JP2004128373A - 圧電トランス - Google Patents

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Katsuyuki Ishikawa
石川 勝之
Toru Ezaki
江崎 徹
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Abstract

【課題】縁面放電の起こり難い耐久性に優れた圧電トランスを提供する。
【解決手段】圧電トランス1は、入力側圧電素子2と出力側圧電素子3とが絶縁板4を介して積み重ねられた構造を有する。入力側圧電素子2は、圧電セラミックス板11の表裏面に入力電極12a・12bが設けられた構成を有し、出力側圧電素子3は、長手方向中央部に出力電極14aが、長手方向の端面に出力電極14bが設けられた構成を有する。絶縁板4は、出力側圧電素子3に設けられた出力電極14aに近接する部分に側面に突出した凸部16を有する。圧電トランス1の駆動時には、出力電極14aと入力電極12aとの間に高い電位差が発生するが、この凸部16がこれらの電極間での縁面放電の発生を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光灯点灯用の高圧電源等に用いられる圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置のバックライト点灯用電源等として、圧電トランスが広く用いられている。例えば、特開平11−204852号公報には、図5の斜視図に示すように、常誘電セラミック層91を第1圧電セラミック層92aおよび第2圧電セラミック層92bで挟み込んだ3層構造の圧電トランス90が開示されている。第1圧電セラミック層92aの表裏面には一対の入力電極93a・93bが形成され、第2圧電セラミック層92bの長手方向端面には一対の出力電極94a・94bが形成されている。第1圧電セラミック層92aは厚み方向に分極され、第2圧電セラミック層92bは長手方向に分極されている。
【0003】
このような圧電トランス90においては、第1圧電セラミック層92aに圧電横効果を利用した振動を生じさせて圧電トランス90全体を長さ方向に励振し、第2圧電セラミック層92bの圧電縦効果を利用して電力を取り出す。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−204852号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電トランス90においては、第1圧電セラミック層92aと第2圧電セラミック層92bと常誘電セラミック層91は、これらの端面および側面が揃えられて重ね合わされているために、低電位である入力電極93bと高電位である出力電極94aとの間で縁面放電が生じて、圧電トランス90が絶縁破壊するおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、絶縁破壊の発生が抑制された圧電トランスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、圧電横効果を利用する入力側圧電素子と圧電縦効果を利用する出力側圧電素子とが絶縁板を介して厚み方向に積み重ねられた圧電トランスであって、
前記絶縁板は、前記出力側圧電素子に設けられた出力電極に近接する部分に側面に突出した凸部を有することを特徴とする圧電トランス、が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、矩形形状を有し、長手方向の中央部に出力電極を有する出力側圧電素子と、
前記出力側圧電素子と同じ長さおよび幅を有する入力側圧電素子と、
前記出力側圧電素子と同じ長さを有し、前記出力側圧電素子と端面を揃えて重ね合わせた際に前記出力電極に近接する長手方向中央部の幅が前記出力側圧電素子の幅よりも広く、かつ、前記中央部以外の部分の幅は前記出力側圧電素子の幅と同じである絶縁板と、
を具備し、
前記出力側圧電素子と前記入力側圧電素子と前記絶縁板は、前記出力側圧電素子と前記入力側圧電素子との間に前記絶縁板が挟まれ、かつ、これらの端面と前記絶縁板の中央部を除いた側面が揃えられて、厚み方向で重ね合わされていることを特徴とする圧電トランス、が提供される。
【0008】
これらの圧電トランスは、絶縁板に設けられた凸部によって出力電極と入力電極との間での縁面放電の発生が防止されるため、長寿命であり、信頼性に優れるという特徴を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る圧電トランス1の概略構造を示す斜視図であり、図2はその断面図である。圧電トランス1は、入力側圧電素子2と出力側圧電素子3とが絶縁板4を介して厚み方向に積み重ねられた構成を有する。これらは互いに接着剤を用いて貼り合わされている。
【0010】
入力側圧電素子2は、圧電セラミックス板11の表裏面に一対の入力電極12a・12bが設けられた構成を有しており、圧電セラミックス板11は厚み方向で分極されている。
【0011】
出力側圧電素子3は、圧電セラミックス板13の長手方向の中央と両端に一対の出力電極14a・14bが設けられた構成を有しており、圧電セラミックス板13の両端に設けられた2つの出力電極14bは短絡されて接地されている。また、圧電セラミックス板13の長手方向の中央に設けられた出力電極14aは、帯状電極15が厚み方向にほぼ一定間隔で圧電セラミックス板13の内部に埋設され、これらの帯状電極15が圧電セラミックス板13の側面において短絡された構成を有する。圧電セラミックス板13において出力電極14aと2箇所に設けられた出力電極14bに挟まれた2つの部分は、出力電極14aを挟んで対称な向きとなるように圧電セラミックス板13の長手方向に分極処理されている。
【0012】
圧電セラミックス板11・13としては、優れた圧電特性を示すチタン酸ジルコン酸鉛系材料が好適に用いられる。また、入力電極12a・12bと出力電極14a・14bとしては銀電極が好適に用いられる。帯状電極15としては、後述するように銀/パラジウム電極が好適に用いられる。
【0013】
絶縁板4の長手方向の中央部には出力側圧電素子3の幅よりも広い凸部16が形成されており、絶縁板4の凸部16を除いた部分の幅は出力側圧電素子3の幅と同じとなっている。絶縁板4としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、ムライト(3Al−2SiO)等の各種の絶縁性セラミックス材料や、アルミナガラス、シリカガラス、結晶化ガラス等の各種のガラス材料が好適に用いられる。
【0014】
このような構成を有する圧電トランス1においては、入力電極12a・12bに所定周波数の駆動電圧を印加すると、圧電セラミックス板11が圧電横効果によって振動し、これにより圧電トランス1全体を例えばλ/2モード等の振動モードで振動させることができる。このとき、出力側圧電素子3においては、圧電セラミックス板13の圧電縦効果によって高い電圧が発生し、出力電極14a・14bから電力が取り出される。このとき、出力電極14aと入力電極12aとの間に大きな電位差が発生するが、絶縁板4に設けられた凸部16によって、圧電トランス1の側面での出力電極14aと入力電極12aとの間での放電(縁面放電)の発生が抑制される。
【0015】
圧電トランス1の製造は、例えば、次のような工程によって行うことができる。まず、ドクターブレード法や押出成形法等の種々のシート成形技術を用いて、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックス粉末をシート状(例えば、厚さ0.05mm〜0.1mm)に成形する。得られた帯状のグリーンシートから打ち抜き金型によるパンチングや切り抜き等の方法によって、所定枚数の同形状の長方形シートを製造する。
【0016】
複数枚の長方形シートを積層して熱プレス処理する。これにより長方形シートどうしが熱圧着されて一体化された第1の板材が得られ、この第1の板材を所定温度で焼成することによって第1の圧電板が得られる。
【0017】
また、長方形シートの対向する短辺の中央を結ぶように長方形シートの表面に、銀/パラジウムペーストや白金ペースト等の電極ペーストを帯状に印刷する。なお、この帯状に印刷された電極が最終的に圧電セラミックス板13に埋設された帯状電極15となる。この電極ペーストが印刷された長方形シートを複数枚積層して熱プレス処理することによって、長方形シートどうしが熱圧着されて第2の板材が得られ、この第2の板材を所定温度で焼成することによって第2の圧電板が得られる。
【0018】
第1の圧電板の表裏面に銀ペーストを印刷して焼成する。次に第1の圧電板の表裏面に形成された電極間に所定の電圧を印加して、第1の圧電板を分極処理する。分極処理後には、第1の圧電板の周縁部を切り落とし、また、その短辺に平行に一定幅で切断する。これによって、表裏面に入力電極12a・12bが形成された圧電セラミックス板11、つまり入力用圧電素子2が得られる。
【0019】
一方、第2の圧電板の周縁部を切り落とし、さらにその短辺に平行に一定幅で切断することによって、帯状電極15が長手方向中央部に埋設された圧電セラミックス板13が得られる。圧電セラミックス板13の両端面に銀ペーストを印刷し、かつ、圧電セラミックス板13の中央部に埋設された帯状電極15が互いに短絡するように、圧電セラミックス板13の中央部側面および表裏面に銀ペーストを印刷して焼成する。これにより、圧電セラミックス板13に出力電極14a・14bが形成される。2箇所の出力電極14bを短絡し、出力電極14a・14b間に所定の電圧を印加して、圧電セラミックス板13を分極処理する。こうして出力側圧電素子3が得られる。
【0020】
絶縁板4は、圧電セラミックス板11の製造工程と同様の方法で作製することができる。しかし、圧電セラミックス板11・13は単純な矩形であるために、上述したように、大きめのセラミックス板を製造してこれを切断する方法によって製造することで生産性を高めることができるのに対して、絶縁板4は凸部16を有するために、このような製造方法は採用し難い。そこで、グリーンシートをパンチング等する際に、絶縁板4の形状でパンチング等することが好ましい。また、製造するグリーンシートの厚みを調整することによって、グリーンシートの積み重ね工程と熱圧着工程を省くことができる。
【0021】
製造した入力用圧電素子2と出力側圧電素子3との間に絶縁板4を挟んで、これらを接着剤で貼り合わせる。このとき、入力用圧電素子2と出力側圧電素子3と絶縁板4の位置合わせを、これらの長手方向の両端部で行うことができるために、これらの接着位置にずれが生ずることが防止される。これにより個々の圧電トランス1の効率低下が防止され、昇圧特性を一定に保持することができる。
【0022】
図3は、本発明に係る圧電トランスの別の実施形態を示す概略斜視図である。圧電トランス5は、入力側圧電素子6と出力側圧電素子7とが絶縁板8を介して厚み方向に積み重ねられた構成を有する。入力側圧電素子6は、厚み方向に分極された圧電セラミックス薄板21と電極膜(内部電極)22とが交互に積み重ねられ、これら電極膜22が一層おきに接続されて一対の入力電極が形成された構成を有している。入力側圧電素子6をこのような積層構造とすることによって、入力電圧を下げることができ、昇圧比を大きくすることができる。
【0023】
出力側圧電素子7は、長手方向に分極された圧電セラミックス板23の長手方向の両端にそれぞれ出力電極24a・24bが設けられた構成を有し、出力電極24bは接地されている。絶縁板8における出力電極24a側の端部には面方向に突出した凸部25が設けられており、この凸部25を除いた部分は、入力側圧電素子6および出力側圧電素子7の端面および側面と同一面を形成している。圧電トランス5においては、出力電極24aと絶縁板8に最も近い位置にある電極膜22との間に大きな電位差が発生するが、絶縁板8に設けられた凸部25によって、これらの電極間での縁面放電の発生が防止される。
【0024】
なお、入力側圧電素子6と絶縁板8と出力側圧電素子7をこれらの順で厚み方向に積み重ねて接着剤で接着する際には、凸部25を除いた側面および他方の端面でこれら部材の位置合わせを行うことによって、これらの部材の接着位置がずれることを防止することができる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、入力側圧電素子2や絶縁板4および出力側圧電素子7や絶縁板8は、粉末プレス法によって作製することができる。また、絶縁板4に設けられる凸部16の平面形状は、図1に示されるような長方形に限定されるものではない。図4(a)〜(c)は絶縁板の別の実施形態を示す平面図であり、絶縁板4a〜4cのように、半円形の凸部16aや半楕円形の凸部16b、台形の凸部16c等を設けた絶縁板を用いることもできる。さらに、絶縁板4において、凸部16はその他の矩形部分と一体的に構成されている(つまり絶縁板4は接続部分のない一枚板である)ことが好ましいが、矩形板の長手方向中央部に小さい長方形の板を接着剤で固定することによって、絶縁板4を構成してもよい。
【0026】
上記説明においては、入力側圧電素子と出力側圧電素子と絶縁板を個別に準備した後に、これらを接着剤で接着することにより、圧電トランスを製造する方法について示したが、絶縁板が入力側圧電素子および出力側圧電素子を形成している圧電セラミックスと近い組成を有する常誘電セラミックスや、このような圧電セラミックスと同時焼成が可能である絶縁性セラミックスである場合等には、圧電トランスを一体的に製造することも可能である。つまり、入力側圧電素子を形成するグリーンシートを所定枚数積み重ね、その上に、絶縁板を形成するグリーンシートを積み重ね(凸部の圧着が困難なため、厚みの厚いグリーンシートを1枚のみ積み重ねることが好ましい)、さらにその上に出力側圧電素子を形成するグリーンシートを所定枚数積み重ねて、熱圧着し、脱脂、焼成することによって、本発明に係る圧電トランスを製造することができる。
【0027】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の圧電トランスは、縁面放電を起こし難いために、耐久性と信頼性に優れる。また、圧電トランスの製造時において、圧電トランスを構成する入力側圧電素子と出力側圧電素子と絶縁板の位置合わせが容易であり、これによって、個々の圧電トランスの駆動特性にばらつきが生ずることが防止されるため、品質を一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電トランスの一実施形態を示す概略斜視図。
【図2】図1に示す圧電トランスの概略断面図。
【図3】本発明の圧電トランスの別の実施形態を示す概略斜視図。
【図4】本発明の圧電トランスが具備する絶縁板の別の形態を示す平面図。
【図5】従来の圧電トランスの構造を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1;圧電トランス
2;入力側圧電素子
3;出力側圧電素子
4;絶縁板
5;圧電トランス
6;入力側圧電素子
7;出力側圧電素子
8;絶縁板
11;圧電セラミックス板
12a・12b;入力電極
13;圧電セラミックス板
14a・14b;出力電極
15;帯状電極
16・16a・16b・16c;凸部
21;圧電セラミックス薄板
22;電極膜(入力電極)
23;圧電セラミック板
24a・24b;出力電極
25;凸部
90;圧電トランス
91;常誘電セラミックス層
92a;第1圧電セラミックス層
92b;第2圧電セラミックス層
93a・93b;入力電極
94a・94b;出力電極

Claims (2)

  1. 圧電横効果を利用する入力側圧電素子と圧電縦効果を利用する出力側圧電素子とが絶縁板を介して厚み方向に積み重ねられた圧電トランスであって、
    前記絶縁板は、前記出力側圧電素子に設けられた出力電極に近接する部分に側面に突出した凸部を有することを特徴とする圧電トランス。
  2. 矩形形状を有し、長手方向の中央部に出力電極を有する出力側圧電素子と、
    前記出力側圧電素子と同じ長さおよび幅を有する入力側圧電素子と、
    前記出力側圧電素子と同じ長さを有し、前記出力側圧電素子と端面を揃えて重ね合わせた際に前記出力電極に近接する長手方向中央部の幅が前記出力側圧電素子の幅よりも広く、かつ、前記中央部以外の部分の幅は前記出力側圧電素子の幅と同じである絶縁板と、
    を具備し、
    前記出力側圧電素子と前記入力側圧電素子と前記絶縁板は、前記出力側圧電素子と前記入力側圧電素子との間に前記絶縁板が挟まれ、かつ、これらの端面と前記絶縁板の中央部を除いた側面が揃えられて、厚み方向で重ね合わされていることを特徴とする圧電トランス。
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