JP2004143833A - 薬液吐出容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置することにより、その手洗い部に供給された水に、安定的に所定量の薬剤を混合する薬液吐出具を提供する。
【解決手段】薬液吐出容器100Aが、液状の薬剤を収容する薬液タンク1及び薬液タンク1の下方に設けられた薬液吐出ノズル5からなる。薬液吐出ノズル5には、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔6が開口し、薬液吐出容器100Aの底部には、薬液吐出孔6とは別個に空気置換孔7が設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】薬液吐出容器100Aが、液状の薬剤を収容する薬液タンク1及び薬液タンク1の下方に設けられた薬液吐出ノズル5からなる。薬液吐出ノズル5には、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔6が開口し、薬液吐出容器100Aの底部には、薬液吐出孔6とは別個に空気置換孔7が設けられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置し、手洗い部の上方のカランから供給される水に薬剤を混合するのに適した薬液吐出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置し、手洗い部の上方のカランから供給される水に薬剤(芳香剤、洗浄剤、殺菌剤等)を混合するために用いる薬剤供給具として、特許文献1に記載されている水洗トイレ用薬剤供給具が知られている。この薬剤供給具は、薬剤容器から液状の薬剤を含浸体に滲出させて含浸させると共に、その含浸体が、手洗い部に供給された水の流れに晒されるようにし、含浸体に含まれていた薬剤が水に溶解し、ロータンク内に流下するようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−342667号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、薬剤を含浸させた含浸体を、手洗い部の水の流れに晒し、含浸体に含浸させていた薬剤を水に溶解させる薬剤供給具においては、一旦、薬剤供給具を水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置した後、使用しない時間が長くなると、含浸体の内部で薬剤の濃度が高まり、薬剤が通液し難くなり、場合によっては、薬剤容器から含浸体への新たな薬剤の滲出も滞るようになる。
【0005】
これに対し、本発明は、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置することにより、その手洗い部に供給された水に所定量の薬剤を安定的に混合させることのできる薬液吐出具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、薬液タンクの底部に、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔を設け、その薬液吐出孔が、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部の水の流れに直接晒されるようにすると、含浸体を使用しないので、手洗い部に供給された水に薬剤を安定的に吐出させられることを見出した。またこの場合、薬液吐出孔と別個に空気置換孔を薬液吐出具の底部に設けると、その空気置換孔から空気が薬液タンクに入ることにより、薬剤の吐出による薬液タンク内の負圧が解消されるので、薬剤の吐出による薬液タンク内の負圧によって薬液吐出孔から水が薬液タンク内に入り、薬液タンク内が希釈されていくのを防止できること、を見出した。
【0007】
即ち、本発明は、液状の薬剤を収容する薬液タンク、及び薬液タンクの下方に設けられた薬液吐出ノズルからなる薬液吐出容器であって、薬液吐出ノズルに、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔が開口し、薬液吐出容器の底部に、前記薬液吐出孔とは別個に空気置換孔が設けられている薬液吐出容器を提供する。
【0008】
また、本発明は、上述の薬液吐出容器の薬液タンクに液状の薬剤が収容されてなる薬液吐出具を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または同等の構成要素を表している。
【0010】
図1は、本発明の一態様の薬液吐出容器100Aの斜視図(a)、断面図(b)及び底面図(c)であり、図2(a)、(b)は、その薬液吐出孔付近を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【0011】
この薬液吐出容器100Aは、トイレ用芳香剤、洗浄剤、殺菌剤等の液状の薬剤を収容する薬液タンク1と、薬液タンク1の底部開口部2の周壁3に螺合し、薬液タンク1に着脱自在に取り付けられるタンク支持部材4からなっている。
【0012】
薬液タンク1に取り付けられた状態で、その底部開口部2上に位置するタンク支持部材4の中央部には、薬液吐出ノズル5が突出しており、薬液吐出ノズル5の先端には薬液吐出孔6が開口している。
【0013】
また、タンク支持部材4には、薬液吐出孔6とは別個となるように別位置に空気置換孔7が開口している。
【0014】
薬液吐出ノズル5の側面には、その長手方向に沿って水誘導板8a、8bが薬液吐出ノズル5と一体に設けられている。この水誘導板8a、8bは、カランから給水された水が薬液吐出ノズル5に沿って流れ、薬液吐出孔6が水に晒されるようにするため、設けることが好ましい。
【0015】
また、薬液吐出孔6の下方近傍には、薬液吐出ノズル5の長手方向に対して垂直に水反射板9が設けられている。水反射板9は、薬液タンク1に充填する薬剤の粘度に応じて、次のように必要に応じて設けられる。まず、薬剤が高粘度の場合には、水反射板9を設けると、カランからの水流が水反射板9にあたって乱れるために薬液吐出孔6付近で水の撹拌作用が起こり、薬剤の水への吐出性が高まるので好ましい。反対に薬剤が低粘度の場合には、水反射板9を設けなくても薬剤の水への吐出性を確保することができる。
【0016】
薬液吐出孔6や空気置換孔7の孔径は、薬液タンク1に薬剤を充填した場合に、薬剤が表面張力によって薬液吐出孔6及び空気置換孔7に保持されるよう適宜定める。例えば、薬液タンク1に充填する薬剤の粘度が50〜5000mpas、薬剤の比重が1〜1.2g/cm3の場合、薬液吐出孔6の孔径は0.5〜3mm、空気置換孔7の孔径は0.5〜2.0mmとする。また、図3に示すように、カランからの水流に薬液吐出孔6を晒す等により、薬剤を確実に吐出させるため、薬液吐出ノズル5の長さL1 は5〜50mmとすることが好ましい。
【0017】
また、タンク支持部材4には足13が設けられ、薬液タンク1の頂部には、天板10が設けられている。本発明において、天板10は、カランからの水が薬液吐出容器100Aの真上から供給される場合に、水が薬液タンク1に直接的にあたることを防止し、それにより、薬液タンク1からの薬剤Aの吐出量を、水温あるいは気温の変動によらず、安定化させるため、必要に応じて設けられる。
【0018】
このように、この薬液吐出容器100Aは、構成が極めて簡易であり、部品点数が少なく、ローコストに得ることができる。また、この薬液吐出容器100Aの薬液タンク1に薬剤を充填することにより、本発明の薬液吐出具となる。
【0019】
薬液吐出容器100Aの使用方法としては、まず、薬剤が薬液タンク1に収容されている状態おいて、薬液吐出容器100Aを水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置する。この場合、薬液吐出ノズル5の先端部を、手洗い部に開口しているロータンクの吸水口に挿入する。なお、ロータンクの吸水口上にカランが設けられ、薬液タンク1の上方から水が供給される場合について、以下に説明するが、この薬液吐出容器100Aは、ロータンクの吸水口上にはカランがなく、したがって、ロータンクの吸水口に薬液吐出ノズル5の先端部を挿入した場合に、薬液タンク1の側方のカランから水が供給される手洗い部でも、同様に使用することができる。
【0020】
薬液吐出容器100Aを手洗い部に載置後、水洗トイレの水をフラッシュさせ、カランから水が供給されると、図3のように、水Wは、まず天板10に沿って放射状に流れ、次いで薬液タンク1の側面に沿って手洗い部20に流れ、吸水口21内に流れ込み、さらに水誘導板8a、8bにより薬液吐出ノズル5に沿って流下し、水反射板9に当たることにより薬液吐出孔6を洗うように流れ、ロータンク内に飛散する。したがって、薬液吐出孔6に保持されていた薬剤Aが確実に水Wでさらわれ、ロータンク内に入る。さらに、この薬剤Aを含んだ水は、ロータンク内に静かに流れ込むのではなく、水反射板9により飛散してロータンク内に入るので、ロータンク内では薬剤Aと水が良好に混合される。
【0021】
薬液タンク1内は、ロータンク内に供給された薬剤Aの量に応じて負圧になるが、直ちに、薬液吐出孔6よりも上方にあるために液圧の低い空気置換孔7から薬液タンク1内に空気が入るので、薬液タンク1内は常圧に戻り、薬液吐出孔6には薬剤Aが保持される。なお、空気置換孔7上をカランからの水が流れることにより、空気置換孔7が水で塞がれている場合には、空気置換孔7から薬液タンク1内に水が入る場合があるが、空気置換孔7は、水の流れが集中する薬液吐出孔6に比して水で塞がれている割合が少ないので、空気置換孔7からは専ら空気が薬液タンク1内に入り、ロータンク内の負圧を解消する。
【0022】
これに対し、空気置換孔7を形成しない場合には、薬剤Aの吐出によって薬液タンク1内が負圧になると、薬液吐出孔6から、そこに付着していた水、水に希釈された薬剤又は空気が吸引され、薬液タンク1内に入るので、薬液タンク1内は次第に希釈される。このため、水洗トイレのフラッシュを繰り返すと、薬液タンク1に残存している液量から判断する限り、薬液タンク1内には十分な量の薬剤が残存していると思われるにも関わらず、実際には、薬剤の吐出の効果がほとんど得られ無い希釈薬剤が残存し続けるという問題が起こりやすくなる。
【0023】
カランからの給水が止まると、薬液吐出孔6に保持されている薬剤Aをさらう水の流れがなくなり、ロータンク内への薬剤Aの供給も止まる。以降、カランから給水される度に同様の作用が繰り返され、薬剤Aがロータンク内に安定的に混入する。
【0024】
本発明の薬液吐出容器は、その底部に、薬液吐出孔と別個に空気置換孔を設ける限り、種々の態様をとることができる。
【0025】
例えば、図4、図5に示す薬液吐出容器100Bのように、空気置換孔7を、薬液吐出ノズル5の側面と一体になった水遮蔽壁11で囲み、薬液タンク1の上方又は側方のカランから水が供給された場合に、空気置換孔7が水に晒されることを防止してもよい。これにより、空気置換孔7から薬液タンク1内に水が混入するおそれを無くすことができる。但し、空気置換孔7を水遮蔽壁11で囲むと、カランから一時的に多量の水が供給された場合に、水遮蔽壁11の下端面の開口部に水の膜が形成されるなどにより、空気置換孔7による空気置換が行われ難くなり、空気置換がなされない場合も生じる。そのため、フラッシュ1回当たりの吐出量の変動が大きくなる。したがって、フラッシュ1回当たりの薬剤Aの吐出量の安定化の点からは、図4及び図6に示す水遮蔽壁11の下端面の開口径を大きくして水の膜が形成されないようにするか、空気置換孔7を水遮蔽壁11で囲まないことが好ましい。
【0026】
薬液吐出容器に水遮蔽壁11を設ける場合、その先端部には、壁厚方向に僅かに突出させたテーパー状部分12を設けることが好ましい。これにより、図6に示したように、水遮蔽壁11に沿って流下した水Wがテーパー状部分12で飛散してロータンク内に入るので、薬剤Aをロータンク内の水とより速やかに混合することができる。
【0027】
また、薬液吐出容器に水遮蔽壁11を設ける場合、水遮蔽壁11は、薬液吐出ノズル5と一体に形成することなく、別個独立的に空気置換孔7を囲むようにしてもよい。
【0028】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1
図1の薬液吐出容器において、薬液タンクの内容量を92mLとし、薬液吐出孔の孔径、空気置換孔の孔径、水遮蔽壁の有無を表1の通りとした薬液吐出容器を作製した。
【0029】
各薬液吐出容器に表2の組成の薬液を80gずつ充填し、これらを水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置し、5分間隔で1日あたり96回フラッシュさせ、薬液吐出容器に残存する液量を計測し、さらに、薬剤が混入したロータンク内の水の色を目視で判定した。結果を図7に示す。また、この間のトイレの室温とカランからの水の水温を表1に示す。
【0030】
なお、目視による色の判定は、JIS K0115に従い、分光光度計(島津製作所、UV−VIS RECORDING SPECTROPHOTOMETER: UV−2500PC)を用いて630nmの吸光度を測定した場合の吸光度測定値と表3の関係にあること、及び、目視による色の判定値が2以上の場合には、所期の洗浄効果を得られることを確認している。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
図7の結果から、空気置換孔を設けない比較例1によれば、フラッシュ回数400回以降では洗浄水の色の判定結果が1であり、所期の洗浄効果が得られないにもかかわらず、容器内には液量が70gより多く残存し、フラッシュ回数が500になっても液量はなお70g残存していること、これに対し、実施例1〜3によれば、いずれも、一般に剤を使い切ったとみなされる内容量1gとなるまで、洗浄水の色の判定結果が2以上を維持することがわかる。また、実施例2と実施例3を比較することにより、水遮蔽壁を設けると、薬液吐出孔の孔径の0.2mmの違いにより、薬液を使い切るまでのフラッシュ回数が250回程度異なることがわかる。これは、大人2人、子供2人で、トイレを1日当たり平均20回使用する場合に、実施例2の薬液吐出容器を用いると、実施例3の薬液吐出容器を用いた場合に比して薬液タンクの交換時期を約2週間延ばせることに相当する。
【0035】
【発明の効果】
本発明の薬液吐出具によれば、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置することにより、その手洗い部に供給された水に所定量の薬剤を安定的に混合させることができる。
【0036】
また、この薬液吐出容器は、構成が極めて簡易であり、部品点数が少なく、ローコストに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液吐出容器の斜視図(a)、断面図(b)及び底面図(c)である。
【図2】本発明の薬液吐出容器の薬液吐出孔付近を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【図3】本発明の薬液吐出容器の使用状態の作用の説明図である。
【図4】本発明の薬液吐出容器の斜視図(a)、断面図(b)及び底面図(c)である。
【図5】本発明の薬液吐出容器の薬液吐出孔付近を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【図6】本発明の薬液吐出容器の使用状態の作用の説明図である。
【図7】実施例及び比較例におけるフラッシュ回数と、内容量又は洗浄水の色の判定結果との関係図である。
【符号の説明】
1 薬液タンク
2 薬液タンクの底部開口部
3 薬液タンクの底部開口部の周壁
4 タンク支持部材
5 薬液吐出ノズル
6 薬液吐出孔
7 空気置換孔
8a、8b 水誘導板
9 水反射板
10 天板
11 水遮蔽壁
12 テーパー状部分
20 手洗い部
21 吸水口
100A、100B 薬液吐出容器
A 薬剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置し、手洗い部の上方のカランから供給される水に薬剤を混合するのに適した薬液吐出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置し、手洗い部の上方のカランから供給される水に薬剤(芳香剤、洗浄剤、殺菌剤等)を混合するために用いる薬剤供給具として、特許文献1に記載されている水洗トイレ用薬剤供給具が知られている。この薬剤供給具は、薬剤容器から液状の薬剤を含浸体に滲出させて含浸させると共に、その含浸体が、手洗い部に供給された水の流れに晒されるようにし、含浸体に含まれていた薬剤が水に溶解し、ロータンク内に流下するようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2001−342667号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、薬剤を含浸させた含浸体を、手洗い部の水の流れに晒し、含浸体に含浸させていた薬剤を水に溶解させる薬剤供給具においては、一旦、薬剤供給具を水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置した後、使用しない時間が長くなると、含浸体の内部で薬剤の濃度が高まり、薬剤が通液し難くなり、場合によっては、薬剤容器から含浸体への新たな薬剤の滲出も滞るようになる。
【0005】
これに対し、本発明は、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置することにより、その手洗い部に供給された水に所定量の薬剤を安定的に混合させることのできる薬液吐出具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、薬液タンクの底部に、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔を設け、その薬液吐出孔が、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部の水の流れに直接晒されるようにすると、含浸体を使用しないので、手洗い部に供給された水に薬剤を安定的に吐出させられることを見出した。またこの場合、薬液吐出孔と別個に空気置換孔を薬液吐出具の底部に設けると、その空気置換孔から空気が薬液タンクに入ることにより、薬剤の吐出による薬液タンク内の負圧が解消されるので、薬剤の吐出による薬液タンク内の負圧によって薬液吐出孔から水が薬液タンク内に入り、薬液タンク内が希釈されていくのを防止できること、を見出した。
【0007】
即ち、本発明は、液状の薬剤を収容する薬液タンク、及び薬液タンクの下方に設けられた薬液吐出ノズルからなる薬液吐出容器であって、薬液吐出ノズルに、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔が開口し、薬液吐出容器の底部に、前記薬液吐出孔とは別個に空気置換孔が設けられている薬液吐出容器を提供する。
【0008】
また、本発明は、上述の薬液吐出容器の薬液タンクに液状の薬剤が収容されてなる薬液吐出具を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または同等の構成要素を表している。
【0010】
図1は、本発明の一態様の薬液吐出容器100Aの斜視図(a)、断面図(b)及び底面図(c)であり、図2(a)、(b)は、その薬液吐出孔付近を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【0011】
この薬液吐出容器100Aは、トイレ用芳香剤、洗浄剤、殺菌剤等の液状の薬剤を収容する薬液タンク1と、薬液タンク1の底部開口部2の周壁3に螺合し、薬液タンク1に着脱自在に取り付けられるタンク支持部材4からなっている。
【0012】
薬液タンク1に取り付けられた状態で、その底部開口部2上に位置するタンク支持部材4の中央部には、薬液吐出ノズル5が突出しており、薬液吐出ノズル5の先端には薬液吐出孔6が開口している。
【0013】
また、タンク支持部材4には、薬液吐出孔6とは別個となるように別位置に空気置換孔7が開口している。
【0014】
薬液吐出ノズル5の側面には、その長手方向に沿って水誘導板8a、8bが薬液吐出ノズル5と一体に設けられている。この水誘導板8a、8bは、カランから給水された水が薬液吐出ノズル5に沿って流れ、薬液吐出孔6が水に晒されるようにするため、設けることが好ましい。
【0015】
また、薬液吐出孔6の下方近傍には、薬液吐出ノズル5の長手方向に対して垂直に水反射板9が設けられている。水反射板9は、薬液タンク1に充填する薬剤の粘度に応じて、次のように必要に応じて設けられる。まず、薬剤が高粘度の場合には、水反射板9を設けると、カランからの水流が水反射板9にあたって乱れるために薬液吐出孔6付近で水の撹拌作用が起こり、薬剤の水への吐出性が高まるので好ましい。反対に薬剤が低粘度の場合には、水反射板9を設けなくても薬剤の水への吐出性を確保することができる。
【0016】
薬液吐出孔6や空気置換孔7の孔径は、薬液タンク1に薬剤を充填した場合に、薬剤が表面張力によって薬液吐出孔6及び空気置換孔7に保持されるよう適宜定める。例えば、薬液タンク1に充填する薬剤の粘度が50〜5000mpas、薬剤の比重が1〜1.2g/cm3の場合、薬液吐出孔6の孔径は0.5〜3mm、空気置換孔7の孔径は0.5〜2.0mmとする。また、図3に示すように、カランからの水流に薬液吐出孔6を晒す等により、薬剤を確実に吐出させるため、薬液吐出ノズル5の長さL1 は5〜50mmとすることが好ましい。
【0017】
また、タンク支持部材4には足13が設けられ、薬液タンク1の頂部には、天板10が設けられている。本発明において、天板10は、カランからの水が薬液吐出容器100Aの真上から供給される場合に、水が薬液タンク1に直接的にあたることを防止し、それにより、薬液タンク1からの薬剤Aの吐出量を、水温あるいは気温の変動によらず、安定化させるため、必要に応じて設けられる。
【0018】
このように、この薬液吐出容器100Aは、構成が極めて簡易であり、部品点数が少なく、ローコストに得ることができる。また、この薬液吐出容器100Aの薬液タンク1に薬剤を充填することにより、本発明の薬液吐出具となる。
【0019】
薬液吐出容器100Aの使用方法としては、まず、薬剤が薬液タンク1に収容されている状態おいて、薬液吐出容器100Aを水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置する。この場合、薬液吐出ノズル5の先端部を、手洗い部に開口しているロータンクの吸水口に挿入する。なお、ロータンクの吸水口上にカランが設けられ、薬液タンク1の上方から水が供給される場合について、以下に説明するが、この薬液吐出容器100Aは、ロータンクの吸水口上にはカランがなく、したがって、ロータンクの吸水口に薬液吐出ノズル5の先端部を挿入した場合に、薬液タンク1の側方のカランから水が供給される手洗い部でも、同様に使用することができる。
【0020】
薬液吐出容器100Aを手洗い部に載置後、水洗トイレの水をフラッシュさせ、カランから水が供給されると、図3のように、水Wは、まず天板10に沿って放射状に流れ、次いで薬液タンク1の側面に沿って手洗い部20に流れ、吸水口21内に流れ込み、さらに水誘導板8a、8bにより薬液吐出ノズル5に沿って流下し、水反射板9に当たることにより薬液吐出孔6を洗うように流れ、ロータンク内に飛散する。したがって、薬液吐出孔6に保持されていた薬剤Aが確実に水Wでさらわれ、ロータンク内に入る。さらに、この薬剤Aを含んだ水は、ロータンク内に静かに流れ込むのではなく、水反射板9により飛散してロータンク内に入るので、ロータンク内では薬剤Aと水が良好に混合される。
【0021】
薬液タンク1内は、ロータンク内に供給された薬剤Aの量に応じて負圧になるが、直ちに、薬液吐出孔6よりも上方にあるために液圧の低い空気置換孔7から薬液タンク1内に空気が入るので、薬液タンク1内は常圧に戻り、薬液吐出孔6には薬剤Aが保持される。なお、空気置換孔7上をカランからの水が流れることにより、空気置換孔7が水で塞がれている場合には、空気置換孔7から薬液タンク1内に水が入る場合があるが、空気置換孔7は、水の流れが集中する薬液吐出孔6に比して水で塞がれている割合が少ないので、空気置換孔7からは専ら空気が薬液タンク1内に入り、ロータンク内の負圧を解消する。
【0022】
これに対し、空気置換孔7を形成しない場合には、薬剤Aの吐出によって薬液タンク1内が負圧になると、薬液吐出孔6から、そこに付着していた水、水に希釈された薬剤又は空気が吸引され、薬液タンク1内に入るので、薬液タンク1内は次第に希釈される。このため、水洗トイレのフラッシュを繰り返すと、薬液タンク1に残存している液量から判断する限り、薬液タンク1内には十分な量の薬剤が残存していると思われるにも関わらず、実際には、薬剤の吐出の効果がほとんど得られ無い希釈薬剤が残存し続けるという問題が起こりやすくなる。
【0023】
カランからの給水が止まると、薬液吐出孔6に保持されている薬剤Aをさらう水の流れがなくなり、ロータンク内への薬剤Aの供給も止まる。以降、カランから給水される度に同様の作用が繰り返され、薬剤Aがロータンク内に安定的に混入する。
【0024】
本発明の薬液吐出容器は、その底部に、薬液吐出孔と別個に空気置換孔を設ける限り、種々の態様をとることができる。
【0025】
例えば、図4、図5に示す薬液吐出容器100Bのように、空気置換孔7を、薬液吐出ノズル5の側面と一体になった水遮蔽壁11で囲み、薬液タンク1の上方又は側方のカランから水が供給された場合に、空気置換孔7が水に晒されることを防止してもよい。これにより、空気置換孔7から薬液タンク1内に水が混入するおそれを無くすことができる。但し、空気置換孔7を水遮蔽壁11で囲むと、カランから一時的に多量の水が供給された場合に、水遮蔽壁11の下端面の開口部に水の膜が形成されるなどにより、空気置換孔7による空気置換が行われ難くなり、空気置換がなされない場合も生じる。そのため、フラッシュ1回当たりの吐出量の変動が大きくなる。したがって、フラッシュ1回当たりの薬剤Aの吐出量の安定化の点からは、図4及び図6に示す水遮蔽壁11の下端面の開口径を大きくして水の膜が形成されないようにするか、空気置換孔7を水遮蔽壁11で囲まないことが好ましい。
【0026】
薬液吐出容器に水遮蔽壁11を設ける場合、その先端部には、壁厚方向に僅かに突出させたテーパー状部分12を設けることが好ましい。これにより、図6に示したように、水遮蔽壁11に沿って流下した水Wがテーパー状部分12で飛散してロータンク内に入るので、薬剤Aをロータンク内の水とより速やかに混合することができる。
【0027】
また、薬液吐出容器に水遮蔽壁11を設ける場合、水遮蔽壁11は、薬液吐出ノズル5と一体に形成することなく、別個独立的に空気置換孔7を囲むようにしてもよい。
【0028】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1
図1の薬液吐出容器において、薬液タンクの内容量を92mLとし、薬液吐出孔の孔径、空気置換孔の孔径、水遮蔽壁の有無を表1の通りとした薬液吐出容器を作製した。
【0029】
各薬液吐出容器に表2の組成の薬液を80gずつ充填し、これらを水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置し、5分間隔で1日あたり96回フラッシュさせ、薬液吐出容器に残存する液量を計測し、さらに、薬剤が混入したロータンク内の水の色を目視で判定した。結果を図7に示す。また、この間のトイレの室温とカランからの水の水温を表1に示す。
【0030】
なお、目視による色の判定は、JIS K0115に従い、分光光度計(島津製作所、UV−VIS RECORDING SPECTROPHOTOMETER: UV−2500PC)を用いて630nmの吸光度を測定した場合の吸光度測定値と表3の関係にあること、及び、目視による色の判定値が2以上の場合には、所期の洗浄効果を得られることを確認している。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
図7の結果から、空気置換孔を設けない比較例1によれば、フラッシュ回数400回以降では洗浄水の色の判定結果が1であり、所期の洗浄効果が得られないにもかかわらず、容器内には液量が70gより多く残存し、フラッシュ回数が500になっても液量はなお70g残存していること、これに対し、実施例1〜3によれば、いずれも、一般に剤を使い切ったとみなされる内容量1gとなるまで、洗浄水の色の判定結果が2以上を維持することがわかる。また、実施例2と実施例3を比較することにより、水遮蔽壁を設けると、薬液吐出孔の孔径の0.2mmの違いにより、薬液を使い切るまでのフラッシュ回数が250回程度異なることがわかる。これは、大人2人、子供2人で、トイレを1日当たり平均20回使用する場合に、実施例2の薬液吐出容器を用いると、実施例3の薬液吐出容器を用いた場合に比して薬液タンクの交換時期を約2週間延ばせることに相当する。
【0035】
【発明の効果】
本発明の薬液吐出具によれば、水洗トイレの手洗い付ロータンクの手洗い部に載置することにより、その手洗い部に供給された水に所定量の薬剤を安定的に混合させることができる。
【0036】
また、この薬液吐出容器は、構成が極めて簡易であり、部品点数が少なく、ローコストに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液吐出容器の斜視図(a)、断面図(b)及び底面図(c)である。
【図2】本発明の薬液吐出容器の薬液吐出孔付近を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【図3】本発明の薬液吐出容器の使用状態の作用の説明図である。
【図4】本発明の薬液吐出容器の斜視図(a)、断面図(b)及び底面図(c)である。
【図5】本発明の薬液吐出容器の薬液吐出孔付近を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【図6】本発明の薬液吐出容器の使用状態の作用の説明図である。
【図7】実施例及び比較例におけるフラッシュ回数と、内容量又は洗浄水の色の判定結果との関係図である。
【符号の説明】
1 薬液タンク
2 薬液タンクの底部開口部
3 薬液タンクの底部開口部の周壁
4 タンク支持部材
5 薬液吐出ノズル
6 薬液吐出孔
7 空気置換孔
8a、8b 水誘導板
9 水反射板
10 天板
11 水遮蔽壁
12 テーパー状部分
20 手洗い部
21 吸水口
100A、100B 薬液吐出容器
A 薬剤
Claims (6)
- 液状の薬剤を収容する薬液タンク、及び薬液タンクの下方に設けられた薬液吐出ノズルからなる薬液吐出容器であって、薬液吐出ノズルに、表面張力により薬剤を保持することのできる薬液吐出孔が開口し、薬液吐出容器の底部に、前記薬液吐出孔とは別個に空気置換孔が設けられている薬液吐出容器。
- 薬液タンクの底部にタンク支持部材が着脱自在に取り付けられ、該タンク支持部材に薬液吐出ノズル及び空気置換孔が形成されている請求項1記載の薬液吐出容器。
- 薬液タンクの上方又は側方から供給された水に空気置換孔が晒されることを防止する水遮蔽壁が設けられている請求項1記載の薬液吐出容器。
- 薬液吐出ノズルの側面と水遮蔽壁が一体となっている請求項3記載の薬液吐出容器。
- 薬液タンク上方又は側方から供給された水を薬液吐出孔に誘導する水誘導板が薬液吐出ノズルに設けられている請求項1記載の薬液吐出容器。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の薬液吐出容器の薬液タンクに液状の薬剤が収容されてなる薬液吐出具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002311065A JP2004143833A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 薬液吐出容器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002311065A JP2004143833A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 薬液吐出容器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004143833A true JP2004143833A (ja) | 2004-05-20 |
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ID=32456401
Family Applications (1)
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Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004143833A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007125568A1 (ja) * | 2006-03-30 | 2007-11-08 | Fujitsu Limited | ソケットの構造 |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311065A patent/JP2004143833A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
| WO2007125568A1 (ja) * | 2006-03-30 | 2007-11-08 | Fujitsu Limited | ソケットの構造 |
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