JP2004117953A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】全コマの撮影が終了したことを明瞭に示すとともに不法な詰め替え品の製造を困難にするレンズ付きフイルムユニットを提供する。
【解決手段】対物レンズ5aと接眼レンズ5bの間でファインダ光路から上方に外れた位置に目隠し板60がファインダ光路への挿入方向に付勢されて軸支されている。ファインダ5の側方に支持レバー62が回動自在に設けられ、目隠し板60の下面を一端部62aが支持して目隠し板60をファインダ光路から待避させている。最後の1コマを撮影し終わった後のフイルム巻上げ操作により巻き止め阻止用突起46aが他端部62cを押して支持レバー62を回動させる。目隠し板60は一端部62aの支持を失って回動し、ファインダ光路内に挿入される。暗転したファインダ視野を見たユーザは、それ以上の撮影ができないことを瞬時に理解できる。目隠し板60を取り除く作業が増え、詰め替え品が製造しにくくなる。
【選択図】 図3
【解決手段】対物レンズ5aと接眼レンズ5bの間でファインダ光路から上方に外れた位置に目隠し板60がファインダ光路への挿入方向に付勢されて軸支されている。ファインダ5の側方に支持レバー62が回動自在に設けられ、目隠し板60の下面を一端部62aが支持して目隠し板60をファインダ光路から待避させている。最後の1コマを撮影し終わった後のフイルム巻上げ操作により巻き止め阻止用突起46aが他端部62cを押して支持レバー62を回動させる。目隠し板60は一端部62aの支持を失って回動し、ファインダ光路内に挿入される。暗転したファインダ視野を見たユーザは、それ以上の撮影ができないことを瞬時に理解できる。目隠し板60を取り除く作業が増え、詰め替え品が製造しにくくなる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ付きフイルムユニットに関し、更に詳しくは全コマの撮影が終了したことを明瞭に示すとともに不法な詰め替え品を製造しにくくするレンズ付きフイルムユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
未露光の写真フイルムが製造時に装填されており、購入してすぐに撮影を楽しむことができるレンズ付きフイルムユニットが本出願人から製造・販売されている。このレンズ付きフイルムユニットは、フイルムカウンタ機構、シャッタ機構、ファインダ光学系、フイルム巻止め機構、及び撮影レンズ等を一体的に組み込んだ露光ユニットを内蔵している。
【0003】
フイルムカウンタ機構には、1コマ撮影する毎に歩進されるカウンタ表示板が設けられ、上方のカウンタ表示窓を通して撮影可能な残りのコマ数が確認できる。そして、最後のコマを撮影し終わった後、巻上げダイヤルを操作すると、カウンタ表示窓にはフイルム残数がないことを示す「0」が表示されるとともに、フイルム巻止め機構のフイルム巻き止めが解除され、以後のフイルム巻き上げ操作が継続して許容され、全ての写真フイルムがパトローネ本体内に収納可能になる。
【0004】
一方、使用済みのレンズ付きフイルムユニットに未露光の写真フイルムを詰め替えて不正に販売している業者がある。このような詰め替え品は、フイルム通路の傷の有無をチェックしたり、前記撮影機構等の動作をチェックするなどの検査を全く行っていないため、せっかく撮影したネガに傷が入っていたり、撮影途中で動作しなくなったり、というようなトラブルを起こし、レンズ付きフイルムユニット全般のイメージダウンにつながりかねないおそれがある。このため、本出願人は、例えばフイルム装填後に超音波溶着により後カバーを本体基部に固着するようにしている(例えば特許文献1参照)。これにより、本体基部から後カバーを取り外そうとすれば、溶着した部分が破壊されるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−024208号公報(第2−3頁,図1,図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなカウンタ表示窓はサイズが小さくて見づらいため、カウンタ表示窓に注意を払わずに撮影しているユーザが多い。このため、いざ撮影を行おうとしてレンズ付きフイルムユニットを被写体に向け、シャッタボタンを押し下げてから、既にフイルム残数がなくなっていることに気がつくという場合が多いのが実情である。
【0007】
一方、上記特許文献1記載のようなフイルム詰め替え防止策を講じているにもかかわらず、いまだに大量の詰め替え品が市場に出回っている。これは、後カバーや本体基部が破損しても、接着剤を使用して貼り付ける等の比較的手軽な方法で修復が可能なためであると思われる。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、全コマの撮影が終了したことを明瞭に示すことができるとともに、不法な詰め替え品を製造しにくくすることができるレンズ付きフイルムユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、被写体を観察するファインダを有するとともに、最終コマの撮影が完了した後にフイルム巻き止めを解除したままにして以後のフイルム巻き上げ操作を継続して許容する巻き止め阻止手段を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記ファインダの光路内に挿入して被写体の観察を阻害する挿入位置とファインダの光路内から待避して被写体の観察を許容する待避位置との間で変位自在に設けられた観察阻害部材と、前記巻き止め解除手段に連動して最終コマの撮影が完了した後に観察阻害部材を待避位置から挿入位置に変位させる変位手段とを設けたものである。また、前記観察阻害部材は、その少なくとも一部の表面に粘性物質を塗布してあり、前記挿入位置でファインダの接眼レンズに接触することにより、前記粘性物質が接眼レンズに付着して接眼レンズを汚すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態であるレンズ付きフイルムユニットの外観を示す図1において、レンズ付きフイルムユニット1は、ユニット本体2の中央部に海苔巻き状に化粧用のラベル3を貼り付けてある。ユニット本体2の前部には、撮影レンズ4,ファインダ5の対物レンズ5a,ストロボ発光部6及びストロボ充電用ノブ7が配置してある。
【0011】
ユニット本体2の上部には、シャッタボタン9,撮影可能な残りコマ数を表示するカウンタ表示窓10,ストロボ充電の完了を表示する表示用ライトガイド11が突出される開口12が設けられている。さらに、ユニット本体2の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げダイヤル13の一部が露呈されている。
【0012】
ユニット本体2は、図2に示すように、本体基部20,前カバー21,後カバー22,ストロボ装置23及び写真フイルムパトローネ24から構成され、本体基部20の中央部には、露光ユニット25が組み付けられている。写真フイルムパトローネ24としては、135タイプのものを用いているが、その他のタイプ、例えばアドバンストフォトシステムのIX240等であってもよい。
【0013】
露光ユニット25を挟んで本体基部20の両側方には、写真フイルムパトローネ24のパトローネ本体26を収納するパトローネ室27と、パトローネ本体26から引き出した写真フイルム28をロール状に収納するフイルムロール室29とが設けられている。
【0014】
巻上げダイヤル13は、パトローネ室27の上部に回転自在に配されており、その下部に一体に設けられた軸がパトローネ本体26のスプール26aの一端に係合する。これにより、巻上げダイヤル13を矢線方向に回転操作すると、撮影済の写真フイルム28がパトローネ本体26内に巻き上げられるとともに、未露光の部分が露光ユニット25の後方に設けられたアパーチャ(図示せず)の背後にセットされる。
【0015】
前カバー21には、対物レンズ5a,撮影レンズ4,ストロボ発光部7及びストロボ充電用ノブ7を露呈するための開口が形成されている。この前カバー21は、ストロボ装置23が組み付けられた本体基部20の前面側に組み付けられる。
【0016】
後カバー22は、パトローネ本体26と写真フイルム28を収納した本体基部20の背面側を覆う。また、後カバー22には、その底部に底蓋22a,22bが形成されており、これらの底蓋22a,22bによってパトローネ室27とフイルムロール室29の底部が光密に閉じられる。なお、本体基部20と後カバー22とは、超音波溶着により部分的に固着される。
【0017】
ストロボ装置23は、ストロボ回路基板30にストロボ発光部6をはじめストロボ用の各種部品,電源の電池31等を組み付けてユニット化したものである。
ストロボ装置23と前カバー21との間には、ストロボ充電用ノブ7が一体に形成されたスイッチ板32と、このスイッチ板32をスライド自在に支持する受け板33とが組み込まれる。
【0018】
前記露光ユニット25は、撮影レンズ4を保持するシャッタカバー34を外すと、図3に示すように、ベース部35とシャッタ羽根36が露呈する。ベース部35の前面には、シャッタ開口35aが形成されている。シャッタ羽根36は、シャッタ開口35aを開閉する開閉部36aを備え、ベース部35の前面に設けた軸35bを中心に回転自在となっているとともに、コイルバネ37により開閉部36aがシャッタ開口35aを閉じる方向に付勢されている。
【0019】
ベース部35の上部には、2つの軸41,42と軸受開口43が一体に形成されている。軸41には、シャッタ駆動レバー45とカウンタ表示板46とが順に挿入される。また、軸42には、チャージバネ47と係止レバー48とが順に挿入される。また、軸受開口43には、カム部材49が挿入されている。これらの部品は、天板50によってファインダ5の対物レンズ5a,接眼レンズ5bとともにベース部35に保持される。なお、天板50は爪係合によりベース部35に着脱自在に係止される。
【0020】
カム部材49には、上方から順に表示板歩進用の一歯ギヤ49a、巻き止めカム49b、及び径方向に変位をもったチャージカム49c,下方に突出した軸49dが一体に形成されている。軸49dには、従動スプロケット52が連結されている。この従動スプロケット52は、写真フイルム28のパーフォレーションに係合しており、巻上げダイヤル13の巻き上げ操作によって移送される写真フイルム28に従動して回転する。
【0021】
カム部材49は、従動スプロケット52と一緒に回転する。巻き止めカム49bには、係止レバー48の爪部48aが摺動している。係止レバー48は、巻き止め位置と巻き止め解除位置との間で回転自在となっており、チャージバネ47の一端47aが係合し、巻き止め位置に向けて付勢されている。
【0022】
巻上げダイヤル13のフイルム巻上げ操作によって1コマ分の長さだけ写真フイルム28が移送されると、巻き止めカム49bが所定量だけ回転し、巻き止めカム49bの周面に設けた溝49eが爪部48aに対面する。このとき、爪部48aが溝49eに入り込み、係止レバー48が巻き止め位置に回転される。巻き止め位置になると、従動スプロケット52の回転が阻止され、且つ係止レバー48に設けた係止爪48bが巻上げダイヤル13の外周に形成した歯列13aに噛合して巻上げダイヤル13の回転が阻止される。
【0023】
チャージカム49cには、シャッタ駆動レバー45に形成した突起45aが摺動している。シャッタ駆動レバー45は、チャージ位置と走行完了位置との間で回転自在であり、また、チャージバネ47の他端47bが係合するバネ受け部45bを備え、チャージバネ47により走行完了位置に向けて付勢されている。
【0024】
シャッタ駆動レバー45は、カム部材49の1コマ分の移送に対応した回転により、チャージバネ47の付勢力に抗してチャージカム49cに突起45aが押され、走行完了位置からチャージ位置に向けて回転する。そして、シャッタ駆動レバー45は、係止レバー48に形成された立ち下がり突起48cに、シャッタ駆動レバー45に形成された立ち上がり突起45cが係合することにより、巻き止め位置にある係止レバー48によってチャージ位置に保持される。
【0025】
シャッタボタン9の下面には、露光ユニット25に向けて突出した押圧ロッド9aが形成されている。押圧ロッド9aは、レリーズ操作に応答して巻き止め位置にある係止レバー48の被押圧部48dをチャージバネ47の付勢に抗して巻き止め解除位置に向けて押圧する。この押圧により、係止レバー48は、チャージ位置にあるシャッタ駆動レバー45の保持を解除する。これにより、シャッタ駆動レバー45は、チャージバネ47の付勢によって走行完了位置に向けて瞬時に回転する。
【0026】
シャッタ駆動レバー45には、蹴飛ばしアーム45dが形成されている。蹴飛ばしアーム45dは、シャッタ駆動レバー45の回転途中でシャッタ羽根36に形成した一端36bを蹴飛ばす。シャッタ羽根36は、蹴飛ばされることで軸35bを中心に回転し、開閉部36aが撮影光軸Lを横切ってシャッタ開口35aを開放する。そして、シャッタ駆動レバー45が走行完了位置に回転すると、蹴飛ばしアーム45dが一端36bを乗り越える。これにより、シャッタ羽根36は、引き戻しバネ45の付勢によりシャッタ開口35aを閉じる位置に戻される。
【0027】
露光完了後には、走行完了位置にあるシャッタ駆動レバー45によって係止レバー48が巻き止め解除位置で保持される。これにより、巻上げダイヤル13とカム部材49との回転ロックが解除され、次回のフイルム巻き上げ操作が許容される。
【0028】
カウンタ表示板46には、下面に巻き止め阻止用突起46aが形成されている。巻き止め阻止用突起46aは、最終コマの撮影が完了したときのカウンタ表示板46の回転位置で係止レバー48に設けた立ち上がり片48eの回動軌跡内に入り込み、係止レバー48を巻き止め解除位置に保持する。この係止レバー48によりシャッタ駆動レバー45も走行完了位置で保持されるから、フイルム巻き止め機構が作動せずに以後のフイルム巻き上げ操作が継続して許容され、撮影済みの写真フイルム28の全てをパトローネ本体26に収納することができる。
【0029】
また、カウンタ表示板46の周縁には、一歯ギヤ49aに噛合する歯列46bが形成されている。カウンタ表示板46は、カム部材49の1コマ分の移送に対応した回転により一歩進する。なお、天板50には、前記カウンタ表示窓10が一体に形成されている。このカウンタ表示窓10は凸レンズに形成されており、カウンタ表示板46の表面に刻印された残りコマ数を表す数字を拡大して表示する。
【0030】
ファインダ5は、凹レンズの対物レンズ5aと凸レンズの接眼レンズ5bからなる逆ガリレオ式である。対物レンズ5aと接眼レンズ5bとの間でファインダ光路から上方に外れた位置に、ファインダ5の光路内に挿入して被写体の観察を阻害する観察阻害部材としての目隠し板60が軸支されている。すなわち、図4に示すように、天板50の内壁面に形成された一対の軸受け部44a(一方のみを図示)の穴に目隠し板60の軸60aが回動自在に取り付けられている。なお、目隠し板60は、ファインダ光路内の反射を考慮して黒色の樹脂から成形してある。
【0031】
目隠し板60の軸60aには、目隠し板60を図面の時計方向に付勢する捩じりバネ61が仕掛けられている。そして、ファインダ5の側方には、目隠し板60を変位させる変位手段としての支持レバー62が回動自在に設けられている(図5参照)。この支持レバー62は、最終コマの撮影が完了するまでは目隠し板60の下面を一端部62aが支持することにより、捩じりバネ61の付勢に抗して目隠し板60をファインダ光路から待避した待避位置に保持している(図4参照)。
【0032】
なお、支持レバー62は、その中心部に形成された孔がベース部35に形成された軸(図示せず)に挿通されて回動自在に取り付けられている。また、目隠し板60がファインダ光路内に挿入された挿入位置(仮想線にて示す)では、目隠し板60の先端部がベース部35の段差35cに当接して停止するようにしてある。これにより、目隠し板60が回動した際に接眼レンズ5bに衝突して接眼レンズ5bを傷つけることが防止され、接眼レンズ5bの再使用が可能になる。
【0033】
支持レバー62は樹脂製であり、その回動中心近傍にS字型に形成されて弾性を付与されたバネ部62bが設けられている。このバネ部62bの端部がベース部35に形成されたストッパ64に当接しており、支持レバー62を時計方向に付勢している(図5参照)。また、一端部62a側に当接して支持レバー62の位置を規制して目隠し板60を待避位置に保持するストッパ65がベース部35に形成されている。
【0034】
支持レバー62の他端部62cは、前記巻き止め阻止用突起46aの回動軌道内に挿入されている。この巻き止め阻止用突起46aは、最終コマの撮影を終えた後のフイルム巻き上げ操作に伴って他端部62cを押し、支持レバー62をバネ部62bの付勢に抗して反時計方向に回動させる。これにより、目隠し板60を支持していた支持レバー62の一端部62aが目隠し板60の下面から外れ、捩じりバネ61の付勢により目隠し板60が時計方向に回動してファインダ光路に挿入され、ファインダ視野が遮蔽される。
【0035】
このように構成されたレンズ付きフイルムユニットの作用を説明する。最後の1コマを撮影し終わった後、巻上げダイヤル13を回すと、巻き止め阻止用突起46aが立ち上がり片48eの回動軌跡内に入り込んで、係止レバー48が巻き止め解除位置に保持されると同時にシャッタ駆動レバー45が走行完了位置で保持され、以後のフイルム巻き上げ操作が継続して許容される。
【0036】
巻上げダイヤル13を継続して回してゆくと、巻き止め阻止用突起46aが他端部62cを押して支持レバー62を回動させるから、目隠し板60は、支持レバー62の一端部62aによる支持を失ってファインダ光路内に回動し、接眼レンズ5bを内側から覆ってファインダ視野を遮蔽する。カウンタ表示窓10を確認しないユーザでもファインダ5は必ず覗いて撮影するから、暗転状態のファインダ視野を見れば、それ以上の撮影ができないことを瞬時に理解できる。
【0037】
撮影済みのレンズ付きフイルムユニット1は、そのまま現像取扱店に提出される。現像取扱店では、後カバー22の蓋22aを開いて露光済みの写真フイルム28を収納したパトローネ本体26を取り出し、これを自動現像機にセットして現像及び焼付け処理を行う。そして、仕上がったプリント写真とネガフイルムとをユーザに返却する。
【0038】
空のレンズ付きフイルムユニット1は、メーカの循環生産工場に回収される。
循環生産工場では、前カバー21や後カバー22は成形用の原材料にされ(リサイクル)、またストロボユニット23や露光ユニット25は各種の検査終了後、合格したものは再使用(リユース)される。
【0039】
露光ユニット25をリユースする際には、天板50を取り外してから、カウンタ表示板46を初期位置に戻すと、支持レバー62がバネ部62bの付勢により時計方向に回動してストッパ65に当接し、元の位置に戻る。次に、目隠し板60が斜めになるように回動させて目隠し板60の面を支持レバー62に当接させながら、天板50をベース部35の上部に押しつけると、天板50がベース部35と爪係合する。これにより、目隠し板60がファインダ光路から待避した待避位置に支持され、ファインダ視野が開放される。
【0040】
空のレンズ付きフイルムユニット1が第三者に渡った場合、後カバー22を外してフイルム詰め替えを行っただけでは、ファインダ視野が暗転したままであるから、目隠し板60を取り外す必要がある。このためには、本体基部20から前カバー21と後カバー22の両方を取り外してから、シャッタボタン9,天板50を取り外し、更に天板50から目隠し板60を取り外した後、カウンタ表示板46を初期位置に戻し、天板50,シャッタボタン9をベース部35に元通りに取り付け、前カバー21を本体基部20に取り付けてから、フイルム詰め替え作業を行う。
【0041】
すなわち、従来のフイルム詰め替え作業の他に、(1)前カバーの取り外し、(2)露光ユニットの天板の取り外し、(3)目隠し板の取り外し又は破壊、の少なくとも3つの作業を余分に行わなければならない。このような大幅な手間の増加は、不法な詰め替え品の製造を困難にする。この結果、詰め替え業者の利益を大幅に減少させ、詰め替え品の販売を諦めさせることに貢献する。
【0042】
次に、別の実施形態を示す図6乃至図8において、目隠し板70は一対の軸70aを介して天板71に回動自在に取り付けられている(図7参照)。目隠し板70の一方の軸70a近傍には、L字型の係合部70bが形成されている。この係合部70bには、支持レバー72の丸棒状突起72aが係合している。支持レバー72は、ほぼ三角形状をしており、1つの角から丸棒状突起72aが突出形成され、また他の2つの角から爪部72b,72cが突出形成されている。
【0043】
支持レバー72は、孔72dを介して天板71に回動自在に取り付けられている。また、支持レバー72の回動中心近傍にS字型に形成されて弾性を付与されたバネ部72eが設けられている。このバネ部72eの端部が天板71に形成されたストッパ73の側面に当接しており、支持レバー72を時計方向に付勢している。
【0044】
図8に示すように、カウンタ表示板75の下面には巻き止め阻止用突起75aが形成されている。この巻き止め阻止用突起75aは、カウンタ表示板75の下面に形成された円板75bの外周の一部に形成され、一辺の傾斜が急で他辺の傾斜がなだらかな爪形状をしている。
【0045】
支持レバー72は、バネ部72eの付勢により常に時計方向に付勢されているが、フイルム残り枚数がある状態では、同図(A)に示すように、爪部72cが円板75bの外周面に摺接し、支持レバー72の時計方向への回動が阻止されている。この状態では、丸棒状突起72aが目隠し板70を下方から支えてファインダ光路から待避した待避位置に保持している。また、爪部72bは円板75bの外周面から巻き止め阻止用突起75aが通過可能に離間している。
【0046】
最後の1コマを撮影し終わった後、巻上げダイヤル13を回すと、同図(B)に示すように、巻き止め阻止用突起75aが爪部72cを押し、支持レバー72をバネ部72eの付勢に抗して反時計方向に回動させる。これにより、丸棒状突起72aが係合部70bの根元側を押し、目隠し板70を回動してファインダ光路内に挿入する(図7参照)。目隠し板70は、先端部がベース部35の段差35cに当接して停止する。
【0047】
レンズ付きフイルムユニットを回収した循環生産工場では、図8(C)に示すように、カム部材49を逆回転させ、カウンタ表示板75を反時計方向へ回転させる。巻き止め阻止用突起75aが爪部72bを押し、バネ部72eの付勢と協働して支持レバー72を時計方向に回動させる。これにより、丸棒状突起72aが目隠し板70の接眼レンズ5b側の面を押し、目隠し板70をファインダ光路内の挿入位置からファインダ光路外の待避位置に回動させる(図7参照)。
【0048】
次に、別の実施形態を示す図9において、目隠し板80のファインダ光路側の表面には、ほぼ全面にわたって粘性物質であるグリス81が塗布されている。ベース部82の接眼レンズ5b近傍には、挿入位置の目隠し板80が当接される段差を設けていないから、目隠し板80は退避位置(仮想線で示す)から回動して挿入位置(実線で示す)に達すると、接眼レンズ5bに衝突する。これにより、グリス81が接眼レンズ5bの表面に付着して接眼レンズ5bを汚す。
【0049】
グリス81で汚れた接眼レンズ5bは、きれいに洗浄しなければ、ファインダ視野が曇って再使用することはできない。これにより、第三者によるフイルム詰め替え作業は、従来のフイルム詰め替え作業の他に、上述した(1)前カバーの取り外し、(2)露光ユニットの天板の取り外し、(3)目隠し板の取り外し又は破壊、に加え、(4)接眼レンズの洗浄の少なくとも4つの作業を余分に行わなければならなくなる。このような大幅な手間の増加は、不法な詰め替え品の製造を困難にし、詰め替え業者の利益を大幅に減少させ、詰め替え品の販売を諦めさせることに貢献する。なお、粘性物質としては、グリスを用いたが、本発明はこれに限定されることなく、非硬化性のものであれば、塗料等でもよい。
【0050】
以上説明した実施形態では、黒色の目隠し板によりファインダ視野が暗転状態になるため、レンズ付きフイルムユニットの故障ではないかと勘違いするユーザもあり得る。このため、ラベルの背面に「ファインダ視野が暗転状態になりましたら、全コマの撮影が終了しましたので、そのまま現像取扱店にご提出ください。」等の説明文を記載しておくことが望ましい。また、目隠し板を明るい色とすると、故障ではなく、撮影完了の知らせであることがより明瞭に分かるという利点がある。
【0051】
また、上記実施形態では、天板を爪係合によりベース部に取り付けたが、本発明はこれに限定されることなく、天板を溶着(超音波溶着等)によりベース部に取り付けてもよい。この場合には、第三者による天板の取り外しが更に困難になると同時に、目隠し板をリセットした後に天板を再度ベース部に溶着する手間が増えるため、効果的に違法な詰め替えを防止できる。
【0052】
また、上記実施形態は、いずれも目隠し板はファインダ視野をほぼ完全に塞ぐものであったが、本発明はこれに限定されることなく、被写体の観察を明らかに阻害できるものであれば、例えばファインダ視野の半分程度を塞ぐ大きさでもよい。また、目隠し板の形状に関しても矩形状に限らず、例えば円形等でもよい。また、目隠し板は、回動によってファインダ光路に挿脱されるようにしたが、直線方向に移動されるように構成してもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットでは、最終コマの撮影が完了した後に巻き止め解除手段に連動して観察阻害部材をファインダの光路内に挿入して被写体の観察を阻害するようにしたので、ユーザは全コマの撮影が終了したことを明瞭に知ることができる。また、第三者がフイルム詰め替えを行おうとしても観察阻害部材をファインダ光路内から取り除く作業が余分に必要になるため、大幅な手間の増加によって詰め替え品の製造が困難になる。この結果、採算割れが生じ、不法な詰め替え品の販売量を減少させることができる。また、観察阻害部材の表面に粘性物質を塗布しておき、挿入位置で観察阻害部材がファインダの接眼レンズに接触することにより粘性物質が接眼レンズに付着して接眼レンズを汚すから、観察阻害部材をファインダ光路内から取り除く作業の他に接眼レンズの洗浄作業が必要となって、更に詰め替え品の製造を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの外観図である。
【図2】ユニット本体の分解斜視図である。
【図3】露光ユニットの分解斜視図である。
【図4】ファインダと目隠し板との関係を示す断面図である。
【図5】カウンタ表示板,支持レバー,目隠し板及びファインダの関係を示す説明図である。
【図6】目隠し板及び支持レバーの別の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す目隠し板とファインダとの関係を示す断面図である。
【図8】図6に示す目隠し板とファインダ,支持レバー,カウンタ表示板との関係を示す説明図である。
【図9】目隠し板にグリスを塗布した実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 レンズ付きフイルムユニット
5 ファインダ
5a 対物レンズ
5b 接眼レンズ
25 露光ユニット
45 シャッタ駆動レバー
46,75 カウンタ表示板
46a,75a 巻き止め阻止用突起
48 係止レバー
49 カム部材
50,71 天板
60,70,80 目隠し板
62,72 支持レバー
81 グリス
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ付きフイルムユニットに関し、更に詳しくは全コマの撮影が終了したことを明瞭に示すとともに不法な詰め替え品を製造しにくくするレンズ付きフイルムユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
未露光の写真フイルムが製造時に装填されており、購入してすぐに撮影を楽しむことができるレンズ付きフイルムユニットが本出願人から製造・販売されている。このレンズ付きフイルムユニットは、フイルムカウンタ機構、シャッタ機構、ファインダ光学系、フイルム巻止め機構、及び撮影レンズ等を一体的に組み込んだ露光ユニットを内蔵している。
【0003】
フイルムカウンタ機構には、1コマ撮影する毎に歩進されるカウンタ表示板が設けられ、上方のカウンタ表示窓を通して撮影可能な残りのコマ数が確認できる。そして、最後のコマを撮影し終わった後、巻上げダイヤルを操作すると、カウンタ表示窓にはフイルム残数がないことを示す「0」が表示されるとともに、フイルム巻止め機構のフイルム巻き止めが解除され、以後のフイルム巻き上げ操作が継続して許容され、全ての写真フイルムがパトローネ本体内に収納可能になる。
【0004】
一方、使用済みのレンズ付きフイルムユニットに未露光の写真フイルムを詰め替えて不正に販売している業者がある。このような詰め替え品は、フイルム通路の傷の有無をチェックしたり、前記撮影機構等の動作をチェックするなどの検査を全く行っていないため、せっかく撮影したネガに傷が入っていたり、撮影途中で動作しなくなったり、というようなトラブルを起こし、レンズ付きフイルムユニット全般のイメージダウンにつながりかねないおそれがある。このため、本出願人は、例えばフイルム装填後に超音波溶着により後カバーを本体基部に固着するようにしている(例えば特許文献1参照)。これにより、本体基部から後カバーを取り外そうとすれば、溶着した部分が破壊されるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−024208号公報(第2−3頁,図1,図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなカウンタ表示窓はサイズが小さくて見づらいため、カウンタ表示窓に注意を払わずに撮影しているユーザが多い。このため、いざ撮影を行おうとしてレンズ付きフイルムユニットを被写体に向け、シャッタボタンを押し下げてから、既にフイルム残数がなくなっていることに気がつくという場合が多いのが実情である。
【0007】
一方、上記特許文献1記載のようなフイルム詰め替え防止策を講じているにもかかわらず、いまだに大量の詰め替え品が市場に出回っている。これは、後カバーや本体基部が破損しても、接着剤を使用して貼り付ける等の比較的手軽な方法で修復が可能なためであると思われる。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、全コマの撮影が終了したことを明瞭に示すことができるとともに、不法な詰め替え品を製造しにくくすることができるレンズ付きフイルムユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、被写体を観察するファインダを有するとともに、最終コマの撮影が完了した後にフイルム巻き止めを解除したままにして以後のフイルム巻き上げ操作を継続して許容する巻き止め阻止手段を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記ファインダの光路内に挿入して被写体の観察を阻害する挿入位置とファインダの光路内から待避して被写体の観察を許容する待避位置との間で変位自在に設けられた観察阻害部材と、前記巻き止め解除手段に連動して最終コマの撮影が完了した後に観察阻害部材を待避位置から挿入位置に変位させる変位手段とを設けたものである。また、前記観察阻害部材は、その少なくとも一部の表面に粘性物質を塗布してあり、前記挿入位置でファインダの接眼レンズに接触することにより、前記粘性物質が接眼レンズに付着して接眼レンズを汚すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態であるレンズ付きフイルムユニットの外観を示す図1において、レンズ付きフイルムユニット1は、ユニット本体2の中央部に海苔巻き状に化粧用のラベル3を貼り付けてある。ユニット本体2の前部には、撮影レンズ4,ファインダ5の対物レンズ5a,ストロボ発光部6及びストロボ充電用ノブ7が配置してある。
【0011】
ユニット本体2の上部には、シャッタボタン9,撮影可能な残りコマ数を表示するカウンタ表示窓10,ストロボ充電の完了を表示する表示用ライトガイド11が突出される開口12が設けられている。さらに、ユニット本体2の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げダイヤル13の一部が露呈されている。
【0012】
ユニット本体2は、図2に示すように、本体基部20,前カバー21,後カバー22,ストロボ装置23及び写真フイルムパトローネ24から構成され、本体基部20の中央部には、露光ユニット25が組み付けられている。写真フイルムパトローネ24としては、135タイプのものを用いているが、その他のタイプ、例えばアドバンストフォトシステムのIX240等であってもよい。
【0013】
露光ユニット25を挟んで本体基部20の両側方には、写真フイルムパトローネ24のパトローネ本体26を収納するパトローネ室27と、パトローネ本体26から引き出した写真フイルム28をロール状に収納するフイルムロール室29とが設けられている。
【0014】
巻上げダイヤル13は、パトローネ室27の上部に回転自在に配されており、その下部に一体に設けられた軸がパトローネ本体26のスプール26aの一端に係合する。これにより、巻上げダイヤル13を矢線方向に回転操作すると、撮影済の写真フイルム28がパトローネ本体26内に巻き上げられるとともに、未露光の部分が露光ユニット25の後方に設けられたアパーチャ(図示せず)の背後にセットされる。
【0015】
前カバー21には、対物レンズ5a,撮影レンズ4,ストロボ発光部7及びストロボ充電用ノブ7を露呈するための開口が形成されている。この前カバー21は、ストロボ装置23が組み付けられた本体基部20の前面側に組み付けられる。
【0016】
後カバー22は、パトローネ本体26と写真フイルム28を収納した本体基部20の背面側を覆う。また、後カバー22には、その底部に底蓋22a,22bが形成されており、これらの底蓋22a,22bによってパトローネ室27とフイルムロール室29の底部が光密に閉じられる。なお、本体基部20と後カバー22とは、超音波溶着により部分的に固着される。
【0017】
ストロボ装置23は、ストロボ回路基板30にストロボ発光部6をはじめストロボ用の各種部品,電源の電池31等を組み付けてユニット化したものである。
ストロボ装置23と前カバー21との間には、ストロボ充電用ノブ7が一体に形成されたスイッチ板32と、このスイッチ板32をスライド自在に支持する受け板33とが組み込まれる。
【0018】
前記露光ユニット25は、撮影レンズ4を保持するシャッタカバー34を外すと、図3に示すように、ベース部35とシャッタ羽根36が露呈する。ベース部35の前面には、シャッタ開口35aが形成されている。シャッタ羽根36は、シャッタ開口35aを開閉する開閉部36aを備え、ベース部35の前面に設けた軸35bを中心に回転自在となっているとともに、コイルバネ37により開閉部36aがシャッタ開口35aを閉じる方向に付勢されている。
【0019】
ベース部35の上部には、2つの軸41,42と軸受開口43が一体に形成されている。軸41には、シャッタ駆動レバー45とカウンタ表示板46とが順に挿入される。また、軸42には、チャージバネ47と係止レバー48とが順に挿入される。また、軸受開口43には、カム部材49が挿入されている。これらの部品は、天板50によってファインダ5の対物レンズ5a,接眼レンズ5bとともにベース部35に保持される。なお、天板50は爪係合によりベース部35に着脱自在に係止される。
【0020】
カム部材49には、上方から順に表示板歩進用の一歯ギヤ49a、巻き止めカム49b、及び径方向に変位をもったチャージカム49c,下方に突出した軸49dが一体に形成されている。軸49dには、従動スプロケット52が連結されている。この従動スプロケット52は、写真フイルム28のパーフォレーションに係合しており、巻上げダイヤル13の巻き上げ操作によって移送される写真フイルム28に従動して回転する。
【0021】
カム部材49は、従動スプロケット52と一緒に回転する。巻き止めカム49bには、係止レバー48の爪部48aが摺動している。係止レバー48は、巻き止め位置と巻き止め解除位置との間で回転自在となっており、チャージバネ47の一端47aが係合し、巻き止め位置に向けて付勢されている。
【0022】
巻上げダイヤル13のフイルム巻上げ操作によって1コマ分の長さだけ写真フイルム28が移送されると、巻き止めカム49bが所定量だけ回転し、巻き止めカム49bの周面に設けた溝49eが爪部48aに対面する。このとき、爪部48aが溝49eに入り込み、係止レバー48が巻き止め位置に回転される。巻き止め位置になると、従動スプロケット52の回転が阻止され、且つ係止レバー48に設けた係止爪48bが巻上げダイヤル13の外周に形成した歯列13aに噛合して巻上げダイヤル13の回転が阻止される。
【0023】
チャージカム49cには、シャッタ駆動レバー45に形成した突起45aが摺動している。シャッタ駆動レバー45は、チャージ位置と走行完了位置との間で回転自在であり、また、チャージバネ47の他端47bが係合するバネ受け部45bを備え、チャージバネ47により走行完了位置に向けて付勢されている。
【0024】
シャッタ駆動レバー45は、カム部材49の1コマ分の移送に対応した回転により、チャージバネ47の付勢力に抗してチャージカム49cに突起45aが押され、走行完了位置からチャージ位置に向けて回転する。そして、シャッタ駆動レバー45は、係止レバー48に形成された立ち下がり突起48cに、シャッタ駆動レバー45に形成された立ち上がり突起45cが係合することにより、巻き止め位置にある係止レバー48によってチャージ位置に保持される。
【0025】
シャッタボタン9の下面には、露光ユニット25に向けて突出した押圧ロッド9aが形成されている。押圧ロッド9aは、レリーズ操作に応答して巻き止め位置にある係止レバー48の被押圧部48dをチャージバネ47の付勢に抗して巻き止め解除位置に向けて押圧する。この押圧により、係止レバー48は、チャージ位置にあるシャッタ駆動レバー45の保持を解除する。これにより、シャッタ駆動レバー45は、チャージバネ47の付勢によって走行完了位置に向けて瞬時に回転する。
【0026】
シャッタ駆動レバー45には、蹴飛ばしアーム45dが形成されている。蹴飛ばしアーム45dは、シャッタ駆動レバー45の回転途中でシャッタ羽根36に形成した一端36bを蹴飛ばす。シャッタ羽根36は、蹴飛ばされることで軸35bを中心に回転し、開閉部36aが撮影光軸Lを横切ってシャッタ開口35aを開放する。そして、シャッタ駆動レバー45が走行完了位置に回転すると、蹴飛ばしアーム45dが一端36bを乗り越える。これにより、シャッタ羽根36は、引き戻しバネ45の付勢によりシャッタ開口35aを閉じる位置に戻される。
【0027】
露光完了後には、走行完了位置にあるシャッタ駆動レバー45によって係止レバー48が巻き止め解除位置で保持される。これにより、巻上げダイヤル13とカム部材49との回転ロックが解除され、次回のフイルム巻き上げ操作が許容される。
【0028】
カウンタ表示板46には、下面に巻き止め阻止用突起46aが形成されている。巻き止め阻止用突起46aは、最終コマの撮影が完了したときのカウンタ表示板46の回転位置で係止レバー48に設けた立ち上がり片48eの回動軌跡内に入り込み、係止レバー48を巻き止め解除位置に保持する。この係止レバー48によりシャッタ駆動レバー45も走行完了位置で保持されるから、フイルム巻き止め機構が作動せずに以後のフイルム巻き上げ操作が継続して許容され、撮影済みの写真フイルム28の全てをパトローネ本体26に収納することができる。
【0029】
また、カウンタ表示板46の周縁には、一歯ギヤ49aに噛合する歯列46bが形成されている。カウンタ表示板46は、カム部材49の1コマ分の移送に対応した回転により一歩進する。なお、天板50には、前記カウンタ表示窓10が一体に形成されている。このカウンタ表示窓10は凸レンズに形成されており、カウンタ表示板46の表面に刻印された残りコマ数を表す数字を拡大して表示する。
【0030】
ファインダ5は、凹レンズの対物レンズ5aと凸レンズの接眼レンズ5bからなる逆ガリレオ式である。対物レンズ5aと接眼レンズ5bとの間でファインダ光路から上方に外れた位置に、ファインダ5の光路内に挿入して被写体の観察を阻害する観察阻害部材としての目隠し板60が軸支されている。すなわち、図4に示すように、天板50の内壁面に形成された一対の軸受け部44a(一方のみを図示)の穴に目隠し板60の軸60aが回動自在に取り付けられている。なお、目隠し板60は、ファインダ光路内の反射を考慮して黒色の樹脂から成形してある。
【0031】
目隠し板60の軸60aには、目隠し板60を図面の時計方向に付勢する捩じりバネ61が仕掛けられている。そして、ファインダ5の側方には、目隠し板60を変位させる変位手段としての支持レバー62が回動自在に設けられている(図5参照)。この支持レバー62は、最終コマの撮影が完了するまでは目隠し板60の下面を一端部62aが支持することにより、捩じりバネ61の付勢に抗して目隠し板60をファインダ光路から待避した待避位置に保持している(図4参照)。
【0032】
なお、支持レバー62は、その中心部に形成された孔がベース部35に形成された軸(図示せず)に挿通されて回動自在に取り付けられている。また、目隠し板60がファインダ光路内に挿入された挿入位置(仮想線にて示す)では、目隠し板60の先端部がベース部35の段差35cに当接して停止するようにしてある。これにより、目隠し板60が回動した際に接眼レンズ5bに衝突して接眼レンズ5bを傷つけることが防止され、接眼レンズ5bの再使用が可能になる。
【0033】
支持レバー62は樹脂製であり、その回動中心近傍にS字型に形成されて弾性を付与されたバネ部62bが設けられている。このバネ部62bの端部がベース部35に形成されたストッパ64に当接しており、支持レバー62を時計方向に付勢している(図5参照)。また、一端部62a側に当接して支持レバー62の位置を規制して目隠し板60を待避位置に保持するストッパ65がベース部35に形成されている。
【0034】
支持レバー62の他端部62cは、前記巻き止め阻止用突起46aの回動軌道内に挿入されている。この巻き止め阻止用突起46aは、最終コマの撮影を終えた後のフイルム巻き上げ操作に伴って他端部62cを押し、支持レバー62をバネ部62bの付勢に抗して反時計方向に回動させる。これにより、目隠し板60を支持していた支持レバー62の一端部62aが目隠し板60の下面から外れ、捩じりバネ61の付勢により目隠し板60が時計方向に回動してファインダ光路に挿入され、ファインダ視野が遮蔽される。
【0035】
このように構成されたレンズ付きフイルムユニットの作用を説明する。最後の1コマを撮影し終わった後、巻上げダイヤル13を回すと、巻き止め阻止用突起46aが立ち上がり片48eの回動軌跡内に入り込んで、係止レバー48が巻き止め解除位置に保持されると同時にシャッタ駆動レバー45が走行完了位置で保持され、以後のフイルム巻き上げ操作が継続して許容される。
【0036】
巻上げダイヤル13を継続して回してゆくと、巻き止め阻止用突起46aが他端部62cを押して支持レバー62を回動させるから、目隠し板60は、支持レバー62の一端部62aによる支持を失ってファインダ光路内に回動し、接眼レンズ5bを内側から覆ってファインダ視野を遮蔽する。カウンタ表示窓10を確認しないユーザでもファインダ5は必ず覗いて撮影するから、暗転状態のファインダ視野を見れば、それ以上の撮影ができないことを瞬時に理解できる。
【0037】
撮影済みのレンズ付きフイルムユニット1は、そのまま現像取扱店に提出される。現像取扱店では、後カバー22の蓋22aを開いて露光済みの写真フイルム28を収納したパトローネ本体26を取り出し、これを自動現像機にセットして現像及び焼付け処理を行う。そして、仕上がったプリント写真とネガフイルムとをユーザに返却する。
【0038】
空のレンズ付きフイルムユニット1は、メーカの循環生産工場に回収される。
循環生産工場では、前カバー21や後カバー22は成形用の原材料にされ(リサイクル)、またストロボユニット23や露光ユニット25は各種の検査終了後、合格したものは再使用(リユース)される。
【0039】
露光ユニット25をリユースする際には、天板50を取り外してから、カウンタ表示板46を初期位置に戻すと、支持レバー62がバネ部62bの付勢により時計方向に回動してストッパ65に当接し、元の位置に戻る。次に、目隠し板60が斜めになるように回動させて目隠し板60の面を支持レバー62に当接させながら、天板50をベース部35の上部に押しつけると、天板50がベース部35と爪係合する。これにより、目隠し板60がファインダ光路から待避した待避位置に支持され、ファインダ視野が開放される。
【0040】
空のレンズ付きフイルムユニット1が第三者に渡った場合、後カバー22を外してフイルム詰め替えを行っただけでは、ファインダ視野が暗転したままであるから、目隠し板60を取り外す必要がある。このためには、本体基部20から前カバー21と後カバー22の両方を取り外してから、シャッタボタン9,天板50を取り外し、更に天板50から目隠し板60を取り外した後、カウンタ表示板46を初期位置に戻し、天板50,シャッタボタン9をベース部35に元通りに取り付け、前カバー21を本体基部20に取り付けてから、フイルム詰め替え作業を行う。
【0041】
すなわち、従来のフイルム詰め替え作業の他に、(1)前カバーの取り外し、(2)露光ユニットの天板の取り外し、(3)目隠し板の取り外し又は破壊、の少なくとも3つの作業を余分に行わなければならない。このような大幅な手間の増加は、不法な詰め替え品の製造を困難にする。この結果、詰め替え業者の利益を大幅に減少させ、詰め替え品の販売を諦めさせることに貢献する。
【0042】
次に、別の実施形態を示す図6乃至図8において、目隠し板70は一対の軸70aを介して天板71に回動自在に取り付けられている(図7参照)。目隠し板70の一方の軸70a近傍には、L字型の係合部70bが形成されている。この係合部70bには、支持レバー72の丸棒状突起72aが係合している。支持レバー72は、ほぼ三角形状をしており、1つの角から丸棒状突起72aが突出形成され、また他の2つの角から爪部72b,72cが突出形成されている。
【0043】
支持レバー72は、孔72dを介して天板71に回動自在に取り付けられている。また、支持レバー72の回動中心近傍にS字型に形成されて弾性を付与されたバネ部72eが設けられている。このバネ部72eの端部が天板71に形成されたストッパ73の側面に当接しており、支持レバー72を時計方向に付勢している。
【0044】
図8に示すように、カウンタ表示板75の下面には巻き止め阻止用突起75aが形成されている。この巻き止め阻止用突起75aは、カウンタ表示板75の下面に形成された円板75bの外周の一部に形成され、一辺の傾斜が急で他辺の傾斜がなだらかな爪形状をしている。
【0045】
支持レバー72は、バネ部72eの付勢により常に時計方向に付勢されているが、フイルム残り枚数がある状態では、同図(A)に示すように、爪部72cが円板75bの外周面に摺接し、支持レバー72の時計方向への回動が阻止されている。この状態では、丸棒状突起72aが目隠し板70を下方から支えてファインダ光路から待避した待避位置に保持している。また、爪部72bは円板75bの外周面から巻き止め阻止用突起75aが通過可能に離間している。
【0046】
最後の1コマを撮影し終わった後、巻上げダイヤル13を回すと、同図(B)に示すように、巻き止め阻止用突起75aが爪部72cを押し、支持レバー72をバネ部72eの付勢に抗して反時計方向に回動させる。これにより、丸棒状突起72aが係合部70bの根元側を押し、目隠し板70を回動してファインダ光路内に挿入する(図7参照)。目隠し板70は、先端部がベース部35の段差35cに当接して停止する。
【0047】
レンズ付きフイルムユニットを回収した循環生産工場では、図8(C)に示すように、カム部材49を逆回転させ、カウンタ表示板75を反時計方向へ回転させる。巻き止め阻止用突起75aが爪部72bを押し、バネ部72eの付勢と協働して支持レバー72を時計方向に回動させる。これにより、丸棒状突起72aが目隠し板70の接眼レンズ5b側の面を押し、目隠し板70をファインダ光路内の挿入位置からファインダ光路外の待避位置に回動させる(図7参照)。
【0048】
次に、別の実施形態を示す図9において、目隠し板80のファインダ光路側の表面には、ほぼ全面にわたって粘性物質であるグリス81が塗布されている。ベース部82の接眼レンズ5b近傍には、挿入位置の目隠し板80が当接される段差を設けていないから、目隠し板80は退避位置(仮想線で示す)から回動して挿入位置(実線で示す)に達すると、接眼レンズ5bに衝突する。これにより、グリス81が接眼レンズ5bの表面に付着して接眼レンズ5bを汚す。
【0049】
グリス81で汚れた接眼レンズ5bは、きれいに洗浄しなければ、ファインダ視野が曇って再使用することはできない。これにより、第三者によるフイルム詰め替え作業は、従来のフイルム詰め替え作業の他に、上述した(1)前カバーの取り外し、(2)露光ユニットの天板の取り外し、(3)目隠し板の取り外し又は破壊、に加え、(4)接眼レンズの洗浄の少なくとも4つの作業を余分に行わなければならなくなる。このような大幅な手間の増加は、不法な詰め替え品の製造を困難にし、詰め替え業者の利益を大幅に減少させ、詰め替え品の販売を諦めさせることに貢献する。なお、粘性物質としては、グリスを用いたが、本発明はこれに限定されることなく、非硬化性のものであれば、塗料等でもよい。
【0050】
以上説明した実施形態では、黒色の目隠し板によりファインダ視野が暗転状態になるため、レンズ付きフイルムユニットの故障ではないかと勘違いするユーザもあり得る。このため、ラベルの背面に「ファインダ視野が暗転状態になりましたら、全コマの撮影が終了しましたので、そのまま現像取扱店にご提出ください。」等の説明文を記載しておくことが望ましい。また、目隠し板を明るい色とすると、故障ではなく、撮影完了の知らせであることがより明瞭に分かるという利点がある。
【0051】
また、上記実施形態では、天板を爪係合によりベース部に取り付けたが、本発明はこれに限定されることなく、天板を溶着(超音波溶着等)によりベース部に取り付けてもよい。この場合には、第三者による天板の取り外しが更に困難になると同時に、目隠し板をリセットした後に天板を再度ベース部に溶着する手間が増えるため、効果的に違法な詰め替えを防止できる。
【0052】
また、上記実施形態は、いずれも目隠し板はファインダ視野をほぼ完全に塞ぐものであったが、本発明はこれに限定されることなく、被写体の観察を明らかに阻害できるものであれば、例えばファインダ視野の半分程度を塞ぐ大きさでもよい。また、目隠し板の形状に関しても矩形状に限らず、例えば円形等でもよい。また、目隠し板は、回動によってファインダ光路に挿脱されるようにしたが、直線方向に移動されるように構成してもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットでは、最終コマの撮影が完了した後に巻き止め解除手段に連動して観察阻害部材をファインダの光路内に挿入して被写体の観察を阻害するようにしたので、ユーザは全コマの撮影が終了したことを明瞭に知ることができる。また、第三者がフイルム詰め替えを行おうとしても観察阻害部材をファインダ光路内から取り除く作業が余分に必要になるため、大幅な手間の増加によって詰め替え品の製造が困難になる。この結果、採算割れが生じ、不法な詰め替え品の販売量を減少させることができる。また、観察阻害部材の表面に粘性物質を塗布しておき、挿入位置で観察阻害部材がファインダの接眼レンズに接触することにより粘性物質が接眼レンズに付着して接眼レンズを汚すから、観察阻害部材をファインダ光路内から取り除く作業の他に接眼レンズの洗浄作業が必要となって、更に詰め替え品の製造を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レンズ付きフイルムユニットの外観図である。
【図2】ユニット本体の分解斜視図である。
【図3】露光ユニットの分解斜視図である。
【図4】ファインダと目隠し板との関係を示す断面図である。
【図5】カウンタ表示板,支持レバー,目隠し板及びファインダの関係を示す説明図である。
【図6】目隠し板及び支持レバーの別の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す目隠し板とファインダとの関係を示す断面図である。
【図8】図6に示す目隠し板とファインダ,支持レバー,カウンタ表示板との関係を示す説明図である。
【図9】目隠し板にグリスを塗布した実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 レンズ付きフイルムユニット
5 ファインダ
5a 対物レンズ
5b 接眼レンズ
25 露光ユニット
45 シャッタ駆動レバー
46,75 カウンタ表示板
46a,75a 巻き止め阻止用突起
48 係止レバー
49 カム部材
50,71 天板
60,70,80 目隠し板
62,72 支持レバー
81 グリス
Claims (2)
- 被写体を観察するファインダを有するとともに、最終コマの撮影が完了した後にフイルム巻き止めを解除したままにして以後のフイルム巻き上げ操作を継続して許容する巻き止め阻止手段を備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記ファインダの光路内に挿入して被写体の観察を阻害する挿入位置とファインダの光路内から待避して被写体の観察を許容する待避位置との間で変位自在に設けられた観察阻害部材と、前記巻き止め解除手段に連動して最終コマの撮影が完了した後に観察阻害部材を待避位置から挿入位置に変位させる変位手段とを設けたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記観察阻害部材は、その少なくとも一部の表面に粘性物質を塗布してあり、前記挿入位置でファインダの接眼レンズに接触することにより、前記粘性物質が接眼レンズに付着して接眼レンズを汚すことを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002282682A JP2004117953A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | レンズ付きフイルムユニット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002282682A JP2004117953A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | レンズ付きフイルムユニット |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004117953A true JP2004117953A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32276769
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002282682A Pending JP2004117953A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | レンズ付きフイルムユニット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004117953A (ja) |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002282682A patent/JP2004117953A/ja active Pending
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