JP2004117901A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体上に形成された現像剤像に対して転写前に電荷を付与する電荷付与手段を設けた画像形成装置において、装置の大型化やコスト上昇を招くことなく、像担持体のクリーニング不良の発生を抑制する画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体108上から現像剤を除去する清掃手段6と、像担持体108上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段114と、電荷付与手段114に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段117と、を有する画像形成装置において、電荷付与手段114は、像担持体108上の転写行為を行わない現像剤に対しても、それに対して電荷を付与し、その場合に電荷付与手段114に供給される電荷付与バイアスは、像担持体108上の現像剤像が転写部Tn2にて転写媒体Pに転写される場合において電荷付与手段114に供給される電荷付与バイアスと異なる。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体108上から現像剤を除去する清掃手段6と、像担持体108上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段114と、電荷付与手段114に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段117と、を有する画像形成装置において、電荷付与手段114は、像担持体108上の転写行為を行わない現像剤に対しても、それに対して電荷を付与し、その場合に電荷付与手段114に供給される電荷付与バイアスは、像担持体108上の現像剤像が転写部Tn2にて転写媒体Pに転写される場合において電荷付与手段114に供給される電荷付与バイアスと異なる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等によって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置として、転写媒体、例えば用紙等の転写材への転写工程に先立ち、像担持体上に形成された現像剤像(トナー像)に対して電荷付与手段としての転写前帯電器により現像剤(トナー)と同極性の電荷付与をしてトナー像のトナートリボ値を増加させることで、この後に続く転写効率の向上を図る技術が、例えば、特許文献1等により提案されている。
【0003】
ここでの転写効率とは、転写工程において像担持体上のトナーが転写材等の転写媒体上に転写される効率のことである。
【0004】
尚、この場合の像担持体とは、表面に露光手段により静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置にて現像されて、表面にトナー像が形成される感光ドラムや感光ベルト等の感光体のことか、又は、感光体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体のことであり、表面にトナー像が形成され、それを担持して、担持面を移動させてトナー像が転写材等の転写媒体に転写される転写部まで搬送する媒体のことである。
【0005】
そして、像担持体のトナー像担持面移動方向で転写部の下流の位置には、像担持体表面に、像担持体からの転写後に残留した転写残トナー等の付着トナーを除去するための清掃手段が設けられており、余分なトナーを像担持体より除去した後、新たなトナー像が像担持体上に形成される。
【0006】
【特許文献1】
特開平04−109278号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した画像形成装置においては、転写前帯電工程により、像担持体のトナー像の転写効率が上昇するため、通常の画像形成時に於ける像担持体上の残留トナー量は少なくなり、清掃手段に到達する残留トナー量は減る。
【0008】
一方、上述した画像形成装置においては、清掃手段は、ジャム時などに像担持体上の転写工程を経ない大量のトナーを清掃する場合もある。
【0009】
清掃手段として、像担持体との接触部にゴム部材を有する板状部材であるクリーニングブレードを像担持体に当接して残留トナーを掻き落とすことで像担持体の清掃を行う、いわゆるブレードタイプの清掃手段が一般に用いられる。
【0010】
その場合に、通常の画像形成中に清掃手段に到達する残留トナー量が減ると、ジャム時などの大量のトナーをクリーニングする場合にクリーニング不良が発生してしまう現象が確認された。
【0011】
上記クリーニング不良発生のメカニズムは、以下のように考えられる。
【0012】
クリーニングブレードと像担持体のニップ部には、予めブレードの像担持体と接触する部分に塗布されている潤滑剤や、クリーニングした残留トナー等が、存在することで、ブレードと像担持体とは適度な摩擦力を有する状態が継続して、ブレード部分を像担持体表面が滑らかに移動して、像担持体表面をクリーニングすることができる。
【0013】
ただし、上述した従来の画像形成装置のように転写前帯電工程を有する画像形成装置においては、通常の画像形成時にクリーニングブレードに供給される残留トナー量が少なくなるため、ブレードと像担持体の摩擦力は大きくなる。
【0014】
この摩擦力が大きくなると、ブレード部分を像担持体表面が滑らかに移動できなくなり、ブレードと像担持体表面は密着と滑りを繰り返して、ブレードが振動しながら像担持体表面が移動する挙動が見られるようになる。
【0015】
このブレードの振動で像担持体に対するブレードの当接が不安定になり、特に大量のトナーを清掃する場合に、トナーがブレードと像担持体のニップに侵入しやすくなり、クリーニング不良が発生すると考えられる。
【0016】
従って、本発明の目的は、像担持体上に形成された現像剤像に対して、転写前に電荷を付与する電荷付与手段を設けた画像形成装置において、装置の大型化やコスト上昇を招くことなく、像担持体のクリーニング不良の発生を抑制する画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、表面に現像剤像が形成され、それを担持して移動する像担持体と、現像剤像を転写部にて前記像担持体より転写媒体に転写する転写手段と、前記像担持体移動方向にて前記転写部の下流にて前記像担持体と対向し、前記像担持体上から現像剤を除去する清掃手段と、前記像担持体の移動方向にて現像剤像形成部の下流側且つ前記転写部の上流側の位置に設置され、前記像担持体上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段と、該電荷付与手段に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段と、を有する画像形成装置において、
前記電荷付与手段は、前記像担持体上の現像剤の転写行為が行われない場合においても、前記像担持体上の現像剤に対して電荷を付与し、その場合において前記電荷付与手段に供給される前記電荷付与バイアスは、前記像担持体上の現像剤像が前記転写部にて前記転写媒体に転写される場合において前記電荷付与手段に供給される前記電荷付与バイアスと異なる、ことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0018】
本発明の一実施態様によると、前記像担持体上に形成される現像剤像は、複数の現像剤像が重ねられて形成された、複合現像剤像である。
【0019】
本発明の他の実施態様によると、前記像担持体上の現像剤像が前記転写部にて前記転写媒体に転写される場合においては、前記電荷付与手段によって、前記像担持体上の現像剤像にそれと同極性の電荷が付与され、
前記像担持体上の現像剤に対して転写行為を行わない場合においては、前記電荷付与手段によって、前記像担持体上の現像剤にそれと逆極性の電荷が付与される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0021】
実施例1
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置である電子写真方式のプリンタ等のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【0022】
この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部101Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部101Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部101Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部101Kの4つの現像剤像形成部(画像形成部)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。
【0023】
各画像形成部101Y〜101Kには、それぞれ第一の像担持体としての感光ドラム102a、102b、102c、102dが設置されている。各感光ドラム102a〜102dの周囲には、帯電ローラ103a、103b、103c、103d、現像装置104a、104b、104c、104d、転写ローラ105a、105b、105c、105d、ドラムクリーニング装置106a、106b、106c、106dがそれぞれ設置されており、帯電ローラ103a〜103dと現像装置104a〜104d間の上方には露光装置107a、107b、107c、107dがそれぞれ設置されている。
【0024】
感光ドラム102a〜102dは、本実施例では負帯電の有機感光ドラムで外径30.0mmであり、アルミニウム等のドラム基体上にOPC感光層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)にそれぞれ所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0025】
接触帯電手段としての帯電ローラ103a〜103dは、それぞれ感光ドラム102a〜102dに所定の圧接力で接触し、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって、各感光ドラム102a〜102d表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0026】
露光装置107a〜107dは、ホストコンピュータ(不図示)からそれぞれ入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光で各感光ドラム102a〜102d表面を画像露光することにより、各帯電ローラ103a〜103dで帯電された各感光ドラム102a〜102d表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0027】
現像装置104a〜104dは、本実施例では二成分現像方式であり、現像バイアス電源(不図示)から印加される現像バイアスによって、各感光ドラム102a〜102d上に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて、トナー像として反転現像する。各現像装置104a〜104dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0028】
接触転写手段としての転写ローラ105a〜105dは、中間転写体としての中間転写ベルト108を介して各感光ドラム102a〜102d表面に所定の押圧力で接触している。そして、各転写バイアス電源109a、109b、109c、109dから印加される前記トナーと逆極性の転写バイアスにより、各感光ドラム102a〜102d表面の各色トナー像を、感光ドラム102a〜102dと転写ローラ105a〜105d間の各一次転写部Ta、Tb、Tc、Tdにおいて、移動する第二の像担持体であるベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)108上に順次重ね合わせて転写(一次転写)する。
【0029】
中間転写ベルト108は、駆動ローラ111と二次転写対向ローラ112と従動ローラ113によって張架されており、駆動ローラ111の回転駆動によって、感光ドラム102a〜102dの回転に同期して矢印方向に移動(回転)する。
【0030】
中間転写ベルト108の張架張力は、従動ローラ113に対して不図示の加圧手段により、中間転写ベルト108と駆動ローラ111とがスリップしないように、98Nの荷重がかけられている。
【0031】
本実施例では、中間転写ベルト108の移動方向に対して、最下流の感光ドラム102dの下流側で且つ二次転写対向ローラ112と転写手段である二次転写ローラ119の対向部である二次転写部Tn2の上流側に位置する、駆動ローラ111近傍には二次転写前帯電器114が設置されている。
【0032】
又、中間転写ベルト108移動方向で二次転写部Tn2の下流側、つまり二次転写対向ローラ112と従動ローラ113との間の中間転写ベルト108の表面近傍には、中間転写ベルト108上のトナーを除去するための清掃手段であるクリーング装置6が設置されている。
【0033】
次に、上記した本実施例の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0034】
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピード(本実施形態では、117mm/sec)で回転駆動される画像形成部101Y〜101Kにそれぞれ備えられた各感光ドラム102a〜102dは、それぞれ帯電ローラ103a〜103dによって一様に、本実施例では負極性の所定電位(本実施例では、約−650V)に、帯電される。
【0035】
そして、露光装置107a〜107dは、ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、各ミラー110a、110b、110c、110dを介して帯電された各感光ドラム102a〜102d上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。
【0036】
そして、先ず感光ドラム102a上に形成された静電潜像に、感光ドラム102aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置104aにより、イエローのトナーを付着させて反転現像を行い、トナー像として可視像化する。本実施例における現像バイアスは、DC成分;−400V、AC成分;1.5kVpp、周波数;3kHz、波形;矩形波にて構成される、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスとした。
【0037】
そして、このイエローのトナー像は、一次転写部Taにて転写バイアス電源109aから一次転写バイアス(本実施例では、+10μAの定電流制御)が印加された一次転写ローラ105aにより、移動(回転)している中間転写ベルト108上に一次転写される。
【0038】
中間転写ベルト108のイエローのトナー像が転写された部分は、駆動ローラ111の駆動によって画像形成部101M側に移動される。そして、画像形成部101Mにおいても、同様にして感光ドラム102b上に形成されたマゼンタのトナー像が、一次転写部Tbにて一次転写バイアス電源109bから一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ105bにより、中間転写ベルト108上のイエローのトナー像上に重ね合わせて転写される。
【0039】
以下、同様にして中間転写ベルト108上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部101C、101Kの感光ドラム102c、102dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を、各一次転写部Tc、Tdにて各転写バイアス電源109c、109dから一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ105c、105dにより、それぞれの色のトナー像を順次重ね合わせて転写して、4色のトナー像の複合現像剤像である、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト108上に形成する。
【0040】
そして、中間転写ベルト108上に形成されたフルカラーのトナー像は、二次転写に先立って、電荷付与手段としてのコロナ帯電器である二次転写前帯電器114からの電荷付与を受ける。
【0041】
二次転写前帯電器114は、駆動ローラ111に中間転写ベルト108を挟んで対向して設置されて、電荷付与バイアス供給手段としての二次転写前帯電バイアス源117から、本実施例では、DC=−3kV、AC=4kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−150μAの条件で二次転写前帯電バイアスとしての電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0042】
この二次転写前帯電工程により中間転写ベルト108上のトナートリボが、この帯電前の−17μC/g程度から帯電後に−35μC/g程度に上昇する。
【0043】
そして、中間転写ベルト108上のフルカラーのトナー像先端が転写手段である二次転写ローラ119と二次転写対向ローラ112との対向部である二次転写部Tn2に移動されるタイミングに合わせて、搬送された用紙などの転写媒体である転写材Pをこの二次転写部Tn2に搬送して、二次転写バイアス電源120からトナーと逆極性の二次転写バイアス(本実施例では、+20μA)が印加された二次転写ローラ119により、転写材P上にフルカラーのトナー像が一括して転写(二次転写)される。
【0044】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは定着装置21に搬送され、定着装置21の定着ローラ21aと加圧ローラ21b間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0045】
尚、上記した一次転写時において、感光ドラム102a〜102d上に残留している一次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置106a〜106dによってそれぞれ除去されて回収される。
【0046】
そして、二次転写後に中間転写ベルト108表面に残った二次転写残トナーは、クリーニング装置6によって除去されて回収される。
【0047】
一方、転写材Pの搬送ジャム等が生じて、上記画像形成動作が停止された場合等に、中間転写ベルト108上に二次転写工程を経ていないトナーが残留することがある。
【0048】
本発明においては、こうして残留したトナー像は、コロナ帯電器である二次転写前帯電器114からの電荷付与をうけるクリーニング前帯電工程が設けられ、クリーニング前帯電工程を経た後、クリーニング装置6によりクリーニングされる。
【0049】
ここで、像担持体である中間転写ベルト108上のトナーの清掃手段となる、クリーニング装置6の詳細について、図2に従って説明する。
【0050】
本実施例では、クリーニング装置6は、板状部材であるブレード61、加圧部62、トナー搬送スクリュー63から構成される。
【0051】
ブレード61は、中間転写ベルト108に当接するウレタンゴム等を材質とするエラストマ部61aと、エラストマ部61aを支持する板金部61bから構成される。加圧部62は板金部61bを加圧することで、ブレード61を中間転写ベルト108に一定の圧力(本実施例では35N/m)をかけて当接させる。
【0052】
又、ブレード61により掻き落とされた廃トナーは、トナー搬送スクリュー63により廃トナー容器(不図示)へと搬送・収容される。
【0053】
従来例に説明したように、このような板状部材であるブレードによってクリーニングを行う中間転写ベルトクリーニング手段を設け、更に二次転写前帯電を行ったために二次転写後の残留トナーが少なくなった状態で、ここでは中間転写ベルトである像担持体のクリーニングを行う画像形成装置においては、ジャム時等の二次転写を行わない大量のトナーをクリーニングする場合において、像担持体とブレードとの間の摩擦力の増大によるブレードの振動を原因としたクリーニング不良が生じがちであった。
【0054】
本発明では、以上に説明した本実施例のように、表面にトナー像が形成され、移動する、本実施例では中間転写ベルト108である像担持体を有し、像担持体移動方向で像担持体にトナー像が形成される位置より下流且つ像担持体からそのトナー像が他の媒体に転写される位置の上流の位置に、ここでは二次転写前帯電器114である電荷付与手段を有す画像形成装置において、電荷付与手段は、その像担持体からの転写が行なわれるトナー像に対しては、転写前帯電器として機能し、又、ジャム時等の理由で、その像担持体からの転写が行われないトナー像に対しては、クリーニング前帯電器として機能する。
【0055】
本実施例では、クリーニング前帯電器として機能する時は、二次転写前帯電器114は、二次転写前帯電バイアス源117から、DC=0kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波の条件で電荷付与バイアスであるクリーニング前帯電バイアスの供給を受けている。
【0056】
つまり、二次転写前帯電器114が、通常の前述の画像形成工程を経て形成された二次転写工程を行われるトナー像を二次転写前帯電するときは、DC=−3kV、AC=4kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−150μAの条件の、二次転写前帯電バイアスである電荷付与バイアスが印加されるのに対して、転写行為を行わない中間転写ベルト108上のトナーに対してはDC成分のバイアスが印加されてないところが特徴である。
【0057】
転写行為を施さないトナー像に対しては、二次転写前帯電器114に供給されるバイアスを、転写を施すトナー像に電荷を付与する時と異なるバイアスにすることで、即ち、本実施例においては、クリーニング前帯電バイアスとして交流成分のみのバイアスを用いることでトナー像を除電し、ジャム時等に除去するトナーが大量であっても、良好に中間転写ベルト108をクリーニングできる。
【0058】
この二次転写前帯電器114によるクリーニング前帯電工程により中間転写ベルト108上のトナートリボは、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−7μC/g程度に低下する。
【0059】
ここで、一方、前述したように、通常の画像形成工程を経て中間転写体108上に作成され二次転写が行われる前のトナー像を二次転写前帯電する際のトナーのトリボは、−17μC/gから−35μC/g程度に上昇させた。
【0060】
つまり、本実施例では、二次転写前帯電器114による帯電工程前のトナートリボを基準として、二次転写工程を行うトナーに対しては、トナーの極性とは同極性の電荷を付与するのに対し、二次転写工程を行わないトナーに対しては、トナーの極性とは逆極性の電荷を付与する。
【0061】
このことによって、通常の画像形成時に転写媒体である転写材に転写されるトナー像に対してはトナートリボを上昇させ、転写効率を上昇させることができ、又、ジャム時等に形成された二次転写を行わないトナー像に関しては、トリボを下げて除電し、除去しやすくできる。
【0062】
こうした本発明の特徴について、次に、上述した本実施例に於ける、二次転写を行わない中間転写ベルト上のトナーを二次転写前帯電と逆極性に帯電するクリーニング前帯電工程による効果を実験例1にて説明する。
【0063】
実験例1
本実施例1のクリーニング前帯電工程を行った場合と、比較例1としてクリーニング前帯電工程を行わなかった場合で、クリーニング不良の発生レベルを比較検討した。
【0064】
比較検討は、以下の手順で行った。
【0065】
1:低湿低温環境(ここでは15℃/10%RH)において、A3サイズ普通紙を100ページ連続通紙させた後、マゼンタベタ画像を中間転写ベルト108上に形成させたところで、意図的に転写材ジャムを発生させて装置を停止させる。
【0066】
2:そして、転写材ジャムのリカバー動作を行うことで、二次転写工程を経ない中間転写ベルト108上のトナー像をクリーニング装置6によりクリーニングさせる。
【0067】
3:その後、クリーニング不良などによるトナースジなどが中間転写ベルト108上に存在するかを目視で確認して、クリーニング不良の発生を判断した。
【0068】
本実施例1に於けるクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記の比較検討を20回行ったところ、クリーニング不良の発生は全く確認されなかった。
【0069】
一方、比較例1のクリーニング前帯電工程を行わなかった場合は、上記比較検討を20回行ったところ、その内の3回でクリーニング不良の発生が確認できた。
【0070】
4:次に、低湿低温環境(ここでは15℃/10%RH)において、A3サイズ普通紙を100ページ連続通紙させた後、Blueベタ(マゼンタベタとシアンベタの2次色)画像を中間転写ベルト108上に形成させたところで、意図的に転写材ジャムを発生させて装置を停止させる。
【0071】
5:そして、転写材ジャムのリカバー動作を行うことで、二次転写工程を経ない中間転写ベルト108上のトナー像をクリーニング装置6によりクリーニングさせる。
【0072】
6:その後、クリーニング不良等によるトナースジなどが中間転写ベルト108上に存在するかを目視で確認して、クリーニング不良の発生を判断した。
【0073】
本実施例1であるクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記の比較検討を20回行ったところ、クリーニング不良の発生は全く確認されなかった。
【0074】
一方、比較例1のクリーニング前帯電工程を行わなかった場合は、上記比較検討を20回行ったところ、その内の12回でクリーニング不良の発生が確認できた。
【0075】
実験例1から考察される本発明の効果を説明する。
【0076】
実験例1の結果より、中間転写ベルト108上の残留トナーのトナートリボをクリーニング前帯電工程により下げることで、トナーが中間転写ベルト108に付着する鏡映力の効果を低下させて、残留トナーがクリーニングブレードにより掻き落とされやすくすることが出来ることがわかる。
【0077】
これにより、転写材Pの搬送ジャムなどが生じて上記画像形成動作が中止された時に、中間転写ベルト8上に転写工程を経ずに残留した大量のトナー像をクリーニングする場合に懸念されるクリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0078】
又、クリーニング前帯電には二次転写前帯電器114を用いるため、クリーニング不良の発生を抑制するための新たな帯電器を追加する必要がないため、装置の大型化やコスト上昇を招くことがない。
【0079】
上記クリーニング前帯電工程は、ジャム後のクリーニングの他に、濃度調整用画像や、レジストレーション調整用画像、クリーニングブレード捲れ防止用画像など、ここでは中間転写ベルト108である像担持体上に形成された後、転写工程を経ずにクリーニングされる画像全般に対して行われる。
【0080】
上記濃度調整用画像とは、像担持体上に形成した所定の画像の光学濃度を濃度センサで測定し、この測定結果に基づいて現像バイアスや帯電バイアスや転写バイアスを制御及び調整することで、画像濃度を所定の値に調整するためのものである。
【0081】
又、上記レジストレーション調整用画像とは、各画像形成部から像担持体上に形成した所定の各色画像の相対位置を、CCDや発光素子と受光素子を有するセンサで測定し、この測定結果に基づいて各画像形成部における画像形成開始タイミングの制御及び調整や、各露光装置により形成される静電潜像の変更や、各感光ドラムの移動速度の制御及び調整や、像担持体の移動速度を制御及び調整することで各色画像の相対的な位置ズレを修正するためのものである。
【0082】
又、上記クリーニングブレード捲れ防止用画像とは、クリーニングブレードと像担持体のニップ部に存在するトナーが減少することで、クリーニングブレードと像担持体との摩擦力が増加し、クリーニングブレードと像担持体が摺動せずにタックする事でブレードが破損することを防止するために像担持体上に形成する画像のことである。通常の画像形成を行っていないタイミングで、像担持体上に横帯画像等を形成して、クリーニングブレードと像担持体とのニップ部にトナーを供給することでブレード破損を防止している。
【0083】
このように、上述した本実施例におけるクリーニング前帯電工程を実施することで、装置の大型化やコストの上昇を招くことなく、クリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0084】
本実施例は、上述した画像形成装置の他に、画像形成部を1つしか有さない単色画像形成装置にも適用できるのは言うまでもない。ただし、上述したような像担持体上に複数色トナーによる複合現像剤像を形成する画像形成装置においては、単色画像形成装置に比べて、ジャム時などにクリーニングするトナー量が一般的に多くなることでクリーニング不良の発生する頻度が高くなるため、本実施例で上述したクリーニング前帯電工程の効果はより顕著である。
【0085】
又、本実施例では、清掃手段としてのクリーニング手段として、像担持体に接触させたブレードを有するものを用いたが、ローラ状やブラシ状のものでも、像担持体に対する摩擦力の増大のために接触状態が不良になり、本発明の課題となるクリーニング不良が生じるので、本発明は効果的に適用できる。
【0086】
又、本発明にて現像剤が作成される像担持体としては、ベルト状の中間転写体が用いられたが、ドラム状でもよく、その形状は限定されるものではない。又、実施例2にて説明する感光体が用いられることもある。
【0087】
以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0088】
実施例2
図3は、本発明の実施例2に係る画像形成装置である電子写真方式のプリンタ等のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【0089】
本実施例においては、本発明に係る、表面にトナー像が形成され、転写前にトナー像に電荷を付与する電荷付与手段や、表面のトナーを除去する清掃手段が設置される像担持体として、ベルト状の感光体を用いる。感光体の形状はドラム状でもよい。
【0090】
この画像形成装置は、像担持体として、感光ベルト2を用い、感光ベルト2の周囲に、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Kの4つの現像剤像形成部(画像形成部)を備えており、これら4つの画像形成部は一定の間隔をおいて配置されている。
【0091】
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kには、感光ベルト2に対向して、帯電装置3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4dがそれぞれ設置されている。また、各々の帯電装置3a、3b、3c、3dと現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。
【0092】
感光ベルト2は、本実施例では負帯電の有機感光ベルトであり、外径470mmであり、ポリカーボンなどの樹脂フィルム上にアルミニウムを蒸着して形成した導電層上にOPC感光層を有している。感光ベルト2は、駆動ローラ11と転写対向ローラ12と従動ローラ13によって張架されており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(時計方向)に所定の移動速度(プロセススピード)で駆動される。
【0093】
帯電装置3a〜3dは、コロナ放電による非接触帯電装置であり、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ベルト2表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0094】
露光装置7a〜7dは、ホストコンピュータ(不図示)からそれぞれ入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光で感光ベルト2表面を画像露光することにより、各帯電装置3a〜3dで帯電された感光ベルト2表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0095】
現像装置4a〜4dは、非接触二成分現像方式であり、現像バイアス電源(不図示)から印加される現像バイアスによって、各露光装置7a〜7dにより感光ベルト2上に形成される静電潜像にトナーを付着させて、トナー像として反転現像する。各現像装置4a〜4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0096】
各画像形成部1Y〜1Kにより、移動する感光ベルト2表面に各色トナー像を順次重ね合わせて画像形成する。
【0097】
感光ベルト2の移動方向に対して、最下流の画像形成部1Kの下流側で、且つ転写媒体である転写材Pにトナー像を転写する転写手段である転写ローラ19による転写部Tn1の上流側に、感光ベルト2上に形成されたトナー像に電荷を付与する電荷付与手段である転写前帯電器14が設置されている。又、転写手段である転写ローラ19による転写部Tn1の下流側で、且つ、最上流の画像形成部1Yの上流側には、清掃手段であるクリーニング装置6が設置されている。
【0098】
次に、上記した本実施例の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0099】
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピード(本実施形態では、117mm/sec)で駆動される感光ベルト2は、各画像形成部1Y〜1Kのそれぞれの帯電装置3a〜3dによって一様に、本実施例では負極性の所定電位(本実施形態では、約−650V)に、帯電される。そして、露光装置7a〜7dは、ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、帯電された感光ベルト2上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。
【0100】
そして、先ず最上流の画像形成部1Yの露光装置7aにより感光ベルト2上に形成された静電潜像に、感光ベルト2の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによりイエローのトナーを付着させて反転現像を行い、トナー像として可視像化する。本実施例における現像バイアスは、DC成分;−400V、AC成分;1.5kVpp、周波数;3kHz、波形;矩形波の条件で、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスとした。
【0101】
イエローのトナー像が形成された感光ベルト2は、駆動装置(不図示)によって次の画像形成部1M側に移動される。そして、画像形成部1Mにおいても、同様にして感光ベルト2上のイエローのトナー像上に重ね合わせてマゼンタのトナー像が形成される。
【0102】
以下、同様にして感光ベルト2上に重畳形成されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C、1Kで形成されたシアン、ブラックのトナー像を順次重ね合わせて形成した4色のトナー像の複合現像剤像であるフルカラーのトナー像を感光ベルト2上に形成する。
【0103】
そして、感光ベルト2上に形成されたフルカラーのトナー像は、転写材Pへの転写に先立って、電荷付与手段であるコロナ帯電器である転写前帯電器14からの電荷付与を受ける。
【0104】
転写前帯電器14は、感光ベルト2に対向して設置されて、電荷付与バイアス供給手段としての転写前帯電バイアス源17から、本実施例では、DC=−1.2kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−50μA、の条件で転写前帯電バイアスである電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0105】
本実施例のコロナ帯電器構成においては、転写前帯電バイアス源17から供給されるDC成分総電流のうちのおよそ1/7が、転写前帯電器14から感光ベルト2に流れ込む。
【0106】
この転写前帯電工程により感光ベルト2上のトナートリボが、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−35μC/g程度に上昇する。
【0107】
そして、感光ベルト2上のフルカラーのトナー像先端が、感光ベルト2と転写ローラ19との間の転写部Tn1に移動されるタイミングに合わせて、搬送された用紙などの転写媒体である転写材Pをこの転写部に搬送して、転写バイアス電源20からトナーと逆極性の転写バイアス(本実施例では、+20μA)が印加された転写手段である転写ローラ19により、転写材P上にフルカラーのトナー像が一括して転写される。
【0108】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは定着装置21に搬送され、定着装置21の定着ローラ21aと加圧ローラ21b間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0109】
そして、上記した転写工程において、感光ベルト2上に残留している転写残トナーは、クリーニング装置6によって除去されて回収される。
【0110】
一方、転写材Pの搬送ジャム等が生じて、上記画像形成動作が停止された場合等に、感光ベルト2上に転写工程を経ていないトナーが残留することがある。
【0111】
本発明においては、残留したトナー像は、コロナ帯電器である転写前帯電器14からの電荷付与をうけるクリーニング前帯電工程が設けられ、クリーニング前帯電工程を経た後、クリーニング装置6によりクリーニングされる。
【0112】
一方、本実施例においても、転写材Pの搬送ジャム等が生じて、上記画像形成動作が停止された場合等に、又、実施例1に説明した濃度調整用画像やレジストレーション調整用画像やクリーニングブレード捲れ防止用画像が形成された場合等に、感光ベルト2上に転写工程を経ていないトナーが残留することがある。
【0113】
本実施例においても、こうして残留したトナー像は、コロナ帯電器である転写前帯電器14からの電荷付与をうけるクリーニング前帯電工程が設けられ、クリーニング前帯電工程を経た後、クリーニング装置6によりクリーニングされる。
【0114】
本実施例においても、ここで、本発明の特徴部となる像担持体である感光ベルト2のトナーの清掃手段となるクリーニング装置6の構成は、実施例1にて説明した図2に示したものと同様に、感光ベルト2に当接し、感光ベルト2上のトナーを掻き取るブレード61を有するものである。
【0115】
ここでは、感光ベルト2である像担持体移動方向で像担持体にトナー像が形成される位置より下流且つ像担持体からそのトナー像が他の媒体に転写される位置の上流の位置に、ここでは転写前帯電器14である電荷付与手段を有し、電荷付与手段は、その像担持体からの転写が行なわれるトナー像に対しては、転写前帯電器として機能し、又、ジャム時等の理由で、その像担持体からの転写が行われないトナー像に対しては、クリーニング前帯電器として機能する。
【0116】
転写前帯電バイアス源17からクリーニング前バイアスとして、本実施例では、DC=+0.5kV、AC=7.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ+3μAの条件で、電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0117】
つまり、転写前帯電器14が、通常の前述の画像形成工程を経て形成された転写工程を行われるトナー像を転写前帯電するときは、DC=−1.2kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−50μA、の条件で転写前帯電バイアスが供給されるのに対して、ジャム時等の転写工程を行わないトナー像をクリーニング前帯電するときは、転写前帯電バイアスとは異なった電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0118】
そして、ここでは、クリーニング前帯電バイアスとして交流成分だけでなく、トナー像と逆極性の直流成分を重畳することで、トナー像と逆極性の電荷を積極的にトナー像に付与することができ、トナー像のトナートリボを効果的に下げることが可能になる。
【0119】
この転写前帯電器14によるクリーニング前帯電工程により感光ベルト2上のトナートリボは、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−3μC/g程度に低下する。
【0120】
つまり、転写前帯電器14によって、帯電前の−17μC/gを基準とすると、感光ベルト2上に形成されたトナー像のうち、転写行為が行われるトナー像に対してはトナーと同極性に帯電され、転写行為が行われないトナーに対しては、トナーと逆極性に帯電される。
【0121】
このことによって、通常の画像形成時に転写媒体である転写材に転写されるトナー像に対してはトナートリボを上昇させ、転写効率を上昇させることができ、又、ジャム時等に形成された転写を行わないトナー像に関しては、トリボを下げて除電し、除去しやすくできる。
【0122】
次に、実験例2において、上述した本実施例2におけるクリーニング前帯電工程による効果を述べる。
【0123】
実験例2
本実施例であるクリーニング前帯電工程を行った場合と、比較例2としてクリーニング前帯電バイアスとして交流成分のみのバイアス(実施例1と同様の、DC=0kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波)を用いた場合で、クリーニング不良の発生レベルを比較検討した。比較例2のクリーニング前帯電バイアスによるクリーニング前帯電工程により、感光ベルト2上のトナートリボは、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−7μC/g程度に低下する。
【0124】
比較検討は、以下の手順で行った。
【0125】
1:低湿低温環境(ここでは15℃/10%RH)において、A3サイズ普通紙を100ページ連続通紙させた後、Blueベタ(マゼンタベタとシアンベタの2次色)画像を中間転写ベルト8上に形成させたところで、意図的に転写材ジャムを発生させて装置を停止させる。
【0126】
2:そして、転写材ジャムのリカバー動作を行うことで、転写工程を経ない感光ベルト2上のトナー像をクリーニング装置6によりクリーニングさせる。
【0127】
3:その後、クリーニング不良などによるトナースジなどが感光ベルト2上に存在するかを目視で確認して、クリーニング不良の発生を判断した。
【0128】
本実施例2であるクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記の比較検討を20回行ったところ、クリーニング不良の発生は全く確認されなかった。
【0129】
一方、比較例2の交流成分のみの電荷付与バイアスを供給したクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記比較検討を20回行ったところ、その内の1回でクリーニング不良の発生が確認できた。
【0130】
上述した本実施例の効果を説明する。
【0131】
本実施例のクリーニング前帯電バイアスのような、交流成分にトナー像と逆極性の直流成分を重畳したバイアスを用いてトナー像と逆極性の電荷付与を行うことで、感光ベルト2上の残留トナーのトナートリボを効果的に下げることできるため、感光ベルト2のように鏡映力が強く働くことでトナーが強く像担持体に付着する場合においても、十分なクリーニング性を確保できる。
【0132】
これにより、転写材Pの搬送ジャムなどが生じて上記画像形成動作が中止された時に、感光ベルト2上に転写工程を経ずに残留した大量のトナー像をクリーニングする場合に懸念されるクリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0133】
このように本実施形態におけるクリーニング前帯電工程により、上記実施例1で上述した効果と同様に、装置の大型化やコストの上昇を招くことなく、クリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、現像剤像を担持して移動する像担持体と、現像剤像を転写部にて前記像担持体より転写媒体に転写する転写手段と、像担持体移動方向にて転写部の下流にて、像担持体上から現像剤を除去する清掃手段と、像担持体の移動方向にて現像剤像形成部の下流側且つ転写部の上流側の位置に設置され、像担持体上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段と、電荷付与手段に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段と、を有する画像形成装置において、電荷付与手段は、転写行為を行わない場合においても、像担持体上の現像剤に対して電荷を付与し、その場合において電荷付与手段に供給される電荷付与バイアスは、像担持体上の現像剤像が転写部にて転写媒体に転写される場合において電荷付与手段に供給される電荷付与バイアスと異なる、ことにより、像担持体上に、複数の現像剤像が重畳された複合現像剤像を形成する場合においても、装置の大型化やコスト上昇を招かずにクリーニング不良の発生を抑制できる。
【0135】
又、像担持体上の現像剤像が転写部にて転写媒体に転写される場合においては、電荷付与手段によって、像担持体上の現像剤像に、それと同極性の電荷が付与され、像担持体上の現像剤に対して転写行為を行わない場合においては、電荷付与手段によって、像担持体上の現像剤にそれと逆極性の電荷が付与される、ことによって、更にその効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る清掃手段の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1Y、1M、1C、1K 画像形成部
2 感光ベルト(像担持体)
6 クリーニング装置(清掃手段)
12 転写ローラ(転写手段)
14 転写前帯電器(電荷付与手段)
17 転写前帯電バイアス源(電荷付与バイアス供給手段)
101Y、101M、101C、101K 画像形成部
102a、102b、102c、102d 感光ドラム
108 中間転写ベルト(像担持体)
112 二次転写ローラ(転写手段)
114 二次転写前帯電器(電荷付与手段)
117 二次転写前帯電バイアス源(電荷付与バイアス供給手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等によって画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置として、転写媒体、例えば用紙等の転写材への転写工程に先立ち、像担持体上に形成された現像剤像(トナー像)に対して電荷付与手段としての転写前帯電器により現像剤(トナー)と同極性の電荷付与をしてトナー像のトナートリボ値を増加させることで、この後に続く転写効率の向上を図る技術が、例えば、特許文献1等により提案されている。
【0003】
ここでの転写効率とは、転写工程において像担持体上のトナーが転写材等の転写媒体上に転写される効率のことである。
【0004】
尚、この場合の像担持体とは、表面に露光手段により静電潜像が形成され、該静電潜像が現像装置にて現像されて、表面にトナー像が形成される感光ドラムや感光ベルト等の感光体のことか、又は、感光体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体のことであり、表面にトナー像が形成され、それを担持して、担持面を移動させてトナー像が転写材等の転写媒体に転写される転写部まで搬送する媒体のことである。
【0005】
そして、像担持体のトナー像担持面移動方向で転写部の下流の位置には、像担持体表面に、像担持体からの転写後に残留した転写残トナー等の付着トナーを除去するための清掃手段が設けられており、余分なトナーを像担持体より除去した後、新たなトナー像が像担持体上に形成される。
【0006】
【特許文献1】
特開平04−109278号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した画像形成装置においては、転写前帯電工程により、像担持体のトナー像の転写効率が上昇するため、通常の画像形成時に於ける像担持体上の残留トナー量は少なくなり、清掃手段に到達する残留トナー量は減る。
【0008】
一方、上述した画像形成装置においては、清掃手段は、ジャム時などに像担持体上の転写工程を経ない大量のトナーを清掃する場合もある。
【0009】
清掃手段として、像担持体との接触部にゴム部材を有する板状部材であるクリーニングブレードを像担持体に当接して残留トナーを掻き落とすことで像担持体の清掃を行う、いわゆるブレードタイプの清掃手段が一般に用いられる。
【0010】
その場合に、通常の画像形成中に清掃手段に到達する残留トナー量が減ると、ジャム時などの大量のトナーをクリーニングする場合にクリーニング不良が発生してしまう現象が確認された。
【0011】
上記クリーニング不良発生のメカニズムは、以下のように考えられる。
【0012】
クリーニングブレードと像担持体のニップ部には、予めブレードの像担持体と接触する部分に塗布されている潤滑剤や、クリーニングした残留トナー等が、存在することで、ブレードと像担持体とは適度な摩擦力を有する状態が継続して、ブレード部分を像担持体表面が滑らかに移動して、像担持体表面をクリーニングすることができる。
【0013】
ただし、上述した従来の画像形成装置のように転写前帯電工程を有する画像形成装置においては、通常の画像形成時にクリーニングブレードに供給される残留トナー量が少なくなるため、ブレードと像担持体の摩擦力は大きくなる。
【0014】
この摩擦力が大きくなると、ブレード部分を像担持体表面が滑らかに移動できなくなり、ブレードと像担持体表面は密着と滑りを繰り返して、ブレードが振動しながら像担持体表面が移動する挙動が見られるようになる。
【0015】
このブレードの振動で像担持体に対するブレードの当接が不安定になり、特に大量のトナーを清掃する場合に、トナーがブレードと像担持体のニップに侵入しやすくなり、クリーニング不良が発生すると考えられる。
【0016】
従って、本発明の目的は、像担持体上に形成された現像剤像に対して、転写前に電荷を付与する電荷付与手段を設けた画像形成装置において、装置の大型化やコスト上昇を招くことなく、像担持体のクリーニング不良の発生を抑制する画像形成装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、表面に現像剤像が形成され、それを担持して移動する像担持体と、現像剤像を転写部にて前記像担持体より転写媒体に転写する転写手段と、前記像担持体移動方向にて前記転写部の下流にて前記像担持体と対向し、前記像担持体上から現像剤を除去する清掃手段と、前記像担持体の移動方向にて現像剤像形成部の下流側且つ前記転写部の上流側の位置に設置され、前記像担持体上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段と、該電荷付与手段に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段と、を有する画像形成装置において、
前記電荷付与手段は、前記像担持体上の現像剤の転写行為が行われない場合においても、前記像担持体上の現像剤に対して電荷を付与し、その場合において前記電荷付与手段に供給される前記電荷付与バイアスは、前記像担持体上の現像剤像が前記転写部にて前記転写媒体に転写される場合において前記電荷付与手段に供給される前記電荷付与バイアスと異なる、ことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0018】
本発明の一実施態様によると、前記像担持体上に形成される現像剤像は、複数の現像剤像が重ねられて形成された、複合現像剤像である。
【0019】
本発明の他の実施態様によると、前記像担持体上の現像剤像が前記転写部にて前記転写媒体に転写される場合においては、前記電荷付与手段によって、前記像担持体上の現像剤像にそれと同極性の電荷が付与され、
前記像担持体上の現像剤に対して転写行為を行わない場合においては、前記電荷付与手段によって、前記像担持体上の現像剤にそれと逆極性の電荷が付与される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0021】
実施例1
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置である電子写真方式のプリンタ等のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【0022】
この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部101Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部101Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部101Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部101Kの4つの現像剤像形成部(画像形成部)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。
【0023】
各画像形成部101Y〜101Kには、それぞれ第一の像担持体としての感光ドラム102a、102b、102c、102dが設置されている。各感光ドラム102a〜102dの周囲には、帯電ローラ103a、103b、103c、103d、現像装置104a、104b、104c、104d、転写ローラ105a、105b、105c、105d、ドラムクリーニング装置106a、106b、106c、106dがそれぞれ設置されており、帯電ローラ103a〜103dと現像装置104a〜104d間の上方には露光装置107a、107b、107c、107dがそれぞれ設置されている。
【0024】
感光ドラム102a〜102dは、本実施例では負帯電の有機感光ドラムで外径30.0mmであり、アルミニウム等のドラム基体上にOPC感光層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)にそれぞれ所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0025】
接触帯電手段としての帯電ローラ103a〜103dは、それぞれ感光ドラム102a〜102dに所定の圧接力で接触し、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって、各感光ドラム102a〜102d表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0026】
露光装置107a〜107dは、ホストコンピュータ(不図示)からそれぞれ入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光で各感光ドラム102a〜102d表面を画像露光することにより、各帯電ローラ103a〜103dで帯電された各感光ドラム102a〜102d表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0027】
現像装置104a〜104dは、本実施例では二成分現像方式であり、現像バイアス電源(不図示)から印加される現像バイアスによって、各感光ドラム102a〜102d上に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて、トナー像として反転現像する。各現像装置104a〜104dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0028】
接触転写手段としての転写ローラ105a〜105dは、中間転写体としての中間転写ベルト108を介して各感光ドラム102a〜102d表面に所定の押圧力で接触している。そして、各転写バイアス電源109a、109b、109c、109dから印加される前記トナーと逆極性の転写バイアスにより、各感光ドラム102a〜102d表面の各色トナー像を、感光ドラム102a〜102dと転写ローラ105a〜105d間の各一次転写部Ta、Tb、Tc、Tdにおいて、移動する第二の像担持体であるベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)108上に順次重ね合わせて転写(一次転写)する。
【0029】
中間転写ベルト108は、駆動ローラ111と二次転写対向ローラ112と従動ローラ113によって張架されており、駆動ローラ111の回転駆動によって、感光ドラム102a〜102dの回転に同期して矢印方向に移動(回転)する。
【0030】
中間転写ベルト108の張架張力は、従動ローラ113に対して不図示の加圧手段により、中間転写ベルト108と駆動ローラ111とがスリップしないように、98Nの荷重がかけられている。
【0031】
本実施例では、中間転写ベルト108の移動方向に対して、最下流の感光ドラム102dの下流側で且つ二次転写対向ローラ112と転写手段である二次転写ローラ119の対向部である二次転写部Tn2の上流側に位置する、駆動ローラ111近傍には二次転写前帯電器114が設置されている。
【0032】
又、中間転写ベルト108移動方向で二次転写部Tn2の下流側、つまり二次転写対向ローラ112と従動ローラ113との間の中間転写ベルト108の表面近傍には、中間転写ベルト108上のトナーを除去するための清掃手段であるクリーング装置6が設置されている。
【0033】
次に、上記した本実施例の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0034】
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピード(本実施形態では、117mm/sec)で回転駆動される画像形成部101Y〜101Kにそれぞれ備えられた各感光ドラム102a〜102dは、それぞれ帯電ローラ103a〜103dによって一様に、本実施例では負極性の所定電位(本実施例では、約−650V)に、帯電される。
【0035】
そして、露光装置107a〜107dは、ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、各ミラー110a、110b、110c、110dを介して帯電された各感光ドラム102a〜102d上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。
【0036】
そして、先ず感光ドラム102a上に形成された静電潜像に、感光ドラム102aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置104aにより、イエローのトナーを付着させて反転現像を行い、トナー像として可視像化する。本実施例における現像バイアスは、DC成分;−400V、AC成分;1.5kVpp、周波数;3kHz、波形;矩形波にて構成される、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスとした。
【0037】
そして、このイエローのトナー像は、一次転写部Taにて転写バイアス電源109aから一次転写バイアス(本実施例では、+10μAの定電流制御)が印加された一次転写ローラ105aにより、移動(回転)している中間転写ベルト108上に一次転写される。
【0038】
中間転写ベルト108のイエローのトナー像が転写された部分は、駆動ローラ111の駆動によって画像形成部101M側に移動される。そして、画像形成部101Mにおいても、同様にして感光ドラム102b上に形成されたマゼンタのトナー像が、一次転写部Tbにて一次転写バイアス電源109bから一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ105bにより、中間転写ベルト108上のイエローのトナー像上に重ね合わせて転写される。
【0039】
以下、同様にして中間転写ベルト108上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部101C、101Kの感光ドラム102c、102dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を、各一次転写部Tc、Tdにて各転写バイアス電源109c、109dから一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ105c、105dにより、それぞれの色のトナー像を順次重ね合わせて転写して、4色のトナー像の複合現像剤像である、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト108上に形成する。
【0040】
そして、中間転写ベルト108上に形成されたフルカラーのトナー像は、二次転写に先立って、電荷付与手段としてのコロナ帯電器である二次転写前帯電器114からの電荷付与を受ける。
【0041】
二次転写前帯電器114は、駆動ローラ111に中間転写ベルト108を挟んで対向して設置されて、電荷付与バイアス供給手段としての二次転写前帯電バイアス源117から、本実施例では、DC=−3kV、AC=4kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−150μAの条件で二次転写前帯電バイアスとしての電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0042】
この二次転写前帯電工程により中間転写ベルト108上のトナートリボが、この帯電前の−17μC/g程度から帯電後に−35μC/g程度に上昇する。
【0043】
そして、中間転写ベルト108上のフルカラーのトナー像先端が転写手段である二次転写ローラ119と二次転写対向ローラ112との対向部である二次転写部Tn2に移動されるタイミングに合わせて、搬送された用紙などの転写媒体である転写材Pをこの二次転写部Tn2に搬送して、二次転写バイアス電源120からトナーと逆極性の二次転写バイアス(本実施例では、+20μA)が印加された二次転写ローラ119により、転写材P上にフルカラーのトナー像が一括して転写(二次転写)される。
【0044】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは定着装置21に搬送され、定着装置21の定着ローラ21aと加圧ローラ21b間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0045】
尚、上記した一次転写時において、感光ドラム102a〜102d上に残留している一次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置106a〜106dによってそれぞれ除去されて回収される。
【0046】
そして、二次転写後に中間転写ベルト108表面に残った二次転写残トナーは、クリーニング装置6によって除去されて回収される。
【0047】
一方、転写材Pの搬送ジャム等が生じて、上記画像形成動作が停止された場合等に、中間転写ベルト108上に二次転写工程を経ていないトナーが残留することがある。
【0048】
本発明においては、こうして残留したトナー像は、コロナ帯電器である二次転写前帯電器114からの電荷付与をうけるクリーニング前帯電工程が設けられ、クリーニング前帯電工程を経た後、クリーニング装置6によりクリーニングされる。
【0049】
ここで、像担持体である中間転写ベルト108上のトナーの清掃手段となる、クリーニング装置6の詳細について、図2に従って説明する。
【0050】
本実施例では、クリーニング装置6は、板状部材であるブレード61、加圧部62、トナー搬送スクリュー63から構成される。
【0051】
ブレード61は、中間転写ベルト108に当接するウレタンゴム等を材質とするエラストマ部61aと、エラストマ部61aを支持する板金部61bから構成される。加圧部62は板金部61bを加圧することで、ブレード61を中間転写ベルト108に一定の圧力(本実施例では35N/m)をかけて当接させる。
【0052】
又、ブレード61により掻き落とされた廃トナーは、トナー搬送スクリュー63により廃トナー容器(不図示)へと搬送・収容される。
【0053】
従来例に説明したように、このような板状部材であるブレードによってクリーニングを行う中間転写ベルトクリーニング手段を設け、更に二次転写前帯電を行ったために二次転写後の残留トナーが少なくなった状態で、ここでは中間転写ベルトである像担持体のクリーニングを行う画像形成装置においては、ジャム時等の二次転写を行わない大量のトナーをクリーニングする場合において、像担持体とブレードとの間の摩擦力の増大によるブレードの振動を原因としたクリーニング不良が生じがちであった。
【0054】
本発明では、以上に説明した本実施例のように、表面にトナー像が形成され、移動する、本実施例では中間転写ベルト108である像担持体を有し、像担持体移動方向で像担持体にトナー像が形成される位置より下流且つ像担持体からそのトナー像が他の媒体に転写される位置の上流の位置に、ここでは二次転写前帯電器114である電荷付与手段を有す画像形成装置において、電荷付与手段は、その像担持体からの転写が行なわれるトナー像に対しては、転写前帯電器として機能し、又、ジャム時等の理由で、その像担持体からの転写が行われないトナー像に対しては、クリーニング前帯電器として機能する。
【0055】
本実施例では、クリーニング前帯電器として機能する時は、二次転写前帯電器114は、二次転写前帯電バイアス源117から、DC=0kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波の条件で電荷付与バイアスであるクリーニング前帯電バイアスの供給を受けている。
【0056】
つまり、二次転写前帯電器114が、通常の前述の画像形成工程を経て形成された二次転写工程を行われるトナー像を二次転写前帯電するときは、DC=−3kV、AC=4kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−150μAの条件の、二次転写前帯電バイアスである電荷付与バイアスが印加されるのに対して、転写行為を行わない中間転写ベルト108上のトナーに対してはDC成分のバイアスが印加されてないところが特徴である。
【0057】
転写行為を施さないトナー像に対しては、二次転写前帯電器114に供給されるバイアスを、転写を施すトナー像に電荷を付与する時と異なるバイアスにすることで、即ち、本実施例においては、クリーニング前帯電バイアスとして交流成分のみのバイアスを用いることでトナー像を除電し、ジャム時等に除去するトナーが大量であっても、良好に中間転写ベルト108をクリーニングできる。
【0058】
この二次転写前帯電器114によるクリーニング前帯電工程により中間転写ベルト108上のトナートリボは、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−7μC/g程度に低下する。
【0059】
ここで、一方、前述したように、通常の画像形成工程を経て中間転写体108上に作成され二次転写が行われる前のトナー像を二次転写前帯電する際のトナーのトリボは、−17μC/gから−35μC/g程度に上昇させた。
【0060】
つまり、本実施例では、二次転写前帯電器114による帯電工程前のトナートリボを基準として、二次転写工程を行うトナーに対しては、トナーの極性とは同極性の電荷を付与するのに対し、二次転写工程を行わないトナーに対しては、トナーの極性とは逆極性の電荷を付与する。
【0061】
このことによって、通常の画像形成時に転写媒体である転写材に転写されるトナー像に対してはトナートリボを上昇させ、転写効率を上昇させることができ、又、ジャム時等に形成された二次転写を行わないトナー像に関しては、トリボを下げて除電し、除去しやすくできる。
【0062】
こうした本発明の特徴について、次に、上述した本実施例に於ける、二次転写を行わない中間転写ベルト上のトナーを二次転写前帯電と逆極性に帯電するクリーニング前帯電工程による効果を実験例1にて説明する。
【0063】
実験例1
本実施例1のクリーニング前帯電工程を行った場合と、比較例1としてクリーニング前帯電工程を行わなかった場合で、クリーニング不良の発生レベルを比較検討した。
【0064】
比較検討は、以下の手順で行った。
【0065】
1:低湿低温環境(ここでは15℃/10%RH)において、A3サイズ普通紙を100ページ連続通紙させた後、マゼンタベタ画像を中間転写ベルト108上に形成させたところで、意図的に転写材ジャムを発生させて装置を停止させる。
【0066】
2:そして、転写材ジャムのリカバー動作を行うことで、二次転写工程を経ない中間転写ベルト108上のトナー像をクリーニング装置6によりクリーニングさせる。
【0067】
3:その後、クリーニング不良などによるトナースジなどが中間転写ベルト108上に存在するかを目視で確認して、クリーニング不良の発生を判断した。
【0068】
本実施例1に於けるクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記の比較検討を20回行ったところ、クリーニング不良の発生は全く確認されなかった。
【0069】
一方、比較例1のクリーニング前帯電工程を行わなかった場合は、上記比較検討を20回行ったところ、その内の3回でクリーニング不良の発生が確認できた。
【0070】
4:次に、低湿低温環境(ここでは15℃/10%RH)において、A3サイズ普通紙を100ページ連続通紙させた後、Blueベタ(マゼンタベタとシアンベタの2次色)画像を中間転写ベルト108上に形成させたところで、意図的に転写材ジャムを発生させて装置を停止させる。
【0071】
5:そして、転写材ジャムのリカバー動作を行うことで、二次転写工程を経ない中間転写ベルト108上のトナー像をクリーニング装置6によりクリーニングさせる。
【0072】
6:その後、クリーニング不良等によるトナースジなどが中間転写ベルト108上に存在するかを目視で確認して、クリーニング不良の発生を判断した。
【0073】
本実施例1であるクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記の比較検討を20回行ったところ、クリーニング不良の発生は全く確認されなかった。
【0074】
一方、比較例1のクリーニング前帯電工程を行わなかった場合は、上記比較検討を20回行ったところ、その内の12回でクリーニング不良の発生が確認できた。
【0075】
実験例1から考察される本発明の効果を説明する。
【0076】
実験例1の結果より、中間転写ベルト108上の残留トナーのトナートリボをクリーニング前帯電工程により下げることで、トナーが中間転写ベルト108に付着する鏡映力の効果を低下させて、残留トナーがクリーニングブレードにより掻き落とされやすくすることが出来ることがわかる。
【0077】
これにより、転写材Pの搬送ジャムなどが生じて上記画像形成動作が中止された時に、中間転写ベルト8上に転写工程を経ずに残留した大量のトナー像をクリーニングする場合に懸念されるクリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0078】
又、クリーニング前帯電には二次転写前帯電器114を用いるため、クリーニング不良の発生を抑制するための新たな帯電器を追加する必要がないため、装置の大型化やコスト上昇を招くことがない。
【0079】
上記クリーニング前帯電工程は、ジャム後のクリーニングの他に、濃度調整用画像や、レジストレーション調整用画像、クリーニングブレード捲れ防止用画像など、ここでは中間転写ベルト108である像担持体上に形成された後、転写工程を経ずにクリーニングされる画像全般に対して行われる。
【0080】
上記濃度調整用画像とは、像担持体上に形成した所定の画像の光学濃度を濃度センサで測定し、この測定結果に基づいて現像バイアスや帯電バイアスや転写バイアスを制御及び調整することで、画像濃度を所定の値に調整するためのものである。
【0081】
又、上記レジストレーション調整用画像とは、各画像形成部から像担持体上に形成した所定の各色画像の相対位置を、CCDや発光素子と受光素子を有するセンサで測定し、この測定結果に基づいて各画像形成部における画像形成開始タイミングの制御及び調整や、各露光装置により形成される静電潜像の変更や、各感光ドラムの移動速度の制御及び調整や、像担持体の移動速度を制御及び調整することで各色画像の相対的な位置ズレを修正するためのものである。
【0082】
又、上記クリーニングブレード捲れ防止用画像とは、クリーニングブレードと像担持体のニップ部に存在するトナーが減少することで、クリーニングブレードと像担持体との摩擦力が増加し、クリーニングブレードと像担持体が摺動せずにタックする事でブレードが破損することを防止するために像担持体上に形成する画像のことである。通常の画像形成を行っていないタイミングで、像担持体上に横帯画像等を形成して、クリーニングブレードと像担持体とのニップ部にトナーを供給することでブレード破損を防止している。
【0083】
このように、上述した本実施例におけるクリーニング前帯電工程を実施することで、装置の大型化やコストの上昇を招くことなく、クリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0084】
本実施例は、上述した画像形成装置の他に、画像形成部を1つしか有さない単色画像形成装置にも適用できるのは言うまでもない。ただし、上述したような像担持体上に複数色トナーによる複合現像剤像を形成する画像形成装置においては、単色画像形成装置に比べて、ジャム時などにクリーニングするトナー量が一般的に多くなることでクリーニング不良の発生する頻度が高くなるため、本実施例で上述したクリーニング前帯電工程の効果はより顕著である。
【0085】
又、本実施例では、清掃手段としてのクリーニング手段として、像担持体に接触させたブレードを有するものを用いたが、ローラ状やブラシ状のものでも、像担持体に対する摩擦力の増大のために接触状態が不良になり、本発明の課題となるクリーニング不良が生じるので、本発明は効果的に適用できる。
【0086】
又、本発明にて現像剤が作成される像担持体としては、ベルト状の中間転写体が用いられたが、ドラム状でもよく、その形状は限定されるものではない。又、実施例2にて説明する感光体が用いられることもある。
【0087】
以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0088】
実施例2
図3は、本発明の実施例2に係る画像形成装置である電子写真方式のプリンタ等のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【0089】
本実施例においては、本発明に係る、表面にトナー像が形成され、転写前にトナー像に電荷を付与する電荷付与手段や、表面のトナーを除去する清掃手段が設置される像担持体として、ベルト状の感光体を用いる。感光体の形状はドラム状でもよい。
【0090】
この画像形成装置は、像担持体として、感光ベルト2を用い、感光ベルト2の周囲に、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Kの4つの現像剤像形成部(画像形成部)を備えており、これら4つの画像形成部は一定の間隔をおいて配置されている。
【0091】
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kには、感光ベルト2に対向して、帯電装置3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4dがそれぞれ設置されている。また、各々の帯電装置3a、3b、3c、3dと現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。
【0092】
感光ベルト2は、本実施例では負帯電の有機感光ベルトであり、外径470mmであり、ポリカーボンなどの樹脂フィルム上にアルミニウムを蒸着して形成した導電層上にOPC感光層を有している。感光ベルト2は、駆動ローラ11と転写対向ローラ12と従動ローラ13によって張架されており、駆動装置(不図示)によって矢印方向(時計方向)に所定の移動速度(プロセススピード)で駆動される。
【0093】
帯電装置3a〜3dは、コロナ放電による非接触帯電装置であり、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ベルト2表面を負極性の所定電位に均一に帯電する。
【0094】
露光装置7a〜7dは、ホストコンピュータ(不図示)からそれぞれ入力される画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ光で感光ベルト2表面を画像露光することにより、各帯電装置3a〜3dで帯電された感光ベルト2表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0095】
現像装置4a〜4dは、非接触二成分現像方式であり、現像バイアス電源(不図示)から印加される現像バイアスによって、各露光装置7a〜7dにより感光ベルト2上に形成される静電潜像にトナーを付着させて、トナー像として反転現像する。各現像装置4a〜4dには、それぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーが収納されている。
【0096】
各画像形成部1Y〜1Kにより、移動する感光ベルト2表面に各色トナー像を順次重ね合わせて画像形成する。
【0097】
感光ベルト2の移動方向に対して、最下流の画像形成部1Kの下流側で、且つ転写媒体である転写材Pにトナー像を転写する転写手段である転写ローラ19による転写部Tn1の上流側に、感光ベルト2上に形成されたトナー像に電荷を付与する電荷付与手段である転写前帯電器14が設置されている。又、転写手段である転写ローラ19による転写部Tn1の下流側で、且つ、最上流の画像形成部1Yの上流側には、清掃手段であるクリーニング装置6が設置されている。
【0098】
次に、上記した本実施例の画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0099】
画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピード(本実施形態では、117mm/sec)で駆動される感光ベルト2は、各画像形成部1Y〜1Kのそれぞれの帯電装置3a〜3dによって一様に、本実施例では負極性の所定電位(本実施形態では、約−650V)に、帯電される。そして、露光装置7a〜7dは、ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、帯電された感光ベルト2上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。
【0100】
そして、先ず最上流の画像形成部1Yの露光装置7aにより感光ベルト2上に形成された静電潜像に、感光ベルト2の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによりイエローのトナーを付着させて反転現像を行い、トナー像として可視像化する。本実施例における現像バイアスは、DC成分;−400V、AC成分;1.5kVpp、周波数;3kHz、波形;矩形波の条件で、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスとした。
【0101】
イエローのトナー像が形成された感光ベルト2は、駆動装置(不図示)によって次の画像形成部1M側に移動される。そして、画像形成部1Mにおいても、同様にして感光ベルト2上のイエローのトナー像上に重ね合わせてマゼンタのトナー像が形成される。
【0102】
以下、同様にして感光ベルト2上に重畳形成されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C、1Kで形成されたシアン、ブラックのトナー像を順次重ね合わせて形成した4色のトナー像の複合現像剤像であるフルカラーのトナー像を感光ベルト2上に形成する。
【0103】
そして、感光ベルト2上に形成されたフルカラーのトナー像は、転写材Pへの転写に先立って、電荷付与手段であるコロナ帯電器である転写前帯電器14からの電荷付与を受ける。
【0104】
転写前帯電器14は、感光ベルト2に対向して設置されて、電荷付与バイアス供給手段としての転写前帯電バイアス源17から、本実施例では、DC=−1.2kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−50μA、の条件で転写前帯電バイアスである電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0105】
本実施例のコロナ帯電器構成においては、転写前帯電バイアス源17から供給されるDC成分総電流のうちのおよそ1/7が、転写前帯電器14から感光ベルト2に流れ込む。
【0106】
この転写前帯電工程により感光ベルト2上のトナートリボが、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−35μC/g程度に上昇する。
【0107】
そして、感光ベルト2上のフルカラーのトナー像先端が、感光ベルト2と転写ローラ19との間の転写部Tn1に移動されるタイミングに合わせて、搬送された用紙などの転写媒体である転写材Pをこの転写部に搬送して、転写バイアス電源20からトナーと逆極性の転写バイアス(本実施例では、+20μA)が印加された転写手段である転写ローラ19により、転写材P上にフルカラーのトナー像が一括して転写される。
【0108】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは定着装置21に搬送され、定着装置21の定着ローラ21aと加圧ローラ21b間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0109】
そして、上記した転写工程において、感光ベルト2上に残留している転写残トナーは、クリーニング装置6によって除去されて回収される。
【0110】
一方、転写材Pの搬送ジャム等が生じて、上記画像形成動作が停止された場合等に、感光ベルト2上に転写工程を経ていないトナーが残留することがある。
【0111】
本発明においては、残留したトナー像は、コロナ帯電器である転写前帯電器14からの電荷付与をうけるクリーニング前帯電工程が設けられ、クリーニング前帯電工程を経た後、クリーニング装置6によりクリーニングされる。
【0112】
一方、本実施例においても、転写材Pの搬送ジャム等が生じて、上記画像形成動作が停止された場合等に、又、実施例1に説明した濃度調整用画像やレジストレーション調整用画像やクリーニングブレード捲れ防止用画像が形成された場合等に、感光ベルト2上に転写工程を経ていないトナーが残留することがある。
【0113】
本実施例においても、こうして残留したトナー像は、コロナ帯電器である転写前帯電器14からの電荷付与をうけるクリーニング前帯電工程が設けられ、クリーニング前帯電工程を経た後、クリーニング装置6によりクリーニングされる。
【0114】
本実施例においても、ここで、本発明の特徴部となる像担持体である感光ベルト2のトナーの清掃手段となるクリーニング装置6の構成は、実施例1にて説明した図2に示したものと同様に、感光ベルト2に当接し、感光ベルト2上のトナーを掻き取るブレード61を有するものである。
【0115】
ここでは、感光ベルト2である像担持体移動方向で像担持体にトナー像が形成される位置より下流且つ像担持体からそのトナー像が他の媒体に転写される位置の上流の位置に、ここでは転写前帯電器14である電荷付与手段を有し、電荷付与手段は、その像担持体からの転写が行なわれるトナー像に対しては、転写前帯電器として機能し、又、ジャム時等の理由で、その像担持体からの転写が行われないトナー像に対しては、クリーニング前帯電器として機能する。
【0116】
転写前帯電バイアス源17からクリーニング前バイアスとして、本実施例では、DC=+0.5kV、AC=7.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ+3μAの条件で、電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0117】
つまり、転写前帯電器14が、通常の前述の画像形成工程を経て形成された転写工程を行われるトナー像を転写前帯電するときは、DC=−1.2kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波、この時のDC成分総電流はおよそ−50μA、の条件で転写前帯電バイアスが供給されるのに対して、ジャム時等の転写工程を行わないトナー像をクリーニング前帯電するときは、転写前帯電バイアスとは異なった電荷付与バイアスの供給を受けている。
【0118】
そして、ここでは、クリーニング前帯電バイアスとして交流成分だけでなく、トナー像と逆極性の直流成分を重畳することで、トナー像と逆極性の電荷を積極的にトナー像に付与することができ、トナー像のトナートリボを効果的に下げることが可能になる。
【0119】
この転写前帯電器14によるクリーニング前帯電工程により感光ベルト2上のトナートリボは、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−3μC/g程度に低下する。
【0120】
つまり、転写前帯電器14によって、帯電前の−17μC/gを基準とすると、感光ベルト2上に形成されたトナー像のうち、転写行為が行われるトナー像に対してはトナーと同極性に帯電され、転写行為が行われないトナーに対しては、トナーと逆極性に帯電される。
【0121】
このことによって、通常の画像形成時に転写媒体である転写材に転写されるトナー像に対してはトナートリボを上昇させ、転写効率を上昇させることができ、又、ジャム時等に形成された転写を行わないトナー像に関しては、トリボを下げて除電し、除去しやすくできる。
【0122】
次に、実験例2において、上述した本実施例2におけるクリーニング前帯電工程による効果を述べる。
【0123】
実験例2
本実施例であるクリーニング前帯電工程を行った場合と、比較例2としてクリーニング前帯電バイアスとして交流成分のみのバイアス(実施例1と同様の、DC=0kV、AC=9.0kVpp、AC成分波形=500Hzサイン波)を用いた場合で、クリーニング不良の発生レベルを比較検討した。比較例2のクリーニング前帯電バイアスによるクリーニング前帯電工程により、感光ベルト2上のトナートリボは、帯電前の−17μC/g程度から帯電後には−7μC/g程度に低下する。
【0124】
比較検討は、以下の手順で行った。
【0125】
1:低湿低温環境(ここでは15℃/10%RH)において、A3サイズ普通紙を100ページ連続通紙させた後、Blueベタ(マゼンタベタとシアンベタの2次色)画像を中間転写ベルト8上に形成させたところで、意図的に転写材ジャムを発生させて装置を停止させる。
【0126】
2:そして、転写材ジャムのリカバー動作を行うことで、転写工程を経ない感光ベルト2上のトナー像をクリーニング装置6によりクリーニングさせる。
【0127】
3:その後、クリーニング不良などによるトナースジなどが感光ベルト2上に存在するかを目視で確認して、クリーニング不良の発生を判断した。
【0128】
本実施例2であるクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記の比較検討を20回行ったところ、クリーニング不良の発生は全く確認されなかった。
【0129】
一方、比較例2の交流成分のみの電荷付与バイアスを供給したクリーニング前帯電工程を行った場合は、上記比較検討を20回行ったところ、その内の1回でクリーニング不良の発生が確認できた。
【0130】
上述した本実施例の効果を説明する。
【0131】
本実施例のクリーニング前帯電バイアスのような、交流成分にトナー像と逆極性の直流成分を重畳したバイアスを用いてトナー像と逆極性の電荷付与を行うことで、感光ベルト2上の残留トナーのトナートリボを効果的に下げることできるため、感光ベルト2のように鏡映力が強く働くことでトナーが強く像担持体に付着する場合においても、十分なクリーニング性を確保できる。
【0132】
これにより、転写材Pの搬送ジャムなどが生じて上記画像形成動作が中止された時に、感光ベルト2上に転写工程を経ずに残留した大量のトナー像をクリーニングする場合に懸念されるクリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0133】
このように本実施形態におけるクリーニング前帯電工程により、上記実施例1で上述した効果と同様に、装置の大型化やコストの上昇を招くことなく、クリーニング不良の発生を効果的に抑制できる。
【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、現像剤像を担持して移動する像担持体と、現像剤像を転写部にて前記像担持体より転写媒体に転写する転写手段と、像担持体移動方向にて転写部の下流にて、像担持体上から現像剤を除去する清掃手段と、像担持体の移動方向にて現像剤像形成部の下流側且つ転写部の上流側の位置に設置され、像担持体上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段と、電荷付与手段に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段と、を有する画像形成装置において、電荷付与手段は、転写行為を行わない場合においても、像担持体上の現像剤に対して電荷を付与し、その場合において電荷付与手段に供給される電荷付与バイアスは、像担持体上の現像剤像が転写部にて転写媒体に転写される場合において電荷付与手段に供給される電荷付与バイアスと異なる、ことにより、像担持体上に、複数の現像剤像が重畳された複合現像剤像を形成する場合においても、装置の大型化やコスト上昇を招かずにクリーニング不良の発生を抑制できる。
【0135】
又、像担持体上の現像剤像が転写部にて転写媒体に転写される場合においては、電荷付与手段によって、像担持体上の現像剤像に、それと同極性の電荷が付与され、像担持体上の現像剤に対して転写行為を行わない場合においては、電荷付与手段によって、像担持体上の現像剤にそれと逆極性の電荷が付与される、ことによって、更にその効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る清掃手段の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1Y、1M、1C、1K 画像形成部
2 感光ベルト(像担持体)
6 クリーニング装置(清掃手段)
12 転写ローラ(転写手段)
14 転写前帯電器(電荷付与手段)
17 転写前帯電バイアス源(電荷付与バイアス供給手段)
101Y、101M、101C、101K 画像形成部
102a、102b、102c、102d 感光ドラム
108 中間転写ベルト(像担持体)
112 二次転写ローラ(転写手段)
114 二次転写前帯電器(電荷付与手段)
117 二次転写前帯電バイアス源(電荷付与バイアス供給手段)
Claims (4)
- 表面に現像剤像が形成され、それを担持して移動する像担持体と、現像剤像を転写部にて前記像担持体より転写媒体に転写する転写手段と、前記像担持体移動方向にて前記転写部の下流にて前記像担持体と対向し、前記像担持体上から現像剤を除去する清掃手段と、前記像担持体の移動方向にて現像剤像形成部の下流側且つ前記転写部の上流側の位置に設置され、前記像担持体上の転写前の現像剤像に電荷を付与する電荷付与手段と、該電荷付与手段に電荷付与バイアスを供給する電荷付与バイアス供給手段と、を有する画像形成装置において、
前記電荷付与手段は、前記像担持体上の現像剤の転写行為が行われない場合においても、前記像担持体上の現像剤に対して電荷を付与し、その場合において前記電荷付与手段に供給される前記電荷付与バイアスは、前記像担持体上の現像剤像が前記転写部にて前記転写媒体に転写される場合において前記電荷付与手段に供給される前記電荷付与バイアスと異なる、ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体上に形成される現像剤像は、複数の現像剤像が重ねられて形成された、複合現像剤像である、ことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記像担持体上の現像剤像が前記転写部にて前記転写媒体に転写される場合においては、前記電荷付与手段によって、前記像担持体上の現像剤像にそれと同極性の電荷が付与され、
前記像担持体上の現像剤に対して転写行為を行わない場合においては、前記電荷付与手段によって、前記像担持体上の現像剤にそれと逆極性の電荷が付与される、ことを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。 - 前記清掃手段は、前記像担持体に接触して現像剤を掻き取る板状部材を有することを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002281808A JP2004117901A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 画像形成装置 |
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007139869A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置 |
| JP2008122625A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-05-29 | Canon Inc | 画像形成装置、およびクリーニング方法 |
| JP2010014995A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281808A patent/JP2004117901A/ja active Pending
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