JP2004190864A - セラミックファイバーブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性が高く、しかも重量の軽いセラミックファイバーブロックを提供する。
【解決手段】セラミックファイバーを葛折り状に折りたたんでなるブロック体と、該ブロック体に装着された取付金具とから構成されるセラミックファイバーブロックであって、前記ブロック体は、結晶アルミナファイバーブランケットである外層体と、結晶アルミナファイバーマットである内層体との二層構造になっており、前記外層体が内層体の折り目部に挟み込まれた状態で内層体の外表面を覆って構成されているとともに、前記外層体は嵩密度が100〜130kg/mのブランケット、前記内層体は嵩密度が60〜80kg/mで、アルミナ繊維が三次元ランダムに配向し、かつ相互に絡み合う状態にあるマットである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として工業用炉の内部ライニング材である高温用セラミックファイバーブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックファイバーブロックは、軽量性、低蓄熱性、断熱性に優れているため、炉の耐火断熱用内張材として、従来の耐火レンガ、耐火断熱レンガ、耐火キャスタブルに代わり、数多く用いられるようになっている。一方、このセラミックファイバーブロックの内張り工法としてモジュール工法が知られている。この工法は、セラミックファイバーブランケットを幾重にも折りたたんでブロック体を作り、このブロック体に取付金具を装着してセラミックファイバーブロックを構成し、このブロックを取付金具を介して多数、炉の壁及び天井に取り付けていくものである。
【0003】
図3は、従来のセラミックファイバーブロックの説明図である。具体的には、この図3に示すように、セラミックファイバーブランケット21を葛折り状に折りたたみ、これとチャンネル22、ビーム23などで1つのセラミックファイバーブロック20を構成する。このブランケット21は、折り目24の複数箇所に差し込んだビーム23によって支持され、このビーム23は高温に強い金属または合金あるいは他の適当な板材料を折り曲げ、棒状に形成される。また、ビーム23は、図4に示すように、ビーム23の中央部分27において、ビーム23と同様の材質の板からなるタブ26の下端接合部に形成された輪28内に装着され、タブ26の直角方向に固定される。
【0004】
さらに、ビーム23はタブ26の尖ったタブ上端29をブランケットの折り目24とチャンネル22の開口部25を貫通し、チャンネル22の上面に突き抜けたタブ上端29の部分を下方に折り曲げることによりチャンネル22に支持される。チャンネル22は葛折りしたブランケット21の折り目24のある側の外側に葛折り方向にブランケットの中央部に設けられ、これにより加熱炉などの炉壁にブランケット21からなるセラミックファイバーブロック20を据え付ける。
【0005】
ところでセラミックファイバーは使用温度によって数種のものが使いわけられている。耐熱温度が1300℃以下の場合は、低温用の非結晶質セラミックファイバーでも問題ないが、高い炉内温度にも対応するためには1300℃以上の耐熱温度を有するアルミナ繊維を多く含有した高温用の結晶質セラミックファイバーを使用する必要がある。しかしながら、当然耐熱温度が高いもの程、価格も高価になるという問題がある。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1に開示されているように、この高温用のセラミックファイバーの使用量を減らすために、図5に示すように、高温用及び低温用セラミックファイバーブランケットをそれぞれ連続的なアコーディオン(葛折り)状に折り曲げ、高温用モジュール32及び低温用モジュール31を形成し、両モジュールの折り山群を合わせ面として、両折り山群同士をそれぞれアルミナ長繊維のような無機質繊維や、それをロープ状にしたもの又はインコネル或いはステンレスなどの耐熱合金をワイヤーにしたもの等の耐熱性紐状製品33にて縫い付け一体的に結合したセラミックファイバーブロック30が記載されている。尚、符号34はチャンネル、35はビームを示す。
【0007】
このように炉内側に高温用モジュール32を、炉壁側に低温用モジュール31を配置することで高温用のファイバーブランケットの使用比率を少なくする構成としているが、しかし、耐熱性紐状製品33の耐熱温度は、例えばアルミナ長繊維ロープの場合でも1100℃程度であり、そのため思ったほど高温用のファイバーブランケットの使用割合を減らすことは難しかった。
【0008】
【引用文献】
(1)特許文献1(特開平9−4982号公報)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような、従来のセラミックファイバーブロックでは、高温用、低温用ともに高温下でのブロック単体の復元力を増し、熱収縮を防ぐために、また、熱伝導率をできるだけ小さくするために、嵩密度が130〜160kg/m程度になるように圧縮成形されている。従って、どうしてもセラミックファイバーブロックの重量が重く、特に天井部などの炉壁に取り付ける場合、取付持金具への負荷が高くなるという問題があった。
そこで、本発明においては、重量が軽く、耐熱性も高く、なおかつ従来に比べて安価であるセラミックファイバーブロックを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セラミックファイバーを葛折り状に折りたたんでなるブロック体と、該ブロック体に装着された取付金具とから構成されるセラミックファイバーブロックであって、前記ブロック体は、結晶アルミナファイバーブランケットである外層体と、アルミナ繊維が三次元ランダムに配向し、かつ相互に絡み合う状態にある結晶アルミナファイバーマットである内層体との二層構造になっており、前記外層体が内層体の折り目部に挟み込まれた状態で内層体の外表面を覆って構成されている。また、前記外層体は嵩密度が100〜130kg/mの結晶アルミナファイバーブランケット、前記内層体は嵩密度が60〜80kg/mの結晶アルミナファイバーマットである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について図面に従って説明する。
図1は、本発明のセラミックファイバーブロックの製作説明図、図2は、セラミックファイバーブロックの斜視説明図である。この図1および図2に示すように、本発明のセラミックファイバーブロック10は、図1に示すように、結晶アルミナファイバーブランケット1と結晶アルミナファイバーマット2を重ねた状態で葛折り状(アコーディオン状)に連続的に折りたたんで製作される。この結晶アルミナファイバーマット2のアルミナ繊維は、三次元ランダムに配向し、かつ相互に絡み合う状態になっている。この結晶アルミナファイバーマット2の製作にあたっては、特開2002−105823号公報に記載されているように、一定の温度及び湿度に制御した雰囲気中で、粘度を調整した紡糸液を繊維化し、前駆体繊維にし、これを焼成して繊維に含まれる有機物、水分などを分解し、結晶質繊維を得る。アルミナ繊維は、アルミナの含有量が70%以上であり残部がシリカである、主にムライト結晶またはコランダム結晶からなる。
【0012】
繊維化方法は、メルトブロー法やスピニング法がある。メルトブロー法は、紡糸液を小穴から押し出し、高圧エアーを吹き付けて繊維化する。一方、スピニング法は、小穴を有するカップを回転させ、その遠心力で紡糸液を押し出し、これに高圧エアーを吹き付け繊維化する。スピニング法は環状の繊維を製作する場合に好ましい。環状とは、輪が完全に閉じているものや半円弧状のようなカール状のものも含む。繊維が環状やカール状になることでバネのような働きをし、圧縮された時の反発力を大きくすることができる。このような環状やカール状の繊維は、小さな嵩密度で大きな復元力を得ることができる。
【0013】
アルミナ繊維が三次元ランダムに配向する状態とは、アルミナ繊維が特定の方向のみに配向するのではなく、三次元のあらゆる方向にランダムに、即ち秩序ない状態で配向する状態をいう。例えば、繊維化直後の前駆体繊維を集綿する際に、金網を通して吸引すると、繊維は繊維単位で落下し、金網と平行に二次元に配向するが、吸引力を調整して堆積させることで前駆体は三次元ランダムに配向する。また、アルミナ繊維が相互に絡み合う状態とは、繊維同士が交点で接着することなく互いに絡んでいる状態である。このような状態のアルミナ繊維を積層し、これを焼成したものを結晶アルミナファイバーマット2として使用している。
【0014】
一方、結晶アルミナファイバーブランケット1は、繊維化した前駆体繊維を集綿する時にアルミナ繊維の方向をほぼ揃えた状態で積層し、これにニードリングしたものや糸で縫製したものである。
本発明のセラミックファイバーブロック10は、上記のような結晶アルミナファイバーブランケット1からなる外層体と、低密度の結晶アルミナファイバーマット2からなる内層体の二層構造となっており、外層体である結晶アルミナファイバーブランケット1が、内層体である結晶アルミナファイバーマット2の折り目部7に挟み込まれた状態で内層体の外表面を覆って葛折り状に折りたたまれている。
【0015】
このように、結晶アルミナファイバーマット2からなる内層体を、結晶アルミナファイバーブランケット1からなる外層体で覆った二層構造にするのは、結晶アルミナファイバーマット2のみで葛折り状に連続的に折りたたもうとすると、繊維の剥離や飛散、腰折れが生じるためブロック化が難しいからである。更に、図1にあるように結晶アルミナファイバーブランケット1の外側にガーゼ3を張り付けてやることで、葛折り状に折りたたむ作業中の繊維飛散や折り山部の腰折れなどを確実に防ぐことができる。尚、このガーゼ3は炉内で焼失するため、特に品質への影響はない。
【0016】
結晶アルミナファイバーマット2は厚さ35〜50mm程度にすることが好ましい。結晶アルミナファイバーマット2の厚さを大きくしてファイバーブロック10全体における結晶アルミナファイバーマット2の使用量を多くした方がファイバーブロック10全体の重量を軽くすることができるが、葛折状のブロックに製作することを考慮すると50mm以下であることが好ましい。また、結晶アルミナファイバーブランケット1は厚さ6〜12.5mm程度の厚さを有することで十分必要な引張り強度を保持することができる。また、折り目部7の適当箇所(図1では二箇所)にビーム4を挟み、ビーム4に取り付けたタブ5を、結晶アルミナファイバーブランケット1及び結晶アルミナファイバーマット2を貫通させ、更に炉壁への取付金具であるチャンネル6の開口8に固定することで、ブロック体9を取付金具に支持固定する。
【0017】
次に、図2に示すように、カードボード11でファイバーブロックの反発方向二面を補強し、結晶アルミナファイバーブランケット1及び結晶アルミナファイバーマット2からなるセラミックファイバーブロック10を圧縮し、PPバンド12を巻きつけて固定する。この時点で、外層体である結晶セラミックファイバーブランケット1は、嵩密度が100〜130kg/mになるようにする。嵩密度が100kg/mよりも小さいと、ブランケット自体の引張り強度が弱くなり、葛折りし圧縮する際に山状になったブランケットが切れてしまう。また、嵩密度が130kg/mよりも大きいと、ブランケットが硬く葛折りができない。さらに重量が大きくなり軽量化のメリットがない。
【0018】
内層体である結晶アルミナファイバーマット2は、嵩密度が60〜80kg/mになるようにする。嵩密度が60kg/mよりも小さいと、復元力が弱くなり高温下で隣接するブロック間に隙間ができ、その隙間より熱風が支持金属の強度を弱め、ブロックの落下の原因となる。また、80kg/mよりも大きいと復元力が強すぎてブロックの形成ができない。尚、セラミックファイバーブロック10全体では80〜100kg/m程度の嵩密度となり、引張強度は100〜300kgfである。
【0019】
本発明で使用する結晶アルミナファイバーマットのアルミナ繊維は前述したように環状やカール状の短繊維を三次元ランダムに配向し、かつ相互うに絡み合う状態にしたものであり、内部にエアーを多く含んだ状態であるため、小さい嵩密度でありながら大きな復元力を有する。よって、従来のように結晶アルミナファイバーブランケットのみでファイバーブロックを製作した場合、必要な復元力を得るために嵩密度を130〜160kg/mにする必要があるのに対し、本発明のようにこのマットを使うことにより、マット分の嵩密度を60〜80kg/mに小さくし、セラミックファイバーブロック全体の嵩密度を80〜100kg/m程度にしても、結晶アルミナファイバーブランケットのみで製作したファイバーブロックと比べて、充分高い復元力を保持することが可能となるのである。
【0020】
このように、セラミックファイバーブロックに結晶アルミナファイバーマットを使用することで、ファイバーブロックの復元力を高くすることができるため、ファイバーブロック全体の嵩密度を小さくすることができ、その結果ファイバーブロックの重量を小さくすることができる。また、ファイバーブロック全体に1300℃以上の耐熱温度を有するアルミナ繊維を多く含有した高温用の結晶質セラミックファイバーを使用しているため、耐熱性も高い。
【0021】
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
【実施例】
300mm×300mm×300mm(130%圧縮して製作したファイバーブロック)なるセラミックファイバーを作製した。その本発明例と比較例を表1に示す。なお、本発明例は、結晶アルミナファイバーブランケットとマットの二層構造、比較例は結晶アルミナファイバーブランケットのみのものを用いた。
本発明の構成を適用したセラミックファイバーブロックは、復元力の高いマットを使用しているため、ブランケットのみで構成された比較例のファイバーブロックに比べて、ブロック全体の嵩密度を小さくすることができ、ファイバーブロック重量を1.0kg小さくすることができた。尚、本発明例と比較例のファイバーブロックを使用して、炉内温度1350℃の炉において連続操業を行ったが、本発明のセラミックファイバーブロックの耐熱性は全く問題がなかった。また、重量が軽いため、取付金具への負荷も軽減し、セラミックファイバーブロックの長寿命化を図ることができた。
【0022】
【表1】
Figure 2004190864
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のファイバーブロックは、結晶アルミナファイバーブランケットである外層体と、結晶アルミナファイバーマットである内層体との二層構造になっており、外層体には結晶アルミナファイバーブランケットを、内層体には環状やカール状のアルミナ繊維が三次元ランダムに配向し、かつ相互に絡み合うことで復元力の大きなマットを使用している。また、外層体であるブランケットの嵩密度を100kg〜130kg/mに、内層体であるマットの嵩密度を60〜80kg/mにしている。セラミックファイバーブロックに、このような特徴をもつ結晶アルミナファイバーマットを使用することにより、結晶アルミナファイバーブランケット単体で形成した従来のセラミックファイバーブロックと比べ、ファイバーブロック全体の嵩密度を小さくしても、ファイバーブロックの復元力を大きくすることができるため、その結果ブロック全体の嵩密度を小さくすることができ、ファイバーブロックの重量を小さくすることができる。よって、炉壁や炉天井に取付けた時の取付金具やファイバーへの負荷が小さくなるとともに、高温下においてファイバーブロック間に隙間が生じ、熱風により取付金具が破損することも防ぐことができるため、従来に比べて操業中のファイバーブロックの脱落等を防ぐことが可能となる。
【0024】
しかも、ファイバーブロック全体に結晶アルミナファイバーを使用しているため、1300℃以上の高温下においても充分な耐熱性を発揮することができる。また、ファイバーブロックの嵩密度を小さくすることができるため、1つのファイバーブロックに使用する結晶アルミナファイバーの量を減らすことができ、その結果コストの面でも従来の半分程度にすることが可能となった。
また、外層体である結晶アルミナファイバーブランケットにより、内層体である結晶アルミナファイバーマットの外表面を覆っているため、葛折り状に折りたたむ時、繊維の剥離や飛散、及びマットの腰折れなどを防止し、スムーズにファイバーブロックを成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックファイバーブロックの製作説明図、
【図2】セラミックファイバーブロックの説明図、
【図3】従来のセラミックファイバーブロックの説明図、
【図4】チャンネル、ビーム、タブの斜視図、
【図5】従来のセラミックファイバーブロックの説明図である。
【符号の説明】
1 結晶アルミナファイバーブランケット(外層体)
2 結晶アルミナファイアーマット(内層体)
3 ガーゼ
4 ビーム
5 タブ
6 チャンネル
7 折り目部
8 開口部
9 ブロック体
10 セラミックファイバーブロック
11 カードボード
12 PPバンド
20 セラミックファイバーブロック
21 セラミックファイバーブランケット
22 チャンネル
23 ビーム
24 折り目部
25 開口部
26 タブ
27 中央部分
28 輪
29 タブ上端
30 セラミックファイバーブロック
31 低温用モジュール
32 高温用モジュール
33 耐熱性紐状製品
34 チャンネル
35 ビーム

Claims (2)

  1. セラミックファイバーを葛折り状に折りたたんでなるブロック体と、該ブロック体に装着された取付金具とから構成されるセラミックファイバーブロックであって、前記ブロック体は、結晶アルミナファイバーブランケットである外層体と、アルミナ繊維が三次元ランダムに配向し、かつ相互に絡み合う状態にある結晶アルミナファイバーマットである内層体との二層構造になっており、前記外層体が内層体の折り目部に挟み込まれた状態で内層体の外表面を覆って構成されていることを特徴とするセラミックファイバーブロック。
  2. 前記外層体は嵩密度が100〜130kg/mの結晶アルミナファイバーブランケット、前記内層体は嵩密度が60〜80kg/mの結晶アルミナファイバーマットであることを特徴とする請求項1記載のセラミックファイバーブロック。
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