタイミングチェーン機構は、エンジン本体に穿設された孔に固定される少なくともひとつの固定軸によって脱着可能に固定されるので、チェーンカバー内に装備される各種部材のメインテナンス時や部材の交換時においても、いちいちタイミングチェーン機構全体を外すことなく、チェーンカバーのみを外す作業で必要部位の作業を可能とする。
【0011】
さらに、請求項2において講じた技術的手段は、前記固定軸の外径には鍔状の凸部が形成されるタイミングチェーン機構とすることである。
【0012】
これによれば、固定軸の外径には鍔状の凸部の突起が形成されるので、タイミングチェーン機構をモジュールとして車両エンジンとは別体で仮組付けを行なう際、カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンが工程中でモジュールから外れるという不具合を防止することができる。
【0013】
請求項4において講じた技術的手段は、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの少なくともいずれかに前記タイミングチェーン機構の位相位置決めを行なう調整機構を有するタイミングチェーン機構とすることである。
【0014】
これによれば、カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの少なくともいずれかには、カムスプロケットとクランクスプロケットの位相を調整する調整機構を有するので、タイミングチェーン機構単独でタイミングチェーンの位相を調節できる。
【0015】
請求項5において講じた技術的手段は、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットを軸支する軸支部材が、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの組付け時に位置決めとして利用されるタイミングチェーン機構とすることである。
【0016】
これによれば、タイミングチェーン機構に内蔵されるカムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットを軸支する軸支部材は、車両エンジンのカムスプロケットあるいはクランクスプロケットがタイミングチェーン機構に組み付けられる際、位置決めとして利用される構成とするので、別に組付け治具によって位置決めすることが不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタイミングチェーン機構の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は車両エンジンに組みつけられる本発明のタイミングチェーン機構の一実施例を示す概略正面図である。また図2は図1を横側面側から見た場合の主要部の概略断面図を示す。本発明のタイミングチェーン機構TCは、車両エンジンの組付け工程で組みつけられる従来のタイミングチェーン機構とは異なり、周辺の関連する部品をまとめてモジュールの仮組付け体として、車両エンジンの組付け工程とは別の工程で予め組みつけることが可能となる構造を有している。このモジュールとしてのタイミングチェーン機構TCは、カムスプロケット5およびクランクスプロケット10にタイミングチェーン1が、所定の位相となるように張装されている。そしてこのタイミングチェーン1をガイドする、チェーンダンパ4およびチェーンスリッパ7が図1示中央部に配置されている。
【0018】
またタイミングチェーン1が張装されてカムスプロケット5およびクランクスプロケット10から外れないように、チェーンテンショナ8はチェーンスリッパ7に接続されている。このチェーンテンショナ8はタイミングチェーン1に所定の張力を保持するようにチェーンスリッパ7に付勢力を与える。これらチェーンダンパ4、チェーンスリッパ7、およびチェーンテンショナ8はチェーンカバー11に取り付けられて、タイミングチェーン1をガイドする。チェーンダンパ4は略L字の断面形状を有し、巻回されたタイミングチェーン1がカムスプロケット5あるいはクランクスプロケット10の回転軸方向に移動するのを阻止する。
【0019】
またタイミングチェーン機構TCを車両エンジンに固定する固定軸2は、車両エンジン本体に挿通される挿通部15、チェーンダンパ4やチェーンスリッパ7を保持するガイド部16、仮組付けされる際にチェーンダンパ4やチェーンスリッパ7が外れないように、軸方向一方に移動不能とするために固定軸径より大径のフランジである鍔部17、およびナットで締結されるボルト部18とからなる。
【0020】
図3には固定軸2の一実施例を示す。図3(a)示されるように、鍔部17は別部材で構成されてもよいし、図3(b)および(c)示のように一体部材で構成されても構わない。また別の構造でも機能的に挿通部、ガイド部、鍔部、およびボルト締結部が構成できればよい。
【0021】
つぎにタイミングチェーン機構TCをモジュールとして予め車両エンジンとは別の工程で組付ける際の手順を説明する。タイミングチェーン機構TCは仮組付け体のモジュールとして固定軸2で車両エンジン本体に固定される。そのため、車両エンジン本体のカムシャフト6、クランクシャフト9にタイミングチェーン機構TCに内蔵されるカムスプロケット5およびクランクスプロケット10の位置が合致するように予め位置決めがなされなければならない。そのためにひとつの方法としては、カムシャフトならびにクランクシャフトの軸位置に合致するように図示しない位置決め治具を用いて組付ける方法が考えられる。
【0022】
この組付け方法においては、これらそれぞれの軸に相当する位置決め治具のシャフトを、まずチェーンカバー11の相当位置に挿入する。本発明の図1における構成においては、位置決め治具によるシャフトに替わって、固定ボルト13をチェーンカバー11に差し込んでカムシャフト側の軸に替える。つぎに固定ボルト13にカムスプロケット5、位置決め治具のシャフトにクランクスプロケット10を組付ける。その後、カムスプロケット5およびクランクスプロケット10にタイミングチェーン1を掛ける。チェーンガイドであるチェーンダンパ4およびチェーンスリッパ7をチェーンカバー11に組付けた後、チェーンテンショナ8をチェーンスリッパ7に接続する。タイミングチェーン1をこのチェーンテンショナ8で張装する前にカムスプロケット5とクランクスプロケット10の位相合わせの調整が行われる。構造としては、予め位置決めされているカムシャフト6とカムスプロケット5の位置決め用キー溝を所定位置に合わせ、さらにクランクシャフト9とクランクスプロケット10の位置決めを行なう。
【0023】
そして所定位置にそれぞれのカムスプロケット5およびクランクスプロケット10が位置決めされると、タイミングチェーン1が張られる。このとき、予めチェーンカバー11に取り付けられる固定軸2の鍔部17が形成されているので、車両エンジン本体にタイミングチェーン機構TCが組み付けられる前でもタイミングチェーン1が外れることがない。以上のカムスプロケット5は、バリャブルバルブタイミング(通称VVT)で構成されても構わない。
【0024】
以上の構成においては、カムスプロケット5のみが固定ボルト13で軸支される構成として説明したが、クランクスプロケット10をクランクシャフト9に接続される別の固定ボルトで予め軸支しておけば、組付け治具を利用しなくてもよい構成が実現できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によればタイミングチェーン機構のタイミングチェーン、カムスプロケット、チェーンダンパ、チェーンスリッパ、およびチェーンカバーを一体で車両エンジン本体とは別体のいわゆるモジュールとして構成する。たとえばカムスプロケットあるいはクランクスプロケットの少なくともいずれかには、カムスプロケットとクランクスプロケットの位相を調整する調整機構を有するので、タイミングチェーン機構単独でタイミングチェーンの位相を調節できる。
【0026】
また内蔵される軸支部材を利用して、組付け時の位置決めに利用することも可能となる。以上の構成を実現することで、タイミングチェーン機構がモジュールとして予め別の工程で仮組付体として製造できるため、エンジン全体の組付け工程が単純となりエンジン本体の組付け工程が短縮できる。また、モジュールの一部として構成されるチェーンカバーは、車両本体への組付け後においても、固定軸を緩めるのみで着脱可能な構成であるので、車両エンジンの補機部品のメインテナンスも容易であり多大な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるタイミングチェーン機構を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるタイミングチェーン機構が車両エンジンに固定された状態を示す概略横側断面図である。
【図3】タイミングチェーン機構を車両エンジン本体に固定する固定軸の構造を示す概略図の一例である。
【図4】従来の技術におけるタイミングチェーン機構を示す概略正面図である。
【図5】従来の技術におけるタイミングチェーン機構を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:タイミングチェーン
2:固定軸
3:ナット
4:チェーンダンパ
5:カムスプロケット
6:カムシャフト
7:チェーンスリッパ
8:チェーンテンショナ
9:クランクシャフト
10:クランクスプロケット
11:チェーンカバー
12:蓋
13:固定ボルト
14:オイルシール
15:挿通部
16:ガイド部
17:鍔部
18:ボルト部
TCタイミングチェーン機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両エンジンのクランクシャフトの動力をクランクスプロケットからカムスプロケットに伝達するためのタイミングチェーン機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両エンジンにおいて、クランク軸の回転をカム軸に伝達する従来のチェーン機構タイミングチェーン機構としては、例えば、図4に示されているものがある。このものは、タイミングチェーン機構の内燃機関への組付性を向上する目的で、チェーンダンパ113をチェーンスリッパ114の一端に揺動可能に枢支すると共に、クランプスプロケット112を支持可能なチェーンストッパガイド116をチェーンスリッパ114の一端に揺動可能に設け、チェーンストッパガイド116とチェーンダンパ113との間にチェーンダンパ113及びチェーンストッパガイド116を互いに相反する側に揺動させるスプリング117を張設し、カムスプロケット110及びクランクスプロケット112をチェーンダンパ113及びチェーンストッパガイド116にて夫々支持させると共に、チェーンスリッパ114の揺動をチェーンダンパ113にて規制させ、クランクスプロケット112、カムスプロケット110及びチェーンスリッパ114を内燃機関に取り付ける前にてチェーンダンパ113及びチェーンストッパガイド116と共に仮組付体とした構成が記述されている。(例えば特許文献1参照)
また別のタイミングチェーン機構としては、図5に示されるように車両エンジンのタイミングチェーンや複数のスプロケットを保護する前カバーの振動を抑制することを目的とするカバーの固定構造が知られている。この構造においては、配置された内容物である共通チェーンガイド220及びテンショナ225を、裏カバー205を貫通してエンジン本体201に締結固定するボルト226の頭部226aに、雌ねじ部226bを形成し、この雌ねじ部226bにボルト234を螺合することによって、前カバー230をエンジン本体201に対して直接的に締結固定されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−063128号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2001−116022号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記した技術には以下の問題点を生ずる。特許文献1に示される従来技術においては、カムスプロケット、チェーンダンパ、チェーンスリッパの相対位置を合わせながらエンジンに取り付けることができるようにタイミングチェーン仮組付体としているが、このタイミングチェーン仮組立体と車両エンジンの周辺に装備される補機部品を保護するカバーとを別工程にて別途取り付ける必要がある。
【0006】
また別に特許文献2示される従来技術においては、チェーンガイド220を取り付けるボルト226を予めエンジン本体に螺合した後、タイミングチェーンをボルト226の軸に取り付け、さらにチェーンケース204の前カバー230をボルト234でボルト226に螺合する構成となっている。
【0007】
近年、タイミングチェーン機構を含むエンジンの周辺構成装置をモジュールとしてまとめ、エンジン組付けとは別の工程で予め仮組み付けを行なうことでエンジン組付けの効率化を図るニーズがあるが、上記特許文献2の従来技術の構成においては、タイミングチェーン機構を構成する部品を、順次エンジンマウントに搭載して組付けねばならない構造のため、モジュールとして別体で単独にタイミングチェーン機構のみを仮組立てするのが困難な構成となっている。またさらに、タイミングチェーン機構の周辺には、エンジンの駆動に重要なオイルポンプなどの補機装置も配設されているため、修理やメインテナンスのために、チェーンケースが組付け後においても容易に取り外せる構造であることが求められる。
【0008】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車両エンジン組付けと別体で仮組み付けが可能となり、車両エンジン本体への搭載後も修理やメインテナンスが容易であるタイミングチェーン機構の構成を提供することを技術的課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパと、前記タイミングチェーンへの張力付勢機能を有するチェーンスリッパと、チェーンカバーとを有するタイミングチェーン機構において、エンジン本体に穿設された孔に固定される、少なくともひとつの固定軸によって前記チェーンカバーが脱着可能に固定されるタイミングチェーン機構とすることである。
【0010】
これによれば、チェーンカバーが脱着可能に固定されるタイミングチェーン機構は、エンジン本体に穿設された孔に固定される少なくともひとつの固定軸によって脱着可能に固定されるので、チェーンカバー内に装備される各種部材のメインテナンス時や部材の交換時においても、いちいちタイミングチェーン機構全体を外すことなく、チェーンカバーのみを外す作業で必要部位の作業を可能とする。
【0011】
さらに、請求項2において講じた技術的手段は、前記固定軸の外径には鍔状の凸部が形成されるタイミングチェーン機構とすることである。
【0012】
これによれば、固定軸の外径には鍔状の凸部の突起が形成されるので、タイミングチェーン機構をモジュールとして車両エンジンとは別体で仮組付けを行なう際、カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンが工程中でモジュールから外れるという不具合を防止することができる。
【0013】
請求項4において講じた技術的手段は、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの少なくともいずれかに前記タイミングチェーン機構の位相位置決めを行なう調整機構を有するタイミングチェーン機構とすることである。
【0014】
これによれば、カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの少なくともいずれかには、カムスプロケットとクランクスプロケットの位相を調整する調整機構を有するので、タイミングチェーン機構単独でタイミングチェーンの位相を調節できる。
【0015】
請求項5において講じた技術的手段は、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットを軸支する軸支部材が、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの組付け時に位置決めとして利用されるタイミングチェーン機構とすることである。
【0016】
これによれば、タイミングチェーン機構に内蔵されるカムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットを軸支する軸支部材は、車両エンジンのカムスプロケットあるいはクランクスプロケットがタイミングチェーン機構に組み付けられる際、位置決めとして利用される構成とするので、別に組付け治具によって位置決めすることが不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタイミングチェーン機構の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は車両エンジンに組みつけられる本発明のタイミングチェーン機構の一実施例を示す概略正面図である。また図2は図1を横側面側から見た場合の主要部の概略断面図を示す。本発明のタイミングチェーン機構TCは、車両エンジンの組付け工程で組みつけられる従来のタイミングチェーン機構とは異なり、周辺の関連する部品をまとめてモジュールの仮組付け体として、車両エンジンの組付け工程とは別の工程で予め組みつけることが可能となる構造を有している。このモジュールとしてのタイミングチェーン機構TCは、カムスプロケット5およびクランクスプロケット10にタイミングチェーン1が、所定の位相となるように張装されている。そしてこのタイミングチェーン1をガイドする、チェーンダンパ4およびチェーンスリッパ7が図1示中央部に配置されている。
【0018】
またタイミングチェーン1が張装されてカムスプロケット5およびクランクスプロケット10から外れないように、チェーンテンショナ8はチェーンスリッパ7に接続されている。このチェーンテンショナ8はタイミングチェーン1に所定の張力を保持するようにチェーンスリッパ7に付勢力を与える。これらチェーンダンパ4、チェーンスリッパ7、およびチェーンテンショナ8はチェーンカバー11に取り付けられて、タイミングチェーン1をガイドする。チェーンダンパ4は略L字の断面形状を有し、巻回されたタイミングチェーン1がカムスプロケット5あるいはクランクスプロケット10の回転軸方向に移動するのを阻止する。
【0019】
またタイミングチェーン機構TCを車両エンジンに固定する固定軸2は、車両エンジン本体に挿通される挿通部15、チェーンダンパ4やチェーンスリッパ7を保持するガイド部16、仮組付けされる際にチェーンダンパ4やチェーンスリッパ7が外れないように、軸方向一方に移動不能とするために固定軸径より大径のフランジである鍔部17、およびナットで締結されるボルト部18とからなる。
【0020】
図3には固定軸2の一実施例を示す。図3(a)示されるように、鍔部17は別部材で構成されてもよいし、図3(b)および(c)示のように一体部材で構成されても構わない。また別の構造でも機能的に挿通部、ガイド部、鍔部、およびボルト締結部が構成できればよい。
【0021】
つぎにタイミングチェーン機構TCをモジュールとして予め車両エンジンとは別の工程で組付ける際の手順を説明する。タイミングチェーン機構TCは仮組付け体のモジュールとして固定軸2で車両エンジン本体に固定される。そのため、車両エンジン本体のカムシャフト6、クランクシャフト9にタイミングチェーン機構TCに内蔵されるカムスプロケット5およびクランクスプロケット10の位置が合致するように予め位置決めがなされなければならない。そのためにひとつの方法としては、カムシャフトならびにクランクシャフトの軸位置に合致するように図示しない位置決め治具を用いて組付ける方法が考えられる。
【0022】
この組付け方法においては、これらそれぞれの軸に相当する位置決め治具のシャフトを、まずチェーンカバー11の相当位置に挿入する。本発明の図1における構成においては、位置決め治具によるシャフトに替わって、固定ボルト13をチェーンカバー11に差し込んでカムシャフト側の軸に替える。つぎに固定ボルト13にカムスプロケット5、位置決め治具のシャフトにクランクスプロケット10を組付ける。その後、カムスプロケット5およびクランクスプロケット10にタイミングチェーン1を掛ける。チェーンガイドであるチェーンダンパ4およびチェーンスリッパ7をチェーンカバー11に組付けた後、チェーンテンショナ8をチェーンスリッパ7に接続する。タイミングチェーン1をこのチェーンテンショナ8で張装する前にカムスプロケット5とクランクスプロケット10の位相合わせの調整が行われる。構造としては、予め位置決めされているカムシャフト6とカムスプロケット5の位置決め用キー溝を所定位置に合わせ、さらにクランクシャフト9とクランクスプロケット10の位置決めを行なう。
【0023】
そして所定位置にそれぞれのカムスプロケット5およびクランクスプロケット10が位置決めされると、タイミングチェーン1が張られる。このとき、予めチェーンカバー11に取り付けられる固定軸2の鍔部17が形成されているので、車両エンジン本体にタイミングチェーン機構TCが組み付けられる前でもタイミングチェーン1が外れることがない。以上のカムスプロケット5は、バリャブルバルブタイミング(通称VVT)で構成されても構わない。
【0024】
以上の構成においては、カムスプロケット5のみが固定ボルト13で軸支される構成として説明したが、クランクスプロケット10をクランクシャフト9に接続される別の固定ボルトで予め軸支しておけば、組付け治具を利用しなくてもよい構成が実現できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によればタイミングチェーン機構のタイミングチェーン、カムスプロケット、チェーンダンパ、チェーンスリッパ、およびチェーンカバーを一体で車両エンジン本体とは別体のいわゆるモジュールとして構成する。たとえばカムスプロケットあるいはクランクスプロケットの少なくともいずれかには、カムスプロケットとクランクスプロケットの位相を調整する調整機構を有するので、タイミングチェーン機構単独でタイミングチェーンの位相を調節できる。
【0026】
また内蔵される軸支部材を利用して、組付け時の位置決めに利用することも可能となる。以上の構成を実現することで、タイミングチェーン機構がモジュールとして予め別の工程で仮組付体として製造できるため、エンジン全体の組付け工程が単純となりエンジン本体の組付け工程が短縮できる。また、モジュールの一部として構成されるチェーンカバーは、車両本体への組付け後においても、固定軸を緩めるのみで着脱可能な構成であるので、車両エンジンの補機部品のメインテナンスも容易であり多大な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるタイミングチェーン機構を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるタイミングチェーン機構が車両エンジンに固定された状態を示す概略横側断面図である。
【図3】タイミングチェーン機構を車両エンジン本体に固定する固定軸の構造を示す概略図の一例である。
【図4】従来の技術におけるタイミングチェーン機構を示す概略正面図である。
【図5】従来の技術におけるタイミングチェーン機構を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:タイミングチェーン
2:固定軸
3:ナット
4:チェーンダンパ
5:カムスプロケット
6:カムシャフト
7:チェーンスリッパ
8:チェーンテンショナ
9:クランクシャフト
10:クランクスプロケット
11:チェーンカバー
12:蓋
13:固定ボルト
14:オイルシール
15:挿通部
16:ガイド部
17:鍔部
18:ボルト部
TCタイミングチェーン機構
Claims (5)
- カムスプロケットとクランクスプロケットとの間に張装されるタイミングチェーンと、該タイミングチェーンをガイドするチェーンダンパと、
前記タイミングチェーンへの張力付勢機能を有するチェーンスリッパと、チェーンカバーとを有するタイミングチェーン機構において、エンジン本体に穿設された孔に固定される、少なくともひとつの固定軸によって前記チェーンカバーが脱着可能に固定されること、を特徴とするタイミングチェーン機構。 - 前記固定軸の外径には鍔状の凸部が形成されること、を特徴とする請求項1に記載のタイミングチェーン機構。
- 前記タイミングチェーン機構は前記固定軸の一端の締結部で固定されること、を特徴とする請求項1に記載のタイミングチェーン機構。
- 前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの少なくともいずれかに前記タイミングチェーン機構の位相位置決めを行なう調整機構を有すること、を特徴とする請求項1に記載のタイミングチェーン機構。
- 前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットを軸支する軸支部材が、前記カムスプロケットあるいは前記クランクスプロケットの組付け時に位置決めとして利用されること、を特徴とする請求項1に記載のタイミングチェーン機構。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002282027A JP2004116428A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | タイミングチェーン機構 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002282027A JP2004116428A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | タイミングチェーン機構 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004116428A true JP2004116428A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32276291
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002282027A Withdrawn JP2004116428A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | タイミングチェーン機構 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011056719A3 (en) * | 2009-11-03 | 2011-08-25 | Borgwarner Inc. | Multi-strand tensioning arrangement with moving arms |
| GB2504726A (en) * | 2012-08-08 | 2014-02-12 | Nissan Motor Mfg Uk Ltd | Guide device, engine & engine assembly method |
| JP2017201189A (ja) * | 2016-05-06 | 2017-11-09 | トヨタ自動車株式会社 | テンショナ |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002282027A patent/JP2004116428A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011056719A3 (en) * | 2009-11-03 | 2011-08-25 | Borgwarner Inc. | Multi-strand tensioning arrangement with moving arms |
| CN102667243A (zh) * | 2009-11-03 | 2012-09-12 | 博格华纳公司 | 具有移动臂的多段张紧安排 |
| CN102667243B (zh) * | 2009-11-03 | 2015-04-08 | 博格华纳公司 | 具有移动臂的多段张紧安排 |
| US9080640B2 (en) | 2009-11-03 | 2015-07-14 | Borgwarner, Inc. | Multi-strand tensioning arrangement with moving arms |
| GB2504726A (en) * | 2012-08-08 | 2014-02-12 | Nissan Motor Mfg Uk Ltd | Guide device, engine & engine assembly method |
| JP2017201189A (ja) * | 2016-05-06 | 2017-11-09 | トヨタ自動車株式会社 | テンショナ |
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