JP2004189945A - 付加硬化型シリコーンゴム組成物及び粘着ゴムシート - Google Patents

付加硬化型シリコーンゴム組成物及び粘着ゴムシート Download PDF

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Abstract

【解決手段】(A)アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン
(B)R3SiO1/2単位とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、Rがアルケニル基を含まないか、含んでいてもその総量が0.0001mol/g未満である樹脂質共重合体
(C)R’3SiO1/2単位とSiO2単位を主成分とし、R’3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R’3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、R’はアルケニル基を含み、その総量が0.0001mol/g以上である樹脂質共重合体
(D)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(E)付加反応触媒
を主成分としてなる表面粘着性を有する付加硬化型シリコーンゴム組成物。
【効果】本発明によれば、ゴム強度が高く、表面粘着性の高いシリコーンゴムシートを与える。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化後に表面に粘着性を有するゴムシートを与える付加硬化型シリコーンゴム組成物及びこれを硬化して得られる粘着ゴムシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着剤は感圧接着剤とも呼ばれ、指先で押す程度の小さい圧力で対象物表面に容易に接着する性質を有している。このような粘着剤は、たとえば、セロハンテープ、電気絶縁用ビニルテープ、マスキングテープ、粘着シートなどの粘着製品に使用されている。これら粘着テープやシートに使用される粘着剤としては、天然ゴム、合成ゴムなどを主成分とするものが使用されるが、これらの粘着剤組成物は、熱、光などに劣化しやすいことや、低温では粘着性が低下してしまうという問題点があった。
【0003】
これに対し、シリコーン粘着剤は、シリコーン特有の優れた耐熱性、耐寒性、電気特性をもち、かつこれらの特性を損なわずに、粘着性を有することができるため、高度の信頼性が要求される各種粘着製品に幅広く使用されている。これらシリコーン粘着剤としては、(CH33SiO0.5単位及びSiO2単位を有するポリシロキサンとジメチルシリコーン生ゴムの縮合物からなるシリコーン粘着剤やアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル化反応による付加型シリコーン粘着剤(特公昭54−37907号公報、特開昭63−22886号公報)が知られている。
【0004】
しかしながら、これら粘着剤は、主としてコーティングにより薄膜を形成し、表面の粘着性を利用するもので、ゴム硬度や強度については全く触れられていない。実際にこれら組成物をゴムシートとしても、粘着力は十分であるが、ゴム強度がないため治具の固定シートや衝撃緩和シートとしては不向きである。また、特開平8−134427号公報では、レジンに含有するアルケニル基の量を規定することが記述されているが、この場合、アルケニル基の量が少ないと十分なゴム強度が得られず、またアルケニル基の量が多いと粘着性が不十分になってしまう。また、シリコーンのゴム強度を上げるために微粉末シリカ等の無機充填剤を加えることは知られているが、これらを添加すると微量でも透明性が低下してしまうため、画像表示装置の衝撃緩和剤等の光学用途には使用できなくなってしまう。
【0005】
【特許文献1】
特公昭54−37907号公報
【特許文献2】
特開昭63−22886号公報
【特許文献3】
特開平8−134427号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、十分なゴム強度を有し、かつ表面粘着性を有し、しかも透明化も可能なゴムシートを与える付加硬化型シリコーンゴム組成物及びこれを硬化して得られる粘着ゴムシートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、粘着性を付与するシリコーンレジンとゴム強度を付与するシリコーンレジンとを併用し、付加硬化型の組成物とすることで、一定のゴム硬度及びゴム強度を有しながら、基材や各種部品と密着し、固定できる粘着性をも有するシリコーンゴム組成物を見出したものである。
【0008】
従って、本発明は、
(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 10〜75重量部
(B)R3SiO1/2単位(式中、Rは非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、Rがアルケニル基を含まないか、含んでいてもその総量が0.0001mol/g未満である樹脂質共重合体: 20〜70重量部
(C)R’3SiO1/2単位(式中、R’は非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位を主成分とし、R’3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R’3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、R’はアルケニル基を含み、その総量が0.0001mol/g以上である樹脂質共重合体:5〜50重量部
(D)珪素原子と結合する水素原子を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A),(B),(C)成分の合計100重量部に対し0.5〜30重量部
(E)付加反応触媒 触媒量
を主成分としてなる、表面粘着性を有する付加硬化型シリコーンゴム組成物及びこれを硬化してなる粘着ゴムシートを提供する。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の付加硬化型シリコーンゴム組成物の(A)成分は、1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、この(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)
1 aSiO(4-a)/2 (1)
で示されるものが用いられる。
【0010】
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。ここで上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、たとえばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90%以上がメチル基であることが好ましい。
【0011】
この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6である)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、全有機基(即ち、上記の非置換又は置換一価炭化水素基)R1中、0.0001〜20モル%、好ましくは0.001〜10モル%、特に0.01〜5モル%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、少なくとも分子鎖両末端の珪素原子に結合したアルケニル基を含有するものが好ましい。
【0012】
重合度については特に制限なく、常温で液状のものから生ゴム状のものまで使用できるが、通常、平均重合度が50〜20,000、好ましくは100〜10,000、より好ましくは100〜2,000程度のものが好適に使用される。
【0013】
また、このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基((HO)R1 2SiO1/2)で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。
【0014】
(B)成分の樹脂質共重合体(即ち、三次元網状構造の共重合体)は、R3SiO1/2単位及びSiO2単位を主成分とする。ここで、Rは、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、Rで示される一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、たとえばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
【0015】
(B)成分の樹脂質共重合体は、上記R3SiO1/2単位及びSiO2単位とのみからなるものであってもよく、また必要に応じ、R2SiO単位やRSiO3/2単位(Rは上記の通り)をこれらの合計量として、全共重合体重量に対し、50%以下、好ましくは40%以下の範囲で含んでよいが、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5、特に0.5〜1.3が好ましい。このモル比が0.5より小さくても、1.5より大きくても粘着性が低下してしまう。更に、(B)成分の樹脂質共重合体は、アルケニル基の含有量が、0.0001mol/g未満(即ち、0〜0.0001mol/g)であること、好ましくは0.00005mol/g以下(即ち、0〜0.00005mol/g)であること、より好ましくはアルケニル基を含有しないことである。アルケニル基を0.0001mol/gより多く含有すると、十分な粘着力が得られなくなってしまう。
【0016】
なお、上記樹脂質共重合体は、常温(たとえば25℃)で流動性のある液状でも流動性のない固体状のものでもよいが、硬化物の粘着性の点で常温で固体状のものが好ましい。この樹脂質共重合体は、通常適当なクロロシランやアルコキシシランを当該技術において周知の方法で加水分解することによって製造することができる。
【0017】
(C)成分の樹脂質共重合体(即ち、三次元網状構造の共重合体)は、R’3SiO1/2単位及びSiO2単位を主成分とする。ここでR’は、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、R’で示される一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、たとえばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
【0018】
(C)成分の樹脂質共重合体は、上記R’3SiO1/2単位及びSiO2単位とのみからなるものであってもよく、また必要に応じ、R’2SiO単位やR’SiO3/2単位(R’は上記の通り)をこれらの合計量として、全共重合体重量に対し、50%以下、好ましくは40%以下の範囲で含んでよいが、R’3SiO1 /2単位とSiO2単位とのモル比[R’3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5、特に0.5〜1.3が好ましい。このモル比が0.5より小さくても、1.5より大きくても十分なゴム硬度・強度が得られなくなってしまう。更に、(C)成分の樹脂質共重合体は、アルケニル基の含有量が0.0001mol/g以上であり、好ましくは0.0001〜0.003mol/gであり、更に好ましくは0.0002〜0.002mol/gの範囲である。アルケニル基の含有量が0.0001mol/gより少ないと、十分なゴム物性が得られなくなってしまい、0.003mol/gより多いと、硬度が高くなりすぎて粘着力が低下してしまうおそれがある。
【0019】
なお、上記樹脂質共重合体は、常温(25℃)で流動性を有する液状(たとえば10mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上)のものでも、流動性のない固体状のものであってもよい。この樹脂質共重合体は、通常適当なクロロシランやアルコキシシランを当該技術において周知の方法で加水分解することによって製造することができる。
【0020】
なお、(B)成分の樹脂質共重合体と(C)成分の樹脂質共重合体との合計中におけるアルケニル基の含有量としては、ゴム物性及び粘着性等の点から0.00001〜0.002mol/g、特に0.00005〜0.001mol/gであることが好ましい。
【0021】
ここで、上記(A)成分の配合量は、10〜75重量部、特に20〜70重量部であり、(B)成分の配合量は20〜70重量部、特に25〜60重量部であり、(C)成分の配合量は5〜50重量部、特に10〜40重量部である。(A)成分が少なすぎると、ゴム弾性がなくなり脆くなってしまい、多すぎると、粘着性、強度が不十分になってしまう。(B)成分が少なすぎると、十分な粘着性が得られず、多すぎると、粘着性も低下し、ゴム物性を著しく低下してしまう。逆に、(C)成分が少なすぎると、十分な粘着性が得られず、多すぎると、粘着性も低下し、ゴム物性も著しく低下してしまう。
【0022】
(D)成分は、1分子中に珪素原子と結合する水素原子(Si−H基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。この(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個(通常2〜200個)、好ましくは3〜100個、より好ましくは3〜50個の珪素原子結合水素原子を有するものが好適に用いられる。
【0023】
ここで、R2の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、bは好ましくは、0.8〜2.0、cは好ましくは0.01〜1.0、b+cは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、珪素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
【0024】
上記(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
【0025】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A),(B),(C)成分の合計100重量部に対して0.5〜30重量部、特に0.8〜20重量部である。配合量が少なすぎても多すぎても、十分なゴム強度が得られなくなってしまう。また、この(D)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A),(B),(C)成分中に含まれる珪素原子に結合したアルケニル基に対する(D)成分中の珪素原子に結合した水素原子(Si−H基)の量がモル比で、通常、0.5〜5mol/mol、好ましくは0.8〜3mol/mol程度となるように配合することもできる。
【0026】
(E)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、塩化白金酸とビニルシロキサン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常白金族金属として(A),(B)、(C)成分の合計量に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
【0027】
その他の成分として、必要に応じて、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤や、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤などの充填剤を配合してもよいが、透明性を必要とする用途では好ましくない。更に、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは任意とされる。
【0028】
本発明の粘着性を有するシート材は、上記成分を含有する付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を硬化することにより得られる。この場合、より具体的には本発明の組成物を用いて粘着性ゴムシートを得る方法は、上記のゴム組成物を圧縮成形や注入成形、射出成形などにより直接シートを得る方法や、インサート成形により金属基板、樹脂基板、樹脂フィルム上にシートを成形する方法、あるいはディッピング、コーティング、スクリーン印刷などにより基材と一体化したゴムシートを得る方法などがある。これらの硬化条件としては、温度80〜250℃で10秒〜1時間の範囲が好ましい。更に、低分子シロキサンを除くなどの目的で120〜250℃の温度で、1〜100時間程度のアフターキュアを行ってもよい。また、ゴムシート自体の厚さは、0.1〜50mm、好ましくは0.2〜20mmで、0.1mm未満では、シートの弾性を生かすのに不十分な場合があり、50mmを超えると、コスト的に不利になってしまう場合が生じる。
【0029】
なお、硬化したゴムの硬度はデュロメーターA硬度計で5〜50の範囲が好ましく、より好ましくは5〜40の範囲である。5未満では、ゴムとしての強度が劣る場合があり、50を超えると粘着性が低下してしまう場合がある。更に、JIS K6249による引張り強度が0.3MPa以上、通常0.3〜8MPa、特に0.4〜6MPaであることが好ましい。また、ゴムシートの透明性は、画像表示装置のクッション材としては必要な特性で、10mm厚さの全光線透過率で85%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。
【0030】
このようにして得られるゴムシートは、各種部品や道具類の固定シートとして、たとえば、病院などでの医療器具の固定、レストランやパーティ会場などでの食器類の固定などに使用できる。特に、各種微小、薄片部品の組立工程における搬送シートとして好適である。また、透明で一定のゴム強度をもつことから、液晶表示板、プラズマディスプレーなど画像表示装置の衝撃緩和用のゴムシート、屈折率を利用した視認性向上のためのゴムシート等としても利用できる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は重量部を示す。
【0032】
[実施例1]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が300であるジメチルポリシロキサン(1)40重量部、室温(25℃)で固体の(CH33SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体(2)[(CH33SiO1/2単位/SiO2単位=0.75(モル比)]45部、室温で固体の(CH33SiO1/2単位、CH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体(3)[((CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位)/SiO2単位=0.8(モル比)、ビニル基含有量=0.0005mol/g]15部を150℃で3時間混合後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、分子側鎖にSi−H基を有するジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(4)(重合度20、Si−H基量0.0060mol/g)を1.39部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、120℃/10分のプレスキュアにより表面に粘着性を有する厚さ2mm及び10mmのゴムシートを得た。この硬化物について、2mmのシートよりJIS K6249に基づき、硬さ、ゴム硬度(デュロメーターA)、引張り強度、切断時伸びの測定を行った結果を表1に示し、更にテクスチャーアナライザー(英弘精機株式会社製)による表面粘着力の測定結果を表1に記した。また、10mmのシートよりヘーズメーター(スガ試験機株式会社製)による全光線透過率を測定した結果を表1に記した。
【0033】
[実施例2]
実施例1のジメチルポリシロキサン(1)20部、トルエンで溶解された実施例1の樹脂質共重合体(2)50部(樹脂分重量)、同じくトルエンで溶解された室温で固体の(CH33SiO1/2単位、CH2=CH(CH32SiO1/2単位、SiO2単位及び(CH32SiO単位からなる樹脂質共重合体(5)[((CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位)/SiO2単位=1.0(モル比)、(CH32SiO単位含有率20重量%、ビニル基含有量=0.0008mol/g]30部(樹脂分重量)を室温で混合し、減圧下120℃で3時間溶剤を除去した。更に1時間撹拌を続けた後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として分子側鎖にSi−H基を有する実施例1のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(4)を2.12部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、120℃/10分のプレスキュアにより表面に粘着性を有する厚さ2mm及び10mmのゴムシートを得た。この硬化物について、実施例1と同様にゴム硬度(デュロメーターA)、引張り強度、切断時伸び、表面粘着力、及び全光線透過率を測定した結果を表1に記した。
【0034】
[実施例3]
分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、分子側鎖にSi原子に結合したビニル基を、CH2=CH(CH3)SiO単位として有する平均重合度が500であるジメチルポリシロキサン(6)30部(ビニル基含有量0.0002mol/g)、トルエンで溶解された室温で固体の(CH33SiO1/2単位、SiO2単位、CH2=CH(CH3)SiO単位及び(CH32SiO単位からなる樹脂質共重合体(7)[(CH33SiO1/2単位/SiO2単位=0.9(モル比)、CH2=CH(CH3)SiO単位+(CH32SiO単位の含有率15%、ビニル基含有量=0.001mol/g]40部(樹脂分重量)、同じくトルエンで溶解された実施例1の樹脂質共重合体(2)30部(樹脂分重量)を室温で混合し、減圧下120℃で3時間溶剤を除去した。更に1時間撹拌を続けた後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として分子側鎖にSi−H基を有する実施例1のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(4)(重合度20、Si−H基量0.0060mol/g)を2.45部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、120℃/10分のプレスキュアにより表面に粘着性を有する厚さ2mm及び10mmのゴムシートを得た。この硬化物について、実施例1と同様にゴム硬度(デュロメーターA)、引張り強度、切断時伸び、表面粘着力及び全光線透過率を測定した結果を表1に記した。
【0035】
[比較例1]
実施例1のジメチルポリシロキサン(1)50部、実施例1の室温で固体の樹脂質共重合体(2)50部(樹脂分重量)を150℃で3時間混合後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100部に、実施例1のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(4)を0.94部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、120℃/10分のプレスキュアにより表面に粘着性を有する厚さ2mm及び10mmのゴムシートを得た。この硬化物について、実施例1と同様にゴム硬度(デュロメーターA)、引張り強度、切断時伸び、表面粘着力、及び全光線透過率を測定した結果を表1に記した。
【0036】
[比較例2]
実施例3のジメチルポリシロキサン(6)50部、トルエンで溶解された室温で固体の(CH33SiO1/2単位、CH2=CH(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体(8)[((CH33SiO1/2単位+CH2=CH(CH32SiO1/2単位)/SiO2単位=0.8(モル比)、ビニル基含有量=0.0002mol/g]50部(樹脂分重量)を室温で混合し、減圧下120℃で3時間溶剤を除去した。更に1時間撹拌を続けた後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース100部に、実施例1のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(4)を2.33部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、120℃/10分のプレスキュアにより表面に粘着性を有する厚さ2mm及び10mmのゴムシートを得た。この硬化物について、実施例1と同様にゴム硬度(デュロメーターA)、引張り強度、切断時伸び、表面粘着力、及び全光線透過率を測定した結果を表1に記した。
【0037】
【表1】
Figure 2004189945
【0038】
【発明の効果】
本発明の付加硬化型シリコーンゴム組成物は、ゴム強度が高く、表面粘着性の高いシリコーンゴムシートを与える。

Claims (6)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン: 10〜75重量部
    (B)R3SiO1/2単位(式中、Rは非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位を主成分とし、R3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、Rがアルケニル基を含まないか、含んでいてもその総量が0.0001mol/g未満である樹脂質共重合体: 20〜70重量部
    (C)R’3SiO1/2単位(式中、R’は非置換又は置換の一価炭化水素基)とSiO2単位を主成分とし、R’3SiO1/2単位とSiO2単位とのモル比[R’3SiO1/2/SiO2]が0.5〜1.5であり、R’はアルケニル基を含み、その総量が0.0001mol/g以上である樹脂質共重合体:5〜50重量部
    (D)珪素原子と結合する水素原子を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A),(B),(C)成分の合計100重量部に対し0.5〜30重量部
    (E)付加反応触媒 触媒量
    を主成分としてなることを特徴とする表面粘着性を有する付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  2. (B)成分の樹脂質共重合体が実質的にアルケニル基を含有せず、かつ常温で固体であることを特徴とする請求項1記載の付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  3. (C)成分の樹脂質共重合体のアルケニル基含有量が、0.0001〜0.003mol/gの範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  4. 硬化後のゴム硬度がデュロメーターAで5〜50、引張り強度が0.3MPa以上である請求項1,2又は3記載の付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  5. 硬化後のゴムシートが透明で、10mm厚さでの全光線透過率が85%以上である請求項1乃至4のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーンゴム組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化してなる粘着ゴムシート。
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