JP2004200545A - 空芯コイルの巻線装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受動スピンドル20と、受動スピンドル20に軸A上で対向した回転スピンドル41を有し軸A方向に移動自在な回転駆動部30とを備える。
回転駆動部30には、軸Aを中心に回転自在で回転スピンドル41、フライヤ42及び歯車43を有し軸芯に貫通孔を形成した回転軸40と、フライヤ42に組み込んだテンション機構と、回転軸40の貫通孔の中に移動自在に取付けた心棒60と、所定の区間を直線的に移動自在で移動時に歯車43を介して回転軸40を回転させるラックギア50とを設ける。巻枠7から繰り出したワイヤ10を、受動スピンドル20と回転スピンドル41の間を通して一端部をフライヤ42で保持可能とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空芯コイルの巻線装置に係り、特に巻数の少ない空芯コイルの製造に適する簡易な構造の巻線装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空芯コイルの巻線装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。これは、ワイヤの一端をクランプ(7b)で保持した状態でスピンドル(7a)を回転させ、ワイヤをスピンドル(7a)に巻き付けて空芯コイルを形成する構造である。また、特許文献2には、空芯コイルではなくドラムコアに巻線を施す巻線装置ではあるが、ワイヤを保持したフライヤ(43)を回転させて巻線を行う巻線装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−302452号公報(図1とその説明)
【特許文献2】特開2001−267171号公報(図1、段落26)
【0004】
図8は空芯コイルの平面図である。空芯コイル15はプリント基板やリードフレーム等に実装して使用される。その際、空芯コイル15の端末16、17は、それぞれ異なる電極に接続されることになるが、この実装作業を容易にするためには、引き出された両端末16、17の開き角度αが一定であることが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した従来の巻線装置によって両端末16、17の開き角度αが一定の空芯15コイルを作るためには、回転位置を精度よく制御できる高価なパルスモータやサーボモータを使用しなくてはならず、巻線装置がコスト高になる問題があった。本発明は、端末16、17の開き角度αを任意の値に容易に設定でき、構造が簡単な空芯コイルの巻線装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受動スピンドル20と、受動スピンドル20に軸A上で対向した回転スピンドル41を有し軸A方向に移動自在な回転駆動部30とを備え、巻枠7から繰り出されるワイヤ10を巻線して空芯コイルを作る空芯コイルの巻線装置において、軸Aを中心に回転自在で回転スピンドル41、フライヤ42及び歯車43を有し軸芯に貫通孔を形成した回転軸40と、フライヤ42に組み込んだテンション機構と、回転軸40の貫通孔の中に移動自在に取付けた心棒60と、所定の区間を直線的に移動自在で移動時に歯車43を介して回転軸40を回転させるラックギア50とを回転駆動部30に設け、巻枠7から繰り出して受動スピンドル20と回転スピンドル41の間を通したワイヤ10の一端部をフライヤ42で保持可能とした構成を特徴とする。
【0007】
【実施例】
図1及び図2は本発明の一実施例を示すもので、図1は巻線装置の概略の構成を示す平面図、図2は一部を軸Aの位置で断面にして示す巻線装置要部の正面図である。ベース1には、テンション装置2と、軸受3、固定板4、エアシリンダ5、ピン6(図2)をそれぞれ固定して設けてある。なお、ベース1は図1にのみ示し、図2以降では図示を省略してある。
【0008】
テンション装置2は、ベース1に固定された台座2bと台座2bに支持されたワイヤ保持部2aとで構成されている。ワイヤ保持部2aの先端部は、図1で左方の一端が後述のフレーム31で押されると開き、この押す力を解除すると内蔵したスプリングの力で閉じて、巻枠7から繰り出されたワイヤ10を弾性的に保持する。そして、ワイヤ10が引っ張られたときワイヤ保持部2aの摩擦抵抗によってワイヤ10に張力が作用するようにしてある。軸受3には、軸Aを中心に回転自在な受動スピンドル20を取り付けてある。受動スピンドル20の先端の中心には窪み21が形成してある。
【0009】
ベース1の上には、軸Aに沿う二点間を往復運動自在となるように回転駆動部30が取付けてある。回転駆動部30は、フレーム31と、このフレーム31に支持されて軸Aを中心に回転する回転軸40と、軸Aに直交する方向に移動自在なラックギア50とを備えている。回転軸40の一端部には、受動スピンドル20に軸A上で対向した回転スピンドル41とフライヤ42が固定してある。回転軸40にはさらに歯車43(図2)が固定してあり、この歯車43をラックギア50に噛み合わせてある。ラックギア50をその長手方向に移動させると、回転軸40は回転スピンドル41及びフライヤ42と共に軸Aを中心に回転する。
【0010】
回転駆動部30はエアシリンダ5によって駆動されて二点間の往復、すなわち図で左方への前進と右方への後退を行う。図1及び図2は回転駆動部30が後退位置にある場合を示している。ラックギア50の両端部には、それぞれストッパー51、52を取付けてある。これらのストッパー51、52がフレーム31の一部に突き当たることで、ラックギア50の移動範囲が制限される。51a、52aはストッパーの位置を調整するためのネジ、55はラックギア50を手動で動かすのに使用するハンドルである。
【0011】
回転軸40には軸芯を貫く貫通孔が形成してあり、この貫通孔の中に心棒60が取付けてある。心棒60は軸Aに沿う方向に移動可能で且つ軸Aを中心に回転する。心棒60には歯車61を固定してある。回転軸40の回転は、歯車43及び軸B(図2)を中心に回転する減速歯車62、63を介して減速して心棒60に伝達される。この減速比は、例えば心棒60が回転軸40の半分の回転数で同方向に回転するように設定される。心棒60はスプリング65によって図で左方に付勢されている。
【0012】
フライヤ42はテンション機構を内蔵している。本実施例のテンション機構は、スプリング42aで付勢されたクランパー42bで構成してある。クランパー42bは後方から固定板4で押されると図1のように先端が開いた状態となる。一方、固定板4から離れるとクランパー42bはスプリング42cの力で閉じて、ワイヤ10の一端部をしっかり挟んで保持する。このとき、ワイヤ10が巻枠7側に引っ張られると、スプリング42aを押し縮めながらクランパー42bは回転軸40の軸芯方向に移動する。したがって、適当な強さのスプリング42aを選ぶことによりワイヤ10に所定の張力を与えることができる。
【0013】
回転駆動部30のフレーム31には、図2に示すようなレバー35が取付けてある。レバー35は軸36を中心にして回動可能にしてある。回転駆動部30が右方に後退したとき、レバー35は下部がピン6に当たって回動し、スプリング65を押し縮めて心棒60を右方へ後退させる。すなわち、レバー35の働きで、回転軸40の後退距離よりも長い距離、心棒60は後退し、図1及び図2のように心棒60の先端は回転スピンドル41内に収容された状態となる。一方、図3に示すように回転駆動部30が前進位置にあるときは、心棒60は回転スピンドル41から突出して先端が受動スピンドル20の窪み21(図2)に進入する。その結果、回転スピンドル41と受動スピンドル20の間に心棒60を張り渡した状態となる。
【0014】
次に、この巻線装置の動作について説明する。まず、図1のように巻枠7からワイヤ10を引き出して、その端部をフライヤ42のクランパー42bの開閉する部分に載せる。このときワイヤ10は、テンション装置2のワイヤ保持部2aを経由して、受動スピンドル20と回転スピンドル41の間を通るようにする。
【0015】
そして、エアシリンダ5を動作させて回転駆動部30を前進させると、図3及び図4に示すようになる。フライヤ42のクランパー42bが閉じてワイヤ10の先端部を挟持すると同時に、テンション装置2のワイヤ保持部2aも閉じられる。回転スピンドル41と受動スピンドル20の間には、レバー35の係合を解かれた心棒60がスプリング65に押されて突出する。なお、このときの回転スピンドル41と受動スピンドル20の間隔は、得ようとする空芯コイルの高さ寸法に応じて予め設定される。
【0016】
図3の状態からハンドル55を図で下方に引いてラックギア50を動かし、回転軸40と共にフライヤ42を回転させて巻線を行う。図5はハンドル55を途中まで引いた状態、図6は最終位置まで引いた状態をそれぞれ示している。移動するラックギア50によって回転軸40が回転駆動され、回転軸40と一緒にフライヤ42が軸Aを中心に回転する結果、心棒60の周りにワイヤ10が巻き付けられ、空芯コイルが形成される。最終位置でストッパー51がフレーム31に突き当たってラックギア50が停止して巻線動作は終了する。
【0017】
この巻線動作中、心棒60も回転軸40の回転方向と同方向に半分の回転数で回転する。したがって、心棒60を基準として見たとき、心棒60の周りに形成される空芯コイルは、両端末が同時に且つ同速度で逆方向から巻回される形となる。このため、二層以上に重ね巻きした空芯コイルをこの巻線装置で巻く場合、両端末が外側に位置するコイル、いわゆる外外巻きコイルが得られる。
【0018】
巻線を終えた図6の状態で、心棒60とテンション装置2の間に張り渡された部分のワイヤ10を切断する。そして、エアシリンダ5によって回転駆動部30を後退させると、図7のようにワイヤ保持部2a及びクランパー42bが開くとともに、心棒60が回転スピンドル41の内部に引き込まれる。その結果、巻線が完了した図8のような空芯コイル15が自重で落下する。
【0019】
巻線時にワイヤ10に張力を与えるテンション装置として、実施例では巻枠側は摩擦利用型、フライヤ側はスプリング利用型をそれぞれ使用したが、どちらのタイプのテンション装置を使用してもよい。巻枠側のテンション装置にスプリング利用型を使用する場合は、回転スピンドル41側に設けたフライヤ42のテンション機構と同様な機構を受動スピンドル20の軸受3に固定して設ければよい。
【0020】
空芯コイル15の両端末16、17の開き角度αは、ストッパー51、52の位置を調整することで任意の角度に設定できる。また、手動ではなくモーターあるいはエアシリンダ等でラックギア50を駆動するように構成してもよい。その場合はストッパー51、52に関連づけたスイッチで、モーターやエアシリンダのオン、オフを行うようにするとよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ストッパーを調整するだけで端末16、17の開き角度αを所望の角度に容易に設定できる安価な空芯コイルの巻線装置を構成できる。また、モータやエアシリンダ等を使用せずに手動による巻線も簡単に行えるので、各種の空芯コイルを試作し評価するための巻線装置としても適している。さらに、ワイヤ保持部2a及びクランパー42bの開閉操作と、心棒60及び回転スピンドル41の前進後退操作を、エアシリンダ5等の駆動装置による一つの動作で行えるので生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻線装置の一実施例を示す平面図
【図2】一部を断面にして示す同巻線装置要部の正面図
【図3】第2の巻線工程における巻線装置の平面図
【図4】第2の巻線工程における巻線装置要部の一部断面正面図
【図5】第3の巻線工程における巻線装置の平面図
【図6】第4の巻線工程における巻線装置の平面図
【図7】第5の巻線工程における巻線装置の平面図
【図8】空芯コイルの平面図
【符号の説明】
20 受動スピンドル
30 回転駆動部
40 回転軸
41 回転スピンドル
42 フライヤ
43 歯車
50 ラックギア
60 心棒
Claims (4)
- 受動スピンドルと、該受動スピンドルに同一の軸上で対向した回転スピンドルを有し該軸方向に移動自在な回転駆動部とを備え、巻枠から繰り出されるワイヤを巻線して空芯コイルを作る空芯コイルの巻線装置において、
該軸を中心に回転自在で回転スピンドル、フライヤ及び歯車を有し軸芯に貫通孔を形成した回転軸と、該フライヤに組み込んだテンション機構と、回転軸の貫通孔の中に移動自在に取付けた心棒と、所定の区間を直線的に移動自在で移動時に前記歯車を介して回転軸を回転させるラックギアとを、回転駆動部に設け、
巻枠から繰り出して受動スピンドルと回転スピンドルの間を通したワイヤの一端部をフライヤで保持可能としたことを特徴とする空芯コイルの巻線装置。 - ラックギアの移動範囲を制限する第1、第2のストッパーを備え、第1、第2のストッパーの位置を調整することによりラックギアの移動範囲を可変できるようにした請求項1の空芯コイルの巻線装置。
- 回転スピンドルの先端から心棒を突出させて、回転スピンドルと受動スピンドルの間に心棒を張り渡し、該心棒の周りにワイヤを巻き付けて空芯コイルを形成する請求項1の空芯コイルの巻線装置。
- 回転駆動部が該軸方向に第1の位置と第2の位置の間を往復運動し、回転駆動部の第1の位置では回転スピンドルが受動スピンドルに接近して回転スピンドルの先端から心棒を突出させ、回転駆動部の第2の位置では回転スピンドルが受動スピンドルから離れて心棒の先端が回転スピンドル内に収容されるようにした請求項3の空芯コイルの巻線装置。
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