JP2004180800A - 電気レーシングカートシステム及びサーキットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関搭載タイプのレーシングカートと同等の振動及び音響を仮想情報として走行環境を創出かつ制御することができる電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムを提供する。
【解決手段】電気レーシングカート1において、走行状況及び操作状況を検出するセンサー12,14,15と、ドライバーシート16に振動を与えるシートバイブレータ17と、スピーカ22とを備え、各センサーの検出信号と、内燃機関レーシングカートの走行状況による振動と音響を示すデータに基づいて、コンピュータ18で情報処理することによりシートバイブレータ17の振動とスピーカ22の音響を擬似的に創出する。
【選択図】 図1
【解決手段】電気レーシングカート1において、走行状況及び操作状況を検出するセンサー12,14,15と、ドライバーシート16に振動を与えるシートバイブレータ17と、スピーカ22とを備え、各センサーの検出信号と、内燃機関レーシングカートの走行状況による振動と音響を示すデータに基づいて、コンピュータ18で情報処理することによりシートバイブレータ17の振動とスピーカ22の音響を擬似的に創出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レース又はスポーツ用電気自動車に利用し、振動と音響の仮想情報により走行環境を創出かつ制御するための電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関を搭載したレーシングカートは、アミューズメントパークの遊具から本格的なレーシングカートまで様々なものがある。この内燃機関タイプのレーシングカートは、一般的にはガソリンエンジンが使われ、エンジンブレーキの多用などの走り方をするにも関わらず排気ガス浄化装置も無く、しかも2サイクルエンジンのため排気ガス中にオイルも混じるなど環境に悪影響を及ぼしている。
【0003】
また排気音もきわめて大きいため、都市部でこのような内燃機関を搭載したレーシングカートが走行できる場所はほとんど無く、専用のサーキットなどは郊外に位置するため、利用するには往復の時間と費用の負担が大きい。
しかしレーシングカートはその音や振動が魅力の一つでもあり、それらを減らすことはレーシングカートの魅力を減らすことに等しいため、そのような処置が採られることは少ない。
【0004】
また本格的なレーシングカートになると、エンジンの排気量によるクラス分けが行われており、レーシングドライバーの登竜門として位置づけもされている。そのレベルになると車のセッティングなどもレースに勝つための重要な要素となり、チューニング、セッティングといった技術的なことも魅力の一つとなっている。
この種のレーシングカートとして、ゲーム用のレーシングカーではあるがサーキットレース型ゲーム装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−228264号公報(フロントページ、第1図)
【0006】
さらに従来バッテリモータを搭載した電気自動車タイプのレーシングカートは遊園地の乗り物から普及してきているが、バッテリーが重たく性能も悪くスポーティな走行に向いたものはなかった。
しかし今日、電気自動車は一般の乗用車として内燃機関エンジン車と同等の走行性能を出せるところまで技術が発展してきている。
したがって、今日の電気自動車はレーシングカートとして利用され、レースをするようなものも製作可能となっている。この種の電気レーシングカーはEVレーシングカーとして既に市販され、また種々の電気自動車も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開2002−291113号公報(フロントページ、第1図)
【0008】
ところが、この電気自動車の長所であり最大の特徴である排気ガスがなくクリーンで静かな走行が可能なことは、逆にスポーツ走行を考えると魅力をなくすものとなっている。
【0009】
一方、コンピュータゲームの世界ではコントローラーに振動機能を持たせ、コースアウトなどの路面状況の変化や他車との接触などを操作する者に与え、臨場感を与える工夫がなされている。
またゲームセンターやアミューズメントパークなどの大掛かりなところにあるものは運転シミュレータにちかく、座席が傾いたり振動したりするものもある。しかし、これらのものはあくまでもバーチャル体験機であり、みずから運転して実際の走行で得られる風や空気の温度・湿度などの自然界のものの反応は得られない。この種の体験機としてシミュレータシステムの提案がある(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献3】
特開平5−92082号公報(フロントページ、第1図)
【0011】
以上のように、内燃機関搭載タイプのレーシングカートは地球温暖化防止や騒音問題など対環境性の観点から今のままではこれ以上の普及は難しい。
しかしながら、電気自動車タイプのレーシングカートもそれにとって代わる性能を持ちながら、レーシングカートとしては静かだという長所が欠点となり、普及発展するに至っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するものであり、内燃機関搭載タイプのレーシングカートと同等の振動及び音響を仮想情報として走行環境を創出かつ制御することができる電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のうち請求項1記載の発明の電気レーシングカートシステムは、電気レーシングカートにおいて、走行状況及び操作状況を検出するセンサーと、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータと、スピーカとを備え、各センサーの検出信号と、内燃機関レーシングカートの走行状況による振動と音響を示すデータに基づいて、コンピュータで情報処理することによりシートバイブレータの振動とスピーカの音響を擬似的に創出したことを特徴とする構成とした。
【0014】
また請求項2記載の発明は、走行状況及び操作状況を検出するセンサーがスピードセンサーと、アクセルセンサーと、舵角センサーであることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、バイブレータの振動が内燃機関レーシングカートのエンジン及び車体の疑似振動であり、スピーカの音響が内燃機関のレーシングカートのエンジン音及び排気音、或いはこれらと音圧及び音色の組み合わせによる疑似音響であることを特徴とする。
【0015】
このような構成の電気レーシングカートシステムでは、内燃機関のレーシングカートと同様の振動及び音響を創出することができるという効果を有する。
【0016】
また請求項4記載の発明のサーキットシステムは、走行状況及び操作状況を検出するセンサー、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータ、スピーカ及び送受信可能なGPSを含む通信装置を有する電気レーシングカートと、ホストコンピュータ及び集中通信装置を有する基地局とを備え、走行する複数の電気レーシングカート相互の距離及びスピード差に基づきホストコンピュータが情報処理してスピーカに内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出し送信する構成である。
【0017】
さらに請求項5記載の発明は、上記構成に加え、観客の声援及び場内アナウンサーの声を擬似音響として創出する仮想場内アナウンス装置を備えたことを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、実写映像に同期した内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出する観戦装置を備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、サーキット内の位置情報に基づき内燃機関のレーシングカートの疑似音響を受信するヘッドホンを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような構成のサーキットシステムでは、内燃機関のレーシングカートにおけるレースと同様の電気レーシングカート相互の音響を創出することができるとともに、サーキットにおける臨場感あふれる疑似音響を創出できるという効果を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図3を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明に係る電気レーシングカートは、レース又はスポーツ用カートであって電動機などのエンジンの力で軌道無しで走る車両を意味し、二輪、三輪又は四輪等の車両に限られない。
本発明の好適な第1の実施形態として電気自動車タイプのカートを例にあげ、電気レーシングカートシステムを説明する。本実施形態はレース用電気自動車にIT技術を適用したものである。
【0020】
図1は本発明に係る電気レーシングカートを示す概念図である。図1を参照して、本発明に係る電気レーシングカート1は、フレーム2に、モータ3と、モータコントローラー4と、バッテリ5とからなるエンジン6と、図示しないサスペンションと、ステアリング7と、アクセル8と、減速機構9などの各装置を備え、それ自体で走行可能なシャーシ構造を有している。
【0021】
さらに、電気レーシングカート1は、スピードセンサー12と、アクセルセンサー14と、舵角センサー15とから自車の状況及びドライバーの操作状況をデジタル信号として取り出すためのセンサーを有し、ドライバーシート16にはシートに振動を与えるシートバイブレータ17が備えられている。
また、この電気レーシングカート1は、各種センサーから得られた信号をデジタル信号として走行状況データ及び操作状況データとして処理するコンピュータ18と、このコンピュータ18の情報処理に基づいて、例えばシートバイブレータのアクチュエータを動作させるインターフェース装置19と、GPSにより位置データを得るとともに基地局と通信するための通信装置13とを備え、図示しないドライバーに装着されるヘルメット21には小型のスピーカ22が設けられている。
【0022】
次に、本発明の電気レーシングカートシステムについて説明する。
図2は本発明の電気レーシングカートシステムにおけるシステム構成を示す図である。本発明の電気レーシングカートシステム30は、電気レーシングカート1にIT技術を適用したものでる。ハードウエアは電気レーシングカート1とコンピュータ18であり、ソフトウエアはコンピュータ18内のROMにデータベースとして格納されている。なお、コンピュータ18は通常のコンピュータシステムであり、中央処理装置、記憶装置、入出力装置を備えたものである。
【0023】
図1及び図2を参照して、本発明の電気レーシングカートシステム30は、GPSからの位置データを受信した通信装置13からの受信信号を処理する通信部31と、電気レーシングカート1に設けられた各種センサーからの信号をデジタル信号として走行状況データ及び操作状況データとして時系列でメモリに格納するとともにファイル処理する情報入力部32と、ファイル化した走行状況データ及び操作状況データに基づいて合成振動及び合成音のデジタル信号として作製する演算部33と、このデジタル信号に基づいて実際の振動及び音の信号に変換してインターフェース装置19に制御信号を送るインターフェース部34と、各アクチュエータを起動するために制御信号を出すアクチュエータ部35とを備えている。
【0024】
さらに、電気レーシングカートシステム30は、電気レーシングカート1の走行装置のうち、交換可能なROM内に各種設定値を入れておくことでモータコントローラー4の特性を変えることによりモータ3を制御する走行装置部36を有している。
各アクチュエータは、モータ3、シートバイブレータ17及びヘルメット内のスピーカ22を駆動し、ドライバーシート16の振動及びスピーカ22からの音響としてドライバーに体感させるようになっている。
【0025】
実際のレーシングカートではアクセルを踏み込むと、その度合いによりスピードがあがりエンジン音が高くなるが、これは本発明ではアクセルセンサー及びスピードセンサーの信号に基づいてエンジン音を合成できる。さらにエンジンの回転数があがればエンジンの振動により車体も振動し、さらに路面との接触状況も変化して全体として車体の振動も変化するが、これもアクセルセンサー及びスピードセンサーの信号に基づいて振動を合成できる。
【0026】
またハンドルを切ると路面とタイヤの接触状況が変わり、車体の振動とエンジン音も変化するが、これはアクセルセンサーと舵角センサーの信号に基づいて振動と音とを合成できる。
さらに内燃機関では回転数により発生する音や振動の周波数が変わり、音圧の他に音色というファクターでドライバーの耳に情報が入る。本システムではこれらの内燃機関における情報及び各種センサーの信号に基づいてリアルタイムで仮想状況を創出するようになっている。
【0027】
したがって、本発明の電気レーシングカートシステムでは、電気レーシングカートに備えられた各種センサーの信号に基づいて、実際の内燃機関タイプのレーシングカートを運転するがごとくエンジンの振動、排気音、エンジン音等をコンピュータにより合成でき、ドライバーが体感できる。
また本発明の電気レーシングカートシステムでは、これらの振動や音はドライバーしか感じたり聞くことができないため静かな環境であり、かつ、排気ガスもないためクリーンな環境を維持できるようになる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、第1の実施形態における電気レーシングカートの通信装置を双方向の通信装置に変えて用いるが、他の構成は同様である。
図3はサーキットシステムの概念図である。図3を参照して、サーキットシステム40は、周回コースとして設けられたサーキット41と、基地局に設けられたホストコンピュータ42と、集中通信装置43と、仮想場内アナウンス装置44と、仮想メインスタンド45とを備え、電気レーシングカート46と基地局48とは双方向通信可能となっている。図3中、A、B、C、Dは電気レーシングカートを示す。また図中の矢印は電気レーシングカートの通信装置と基地局の集中通信装置とで送受信していることを示す。
【0029】
このサーキットシステム40では、各々の電気レーシングカートは自車におけるGPSからの位置データ、合成音のデジタル信号、スピードセンサーからのスピードデータ及びアクセルセンサーからのアクセル開度データを基地局48にリアルタイムで送信する。
【0030】
基地局のホストコンピュータ42は各電気レーシングカート、例えばA、B、C、Dの電気レーシングカートから送られてきた位置データの中から近接している車両を探し出し、その車両のそれぞれが自車のドライバーに与えている音に関して、他車との距離とスピード差に基づき他車自身の合成音デジタル信号を補正して作製した音を重ねてスピーカに流すようになっている。この補正は距離差が大きければ音を小さく、距離差が小さければ音を大きく、またスピード差が大きければドップラー効果を考慮して音の大小の差を設けることで行ってもよい。
【0031】
したがって、このようなサーキットシステムでは電気レーシングカート相互の音をドライバーが聴くことができる。
また本システムでは、本来無音で走る電気レーシングカートでは他の車両の接近が判りづらいということもなくなり、内燃機関のレーシングカートなみのレースの緊張感、臨場感が得られるようになる。
【0032】
図3に示した仮想場内アナウンス装置44は、サーキット場内における観客の声援と場内アナウンサーの声を擬似的な音として作り出し、電気レーシングカートに備えられたドライバーのヘルメット内のスピーカから流すようにしたものである。なお、この仮想場内アナウンス装置44はホストコンピュータ42により制御及び情報通信可能になっている。
【0033】
例えばグランドスタンド前では、先行者に追いつきデッドヒートを繰り広げている場面ではメインスタンドの声援は一段と大きくなり、さらにアナウンサーがその状況を叫び続けるという状況をドライバーのヘルメット内のスピーカに疑似情報として流すようにできる。このような疑似情報はホストコンピュータ42により各電気レーシングカート相互の位置データ及びサーキット内の位置関係に基づいて合成することができる。
【0034】
次に、図3に示した仮想メインスタンド45はスタンドではあるが、周囲へ騒音が漏れ出さないようにした密室的観戦ルームを作り、そこに大型スクリーンと音響システムとを有する観戦装置を備え付け、その観戦ルームで実際のレースを観戦するようにしたものである。大型スクリーン及び音響システムはホストコンピュータ42により制御及び情報通信可能になっている。
例えばこの大型スクリーンには実写映像が映し出され、音に関してはあたかもその場所で観戦しているような音を各々の電気レーシングカートの合成音デジタル信号に基づいて作り出し、映像と同期させることも可能である。
【0035】
またサーキットコースの任意の位置で観戦する場合には、ホストコンピュータ42の制御可能な集中通信装置43と送受信可能なヘッドホン型の装置によりその位置で聞こえる音を合成することも可能である。これはサーキットシステムにより各々の電気レーシングカートの合成音デジタル信号を、観戦者の位置と各々の電気レーシングカートとの距離及びスピードとで補正することにより聴こえるようにできる。
【0036】
したがって、通信機能と基地局のホストコンピュータの情報処理技術によりサーキットを走る複数台の電気レーシングカート相互関係及び走行場所に応じた疑似情報を創り出し、ドライバーにそれを伝えることにより臨場感あふれる仮想体験をすることができ、サーキット外では非常に静かな環境が保たれる。
このように音及び振動に関して、すべて各種センサーからの情報を元にコンピュータにより創り出しているので情報の自由な加工と伝達が可能であり、インターネットを介したリアルタイムの実況放送なども可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の電気レーシングカートシステムでは、内燃機関のレーシングカートと同様の振動及び音響を創出することができるという効果を有する。またこの発明のサーキットシステムでは、内燃機関のレーシングカートにおけるレースと同様の電気レーシングカート相互の音響を創出することができるとともに、サーキットにおける臨場感あふれる疑似音響を創出できるという効果を有する。したがって、騒音及び排気ガスのない静かでクリーンな環境が保たれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気レーシングカートを示す概念図である。
【図2】電気レーシングカートシステムにおけるシステム構成を示す図である。
【図3】本発明に係るサーキットシステムの概念図である。
【符号の説明】
1 電気レーシングカート
2 フレーム
3 モータ
4 モータコントローラー
5 バッテリ
6 エンジン
7 ステアリング
8 アクセル
9 減速機構
12 スピードセンサー
14 アクセルセンサー
15 舵角センサー
16 ドライバーシート
17 シートバイブレータ
18 コンピュータ
19 インターフェース装置
21 ヘルメット
22 スピーカ
30 電気レーシングカートシステム
31 通信部
32 情報入力部
33 演算部
34 インターフェース部
35 アクチュエータ部
40 サーキットシステム
42 ホストコンピュータ
43 集中通信装置
44 仮想場内アナウンス装置
45 仮想メインスタンド
48 基地局
【発明の属する技術分野】
本発明は、レース又はスポーツ用電気自動車に利用し、振動と音響の仮想情報により走行環境を創出かつ制御するための電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関を搭載したレーシングカートは、アミューズメントパークの遊具から本格的なレーシングカートまで様々なものがある。この内燃機関タイプのレーシングカートは、一般的にはガソリンエンジンが使われ、エンジンブレーキの多用などの走り方をするにも関わらず排気ガス浄化装置も無く、しかも2サイクルエンジンのため排気ガス中にオイルも混じるなど環境に悪影響を及ぼしている。
【0003】
また排気音もきわめて大きいため、都市部でこのような内燃機関を搭載したレーシングカートが走行できる場所はほとんど無く、専用のサーキットなどは郊外に位置するため、利用するには往復の時間と費用の負担が大きい。
しかしレーシングカートはその音や振動が魅力の一つでもあり、それらを減らすことはレーシングカートの魅力を減らすことに等しいため、そのような処置が採られることは少ない。
【0004】
また本格的なレーシングカートになると、エンジンの排気量によるクラス分けが行われており、レーシングドライバーの登竜門として位置づけもされている。そのレベルになると車のセッティングなどもレースに勝つための重要な要素となり、チューニング、セッティングといった技術的なことも魅力の一つとなっている。
この種のレーシングカートとして、ゲーム用のレーシングカーではあるがサーキットレース型ゲーム装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−228264号公報(フロントページ、第1図)
【0006】
さらに従来バッテリモータを搭載した電気自動車タイプのレーシングカートは遊園地の乗り物から普及してきているが、バッテリーが重たく性能も悪くスポーティな走行に向いたものはなかった。
しかし今日、電気自動車は一般の乗用車として内燃機関エンジン車と同等の走行性能を出せるところまで技術が発展してきている。
したがって、今日の電気自動車はレーシングカートとして利用され、レースをするようなものも製作可能となっている。この種の電気レーシングカーはEVレーシングカーとして既に市販され、また種々の電気自動車も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開2002−291113号公報(フロントページ、第1図)
【0008】
ところが、この電気自動車の長所であり最大の特徴である排気ガスがなくクリーンで静かな走行が可能なことは、逆にスポーツ走行を考えると魅力をなくすものとなっている。
【0009】
一方、コンピュータゲームの世界ではコントローラーに振動機能を持たせ、コースアウトなどの路面状況の変化や他車との接触などを操作する者に与え、臨場感を与える工夫がなされている。
またゲームセンターやアミューズメントパークなどの大掛かりなところにあるものは運転シミュレータにちかく、座席が傾いたり振動したりするものもある。しかし、これらのものはあくまでもバーチャル体験機であり、みずから運転して実際の走行で得られる風や空気の温度・湿度などの自然界のものの反応は得られない。この種の体験機としてシミュレータシステムの提案がある(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献3】
特開平5−92082号公報(フロントページ、第1図)
【0011】
以上のように、内燃機関搭載タイプのレーシングカートは地球温暖化防止や騒音問題など対環境性の観点から今のままではこれ以上の普及は難しい。
しかしながら、電気自動車タイプのレーシングカートもそれにとって代わる性能を持ちながら、レーシングカートとしては静かだという長所が欠点となり、普及発展するに至っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するものであり、内燃機関搭載タイプのレーシングカートと同等の振動及び音響を仮想情報として走行環境を創出かつ制御することができる電気レーシングカートシステム及びサーキットシステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のうち請求項1記載の発明の電気レーシングカートシステムは、電気レーシングカートにおいて、走行状況及び操作状況を検出するセンサーと、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータと、スピーカとを備え、各センサーの検出信号と、内燃機関レーシングカートの走行状況による振動と音響を示すデータに基づいて、コンピュータで情報処理することによりシートバイブレータの振動とスピーカの音響を擬似的に創出したことを特徴とする構成とした。
【0014】
また請求項2記載の発明は、走行状況及び操作状況を検出するセンサーがスピードセンサーと、アクセルセンサーと、舵角センサーであることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、バイブレータの振動が内燃機関レーシングカートのエンジン及び車体の疑似振動であり、スピーカの音響が内燃機関のレーシングカートのエンジン音及び排気音、或いはこれらと音圧及び音色の組み合わせによる疑似音響であることを特徴とする。
【0015】
このような構成の電気レーシングカートシステムでは、内燃機関のレーシングカートと同様の振動及び音響を創出することができるという効果を有する。
【0016】
また請求項4記載の発明のサーキットシステムは、走行状況及び操作状況を検出するセンサー、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータ、スピーカ及び送受信可能なGPSを含む通信装置を有する電気レーシングカートと、ホストコンピュータ及び集中通信装置を有する基地局とを備え、走行する複数の電気レーシングカート相互の距離及びスピード差に基づきホストコンピュータが情報処理してスピーカに内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出し送信する構成である。
【0017】
さらに請求項5記載の発明は、上記構成に加え、観客の声援及び場内アナウンサーの声を擬似音響として創出する仮想場内アナウンス装置を備えたことを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、実写映像に同期した内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出する観戦装置を備えたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、サーキット内の位置情報に基づき内燃機関のレーシングカートの疑似音響を受信するヘッドホンを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような構成のサーキットシステムでは、内燃機関のレーシングカートにおけるレースと同様の電気レーシングカート相互の音響を創出することができるとともに、サーキットにおける臨場感あふれる疑似音響を創出できるという効果を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図3を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明に係る電気レーシングカートは、レース又はスポーツ用カートであって電動機などのエンジンの力で軌道無しで走る車両を意味し、二輪、三輪又は四輪等の車両に限られない。
本発明の好適な第1の実施形態として電気自動車タイプのカートを例にあげ、電気レーシングカートシステムを説明する。本実施形態はレース用電気自動車にIT技術を適用したものである。
【0020】
図1は本発明に係る電気レーシングカートを示す概念図である。図1を参照して、本発明に係る電気レーシングカート1は、フレーム2に、モータ3と、モータコントローラー4と、バッテリ5とからなるエンジン6と、図示しないサスペンションと、ステアリング7と、アクセル8と、減速機構9などの各装置を備え、それ自体で走行可能なシャーシ構造を有している。
【0021】
さらに、電気レーシングカート1は、スピードセンサー12と、アクセルセンサー14と、舵角センサー15とから自車の状況及びドライバーの操作状況をデジタル信号として取り出すためのセンサーを有し、ドライバーシート16にはシートに振動を与えるシートバイブレータ17が備えられている。
また、この電気レーシングカート1は、各種センサーから得られた信号をデジタル信号として走行状況データ及び操作状況データとして処理するコンピュータ18と、このコンピュータ18の情報処理に基づいて、例えばシートバイブレータのアクチュエータを動作させるインターフェース装置19と、GPSにより位置データを得るとともに基地局と通信するための通信装置13とを備え、図示しないドライバーに装着されるヘルメット21には小型のスピーカ22が設けられている。
【0022】
次に、本発明の電気レーシングカートシステムについて説明する。
図2は本発明の電気レーシングカートシステムにおけるシステム構成を示す図である。本発明の電気レーシングカートシステム30は、電気レーシングカート1にIT技術を適用したものでる。ハードウエアは電気レーシングカート1とコンピュータ18であり、ソフトウエアはコンピュータ18内のROMにデータベースとして格納されている。なお、コンピュータ18は通常のコンピュータシステムであり、中央処理装置、記憶装置、入出力装置を備えたものである。
【0023】
図1及び図2を参照して、本発明の電気レーシングカートシステム30は、GPSからの位置データを受信した通信装置13からの受信信号を処理する通信部31と、電気レーシングカート1に設けられた各種センサーからの信号をデジタル信号として走行状況データ及び操作状況データとして時系列でメモリに格納するとともにファイル処理する情報入力部32と、ファイル化した走行状況データ及び操作状況データに基づいて合成振動及び合成音のデジタル信号として作製する演算部33と、このデジタル信号に基づいて実際の振動及び音の信号に変換してインターフェース装置19に制御信号を送るインターフェース部34と、各アクチュエータを起動するために制御信号を出すアクチュエータ部35とを備えている。
【0024】
さらに、電気レーシングカートシステム30は、電気レーシングカート1の走行装置のうち、交換可能なROM内に各種設定値を入れておくことでモータコントローラー4の特性を変えることによりモータ3を制御する走行装置部36を有している。
各アクチュエータは、モータ3、シートバイブレータ17及びヘルメット内のスピーカ22を駆動し、ドライバーシート16の振動及びスピーカ22からの音響としてドライバーに体感させるようになっている。
【0025】
実際のレーシングカートではアクセルを踏み込むと、その度合いによりスピードがあがりエンジン音が高くなるが、これは本発明ではアクセルセンサー及びスピードセンサーの信号に基づいてエンジン音を合成できる。さらにエンジンの回転数があがればエンジンの振動により車体も振動し、さらに路面との接触状況も変化して全体として車体の振動も変化するが、これもアクセルセンサー及びスピードセンサーの信号に基づいて振動を合成できる。
【0026】
またハンドルを切ると路面とタイヤの接触状況が変わり、車体の振動とエンジン音も変化するが、これはアクセルセンサーと舵角センサーの信号に基づいて振動と音とを合成できる。
さらに内燃機関では回転数により発生する音や振動の周波数が変わり、音圧の他に音色というファクターでドライバーの耳に情報が入る。本システムではこれらの内燃機関における情報及び各種センサーの信号に基づいてリアルタイムで仮想状況を創出するようになっている。
【0027】
したがって、本発明の電気レーシングカートシステムでは、電気レーシングカートに備えられた各種センサーの信号に基づいて、実際の内燃機関タイプのレーシングカートを運転するがごとくエンジンの振動、排気音、エンジン音等をコンピュータにより合成でき、ドライバーが体感できる。
また本発明の電気レーシングカートシステムでは、これらの振動や音はドライバーしか感じたり聞くことができないため静かな環境であり、かつ、排気ガスもないためクリーンな環境を維持できるようになる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、第1の実施形態における電気レーシングカートの通信装置を双方向の通信装置に変えて用いるが、他の構成は同様である。
図3はサーキットシステムの概念図である。図3を参照して、サーキットシステム40は、周回コースとして設けられたサーキット41と、基地局に設けられたホストコンピュータ42と、集中通信装置43と、仮想場内アナウンス装置44と、仮想メインスタンド45とを備え、電気レーシングカート46と基地局48とは双方向通信可能となっている。図3中、A、B、C、Dは電気レーシングカートを示す。また図中の矢印は電気レーシングカートの通信装置と基地局の集中通信装置とで送受信していることを示す。
【0029】
このサーキットシステム40では、各々の電気レーシングカートは自車におけるGPSからの位置データ、合成音のデジタル信号、スピードセンサーからのスピードデータ及びアクセルセンサーからのアクセル開度データを基地局48にリアルタイムで送信する。
【0030】
基地局のホストコンピュータ42は各電気レーシングカート、例えばA、B、C、Dの電気レーシングカートから送られてきた位置データの中から近接している車両を探し出し、その車両のそれぞれが自車のドライバーに与えている音に関して、他車との距離とスピード差に基づき他車自身の合成音デジタル信号を補正して作製した音を重ねてスピーカに流すようになっている。この補正は距離差が大きければ音を小さく、距離差が小さければ音を大きく、またスピード差が大きければドップラー効果を考慮して音の大小の差を設けることで行ってもよい。
【0031】
したがって、このようなサーキットシステムでは電気レーシングカート相互の音をドライバーが聴くことができる。
また本システムでは、本来無音で走る電気レーシングカートでは他の車両の接近が判りづらいということもなくなり、内燃機関のレーシングカートなみのレースの緊張感、臨場感が得られるようになる。
【0032】
図3に示した仮想場内アナウンス装置44は、サーキット場内における観客の声援と場内アナウンサーの声を擬似的な音として作り出し、電気レーシングカートに備えられたドライバーのヘルメット内のスピーカから流すようにしたものである。なお、この仮想場内アナウンス装置44はホストコンピュータ42により制御及び情報通信可能になっている。
【0033】
例えばグランドスタンド前では、先行者に追いつきデッドヒートを繰り広げている場面ではメインスタンドの声援は一段と大きくなり、さらにアナウンサーがその状況を叫び続けるという状況をドライバーのヘルメット内のスピーカに疑似情報として流すようにできる。このような疑似情報はホストコンピュータ42により各電気レーシングカート相互の位置データ及びサーキット内の位置関係に基づいて合成することができる。
【0034】
次に、図3に示した仮想メインスタンド45はスタンドではあるが、周囲へ騒音が漏れ出さないようにした密室的観戦ルームを作り、そこに大型スクリーンと音響システムとを有する観戦装置を備え付け、その観戦ルームで実際のレースを観戦するようにしたものである。大型スクリーン及び音響システムはホストコンピュータ42により制御及び情報通信可能になっている。
例えばこの大型スクリーンには実写映像が映し出され、音に関してはあたかもその場所で観戦しているような音を各々の電気レーシングカートの合成音デジタル信号に基づいて作り出し、映像と同期させることも可能である。
【0035】
またサーキットコースの任意の位置で観戦する場合には、ホストコンピュータ42の制御可能な集中通信装置43と送受信可能なヘッドホン型の装置によりその位置で聞こえる音を合成することも可能である。これはサーキットシステムにより各々の電気レーシングカートの合成音デジタル信号を、観戦者の位置と各々の電気レーシングカートとの距離及びスピードとで補正することにより聴こえるようにできる。
【0036】
したがって、通信機能と基地局のホストコンピュータの情報処理技術によりサーキットを走る複数台の電気レーシングカート相互関係及び走行場所に応じた疑似情報を創り出し、ドライバーにそれを伝えることにより臨場感あふれる仮想体験をすることができ、サーキット外では非常に静かな環境が保たれる。
このように音及び振動に関して、すべて各種センサーからの情報を元にコンピュータにより創り出しているので情報の自由な加工と伝達が可能であり、インターネットを介したリアルタイムの実況放送なども可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の電気レーシングカートシステムでは、内燃機関のレーシングカートと同様の振動及び音響を創出することができるという効果を有する。またこの発明のサーキットシステムでは、内燃機関のレーシングカートにおけるレースと同様の電気レーシングカート相互の音響を創出することができるとともに、サーキットにおける臨場感あふれる疑似音響を創出できるという効果を有する。したがって、騒音及び排気ガスのない静かでクリーンな環境が保たれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気レーシングカートを示す概念図である。
【図2】電気レーシングカートシステムにおけるシステム構成を示す図である。
【図3】本発明に係るサーキットシステムの概念図である。
【符号の説明】
1 電気レーシングカート
2 フレーム
3 モータ
4 モータコントローラー
5 バッテリ
6 エンジン
7 ステアリング
8 アクセル
9 減速機構
12 スピードセンサー
14 アクセルセンサー
15 舵角センサー
16 ドライバーシート
17 シートバイブレータ
18 コンピュータ
19 インターフェース装置
21 ヘルメット
22 スピーカ
30 電気レーシングカートシステム
31 通信部
32 情報入力部
33 演算部
34 インターフェース部
35 アクチュエータ部
40 サーキットシステム
42 ホストコンピュータ
43 集中通信装置
44 仮想場内アナウンス装置
45 仮想メインスタンド
48 基地局
Claims (7)
- 電気レーシングカートにおいて、走行状況及び操作状況を検出するセンサーと、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータと、スピーカとを備え、上記各センサーの検出信号と、内燃機関レーシングカートの走行状況による振動と音響を示すデータに基づいて、コンピュータで情報処理することにより上記シートバイブレータの振動とスピーカの音響を擬似的に創出したことを特徴とする電気レーシングカートシステム。
- 前記走行状況及び操作状況を検出するセンサーがスピードセンサーと、アクセルセンサーと、舵角センサーであることを特徴とする、請求項1に記載の電気レーシングカートシステム。
- 前記バイブレータの振動が内燃機関レーシングカートのエンジン及び車体の疑似振動であり、前記スピーカの音響が内燃機関のレーシングカートのエンジン音及び排気音、或いはこれらと音圧及び音色の組み合わせによる疑似音響であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気レーシングカートシステム。
- 走行状況及び操作状況を検出するセンサー、ドライバーシートに振動を与えるシートバイブレータ、スピーカ及び送受信可能なGPSを含む通信装置を有する電気レーシングカートと、ホストコンピュータ及び集中通信装置を有する基地局とを備え、走行する複数の電気レーシングカート相互の距離及びスピード差に基づき上記ホストコンピュータが情報処理して上記スピーカに内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出し送信するサーキットシステム。
- 前記構成に加え、観客の声援及び場内アナウンサーの声を擬似音響として創出する仮想場内アナウンス装置を備えたことを特徴とする、請求項4に記載のサーキットシステム。
- 前記構成に加え、実写映像に同期した前記内燃機関のレーシングカートの疑似音響を創出する観戦装置を備えたことを特徴とする、請求項4又は5に記載のサーキットシステム。
- 前記構成に加え、サーキット内の位置情報に基づき前記内燃機関のレーシングカートの疑似音響を受信するヘッドホンを備えたことを特徴とする、請求項4に記載のサーキットシステム。
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2002
- 2002-11-29 JP JP2002349271A patent/JP2004180800A/ja active Pending
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